JPH1038008A - 積載量感応型ショックアブソーバ - Google Patents

積載量感応型ショックアブソーバ

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Publication number
JPH1038008A
JPH1038008A JP21199296A JP21199296A JPH1038008A JP H1038008 A JPH1038008 A JP H1038008A JP 21199296 A JP21199296 A JP 21199296A JP 21199296 A JP21199296 A JP 21199296A JP H1038008 A JPH1038008 A JP H1038008A
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JP
Japan
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pressure
control valve
valve
damping
chamber
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Application number
JP21199296A
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English (en)
Inventor
Norihisa Shibuya
紀久 渋谷
Hideki Yamada
秀樹 山田
Koji Takase
孝次 高瀬
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積載量感応型のショックアブソーバの車両へ
の装着が容易であると共に、減衰特性の可変制御に際し
て減衰比を所定の範囲に保ちつつ車両としての乗心地を
も確保する。 【解決手段】 伸側および圧側減衰バルブ11,12の
背面に背圧室13,14を形成し、これら背圧室13,
14の入口側をそのとき作動側となる油室A,Bに絞り
23,24を通して連通すると共に、出口側を開く方向
にオフセットした制御バルブ36でそのとき低圧側とな
る油室A,Bへと連通し、かつ、外部からピストンロッ
ド5を通して制御バルブ36の操作面にエアサスペンシ
ョン装置の内圧を導く導通路を設け、この導通路23か
ら制御バルブ17の操作面にエアサスペンション装置の
内圧を導いて制御バルブ36を操作し、背圧室13,1
4の出口側における通路面積を可変制御して伸側および
圧側減衰バルブ11,12による減衰特性の減衰比を所
定の範囲に保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積載荷重の多寡
や有無によるエアサスペンション装置の内圧変化を利用
して自動的に減衰特性を適切に調整する積載量感応型シ
ョックアブソーバの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、懸架装置としてエアサスペンシ
ョン装置を用いた車両にあっては、積載荷重(ばね上荷
重)の多寡や有無に応じて当該エアサスペンション装置
の内圧が変化することから懸架装置としてのばね定数が
変化する。
【0003】その結果、エアサスペンション装置と併せ
て用いるショックアブソーバの減衰特性が一定である
と、積載荷重の多寡や有無に伴い当該ショックアブソー
バの振動減衰性能(減衰特性)に過不足が生じて乗心地
を害することになる。
【0004】これは、特に、積荷や乗客数によって著し
くばね上荷重が変化するトラックやバス等において大き
く現れ、空車時と積車時との減衰特性を共に最適に保つ
ことができないことになる。
【0005】そこで、従来、例えば、昭和58年特許出
願公開第128912号公報にみられるように、エアサ
スペンション装置と併用して、ピストンロッドに挿通し
た調整杆を外部から回転操作することにより、径の異な
るオリフィスを選択しつつ減衰特性を調整し得る減衰力
可変型のショックアブソーバを用いてやる。
【0006】そして、積載荷重の多寡に伴うエアサスペ
ンション装置の内圧変化をエアシリンダの伸縮動作即ち
直線運動として取り出し、この直線運動をレバーにより
回転運動に変換して上記ショックアブソーバの調整杆を
回転操作することにより、当該ショックアブソーバの減
衰特性をエアサスペンション装置の内圧変化に合わせて
調整するようにしたものが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このもので
は、エアサスペンション装置の内圧をエアシリンダによ
り直線運動として取り出し、この直線運動をレバーで回
転運動に変換しつつショックアブソーバの減衰特性を調
整するようにしているがために、それらの取り付けに大
きなスペースが必要となって装着性に劣るという問題点
があった。
【0008】また、そればかりでなく、減衰特性の調整
によって車両としての乗心地を害さずに常にばね上の振
動を安定的に吸収するためには、エアサスペンション装
置のばね定数とショックアブソーバの減衰係数の比即ち
減衰比をできるだけ一定の範囲に保つことが必要であ
る。
【0009】その点、径の異なるオリフィスを選択する
ことで減衰特性を調整するショックアブソーバにあって
は、伸縮速度の増大に伴って減衰特性が二次曲線的に上
昇することから、エアサスペンション装置のばね定数の
変化に対応して減衰比を所定の範囲に保ちつつ、それに
合わせてショックアブソーバの減衰特性を調整すること
が困難で乗心地が低下してしまうという問題点をも有し
ていた。
【0010】したがって、この発明の目的は、車両への
装着が容易であると共に、減衰特性の可変制御に際して
減衰比を所定の範囲に保ちつつ車両としての乗心地をも
確保することのできる積載量感応型のショックアブソー
バを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、この発
明において、ショックアブソーバにおける減衰バルブの
背面側に背圧室を形成し、当該背圧室の入口側を作動側
の油室に絞りを通して連通すると共に、出口側を開く方
向にオフセットした制御バルブで低圧側の油室へと連通
し、かつ、外部からこの制御バルブの操作面にエアサス
ペンション装置の内圧を導く導通路を設け、当該内圧の
変化に伴い制御バルブを操作して背圧室の出口側におけ
る通路面積を可変制御することによって達成される。
【0012】また、ショックアブソーバにおける減衰バ
ルブの背面側に背圧室を形成し、当該背圧室を制御バル
ブで作動側の油室と低圧側の油室との連通に切り換え得
るように構成すると共に、外部からこの制御バルブの操
作面にエアサスペンション装置の内圧を導く導通路を設
け、当該内圧の変化により制御バルブをオン・オフ操作
して背圧室を作動側の油室と低圧側の油室との連通に切
換制御することによっても達成される。
【0013】すなわち、上記のように構成することによ
って、前者のショックアブソーバにあっては、伸縮動作
に伴って作動側の油室から押し出された作動油が絞りお
よび背圧室を通して低圧側の油室へと流れると共に、伸
縮速度の増大に伴い当該作動油の流れと並行して減衰バ
ルブをも押し開きつつ低圧側の油室へと向って作動油を
流す。
【0014】この場合において、上記背圧室から低圧側
の油室へと向う作動油の流動路の通路面積は、エアサス
ペンション装置の内圧変化即ち積載荷重の多寡に伴って
切り換えられる制御バルブによって連続的に可変制御さ
れ、上記絞りと共に直列二段絞りとしての働きを行う。
【0015】これにより、背圧室の作動油圧力は、上記
流動路の通路面積が一段目の絞りに比べて大きい間は低
圧側の油室圧力と等しく保たれ、塞がれると作動側の油
室圧力と等しくなり、その間では通路面積の減少に伴っ
て上昇し、かくして、減衰バルブのクラッキング圧力が
積載荷重の多寡に対応して連続的に高低に変化すること
になる。
【0016】また、後者のショックアブソーバにあって
は、例えば、ピストンに設けた絞りを通して作動油を流
すと共に、伸縮速度の増大に伴い当該作動油の流れと並
行して減衰バルブをも押し開きつつ作動油を流す。
【0017】この場合において、上記減衰バルブの背面
側にある背圧室は、積載荷重の有無や所定の積載荷重を
境としたエアサスペンション装置の内圧変化でオン・オ
フ二段に切り換えられる制御バルブによって作動側の油
室への連通と低圧側の油室への連通とに切り換えられ
る。
【0018】これによって、積載荷重の有無により背圧
室の作動油圧力が作動側の油室圧力と等しくなったり低
圧側の油室圧力と等しくなったりし、それに伴って、減
衰バルブのクラッキング圧力が高低二段に変化すること
になる。
【0019】このことから、積載荷重の多寡や有無によ
るエアサスペンション装置の内圧変化即ちばね定数の変
化に合わせて制御バルブを切換制御してやることによ
り、前者の場合にあっては、低速域での絞りによる減衰
特性(オリフィス特性)を調整しつつ、かつ、中・高速
域での減衰バルブによる減衰特性(バルブ特性)を、減
衰比を所定の範囲に保ったまま調整して乗心地のよい積
載量感応型のショックアブソーバとすることができる。
【0020】また、後者の場合にあっては、低速域での
絞りによる減衰特性を一定に保ちつつ、減衰バルブによ
る中・高速域でのバルブ特性を、同じく、減衰比を所定
の範囲に保ったまま調整して乗心地のよい積載量感応型
のショックアブソーバとすることができる。
【0021】しかも、背圧室と当該背圧室を作動側の油
室と低圧側の油室に結ぶ各流路、および、制御バルブと
この制御バルブの操作面にエアサスペンション装置の内
圧を導く導通路をショックアブソーバに内装して配置
し、外部からは、単に導通路を通して制御バルブの操作
面にエアサスペンション装置の内圧を導いてやればよい
ことになる。
【0022】したがって、ショックアブソーバの外部に
は何等の切換機構も不要となり、例えば、一本または二
本に枝分れした配管等でショックアブソーバをエアサス
ペンション装置へと結んでやればよいことになるので、
当該ショックアブソーバの車両への組付性および搭載性
も著しく向上することになる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、この
発明の好ましい実施の形態である積載量感応型のショッ
クアブソーバを説明する。
【0024】図1に例示する積載量感応型のショックア
ブソーバ1は、内外二重筒構造に配置したシリンダ2と
アウタシェル3、および、シリンダ2の内部に摺動自在
に挿入したピストン4、並びに、ピストン4からシリン
ダ2とアウタシェル3の上端密閉部を貫通して外方に伸
びるピストンロッド5とからなっている。
【0025】シリンダ2とアウタシェル3の下端部分
は、当該アウタシェル3に溶着したボトムキャップ6に
よってそれぞれ塞がれており、これによって、シリンダ
2とアウタシェル3の間をリザーバ室Rとして画成して
いる。
【0026】また、ピストン4とピストンロッド5は、
ピストンナット7によって相互に連結してあり、当該ピ
ストン4によってシリンダ2の内部をピストンロッド5
側の上部作動油室Aとボトムキャップ6側の下部作動油
室Bとに区画している。
【0027】これら上部作動油室Aと下部作動油室B
は、ピストン4を貫通して斜め方向に穿った伸側ポート
8と圧側ポート9を通して相互に連通し、かつ、下部作
動油室Bは、シリンダ2に穿ったボトムオリフィス10
で上記リザーバ室Rに連通している。
【0028】ピストン4の両面には、伸側減衰バルブ1
1と圧側減衰バルブ12がそれぞれ内周部分を挟持して
取り付けてあり、伸側減衰バルブ11でピストン4にお
ける伸側ポート8の下端を塞ぐと共に、圧側減衰バルブ
12で同じくピストン4の圧側ポート9の上端を塞いで
いる。
【0029】以上述べてきた構成は、一般のショックア
ブソーバにおいて従来からよく知られている構造であっ
て、これから述べる以下の構成がこの発明を実施する上
で特に重要な構造を形作っている。
【0030】すなわち、伸側減衰バルブ11と圧側減衰
バルブ12の背面側には、下部作動油室Bと上部作動油
室Aから隔離して伸側の背圧室13と圧側の背圧室14
をそれぞれ区画して形成してある。
【0031】この実施の形態の場合、上記背圧室13,
14は、図2の詳細図にみられるように、伸側および圧
側減衰バルブ11,12の背面側に間座15,16を挟
んでガイド環17,18を固設し、これらガイド環1
7,18に隔壁環19,20を摺動自在に嵌挿して形成
してある。
【0032】そして、これら隔壁環19,20の先端を
ガイド環17,18との間に介装したスプリング21,
22で伸側および圧側減衰バルブ11,12の背面側に
押し付けることにより、背圧室13,14を上部および
下部作動油室A,Bから油密に保っている。
【0033】上記背圧室13,14は、伸側および圧側
減衰バルブ11,12に設けた絞り23,24を通して
ピストン4の伸側および圧側ポート8,9へと通じ、こ
れら伸側および圧側ポート8,9を通して上部作動油室
Aと下部作動油室Bに連通することにより制御時の入口
側の油路を構成している。
【0034】他方、背圧室13,14は、間座15,1
6に穿った油孔25,26からピストンロッド5に設け
た段違いのポート28,30を通してピストンロッド5
の内部に通じ、かつ、当該内部を通して同じく段違いの
ポート29,31により下部作動油室Bと上部作動油室
Aにそれぞれ連通している。
【0035】なお、この場合において、ポート29は、
ピストンナット7に穿った油孔27を通して下部作動油
室Bに連通し、これらによって、制御時における出口側
の油路を形成している。
【0036】このようにして、間座15とガイド環1
7,隔壁環19,スプリング21とで背圧室13をもつ
伸側の制御機構を構成すると共に、同じく、間座16と
ガイド環18,隔壁環20,スプリング22とで背圧室
14をもつ圧側の制御機構をそれぞれ構成し、これら伸
側および圧側の制御機構を伸側減衰バルブ11と圧側減
衰バルブ12のそれぞれの背面側に配設している。
【0037】一方、ピストンロッド5には、上記ポート
28,29,30,31と対応して制御バルブ36を内
装し、当該制御バルブ36でポート28とポート30の
間を隔離し、これらポート28,29,30,31をポ
ート28とポート29およびポート30とポート31の
二組のポート群に分けている。
【0038】また、これと併せて、上記制御バルブ36
を、その切換動作に伴い、外周面に設けた環状溝37,
38でポート28,29とポート30,31の連通を確
保しつつポート28,31の通路面積を可変制御するな
り、或いは、必要によりポート28,31を塞いでポー
ト29,30への連通を断つように構成してある。
【0039】上記制御バルブ36の下端面には、ピスト
ンロッド5に嵌着したプラグ46で両者の間にエア室4
7を形成し、当該エア室47のエア圧力と内装したスプ
リング48の復元力とで上端側の操作面をストッパ部材
49に押し付け、この状態において、ピストンロッド5
側のポート28,31を環状溝37,38で最大に開く
上方位置へとオフセットしている。
【0040】そして、制御バルブ36の操作面をピスト
ンロッド5に穿った軸方向の導通路50で外部へと導
き、この導通路50を通してエアサスペンション装置
(図示省略)の内圧を制御バルブ36の操作面に加える
ようにしている。
【0041】このようにして、制御バルブ36を、積載
荷重の多寡に合わせて下方へと押し進めつつポート2
8,31の通路面積を減少させる摺動タイプのスプール
バルブとして構成してある。
【0042】なお、上記に加えて当該実施の形態にあっ
ては、ストッパ部材49にコンスタントオリフィス51
を設け、導通路50からこのコンスタントオリフィス5
1を通してエアサスペンション装置の内圧を導くように
して制御バルブ36の操作面部分に一次遅れ圧力室52
を形成している。
【0043】この一次遅れ圧力室52は、車両走行時の
高周波振動でエアサスペンション装置の内圧が変動した
としても、当該変動が制御バルブ36の操作面に伝達さ
れるのを極力抑えて、制御バルブ36の頻繁な切り換わ
りによる制御の不安定性を防止するためのものである。
【0044】このことから、上記したコンスタントオリ
フィス51は、必ずしもストッパ部材49に設けてやる
必要はなく、制御バルブ36の操作面へとエアサスペン
ション装置の内圧を導く通路中に設けてやればよく、ま
た、この発明を実施する上で好ましいものではあるが必
ずしも必須のものではない。
【0045】かくして、この発明を実施したショックア
ブソーバ1は、以下のように動作して車両の振動を制振
する。
【0046】すなわち、低速域での伸張行程時には、ピ
ストン4で押し縮められて作動側の油室となった上部作
動油室A内の作動油を、伸側ポート8から絞り23,伸
側の背圧室13,油孔25,ポート28,環状溝37,
ポート29および油孔27を通して下部作動油室Bに押
し出す。
【0047】また、同時にポート31からも環状溝3
8,ポート30,油孔26,圧側の背圧室14,絞り2
4および圧側ポート9を通して下部作動油室Bに押し出
し、これら絞り23,24を通る作動油の流動抵抗でオ
リフィス特性の伸側減衰力を発生する。
【0048】それに対して、ピストン4の伸張速度が速
くなって低速域の後半から中・高速域に入ると、今度
は、上記絞り23,24を通る作動油の流れと併せて伸
側ポート8から伸側減衰バルブ11を押し開いて下部作
動油室Bへと作動油が流動し始め、この伸側減衰バルブ
11を押し開いて流れるときの作動油の流動抵抗でバル
ブ特性の伸側減衰力を発生する。
【0049】しかも、これら上記と併せて、シリンダ2
からのピストンロッド5の退出体積分に相当する量の作
動油をリザーバ室Rからボトムオリフィス10を通して
下部作動油室Bに吸い込み、当該作動油でそのときに生
じる下部作動油室B内の作動油の不足分を補う。
【0050】一方、この場合において、制御バルブ36
は、積載荷重の多寡または有無によるエアサスペンショ
ン装置の内圧変化に対応してエア室47側の戻し力とバ
ランスする位置まで連続的に或いは二段に切り換わる。
【0051】この制御バルブ36の切り換わりによりポ
ート28,31の絞り度を変えて通路面積を連続的にま
たは二段に可変制御し、絞り23とポート28およびポ
ート31と絞り24とで直列二段の可変絞り機構或いは
二段絞り機構を構成すると共に、必要によっては、最終
的にこれらポート28,31を閉じる。
【0052】なお、上記の連続的な制御の段階におい
て、ポート28,31の通路面積が絞り23,24に比
べて充分大きい間は、伸側の背圧室13が低圧側の下部
作動油室Bと略々等しい圧力に保たれると共に、圧側の
背圧室14も作動側の上部作動油室Aと略々等しい圧力
に保たれる。
【0053】しかし、ポート28,31の通路面積が減
少してこれらが絞りとしての作用を始めるようになる
と、これらポート28,31が絞り23,24と協同し
て直列二段絞りとしての作用を始め、それに伴って、伸
側の背圧室13の圧力が上昇し始めると共に、圧側の背
圧室14の圧力は低下していく。
【0054】このようにして、ポート28,31がそれ
ぞれ絞り23,24と協同して直列二段の可変絞り機構
或いは二段絞り機構として作用するようになることか
ら、低速域におけるオリフィス特性の伸側減衰特性が積
載荷重の多寡または有無に対応して変化する。
【0055】しかも、これと併せて、絞り23とポート
28との間にある伸側の背圧室13の作動油圧力もポー
ト28の絞り度の増加に伴い絞り23と協同して連続的
に上昇するなり、或いは、高圧に切り換えられる。
【0056】かくして、エアサスペンション装置の内圧
の変化に伴いポート28,31の通路面積を減少または
増加させたりまたはゼロにして、作動油の流動抵抗を制
御しつつ低速域におけるオリフィス特性の伸側減衰特性
を高低に制御する。
【0057】また、低速域の後半から中・高速域にかけ
ては、上記と併せて、伸側の圧力室13の圧力変化に伴
い伸側減衰バルブ11のクラッキング圧力を制御しつ
つ、バルブ特性の伸側減衰特性をも高低に制御して制振
作用を行う。
【0058】一方、それに対して、逆に圧縮行程時にあ
っては、ピストンロッド5の浸入体積分に相当する量の
作動油を下部作動油室Bからボトムオリフィス10を通
してリザーバ室Rに押し出すことにより、当該下部作動
油室Bの作動油圧力を保持する。
【0059】これにより、低速域において下部作動油室
B内の作動油は、上記した伸張行程時とは逆方向に、圧
側ポート9と油孔27からそれぞれ絞り23,24と伸
側および圧側の背圧室13,14を通して上部作動油室
Aに流入すると共に、中・高速域にかけては、これと併
せて、圧側ポート9からも圧側減衰バルブ12を押し開
いて上部作動油室Aに流れる。
【0060】その結果、圧縮行程時には、先の伸張行程
時に比べて伸側減衰バルブ11の代りに圧側減衰バルブ
12が働くだけで、低速域にあっては、絞り23,24
を通る作動油の流動抵抗でオリフィス特性をもつ圧側減
衰力を発生し、また、中・高速域にかけては、圧側減衰
バルブ12を押し開いて流れる作動油の流動抵抗でバル
ブ特性の圧側減衰力を発生する。
【0061】そして、この場合にあっても、上記制御バ
ルブ36は、積載荷重の多寡や有無によるエアサスペン
ション装置の内圧変化に対応してエア室47側の戻し力
とバランスする位置まで切り換わり、ポート31の通路
面積を連続的に或いは二段に可変制御すると共に、必要
によっては、最終的にポート31を塞ぐ。
【0062】その結果、圧縮行程時にあっても先の伸張
行程時と同様に、エアサスペンション装置の内圧の変化
によりポート28,31の通路面積を制御して低速域に
おけるオリフィス特性の圧側減衰特性を高低に制御す
る。
【0063】また、中・高速域では、圧側の圧力室14
における圧力変化に伴い圧側減衰バルブ12のクラッキ
ング圧力を制御しつつ、バルブ特性の圧側減衰を高低に
制御して制振作用を行う。
【0064】このようにして、伸張および圧縮行程の両
方において、エアサスペンション装置の内圧の変化によ
り低速域でのオリフィス特性の減衰特性と中・高速域に
かけてのバルブ特性の減衰特性を高低に制御して制振作
用を行うことになる。
【0065】したがって、積載荷重の多寡や有無による
エアサスペンション装置の内圧変化に伴うばね定数の変
化に対応して制御バルブ36の切換量を設定してやるこ
とにより、当該ばね定数と減衰係数の比である減衰比を
所定の範囲に保って、伸側および圧側減衰特性を制御し
つつ乗心地のよい積載量感応型のショックアブソーバ1
とすることができる。
【0066】なお、上記した実施の形態にあっては、絞
り23,24を伸側および圧側減衰バルブ11,12に
設けるようにしたが、図3の実施の形態に示すショック
アブソーバ1aのように、ピストン4の内周側における
土手の部分に打刻を施して絞り23a,24aを設けて
やる。
【0067】そして、これら絞り23a,24aをピス
ロンロッド5の外周面に形成した環状溝39,40から
間座15a,16aのピストン4側における各端面に形
成した放射溝32を通して伸側の背圧室13と圧側の背
圧室14とにそれぞれ連通するようにしてもよい。
【0068】何故ならば、このようにしたとしても、伸
張および圧縮行程時において、上部或いは下部作動油室
A,B内の作動油がピストン4における伸側或いは圧側
ポート8,9から絞り23a,24aを通り、かつ、環
状溝39,40および放射溝32を通して伸側或いは圧
側の背圧室13,14へと流入する。
【0069】そして、これら背圧室13,14を通った
作動油が、制御バルブ36の環状溝37,38によりポ
ート28,29およびポート30,31を通してそのと
き低圧側となっている下部或いは上部作動油室B,Aへ
と流れる。
【0070】これにより、エアサスペンション装置の内
圧の変化に伴い、制御バルブ36によってポート28,
31の通路面積を制御することにより、低速域における
オリフィス特性の減衰特性を高低に制御し得る。
【0071】しかも、上記と併せて、直列二段絞り構成
からなる絞り23aとポート28および絞り24aとポ
ート31の中間部分の作動油圧力が、背圧室13,14
にそれぞれ作用することになる。
【0072】そのために、制御バルブ36によるポート
28,31の通路面積の制御に伴う背圧室13,14の
圧力変化で伸側および圧側減衰バルブ11,12のクラ
ッキング圧力を制御し、中・高速域でのバルブ特性の減
衰特性をも高低に制御して先の実施の形態と同様の制振
作用を行い得るからである。
【0073】また、これまでの実施の形態にあっては、
ボトムオリフィス10をもつ複筒型のショックアブソー
バ1,1aに対してこの発明を適用した場合について述
べてきたが、当該発明は、必ずしもそれらに限らず、シ
リンダ2内の一部をガス室として区画した公知の単筒型
ショックアブソーバにも同様にして適用し得ることが容
易に理解できよう。
【0074】さらに、そればかりでなく、この発明は、
下記のようにベースバルブを備えた形式の複筒型ショッ
クアブソーバに適用して、伸側および圧側減衰特性をそ
れぞれの制御バルブにより個々に調整することもでき
る。
【0075】すなわち、図4は、その場合における実施
の形態を示すもので、当該ショックアブソーバ1bにあ
っては、ピストン4における圧側ポート9を塞ぐバルブ
をクラッキング圧力の低い圧側背面バルブ12b(これ
は、圧側チェックバルブでもよい)で構成している。
【0076】そして、この圧側背面バルブ12bに対し
ては制御機構を設けることなく、かつ、シリンダ2の下
部側面に設けたボトムオリフィス10をも廃して当該シ
リンダ2の下端にベースバルブ53を配設している。
【0077】なお、伸側減衰バルブ11の制御機構につ
いては、先に述べた図2の実施の形態と同一構造(勿
論、図3の実施の形態と同一構造であってもよい)にな
っており、それに伴って、ポート28の通路面積を制御
する環状溝37のみを備えた制御バルブ36bを用いて
いる。
【0078】したがって、これらの構成については、同
一部分に同一符号を付すことによってその説明を省略
し、以下には、ベースバルブ53の構成についてのみ説
明することにする。
【0079】ベースバルブ53は、バルブケース54の
上端外周面をシリンダ2の下端に嵌着し、かつ、バルブ
ケース54を通してシリンダ2の下端をボトムキャップ
6の内底面に押し当てることにより、シリンダ2をアウ
タシェル3に対してセンタリングしている。
【0080】バルブケース54には、軸方向へと向って
伸側ポート8cと圧側ポート9cが穿設してあり、これ
ら伸側および圧側ポート8c,9cを通して下部作動油
室Bとリザーバ室Rを相互に連通している。
【0081】バルブケース54の上面には、センタピン
55でガイドして伸側チェックバルブ11cが設けてあ
り、当該伸側チェックバルブ11cで伸側ポート8cの
上端を塞いでいる。
【0082】また、バルブケース54の下面には、圧側
減衰バルブ12cと背圧室14を備えた圧側の制御機構
とが、受け板56を挟んでセンタピン55により内周部
分を加締め止めして取り付けてあり、当該圧側減衰バル
ブ12cで同じく圧側ポート9cの下端を塞いでいる。
【0083】なお、上記した圧側の制御機構は、先の実
施の形態における圧側制御機構に比べて隔壁環20cの
形状とスプリング22の介装位置を異にするだけで、背
圧室14は、同じく、圧側減衰バルブ12cに穿った絞
り24c(或いは、図3の実施の形態と同様にバルブケ
ース54の内周側の土手部分に設けた絞りであってもよ
い)を通して下部作動油室Bに連通しており、これによ
って、制御時における背圧室14の入口側の油路を構成
している。
【0084】一方、センタピン55は、伸側および圧側
ポート8c,9cと並列して上下に通じる貫通孔57を
有し、この貫通孔57の途中に圧側制御機構における背
圧室14がセンタピン55に設けたポート30cを通し
て通じている。
【0085】貫通孔57の内部には、外周面に環状溝3
8cをもったスプールタイプの制御バルブ36cが配設
してあり、当該制御バルブ36cの切換動作に伴い、セ
ンタピン55のポート30cの通路面積を制御しつつ圧
側制御機構の背圧室14をリザーバ室Rに連通するな
り、或いは、遮断することで制御時における出口側の油
路を形成している。
【0086】そのために、制御バルブ36cの下端部分
は、切換操作部分58としてボトムキャップ6の内部へ
と延び、かつ、ボトムキャップ6に嵌着したキャップ5
9との間にスプリング60を介装することで、制御バル
ブ36cをスプリング60の復元力で通常ポート30c
を最大に開く方向にオフセットしている。
【0087】そして、上記切換操作部分58の上面側で
ある操作面をボトムキャップ6に設けた導通路50cで
外部へと導き、この導通路50cを通してエアサスペン
ション装置の内圧を切換操作部58の操作面に加え、積
載荷重の多寡或いは有無に合わせて制御バルブ36cを
切り換えつつポート30cの通路面積を連続的にまたは
二段に制御するように構成してある。
【0088】なお、この場合にあっても、上記導通路5
0cの途中にコンスタントオリフィス51cを設けてエ
アサスペンション装置の内圧を導き、それによって、制
御バルブ36cの操作面と対向する導通路50cの部分
を一次遅れ圧力室52cとして形成している。
【0089】これにより、当該ショックアブソーバ1b
もまた、伸張行程時の低速域にあっては、ピストン4で
上部作動油室A内の作動油を伸側ポート8から絞り23
(或いは絞り23a)と背圧室13を通して下部作動油
室Bに流し、当該絞り23の流動抵抗でオリフィス特性
の伸側減衰力を発生する。
【0090】そして、低速域の後半から中・高速域にか
けては、上記と併せて伸側ポート8から伸側減衰バルブ
11をも押し開いて下部作動油室Bへと流し、この伸側
減衰バルブ11を自己の撓み剛性と背圧室13の圧力に
抗して押し開きつつ流すときの作動油の流動抵抗でバル
ブ特性の伸側減衰力を発生する。
【0091】また、これらと併せて、ピストンロッド5
の退出体積分に相当する量の作動油を、リザーバ室Rか
らベースバルブ53の伸側ポート8cを通して伸側チェ
ックバルブ11cを開きつつ、かつ、センタピン55の
ポート30cからも圧側調整機構の背圧室14と絞り2
4cを通して下部作動油室Bへと吸い込み、当該作動油
でそのときに生じる下部作動油室B内の作動油の不足分
を補う。
【0092】しかも、このときにおける下部作動油室B
への作動油の吸い込み作用は、ベースバルブ53の伸側
ポート8cから伸側チェックバルブ11cを開いて供給
される作動油流量で充分に足りることから、制御バルブ
36cによるポート30cの通路面積の可変制御がその
ときの伸側減衰特性に何等の影響をも与えない。
【0093】したがって、この図4のショックアブソー
バ1bもまた、積載荷重の多寡や有無によってポート2
8の通路面積を減少または増加させつつ、そこを流れる
作動油の流動抵抗を変えて低速域におけるオリフィス特
性の伸側減衰特性を高低に制御する。
【0094】しかも、ポート28の通路面積の減少また
は増加により伸側制御機構における背圧室13の圧力を
も変えて伸側減衰バルブ11のクラッキング圧力を高低
に切り換え、それに伴い、低速域の後半から中・高速域
にかけてのバルブ特性の伸側減衰特性をも高低に制御し
て制振作用を行う。
【0095】それに対して、圧縮行程時には、ピストン
4により下部作動油室B内の作動油を圧側ポート9から
圧側背面バルブ12bを開いて上部作動油室Aに流し、
当該圧側背面バルブ12bで下部作動油室Bの作動油圧
力を所定圧力に確保しつつ上部作動油室Aに生じる作動
油の不足分を補う。
【0096】これにより、上部作動油室Aに対する作動
油の吸い込み作用もまた、圧側背面バルブ12bを開い
て供給される作動油流量で充分に足りることから、前記
した伸張行程時と同様に制御バルブ36bによるポート
28の通路面積の可変制御が圧側減衰特性に対して影響
を与える恐れはない。
【0097】しかも、これと併せて、低速域にあって
は、下部作動油室Bからピストンロッド5の浸入体積分
に相当する量の作動油をベースバルブ53の圧側ポート
9cから絞り24cと背圧室14を通してリザーバ室R
に流し、当該絞り24cの流動抵抗でオリフィス特性の
圧側減衰力を発生する。
【0098】また、中・高速域にかけては、上記と併せ
て、圧側ポート9cから圧側減衰バルブ12cをも押し
開いてリザーバ室Rに流し、この圧側減衰バルブ12c
を自己の撓み剛性と背圧室14の圧力とによるクラッキ
ング圧力に抗して押し開きつつ流すときの作動油の流動
抵抗でバルブ特性の圧側減衰力を発生する。
【0099】したがって、圧縮行程時にあってもまた、
積載荷重の多寡や有無によってポート30cの通路面積
を減少または増加させ、そこを流れる作動油の流動抵抗
を変えて低速域におけるオリフィス特性の圧側減衰特性
を高低に制御すると共に、背圧室14の圧力をも変えて
圧側減衰バルブ12cのクラッキング圧力を調整するこ
とにより、中・高速域にかけてのバルブ特性の圧側減衰
特性をも高低に制御して制振作用を行うことになる。
【0100】かくして、図4のショックアブソーバ1b
もまた、先のショックアブソーバ1と同様に、積載荷重
の多寡や有無によるエアサスペンション装置のばね定数
の変化に対応して両制御バルブ36b,36cの切換量
を設定してやることにより、当該積載荷重の多寡や有無
に合わせて伸側および圧側減衰特性を適切に制御しつ
つ、かつ、減衰比を所定の範囲に保って乗心地のよい積
載量感応型ショックアブソーバ1bとすることができ
る。
【0101】ただし、上記図4の実施の形態では、ベー
スバルブ53側の制御バルブ36cをスプールバルブで
構成したが、図5に示す実施の形態のように、これをス
プリングオフセット式のロータリバルブとして構成して
もよい。
【0102】すなわち、図5に示す実施の形態にあって
は、ボトムキャップ6にロータリ式の制御バルブ36d
を縦方向に内装し、当該制御バルブ36dの先端をベー
スバルブ53におけるセンタピン55の貫通孔57に嵌
めている。
【0103】上記制御バルブ36dは、センタピン55
のポート30cをリザーバ室Rへと向って導くスリット
38dを有し、これらポート30cとスリット38dと
で背圧室14の出口側の油路を構成すると共に、回動操
作に伴ってポート30cの通路面積を可変制御するよう
にしてある。
【0104】一方、制御バルブ36dの基端側は、図6
にみられるように、扇形状部61としてボトムキャップ
6の扇形室62に嵌め、当該扇形室62内に配設したス
プリング63で制御バルブ36dのスリット38dをセ
ンタピン55のポート30cに最大通路面積を保って連
通するようにオフセットしている。
【0105】そして、外部から扇形状部61における操
作面に向って導通路50cによりコンスタントオリフィ
ス51cと一次遅れ圧力室52cを通してエアサスペン
ション装置の内圧を導くと共に、扇形状部61の反対側
の面を通孔64で外部へと開放するようにしたのであ
る。
【0106】これにより、制御バルブ36dがエアサス
ペンション装置の内圧に応動して回動し、それに伴い、
スリット38dがポート30cに対し円周方向へとずれ
て連通の度合いが変わることから、このものでも、エア
サスペンション装置のばね定数の変化に適応してポート
30cの通路面積を制御しつつ、先の図4の実施の形態
と同様の作用を果し得ることになる。
【0107】以上、これまで述べてきた実施の形態にあ
っては、主として積載荷重の多寡につきこれに有無の場
合をも含めてエアサスペンション装置のばね定数の変化
に対し、減衰比を所定の範囲に保って減衰特性を連続的
に或いは二段に制御する場合について述べてきた。
【0108】しかし、積載荷重の有無や特定の積載荷重
を境として減衰比を所定の範囲に保ちつつエアサスペン
ション装置のばね定数の変化に対応して減衰特性を二段
に制御すれば足りるような場合には、以下のようにすれ
ばよい。
【0109】図7は、この場合の実施の一形態を示すも
ので、当該ショックアブソーバ1eは、先のショックア
ブソーバ1と比べてみれば分かるように、図2の実施の
形態に変更と機構の追加を施したもので、基本的な部分
の構成について何等変わるところはない。
【0110】したがって、以下には、これら変更および
追加した部分の機構についてのみ説明し、基本的な部分
の構成については、先の図2の実施の形態のところでの
説明に委ねることにする。
【0111】すなわち、図7に示すショックアブソーバ
1eは、図2の実施の形態において伸側および圧側減衰
バルブ11,12に設けた絞り23,24を廃し、その
代わりに、ピストン4の両面にある外周側の土手部分に
打刻を施すことによって絞り23e,24eを設けてい
る。
【0112】また、ピストンロッド5には、図2の実施
の形態において用いられているポートと同等のポート2
8,29,30,31の他に、ポート28,30の間に
位置して三つのポート33,34,35を段違いにして
設けてある。
【0113】上記三つのポート33,34,35のう
ち、ポート33は、伸側の制御機構における背圧室13
へと直に通じており、かつ、 ポート34とポート35
は、ピストンロッド5の外周面にピストン4で覆って形
成した環状溝41,42とピストン4に穿った斜めの油
路44,45を通して個々に伸側ポート8と圧側ポート
9に通じている。
【0114】一方、当該ショックアブソーバ1eにおけ
る制御バルブ36eもまた、図2の実施の形態で用いら
れている環状溝と同等の環状溝37,38の他に、これ
ら環状溝37,38の間にもう一つの環状溝43を追加
して設けてある。
【0115】そして、制御バルブ36eのオフ位置にお
いて、環状溝37,38によりポート28とポート29
およびポート30とポート31の連通を確保すると共
に、オン位置への切換時には、ポート28,31を塞い
で上記の連通を断ちつつ環状溝43,38とでポート3
3とポート34およびポート30とポート35の連通に
切り換え得るように構成してある。
【0116】これにより、低速域での伸縮動作時には、
絞り23e,24eを通して流れる作動油の流動抵抗で
オリフィス特性の伸側および圧側減衰力を発生し、中・
高速域では、伸側および圧側減衰バルブ11,12を押
し開いて流れるときの作動油の流動抵抗でバルブ特性の
伸側および圧側減衰力を発生する。
【0117】この点では、先の図2の実施の形態の場合
と同一であるが、しかし、上記において、制御バルブ3
6aは、そのときの積載荷重の有無或いは設定荷重を境
として変化するエアサスペンション装置の内圧で、積載
荷重が無いか軽いとき(軽荷重時)にはオフ位置に、ま
た、積載荷重が設定荷重になった後(重荷重時)はオン
位置へと二段に切り換えられる。
【0118】そして、オフ位置にあっては、環状溝3
7,38でピストンロッド5側のポート28とポート2
9およびポート30とポート31をそれぞれ互に連通
し、伸側減衰バルブ11と圧側減衰バルブ12の背面側
にある背圧室13,14を低圧側となる下部作動油室B
と上部作動油室Aとに連通して低圧に保つ。
【0119】一方、オン位置では、ポート28,31を
塞いで上記の連通を断つと共に、環状溝43,38でポ
ート33とポート34およびポート30とポート35を
それぞれ互に連通し、背圧室13,14を高圧の作動側
である上部作動油室Aと下部作動油室Bの連通に切り換
え、伸側および圧側減衰バルブ11,12の背面側に加
わる圧力を表面側に加わる圧力と同圧の高圧に保つ。
【0120】かくして、軽荷重時には、伸側および圧側
減衰バルブ11,12のクラッキング圧力がそれらの撓
み剛性力のみによって決まるのに対し、重荷重時におけ
るクラッキング圧力は、これに上下面の受圧面積差と背
圧室13,14の圧力の積による抵抗力が加わった形で
決まることになる。
【0121】したがって、制御バルブ36aで高低二段
に切り換えられる伸側および圧側減衰バルブ11,12
のクラッキング圧力を、これら軽荷重時と重荷重時のエ
アサスペンション装置の内圧変化によるばね定数の変化
に合わせて設定してやることにより、中・高速域での減
衰比を所定の範囲に保って乗心地のよい積載量感応型の
ショックアブソーバ1eとすることができる。
【0122】そして、これもまた、図8に示す実施の形
態のように、先の図4の実施の形態と同じく伸側および
圧側減衰力発生機構をピストン4とベースバルブ53に
分けて設け、ピストン4の圧側ポート9を圧側背面バル
ブ12f(或いは圧側チェックバルブ)で塞ぐと共に、
ピストン4とベースバルブ53におけるバルブケース5
4の下面にある外周側の土手部分に打刻を施して絞り2
3f,24fをそれぞれ設けてやる。
【0123】このようにして、ピストンロッド5側の制
御バルブ36fで伸側の背圧室13の連通を先と同様に
して切り換えると共に、ベースバルブ53側に設けた制
御バルブ36gで圧側の背圧室14に通じるポート30
cを貫通孔57側への連通に切り換えることで、ベース
バルブを備えた形式の複筒型ショックアブソーバ1fに
も適用することができる。
【0124】また、図9に示す実施の形態のように、セ
ンタピン55のポート30cと段違いにして上方に同じ
く圧側の背圧室14に通じるポート30bを穿設し、こ
れららポート30b,30cを貫通孔57に通じるL字
状の油路45cとリザーバ室Rに連通するスリット38
dをもつ制御バルブ36hで交互に開閉切換することに
より、先の図5,図6と同様に当該制御バルブ36hを
スプールバルに代えてロータリバルブで構成することも
できる。
【0125】なお、これらの詳細な構成および作動につ
いては、図4,図5,図6の説明を参照にして図7の説
明をみれば容易に理解できることであるので、ここでは
それらの説明を省略する。
【0126】さらに、これまで述べてきた各実施の形態
にあては、積載荷重に対応して伸側および圧側減衰特性
の両方を制御するようにしたが、伸側および圧側減衰バ
ルブの一方についてのみ調整機構を施して何れかの側に
だけ減衰特性の制御を行うようにしてもよいことは言う
までもない。
【0127】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、積載荷重の多寡によるエアサスペンション装置の内
圧変化に応じて制御バルブの背面側に設けた背圧室の圧
力を連続的に可変制御し、当該積載荷重の多寡に対応し
てショックアブソーバの減衰特性を可変制御し得るばか
りか、エアサスペンション装置のばね定数の変化に適応
して減衰係数を変えつつ、減衰比を所定の範囲に保って
車両としての乗心地を向上させることができる。
【0128】しかも、上記において、背圧室と制御バル
ブおよび当該制御バルブの操作面にエアサスペンション
装置の内圧を導く導通路をそれぞれショックアブソーバ
に内装して設け得ることから、ショックアブソーバの外
部には何等の切換機構も不要となり、したがって、当該
ショックアブソーバの車両への組付性および搭載性をも
著しく向上させることができる。
【0129】請求項2の発明によっても、車両への組付
性および搭載性を良好に確保しながら、しかも、積載荷
重の有無や特定の積載荷重を境として制御バルブの背面
側に設けた背圧室の圧力を二段に制御しつつ上記と同等
の効果を発揮させることができる。
【0130】請求項3の発明によれば、ピストンに対し
て伸側減衰バルブと圧側減衰バルブを設けた単筒型のシ
ョックアブソーバや、或いは、ボトムオリフィス形式の
複筒型ショックアブソーバにこの発明を容易に実施して
上記した各効果をもたせることができる。
【0131】また、請求項4の発明によれば、ベースバ
ルブ形式の複筒型ショックアブソーバにこの発明を実施
して、伸側および圧側減衰特性を個々にきめ細かく制御
しつつ上記した各効果をもたせることができる。
【0132】さらに、請求項5の発明によれば、上記し
たこれらの効果に加えて、車両走行時におけるエアサス
ペンション装置の高周波での内圧変動に際し、それに応
動して制御バルブが頻繁に切り換わるのを阻止しつつ制
御の不安定性をも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を、ボトムオリフィス式の複筒型ショ
ックアブソーバに適用した場合の実施の形態を示す縦断
正面図である。
【図2】同上、要部を拡大して詳細に示す縦断正面図で
ある。
【図3】この発明の他の実施の形態を示す要部の拡大縦
断正面図である。
【図4】この発明を、ベースバルブ形式の複筒型ショッ
クアブソーバに適用した場合の実施の形態を示す要部の
拡大縦断正面図である。
【図5】同上、ベースバルブにおける制御機構の他の実
施の形態を示す要部の拡大縦断正面図である。
【図6】同じく、上記制御機構の操作部分を横断して示
す部分拡大平面図である。
【図7】この発明を二段制御方式とした場合の実施の形
態を示す要部の拡大縦断正面図である。
【図8】同じく、上記の発明を、ベースバルブ形式の複
筒型ショックアブソーバに適用した場合の実施の形態を
示す要部の拡大縦断正面図である。
【図9】同上、ベースバルブにおける制御機構の他の実
施の形態を示す要部の拡大縦断正面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1e,1f ショックアブソーバ 2 シリンダ 3 アウタシェル 4 ピストン 5 ピストンロッド 6 ボトムキャップ 8,8c 伸側ポート 9,9c 圧側ポート 11 伸側減衰バルブ 12,12c 圧側減衰バルブ 12b 圧側背面バルブ 13 伸側の背圧室 14 圧側の背圧室 15,15a,16,16a 間座 17,18 ガイド環 19,20,20c 隔壁環 23,23a,23e,23f 伸側の背圧室に通じる
油路中の絞り 24,24a,24c,24e 圧側の背圧室に通じる
油路中の絞り 27 伸側の背圧室油路用の油孔 28,29,33,34 伸側の背圧室油路用のポート 30,30b,30c,31,35 圧側背圧室油路用
のポート 32 放射溝 36,36e 伸側および圧側兼用の制御バルブ 36b,36h 伸側専用の制御バルブ 36c,36d,36f,36g,36h 圧側専用の
制御バルブ 37,37a,39,41,43 伸側背圧室油路用の
環状溝 38,38a,38c,38d,40,42 圧側背圧
室油路用の環状溝 44 伸側背圧室用の油路 45,45c 圧側背圧室用の油路 50,50c 導通路 51,51c コンスタントオリフィス 52,52c 一次遅れ圧力室 53 ベースバルブ 57 貫通孔 A 上部作動油室 B 下部作動油室 R リザーバ室

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減衰バルブの背面側に背圧室を形成し、
    当該背圧室の入口側を作動側の油室に絞りを通して連通
    すると共に、出口側を開く方向にオフセットした制御バ
    ルブで低圧側の油室へと連通し、かつ、外部からこの制
    御バルブの操作面にエアサスペンション装置の内圧を導
    く導通路を設け、当該内圧の変化に伴い制御バルブを操
    作して背圧室の出口側における通路面積を可変制御する
    ことを特徴とする積載量感応型ショックアブソーバ。
  2. 【請求項2】 減衰バルブの背面側に背圧室を形成し、
    当該背圧室を制御バルブで作動側の油室と低圧側の油室
    との連通に切り換え得るように構成すると共に、外部か
    らこの制御バルブの操作面にエアサスペンション装置の
    内圧を導く導通路を設け、当該内圧の変化により制御バ
    ルブをオン・オフ操作して背圧室を作動側の油室と低圧
    側の油室との連通に切換制御することを特徴とする積載
    量感応型ショックアブソーバ。
  3. 【請求項3】 ピストンに設けた伸側減衰バルブと圧側
    減衰バルブの背面側にそれぞれ背圧室を形成すると共
    に、これら背圧室を制御する制御バルブをピストンロッ
    ドに内装して配置し、かつ、外部からピストンロッドを
    通して制御バルブの操作面にエアサスペンション装置の
    内圧を導く導通路を形成した請求項1または2の積載量
    感応型ショックアブソーバ。
  4. 【請求項4】 ピストンに設けた伸側減衰バルブとベー
    スバルブに設けた圧側減衰バルブの背面側にそれぞれ背
    圧室を形成すると共に、これら背圧室を制御する制御バ
    ルブをピストンロッドとボトムキャップに内装して個々
    に配置し、かつ、外部からピストンロッドとボトムキャ
    ップを通して同時にこれら制御バルブの操作面にエアサ
    スペンション装置の内圧を導く導通路を形成した請求項
    1または2の積載量感応型ショックアブソーバ。
  5. 【請求項5】 エアサスペンション装置の内圧を一次遅
    れ用のコンスタントオリフィスを通して導通路により制
    御バルブの操作面に作用させた請求項3または4の積載
    量感応型ショックアブソーバ。
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