JPH09126263A - 油圧緩衝装置 - Google Patents

油圧緩衝装置

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Publication number
JPH09126263A
JPH09126263A JP7306538A JP30653895A JPH09126263A JP H09126263 A JPH09126263 A JP H09126263A JP 7306538 A JP7306538 A JP 7306538A JP 30653895 A JP30653895 A JP 30653895A JP H09126263 A JPH09126263 A JP H09126263A
Authority
JP
Japan
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cylinder body
damping
accumulator
spool
shock absorber
Prior art date
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Pending
Application number
JP7306538A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Masamura
辰也 政村
Koji Takase
孝次 高瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Priority to JP7306538A priority Critical patent/JPH09126263A/ja
Publication of JPH09126263A publication Critical patent/JPH09126263A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の車高調整及び減衰力調整を可能にする
のは勿論のこと、車両における乗り心地の悪化を招来せ
ず、しかも、長期に亙る耐久性を期待できて、ハイドロ
ニューマチックサスペンションシステムとしての利用に
最適となる。 【解決手段】 車両の車体側と車軸側との間に配在され
て伸縮するシリンダ本体1と、該シリンダ本体1の外部
に配在されるアキュムレータ2と、との間に配在されて
油の通過時に減衰力を発生させる減衰機構3が油の通過
時に所定の減衰力を発生させる減衰バルブ13,14
と、該減衰バルブ13,14を迂回するバイパス路と、
該バイパス路を開閉するスプール20と、を有してな
り、該スプール20が外力作用で摺動してバイパス路を
閉塞するように形成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハイドロニュー
マチックサスペンションシステムに利用する油圧緩衝装
置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ハイドロニューマチックサスペンション
システムに利用する油圧緩衝装置としては、従来から種
々の提案があるが、例えば、図5に示す油圧緩衝装置に
あっては、車両(図示せず)の車体側と車軸側との間に
配在されて伸縮するシリンダ本体1と、該シリンダ本体
1の外部に配在されるアキュムレータ2と、該アキュム
レータ2とシリンダ本体1との間に配在されて油の通過
時に減衰力を発生させる減衰機構3と、を有すると共
に、アキュムレータ2の内圧を上昇させる油圧供給源4
を有してなるとしている。
【0003】そして、減衰機構3は、ケーシング10内
に収装された隔壁部材11と、摺動ロッド12と、減衰
バルブ13,14と、附勢ばね15,16と、ストッパ
17と、を有してなり、一端側がアキュムレータ2及び
油圧供給源4に連通されると共に他端側がシリンダ本体
1、即ち、シリンダ本体1を構成する車軸側部材たるシ
リンダ体1aを介して該シリンダ体1a内に形成の圧力
室(図示せず)に連通されてなる。
【0004】ところで、隔壁部材11は、ケーシング1
0の軸線方向に沿って、即ち、該ケーシング10内でシ
リンダ本体1側及びアキュムレータ2側に摺動可能なよ
うに収装されて、該ケーシング10内をシリンダ本体1
側の油室R1とアキュムレータ2側の油室R2とに区画
すると共に、肉厚を貫通するようにして開穿されたポー
ト11a,11bを介して油室R1,R2間の連通を可
能にしている。
【0005】そして、各ポート11a,11bの下流側
端を各減衰バルブ13,14がそれぞれ開閉可能に閉塞
するように隣設され、各減衰バルブ13,14の背面に
はそれぞれの附勢ばね15,16の先端が当接されてい
る。
【0006】また、附勢ばね15の基端は、油室R1を
区画するケーシング11の内端に係止され、附勢ばね1
6の基端は、ケーシング10に対して摺動可能な状態に
して油室R2内に収装のストッパ17に係止されてい
る。
【0007】尚、ストッパ17は、肉厚を貫通するよう
にして開穿された連通孔17aを有しており、該連通孔
17aで両側の連通を可能にしている。
【0008】一方、摺動ロッド12は、上記隔壁部材1
1の軸芯部及び減衰バルブ13,14の中心部を摺動可
能な状態に、即ち、ケーシング10の軸線方向に移動可
能な状態に貫通するもので、油室R2内に臨在される先
端に上記ストッパ17を保持し、油室R1側の基端をケ
ーシング10に開穿の縦孔10aに液密構造下に摺動可
能に収装させている。
【0009】それ故、上記した従来例としての油圧緩衝
装置にあっては、シリンダ本体1を構成するロッド体1
bに、例えば、1G状態となる積載荷重が作用した状態
で該シリンダ本体1が伸縮されるとき、圧縮時には、シ
リンダ体1a内に形成の圧力室からの油が減衰機構3に
おけるポート11b及び減衰バルブ14を介してアキュ
ムレータ2内に流入し、伸長時には、アキュムレータ2
内からの油が減衰機構3におけるポート11a及び減衰
バルブ13を介してシリンダ体1a内の圧力室に流入す
ることになる。
【0010】そして、各減衰バルブ13,14を作動油
が通過するときにそれぞれに所定の減衰力が発生される
と共に、このときの圧力室におけるそれぞれのロッド反
力でシリンダ体1aに対するロッド体1bの突出位置、
即ち、ロッド体1bに連結される車体の車軸に対する位
置たる車高を維持することになる。
【0011】一方、上記積載荷重が1G状態を超えるこ
とになる場合には、圧力室の油がアキュムレータ2側に
流出される傾向になるから、シリンダ本体1が圧縮され
る傾向になり、それがため、車高が下降される傾向にな
る。
【0012】そこで、油圧供給源4からの油圧をアキュ
ムレータ2に供給して該アキュムレータ2の内圧を上昇
させ、延ては、圧力室における油圧を上昇させてロッド
反力を増大させるが、このとき、図6に示すように、減
衰機構3内において、油室R2における油圧が上昇され
ることで、摺動ロッド12が附勢ばね15,16に抗し
て後退する状態になり、各減衰バルブ13,14のクラ
ッキング圧が上昇されることになる。
【0013】それ故、積載荷重が1G状態を超える状態
でシリンダ本体1が伸縮されるときは、油圧供給源4か
らの油圧の供給で車高が維持されながら、各減衰バルブ
13,14による発生減衰力がそれぞれ高くなり、シリ
ンダ本体1における伸縮が積載荷重に呼応した伸縮状態
になり、特に、シリンダ本体1における所謂底突を未然
に阻止し得ることになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来例としての油圧緩衝装置については、以下のよう
な不都合が指摘されている。
【0015】即ち、上記従来の油圧緩衝装置にあって
は、減衰機構3を構成する摺動ロッド12が減衰機構3
における内圧の変化で摺動するときに各減衰バルブ1
3,14のクラッキング圧が上昇されるように構成され
ているから、上記内圧変化が車両が走行する路面の状況
によって頻繁に招来されることになる危惧がある。
【0016】例えば、車両が細かい凹凸の連続する路面
を比較的高速で走行する場合には、該油圧緩衝装置に高
周波振動が入力される傾向になるが、このときの高周波
振動に基づくシリンダ本体1の微幅の伸縮によっても上
記した内圧変化が減衰機構3において頻繁に招来される
ことになり、従って、各減衰バルブ13,14のクラッ
キング圧の変化が頻繁に現出されることになる。
【0017】その結果、上記の場合に、油圧供給源4か
らの油圧の供給がなくても減衰力が高くなる状態が発現
されることになり、特に、シリンダ本体1が圧縮される
ときの減衰力が高くなり、車両における乗り心地が悪化
される危惧がある。
【0018】また、摺動ロッド12が頻繁に摺動される
から、摺動ロッド12自体の摩耗や該摺動ロッド12に
対して液密構造を構成するシール部分等の摩耗が招来さ
れ易くなり、長期に亙る耐久性を期待できない不都合も
ある。
【0019】この発明は、上記した事情を鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、所望の車
高調整及び減衰力調整を可能にするのは勿論のこと、車
両における乗り心地の悪化を招来せず、しかも、長期に
亙る耐久性を期待できて、ハイドロニューマチックサス
ペンションシステムとしての利用に最適となる油圧緩衝
装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明の構成を、車両の車体側と車軸側との
間に配在されて伸縮するシリンダ本体と、該シリンダ本
体の外部に配在されるアキュムレータと、該アキュムレ
ータとシリンダ本体との間に配在されて油の通過時に減
衰力を発生させる減衰機構と、アキュムレータの内圧を
上昇させる油圧供給源と、を有する油圧緩衝装置におい
て、減衰機構が油の通過時に所定の減衰力を発生させる
減衰バルブと、該減衰バルブを迂回するバイパス路と、
該バイパス路を開閉するスプールと、を有してなり、該
スプールが外力作用で摺動してバイパス路を閉塞するよ
うに形成されてなるとする。
【0021】そして、より具体的には、減衰機構におけ
るスプールが一端に附勢ばねを当接させると共に他端を
アキュムレータに連通する容室に臨在させてなり、該容
室に一次遅れの油圧が供給されるときに附勢ばねに抗し
て摺動しバイパス路を閉塞するとする。
【0022】また、減衰機構がシリンダ本体を構成する
車体側部材たるロッド体内を介してシリンダ本体を構成
する車軸側部材たるシリンダ体内に形成の圧力室に連通
されてなるとする。
【0023】さらに、好ましくは、減衰機構を構成する
ケーシングがアキュムレータと一体化されてなると共
に、ケーシングが直接またはブラケットを介してロッド
体に保持されてなるとする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図示した一実施の形態に基
づいて、この発明を説明するが、この発明の実施の形態
に係る油圧緩衝装置にあっても、構成部品の観点から
は、基本的に、前記した従来例としての油圧緩衝装置と
同様に構成されてなるもので、図1に示すように、車両
(図示せず)の車体側と車軸側との間に配在されて伸縮
するシリンダ本体1と、該シリンダ本体1の外部に配在
されるアキュムレータ2と、該アキュムレータ2とシリ
ンダ本体1との間に配在されて油の通過時に減衰力を発
生させる減衰機構3と、を有すると共に、アキュムレー
タ2の内圧を上昇させる油圧供給源4を有してなる。
【0025】シリンダ本体1は、該シリンダ本体1を構
成し車両における車軸側に連結されるシリンダ体1a
と、該シリンダ本体1を構成し車両における車体側に連
結されシリンダ体1a内に先端側が出没可能に挿通され
るロッド体1bと、からなり、ロッド体1bの先端に連
設されたピストン1cでシリンダ体1a内に圧力室Rを
区画し、該圧力室Rがロッド体1bの軸芯部に開穿され
た油路Lを介して減衰機構3側に連通されてなるとして
いる。
【0026】尚、油圧供給源4は、シリンダ本体1と減
衰機構3との間に配在されてなるとしているが、場合に
よっては、後述するように、その配設が省略されるとし
ても良く、また、アキュムレータ2は、機能上からすれ
ば、周知のものが採用されている。
【0027】減衰機構3は、ケーシング10内にホルダ
部材18の配在下に収装された隔壁部材11と、該隔壁
部材11の軸芯部に挿通されるセンターロッド19と、
隔壁部材11に隣設される減衰バルブ13,14と、セ
ンターロッド19内に収装されたスプール20と、を有
してなり、一端側がシリンダ本体1、即ち、上記圧力室
R及び油圧供給源4に連通されると共に他端側がアキュ
ムレータ2に連通されてなるとしている。
【0028】少し説明すると、隔壁部材11は、ホルダ
部材18の配在でケーシング10内に固定状態に配在さ
れてなるもので、後述するセンターロッド19を軸芯部
に挿通させながらケーシング10内をシリンダ本体1側
の油室R1とアキュムレータ2側の油室R2とに区画す
るように収装されている。
【0029】また、該隔壁部材11は、図2に示すよう
に、その肉厚を斜めに貫通するようにして開穿されて上
記各油室R1,R2の連通を可能にするポート11a,
11bを有しており、該各ポート11a,11bの下流
側端が各減衰バルブ13,14で開閉可能に閉塞される
としている。
【0030】そして、該隔壁部材11は、内周にセンタ
ーロッド19の外周に対向する環状溝11cを有すると
共に、該環状溝11cに一端が連通され他端が上記ポー
ト11bの下流端に連通する斜めのサブポート11dを
有してなるとしている。
【0031】尚、各減衰バルブ13,14の背面側に
は、それぞれバルブストッパ13a,14aが近隣され
ていて、それぞれのリフト量が規制されるとしている。
【0032】一方、センターロッド19は、上記バルブ
ストッパ13a,14aを含み減衰バルブ13,14の
中心部及び隔壁部材11の軸芯部を貫通し、ナット21
の締め付けでこれ等を挟持するように配設されてなる。
【0033】そして、該センターロッド19は、内部に
円柱状の空部19aを有するように略筒状に形成されて
なり、油室R1に臨在される開口端をキャップ22で液
密構造下に閉塞すると共に、空部19aにスプール20
を摺動可能に収装し、かつ、油室R2に臨在される開口
端をスプール20の脱落を阻止するストッパ23で閉塞
するとしている。
【0034】また、スプール20の図中で上端となる一
端とこれに対向するキャップ22の図中で下端となる一
端との間には、附勢ばね24が配設されていて、所謂外
力作用がない限り、該附勢ばね24からの附勢力でスプ
ール20が図2に示すような下降状態たる静止状態にお
かれるとしている。
【0035】尚、ストッパ23には、その内外を連通可
能にするオリフィス23aが開穿されてなるとしてい
る。
【0036】センターロッド19は、上記に加えて、上
記空部19a、即ち、正確には、スプール20の配設に
よって形成される油路と前記環状溝11c及び油室R2
との連通を可能にする連通孔19b,19cを有してな
る。
【0037】ところで、スプール20は、図中で上端側
となる一端側に附勢ばね24を係止しながら摺動部とし
て機能するランド部20aを液密構造下に有すると共
に、図中で下端側となる他端側に上記連通孔19cの開
閉を可能にするバルブ部として機能するランド部20b
を有してなり、各ランド部20a,20bの間に上記連
通孔19b,19cに連通する油路としての環状凹部2
0cを有してなる。
【0038】そして、スプール20は、ランド部20b
に連設され前記ストッパ23に当接される細径の突出部
20dを他端に有してなり、該突出部20d,ランド部
20b及びストッパ23で上記空部19a内に区画され
る環状の容室rを形成してなるとしている。
【0039】尚、該容室rは、上記ストッパ23に開穿
されているオリフィス23aを介して油室R2に連通さ
れている。
【0040】それ故、該スプール20は、容室rに油圧
が供給される等の外力作用があり、図3に示すように、
附勢ばね24に抗して図中で上昇する前進時には、ラン
ド部20bが連通孔19cの空部19a側の開口を閉塞
することになり、従って、油路としての環状凹部20c
を介しての連通孔19cと上記連通孔19bとの連通が
遮断されることになる。
【0041】また、容室rの油圧が排出される等して外
力作用が除去される場合には、附勢ばね24からの附勢
力で図中で下降することになり、図2に示すように、ラ
ンド部20bが連通孔19cの空部19a(図2参照)
側の開口を開放して、油路としての環状凹部20cを介
しての連通孔19cと連通孔19bとの連通を可能にす
る。
【0042】それ故、以上のように形成された減衰機構
3にあっては、隔壁部材11に形成のサブポート11d
と環状溝11c,センターロッド19に形成の連通孔1
9b及び19c,スプール20に形成の環状凹部20c
で減衰バルブ13,14を迂回するバイパス路が形成さ
れることになり、該バイパス路がスプール20の摺動で
開閉されることになる。
【0043】また、該減衰機構3にあっては、一端に附
勢ばね24を係止させるスプール20の他端を臨在させ
る容室rがオリフィス23aを介して油室R2と連通す
るように設定されているから、該オリフィス23aのオ
リフィス径の設定如何で容室rに一次遅れの油圧を供給
することが可能になる。
【0044】従って、該減衰機構3にあっては、該減衰
機構3、即ち、シリンダ本体1に入力される振動が低周
波振動のときに、容室rにオリフィス23aを介しての
一次遅れの油圧が供給されて、スプール20の摺動を可
能にしてバイパス路の閉鎖を可能にし得ることになる。
【0045】そして、バイパス路が閉鎖されるときに
は、油室R1,R2間における油の流れは、減衰バルブ
13,14を介しての流れとなり、このとき、高い減衰
力の発生状態になる。
【0046】また、上記入力振動が高周波振動になる
と、容室rへの一次遅れの油圧の供給が停止されること
になり、従って、スプール20が附勢ばね24の附勢力
で旧状に復する、即ち、図2に示す後退状態たる静止状
態になり、バイパス路を開放することになる。
【0047】それ故、このバイパス路が開放されるとき
には、該バイパス路を介して油室R1,R2間における
油の流れが生じる状態になり、従って、低い減衰力の発
生状態になる。
【0048】油圧供給源4は、吐出油圧をアキュムレー
タ2に供給して該アキュムレータ2の内圧を上昇させ、
延ては、シリンダ本体1における圧力室Rの油圧を上昇
させてロッド反力を増大させるもので、その構成として
は、周知の態様に具現化される。
【0049】そして、この実施の形態では、油圧供給源
4が配設されてなるとするが、車両における積載荷重が
増大してシリンダ本体1が圧縮傾向におかれるとして
も、そのままの状態で該シリンダ本体1を伸縮させ得る
ように設定される場合には、該油圧供給源4の配設が省
略されるとしても良いこと勿論である。
【0050】ただ、実施の形態のように、油圧供給源4
が配設される場合には、シリンダ本体1が圧縮傾向にな
ることで招来されることある該シリンダ本体1における
所謂底突を未然に阻止できることになる点で有利とな
る。
【0051】それ故、以上のように形成されたこの実施
の形態に係る油圧緩衝装置にあっては、シリンダ本体1
が懸架ばね(図示せず)の介装で伸び傾向におかれた状
態で車両に架装され、該シリンダ本体1の伸縮時に、減
衰機構3が以下のように作動する。
【0052】先ず、ロッド体1bに1G状態を超える荷
重が作用して、該ロッド体1bがシリンダ体1a内に深
く没入される状態になると、該シリンダ体1a内におけ
る圧力室Rの圧力、即ち、ロッド反力がアキュムレータ
2の内圧と一致するように上昇される。
【0053】すると、車高が低下傾向になるので、1G
状態のときの車高になるまで、油圧供給源4からの圧油
がシリンダ体1a内の圧力室Rに供給され、このとき、
減衰機構3内では、内圧の上昇でスプール20が附勢ば
ね24の附勢力に抗して上昇し、バイパス路を閉鎖する
ことになる。
【0054】従って、油室R1,R2間における油の流
れは、ポート11a,11b及び減衰バルブ13,14
を介しての流れとなり、その結果、減衰バルブ13,1
4で設定された所謂高い減衰力が発生する状態になる。
【0055】このため、ばね上の重量が増加することに
よって生じる見掛け上の低い減衰力の油圧緩衝器を用い
たのと同じ作用、即ち、車両の操縦安定性に影響を与え
ると言った不具合の招来を確実に防止できることにな
る。
【0056】次に、ロッド体1bに1G状態を超えない
範囲の荷重が作用しながら、シリンダ本体1に高周波振
動が入力される状態になると、容室r内に圧油が供給さ
れなくなり、スプール20が附勢ばね24の附勢力で図
中下降する後退状態になり、バイパス路が開放されるこ
とになる。
【0057】その結果、油室R1,R2間における油の
流れがバイパス路を介しての流れとなり、従って、上記
したポート11a,11b及び減衰バルブ13,14を
介しての流れの倍威の減衰力に比較して、低い減衰力の
発生状態になる。
【0058】尚、車高の低下によってロッド反力が上昇
して、一旦、バイパス路を閉鎖すると、発生減衰力が入
力周波数の影響を受けなくなること勿論である。
【0059】図4は、この発明に係る油圧緩衝装置の実
施例を示すものであるが、該実施例にあっては、先ず、
減衰機構3とアキュムレータ2がアッセンブリ化されて
なると共に、このアッセンブリ化されたものがブラケッ
ト25を介してシリンダ本体1を構成するロッド体1b
に保持されてなるとしている。
【0060】即ち、減衰機構3を構成するケーシング1
0とアキュムレータ2を構成するハウジング26とが溶
接で一体化されてなり、この一体化によって、該油圧緩
衝装置を形成する主だった部品の点数が少なくなると共
に、シリンダ本体1とアキュムレータ2とを連通する管
路の配設が省略される。
【0061】また、ブラケット25は、一端がケーシン
グ10の上端に連設されるケースカバー27に固着され
る一方で、他端がロッド体1bの上端部たる基端部で、
該基端部に回転可能に介装のジョイント28との間に挟
持されてなる。
【0062】これによって、減衰機構3及アキュムレー
タ2を車軸側と比較した場合に固定側と看ることができ
る車体側に配在することが可能になり、ばね下の振動が
直接入力される不具合を排除して、減衰機構3及アキュ
ムレータ2の徒な耐久性の低下を招来させないことが可
能になる。
【0063】また、ジョイント28を設けることで、該
ジョイント28に接続パイプ29を介して上記アッセン
ブリ化された減衰機構3及アキュムレータ2のシリンダ
本体1に対する接続が可能になると共に、接続パイプ3
0を介して油圧供給源4の接続が可能になる。
【0064】尚、パイプ29の内部がロッド体1bの軸
芯部に開穿の油路Lに連通されており、ロッド体1bの
上端には、上記ジョイント28を挟むようにマウント3
1が保持されていて、該ロッド体1bの車体側への連結
を可能にしている。
【0065】次に、この実施例にあって、減衰機構3
は、これを構成するケーシング10内における部品構成
を、図4中に図2に付した符号と同一の符号を付して示
すように、前記した実施の形態における場合と同様とす
るが、アキュムレータ2は、金属ベローズ32の上端開
口をプレート33で閉塞して気室Aを形成するとしてい
る。
【0066】尚、アキュムレータ2の構成については、
上記の金属ベローズ32を利用するに代えて、ゴムベロ
ーズやフリーピストンを利用するものとしても良いが、
この実施例のように、金属ベローズ32を利用する場合
には、耐久性において有利となる利点がある。
【0067】
【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、油
圧供給源の利用でロッド反力を制御することによって車
高を調整し得るのは勿論のこと、減衰機構が減衰バルブ
を迂回するバイパス路の開閉で減衰力を高低制御すると
共に、バイパス路の開閉が外力作用で摺動するスプール
によるとしたから、減衰バルブ自体のクラッキング圧が
変更されることがなく、従って、該減衰バルブによる設
定通りの安定した減衰力発生を期待できる利点がある。
【0068】また、この発明にあっては、バイパス路を
開閉するスプールが低周波振動の入力時のみ摺動して、
高周波振動の入力時には摺動しないように構成したか
ら、車両が細かい凹凸の連続する路面を高速で走行して
高周波振動が入力されるような場合にも、減衰力が徒に
高くなることがなく、車両における乗り心地が悪化され
ない利点がある。
【0069】そして、この発明にあっては、減衰機構と
アキュムレータが一体化されてシリンダ本体に接続され
るとしたから、主だった部品の点数を少なくすると共
に、シリンダ本体とアキュムレータとを連通するための
管路の配設を省略できる利点がある。
【0070】さらに、この発明にあっては、アッセンブ
リ化された減衰機構及びアキュムレータがシリンダ本体
を構成する車体側部材たるロッド体に接続されて、しか
も、シリンダ本体を構成するシリンダ体内に形成の圧力
室がロッド体に開穿の油路を介して連通するとしたか
ら、上記アッセンブリ化された減衰機構及アキュムレー
タを車軸側と比較した場合に固定側と看ることができる
車体側に配在することが可能になり、ばね下の振動が直
接入力される不具合を排除して、その徒な耐久性の低下
を招来させない利点がある。
【0071】その結果、この発明によれば、所望の車高
調整及び減衰力調整を可能にするのは勿論のこと、車両
における乗り心地の悪化を招来せず、しかも、長期に亙
る耐久性を期待できて、車両におけるハイドロニューマ
チックサスペンションシステムとして利用するに最適と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る油圧緩衝装置を
原理的に示す概略図である。
【図2】図1の減衰機構を拡大して示す概略縦断面図で
ある。
【図3】図2の減衰機構における要部の作動状態を示す
部分概略縦断面図である。
【図4】この発明の一実施例に係る油圧緩衝装置を一部
破断して示す部分断面正面図である。
【図5】従来例としての油圧緩衝装置を図1と同様に示
す概略図である。
【図6】図5の減衰機構の作動状態を示す部分概略縦断
面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ本体 1a シリンダ体 1b ロッド体 2 アキュムレータ 3 減衰機構 4 油圧供給源 10 ケーシング 13,14 減衰バルブ 20 スプール 24 附勢ばね R 圧力室 R1,R2 油室 r 容室

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の車体側と車軸側との間に配在され
    て伸縮するシリンダ本体と、該シリンダ本体の外部に配
    在されるアキュムレータと、該アキュムレータとシリン
    ダ本体との間に配在されて油の通過時に減衰力を発生さ
    せる減衰機構と、アキュムレータの内圧を上昇させる油
    圧供給源と、を有する油圧緩衝装置において、減衰機構
    が油の通過時に所定の減衰力を発生させる減衰バルブ
    と、該減衰バルブを迂回するバイパス路と、該バイパス
    路を開閉するスプールと、を有してなり、該スプールが
    外力作用で摺動してバイパス路を閉塞するように形成さ
    れてなる油圧緩衝装置
  2. 【請求項2】 減衰機構におけるスプールが一端に附勢
    ばねを当接させると共に他端をアキュムレータに連通す
    る容室に臨在させてなり、該容室に一次遅れの油圧が供
    給されるときに附勢ばねに抗して摺動しバイパス路を閉
    塞することを特徴とする請求項1の油圧緩衝装置
  3. 【請求項3】 減衰機構がシリンダ本体を構成する車体
    側部材たるロッド体内を介してシリンダ本体を構成する
    車軸側部材たるシリンダ体内に形成の圧力室に連通され
    てなることを特徴とする請求項1の油圧緩衝装置
  4. 【請求項4】 減衰機構を構成するケーシングがアキュ
    ムレータと一体化されてなると共に、ケーシングが直接
    またはブラケットを介してロッド体に保持されてなるこ
    とを特徴とする請求項3の油圧緩衝装置
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