JPH07217696A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JPH07217696A
JPH07217696A JP2724994A JP2724994A JPH07217696A JP H07217696 A JPH07217696 A JP H07217696A JP 2724994 A JP2724994 A JP 2724994A JP 2724994 A JP2724994 A JP 2724994A JP H07217696 A JPH07217696 A JP H07217696A
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JP
Japan
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valve
pressure
chamber
expansion
piston
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Pending
Application number
JP2724994A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Masamura
辰也 政村
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動的に減衰力調整され、それ自体のコスト
高を招来せず、サスペンション装置として利用する場合
にもそのコスト上昇化を招来させない。 【構成】 伸側減衰バルブ4を迂回する伸側バイパス路
の下流側端に伸側サブバルブ6を有し、圧側減衰バルブ
5を迂回する圧側バイパス路の下流側端に圧側サブバル
ブ7を有する一方で、シリンダ体1に対して出没される
ロッド体2の先端インロー部2aの軸芯部に開穿されて
伸側バイパス路及び圧側バイパス路を構成する縦孔2b
内にロッド体2の軸芯方向に摺動可能に収装されたスプ
ール16を有し、該スプール16がその上端に隣設され
てロッド側室Aに連通する一次遅れの伸側圧力室C内及
びその下端に隣設されてピストン側室Bに連通する一次
遅れの圧側圧力室D内にそれぞれ配設されたスプリング
17で附勢されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両におけるサスペ
ンション装置等の制振装置に利用される油圧緩衝器の改
良に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】制振装置に利用される油圧緩衝
器、例えば、車両の車軸と車体との間に配在されて車両
におけるサスペンション装置に利用される油圧緩衝器
は、走行中の車両において、路面からの振動を車体に伝
達させないように構成されると共に、不必要な車体の揺
れを防止するように構成される。
【0003】特に、近年の油圧緩衝器は、運転者が操縦
に専心できるように、発生される減衰力が所謂自動的に
高低調整される構成とされ、一般的には、車体に配設の
各種センサからの検出値に基づいて作動するコントロー
ラによって発生減衰力が高低調整される等のように構成
されている。
【0004】この場合に、上記油圧緩衝器にあっては、
例えば、減衰力発生部にコントロールバルブを有してい
て、該コントロールバルブが該油圧緩衝器に併設されて
いるアクチュエータの駆動で所定の作動をし、減衰力発
生部で発生される減衰力を高低、即ち、ハードあるいは
ソフトに変更調整する等のように構成されている。
【0005】それ故、上記の近年汎用の油圧緩衝器にあ
っては、該油圧緩衝器自体の構成が複雑になり易く、従
って、部品点数や組立工程数の増加で油圧緩衝器自体に
コスト高を招来し易くなる不具合がある。
【0006】また、このような油圧緩衝器をサスペンシ
ョン装置に利用する場合には、車両の車体側等に、振動
等を検出する各種センサや該各種センサからの信号を処
理するコントローラ等の配設が必須になり、サスペンシ
ョン装置全体としてのコスト上昇化を招来し易くなる不
都合もある。
【0007】この発明は、前記した事情に鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、所謂自動
的に所定の減衰力調整をなし得るのは勿論のこと、それ
自体のコスト高を招来せず、しかも、例えば、車両にお
ける制振装置としてのサスペンション装置に利用する場
合にも該サスペンション装置全体としてのコスト上昇化
を招来しないようにするに最適となる油圧緩衝器を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の構成を、シリンダ体に対して出没され
るロッド体の先端インロー部に連設のピストンによって
シリンダ体内に区画される伸側室に設定のロッド側室と
圧側室に設定のピストン側室とが、ピストンに配設の伸
側減衰バルブ及び圧側減衰バルブを介して相互に連通可
能とされると共に、伸側減衰バルブを迂回する伸側バイ
パス路及び圧側減衰バルブを迂回する圧側バイパス路を
介して相互に連通可能とされてなる油圧緩衝器におい
て、伸側バイパス路の下流側端に伸側サブバルブが配設
され、圧側バイパス路の下流側端に圧側サブバルブが配
設される一方で、ロッド体の先端インロー部の軸芯部に
開穿されて伸側バイパス路及び圧側バイパス路を構成す
る縦孔内にロッド体の軸芯方向に摺動可能に収装された
スプールを有してなり、該スプールがその上端に隣設さ
れてロッド側室に連通する一次遅れの伸側圧力室内及び
その下端に隣設されてピストン側室に連通する一次遅れ
の圧側圧力室内にそれぞれ配設されたスプリングで附勢
されてなるとする。
【0009】そして、スプリングは、各側の圧力室に一
次遅れの圧力が供給されていないときに、伸側バイパス
路及び圧側バイパス路を連通状態に維持するように、ス
プールを中立状態に維持するとする。
【0010】また、スプールは、伸側圧力室に一次遅れ
の圧力が供給されるときに、伸側バイパス路のみを遮断
状態にするように、縦孔内を下降し、圧側圧力室に一次
遅れの圧力が供給されるときに、圧側バイパス路のみを
遮断状態にするように、縦孔内を上昇するとする。
【0011】また、好ましくは、各側の圧力室がそれぞ
れチェック弁で相応の各側室と区画されてなると共に、
該各チェック弁に一次遅れの圧力を設定するオリフィス
が開穿されてなるとする。
【0012】
【作用】それ故、ロッド体がシリンダ体内から突出する
ようになる伸側作動時で、振動周波数が低周波数領域に
あるときには、伸側室たるロッド側室からの油圧がオリ
フィスを介しての一次遅れの圧力となって伸側圧力室に
供給され、縦孔内でスプールを下降させて伸側バイパス
路を遮断する。
【0013】その結果、ロッド側室の作動油は、ピスト
ンに配設の伸側減衰縊ルブを介してのみ圧側室たるピス
トン側室に流出されることになり、従って、伸側の高
い、即ち、ハードな減衰力の発生状態になる。
【0014】これに対して、ロッド体がシリンダ体内に
没入するようになる圧側作動時で、振動周波数が低周波
数領域にあるときには、ピストン側室からの油圧がオリ
フィスを介しての一次遅れの圧力となって圧側圧力室に
供給され、縦孔内でスプールを上昇させて圧側バイパス
路を遮断する。
【0015】その結果、ピストン側室の作動油は、ピス
トンに配設の圧側減衰バルブを介してのみロッド側室に
流入されることになり、従って、圧側の高い、即ち、ハ
ードな減衰力の発生状態になる。
【0016】一方、伸側作動時及び圧側作動時のいずれ
にあっても、振動周波数が高周波数領域にあるときに
は、いずれの側の圧力室にも一次遅れの油圧が供給され
なくなり、従って、スプールが昇降せず中立状態におか
れる。
【0017】それ故、各側のバイパス路とも連通状態に
維持され、その結果、各側の作動時に各側のサブバルブ
をも作動油が通過することになり、従って、各側とも低
い、即ち、ソフトな減衰力の発生状態になる。
【0018】そして、スプールが一方のバイパス路を遮
断するときには他方のバイパス路を連通状態にし、従っ
て、伸側減衰力がハードになるときは圧側減衰力がソフ
トになり、圧側減衰力がハードになるときには伸側減衰
力がソフトになる。
【0019】また、各側の圧力室をそれぞれ相応の各側
室と区画するチェック弁に開穿のオリフィスにおけるオ
リフィス径が選択されて、各側の圧力室に一次遅れの圧
力が供給される振動周波数領域が設定される。
【0020】
【実施例】以下、図示したところに基づいてこの発明を
説明するが、この発明の一実施例に係る油圧緩衝器も、
基本的には、所謂従来の油圧緩衝器と同様に構成されて
いるとし、それ故、以下には、この発明の要部となると
ころ中心に説明し、その他の構成については、必要に応
じて説明することにする。
【0021】即ち、図1に示すように、この発明の一実
施例に係る油圧緩衝器は、シリンダ体1に対して出没さ
れるロッド体2の先端に連設の環状に形成のピストン3
によって、シリンダ体1内に伸側室とされるロッド側室
Aと圧側室とされるピストン側室Bとを区画している。
【0022】そして、ロッド側室Aとピストン側室B
は、ピストン3に配設の伸側減衰バルブ4及び圧側減衰
バルブ5を介して相互に連通可能とされている一方で、
伸側減衰バルブ4を迂回する伸側バイパス路の下流側端
に配在の伸側サブバルブ6及び圧側減衰バルブ5を迂回
する圧側バイパス路の下流側端に配在の圧側サブバルブ
7を介しても相互に連通可能とされている。
【0023】上記シリンダ体1は、下端側部材に設定さ
れていて、例えば、単筒構造の油圧緩衝器におけるシリ
ンダ、あるいは、複筒構造の油圧緩衝器における内筒、
を構成する。
【0024】そして、上記ロッド体2は、上端側部材に
設定されていて、例えば、上記シリンダ、あるいは、上
記内筒に対して出没されるピストンロッドを構成する。
【0025】尚、図示しないが、シリンダ体1の上端
は、ロッド体2を軸封構造に挿通させるように構成さ
れ、ロッド体2との間に必要なシール部材等も有する。
【0026】また、同じく図示しないが、ピストン側室
Bは、背後にガス室を区画するフリーピストンを有して
いたり、内筒の外周側に配在の外筒との間に区画される
リザーバ室にベースバルブ部を介して連通されていたり
する。
【0027】上記ピストン3は、その肉厚部を縦方向に
貫通する伸側ポート3aと圧側ポート3bを有してなる
と共に、伸側ポート3aの図中で下端となる下流側端に
連通する開口窓3c及び圧側ポート3bの図中で上端と
なる下流側端に連通する開口窓3dを有してなる。
【0028】また、該ピストン3は、その内周面に上下
二段にそこを切り欠くようにして形成された環状溝3
e,3fを有してなると共に、その内周側の肉厚部に上
記開口窓3dと環状溝3eとを連通する斜孔3g及び上
記開口窓3cと環状溝3fとを連通する斜孔3hを有し
てなる。
【0029】因に、上記開口窓3c,斜孔3h及び環状
溝3fは、後述する伸側バイパス路の一部を構成し、上
記開口窓3d,斜孔3g及び環状溝3eは、後述する圧
側バイパス路の一部を構成する。
【0030】上記伸側減衰バルブ4及び圧側減衰バルブ
5は、この実施例にあって、それぞれ環状のリーフバル
ブからなり、伸側減衰バルブ4は、ピストン3に開穿の
伸側ポート3aの下流側端、即ち、開口窓3cを、ま
た、圧側減衰バルブ5は、ピストン3に開穿の圧側ポー
ト3bの下流側端、即ち、開口窓3dを、それぞれ開閉
可能に閉塞するように、即ち、内周端固定で外周端自由
となるように配在されている。
【0031】また、伸側減衰バルブ4の背後側には、後
述する伸側サブバルブ6のバルブストッパを兼ねるバル
ブストッパ8が間座9の介在下に配在され、圧側減衰バ
ルブ5の背後側には、後述する圧側サブバルブ7のバル
ブストッパを兼ねるバルブストッパ10が間座11の介
在下に配在されている。
【0032】尚、この実施例において、バルブストッパ
8,10及び間座9,11は、それぞれ同一形状に形成
されるとして、製作部品点数(部品単位数)の削減を可
能にするように配慮している。
【0033】上記伸側サブバルブ6及び圧側サブバルブ
7も、この実施例にあっては、それぞれ環状のリーフバ
ルブからなり、上記した伸側減衰バルブ4及び圧側減衰
バルブ5と同一形状に形成され、かつ、同様に、それぞ
れ内周端固定で外周端自由の形態に配在されている。
【0034】尚、上記各側のサブバルブ6,7の背面に
は、間座12,13の介在下に前記バルブストッパ8,
10が対向しており、間座12,13は、これが前記間
座9,11と同一形状に形成されていて、これまた製作
部品点数の削減に寄与することになる。
【0035】ところで、伸側サブバルブ6及び圧側サブ
バルブ7は、この実施例にあって、それぞれ環状に形成
されてピストンロッド2の先端インロー部2aに介装さ
れるバルブシート部材14,15に開穿の斜孔からなる
ポート14a,15a、正確には、各ポート14a,1
5aの下流側端に形成された環状溝14b,15bを開
閉可能に閉塞するように配設されている。
【0036】そして、上記バルブシート部材14,15
は、その内周面に切り欠き状態に形成された環状溝14
c,15cを有してなり、該各環状溝14c,15c
は、それぞれ上記各ポート14a,15aの上流側端を
連通させている。
【0037】因に、上記各バルブシート部材14,15
に形成の各環状溝14c,15c,各ポート14a,1
5a及び各環状溝14b,15bは、それぞれ後述する
伸側バイパス路及び圧側バイパス路の一部を構成する。
【0038】尚、上記各バルブシート部材14,15
は、所謂ポートを有していて各側のサブバルブ6,7を
離着座させるように形成されていれば足りるが、この実
施例では、同一形状に形成されていて、その配設状態を
配慮すれば足りるようにし、製作部品点数の削減を可能
にするようにしている。
【0039】伸側バイパス路及び圧側バイパス路は、前
記ピストン3における所謂流路及び上記各バルブシート
部材14,15における所謂流路の他に、ロッド体2の
先端インロー部2aの軸芯部に開穿された縦孔2bでも
構成されるとしている。
【0040】即ち、ロッド体2は、先端インロー部2a
の軸芯部に開穿されその下端がピストン側室B側に開口
する縦孔2bを有してなる一方で、該縦孔2bの開穿で
筒状になった先端インロー部2a、即ち、肉厚部に開穿
されて該縦孔2bと前記ピストン3の内周面に形成の環
状溝3e,3f及び各バルブシート部材14,15の内
周面に形成の環状溝14c,15cにそれぞれ対向して
連通する横孔からなる連通孔2c,2d,2e,2fを
有してなる。
【0041】即ち、該連通孔2c,2d,2e,2f
も、縦孔2bと共に伸側バイパス路及び圧側バイパス路
の一部を構成するとしている。
【0042】尚、特に、上記連通孔2cと連通孔2dと
の間に形成される間隔は、後述するスプール16におけ
るランド部16aの構成から適宜に設定されるが、この
ことについては、後述する。
【0043】以上のようにして、伸側バイパス路及び圧
側バイパス路が形成されるとする一方で、ロッド体2の
先端インロー部2aの軸芯部に開穿の縦孔2b内には伸
側バイパス路及び圧側バイパス路の一部を区画すると共
に、該各側のバイパス路の連通及び遮断を可能にするス
プール16が摺動可能に収装されている。
【0044】即ち、スプール16は、この実施例にあっ
て、その中央部にランド部16aを有すると共に、その
両端部にそれぞれ隔壁部16bを有する構造に形成され
ていて、ランド部16aと各隔壁部16bとの間に形成
される各環状溝16cを伸側バイパス路及び圧側バイパ
ス路を構成する流路の一部に設定している。
【0045】そして、該スプール16は、これが所謂中
立状態にあるときに、上記ランド部16aが前記連通孔
2c,2dのいずれも閉塞しない、即ち、連通孔2c,
2dをそれぞれ開口状態に維持することになるように設
定されている。
【0046】即ち、上記ランド部16aにおける所謂ラ
ップ長さは、上記連通孔2c,2d間の所謂壁部分の長
さに一致するように設定されている。
【0047】ところで、上記スプール16は、この実施
例にあって、その上下端に隣接するように配設された一
対のスプリング17で所謂中立状態を維持できるように
設定されている。
【0048】尚、この実施例にあって、スプール16
は、これが所謂縦に配設されていて、該スプール16の
荷重が下方のスプリング17に作用することになるが、
上下のスプリング17のばね定数は同一に設定されてい
る。
【0049】また、この実施例にあって、スプール16
は、その中央部にランド部16aを有し、同じ長さとな
るその両端にそれぞれ隔壁部16bを有する構造に形成
されるとして、これが組立時に方向性を考慮しなくて済
むことになるように配慮している。
【0050】上記スプール16は、一対のスプリング1
7で所謂中立状態を維持できるように設定されている一
方で、その上下端に一次遅れの圧力が作用するときに
は、これが縦孔2b内で上下に摺動するようにも設定さ
れている。
【0051】少し説明すると、この実施例にあって、上
方のスプリング17は、縦孔2bの上端部に収装されて
おり、下方のスプリング17は、縦孔2bの下端部に収
装されると共にロッド体2の先端螺条部2gに螺装され
るピストンナット18に形成の内空部18aに収装され
るとしている。
【0052】そして、上方のスプリング17を収装する
縦孔2bの上端部が、後述するように、伸側の一次遅れ
の圧力室Cに設定され、下方のスプリング17を収装す
る縦孔2bの下端部及びピストンナット18内の内空部
18aが、圧側の一次遅れの圧力室Dに設定されてい
る。
【0053】尚、ピストンナット18に形成の内空部1
8aは、ピストン側室Bに連通するように形成されてい
るが、ピストンナット18の下端内周に介装されたチェ
ック弁19によって、ピストン側室Bと区画されてい
る。
【0054】上記チェック弁19は、その背面に環状に
形成されたシート部材20を隣接させた状態で間座21
の配在下に所定位置に定着されるとしており、図2にも
示すように、その中央部にオリフィス19aを有すると
共に、該オリフィス19aを囲むようにC字状に形成さ
れたリタン開口19bを有してなる。
【0055】それ故、該チェック弁19は、オリフィス
19aの配在で圧側圧力室Dに一次遅れの圧力を供給し
得ると共に、オリフィス19aにおけるオリフィス径の
選択で圧側圧力室Dに一次遅れの圧力を供給し得る振動
周波数領域を任意に設定できることになる。
【0056】尚、上記シート部材20は、この実施例に
おいて、下方のスプリング17の下端を係止するばね受
部材としても機能している。
【0057】上記に対して、伸側圧力室Cに供給される
一次遅れの圧力は、前記バルブシート部材15に所謂背
中合わせに配設されたバルブシート部材22に隣設のチ
ェック弁23に開穿のオリフィス23aによって設定さ
れるとしている。
【0058】上記バルブシート部材22は、この実施例
にあって、バルブシート部材15、即ち、バルブシート
部材14と同一の形状に形成されてなり、斜孔からなる
ポート22aと、該ポート22aの下流側端に連通する
環状溝22bと、内周面に形成されてポート22aの上
流側端に連通する環状溝22cと、を有してなる。
【0059】尚、上記バルブシート部材22は、バルブ
シート部材14,15と同一形状に形成されてなるとす
ることから、バルブシート部材14,15と共に製作部
品点数の削減に寄与することになる。
【0060】そして、上記内周面の環状溝22cは、ロ
ッド体2の先端インロー部2aに開穿された横孔からな
る連通孔2hを介して、縦孔2bの上端部、即ち、伸側
圧力室Cに連通されている。
【0061】上記チェック弁23は、環状リーフバルブ
からなり、上記ポート22aの下流側端たる環状溝22
bを開閉可能に閉塞するように、内周端固定で外周端自
由の形態に定着されている。
【0062】そして、該チェック弁23に開穿のオリフ
ィス23aが上記環状溝22bに対向するように設けら
れている。
【0063】尚、チェック弁23の背面には、バルブス
トッパ24が間座25の介在下に対向しており、間座2
5は、前記間座9,11,12,13と共に同一形状に
形成されて、製作部品点数の削減に寄与している。
【0064】また、上記バルブストッパ24は、図示例
では、前記バルブストッパ8,10とは異なるように形
成されているが、これがバルブストッパ8,10と同一
形状に形成されるとしても良く、この場合には、これま
た製作部品点数の削減に寄与することになる。
【0065】それ故、上記チェック弁23は、オリフィ
ス23aの配在で伸側圧力室Cに一次遅れの圧力を供給
し得ると共に、オリフィス23aにおけるオリフィス径
の選択で伸側圧力室Cに一次遅れの圧力を供給し得る振
動周波数領域を任意に設定できることになる。
【0066】以上のように形成されたこの実施例に係る
油圧緩衝器にあっては、他に、例えば、振動を検出する
ための各種センサや該各種センサからの信号を処理する
コントローラ、さらには該コントローラからの出力によ
って駆動するアクチュエータ等の配設を要することな
く、即ち、該油圧緩衝器自体が自動的に発生減衰力を高
低調整することになる。
【0067】少し説明すると、該油圧緩衝器にあって
は、ロッド体2がシリンダ体1内から突出するようにな
る伸側作動時であって、振動周波数が低周波数領域にあ
るときには、伸側室たるロッド側室Aからの油圧がチェ
ック弁23に開穿のオリフィス23aを介して一次遅れ
の圧力となって伸側圧力室Cに供給される。
【0068】その結果、スプール16が下方のスプリン
グ17の附勢力に抗して縦孔2b内で下降することにな
り、このとき、スプール16のランド部16aがロッド
体2の先端インロー部2aに開穿の連通孔2dを閉塞し
て伸側バイパス路を遮断することになる。
【0069】従って、該油圧緩衝器の伸側作動時におい
て、ロッド側室Aからの作動油は、ピストン3に配設の
伸側減衰バルブ4を介してのみ圧側室たるピストン側室
Bに流出されることになり、その結果、伸側の高い、即
ち、ハードな減衰力の発生状態になる。
【0070】これに対して、ロッド体2がシリンダ体1
内に没入するようになる圧側作動時であって、振動周波
数が低周波数領域にあるときには、ピストン側室Bから
の油圧がチェック弁19に開穿のオリフィス19aを介
して一次遅れの圧力となって圧側圧力室Dに供給され
る。
【0071】その結果、スプール16が上方のスプリン
グ17の附勢力に抗して縦孔2b内で上昇することにな
り、このとき、スプール16のランド部16aがロッド
体2の先端インロー部2aに開穿の連通孔2cを閉塞し
て圧側バイパス路を遮断することになる。
【0072】従って、該油圧緩衝器の圧側作動時におい
て、ピストン側室Bからの作動油がピストン3に配設の
圧側減衰バルブ5を介してのみロッド側室Aに流入され
ることになり、その結果、圧側の高い、即ち、ハードな
減衰力の発生状態になる。
【0073】一方、該油圧緩衝器の伸側作動時及び圧側
作動時のいずれにあっても、振動周波数が高周波数領域
にあるときには、いずれの側の圧力室C,Dにも一次遅
れの油圧が供給されなくなる。
【0074】従って、スプール16は、上下のスプリン
グ17のバランスする附勢力によって昇降しない中立状
態におかれるることになり、このとき、各側のバイパス
路とも連通状態に維持され、その結果、各側の作動時に
各側のサブバルブ6,7をも作動油が通過することにな
り、従って、各側とも低い、即ち、ソフトな減衰力の発
生状態になる。
【0075】そして、スプール16が一方のバイパス
路、例えば、伸側バイパス路を遮断するときには、他方
のバイパス路、即ち、圧側バイパス路が連通状態にな
り、従って、伸側減衰力がハードになるときは圧側減衰
力がソフトになり、上記と逆に、圧側減衰力がハードに
なるときには伸側減衰力がソフトになる。
【0076】その結果、この実施例による場合には、一
方側の減衰力をハードにするとき反対側の減衰力がソフ
トになることから、例えば、該油圧緩衝器が車両におけ
るサスペンション装置に利用される場合に、ばね上の振
動を抑えるためにハードな減衰力になっているときに、
路面からの入力でロッド体2側たるピストン3とシリン
ダ体1との相対的な動きの方向が逆転して、却ってばね
上の振動を増長する事態となるときに、ソフトな減衰力
の発生状態になって、路面からの入力の車体への伝達を
最小限に止めることが可能になる。
【0077】従って、この実施例による油圧緩衝器を車
両におけるサスペンション装置に利用する場合には、路
面からの入力、即ち、振動の車体への伝達防止と車体の
揺れ防止が同時に達成できることになる。
【0078】また、この実施例による場合には、各側の
圧力室C,Dをそれぞれ相応の各側室A,Bと区画する
チェック弁23,19に開穿されるオリフィス23a,
19aのオリフィス径が選択されることで、各側の圧力
室C,Dに一次遅れの圧力が供給される振動周波数領域
が設定されることになる。
【0079】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、油圧
緩衝器自体が振動周波数に依存して自動的に所定の減衰
力を発生するから、該油圧緩衝器が、例えば、車両にお
ける制振装置たるサスペンション装置に利用される場合
に、車体側に各種センサやコントローラ等の配設を要請
しないことになり、サスペンション装置全体としてのコ
スト上昇化を招来しないことになる利点がある。
【0080】そして、該油圧緩衝器が車両におけるサス
ペンション装置に利用される場合には、運転者に操縦に
専心させながら、路面からの振動を車体に伝達させず、
不必要な車体の揺れを防止することが可能になる。
【0081】また、この発明によれば、油圧緩衝器自体
が振動周波数に依存して自動的に所定の減衰力を発生す
るから、該油圧緩衝器が、例えば、サスペンション装置
以外の制振装置に利用する場合にも、その取付側に各種
センサやコントローラ等の配設やそのための設計変更等
が要請されず、従って、油圧緩衝器の交換のみで足りる
ことになり、その汎用性を期待できる利点もある。
【0082】さらに、この発明によれば、外観的にはピ
ストン部分の構成を複雑にする態様になっても、各側の
減衰バルブと各側のサブバルブを同一形状に形成し、バ
ルブストッパや間座、さらにはバルブシート部材をそれ
ぞれ同一形状に形成することで、製作部品点数(部品単
位数)の削減が可能になり、該油圧緩衝器自体の徒らな
コスト高を招来しない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る油圧緩衝器を一部破
断して示す断面図である。
【図2】チェック弁の一実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ体 2 ロッド体 2a 先端インロー部 2b 縦孔 3 ピストン 4 伸側減衰バルブ 5 圧側減衰バルブ 6 伸側サブバルブ 7 圧側サブバルブ 16 スプール 17 スプリング 19,23 チェック弁 19a,23a オリフィス A ロッド側室 B ピストン側室 C 伸側圧力室 D 圧側圧力室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ体に対して出没されるロッド体
    の先端インロー部に連設のピストンによってシリンダ体
    内に区画される伸側室に設定のロッド側室と圧側室に設
    定のピストン側室とが、ピストンに配設の伸側減衰バル
    ブ及び圧側減衰バルブを介して相互に連通可能とされる
    と共に、伸側減衰バルブを迂回する伸側バイパス路及び
    圧側減衰バルブを迂回する圧側バイパス路を介して相互
    に連通可能とされてなる油圧緩衝器において、伸側バイ
    パス路の下流側端に伸側サブバルブが配設され、圧側バ
    イパス路の下流側端に圧側サブバルブが配設される一方
    で、ロッド体の先端インロー部の軸芯部に開穿されて伸
    側バイパス路及び圧側バイパス路を構成する縦孔内にロ
    ッド体の軸芯方向に摺動可能に収装されたスプールを有
    してなり、該スプールがその上端に隣設されてロッド側
    室に連通する一次遅れの伸側圧力室内及びその下端に隣
    設されてピストン側室に連通する一次遅れの圧側圧力室
    内にそれぞれ配設されたスプリングで附勢されてなるこ
    とを特徴とする油圧緩衝器
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09126263A (ja) * 1995-10-31 1997-05-13 Kayaba Ind Co Ltd 油圧緩衝装置
JP2009228775A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Hitachi Ltd 流体圧緩衝器
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