JP3988143B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器 Download PDF

Info

Publication number
JP3988143B2
JP3988143B2 JP2003391163A JP2003391163A JP3988143B2 JP 3988143 B2 JP3988143 B2 JP 3988143B2 JP 2003391163 A JP2003391163 A JP 2003391163A JP 2003391163 A JP2003391163 A JP 2003391163A JP 3988143 B2 JP3988143 B2 JP 3988143B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
oil
passage
chamber
pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003391163A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004100962A (ja
Inventor
知賀也 関根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2003391163A priority Critical patent/JP3988143B2/ja
Publication of JP2004100962A publication Critical patent/JP2004100962A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3988143B2 publication Critical patent/JP3988143B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Description

本発明は、自動車等の車両の懸架装置に装着される自動車高調整機能を有する油圧緩衝器に関するものである。
一般に自動車等の車両においては、懸架装置のばね上、ばね下間に油圧緩衝器を装着して、懸架ばねの振動を減衰させることによって、乗り心地および操縦安定性を向上させるようにしている。
ところで、バン、ワゴン車等の比較的積載重量の大きな車両においては、乗員の乗り降り、荷物の積み降ろし等にともなう積載荷重の変化によって、車高が変化して乗り心地および操縦安定性が低下することがある。このため、積載荷重の大小に関係なく自動的に一定の車高を保つことができる懸架装置が望まれている。
そこで、従来、例えば特許文献1に記載されるように、高圧ガスが封入されたオイルタンクおよびリザーバと、ピストンロッドの伸縮によってオイルタンクの油液をシリンダ内へ供給するポンプ手段と、ピストンロッドの位置に応じてポンプ手段およびシリンダ内の圧油をオイルタンクへリリーフするリリーフ手段とを備え、走行時の懸架装置の振動を利用してポンプ手段を作動させてピストンロッドの伸長長さを一定に調整することによって、自動的に一定の車高を保つようにした、いわゆるセルフポンピング式の油圧緩衝器が提案されている。
特開昭60−261713号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたセルフポンピング式の油圧緩衝器では、シリンダの上端側側面の穴を介して高圧油室(リザーバ)と接続され、また、ピストンロッドの被突出側である上端側が低圧室(タンク)と連通した部屋となっているので、シリンダ内とリザーバとの間に減衰バルブやチェックバルブ等を設けることが構造上困難であるという問題点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、セルフポンプピング式の油圧緩衝器において、シリンダ内とリザーバとの間にバルブを設られる構造とし、減衰力特性の設計自由度を高くした油圧緩衝器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために請求項1の発明の油圧緩衝器は、油液が封入されたシリンダと、該シリンダの外周に設けられ前記シリンダとの間にリザーバ室を形成するケースと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装されて前記シリンダ内を2室に画成するピストンと、一端が前記ピストンに連結されて他端が前記ケースおよびシリンダの他端側を閉塞する案内部材を介して外部に延出された中空のピストンロッドと、前記シリンダの一端に設けられ、前記シリンダ内と前記リザーバ室とをバルブを介して連通するベースバルブと、前記ベースバルブの一端側にて前記ケースを閉塞する仕切部材と、前記ベースバルブと前記仕切部材とでベース部材を形成し、該ベース部材に一端が傾斜可能に連結され、他端が前記ピストンロッド内に挿入され、内部に油通路が形成された中空のポンプロッドと、前記ポンプロッド内部の前記油通路の一端側と前記ベースバルブおよび前記仕切部材を貫通するように形成された通路を介して接続されたオイルタンクと、前記ピストンロッドの伸縮動に応じて作動し、前記ポンプロッドを通じて、前記オイルタンク内の油液をシリンダ内に揚げるセルフポンピング機構とを設けたことを特徴とする。
請求項2の発明の油圧緩衝器は、上記請求項1の構成に加えて、前記ベース部材には、一端側が前記ベースバルブと前記仕切部材とを貫通し、他端側に前記ポンプロッドが連結され、内部に前記ポンプロッド内の通路と前記オイルタンクと連通する通路を有するリテーナが設けられ、前記ベースバルブと前記仕切部材との間に前記リザーバ室に連通する通路を形成したことを特徴とする。
請求項3の発明の油圧緩衝器は、上記請求項2の構成に加えて、前記仕切部材の一端側に前記オイルタンクのオイル室を形成したことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、振動を利用して、荷重の大小にかかわらず自動的に全長を一定に調整することができる油圧緩衝器において、シリンダ内とリザーバとの間にベースバルブが設けられる構造としたので、減衰力特性の設定自由度が高い油圧緩衝器を提供することができる。よって、自動車に設けた場合は、車高を一定に保つとともに、操縦安定性や乗り心地を一層高めることが可能となる。
請求項2の発明では、一端側が前記ベースバルブと前記仕切部材とを貫通し、他端側にポンプロッドが連結され、内部に前記ポンプロッド内の通路と前記オイルタンクと連通する通路を有するリテーナにより、シリンダ内とオイルポンプを容易に連通させることがきる。また、前記ベースバルブと前記仕切部材との間にリザーバ室に連通する通路を形成したことにより、簡単な構成で、リザーバとシリンダ内を連通させることができる。
請求項3の発明によれば、リザーバ室及びオイル室の容積を大きくすることが可能になる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
第1実施形態について図1ないし図5を用いて説明する。図1ないし図5に示すように、第1実施形態の油圧緩衝器1は、下端側(一端側)が閉塞され、上端側(他端側)が開口されたケース2内に仕切部材3が嵌合されており、この仕切部材3によってケース2内が底部側室2aと開口部側2bの2室に区画されている。
底部側室2a内には、ケース2よりもやや小径のシリンダ部材4が挿入されて、ケース2とシリンダ部材4との間に環状室5が形成されており、環状室5は、シリンダ部材4の下端部に設けられた通路6によってシリンダ部材4内に連通されている。シリンダ部材4内には、フリーピストン7(隔壁)が摺動可能に嵌装されており、シリンダ部材4内が仕切部材3側のオイル室4aと通路6によって環状室5に連通されるガス室4bとに画成されている。そして、オイル室4aには油液が封入され、ガス室4bおよび環状室5には、圧縮ガス(2〜6kg/cm2)が封入されている。この圧縮ガスは、フリーピストン7が上方に移動する際のフリクションを低減するために封入されている。なお、シリンダ部材4は省略してもよい。
開口部側2b内には、ケース2よりもやや小径のシリンダ8が挿入され、ケース2の開口部にシール部材9が取付けられて、ケース2とシリンダ8との間に環状のリザーバ室10が形成されている。シリンダ8の仕切部材3側の端部には、ベースバルブ11が取付けられており、ベースバルブ11に設けられた油通路12によって、シリンダ8内とリザーバ室10とが連通されている。ベースバルブ11には、油通路12のリザーバ室10からシリンダ8内への油液の流通を許容する逆止弁13および油通路12を常時連通させるオリフィス14が設けられている。そして、シリンダ8内には油液が封入され、リザーバ室10には、油液および高圧ガス(15〜35kg/cm2)が封入されている。オイル室4aは、図に示すように、下端側が延設されたケース2と一体的に形成され、後述するシリンダ8と同軸直列に配置されている。
シリンダ8内には、環状のピストン15が摺動可能に嵌装されており、このピストン15によってシリンダ8内がケース2の開口部側のシリンダ上室8aとベースバルブ11を介してリザーバ室10に連通されるシリンダ下室8bの2室に画成されている。ピストン15には、略円筒状のピストンボルト16が挿通され、その先端部にピストンナット17を螺着させて固定されている。ピストンボルト16の基端側のねじ部16a には、中空部18a を有するピストンロッド18の一端が螺着されており、ピストンロッドの他端側は、シール部材9およびシリンダ8の上端部に装着されたロッドガイド19からなる案内部材に挿通されて、ケース2およびシリンダ8の外部へ延出されている。ロッドガイド19の内周には、スリーブ19c が嵌合され、また、シリンダ上室8aとリザーバ室10とを連通させる通路19a および通路19a の油液およびガスの流通を規制するチェック弁19b が設けられており、シリンダ8内に混入したガスをピストンロッド18の伸び行程時にリザーバ室10へ排出し、伸び行程時にスリーブ19c を越えて漏れた油液をリザーバ室10へ戻すとともに、ピストンロッド18の縮み行程時にリザーバ室10内のガスがシリンダ8内に流入しないようになっている。また、シール部材9には、シール機構9a,9bが設けられている。
ピストン15には、シリンダ上室8aとシリンダ下室8bとを連通させる伸び側通路20および縮み側通路21が設けられている。また、ピストン15には、シリンダ上室8a側の所定圧力によって撓んで開弁して伸び側通路20の油液の流通を許容して減衰力を発生させる常閉のディスクバルブ22およびシリンダ下室8b側の所定圧力によって撓んで開弁して縮み側通路21の油液の流通を許容して減衰力を発生させる常閉のディスクバルブ23が設けられている。
ピストンロッド18内には、その中空部18a よりもやや小径の大径部24a と小径部24b とからなる段付のポンプチューブ24が挿入されており、ポンプチューブ24は、小径部24b 側の端部が中空部18a の底部に設けられた保持ばね25に押圧されて、大径部24a 側の端部がピストンボルト16に当接されて固定されている。そして、中空部18a とポンプチューブ24との間に環状の油通路26が形成され、ピストンロッド18の側壁に設けられた通路26a を介してシリンダ上室8aに連通されている。
仕切部材3およびベースバルブ11には、リテーナ27を介して、管状のポンプロッド28の基端が連結されている。この仕切部材3、ベースバルブ11およびリテーナ27で本発明のベース部材を構成している。ポンプロッド28とリテーナ27との結合部は球面状に形成され、互いに摺接可能となっており、油圧緩衝器1の作動にともなうポンプロッド28の傾きを許容して位置ずれを吸収できるようになっている。ポンプロッド28の先端側は、シリンダ8の中心軸に沿って延ばされ、ピストンボルト16(ピストン15)に挿通され、さらに、ポンプチューブ24の大径部24a に挿通されて小径部24b 内に摺動可能に嵌合されている。そして、ポンプロッド28の先端部によって、小径部24b 内にポンプ室29が形成されており、ポンプロッド28内の油通路30およびリテーナ27に設けられた通路31によって、ポンプ室29とオイル室4aとが連通されている。ポンプチューブ24の小径部24b の端部には、ポンプ室29から油通路26への油液の流通のみを許容する逆止弁32が設けられており、また、ポンプロッド28の先端部には、油通路30のオイル室4aからポンプ室29への油液の流通のみを許容する逆止弁33が設けられている。
逆止弁32は、図5に示すように、ポンプチューブ24の小径部24b の先端部に略U字形のリテーナ34が固定され、小径部24b の開口部に離着座する弁体35とリテーナ34との間に弁ばね36が介装されており、油通路26側の圧力によって弁体35が小径部24a の開口部に押しつけられて閉弁し、ポンプ室29側の圧力によって弁体35が弁ばね36の弾性力に抗して小径部24b の開口部から押し上げられて開弁するようになっている。なお、図中、37は弁体35の移動を規制するストッパである。
逆止弁33は、図4に示すように、ポンプロッド28の先端部に略U字形のリテーナ38が取付けられ、ポンプロッド28の先端開口部に離着座する弁体39とリテーナ38との間に弁ばね40が介装されており、ポンプ室29側の圧力によって弁体39がポンプロッド28の開口部に押しつけられて閉弁し、油通路30側の圧力によって弁体39が弁ばね40の弾性力に抗してポンプロッド28の開口部から押し上げられて開弁するようになっている。
ピストンボルト16およびポンプチューブ24の大径部24a とポンプロッド28との間にはシリンダ下室8bに連通する環状通路41が形成されている。ポンプロッド28には、ポンプチューブ24に嵌合された先端部から軸方向に所定部位まで延びる切欠42が形成されており、この切欠42によってポンプロッド28とポンプチューブ24の小径部24b との間に隙間42a が形成されている。そして、隙間42a と環状通路41とで通路を構成しており、切欠42は、ピストンロッド18の伸長長さが所定の標準範囲よりも短いとき(標準範囲の下限となる第1所定位置より短いとき)、ポンプチューブ24の小径部24b のみと重なり、大径部24a とは重ならない位置にあって隙間42a と環状通路41との連通が遮断される。また、ピストンロッド18が所定の標準範囲まで伸長したとき(標準範囲の下限となる第1所定位置まで伸長したとき)、ポンプチューブ24がピストンロッド18とともに移動して大径部24a が切欠42に重なって、隙間42a が環状通路41に連通されてシリンダ上下室8a,8bに連通されるようになっている。
また、ポンプロッド28の側壁には、油通路30と接続してオリフィス通路43が設けられている。そして、オリフィス通路43は、切欠42のオイル室4a側の端部(図中の下端部)に対してポンプ室29よりの部位に配置されており、ピストンロッド18の伸長長さが所定の標準範囲以下(標準範囲の上限である第2所定位置以下)のとき、ポンプチューブ24の小径部24b と重なる位置にあり、オリフィス通路43と環状通路41との連通が遮断される。また、ピストンロッド18の伸長長さが所定の標準範囲を越えたとき(標準範囲の上限である第2所定位置を越えたとき)、オリフィス通路43はポンプチューブ24の大径部24a と重なって、オリフィス通路43が環状通路41に連通されてシリンダ上下室8a,8bと連通されるようになっている。
ピストンボルト16の側壁には、シリンダ上室8aに連通する通路44が設けられており、ピストンボルト16とポンプロッド28との間に形成された環状通路41および通路44によってシリンダ上室8aとシリンダ下室8bとを連通する油液通路が構成されている。また、ピストンボルト16の先端部に取付けられたピストンナット17の一端部の内側には、フランジ45が設けられており、このフランジ45とピストンボルト16の先端との間に形成された環状溝に、環状のシール部材46が嵌合されている。そして、このシール部材46とポンプロッド28との間に形成される環状隙間Cによってシリンダ上室8aとシリンダ下室8bの連通路面積が調整されるようになっている。なお、シール部材46は、径方向および軸方向に僅かな遊びをもって環状溝に嵌合されており、ピストンナット17の締め付けによる変形を防止するとともに、油圧緩衝器1の作動時のポンプロッド28の振れを吸収するようになっている。
ポンプロッド28には、ピストンロッド18の伸長長さが所定の標準範囲内にあるとき、シール部材46に対向する部位に小径部47が設けられており、小径部47の両端部には、テーパ部48,49が設けられ漸次拡径されて大径部28a に連なるようになっている。そして、シール部材46とポンプロッド28との間に、シリンダ上下室8a,8b間を連通させる環状隙間C(連通路)が形成されており、ピストンロッド18の伸長長さが所定の標準範囲よりも短くまたは長くなると、テーパ部48または49がシール部材46と対向する位置に移動して漸次環状隙間Cが小さくなり、ピストンロッド18の伸縮位置がそのストローク端に近づくと、ポンプロッド28の大径部28a がシール部材46に僅かな隙間をもって嵌合して環状隙間Cをほとんど閉鎖するようになっている。このようにして、ピストンロッド18とポンプロッド28との軸方向の相対移動によって環状隙間Cの通路面積が変化するようになっている。
そして、油圧緩衝器1は、ピストンロッド18の先端部を車体側(図示せず)に連結させ、ケース2の下端部に取付けられたブラケット50を車輪側(図示せず)に連結させることによって、車両の懸架装置に装着される。なお、図中、51はリバウンドストッパ、52は懸架ばね(図示せず)を受けるばね受けである。
以上のように構成した第1実施形態の作用について次に説明する。
油圧緩衝器1の自動車高調整機能について説明する。空車時(標準車高時)において、底部側室2aのガス室4bとリザーバ室10とは、同圧になっており、ピストンロッド18の伸長長さは所定の標準範囲内にある。この状態では、ポンプロッド28の切欠42がポンプチューブ24の大径部24a と重なっており、ポンプ室29が隙間42a および環状通路41を介してシリンダ上下室8a,8bに連通されいてるので、ポンピング動作は行われない。
車両の積載荷重が増加して車高が標準車高よりも低くなり、ピストンロッド18の伸長長さが標準範囲よりも短くなると、ポンプロッド28の切欠42がポンプチューブ24の小径部24b と重なって閉鎖される。この状態では、走行時の懸架装置の振動によってピストンロッド18が伸縮すると、伸び行程時には、ポンプチューブ24の小径部24b 内のポンプロッド28が後退することによりポンプ室29内の圧力が低下し、逆止弁33が開いて油通路30を通してオイル室4a内の油液がポンプ室29に導入される。また、縮み行程時には、ポンプロッド28が前進してポンプ室29内が加圧され、逆止弁32が開いてポンプ室29内の油液が油通路26および通路26a を通ってシリンダ上室8aに供給されて、シリンダ上下室8a,8bおよびリザーバ室10を加圧してピストンロッド18を伸長させる。このようにして、走行時の振動を利用してポンピング動作を繰り返すことによって車高を上げる。そして、車高が標準車高に達して、ピストンロッドの伸長長さが標準範囲内になると(第1所定位置に達すると)、ポンプロッド28の切欠42がポンプチューブ24の大径部24a と重なってポンプ室29がシリンダ上下室8a,8bに連通されてポンピング動作が解除される。
また、車両の積載荷重が減少して車高が標準車高よりも高くなり、ピストンロッド18の伸長長さが標準範囲よりも長くなると(第2所定位置より長くなると)、ポンプロッド28の切欠42およびオリフィス通路43がポンプチューブ24の大径部24a と重なり、ポンプ室29がシリンダ上下室8a,8bに連通されてポンピング動作が解除されるとともに、シリンダ上下室8a,8bが環状通路41およびオリフィス通路43を介して油通路30に連通され、シリンダ上下室8a,8b内の圧油がオイル室4aにリリーフされて、シリンダ上下室8a,8bおよびリザーバ室10が減圧されて車高が下がる。車高が標準車高まで下がってピストンロッド18の伸長長さが標準範囲内になると、ポンプロッド28のオリフィス通路43がポンプチューブ24の小径部24b と重なって閉鎖され、シリンダ上下室8a,8b内の圧油のリリーフが停止する。
以上のようにして、走行時の懸架装置の振動を利用して、ポンピング動作およびリリーフ動作を繰り返すことによって、積載荷重にかかわらず車高を一定に調整することができる。
次に、油圧緩衝器1の車高に応じた減衰力調整機能について説明する。ピストンロッド18の伸縮にともない、シリンダ上下室8a,8b間で、ピストンボルト16の通路44および環状通路41通って油液が流通し、ポンプロッド28とシール部材46との間に形成された環状隙間Cによって流路面積が絞られて減衰力が発生する。
標準車高時には、ピストンロッド18の伸長長さが標準範囲内にあり、ポンプロッド28の小径部47とシール部材46とが対向して環状隙間Cの流路面積が大きくなるので減衰力は小さくなる(ソフト特性)。車高が標準車高を越えて上下に変位すると、ピストンロッド18の伸長長さが標準範囲からはずれて、ポンプロッド28のテーパ部48または49が対向することにより、環状隙間Cの通路面積が漸次小さくなって減衰力が大きくなる(ミディアム特性)。そして、ピストンロッド18の伸長長さがそのストローク端に近づくと、ポンプロッド28の大径部28a とシール部材46とが対向して環状隙間Cがほとんど閉鎖された状態となり減衰力は最大となる(ハード特性)。
このようにして、ピストンロッド18のストロークに応じて減衰力特性を変化させることができ、さらに前述の車高調整機能により、乗員の変化によらず、通常走行時は、車高が標準車高付近となり、減衰力をソフト特性として乗り心地をよくし、制動時、旋回時等の車体の姿勢変化によって車高が標準車高を越えて変位した場合には、減衰力を漸次大きくして姿勢変化を抑制することにより操縦安定性を向上させ、さらに、ピストンロッド18のストローク端付近では、減衰力をハード特性として底つきを防止することができる。
なお、ピストン速度が速くなり、シリンダ上下室8a,8bの圧力が所定圧力に達すると、伸び行程時には、ディスクバルブ22が開弁して油液が伸び側油液通路20を流通することによって減衰力が発生し、縮み行程時には、ディスクバルブ23が開弁して油液が縮み側通路21を流通することによって減衰力が発生し、減衰力の過度の上昇を抑制する。
また、ピストンロッド18の伸縮によるシリンダ2内の容積変化は、ベースバルブ11の油通路12および逆止弁11またはオリフィス14を介してシリンダ下室8b、リザーバ室10間で油液を流通させてリザーバ室10内のガスを圧縮、膨張させることにより補償している。
なお、上記実施形態では、ポンプロッド28に小径部47およびテーパ部48,49を設けることによって環状隙間Cの流路面積を変化させるようにしているが、これに限らず、環状隙間Cを形成するポンプロッド28の断面積がその軸方向位置によって変化するようにすれば、ピストンロッド18のストロークに応じて環状通路Cの流路面積を変化させることができる。
そして、油圧緩衝器1は、車高調整用の油液を貯留する底部側室2a(オイルタンク)がケース2内のシリンダ8の下方に配置されているので、リザーバ室10および底部側室2aのガス容量を充分大きくとることができる。また、油圧緩衝器1は、ピストンロッド18がシリンダ8の上部から突出された、いわゆる正立型の構造となっているので、サスペンションストラットとして好適に用いることができる。
次に、本発明の第2実施形態について図6および図7を用いて説明する。なお、第2実施形態は、上記第1実施形態に対して車高調整用の油液を貯留するオイルタンクの配置が異なる以外は概略同様の構造であるから、以下、第1実施形態のものと同様の部分には同一の番号を付して異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図6および図7に示すように、第2実施形態の油圧緩衝器60では、オイルタンク61がケース2の外部に別置されており、ベースバルブ11がケース2の底部に配置されている。オイルタンク61は、有底筒状のタンクケース62の開口部にプラグ63が取付けられ、タンクケース62内にフリーピストン64が摺動可能に嵌装されており、タンクケース62内がフリーピストン64によって開口部側のオイル室62a と底部側のガス室62b とに画成されている。オイル室62a 内には車高調整用の油液が封入され、ガス室62b には圧縮ガスが封入されている。そして、オイルタンク61は、ブラケット65を介してボルト66によって油圧緩衝器本体のケース2の側面部に取付けられている。
ケース2の底部に通路部材67が取付けられ、リテーナ27に嵌合されてポンプロッド28の油通路30に連通されている。通路部材67とオイルタンク61のオイル室62a とが管路68によって連通されている。これにより、ポンプロッド28の油通路30とオイルタンク61のオイル室62a とが連通されている。
なお、図示のものでは、第1実施形態のピストンボルト16、ナット17およびポンプロッド28に設けられたシリンダ上下8a,8b間を直接連通させる油液通路およびこの油液通路の通路面積を調整する減衰力発生機構は省略されている。
この構成により、上記第1実施形態と同様にして、走行時の懸架装置の振動を利用して、ポンピング動作およびリリーフ動作を繰り返すことによって、積載荷重にかかわらず車高を一定に調整することができる。そして、ピストン15に設けられた、ディスクバルブ22,23およびこれらに設けられたオリフィス(図示せず)によって伸び側および縮み側通路20,21の油液の流動を制御することによって減衰力を発生させる。
そして、油圧緩衝器60は、車高調整用の油液を貯留するオイルタンク61が油圧緩衝器本体のケース2の外部に別置されているので、リザーバ室10およびオイルタンク61のガス容量を充分大きくとることができる。また、油圧緩衝器61は、ピストンロッド18がシリンダ8の上部から突出された、いわゆる正立型の構造となっているので、サスペンションストラットとして好適に用いることができる。
なお、図6および図7に示すものでは、減衰力調整機構が省略されているが、上記第1実施形態と同様に、ピストンボルト16、ナット17およびポンプロッド28に、シリンダ上下8a,8b間を直接連通させる油液通路およびこの油液通路の通路面積を調整する減衰力発生機構を設けることによって、ピストンロッド18のストロークに応じて減衰力特性を調整することができる。
また、上記各実施形態においては、シリンダ8内とリザーバ室10とを連通する油通路12に逆止弁13およびオリフィス14を設けたものを示したが、この油通路12は、少なくとも、シリンダ8からリザーバ室10への油液の流れに対して流路抵抗があればよく、上記以外にも逆止弁13を減衰力を発生する減衰弁としてもよく、また、逆止弁13をなくしてオリフィス14のみとしてもよい。このオリフィスのみの場合は、オリフィスはシリンダ8の側壁に設けることもできる。
本発明の第1実施形態の縦断面図である。 図1の装置の要部の拡大図である。 図1の装置のベースバルブ部の拡大図である。 図1の装置のケースおよびシリンダの開口側端部並びにポンプロッドの逆止弁の拡大図である。 図1の装置のポンプチューブの逆止弁の拡大図である。 本発明の第2実施形態の縦断面図である。 図6の装置の要部の拡大図である。
符号の説明
1 油圧緩衝器、2 ケース、3 仕切部材(ベース部材)、2a 底部側室(オイルタンク)、8 シリンダ、8a シリンダ上室、8b シリンダ下室、10 リザーバ、11 ベースバルブ(ベース部材)、15 ピストン、18 ピストンロッド、19 ロッドガイド(案内部材)、27 リテーナ(ベース部材)、28 ポンプロッド、60 油圧緩衝器、61 オイルタンク

Claims (3)

  1. 油液が封入されたシリンダと、
    該シリンダの外周に設けられ前記シリンダとの間にリザーバ室を形成するケースと、
    前記シリンダ内に摺動可能に嵌装されて前記シリンダ内を2室に画成するピストンと、
    一端が前記ピストンに連結されて他端が前記ケースおよびシリンダの他端側を閉塞する案内部材を介して外部に延出された中空のピストンロッドと、
    前記シリンダの一端に設けられ、前記シリンダ内と前記リザーバ室とをバルブを介して連通するベースバルブと、
    前記ベースバルブの一端側にて前記ケースを閉塞する仕切部材と、
    前記ベースバルブと前記仕切部材とでベース部材を形成し、該ベース部材に一端が傾斜可能に連結され、他端が前記ピストンロッド内に挿入され、内部に油通路が形成された中空のポンプロッドと、
    前記ポンプロッド内部の前記油通路の一端側と前記ベースバルブおよび前記仕切部材を貫通するように形成された通路を介して接続されたオイルタンクと、
    前記ピストンロッドの伸縮動に応じて作動し、前記ポンプロッドを通じて、前記オイルタンク内の油液をシリンダ内に揚げるセルフポンピング機構とを設けたことを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記ベース部材には、一端側が前記ベースバルブと前記仕切部材とを貫通し、他端側に前記ポンプロッドが連結され、内部に前記ポンプロッド内の通路と前記オイルタンクと連通する通路を有するリテーナが設けられ、前記ベースバルブと前記仕切部材との間に前記リザーバ室に連通する通路を形成したことを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 前記仕切部材の一端側に前記オイルタンクのオイル室を形成したことを特徴とする請求項2に記載の油圧緩衝器。
JP2003391163A 1995-07-22 2003-11-20 油圧緩衝器 Expired - Fee Related JP3988143B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003391163A JP3988143B2 (ja) 1995-07-22 2003-11-20 油圧緩衝器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20778595 1995-07-22
JP26070995 1995-09-13
JP2003391163A JP3988143B2 (ja) 1995-07-22 2003-11-20 油圧緩衝器

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20537496A Division JP3988090B2 (ja) 1995-07-22 1996-07-16 油圧緩衝器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004100962A JP2004100962A (ja) 2004-04-02
JP3988143B2 true JP3988143B2 (ja) 2007-10-10

Family

ID=32303092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003391163A Expired - Fee Related JP3988143B2 (ja) 1995-07-22 2003-11-20 油圧緩衝器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3988143B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100427793C (zh) * 2004-05-18 2008-10-22 仇恒超 油气弹簧
CN100432477C (zh) * 2005-12-13 2008-11-12 江苏大学 仿生耦合减振器
JP2008025665A (ja) * 2006-07-19 2008-02-07 Kayaba Ind Co Ltd 油圧緩衝器における内部シール構造
JP2008213795A (ja) * 2007-03-08 2008-09-18 Nissan Diesel Motor Co Ltd シートサスペンション装置
KR101254234B1 (ko) * 2008-07-10 2013-04-18 주식회사 만도 차고 조정식 쇽업소버

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004100962A (ja) 2004-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101410155B1 (ko) 유압 완충기
US7950506B2 (en) Semi third tube design
US6871845B2 (en) Self-pumping, hydropneumatic suspension strut unit
JPS6118059B2 (ja)
JP2001074082A (ja) 懸架減衰装置
US6793049B2 (en) Acceleration sensitive damping for automotive dampers
JPS6222017B2 (ja)
KR100363449B1 (ko) 유압 완충기
US6412615B1 (en) Hydraulic shock absorber for motor vehicles
JP3988143B2 (ja) 油圧緩衝器
JP4022649B2 (ja) 油圧緩衝器
JP3988090B2 (ja) 油圧緩衝器
JP2005240984A (ja) 電磁サスペンション装置
JP3062992B2 (ja) 油圧緩衝器
JP4816968B2 (ja) 油圧緩衝器
JP4003140B2 (ja) 油圧緩衝器
JPH10250339A (ja) 油圧緩衝器
JP2000337419A (ja) 油圧緩衝器
JPH02109713A (ja) サスペンション装置
JP5110285B2 (ja) 油圧緩衝器
JPH10211810A (ja) 油圧緩衝器
JP4844889B2 (ja) 油圧緩衝器
JP2000337423A (ja) 油圧緩衝器
JPH09126263A (ja) 油圧緩衝装置
JPH09280296A (ja) 油圧緩衝器

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070705

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100727

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100727

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100727

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110727

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110727

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120727

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120727

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130727

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130727

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140727

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees