JP2005240984A - 電磁サスペンション装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アウタケーシング30、インナケーシング31、ばね受け9を有するシリンダ7、カバー10及びピストンロッド8によりケーシング空間48を形成し、ケーシング位置保持機構64がケーシング空間48を利用してセルフポンプ機能を発揮して、アウタヨーク34の下端部34aが所定範囲M〔ピストンロッド伸び基準位置T4からピストンロッド作動中断位置T5までの範囲〕に収める。所定範囲Mに対応して定められる常用域で電動リニアモータ4の最大力の発生を行なうように設定しておくことにより、積載荷重が変化しても常用域の変化が抑制され、電動リニアモータ4の最大力の発生を常用域で行なえ、良好な性能を維持できる。
【選択図】 図4
Description
請求項2の発明は、請求項1記載の電磁サスペンション装置おいて、二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能な第1、第2筒状ケーシングとを相対変位可能な2部材間に設け、該第1、第2筒状ケーシングによりケーシング空間を形成し、前記第1、第2筒状ケーシングのうち一方に前記コイル部材を設け、前記第1、第2筒状ケーシングのうち他方に前記磁性部材を設け、前記第1、第2筒状ケーシングの相対変位長さを保持するケーシング位置保持機構により前記セルフポンピング機構を構成したことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2または3に記載の電磁サスペンション装置において、前記ケーシング空間内に、油圧緩衝器を設けことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1記載の電磁サスペンション装置において、前記セルフポンピング機構をセルフポンピング機能を有する油圧緩衝器により構成したことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1記載の電磁サスペンション装置において、二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能な第1、第2筒状ケーシングとを相対変位可能な2部材間に設け、該第1、第2筒状ケーシングによりケーシング空間を形成し、前記第1、第2筒状ケーシングのうち一方に前記コイル部材を設け、前記第1、第2筒状ケーシングのうち他方に前記磁性部材を設け、前記ケーシング空間内に前記セルフポンピング機能を有する油圧緩衝器を配置したことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能な第1、第2筒状ケーシングとを相対変位可能な2部材間に設け、該第1、第2筒状ケーシングによりケーシング空間を形成し、前記第1、第2筒状ケーシングのうち一方に前記コイル部材を設け、前記第1、第2筒状ケーシングのうち他方に前記磁性部材を設け、前記第1、第2筒状ケーシングの相対変位長さを保持するケーシング位置保持機構により前記セルフポンピング機構を構成したことにより、請求項1の効果に加え、二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能なケーシングにより、電磁力発生部と前記セルフポンピング機構が一体的に構成でき、小型化や取付性が向上する。
請求項4の発明によれば、前記ケーシング空間内に、油圧緩衝器を設けことにより、請求項1乃至3の効果に加え、減衰力も得ることができ、一つの電磁サスペンションで高機能を得ることができる。
請求項5の発明によれば、前記セルフポンピング機構をセルフポンピング機能を有する油圧緩衝器により構成することにより、請求項1の効果に加え、セルフポンピング機構が油圧緩衝器内に構成できるので、小型化を図ることができる。
請求項6の発明によれば、二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能な第1、第2筒状ケーシングとを相対変位可能な2部材間に設け、該第1、第2筒状ケーシングによりケーシング空間を形成し、前記第1、第2筒状ケーシングのうち一方に前記コイル部材を設け、前記第1、第2筒状ケーシングのうち他方に前記磁性部材を設け、前記ケーシング空間内に前記セルフポンピング機能を有する油圧緩衝器を配置したことにより請求項1,5の効果に加え、一本の筒内に全てを配置でき、小型化や取付性が向上する。
そして、油圧緩衝器5は、上述した伸び側減衰力発生機構18、ピストン縮み側減衰力発生機構19及びベースバルブ縮み側減衰力発生機構23を有し、車体側2と車軸側3の相対変位に伴って生じるピストン13とインナチューブ12(シリンダ7)の相対変位によって減衰力を発生するようにしている。
インナケーシング31は、外周部にコイル32と協働して電磁力を発生するための永久磁石33(磁性部材)を設ける略筒状のセンターヨーク36と、センターヨーク36の図1上側の端部にボルト37により結合される略筒状のセンターヨーク結合体38と、永久磁石33を覆い、かつセンターヨーク結合体38まで含むように延びるガイドパイプ39と、からなっている。
アウタヨーク34の下端側(ばね下側。図1下側)の内周部には、ドライメタル(以下、アウタヨーク側ドライメタルという。)40が設けられており、ガイドパイプ39(インナケーシング31)を軸方向に無潤滑で摺動案内するようにしている。アウタヨーク34におけるアウタヨーク側ドライメタル40の上側には、内側及び外側に連通する通気孔40aが形成されている。
インナチューブ12の上端側(図1上側)には、キャップ50が連接されている。キャップ50の内側には、このキャップ50と一体となったロッドガイド51が設けられ、ロッドガイド51の内側には、ドライメタル(以下、キャップ内ドライメタルという。)52が設けられており、ピストンロッド8を摺動案内するようにしている。
電動リニアモータ4は、モータドライバからの電流がケーブル54を介してコイル32に流れることにより、コイル32(アウタヨーク34)と永久磁石33(センターヨーク36)との間に相対的な推進力を発生する。また、電動リニアモータ4は、コイル32(アウタヨーク34)と永久磁石33(センターヨーク36)とが軸方向に相対的変位することにより、コイル32と永久磁石33の電磁作用によりコイル32(アウタヨーク34)と永久磁石33(センターヨーク36)との間に相対的な減衰力を発生する。
ばね受け9は、シリンダ7に挿通してシリンダ7に固定される筒状のばね受け筒部56と、ばね受け筒部56から斜め外方に向けて延びるばね受け本体57とから大略構成されている。ばね受け本体57は、先端側に環状の凹部58を有し、凹部58にコイルばね55の一端部を載置するようにしている。ばね受け本体57における凹部58より内周側には、環状平坦部59が形成されている。
上述したように構成した、アウタケーシング30、インナケーシング31、ばね受け9を有するシリンダ7(油圧緩衝器5)、カバー10(油圧緩衝器5)及びピストンロッド8(油圧緩衝器5)によりケーシング空間48(本発明のケーシング空間)が形成されている。ケーシング空間48は、後述するカバー側逆止弁61により外部と連通及び遮断可能とされている。ケーシング空間48におけるセンターヨーク結合体38、キャップ50及びピストンロッド8で囲まれる空間が前記第1空間48aとされる。また、ケーシング空間48におけるカバー10、アウタヨーク34及びガイドパイプ39(センターヨーク36)により形成される空間が前記第2空間48bとされる。
前記カバー10、カバー10の孔63、通気孔62、第2空間48b、カバー側逆止弁61及び結合体逆止弁53により本発明のポンプ機構を構成し、このポンプ機構と前記第1空間48a、通気孔40aによりケーシング位置保持機構64が構成されており、アウタケーシング30及びインナケーシング31の伸縮(ひいては、ピストンロッド8のシリンダ7に対する伸縮)によって、後述するようにセルポンピング(自己ポンプ)機能を発揮して、ケーシング空間48内の圧力を高めて、アウタヨーク34の下端部34aの変位が所定範囲M内で行なわれるように収束させる、すなわちアウタケーシング30(第1筒状ケーシング)及びインナケーシング31(第2筒状ケーシング)の相対変位を所定範囲内に保持させるようにしている。
さらに、電磁サスペンション装置1は、ケーシング位置保持機構64が次のようにセルポンピング機能を発揮し、アウタケーシング30及びインナケーシング31の相対変位を所定範囲内に保持し、積載荷重が変化しても車高の変化を抑制するようにしている。
この電磁サスペンション装置1では、初期状態又は所定時間にわたる使用停止後には、図1に示すように、アウタヨーク34の下端部34aがカバー10の中間部分に位置するようになっている。なお、アウタケーシング30(ピストンロッド8)のインナケーシング31(シリンダ7)に対する位置(変位)は、アウタヨーク34の下端部34aの位置で示すことができ、図1に示す状態におけるピストンロッド8のシリンダ7に対する位置を以下、ピストンロッド初期位置T1という。後述する位置T2〜T5についても、上述の場合と同様に、ピストンロッド8のシリンダ7に対する位置をアウタヨーク34の下端部34aを対象にして示している。
そして、空車状態の車両に運転者が搭乗し、また、場合によっては、荷物を搭載して積載荷重が車両に加わると、ピストンロッド8ひいてはアウタヨーク34(アウタケーシング30)は、シリンダ7(インナケーシング31)に対して縮み、アウタヨーク34の下端部34aが積載荷重に応じてピストンロッド初期位置T1より低い位置(この状態におけるピストンロッド8の位置を積載時ピストンロッド縮み位置T2という。)になる。このように積載荷重が車両に加わることにより、アウタケーシング30のインナケーシング31に対する位置がピストンロッド初期位置T1より低下するが、このアウタケーシング30の低下状態は、凹凸路走行などに伴って生じる当該電磁サスペンション装置1の振動によって次のように、徐々に解消され、アウタヨーク34の下端部34aが所定範囲Mに収まる、すなわち、アウタケーシング30及びインナケーシング31の相対変位が停車時において所定範囲に保持されるようになる。
いま、大気圧をP1、ケーシング位置保持機構64のセルフポンプ機能で圧縮した空気圧力(圧縮時の圧力)をP2、ピストンロッド8の位置がピストンロッド初期位置T1とされた状態(図1)における1気圧での第1空間48aの体積をV1、縮み行程時の体積をV2とすると、次式(1)で示される圧力特性があると考えることができる。
P1V1 K=P2V2 K … … (1)
ただし、K=1.4
そして、圧縮時の圧力P2は、式(1)が
P2=P1(V1/V2)1.4
と変形されることから、圧縮時の体積比V1/V2で決まることになる。
圧縮時の圧力P2は、
P2=P1(V1/V2)1.4=1×(2/1)1.4×9.8×104 Pa
≒2.64×9.8×104 Pa
となる。
P2≒2.1×9.8×104Pa … … (2)
よって、受圧面積Bを40cm2とすると、ピストンロッド8を伸張させる力Eは、受圧面積B及び圧縮時の圧力P2から、次式(3)の値となる。
E=40cm2×2.1×9.8×104Pa=84×9.8N/1輪 … … (3)
車両の走行時における当該電磁サスペンション装置1の振動によって生じる上述した伸縮作動が繰り返されることにより、ピストンロッド8のシリンダ7に対する位置は徐々に上昇する。そして、ピストンロッド8の変位が、図4に示すように、通気孔40aがカバー10の先端を超える状態(この状態におけるピストンロッド8の位置をピストンロッド伸び基準位置T4という。)になると、アウタヨーク34及びガイドパイプ39間の空隙70並びに通気孔40aを介して第1空間48aが外部と連通する。このため、ピストンロッド8を伸張させる力は減少し、ピストンロッド8のこれ以上の伸張作動は停止される。
このように、車体が振動した際には、図4に示す状態が、略振幅の中心となり、この図4の状態が本発明の所定間隔に該当し、このときの、アウタケーシング30とインナケーシング31の(相対変位)長さが保持される長さである。
車両は、使用停止が長時間にわたるのでなければ、通常、ピストンロッド8の位置が、ピストンロッド作動中断位置T5とされて、次の使用開始まで待機される。そして、次の使用時おいて運転者の搭乗等に伴い積載荷重が加わることにより、ピストンロッド8がピストンロッド作動中断位置T5より低下しても、上述したセルフポンプ機能が発揮されて、ピストンロッド8はピストンロッド伸び基準位置T4まで伸びると共に、その後、搭乗者の降車などにより空車状態になると、ピストンロッド8の位置がピストンロッド作動中断位置T5になる。
このため、所定範囲M(ピストンロッド伸び基準位置T4からピストンロッド作動中断位置T5までの範囲)をサスペンションストロークの常用域として定め、この常用域で電動リニアモータ4の最大力の発生を行なうように設定しておくことが可能となる。そして、積載荷重が変化しても、アウタケーシング30(第1筒状ケーシング)及びインナケーシング31(第2筒状ケーシング)の相対変位が所定範囲内に保持されることから、積載荷重の変化にかかわらず、常用域の変化が抑制されるので、常用域において電動リニアモータ4の最大力の発生を行なえて良好な性能の確保を図ることができる。
そして、通常は、チェックボール146によって油通路144を閉鎖し、開口部側室102bとオイル室104bとの差圧が所定圧力に達すると、ディスクバルブ147が撓んで開弁して開口部側室102bの圧油をオイル室104bに逃がすようになっている。
空車時(標準車高時)において、底部側室102aのガス室104bとリザーバ室110とは、同圧になっており、ピストンロッド118の伸長長さは所定の標準範囲内にある。この状態では、ポンプロッド128の切欠142がポンプチューブ124の大径部124a と重なっており、ポンプ室129が隙間142a および環状通路141を介してシリンダ上下室108a,108bに連通されいてるので、ポンピング動作は行われない。
Claims (6)
- 相対変位可能な2部材の一方の部材側に設けられたコイル部材と、他方の部材側に設けられ該コイル部材と対向する磁性部材とからなる電磁サスペンション装置において、
前記2部材間に前記2部材の相対変位により、該2部材間の間隔を所定間隔に保持するセルフポンピング機構を設けたことを特徴とする電磁サスペンション装置。 - 二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能な第1、第2筒状ケーシングとを相対変位可能な2部材間に設け、
該第1、第2筒状ケーシングによりケーシング空間を形成し、
前記第1、第2筒状ケーシングのうち一方に前記コイル部材を設け、
前記第1、第2筒状ケーシングのうち他方に前記磁性部材を設け、
前記第1、第2筒状ケーシングの相対変位長さを保持するケーシング位置保持機構により前記セルフポンピング機構を構成したことを特徴とする請求項1記載の電磁サスペンション装置。 - 前記ケーシング位置保持機構を、前記ケーシング空間を密閉空間とすると共に、該ケーシング空間内に空気を送り込むポンプ機構と、前記第1、第2筒状ケーシングの相対変位長さが前記所定長さ以上となったとき、前記ケーシング空間内の空気を排出する通気孔とから構成したことを特徴とする請求項2記載の電磁サスペンション装置。
- 前記ケーシング空間内に、油圧緩衝器を設けことを特徴とする請求項2または3に記載の電磁サスペンション装置。
- 前記セルフポンピング機構をセルフポンピング機能を有する油圧緩衝器により構成したことを特徴とする請求項1記載の電磁サスペンション装置。
- 二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能な第1、第2筒状ケーシングとを相対変位可能な2部材間に設け、
該第1、第2筒状ケーシングによりケーシング空間を形成し、
前記第1、第2筒状ケーシングのうち一方に前記コイル部材を設け、
前記第1、第2筒状ケーシングのうち他方に前記磁性部材を設け、
前記ケーシング空間内に前記セルフポンピング機能を有する油圧緩衝器を配置したことを特徴とする請求項1記載の電磁サスペンション装置。
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