JP2005240984A - 電磁サスペンション装置 - Google Patents

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博史 吉倉
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Abstract

【課題】 積載荷重が変化しても良好な性能を確保することができる電磁サスペンション装置を提供する。
【解決手段】 アウタケーシング30、インナケーシング31、ばね受け9を有するシリンダ7、カバー10及びピストンロッド8によりケーシング空間48を形成し、ケーシング位置保持機構64がケーシング空間48を利用してセルフポンプ機能を発揮して、アウタヨーク34の下端部34aが所定範囲M〔ピストンロッド伸び基準位置T4からピストンロッド作動中断位置T5までの範囲〕に収める。所定範囲Mに対応して定められる常用域で電動リニアモータ4の最大力の発生を行なうように設定しておくことにより、積載荷重が変化しても常用域の変化が抑制され、電動リニアモータ4の最大力の発生を常用域で行なえ、良好な性能を維持できる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電磁力による振動抑制用アクチュエータ、ダンパに係り、特に、自動車、鉄道車両などに用いて好適な電磁サスペンション装置に関する。
近時、電磁サスペンション装置は、種々のタイプの車両に用いられるようになってきている。この電磁サスペンション装置の一例として、二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能な外筒部材(第1筒状ケーシング)及びロッド部材(第2筒状ケーシング)と、外筒部材に設けたコイル部材と、ロッド部材に設けた永久磁石とからなる電動リニアモータを備えた電磁サスペンション装置がある(特許文献1参照)。
特開2002−227927号公報
ところで、前記電磁サスペンション装置は、その電動リニアモータが、縮み・伸び動作(サスペンションストローク)の全領域(全ストローク範囲)にわたって、最大力(電磁力)を発生するのではなく、永久磁石の削減などのために、全ストローク範囲内における予め定めた一定のストローク範囲(サスペンションストロークの常用域)で最大力を発生するようにしている。すなわち、最大力の発生範囲をサスペンションストロークの常用域に一致させるようにしている。そして、例えば、最大力の発生範囲をサスペンションストロークの常用域のみとし、伸び切り、縮み切り付近のストローク域(ストローク端)では、発生力を低下させるようにしている。
一方、電磁サスペンション装置では、積載荷重の変化などにより制御対象の車高が変化すると、サスペンションストロークの常用域が、予め定めた常用域からずれるように変化する。すると、電動リニアモータの最大力の発生範囲とサスペンションストロークの常用域とが一致しなくなり、電磁サスペンション装置の性能が低下してしまうことが起こり得る。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、積載荷重等、作用する荷重が変化しても良好な性能を確保することができる電磁サスペンション装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の電磁サスペンション装置に係る発明は、相対変位可能な2部材の一方の部材側に設けられたコイル部材と、他方の部材側に設けられ該コイル部材と対向する磁性部材とからなる電磁サスペンション装置において、前記2部材間に前記2部材の相対変位により、該2部材間の間隔を所定間隔に保持するセルフポンピング機構を設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の電磁サスペンション装置おいて、二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能な第1、第2筒状ケーシングとを相対変位可能な2部材間に設け、該第1、第2筒状ケーシングによりケーシング空間を形成し、前記第1、第2筒状ケーシングのうち一方に前記コイル部材を設け、前記第1、第2筒状ケーシングのうち他方に前記磁性部材を設け、前記第1、第2筒状ケーシングの相対変位長さを保持するケーシング位置保持機構により前記セルフポンピング機構を構成したことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2記載の電磁サスペンション装置において、前記ケーシング位置保持機構を、前記ケーシング空間を密閉空間とすると共に、該ケーシング空間内に空気を送り込むポンプ機構と、前記第1、第2筒状ケーシングの相対変位長さが前記所定長さ以上となったとき、前記ケーシング空間内の空気を排出する通気孔とから構成したことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2または3に記載の電磁サスペンション装置において、前記ケーシング空間内に、油圧緩衝器を設けことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1記載の電磁サスペンション装置において、前記セルフポンピング機構をセルフポンピング機能を有する油圧緩衝器により構成したことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1記載の電磁サスペンション装置において、二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能な第1、第2筒状ケーシングとを相対変位可能な2部材間に設け、該第1、第2筒状ケーシングによりケーシング空間を形成し、前記第1、第2筒状ケーシングのうち一方に前記コイル部材を設け、前記第1、第2筒状ケーシングのうち他方に前記磁性部材を設け、前記ケーシング空間内に前記セルフポンピング機能を有する油圧緩衝器を配置したことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、相対変位可能な2部材の一方の部材側に設けられたコイル部材と、他方の部材側に設けられ該コイル部材と対向する磁性部材とからなる電磁サスペンション装置において、前記2部材間に前記2部材の相対変位により該2部材間の間隔を所定間隔に保持するセルフポンピング機構を設けたことにより、相対変位可能な2部材間に作用する荷重が変化しても、2部材間の間隔が所定間隔に保持されるので、ストロークの常用域の変化が抑制され、電磁力がストローク域によって異なるような場合であっても、安定した電磁力を発生させることができる。
請求項2の発明によれば、二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能な第1、第2筒状ケーシングとを相対変位可能な2部材間に設け、該第1、第2筒状ケーシングによりケーシング空間を形成し、前記第1、第2筒状ケーシングのうち一方に前記コイル部材を設け、前記第1、第2筒状ケーシングのうち他方に前記磁性部材を設け、前記第1、第2筒状ケーシングの相対変位長さを保持するケーシング位置保持機構により前記セルフポンピング機構を構成したことにより、請求項1の効果に加え、二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能なケーシングにより、電磁力発生部と前記セルフポンピング機構が一体的に構成でき、小型化や取付性が向上する。
請求項3の発明によれば、前記ケーシング位置保持機構を、前記ケーシング空間を密閉空間とすると共に、該ケーシング空間内に空気を送り込むポンプ機構と、前記第1、第2筒状ケーシングの相対変位長さが前記所定長さ以上となったとき、前記ケーシング空間内の空気を排出する通気孔とから構成したことにより、請求項1、2の効果を逆止弁と通気孔という簡単な構成で得ることができる。
請求項4の発明によれば、前記ケーシング空間内に、油圧緩衝器を設けことにより、請求項1乃至3の効果に加え、減衰力も得ることができ、一つの電磁サスペンションで高機能を得ることができる。
請求項5の発明によれば、前記セルフポンピング機構をセルフポンピング機能を有する油圧緩衝器により構成することにより、請求項1の効果に加え、セルフポンピング機構が油圧緩衝器内に構成できるので、小型化を図ることができる。
請求項6の発明によれば、二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能な第1、第2筒状ケーシングとを相対変位可能な2部材間に設け、該第1、第2筒状ケーシングによりケーシング空間を形成し、前記第1、第2筒状ケーシングのうち一方に前記コイル部材を設け、前記第1、第2筒状ケーシングのうち他方に前記磁性部材を設け、前記ケーシング空間内に前記セルフポンピング機能を有する油圧緩衝器を配置したことにより請求項1,5の効果に加え、一本の筒内に全てを配置でき、小型化や取付性が向上する。
本発明の第1実施の形態に係る電磁サスペンション装置を図1ないし図4に基づいて説明する。図1において、電磁サスペンション装置1は、変位可能な2部材としての車両の車体側2と車軸側3との間に、それぞれ設けられる電動リニアモータ4、油圧緩衝器5及びばね機構6を有し、これらを組合せて構成されている。油圧緩衝器5は、シリンダ7と、該シリンダ7と相対変位可能なピストンロッド8とを有し、さらに、支持部材(ばね機構6のばね受けを兼ねており、以下、ばね受け9という。)を介してシリンダ7の外周部に取付けられた筒状のカバー10を備えている。
油圧緩衝器5は、アウタチューブ11及びインナチューブ12からなる2重筒状の前記シリンダ7と、インナチューブ12内に2つの液室(以下、上室、下室という。)12a,12bを画成するようにインナチューブ12内に嵌挿されたピストン13と、このピストン13に取付けられた前記ピストンロッド8と、アウタチューブ11及びインナチューブ12間に形成されるリザーバ室14と下室12bとを画成するように設けられたベースバルブ15と、を備えている。ピストン13には油液を上室12aから下室12bへ通す伸び側通路16、油液を下室12bから上室12aへ通す縮み側通路17が形成され、伸び側通路16、縮み側通路17に対応してピストン13の伸び、縮み作動時に減衰力を発生する伸び側、縮み側減衰力発生機構18、19が設けられている。ピストン13に設けられる縮み側減衰力発生機構19を、以下、ピストン縮み側減衰力発生機構19という。
ベースバルブ15には、リザーバ室14及び下室12bを連通する伸び側油路20、油液を下室12bからリザーバ室14へ通す縮み側油路21が形成されている。ベースバルブ15には、伸び側油路20に対応してリザーバ室14から下室12bへの油液の流れを許容する逆止弁(ベースバルブ逆止弁)22が設けられ、縮み側油路21に対応してピストン13の縮み作動時に減衰力を発生する縮み側減衰力発生機構(以下、ベースバルブ縮み側減衰力発生機構という。)23が設けられている。
ピストンロッド8はゴムブシュ(以下、車体側ゴムブシュという。)24を介して、車体側2(ばね上部材)に保持されたアッパーマウント25に結合されている。ピストンロッド8から伝わる力は、車体側ゴムブシュ24を介して車体側2に伝わる。そのため、油圧緩衝器5の微振動や、ストロークに伴う油圧緩衝器5の若干の揺動及び傾きは車体側ゴムブシュ24によって吸収される。アウタチューブ11(シリンダ7)におけるピストンロッド8と反対側の端部は車軸側3(ばね下部材)に連結されている。
そして、油圧緩衝器5は、上述した伸び側減衰力発生機構18、ピストン縮み側減衰力発生機構19及びベースバルブ縮み側減衰力発生機構23を有し、車体側2と車軸側3の相対変位に伴って生じるピストン13とインナチューブ12(シリンダ7)の相対変位によって減衰力を発生するようにしている。
電動リニアモータ4は、アウタケーシング30と、アウタケーシング30の内側に軸方向に相対変位(図1上下動)可能に挿入されるインナケーシング31と、アウタケーシング30の内周部に設けられるコイル32(コイル部材)と、インナケーシング31の外周部に設けられコイル32と協働して電磁力を発生するための永久磁石33(磁性部材)と、から大略構成されている。アウタケーシング30が本発明の第1、第2筒状ケーシングのうち一方を構成し、インナケーシング31が他方を構成する。
アウタケーシング30は、内周部にコイル32を装着する筒状のアウタヨーク34と、上端側(図1上側)がピストンロッド8に固定され下端側がアウタヨーク34に連結される有蓋筒状のアウタヨーク連結部材35と、を備えている。
インナケーシング31は、外周部にコイル32と協働して電磁力を発生するための永久磁石33(磁性部材)を設ける略筒状のセンターヨーク36と、センターヨーク36の図1上側の端部にボルト37により結合される略筒状のセンターヨーク結合体38と、永久磁石33を覆い、かつセンターヨーク結合体38まで含むように延びるガイドパイプ39と、からなっている。
アウタヨーク34の下端側(ばね下側。図1下側)の内周部には、ドライメタル(以下、アウタヨーク側ドライメタルという。)40が設けられており、ガイドパイプ39(インナケーシング31)を軸方向に無潤滑で摺動案内するようにしている。アウタヨーク34におけるアウタヨーク側ドライメタル40の上側には、内側及び外側に連通する通気孔40aが形成されている。
アウタヨーク連結部材35は、蓋部(以下、アウタヨーク連結部材蓋部という。)41に孔42を有し、この孔42にピストンロッド8が通されている。そして、アウタケーシング30は、アウタヨーク連結部材蓋部41が車体側ゴムブシュ24とピストンロッド8に設けた肩部43とに挟まれることにより、車体側ゴムブシュ24及びこの車体側ゴムブシュ24に挿入されたカラー44を介してピストンロッド8に支持されている。また、アウタケーシング30は、上述したようにアウタヨーク連結部材蓋部41が車体側ゴムブシュ24と肩部43とに挟まれることにより、ピストンロッド8との結合部分が気密状態とされている。
センターヨーク結合体38は、センターヨーク36に比べて肉厚が厚い略筒状でボルト37を通す孔(符号省略)が形成された結合体本体45と、結合体本体45の内周部から図1下方に延設された延設リング部46とから、大略構成されている。延設リング部46は、結合体本体45に連接し、外径寸法がシリンダ7の外径寸法と同等の筒状の延設リング部本体46aと、延設リング部本体46aに連接してアウタチューブ11の内側に嵌合される筒状の延設リング部先端部46bと、から構成されている。センターヨーク結合体38は、延設リング部先端部46bをアウタチューブ11の内側に嵌合した状態で、シリンダ7(アウタチューブ11及びインナチューブ12)に連結されており、センターヨーク36をシリンダ7に固定するようにしている。
延設リング部本体46aを含むアウタチューブ11(シリンダ7)とセンターヨーク36との間には、軸方向に筒状に延びる隙間(以下、筒状隙間という。)47が形成されている。また、センターヨーク結合体38には、筒状隙間47及び第1空間48a(後述する)を連通する通路(以下、結合体通路という。)49が形成されている。
インナチューブ12の上端側(図1上側)には、キャップ50が連接されている。キャップ50の内側には、このキャップ50と一体となったロッドガイド51が設けられ、ロッドガイド51の内側には、ドライメタル(以下、キャップ内ドライメタルという。)52が設けられており、ピストンロッド8を摺動案内するようにしている。
センターヨーク結合体38における第1空間48a側には、結合体通路49に対面するように、逆止弁(以下、結合体側逆止弁という。)53が設けられており、筒状隙間47及び結合体通路49から第1空間48aへの空気の流れを許容するようにしている。
コイル32には、保護部材(符号省略)で覆われたケーブル54が接続されており、図示しないモータドライバからの電力をコイル32に供給し得るようにしている。
電動リニアモータ4は、モータドライバからの電流がケーブル54を介してコイル32に流れることにより、コイル32(アウタヨーク34)と永久磁石33(センターヨーク36)との間に相対的な推進力を発生する。また、電動リニアモータ4は、コイル32(アウタヨーク34)と永久磁石33(センターヨーク36)とが軸方向に相対的変位することにより、コイル32と永久磁石33の電磁作用によりコイル32(アウタヨーク34)と永久磁石33(センターヨーク36)との間に相対的な減衰力を発生する。
ばね機構6は、前記アッパーマウント25と、アウタチューブ11(シリンダ7)の外周部に気密状態で固着された前記ばね受け9と、アッパーマウント25とばね受け9との間に介装されたコイルばね55とから構成されている。
ばね受け9は、シリンダ7に挿通してシリンダ7に固定される筒状のばね受け筒部56と、ばね受け筒部56から斜め外方に向けて延びるばね受け本体57とから大略構成されている。ばね受け本体57は、先端側に環状の凹部58を有し、凹部58にコイルばね55の一端部を載置するようにしている。ばね受け本体57における凹部58より内周側には、環状平坦部59が形成されている。
環状平坦部59には、前記カバー10が気密状態で載置されている。カバー10は、アウタヨーク34よりも大径とされ、内側にアウタヨーク34が挿入されるようになっている。カバー10の先端部の内側には、アウタヨーク34の外面に摺動して、ごみや水分を第2空間48bに侵入させないようにするための環状のシール部材60が設けられている。
上述したように構成した、アウタケーシング30、インナケーシング31、ばね受け9を有するシリンダ7(油圧緩衝器5)、カバー10(油圧緩衝器5)及びピストンロッド8(油圧緩衝器5)によりケーシング空間48(本発明のケーシング空間)が形成されている。ケーシング空間48は、後述するカバー側逆止弁61により外部と連通及び遮断可能とされている。ケーシング空間48におけるセンターヨーク結合体38、キャップ50及びピストンロッド8で囲まれる空間が前記第1空間48aとされる。また、ケーシング空間48におけるカバー10、アウタヨーク34及びガイドパイプ39(センターヨーク36)により形成される空間が前記第2空間48bとされる。
センターヨーク36及びガイドパイプ39には、第2空間48b及び筒状隙間47を連通する通気孔62が形成されている。また、カバー10には、第2空間48b及びカバー10の外部を連通する孔63が形成されている。カバー10の内側には、この孔63に対面して逆止弁(以下、カバー側逆止弁61という。)が設けられており、カバー10の外部から第2空間48b(ケーシング空間48)への空気の流入を許容するようにしている。
前記カバー10、カバー10の孔63、通気孔62、第2空間48b、カバー側逆止弁61及び結合体逆止弁53により本発明のポンプ機構を構成し、このポンプ機構と前記第1空間48a、通気孔40aによりケーシング位置保持機構64が構成されており、アウタケーシング30及びインナケーシング31の伸縮(ひいては、ピストンロッド8のシリンダ7に対する伸縮)によって、後述するようにセルポンピング(自己ポンプ)機能を発揮して、ケーシング空間48内の圧力を高めて、アウタヨーク34の下端部34aの変位が所定範囲M内で行なわれるように収束させる、すなわちアウタケーシング30(第1筒状ケーシング)及びインナケーシング31(第2筒状ケーシング)の相対変位を所定範囲内に保持させるようにしている。
上述したように構成した電磁サスペンション装置1では、電動リニアモータ4、油圧緩衝器5及びばね機構6が協働して、それぞれが発揮する、電磁作用による発生力、減衰力及びばね力によりピストンロッド8の伸縮作動、ひいては車体の振動を抑制し、良好な乗り心地、操縦安定性を確保するようにしている。
さらに、電磁サスペンション装置1は、ケーシング位置保持機構64が次のようにセルポンピング機能を発揮し、アウタケーシング30及びインナケーシング31の相対変位を所定範囲内に保持し、積載荷重が変化しても車高の変化を抑制するようにしている。
以下に、このセルフポンプ機能について、説明する。
この電磁サスペンション装置1では、初期状態又は所定時間にわたる使用停止後には、図1に示すように、アウタヨーク34の下端部34aがカバー10の中間部分に位置するようになっている。なお、アウタケーシング30(ピストンロッド8)のインナケーシング31(シリンダ7)に対する位置(変位)は、アウタヨーク34の下端部34aの位置で示すことができ、図1に示す状態におけるピストンロッド8のシリンダ7に対する位置を以下、ピストンロッド初期位置T1という。後述する位置T2〜T5についても、上述の場合と同様に、ピストンロッド8のシリンダ7に対する位置をアウタヨーク34の下端部34aを対象にして示している。
そして、空車状態の車両に運転者が搭乗し、また、場合によっては、荷物を搭載して積載荷重が車両に加わると、ピストンロッド8ひいてはアウタヨーク34(アウタケーシング30)は、シリンダ7(インナケーシング31)に対して縮み、アウタヨーク34の下端部34aが積載荷重に応じてピストンロッド初期位置T1より低い位置(この状態におけるピストンロッド8の位置を積載時ピストンロッド縮み位置T2という。)になる。このように積載荷重が車両に加わることにより、アウタケーシング30のインナケーシング31に対する位置がピストンロッド初期位置T1より低下するが、このアウタケーシング30の低下状態は、凹凸路走行などに伴って生じる当該電磁サスペンション装置1の振動によって次のように、徐々に解消され、アウタヨーク34の下端部34aが所定範囲Mに収まる、すなわち、アウタケーシング30及びインナケーシング31の相対変位が停車時において所定範囲に保持されるようになる。
すなわち、上述したように車両に積載荷重が加わりピストンロッド8が積載時ピストンロッド縮み位置T2にある状態で、車両が走行すると、走行中の当該電磁サスペンション装置1の振動によってピストンロッド8が伸縮する。そして、ピストンロッド8(ひいてはアウタケーシング30)がシリンダ7(インナケーシング31)に対して伸び方向に移動する伸び行程時には、図2に示すように、第1、第2空間48a,48bは容積が増大し、内部の空気圧が低下する。これに伴い、カバー側逆止弁61が開いて、外部から空気が第2空間48bに導入され、導入された空気が通気孔62及び筒状隙間47を通り、結合体側逆止弁53を介して第1空間48aに流入する。
前記伸び行程に続いて当該電磁サスペンション装置1の振動に伴う縮み行程(ピストンロッド8がシリンダ7に対して縮み方向に移動する)時には、アウタヨーク34の下端部34aが第2空間48b側に移動し、図3に示すように、伸び行程時に第2空間48bに導入された空気が圧縮される。この状態におけるピストンロッド8のシリンダ7に対する位置を、ピストンロッド縮み基準位置T3という。
ピストンロッド8の縮み作動により第2空間48b内で圧縮された空気は、通気孔62、筒状隙間47及び結合体通路49を通り、結合体側逆止弁53を介して第1空間48aに流入する。そして、圧縮された空気が第1空間48aに流入することにより、その圧力が、アウタヨーク連結部材蓋部41に作用し、ピストンロッド8(ひいてはアウタヨーク34)を伸張させる力(以下、ピストンロッド伸張力という。)Eが発生し、ピストンロッド8をシリンダ7に対して伸び方向に移動させる。
上述したピストンロッド伸張力Eは、摩擦などを無視すると、第1空間48aの内圧と、受圧面積Bとで概略決定される。
いま、大気圧をP1、ケーシング位置保持機構64のセルフポンプ機能で圧縮した空気圧力(圧縮時の圧力)をP2、ピストンロッド8の位置がピストンロッド初期位置T1とされた状態(図1)における1気圧での第1空間48aの体積をV1、縮み行程時の体積をV2とすると、次式(1)で示される圧力特性があると考えることができる。
11 K=P22 K … … (1)
ただし、K=1.4
そして、圧縮時の圧力P2は、式(1)が
2=P1(V1/V21.4
と変形されることから、圧縮時の体積比V1/V2で決まることになる。
例えば、1気圧でピストンロッド初期位置T1にある場合のピストンロッド8のストロークと縮み行程時のピストンロッド8のストロークとの比(ストローク比)が2:1であるとすると、圧縮時の体積比V1/V2は、(2/1)となるので、
圧縮時の圧力P2は、
2=P1(V1/V21.4=1×(2/1)1.4×9.8×104 Pa
≒2.64×9.8×104 Pa
となる。
ここで、体積効率などを全て含めたケーシング位置保持機構64(セルフポンプ機能を発揮する)の効率(ポンプ効率)が80%であるとすると、ポンプ効率(80%)を考慮した圧縮時の圧力P2は、次式(2)の値となる。
2≒2.1×9.8×104Pa … … (2)
よって、受圧面積Bを40cm2とすると、ピストンロッド8を伸張させる力Eは、受圧面積B及び圧縮時の圧力P2から、次式(3)の値となる。
E=40cm2×2.1×9.8×104Pa=84×9.8N/1輪 … … (3)
上述したピストンロッド伸張力Eをアウタヨーク連結部材蓋部41ひいてはピストンロッド8が受けて、ピストンロッド8がシリンダ7に対して伸び方向に移動する。
車両の走行時における当該電磁サスペンション装置1の振動によって生じる上述した伸縮作動が繰り返されることにより、ピストンロッド8のシリンダ7に対する位置は徐々に上昇する。そして、ピストンロッド8の変位が、図4に示すように、通気孔40aがカバー10の先端を超える状態(この状態におけるピストンロッド8の位置をピストンロッド伸び基準位置T4という。)になると、アウタヨーク34及びガイドパイプ39間の空隙70並びに通気孔40aを介して第1空間48aが外部と連通する。このため、ピストンロッド8を伸張させる力は減少し、ピストンロッド8のこれ以上の伸張作動は停止される。
このように、車体が振動した際には、図4に示す状態が、略振幅の中心となり、この図4の状態が本発明の所定間隔に該当し、このときの、アウタケーシング30とインナケーシング31の(相対変位)長さが保持される長さである。
この後、車両が停車して搭乗者の降車などにより空車状態になると、ピストンロッド8の伸縮長さが短くなり、通気孔40aがカバー10のシール部材60から所定距離低い位置に達した状態(この状態におけるピストンロッド8の位置をピストンロッド作動中断位置T5という。)となる。
車両は、使用停止が長時間にわたるのでなければ、通常、ピストンロッド8の位置が、ピストンロッド作動中断位置T5とされて、次の使用開始まで待機される。そして、次の使用時おいて運転者の搭乗等に伴い積載荷重が加わることにより、ピストンロッド8がピストンロッド作動中断位置T5より低下しても、上述したセルフポンプ機能が発揮されて、ピストンロッド8はピストンロッド伸び基準位置T4まで伸びると共に、その後、搭乗者の降車などにより空車状態になると、ピストンロッド8の位置がピストンロッド作動中断位置T5になる。
上述したセルフポンプ機能の発揮により、アウタヨーク34の下端部34aの変位がピストンロッド伸び基準位置T4からピストンロッド作動中断位置T5までの範囲(所定範囲)Mに収まる、すなわち、アウタケーシング30(第1筒状ケーシング)及びインナケーシング31(第2筒状ケーシング)の相対変位が所定範囲内に保持されることになる。
このため、所定範囲M(ピストンロッド伸び基準位置T4からピストンロッド作動中断位置T5までの範囲)をサスペンションストロークの常用域として定め、この常用域で電動リニアモータ4の最大力の発生を行なうように設定しておくことが可能となる。そして、積載荷重が変化しても、アウタケーシング30(第1筒状ケーシング)及びインナケーシング31(第2筒状ケーシング)の相対変位が所定範囲内に保持されることから、積載荷重の変化にかかわらず、常用域の変化が抑制されるので、常用域において電動リニアモータ4の最大力の発生を行なえて良好な性能の確保を図ることができる。
この第1実施の形態では、電動リニアモータ4に加えて油圧緩衝器5を設けた場合を例にしたが、本発明はこれに限らず、油圧緩衝器5を廃止し、アウタケーシング30及びインナケーシング31により、外部と遮断可能にケーシング空間を形成し、電動リニアモータ4にケーシング位置保持機構を設け、アウタケーシング30及びインナケーシング31の伸縮により前記第1実施の形態と同様に前記ケーシング空間の圧力を高め、アウタケーシング30及びインナケーシング31の相対変位を所定範囲M内に保持させるようにしてもよい。この場合、第1実施の形態の場合と同様にして、ケーシング位置保持機構が、アウタケーシング30及びインナケーシング31(第1、第2筒状ケーシング)の伸縮によってケーシング空間内の圧力を高めるようにしてもよい。
次に、本発明の第2実施の形態に係る電磁サスペンション装置1Aを図5〜図9に基づいて説明する。電磁サスペンション装置1Aは、第1実施の形態に係る電磁サスペンション装置1に比して、ケーシング位置保持機構64を廃止したこと、カバー10及びケーシング空間48を廃止したこと、油圧緩衝器5に代えてセルフポンプ機能を備えた特開平9−42356号と同様の油圧緩衝器101を設けたこと、ケーシング位置保持機構64がセルフポンプ機能を発揮するのに代わり油圧緩衝器5がセルフポンプ機能を発揮することが、主に異なっている。なお、図1に示す部材と同等の部材については同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。
図5ないし図9において、油圧緩衝器101は、内部に油液が貯留されたケース102内に仕切部材103が嵌合されており、この仕切部材103によってケース102内が底部側室102aと開口部側室102bの2室に区画されている。
底部側室102a内には、ケース102よりもやや小径のシリンダ部材104が挿入されて、ケース102とシリンダ部材104との間に環状室105が形成されており、環状室105は、シリンダ部材104の下端部に設けられた通路106によってシリンダ部材104内に連通されている。シリンダ部材104内には、フリーピストン107が摺動可能に嵌装されており、シリンダ部材104内が仕切部材103側のオイル室104aと通路106によって環状室105に連通されるガス室104bとに画成されている。そして、オイル室104aには油液が封入され、ガス室104bおよび環状室105には、高圧ガスが封入されている。
開口部側室102b内には、ケース102よりもやや小径のシリンダ108が挿入され、ケース102の開口部にシール部材(図示省略)が取付けられて、ケース102とシリンダ108との間に環状のリザーバ室110が形成されている。シリンダ108の仕切部材103側の端部には、ベースバルブ111が取付けられており、ベースバルブ111に設けられた油通路112によって、シリンダ108内とリザーバ室110とが連通されている。ベースバルブ111には、図7に示すように、油通路112のリザーバ室110からシリンダ108内への油液の流通を許容する逆止弁113および油通路112を常時連通させるオリフィス114が設けられている。そして、シリンダ108内には油液が封入され、リザーバ室110には、油液および高圧ガスが封入されている。
仕切部材103には、図7に示すように、底部側室102aのオイル室104aと開口部側室102b(シリンダ108およびリザーバ室110内)とを連通させる油通路144が設けられている。そして、油通路144には、開口部側室102b側の油液の圧力が所定圧力に達したとき、開弁して開口部側室102b側の圧油をオイル室104aへ逃がす減圧弁145が設けられている。減圧弁145は、油通路144のオイル室104a側の開口部が拡径されて弁座が形成され、この開口部内にチェックボール146が装入されており、仕切部材103のオイル室104a側の端部に取付けられたディスクバルブ147によって、チェックボール146を所定のセット荷重をもって弁座に押しつけるようになっている。
そして、通常は、チェックボール146によって油通路144を閉鎖し、開口部側室102bとオイル室104bとの差圧が所定圧力に達すると、ディスクバルブ147が撓んで開弁して開口部側室102bの圧油をオイル室104bに逃がすようになっている。
シリンダ108内には、環状のピストン115が摺動可能に嵌装されており、このピストン115によってシリンダ108内がケース102の開口部側のシリンダ上室108aとベースバルブ111を介してリザーバ室110に連通されるシリンダ下室108bの2室に画成されている。ピストン115には、略円筒状のピストンボルト116が挿通され、その先端部にピストンナット117を螺着させて固定されている。ピストンボルト116の基端側のねじ部116a には、中空部118a を有するピストンロッド118の一端が螺着されており、ピストンロッド118の他端側は、シール部材(図示省略)およびロッドガイド(図示省略)に挿通されて、ケース102およびシリンダ108の外部へ延出されている。
ピストン115には、シリンダ上室108aとシリンダ下室108bとを連通させる油液通路120および縮み側通路121が設けられている。ピストン115には、シリンダ上室108a側の所定圧力によって撓んで開弁して油液通路120の油液の流通を許容して減衰力を発生させる常閉のディスクバルブ122(減衰力発生機構)が設けられている。そして、ディスクバルブ122の弁座部には、切欠122a が設けられており、この切欠122a によってシリンダ上下室108a,108b間を常時連通させ、これら2室間の油液の流動を制御して減衰力を発生させるオリフィス通路(減衰力発生機構)が形成されている。また、ピストン115には、シリンダ下室108b側の所定圧力によって撓んで開弁して縮み側通路121の油液の流通を許容して減衰力を発生させる常閉のディスクバルブ123(減衰力発生機構)が設けられている。
ピストンロッド118内には、その中空部118a よりもやや小径の大径部124aと小径部124b とからなる段付のポンプチューブ124が挿入されており、小径部124b 側の端部が中空部118a の底部に設けられた保持ばね125に押圧されて、大径部124a 側の端部がピストンボルト116に当接されて固定されている。そして、中空部118a とポンプチューブ124との間に環状の油通路126が形成され、ピストンロッド118の側壁に設けられた通路126a を介してシリンダ上室108aに連通されている。
仕切部材103およびベースバルブ111には、リテーナ127を介して、管状のポンプロッド128の基端が連結されている。ポンプロッド128とリテーナ127との結合部は球面状に形成され、互いに摺接可能となっており、油圧緩衝器101の作動にともなうポンプロッド128の傾きを許容して位置ずれを吸収できるようになっている。ポンプロッド128の先端側は、シリンダ108の中心軸に沿って延ばされ、ピストンボルト116に挿通され、さらに、ポンプチューブ124の大径部124a に挿通されて小径部124b 内に摺動可能に嵌合されている。そして、ポンプロッド128の先端部によって、小径部124b 内にポンプ室129が形成されている。また、ポンプロッド128内の油通路130およびリテーナ127に設けられた通路131によってポンプ室129とオイル室104aとが連通されている。ポンプチューブ124の小径部124b の端部には、ポンプ室129から油通路126への油液の流通のみを許容する逆止弁132が設けられており、また、ポンプロッド128の先端部には、油通路130のオイル室104aからポンプ室129への油液の流通のみを許容する逆止弁133が設けられている。
逆止弁132は、図9に示すように、ポンプチューブ124の小径部124bの先端部に略U字形のリテーナ134が固定され、小径部124bの開口部に離着座する弁体135とリテーナ134との間に弁ばね136が介装されており、油通路126側の圧力によって弁体135が小径部124aの開口部に押しつけられて閉弁し、ポンプ室129側の圧力によって弁体135が弁ばね136の弾性力に抗して小径部124bの開口部から押し上げられて開弁するようになっている。なお、図中、137は弁体135の移動を規制するストッパである。
逆止弁133は、図8に示すように、ポンプロッド128の先端部に略U字形のリテーナ138が取付けられ、ポンプロッド128の先端開口部に離着座する弁体139とリテーナ138との間に弁ばね140が介装されており、ポンプ室129側の圧力によって弁体139がポンプロッド128の開口部に押しつけられて閉弁し、油通路130側の圧力によって弁体139が弁ばね140の弾性力に抗してポンプロッド128の開口部から押し上げられて開弁するようになっている。
ピストンボルト116およびポンプチューブ124の大径部124a とポンプロッド128との間にはシリンダ下室108bに連通する環状通路141が形成されている。ポンプロッド128には、ポンプチューブ124に嵌合された先端部から軸方向に所定部位まで延びる切欠142が形成されており、この切欠142によってポンプロッド128とポンプチューブ124の小径部124bとの間に隙間142aが形成されている。切欠142は、ピストンロッド118の伸長長さが所定の標準範囲よりも短いとき(標準範囲の下限となる第1所定位置より短いとき)、ポンプチューブ124の小径部124b のみと重なり、大径部124a とは重ならない位置にあって隙間142a と環状通路141との連通が遮断される。また、ピストンロッド118が所定の標準範囲まで伸長したとき(標準範囲の下限となる第1所定位置まで伸長したとき)、ポンプチューブ124がピストンロッド118とともに移動して大径部124a が切欠142に重なって、隙間142a が環状通路141に連通されてシリンダ上下室108a,108bに連通されるようになっている。
また、ポンプロッド128の側壁には、油通路130と接続してオリフィス通路143が設けられている。オリフィス通路143と環状通路141とで第2通路手段を構成している。そして、オリフィス通路143は、切欠142のオイル室104a側の端部(図中の下端部)に対してポンプ室129よりの部位に配置されており、ピストンロッド118の伸長長さが所定の標準範囲以下(標準範囲の上限である第2所定位置以下)のとき、ポンプチューブ124の小径部124b と重なる位置にあり、オリフィス通路143と環状通路141との連通が遮断されている。また、ピストンロッド118の伸長長さが所定の標準範囲を越えたとき(標準範囲の上限である第2所定位置を越えたとき)、オリフィス通路143は、ポンプチューブ124の大径部124a と重なって、オリフィス通路143が環状通路141に連通されてシリンダ上下室108a,108bと連通されるようになっている。
そして、油圧緩衝器101は、ピストンロッド118の先端部をアウタケーシング30と共に車体側(図示せず)に連結させ、かつケース102をセンターヨーク36に結合させてケース102の下端部に取付けられたブラケット150を車輪側(図示せず)に連結させることによって、電動リニアモータ4と共に、車両に装着されている。
この油圧緩衝器101は、ピストンロッド118の伸び行程時には、ピストン115の移動にともないシリンダ上室108a側の油液が加圧され、この圧油が油液通路120を通ってシリンダ下室108b側へ流れ、切欠122a が形成するオリフィスによって減衰力が発生する。このとき、ピストンロッド118がシリンダ108から退出した分の油液がガスの膨張によりリザーバ室110からベースバルブ111の油通路112を通り逆止弁113を開いてシリンダ下室108bに補給される。また、ピストン速度が速くなり、シリンダ上室108a側の油圧が所定圧力に達すると、ディスクバルブ122が開いて減衰力の過度の上昇を抑制する。
ピストンロッド118の縮み行程時には、ピストン115の移動にともないシリンダ下室108b側の油液が加圧され、この圧油が油液通路120を通ってシリンダ上室108a側へ流れ、切欠122a が形成するオリフィスによって減衰力が発生する。このとき、ピストンロッド118がシリンダ108内に侵入した分の油液がベースバルブ111のオリフィス114および油通路112を通ってリザーバ室110内に流入してガスを圧縮する。また、ピストン速度が速くなり、シリンダ下室108bの油圧が所定圧力に達すると、ディスクバルブ123が開いて縮み側通路121に油液を流通させることによって減衰力の過度の上昇を抑制する。
また、この油圧緩衝器101は、次のようにセルフポンプ機能を発揮する。
空車時(標準車高時)において、底部側室102aのガス室104bとリザーバ室110とは、同圧になっており、ピストンロッド118の伸長長さは所定の標準範囲内にある。この状態では、ポンプロッド128の切欠142がポンプチューブ124の大径部124a と重なっており、ポンプ室129が隙間142a および環状通路141を介してシリンダ上下室108a,108bに連通されいてるので、ポンピング動作は行われない。
車両の積載荷重が増加して車高が標準車高よりも低くなり、ピストンロッド118の伸長長さが標準範囲よりも短くなると、ポンプロッド128の切欠142がポンプチューブ124の小径部124b と重なって閉鎖される。この状態では、走行時のサスペンション装置の振動によってピストンロッド118が伸縮すると、伸び行程時には、ポンプチューブ124の小径部124b 内のポンプロッド128が後退することによりポンプ室129内の圧力が低下し、逆止弁133が開いて油通路130を通してオイル室104a内の油液がポンプ室129に導入され、また、縮み行程時には、ポンプロッド128が前進してポンプ室129内が加圧され、逆止弁132が開いてポンプ室129内の油液が油通路126および通路126a を通ってシリンダ上室108aに供給されて、シリンダ上下室108a,108bおよびリザーバ室110を加圧してピストンロッド118を伸長させる。このようにして、走行時の振動を利用してポンピング動作を繰り返すことによって車高を上げる。そして、車高が標準車高に達して、ピストンロッド118の伸長長さが標準範囲内になると(第1所定位置に達すると)、ポンプロッド128の切欠142がポンプチューブ124の大径部124a と重なってポンプ室129がシリンダ上下室108a,108bに連通されてポンピング動作が解除される。
また、車両の積載荷重が減少して車高が標準車高よりも高くなり、ピストンロッド118の伸長長さが標準範囲よりも長くなると(第2所定位置より長くなると)、ポンプロッド128の切欠142およびオリフィス通路143がポンプチューブ124の大径部124a と重なり、ポンプ室129がシリンダ上下室108a,108bに連通されてポンピング動作が解除されるとともに、シリンダ上下室108a,108bが環状通路141およびオリフィス通路143を介して油通路130に連通され、シリンダ上下室108a,108b内の圧油がオイル室104aに戻されて、シリンダ上下室108a,108bおよびリザーバ室110が減圧されて車高が下がる。車高が標準車高まで下がってピストンロッド118の伸長長さが標準範囲内になると、ポンプロッド128のオリフィス通路143がポンプチューブ124の小径部124b と重なって閉鎖され、シリンダ上下室108a,108b内の圧油の戻し動作が停止する。
以上のようにして、走行時の電磁サスペンション装置1Aの振動を利用して、セルフポンプ機能を発揮することによって、積載荷重にかかわらず車高を一定に調整すること、ひいては、ピストンロッド118〔アウタケーシング30〕及びケース102〔センターヨーク36〕の相対変位を所定範囲に収めることができる。このため、第1実施の形態と同様に、積載荷重が変化しても、前記常用域の変化が抑制され、常用域において電動リニアモータ4の最大力の発生を行なうことができ良好な性能の確保を図ることができる。
本発明の第1実施の形態に係る電磁サスペンション装置を示す断面図である。 図1の電磁サスペンション装置の伸び作動時の空気の流れを示す断面図である。 図1の電磁サスペンション装置の縮み作動時の空気の流れを示す断面図である。 図1の電磁サスペンション装置のリリーフ時の空気の流れを示す断面図である。 本発明の第2実施の形態に係る電磁サスペンション装置を示す断面図である。 図5の装置の要部の拡大図である。 図5の装置のベースバルブ及び仕切部材取付部の拡大図である。 図5の装置のポンプロッドの逆止弁の拡大図である。 図5の装置のポンプチューブの逆止弁の拡大図である。
符号の説明
1,1A…電磁サスペンション装置、30…アウタケーシング(第1,第2筒状ケーシングの一方)、31…インナケーシング(第1,第2筒状ケーシングの他方)、32…コイル(コイル部材)、33…永久磁石(磁性部材)、48…ケーシング空間、64…ケーシング位置保持機構、5,101…油圧緩衝器。

Claims (6)

  1. 相対変位可能な2部材の一方の部材側に設けられたコイル部材と、他方の部材側に設けられ該コイル部材と対向する磁性部材とからなる電磁サスペンション装置において、
    前記2部材間に前記2部材の相対変位により、該2部材間の間隔を所定間隔に保持するセルフポンピング機構を設けたことを特徴とする電磁サスペンション装置。
  2. 二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能な第1、第2筒状ケーシングとを相対変位可能な2部材間に設け、
    該第1、第2筒状ケーシングによりケーシング空間を形成し、
    前記第1、第2筒状ケーシングのうち一方に前記コイル部材を設け、
    前記第1、第2筒状ケーシングのうち他方に前記磁性部材を設け、
    前記第1、第2筒状ケーシングの相対変位長さを保持するケーシング位置保持機構により前記セルフポンピング機構を構成したことを特徴とする請求項1記載の電磁サスペンション装置。
  3. 前記ケーシング位置保持機構を、前記ケーシング空間を密閉空間とすると共に、該ケーシング空間内に空気を送り込むポンプ機構と、前記第1、第2筒状ケーシングの相対変位長さが前記所定長さ以上となったとき、前記ケーシング空間内の空気を排出する通気孔とから構成したことを特徴とする請求項2記載の電磁サスペンション装置。
  4. 前記ケーシング空間内に、油圧緩衝器を設けことを特徴とする請求項2または3に記載の電磁サスペンション装置。
  5. 前記セルフポンピング機構をセルフポンピング機能を有する油圧緩衝器により構成したことを特徴とする請求項1記載の電磁サスペンション装置。
  6. 二重筒状に配置されて互いに軸方向に相対変位可能な第1、第2筒状ケーシングとを相対変位可能な2部材間に設け、
    該第1、第2筒状ケーシングによりケーシング空間を形成し、
    前記第1、第2筒状ケーシングのうち一方に前記コイル部材を設け、
    前記第1、第2筒状ケーシングのうち他方に前記磁性部材を設け、
    前記ケーシング空間内に前記セルフポンピング機能を有する油圧緩衝器を配置したことを特徴とする請求項1記載の電磁サスペンション装置。

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