JP4022649B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器 Download PDF

Info

Publication number
JP4022649B2
JP4022649B2 JP33105095A JP33105095A JP4022649B2 JP 4022649 B2 JP4022649 B2 JP 4022649B2 JP 33105095 A JP33105095 A JP 33105095A JP 33105095 A JP33105095 A JP 33105095A JP 4022649 B2 JP4022649 B2 JP 4022649B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pump
chamber
cylinder
oil
passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33105095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09144801A (ja
Inventor
知賀也 関根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP33105095A priority Critical patent/JP4022649B2/ja
Publication of JPH09144801A publication Critical patent/JPH09144801A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4022649B2 publication Critical patent/JP4022649B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両の懸架装置に装着される車高自動調整機能を有する油圧緩衝器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車等の車両においては、懸架装置のばね上、ばね下間に油圧緩衝器を装着して、懸架ばねの振動を減衰させることによって、乗り心地および操縦安定性を向上させるようにしている。
【0003】
ところで、バン、ワゴン車等の比較的積載重量の大きな車両においては、乗員の乗り降り、荷物の積み降ろし等にともなう積載荷重の変化によって、車高が変化して乗り心地および操縦安定性が低下することがある。このため、積載荷重の大小に関係なく自動的に一定の車高を保つことができる懸架装置が望まれている。
【0004】
そこで、従来、例えば特開昭60−261713号公報に記載されるように、高圧ガスが封入されたオイルタンクおよびリザーバと、ピストンロッドの伸縮によってオイルタンクの油液をシリンダ内へ供給するポンプ手段と、ピストンロッドの伸縮位置に応じてポンプ手段およびシリンダ内の圧油をオイルタンクへ戻す戻し手段とを備え、走行時の懸架装置の振動を利用してポンプ手段および戻し手段を作動させてピストンロッドの伸長長さを一定に調整することによって、自動的に一定の車高を保つようにした、いわゆるセルフポンピング式の油圧緩衝器が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭60−261713号公報に記載されたセルフポンピング式の油圧緩衝器では、ピストンロッドの伸縮にともなうシリンダ内の容積変化を補償するリザーバ内をゴム製のブラダ(可撓膜)によってガス室とオイル室に画成しているが、ガス室内のガスは、ピストンロッドの伸縮毎に圧縮、膨張され、これにともなってブラダも頻繁に伸縮、変形されるので、ブラダが劣化しやすいという問題がある。
【0006】
また、上記公報記載のセルフポンピング式の油圧緩衝器は、シリンダの外周部に外筒を設けて二重筒構造とし、シリンダと外筒との間にオイルタンクおよびリザーバを設けているため、オイルタンクおよびリザーバのガス容量が小さくなるので、積載荷重が大きいとき、少量のピストンロッドストロークでガス反力が大きくなり、乗り心地が悪くなる。さらに、シリンダの下端部からピストンロッドを突出させるようにした、いわゆる倒立型の構造となっているため、サスペンションストラットとして用いる場合には、構造が複雑で高価とならざるを得ず、また、摺動抵抗も大きくなる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、リザーバおよびオイルタンクの容量を充分大きくとることができ、かつ、ブラダの耐久性に優れた車高自動調整機能を有する油圧緩衝器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の油圧緩衝器は、一端が閉塞され他端が開口されたケースと、該ケース内に挿入されて内部に油液が封入されたシリンダと、前記ケースと前記シリンダとの間に形成されて前記シリンダの一端部から他端部まで延びて油液及びガスが互いに直接接触するように封入された環状のリザーバ室と、前記シリンダの一端に設けられて前記シリンダ内とリザーバ室とを連通させるベースバルブと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装されて前記シリンダ内を2室に画成するピストンと、一端が該ピストンに連結されて他端が前記シリンダの外部に延出された中空のピストンロッドと、一端が前記ベースバルブに連結され他端が前記ピストンに挿通され前記ピストンロッドの中空部内に設けられたポンプチューブに摺動可能に嵌合されて該ポンプチューブ内にポンプ室を形成するポンプロッドと、該ポンプロッドの一端に接続されて内部に油液が貯留されたオイルタンクと、前記ポンプロッドに設けられ前記オイルタンクとポンプ室とを連通させる第1ポンプ通路と、該第1ポンプ通路の前記オイルタンクからポンプ室への油液の流通のみを許容する第1逆止弁と、前記ピストンロッドに設けられ前記ポンプ室とシリンダ室とを連通させる第2ポンプ通路と、該第2ポンプ通路の前記ポンプ室からシリンダ室への油液の流通のみを許容する第2逆止弁と、前記ポンプチューブと前記ポンプロッドとの間に設けられ、これらの相対位置に応じて、前記ピストンロッドが第1所定位置まで伸長したとき、前記ポンプ室とシリンダ室とを直接的に連通させる第1通路手段と、さらに前記ピストンロッドが第2所定位置まで伸長したとき、前記シリンダ室と第1ポンプ通路とを連通させる第2通路手段とを備え、前記オイルタンクは、前記ケースの外周壁と、該外周壁に嵌合された環状のアッパリングおよびロワリングと、該アッパリングおよびロワリングの外周部に嵌合された略円筒状のタンク壁とで形成され、内部が前記アッパリングと前記ロワリング間に延びる筒状の可撓膜によって、該可撓膜の内周側の前記第1ポンプ通路に連通するオイル室と該可撓膜の外周側のガスが封入されたガス室とに画成され、前記オイルタンクは、前記ケースの軸方向に部分的に延伸し、懸架ばねの下方に設けられていることを特徴とする。
【0009】
このように構成したことにより、ピストンロッドの伸縮にともない、ポンプチューブ内でポンプロッドが進退動することによって、オイルタンク内の油液が第1ポンプ通路および第1逆止弁を介してポンプ室に導入されるとともに、ポンプ室内の油液が第2逆止弁および第2ポンプ通路を介してシリンダ室へ供給されてシリンダ内が昇圧されてピストンロッドが伸長する。ピストンロッドが第1所定位置まで伸長したとき、第1通路手段によってポンプ室とシリンダ室とが連通されてシリンダ室の昇圧が停止され、また、ピストンロッドが第2所定位置まで伸長したとき、第2通路手段によってシリンダ室と第1ポンプ通路とが連通され、シリンダ室内の圧油がオイルタンクへリリーフされてシリンダ内が減圧されてピストンロッドが短縮する。このとき、オイルタンクの油液の給排にともない、ブラダが変形してガス室内のガスが圧縮、膨張する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1に示すように、油圧緩衝器1は、一端が開口され他端が閉塞された円筒状のケース2内に、シリンダ3が挿入されて二重筒構造となっており、ケース2の開口部にシール部材4が取付けられて、ケース2とシリンダ3との間にシリンダ3の一端部から他端部まで延びる環状のリザーバ室5が形成されている。また、ケース2内の底部側には、シリンダ3が挿入される略有底筒状の仕切部材6が嵌合されており、仕切部材6の底部とケース2の底部との間には油室7(第1ポンプ通路)が形成され、仕切部材6の側壁とケース2の側壁との間には環状通路8(第1ポンプ通路)が形成されている。油室7と環状通路8とは油路9によって連通されている。そして、シリンダ3内には、油液が封入されており、リザーバ室5内には油液及び高圧ガスが互いに直接接触するように封入されている。
【0012】
シリンダ3の下端部と仕切部材6の底部との間には、ベースバルブ10が設けられており、ベースバルブ10の油路11を介してシリンダ3内とリザーバ室5とが連通されている。ベースバルブ10には、油路11のリザーバ室5側からシリンダ3側への油液の流通を許容する逆止弁12および逆止弁12をバイパスして油路11を常時連通させるオリフィス13が設けられている。
【0013】
シリンダ3内には、環状のピストン14が摺動可能に嵌装されており、このピストン14によってシリンダ3内がシリンダ上室3aとシリンダ下室3bとの2室に画成されている。ピストン14には、中空のピストンロッド15の一端部が挿通され、その先端部にナット16を螺着して連結されている。ピストンロッド15の他端側は、シリンダ3の上端部に装着されたロッドガイド17およびシール部材4に挿通されて、シリンダ3およびケース2の外部へ延出されている。
【0014】
ピストン14には、シリンダ上室3aとシリンダ下室3bとを連通させる伸び側通路18および縮み側通路19が設けられている。そして、シリンダ上室3a側の所定以上の圧力によって撓んで開弁して伸び側通路18の油液の流通を許容して減衰力を発生させる常閉のディスクバルブ20およびシリンダ下室3b側の所定以上の圧力によって撓んで開弁して縮み側油液通路19の油液の流通を許容する常閉のディスクバルブ21が設けられている。また、ピストン14には、ディスクバルブ20,21をバイパスしてシリンダ上下室3a,3b間を常時連通させるオリフィス22が設けられている。
【0015】
ピストンロッド15内には、ポンプチューブ23が挿入され、その上端部がピストンロッド15内の先端部に設けられた保持ばね24に押圧されて下端部がナット16に当接されて固定されている。そして、ピストンロッド15とポンプチューブ23との間に、環状のポンプ通路25(第2ポンプ通路)が形成され、ナット16に設けられた油路16a (第2ポンプ通路)を介してシリンダ下室3bに連通されている。
【0016】
仕切部材6およびベースバルブ11には、リテーナ26がナット27によって取付けられており、リテーナ26を介して管状のポンプロッド28の基端部が連結されている。ポンプロッド28とリテーナ26との結合部は略球面状に形成され、互いに摺接するようになっており、油圧緩衝器1の作動にともなうポンプロッド28の傾きを許容して位置ずれを吸収できるようになっている。ポンプロッド28の先端側はシリンダ3の中心軸に沿って延ばされ、ポンプチューブ23内に摺動可能に嵌挿されており、ポンプロッド28の先端部によってポンプチューブ23内にポンプ室29が画成されている。ポンプ室29は、ポンプ通路25によってシリンダ下室3bに連通されており、また、ポンプロッド28内のポンプ通路30(第1ポンプ通路)によってリテーナ26の油路31(第1ポンプ通路)を介して油室7に連通されている。ポンプチューブ23の上端部には、ポンプ室29からポンプ通路25への油液の流通のみを許容する逆止弁32(第2逆止弁)が設けられている。また、ポンプロッド28の先端部には、ポンプ通路30からポンプ室29への油液の流通のみを許容する逆止弁33(第1逆止弁)が設けられている。
【0017】
ポンプロッド28の外周面には、その先端部から軸方向に沿って所定位置まで延びる溝34(第1通路手段)が設けられており、この溝34とポンプチューブ23でポンプ室29に連通する油路35が形成されている。そして、ピストンロッド15の伸長長さが、所定の標準範囲以上(標準範囲の下限である第1所定位置以上)であるときは、溝34の下端部がポンプチューブ23の下端からシリンダ下室3bに露出しており、油路35がシリンダ下室3bに連通され、標準範囲よりも短く(標準範囲の下限である第1所定位置より短く)なると、溝34がポンプチューブ23内に収容されて油路35がシリンダ下室3bから遮断されるようになっている。ここで、溝34は、その下端部に向かうにつれて、その深さが徐々に浅くなるように(ポンプロッド28が徐々に拡径するように)形成されており、油路35とシリンダ下室3bとの連通および遮断が緩やかに行われるようになっている。
【0018】
また、ポンプロッド28の側壁には、ポンプ通路30に連通するオリフィス通路36(第2通路手段)が設けられている。オリフィス通路36は、溝34の下端部よりも上方(ポンプ室29よりの部位)に配置されており、ピストンロッド15の伸長長さが、所定の標準範囲以下(標準範囲の上限である第2所定位置以下)のときはポンプチューブ23と重なって閉鎖され、標準範囲を越えたときは(標準範囲の上限である第2所定位置を越えたときは)ポンプチューブ23の下端からシリンダ下室3bに露出してシリンダ下室3bに連通するようになっている。
【0019】
ケース2の外周部には、ケース2の軸方向に部分的に延伸する環状のオイルタンク37が設けられている。オイルタンク37は、ケース2の外周壁の軸方向中央付近に環状のアッパリング38およびアッパリング 38 よりも軸方向下方に外周壁に環状のロワリング39が嵌合され、さらに、これらの外周部に略円筒状のアッパケース40および環状のロワケース41からなる略円筒状のタンク壁が嵌合されて、これら4つの部材とケース2との外周面の間に環状の室42が形成されている。ここで、アッパリング38およびロワリング39とケース2とは溶着され、さらに、アッパケース40とロワケース41とは溶着されており、また、ロワケース41は、かしめられてロワリング39に結合されている。オイルタンク37の内部の室42は、ゴム等の可撓性の材料からなる略円筒状のブラダ43(可撓膜)によって、ケース2側に接するオイル室42a とアッパケース40およびロワケース41側に接するガス室42b の2室に画成されている。ブラダ43は、一端部がアッパリング38とアッパケース40との間で挾持され、他端部がロワリング39とロワケース41との間で挾持されるとともに、これらの間をシールするようになっている。オイル室42a は、ケース2の側壁に設けられた油孔44(第1ポンプ通路)によって環状通路8に連通されている。そして、オイル室42a 内には油液が封入され、ガス室42b 内には高圧ガスが封入されている。
【0020】
仕切部材6には、リザーバ室5内の圧力が所定圧力に達したとき開弁してリザーバ室5内の油液を油室7へ逃がす常閉の減圧弁45が設けられている。オイルタンク37のアッパリング38およびアッパケース40には、オイルタンク 37 の上方に位置する懸架ばね46の一端を受けるばね受け47が外嵌されている。そして、油圧緩衝器1は、ピストンロッド15の先端部を車体側(図示せず)に連結させ、ケース2の下端部に設けられた取付アイ48を車輪側に連結させることによって車両の懸架装置に装着される。
【0021】
以上のよう構成した本実施形態の作用について次に説明する。
【0022】
まず、油圧緩衝器1の減衰力発生機能について説明する。ピストンロッド15の伸び行程時には、ピストン14の移動によってシリンダ上室3a側の油液が加圧されてオリフィス22を通ってシリンダ下室3b側へ流れ、オリフィス特性(減衰力がピストン速度のほぼ2乗に比例する)の減衰力が発生する。そして、ピストン速度が大きくなり、シリンダ上室3aの圧力が所定圧力に達すると、ディスクバルブ20が開いて油液が伸び側通路18を通ってシリンダ下室3b側へ流れ、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が発生して減衰力の過度の上昇を抑制する。このとき、ピストンロッド15がシリンダ3内から退出した分、リザーバ室5内のガスが膨張してリザーバ室5内の油液がベースバルブ10の油路11を通り逆止弁12を開いてシリンダ下室3bに流入することによって、ピストンロッド15の退出によるシリンダ3内の容積の増加が補償される。
【0023】
また、ピストンロッド15の縮み行程時には、ピストン14の移動によってシリンダ下室3b側の油液が加圧されてオリフィス22を通ってシリンダ上室3a側へ流れ、オリフィス特性の減衰力が発生する。そして、ピストン速度が大きくなり、シリンダ下室3bの圧力が所定圧力に達すると、ディスクバルブ21が開いて油液が縮み側通路19を通ってシリンダ上室2a側へ流れ、バルブ特性の減衰力が発生して減衰力の過度の上昇を抑制する。このとき、ピストンロッド15がシリンダ3内に侵入した分の油液がベースバルブ10のオリフィス13を通ってリザーバ室5へ流れ、リザーバ室5内のガスを圧縮することによって、ピストンロッド15の侵入によるシリンダ3内の容積の減少を補償する。
【0024】
次に、油圧緩衝器1の車高自動調整機能について説明する。空車時(標準車高)において、オイルタンク37のガス室42b とリザーバ室5とは同圧になっており、オイルタンク37のブラダ43は図2に示す位置にあり、ピストンロッド15の伸長長さは所定の標準範囲内にある。この状態では、ポンプロッド28の溝34がポンプチューブ23の外に露出しており、ポンプ室29が油路35によってシリンダ下室3bに連通直接連通されているので、ポンピング動作は行われない。
【0025】
車両の積載荷重が増加して車高が標準車高よりも低くなり、ピストンロッド15の伸長長さが標準範囲よりも短くなると、ポンプロッド28の溝34がポンプチューブ23内に収容されて油路35が遮断される。この状態では、走行時の懸架装置の作動によってピストンロッド15が伸縮すると、伸び行程時にはポンプチューブ23内のポンプロッド28が後退することによってポンプ室29内が減圧されて、逆止弁33が開いて、第1ポンプ通路を構成するポンプ通路30、油路31、油室7、油路9、環状通路8および油孔44を通してオイルタンク37のオイル室42a 内の油液がポンプ室29内に導入され、図3に示すように、その分ブラダ43が撓んでガス室42内のガスが膨張する。そして、縮み行程時にはポンプロッド28が前進することによってポンプ室29内の油液が加圧され、逆止弁32を開いて、第2ポンプ通路を構成するポンプ通路25をおよび油路16a を通ってシリンダ下室3bに供給されて、シリンダ上下室3a,3bおよびリザーバ室5を加圧してピストンロッド15を伸長させる。このようにして、走行時の振動を利用してポンピング動作を繰り返すことによって車高を上げる。そして、車高が標準車高に達してピストンロッド15の伸長長さが標準範囲内になると(第1所定位置に達すると)、ポンプロッド28の溝34がポンプチューブ23の外に露出してポンプ室29が油路35によってシリンダ下室3bに直接連通されてポンピング動作が解除される。
【0026】
また、車両の積載荷重が減少して車高が標準車高よりも高くなり、ピストンロッド15の伸長長さが標準範囲よりも長くなると(第2所定位置よりも長くなると)、オリフィス通路36がポンプチューブ23の外に露出してシリンダ下室3bに連通され、シリンダ下室3b内の油液がオリフィス通路36、ポンプ通路30、油路31、油室7、油路9、環状通路8および油孔44を通ってオイルタンク37のオイル室42a に戻され、シリンダ上下室3a,3bおよびリザーバ室5が減圧されてピストンロッド15が短縮して車高が下がる。このとき、オイル室42a 内の油液が増加した分、ブラダ43が撓んでガス室42b 内のガスを圧縮する。車高が標準車高まで下がってピストンロッド15の伸長長さが標準範囲内になると、ポンプロッド28のオリフィス通路36がポンプチューブ23と重なって閉鎖され、シリンダ下室3bからの油液の戻し動作が解除される。
【0027】
このようにして、走行時の懸架装置の振動を利用してポンピング動作および戻し動作を繰り返すことにより、積載荷重にかかわらず自動的に車高を一定に調整することができる。なお、重積載時の路面からの突上げ等によって、シリンダ3およびリザーバ室5内の圧力が急激に上昇した場合には、仕切部材6の減圧弁45が開いてリザーバ室5内の油液を油室7へ逃がすことによって、過度の圧力の上昇を防止して、油圧緩衝器1のシール部の負担を軽減するとともに、車体への衝撃を緩和することができる。
【0028】
また、ピストンロッド15の伸縮毎に内部のガスが膨張、圧縮されるリザーバ室5にはブラダを設けず、車高調整時(ポンピング作動時)にのみ油液が給排されるオイルタンク37のオイル室42a とガス室42b とをブラダ43によって画成しているので、ブラダ43は、車高調整をともなわない通常のピストンロッド15の伸縮に対しては変形されることがなく、車高調整時にのみ変形されるため、変形の頻度が低く、耐久性を向上させることができる。
【0029】
シリンダ3とケース2との間にリザーバ室5を設け、ケース2の外周部に車高調整用の油液を貯留するオイルタンク37を別置しているので、リザーバ室5およびオイルタンク37の容量を充分大きくとることができ、積載荷重にかかわらず乗り心地を良好に保つことができる。さらに、油圧緩衝器1は、ピストンロッド15がシリンダ3の上部から突出された、いわゆる正立型の構造となっているので、サスペンションストラットとして好適に用いることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の油圧緩衝器によれば、ピストンロッドの伸縮によるポンピング動作によってシリンダ内が昇圧されてピストンロッドが伸長し、ピストンロッドが第1所定位置まで伸長したとき、第1通路手段によってポンピング動作が解除され、また、ピストンロッドが第2所定位置まで伸長したとき、第2通路手段によってシリンダ室内の圧油がオイルタンクへ戻されてピストンロッドが短縮するので、ピストンロッドを伸縮させることによってピストンロッドの伸長長さが第1伸長位置と第2所定位置との間に自動的に調整される。その結果、車両の走行時の懸架装置の振動を利用して、積載荷重の大小にかかわらず自動的に車高を一定に調整することができる。
【0031】
また、ピストンロッドの伸縮毎に内部のガスが膨張、圧縮されるリザーバ室にはブラダを設けず、車高調整時(ポンピング作動時)にのみ油液が給排されるオイルタンクのオイル室とガス室とをブラダによって画成しているので、ブラダは、車高調整をともなわない通常のピストンロッドの伸縮に対しては変形されることがなく、車高調整時にのみ変形されるため、変形の頻度が低く、耐久性を向上させることができる。
【0032】
さらに、車高調整調整用の油液をシリンダとは別置したオイルタンク内に貯留することにより、リザーバ室およびオイルタンクの容量を充分大きくとることができ、積載荷重の大小にかかわらず乗り心地を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の縦断面図である。
【図2】図1の装置において、車高調整を行っていない初期状態のブラダの位置を示すオイルタンクの拡大図である。
【図3】図1の装置において、ポンピング作動時のブラダの位置を示すオイルタンクの拡大図である。
【符号の説明】
1 油圧緩衝器
2 ケース
3 シリンダ
3a シリンダ上室
3b シリンダ下室
5 リザーバ室
10 ベースバルブ
14 ピストン
15 ピストンロッド
23 ポンプチューブ
25 ポンプ通路(第2ポンプ通路)
28 ポンプロッド
30 ポンプ通路(第1ポンプ通路)
32 逆止弁(第2逆止弁)
33 逆止弁(第1逆止弁)
34 溝(第1通路手段)
36 オリフィス通路(第2通路手段)
37 オイルタンク
38 アッパリング
39 ロワリング
40 アッパケース(タンク壁)
41 ロワケース(タンク壁)
42a オイル室
42b ガス室
43 ブラダ(可撓膜)

Claims (1)

  1. 一端が閉塞され他端が開口されたケースと、該ケース内に挿入されて内部に油液が封入されたシリンダと、前記ケースと前記シリンダとの間に形成されて前記シリンダの一端部から他端部まで延びて油液及びガスが互いに直接接触するように封入された環状のリザーバ室と、前記シリンダの一端に設けられて前記シリンダ内とリザーバ室とを連通させるベースバルブと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装されて前記シリンダ内を2室に画成するピストンと、一端が該ピストンに連結されて他端が前記シリンダの外部に延出された中空のピストンロッドと、一端が前記ベースバルブに連結され他端が前記ピストンに挿通され前記ピストンロッドの中空部内に設けられたポンプチューブに摺動可能に嵌合されて該ポンプチューブ内にポンプ室を形成するポンプロッドと、該ポンプロッドの一端に接続されて内部に油液が貯留されたオイルタンクと、前記ポンプロッドに設けられ前記オイルタンクとポンプ室とを連通させる第1ポンプ通路と、該第1ポンプ通路の前記オイルタンクからポンプ室への油液の流通のみを許容する第1逆止弁と、前記ピストンロッドに設けられ前記ポンプ室とシリンダ室とを連通させる第2ポンプ通路と、該第2ポンプ通路の前記ポンプ室からシリンダ室への油液の流通のみを許容する第2逆止弁と、前記ポンプチューブと前記ポンプロッドとの間に設けられ、これらの相対位置に応じて、前記ピストンロッドが第1所定位置まで伸長したとき、前記ポンプ室とシリンダ室とを直接的に連通させる第1通路手段と、さらに前記ピストンロッドが第2所定位置まで伸長したとき、前記シリンダ室と第1ポンプ通路とを連通させる第2通路手段とを備え、前記オイルタンクは、前記ケースの外周壁と、該外周壁に嵌合された環状のアッパリングおよびロワリングと、該アッパリングおよびロワリングの外周部に嵌合された略円筒状のタンク壁とで形成され、内部が前記アッパリングと前記ロワリング間に延びる筒状の可撓膜によって、該可撓膜の内周側の前記第1ポンプ通路に連通するオイル室と該可撓膜の外周側のガスが封入されたガス室とに画成され、前記オイルタンクは、前記ケースの軸方向に部分的に延伸し、懸架ばねの下方に設けられていることを特徴とする油圧緩衝器。
JP33105095A 1995-11-27 1995-11-27 油圧緩衝器 Expired - Fee Related JP4022649B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33105095A JP4022649B2 (ja) 1995-11-27 1995-11-27 油圧緩衝器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33105095A JP4022649B2 (ja) 1995-11-27 1995-11-27 油圧緩衝器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09144801A JPH09144801A (ja) 1997-06-03
JP4022649B2 true JP4022649B2 (ja) 2007-12-19

Family

ID=18239292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33105095A Expired - Fee Related JP4022649B2 (ja) 1995-11-27 1995-11-27 油圧緩衝器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4022649B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000018305A (ja) 1998-06-30 2000-01-18 Tokico Ltd 油圧緩衝器
JP2001330069A (ja) * 2000-05-19 2001-11-30 Showa Corp 車高調整機構付きダンパ
KR100596929B1 (ko) * 2005-01-13 2006-07-06 주식회사 만도 스프링레이트 저감을 위한 차고 조정식 쇽업소버
JP4839196B2 (ja) * 2006-03-28 2011-12-21 カヤバ工業株式会社 車高調整装置
JP2008190691A (ja) 2007-02-07 2008-08-21 Hitachi Ltd 油圧緩衝器
JP5077549B2 (ja) 2007-10-31 2012-11-21 日立オートモティブシステムズ株式会社 油圧緩衝器の製造方法
JP5034080B2 (ja) * 2010-10-21 2012-09-26 日立オートモティブシステムズ株式会社 油圧緩衝器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09144801A (ja) 1997-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6092816A (en) Vehicle height adjusting apparatus and cylinder system used therefor
KR101410155B1 (ko) 유압 완충기
US5924528A (en) Load depending damping assembly
US6871845B2 (en) Self-pumping, hydropneumatic suspension strut unit
JPH09310731A (ja) 油圧緩衝器
KR100363449B1 (ko) 유압 완충기
EP1502777B1 (en) Self leveling vehicle suspension damper
US6817597B1 (en) Spring-and-shock absorber system having differential roll bellows
US6412615B1 (en) Hydraulic shock absorber for motor vehicles
JP4022649B2 (ja) 油圧緩衝器
JP3988143B2 (ja) 油圧緩衝器
US6974003B1 (en) Spring-shock absorbing system with tubular rolled bellows
JP2005240984A (ja) 電磁サスペンション装置
JP3988090B2 (ja) 油圧緩衝器
JP3062992B2 (ja) 油圧緩衝器
JP4003140B2 (ja) 油圧緩衝器
US3887174A (en) Shock absorber and leveler unit
JP4816968B2 (ja) 油圧緩衝器
JPH10250339A (ja) 油圧緩衝器
JP2000337419A (ja) 油圧緩衝器
JP5110285B2 (ja) 油圧緩衝器
JP2000135909A (ja) 油圧緩衝器
JPH10211810A (ja) 油圧緩衝器
JP2000074125A (ja) 油圧緩衝器
JP4844889B2 (ja) 油圧緩衝器

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060329

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070913

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111012

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees