JPH0419253Y2 - - Google Patents

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JPH0419253Y2
JPH0419253Y2 JP1986090451U JP9045186U JPH0419253Y2 JP H0419253 Y2 JPH0419253 Y2 JP H0419253Y2 JP 1986090451 U JP1986090451 U JP 1986090451U JP 9045186 U JP9045186 U JP 9045186U JP H0419253 Y2 JPH0419253 Y2 JP H0419253Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば車両の懸架機構部などに設け
られるガススプリングに関する。
〔従来の技術〕 シリンダの内部にガスと油を封入したガススプ
リングにおいて、ガスと油を隔離する部材として
フリーピストンを使う方式と高分子膜を使う方式
が従来より実用化されている。
フリーピストンを使用したガススプリングは、
フリーピストンのシール部での摺動抵抗が大きい
ことと、上記シール部からガスが油に溶け込むこ
とが避けられない欠点がある。そして一定期間を
経るとガスを再封入する必要があるなど、問題が
多い。
一方、高分子膜を使つた従来のガススプリング
は、高分子膜からのガスの透過を完全に無くすこ
とができないため、いくつかの工夫がなされてい
て、例えば第2図に例示される車両用懸架装置の
ように、シリンダ機構の本体部1に球形の副室2
を連結し、この副室2の内部を高分子膜3によつ
て気室4と油室5とに仕切つたものが知られてい
る。この場合は副室2が球形であり、気室4の容
積変化に対する高分子膜3の変形量が小さいた
め、高分子膜3の厚さを増すことにより、ガスの
透過量を極力減らすようにしている。また、実開
昭54−111587号公報に見られるように、内筒の内
部に、伸縮自在な袋状の仕切部材を収容し、この
仕切部材によつて、内筒の内部のガスと油を互い
に仕切るようにしたものが提案されている。
〔考案が解決しようとする問題点〕
第2図の従来例のように球形の副室2を採用し
た懸架装置においては、副室2をシリンダ機構の
本体部1とは別々に取付けなければならないた
め、懸架装置が大形化しその取付けに大きなスペ
ースを必要とし、かつ重量が大である。
一方、前述した先行技術(実開昭54−111587号
公報)のように、内筒に仕切部材を設け、この仕
切部材の内側にロツドの端部を進入させるように
した場合には、内筒に対してロツドが軸方向に相
対移動する際に、ロツドの端部が仕切部材の内部
において軸方向に動くとともに、仕切部材がかな
り大きなストロークで伸縮するため、仕切部材が
揺れたり傾くと仕切部材がロツドと干渉し、仕切
部材が破損するおそれがある。また、仕切部材が
縮み側に撓み過ぎると、仕切部材が破損する原因
となる。
〔問題点を解決するための手段〕
本考案のガススプリングは、シリンダと、この
シリンダの内部にシリンダと同心に配置されかつ
一端がシリンダ側に固定されるとともに他端側が
シリンダの軸方向に延びる内筒と、上記シリンダ
の内面と内筒の外面との間の隙間にシリンダおよ
び内筒と同心に配置されかつ一端側がシリンダに
固定され他端側がシリンダの軸方向に伸縮自在で
上記他端の内側に上記内筒の端部を位置させた金
属製のベローズ状仕切り部材とを備える。上記仕
切り部材の内側には油を満たした油室が形成さ
れ、かつ仕切り部材とシリンダの内面との間には
ガスを封入する気室が形成される。そして上記シ
リンダには、軸方向に摺動自在にロツドが挿入さ
れる。このロツドの先端部分は、上記ベローズ状
仕切り部材の内側の油室に進入した状態で上記内
筒の内周面によつて軸方向に摺動自在に支持され
ている。
〔作用〕
上記シリンダに対してロツドが押込まれる方向
に相対移動すると、ロツドの内筒によつて軸方向
の移動が案内されながら、ベローズ状仕切り部材
の内部に向つて進入する。このとき上記仕切り部
材は、その内側から油圧によつて押されることに
よりベローズが伸長する方向に変位し、気室内の
ガスが圧縮される。
逆に、シリンダに対してロツドが伸びる方向に
移動すると、ロツドの先端部分は上記とは反対方
向に移動する。このため上記仕切り部材は、ロツ
ドの移動に伴つてベローズが縮む方向に変位し、
気室の容積は増大する。ベローズが縮み側に所定
量撓むと、ベローズの蓋が上記内筒に支持される
状態となつて、ベローズがそれ以上縮み側に撓ま
ないようにストロークエンドが規制されるため、
金属製のベローズが過度に撓んで塑性変形を生じ
てしまうなどの不具合が回避される。
こうしてロツドが往復移動する結果、ベローズ
状仕切り部材が伸縮し、気室内のガスの反発力に
よつてばねとしての機能が発揮される。上記仕切
り部材は、ロツドの先端部分が押し込み方向に移
動した時に、その先端部分から逃げる方向に伸長
する。従つて仕切り部材の内部空間はロツドの挿
入を許すための部分としても有効に利用されるか
ら、仕切り部材を内蔵していてもシリンダの長さ
を短かなものにする上記ベローズは、シリンダと
内筒との隙間を利用してシリンダおよび内筒と同
心状に配置され、しかもロツドの端部は内筒の内
周面によつて軸方向に移動が案内されるので、ロ
ツドの移動に伴つてベローズが伸縮する際にベロ
ーズが揺れたり倒れることを防止できるととも
に、ベローズとロツドが干渉することを回避でき
る。
〔実施例〕
第1図に、車両懸架用ガススプリング10の一
例を示す。このガススプリング10は、後述する
如く、シリンダ11とベローズ状仕切り部材12
と内筒13およびロツド14等を備えて構成され
る。シリンダ11の図示上端部はゴムブツシユ1
6を介して、例えば車体側の部材に連結される。
また、シリンダ11の一部にガス封入口17が形
成されており、この封入口17を通じて窒素ガス
などの高圧の不活性ガスがシリンダ11の内部の
下記気室45に封入できるようになつている。こ
の封入口17は盲栓18によつて塞がれる。
上記シリンダ11は、例えばバテツト加工等に
よつて下半分の小径部11aと、これよりも径を
大きくした大径部11bとに成形されている。そ
してこの大径部11bに、シリンダ11と同心に
ベローズ状仕切り部材12が収容されている。
この仕切り部材12は、シリンダ11の軸方向
に伸縮自在なベローズ本体20と、このベローズ
本体20の図示上端に取着されたベローズ蓋21
とからなる。ベローズ本体20は、例えばステン
レス鋼などの金属薄板を成形したものである。ベ
ローズ蓋21はベローズ本体20に気密に溶接さ
れている。ベローズ蓋21の内面側には、シール
材23を備えた嵌合部24が設けられている。ま
た、ベローズ本体20の図示下端側はベローズ固
定板25に溶接されている。ベローズ固定板25
は、シリンダの小径部11aと大径部11bとの
境界部分に圧入・固定されている。但し、接着あ
るいは溶接によつてベローズ固定板25をシリン
ダ11に固定してもよい。ベローズ固定板25の
内周面と外周面には、それぞれoリングなどのシ
ール材26,27が装着されている。
更にシリンダ11の内部に内筒13が設けられ
ている。内筒13は、シリンダ11および仕切り
部材12と実質的に同心に配置されており、内筒
13の図示下端は溶接等によつてシリンダ11に
固定されている。また、内筒13の壁を貫通して
油の流通孔30が開設されている。内筒13の上
端には、上述したベローズ蓋21の嵌合部24と
対向する位置に開口部31が設けられている。こ
の開口部31は、ベローズ本体20が一定限度以
上収縮した時に、シール材23を介して嵌合部2
4と液密に嵌合する。
上述したベローズ状仕切り部材12の内側は、
油が満たされる油室33である。この油室33
は、内筒13の内部の油室34に連通している。
この油室34は、流通孔30を介して油出入口3
6に連通している。この油出入口36には、油圧
ユニツト37が接続されている。本実施例の油圧
ユニツト37は、油圧源38と油出入口36との
間に車高上昇用の電磁切換え弁40を有するとと
もに、油タンク41と油出入口36との間に車高
下降用の電磁切換え弁42を有する。43は下降
防止用チエツク弁である。
また、シリンダ11の大径部11bの内面とベ
ローズ状仕切り部材12の内面との間に形成され
る気室45には、ガス封入口17を通じて前記ガ
スが封入される。ガスを封入する際に、油室33
に油が満たされていても油タンク41と連通した
状態ではガスの圧力によつてベローズ状仕切り部
材12がいつぱいに収縮しようとする。しかし、
一定の限度以上収縮するとベローズ蓋21の嵌合
部24が内筒13の開口部31に密接することに
より、ベローズ本体20がそれ以上縮むことを阻
止するとともに、ベローズ本体20と内筒13と
の間に閉じ込められた油によつて外側からのガス
の圧力に対抗するから、高いガス圧に対してベロ
ーズ本体20の変形を防止できる。このためベロ
ーズ本体20の強度は比較的小さなものでよく、
ベローズ本体20の薄型化が図れる。
ロツド14は、シリンダ11に軸方向に移動自
在かつ軸回りに回転自在に挿入されている。従つ
てシリンダ11にはロツド14が摺動する部位
に、ベアリング47が設けられている。このベア
リング47の軸方向両側には、低圧シール48と
高圧シール49が設けられている。低圧シール4
8と高圧シール49との間にはドレン配管50が
接続されている。このドレン配管50は油タンク
41に連通しており、高圧シール49から少量の
油漏れを許容することによつて、シール49の摺
動抵抗を低減させている。
ロツド14の図示下端部は、ゴムブツシユ52
を介して例えば車輪側の部材に連結される。ま
た、ロツド14がシリンダ11から突出する部位
には、伸縮自在な保護ブーツ53が被せられてい
る。
上記ロツド14の先端部分14aはピストン状
をなしていて、ベローズ状仕切り部材12の内部
側に進入している。この先端部分14aには減衰
力発生機構55が設けられている。図示例の減衰
力発生機構55は、ロツド本体14bの先端部に
取着された略円盤状の弁ボデイー56を有する。
この弁ボデイー56の外周部すなわち内筒13と
摺接する部位には、ベアリング57が装着されて
いる。従つてロツド14は、長手方向に離間した
2箇所のベアリング47,57によつて安定に支
持される。
上記弁ボデイー56には、厚み方向に貫通する
油流路60が形成されている。この油流路60の
一端側には、ロツド14が伸び方向に移動した時
に油を逃がす伸び側リリーフプレート61が設け
られている。このリリーフプレート61は、コイ
ルばね62によつて常時は閉弁方向に付勢され
る。
また油流路60の他端側には、ロツド14が縮
み側に移動した時に油を逃がす圧縮側リリーフプ
レート63が設けられている。更にロツド本体1
4bの先端に、コンスタントオリフイス65を備
えた部材66が固定されている。
次に、上記構成の懸架装置用ガススプリング1
0の作用につき説明する。
例えばシリンダ11に対してロツド14が伸び
方向に移動すると、減衰力発生機構55に油が流
動することにより減衰力が生じる。また同時に、
ロツド14の移動量に相当する容積分だけ気室4
5の容積が増大し、これに伴いベローズ本体20
が収縮する。
逆にロツド14が押し込まれる方向に移動する
と、減衰力発生機構55に油が流れることによつ
て減衰力が生じるとともに、ロツド14が押込ま
れた量に相当する容積分だけ気室45が圧縮され
るため、ベローズ状仕切り部材12は伸長する。
こうして気室45は圧縮され、ガスの反発力が高
まる。
以上の繰返しにより、ガスばねとしての機能と
シヨツクアブソーバとしての機能が発揮される。
また、油圧ユニツト37の電磁切換え弁40(ま
たは42)を動作させることにより、油室33,
34の油量を適宜に変化させれば、シリンダ11
に対するロツド14の相対的な伸び、すなわち車
両用懸架装置の場合には車高を調整することがで
きる。
上述したように、ロツド14の先端部分14a
は、ベローズ状仕切り部材12の内部油室33に
まで入り込んだ内筒13にガイドされ、ロツド1
4が押込まれる方向に移動した時に、仕切り部材
12はロツドの先端部分14aから逃げる方向に
伸長するから、この仕切り部材12の内部空間は
単なる油室として利用されるだけでなく、ロツド
14の挿入を許すための部分としても有効に利用
される。このため、ベローズ状仕切り部材12を
内蔵していながらもシリンダ11の長さを短かな
ものにすることができる。
また、ロツドの先端部分14aはベアリング5
7を介して内筒13に支持されており、しかもロ
ツド14の軸方向中間部分は上記ベアリング57
から離れた位置にあるベアリング47によつて摺
動自在に支持されるので、ベアリング47,57
間の距離を長くとることが可能である。このた
め、ロツド14の動きが安定なものとなりかつ摺
動抵抗を低減させることができる。
なお、本考案は上記実施例に限定されるもので
はない。例えば油圧ユニツト37やドレン配管5
0を省略しても本考案の初期の目的は達成でき
る。また、金属製のベローズ本体20の代りに、
高分子材料からなる蛇腹を用いてもよい。
更には、内筒13をシリンダ11に固定せず
に、内筒13とロツド14を一体に設けるととも
に、ベローズ固定板25にベアリングを設けるこ
とによつて、このベアリングに内筒13を摺動自
在に支持させるようにしてもよい。あるいは内筒
13を廃止してベローズ固定板25にベアリング
を設け、このベアリングにロツド14の先端部分
14aを摺動自在にに支持させるようにしてもよ
い。
また上記実施例とは逆に、ロツド14を車体側
に連結し、シリンダ11を車輪側に連結するよう
にしてもよい。更に、気室45内の有効容積を調
整するために、気室45内に予め適量の油を収容
しておき、これにより所望のばね特性を得るよう
にしてもよい。また、ロツド14内にパルスモー
タ等の電動アクチユエータを組込み、減衰力発生
機構55のオリフイス開口面積を制御することに
より、路面状況や走行状況に応じて減衰力を適宜
に変化させることもできる。
〔考案の効果〕
本考案によれば、ベローズをシリンダと内筒と
の間の隙間に配置しかつベローズの内側にロツド
を進入させるようにしたから、シリンダを含むガ
ススプリング全体のコンパクト化が図れるととも
に、ベローズが伸縮する際にロツドとベローズが
干渉することを回避でき、しかも上記内筒によつ
てベローズが縮み側に撓み過ぎることを防止でき
るなど、塑性変形を生じやすい薄い金属製のベロ
ーズを保護する上でも有効であり、小形でかつ摺
動抵抗の少ないガススプリングが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示すガススプリン
グの縦断面図、第2図は従来のガススプリングを
示す縦断面図である。 10……ガススプリング、11……シリンダ、
12……ベローズ状仕切り部材、14……ロツ
ド、14a……ロツドの先端部分、33,34…
…油室、45……気室。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. シリンダと、シリンダの内部にシリンダと同心
    に配置されかつ一端がシリンダ側に固定されると
    ともに他端側がシリンダの軸方向に延びる内筒
    と、上記シリンダの内面と内筒の外面との間の隙
    間に上記シリンダおよび内筒と同心に配置されか
    つ一端側がシリンダに固定され他端側がシリンダ
    の軸方向に伸縮自在で上記他端の内側に上記内筒
    の端部を位置させた金属製のベローズ状仕切り部
    材と、この仕切り部材の内側に油を満たした油室
    と、上記仕切り部材とシリンダの内面との間にガ
    スを封入した気室と、上記シリンダにその軸方向
    に摺動自在に挿入されるとともに先端部分が上記
    ベローズ状仕切り部材の内側の油室に進入した状
    態で上記内筒の内周面によつて軸方向に摺動自在
    に支持されるロツドと、を具備したことを特徴と
    するガススプリング。
JP1986090451U 1986-01-30 1986-06-13 Expired JPH0419253Y2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1986090451U JPH0419253Y2 (ja) 1986-06-13 1986-06-13
US07/005,556 US4828231A (en) 1986-01-30 1987-01-20 Car suspension system
GB8701150A GB2186050B (en) 1986-01-30 1987-01-20 Car suspension system
US07/297,572 US4921227A (en) 1986-01-30 1989-01-13 Car suspension system
US07/297,662 US4921224A (en) 1986-01-30 1989-01-13 Car suspension system
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