JP2023085975A - 加硫ゴム製品の解析方法及び設計方法 - Google Patents

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明宏 茂谷
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Abstract

【課題】 加硫ゴム製品を構成する複数のゴム部材毎に、加硫状態を確認することが可能な方法を提供する。【解決手段】 配合が異なる複数のゴム部材を含む加硫ゴム製品を解析するための方法である。この方法は、コンピュータが、複数のゴム部材毎に、加硫ゴム製品の加硫中に受ける等価加硫量ECU又はそれを用いた指標である第1指標を計算する工程S1と、コンピュータが、複数のゴム部材毎に、第1指標を出力する工程S2とを含む。【選択図】図4

Description

本開示は、加硫ゴム製品の解析方法及び設計方法に関する。
下記特許文献1には、空気入りタイヤの設計方法が記載されている。この方法では、タイヤ性能評価用物理量を表す目的関数、各ゴム部材の物性が定まる加硫条件変数、及び、ゴム部材及び補強材の物性を決定する設計変数等を定め、目的関数の最適値を与える加硫条件変数及び設計変数が求められている。
特許第5128853号公報
一般に、タイヤを含む加硫ゴム製品では、複数のゴム部材を必要以上に加硫すると、架橋構造の変化に伴って、複数のゴム部材の物性に悪影響が生じることが知られている。このため、所望の性能を有する加硫ゴム製品を製造するには、複数のゴム部材を必要以上に加硫しないことが重要である。
一方、複数のゴム部材の加硫状態は、配合によって異なる傾向がある。したがって、複数のゴム部材ごとに、加硫状態を確認することが可能な方法が求められていた。
本開示は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、加硫ゴム製品を構成する複数のゴム部材毎に、加硫状態を確認することが可能な方法を提供することを主たる目的としている。
本開示は、配合が異なる複数のゴム部材を含む加硫ゴム製品を解析するための方法であって、コンピュータが、前記複数のゴム部材毎に、前記加硫ゴム製品の加硫中に受ける等価加硫量ECU又はそれを用いた指標である第1指標を計算する工程と、前記コンピュータが、前記複数のゴム部材毎に、前記第1指標を出力する工程とを含む、加硫ゴム製品の解析方法である。
本開示の加硫ゴム製品の解析方法は、上記の工程を採用することにより、加硫ゴム製品を構成する複数のゴム部材毎に、加硫状態を確認することが可能となる。
本実施形態の加硫ゴム製品の解析方法及び設計方法を実行するためのコンピュータを示す斜視図である。 本実施形態の加硫ゴム製品の断面図である。 加硫工程中の金型、ブラダー及び未加硫のゴム製品(タイヤ)の部分断面図である。 本実施形態の加硫ゴム製品の解析方法の処理手順を示すフローチャートである。 本実施形態の第1指標計算工程の処理手順を示すフローチャートである。 本実施形態の温度データ取得工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 金型モデル、未加硫のタイヤモデル及びブラダーモデルの一例を示す図である。 ゴム部材の時系列の温度データ(温度と加硫時間との関係)を示すグラフである。 本実施形態の第1指標の分布図である。 ゴム部材の物性と、等価加硫量との関係を示すグラフである。 本開示の他の実施形態の第1指標計算工程の処理手順を示すフローチャートである。 係数入力工程の処理手順を示すフローチャートである。 ゴム部材の物性と、加硫時間との関係である第1関係を示すグラフである。 本開示の他の実施形態の第1指標の分布図である。 本開示の他の実施形態の加硫ゴム製品の解析方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の加硫ゴム製品の設計方法の処理手順を示すフローチャートである。 本開示の他の実施形態の加硫ゴム製品の設計方法の処理手順を示すフローチャートである。 複数種類の加硫ゴム製品について、第1指標の変化量と、実測した性能の変化量との関係を示すグラフである。 複数種類の加硫ゴム製品について、予測した性能の変化量と、実測した性能の変化量との関係を示すグラフである。
以下、本開示の実施形態が図面に基づき説明される。図面は、開示の内容の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれることが理解されなければならない。また、各実施形態を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。さらに、実施形態及び図面に表された具体的な構成は、本開示の内容理解のためのものであって、本開示は、図示されている具体的な構成に限定されるものではない。
本実施形態の加硫ゴム製品の解析方法(以下、単に「解析方法」ということがある。)では、配合が異なる複数のゴム部材を含む加硫ゴム製品が解析される。本実施形態の解析方法には、コンピュータが用いられる。
[コンピュータ]
図1は、本実施形態の加硫ゴム製品の解析方法及び設計方法を実行するためのコンピュータを示す斜視図である。本実施形態のコンピュータ1は、例えば、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含んで構成されている。この本体1aには、例えば、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリ、磁気ディスクなどの記憶装置、及び、ディスクドライブ装置1a1、1a2が設けられている。また、記憶装置には、本実施形態の解析方法を実行するためのソフトウェア等が予め記憶されている。
[加硫ゴム製品]
加硫ゴム製品は、配合が異なる複数のゴム部材で構成されるものであれば、特に限定されない。本実施形態の加硫ゴム製品は、タイヤである場合が例示される。図2は、本実施形態の加硫ゴム製品2G(タイヤ2)の断面図である。
本実施形態のタイヤ2は、例えば、乗用車用の空気入りタイヤとして構成されている。なお、タイヤ2は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、重荷重用の空気入りタイヤや、自動二輪車用タイヤとして構成されていてもよい。本実施形態のタイヤ2は、複数のゴム部材3と、繊維部材4とを含んで構成されている。
本実施形態の繊維部材4には、例えば、カーカス4a、内側ベルト4b及び外側ベルト4cが含まれる。カーカス4aは、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cのビードコア5に延びている。内側ベルト4b及び外側ベルト4cは、カーカス4aのタイヤ半径方向外側、かつ、トレッドゴム3aの内部に配されている。
本実施形態のゴム部材3には、例えば、トレッドゴム3a、サイドウォールゴム3b、クリンチゴム3c、ビードエーペックスゴム3d及びインナーライナーゴム3eが含まれる。トレッドゴム3aは、トレッド部2aにおいて、外側ベルト4cの外側に配されている。サイドウォールゴム3bは、サイドウォール部2bにおいて、カーカス4aの外側に配されている。クリンチゴム3cは、サイドウォールゴム3bのタイヤ半径方向内側に固定されている。ビードエーペックスゴム3dは、ビードコア5からタイヤ半径方向外側に延びている。インナーライナーゴム3eは、カーカス4aの内面に配置されている。本実施形態において、本実施形態のゴム部材3a~3eは、配合(例えば、ゴム材料、充填剤及び添加剤などの少なくとも一部)がそれぞれ異なっている。
[加硫成形]
本実施形態の加硫ゴム製品2G(本例では、タイヤ2)は、慣例に従い、図2に示した複数のゴム部材3を含む未加硫のゴム製品8G(タイヤ8)が加硫成形されることによって製造される。ここで、未加硫とは、完全な加硫に至っていない全ての態様を含むもので、いわゆる半加硫の状態は、この「未加硫」に含まれる。図3は、加硫工程中の金型11、ブラダー12及び未加硫のゴム製品8G(タイヤ8)の部分断面図である。
本実施形態の加硫工程では、例えば、加硫ゴム製品2G(本例では、タイヤ2)の外面を成形するための金型11と、金型11にセットされた未加硫のゴム製品8G(タイヤ8)の内腔内で膨張するブラダー12とが用いられている。
本実施形態の金型11は、例えば、サイドウォール成形面13sを有する一対のサイドウォール成形型13、13と、トレッド成形面14sを有するトレッド成形型14とを含んで構成されている。トレッド成形型14は、タイヤ周方向に分割されている。これらのサイドウォール成形型13及びトレッド成形型14が嵌め合わされることにより、タイヤ2の外面2oを成形しうる成形面11sが形成される。金型11には、例えば、電気ヒータ等の加熱手段(図示省略)が配置されている。
本実施形態のブラダー12は、例えば、膨張可能なゴム状弾性体で構成されている。ブラダー12の内部空間12sには、例えば、図示しない供給手段から高圧流体(図示省略)が供給される。高圧流体には、例えば、水蒸気に、窒素等の不活性気体の少なくとも1つ、又は、複数の不活性気体を混合したものが用いられる。高圧流体の温度は、例えば、約140~220℃に設定される。
加硫工程では、金型11とブラダー12との間で、未加硫のゴム製品(タイヤ8)が加熱及び加圧されて、図2に示した加硫ゴム製品2G(タイヤ2)が製造される。
[加硫ゴム製品の解析方法(第1実施形態)]
ところで、タイヤ2を含む加硫ゴム製品2Gでは、複数のゴム部材3を必要以上に加硫すると、架橋構造の変化に伴って、加硫後の複数のゴム部材3の物性に悪影響が生じる。このため、所望の性能を有する加硫ゴム製品2G(タイヤ2)を製造するには、複数のゴム部材3を必要以上に加硫しないことが重要である。一方、複数のゴム部材3の加硫状態(例えば、加硫反応の速度や、等価加硫量ECU等)は、それらの配合によって異なる傾向がある。
本実施形態の解析方法では、評価対象の加硫ゴム製品2G(本例では、タイヤ2)を構成するゴム部材3毎に、加硫状態の確認が可能となる。図4は、本実施形態の加硫ゴム製品2Gの解析方法の処理手順を示すフローチャートである。
[第1指標計算工程(第1実施形態)]
本実施形態の解析方法では、先ず、コンピュータ1(図1に示す)が、図3に示した複数のゴム部材3毎に、評価対象の加硫ゴム製品2Gの加硫中に受ける等価加硫量ECU又はそれを用いた指標である第1指標を計算する(第1指標計算工程S1)。本実施形態の第1指標計算工程S1では、第1指標として、複数のゴム部材3の等価加硫量ECUが計算される。図5は、本実施形態の第1指標計算工程S1の処理手順を示すフローチャートである。
本実施形態の等価加硫量ECUの計算には、例えば、図3に示した複数のゴム部材3毎に、加硫成形中の温度と時間との関係を示す温度データ(時系列の温度データ)が用いられる。このため、本実施形態の第1指標計算工程S1では、先ず、複数のゴム部材3毎に、時系列の温度データが取得される(温度データ取得工程S11)。
[温度データ取得工程]
複数のゴム部材3の時系列の温度データは、例えば、金型11に温度センサー(図示省略)を設置して、評価対象の加硫ゴム製品2Gの加硫中の温度を測定することで取得されてもよい。また、時系列の温度データは、コンピュータ1(図1に示す)を用いた加硫シミュレーションの実施によって取得されてもよい。本実施形態の温度データ取得工程S11では、加硫シミュレーションの実施によって、複数のゴム部材3の時系列の温度データがそれぞれ取得される。図6は、本実施形態の温度データ取得工程S11の処理手順の一例を示すフローチャートである。図7は、金型モデル21、未加硫のタイヤモデル32及びブラダーモデル22の一例を示す図である。
[金型モデルを入力]
本実施形態の温度データ取得工程S11では、先ず、コンピュータ1(図1に示す)に、金型モデル21(図7に示す)が入力される(工程S21)。本実施形態では、例えば、金型11(図3に示す)の設計データ(例えば、CADデータ)に基づいて、金型11が、数値解析法により取り扱い可能な複数(有限個)の要素F(i)(i=1、2、…)で離散化(モデル化)される。これにより、未加硫のゴム製品モデル31(未加硫のタイヤモデル32)を配置するための内部空間21iを有する金型モデル21が設定される。
数値解析法としては、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法が適宜採用できる。本実施形態では、有限要素法が採用される。各要素F(i)には、例えば、4面体ソリッド要素等が採用される。なお、二次元モデルである場合は、四辺形要素等を採用できる。
各要素F(i)には、複数個の節点34が設けられる。各要素F(i)には、要素番号、節点番号、節点座標値、及び、金型11(図3に示す)の材料特性(剛性、ヤング率、熱伝導率、密度、比熱、又は、熱膨張係数等)などの数値データが定義される。このような金型モデル21は、例えば、市販のメッシュ化ソフトウェアを用いることにより、容易に設定(モデリング)できる。
金型モデル21は、一対のサイドウォール成形型13、13(図3に示す)をモデル化した一対の第1成形型モデル23、23、及び、トレッド成形型14(図3に示す)をモデル化した第2成形型モデル24を含んでいる。第1成形型モデル23、及び、一対の第2成形型モデル24、24が一体に組み合わされることにより、未加硫のタイヤモデル32の外面32oを成形するための成形面21sが形成される。金型モデル21は、コンピュータ1(図1に示す)に入力される。
[未加硫のゴム製品モデルを入力]
次に、本実施形態の温度データ取得工程S11では、コンピュータ1(図1に示す)に、未加硫のゴム製品モデル31が入力される(工程S22)。本実施形態では、金型11(図3に示す)の設計データ(例えば、CADデータ)に基づいて、図3に示した未加硫のゴム製品8G(未加硫のタイヤ8)が、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素G(i)(i=1、2、…)で離散化(モデル化)される。これにより、未加硫のゴム製品モデル31(本例では、未加硫のタイヤモデル32)が設定される。
本実施形態の未加硫のゴム製品モデル31(未加硫のタイヤモデル32)には、例えば、複数のゴム部材3(図3に示す)をそれぞれモデリングした複数のゴム部材モデル35が定義される。さらに、未加硫のゴム製品モデル31(未加硫のタイヤモデル32)には、例えば、未加硫のタイヤ8の繊維部材4(図3に示す)をモデリングした繊維部材モデル36が定義される。
複数のゴム部材モデル35には、トレッドゴム3a(図3に示す)をモデリングしたトレッドゴムモデル35aと、サイドウォールゴム3b(図3に示す)をモデリングしたサイドウォールゴムモデル35bとが含まれる。さらに、複数のゴム部材モデル35には、クリンチゴム3c(図3に示す)をモデリングしたクリンチゴムモデル35cと、ビードエーペックスゴム3d(図3に示す)をモデリングしたビードエーペックスゴムモデル35dとが含まれる。さらに、複数のゴム部材モデル35には、インナーライナーゴム3e(図3に示す)をモデリングしたインナーライナーゴムモデル35eが含まれる。
要素G(i)としては、金型モデル21の要素F(i)と同様のものが採用される。各要素G(i)は、複数の節点37を含んで構成されている。各要素G(i)には、要素番号、節点番号、節点座標値、及び、図3に示した未加硫のゴム部材3や繊維部材4の材料特性(剛性、ヤング率、熱伝導率、密度、比熱、又は、熱膨張係数等)などの数値データが定義される。未加硫のゴム製品モデル31(未加硫のタイヤモデル32)は、コンピュータ1(図1に示す)に記憶される。
[ブラダーモデルを入力]
次に、本実施形態の温度データ取得工程S11では、コンピュータ1(図1に示す)に、ブラダーモデル22が入力される(工程S23)。本実施形態では、例えば、図3に示した金型11やブラダー12の設計データ(例えば、CADデータ)等に基づいて、ブラダー12が、数値解析法により取り扱い可能な複数(有限個)の要素H(i)(i=1、2、…)でモデル化(離散化)される。これにより、ブラダーモデル22が設定される。
要素H(i)としては、金型モデル21の要素F(i)や、未加硫のタイヤモデル32の要素G(i)と同様のものが採用される。各要素H(i)は、複数の節点38を含んで構成されている。各要素H(i)には、要素番号、節点番号、節点座標値、及び、ブラダー12(図3に示す)の材料特性(剛性、ヤング率、熱伝導率、密度、比熱又は熱膨張係数等)などの数値データが定義される。ブラダーモデル22は、コンピュータ1に記憶される。
[未加硫のゴム製品モデル(タイヤモデル)及びブラダーモデルの配置]
次に、本実施形態の温度データ取得工程S11は、金型モデル21の内部空間21iに、未加硫のゴム製品モデル31(本例では、タイヤモデル32)及びブラダーモデル22が配置される(工程S24)。本実施形態の工程S24では、例えば、特許文献(特許第6871528号公報)の配置工程と同様の手順に基づいて、金型モデル21の内部空間21iに、未加硫のゴム製品モデル31(未加硫のタイヤモデル32)及びブラダーモデル22が配置されうる。
[境界条件の定義]
次に、本実施形態の温度データ取得工程S11では、コンピュータ1(図1に示す)に、未加硫のゴム製品モデル31(未加硫のタイヤモデル32)、金型モデル21及びブラダーモデル22の伝熱を計算するための境界条件が定義される(工程S25)。本実施形態の境界条件には、例えば、金型モデル21、未加硫のゴム製品モデル31(未加硫のタイヤモデル32)及びブラダーモデル22の初期温度、並びに、金型モデル21及びブラダーモデル22の加硫工程時の温度条件が含まれる。本実施形態の温度条件には、加熱過程及び冷却過程において、図3に示した金型11及びブラダー12の時系列の温度が含まれる。これらの境界条件は、例えば、特許文献(特許第6871528号公報)の境界条件定義工程と同様の手順に基づいて定義されうる。これらの境界条件は、コンピュータ1(図1に示す)に入力される。
[伝熱を計算]
次に、本実施形態の温度データ取得工程S11では、コンピュータ1(図1に示す)が、未加硫のゴム製品モデル31(未加硫のタイヤモデル32)、金型モデル21及びブラダーモデル22の伝熱を計算する(工程S26)。本実施形態の工程S26では、金型モデル21の初期温度及び温度条件に基づいて、温度が上昇した金型モデル21が計算される。これにより、工程S26では、未加硫のゴム製品モデル31(未加硫のタイヤモデル32)と金型モデル21との接触面40での伝熱が計算される。
さらに、本実施形態の工程S26では、ブラダーモデル22の初期温度及び温度条件に基づいて、温度が上昇したブラダーモデル22が計算される。これにより、工程S26では、未加硫のゴム製品モデル31(未加硫のタイヤモデル32)とブラダーモデル22との接触面42での伝熱が計算される。
このように、本実施形態の工程S26では、金型モデル21の温度及びブラダーモデル22の温度に基づいて、温度が上昇した未加硫のゴム製品モデル31(未加硫のタイヤモデル32)を計算することができる。これにより、本実施形態の工程S26では、図3に示した実際の加硫工程と同様に、加硫成形中(本例では、加熱過程及び冷却過程)に時々刻々と変化する複数のゴム部材3(複数のゴム部材モデル35)の温度を計算することができる。
本実施形態の工程S26では、予め定められた伝熱計算時間が経過するまでの間、シミュレーションの単位ステップ毎に、熱解析(伝熱計算)が行われる。熱解析は、例えば、Dassault Systems社製のAbaqus、LSTC社製のLS-DYNA、又は、MSC社製のNASTRANなどの市販の有限要素解析アプリケーションソフトを用いて計算できる。
本実施形態の複数のゴム部材モデル35の温度は、それぞれのゴム部材モデル35を構成する要素G(i)の節点37において、シミュレーションの単位ステップ毎に計算される。本実施形態の工程S26では、複数のゴム部材モデル35(本例では、トレッドゴムモデル35a~インナーライナーゴムモデル35e)において、時系列の温度データがそれぞれ取得される。これらの時系列の温度データは、例えば、それぞれのゴム部材モデル35を構成する複数の節点37のうち、予め定められた節点(代表点)において取得されるが、特に限定されるわけではなく、例えば、複数の節点37の温度を平均して取得されてもよい。図8は、ゴム部材3の時系列の温度データ(温度と加硫時間との関係)を示すグラフである。図8では、例えば、トレッドゴムモデル35aの温度データが代表して示されている。複数のゴム部材3の時系列の温度データは、コンピュータ1(図1に示す)にそれぞれ記憶される。
[等価加硫量を計算]
次に、本実施形態の第1指標計算工程S1では、図3に示した複数のゴム部材3毎に、評価対象の加硫ゴム製品2Gの加硫中に受ける等価加硫量ECUが計算される(工程S12)。等価加硫量ECUは、加硫成形中のゴム部材3の温度に応じて変化する加硫反応の速度を特定するためのものである。等価加硫量ECUの値が大きいほど、加硫反応が進んでいることを示している。したがって、第1指標は、加硫状態と相関関係にある。
等価加硫量(ECU)の取得には、例えば、下記式(1)が用いられる。下記式(1)は、アレニウスの式によるものである。なお、等価加硫量は、下記式(1)で求める態様に限定されるわけではない。
Figure 2023085975000002

ここで、定数及び変数は、次のとおりである。
ECU:等価加硫量
E:活性化エネルギー(kJ/mol)
R:気体定数(J/mol・deg)
T:加硫成形中のゴムの温度
t:温度Tでの経過時間(min)
T0:基準温度(K)
上記式(1)において、活性化エネルギーE、気体エネルギーR及び基準温度T0は、例えば、ゴムの配合や加硫条件に応じて、適宜設定することができる。活性化エネルギーEは、例えば、83.72kJ/molに設定される。気体エネルギーRは、例えば8.318J/mol・degに設定される。基準温度は、例えば414.86Kに設定される。
本実施形態の工程S12では、複数のゴム部材3について、時系列の温度データ(図8に示す)から特定される各温度T、及び、その温度Tでの経過時間tが、上記式(1)にそれぞれ代入される。これにより、本実施形態の工程S12では、複数のゴム部材3について、等価加硫量ECUがそれぞれ取得される。複数のゴム部材3の等価加硫量ECUは、第1指標として、コンピュータ1(図1に示す)に記憶される。
[第1指標を出力]
次に、本実施形態の解析方法では、コンピュータ1(図1に示す)が、図3に示した複数のゴム部材3毎に、第1指標を出力する(工程S2)。本実施形態の第1指標は、例えば、コンピュータ1のディスプレイ装置1dや、プリンタ等の出力装置に出力される。第1指標は、複数のゴム部材3毎に出力されれば、出力の形式等は限定されない。本実施形態の工程S2では、複数のゴム部材3の第1指標の分布図が出力される。図9は、本実施形態の第1指標の分布図である。
図9に示されるように、本実施形態の分布図は、評価対象の加硫ゴム製品2G(本例では、タイヤ2)を構成する複数のゴム部材3毎に、第1指標(本例では、等価加硫量)の大きさが色の濃淡で表示されるコンター図として構成されている。図9では、第1指標が大きいほど、淡く表示されている。分布図(コンター図)の作成には、例えば、汎用のポストプロセッサ(Altair社製のHyperViewなど)が用いられる。
上述のとおり、等価加硫量ECUは、加硫成形中のゴム部材3の温度に応じて変化する加硫反応の速度を特定するためのものであり、等価加硫量ECUの値が大きいほど、加硫反応が進んでいることを示している。したがって、このような分布図では、複数のゴム部材3毎に出力された第1指標(等価加硫量)に基づいて、複数のゴム部材3毎に加硫状態(例えば、加硫反応の進行具合など)を一見して確認することが可能となる。
[第1指標を評価]
次に、本実施形態の解析方法では、第1指標に基づいて、複数のゴム部材3の加硫状態が、良好か否かが評価される(工程S3)。評価は、コンピュータ1(図1に示す)によって行われてもよいし、オペレータによって行われてもよい。
加硫状態の評価は、第1指標に基づいて適宜実施される。本実施形態の工程S3では、複数のゴム部材3毎に、等価加硫量ECUと、最適等価加硫量ECUoptimumとの差の絶対値を求めて、それらの絶対値が、予め定められた閾値以下である場合に、複数のゴム部材3の加硫状態が良好であると判断している。
最適等価加硫量ECUoptimumは、各ゴム部材3にとって最も好ましい加硫量である。このような最適等価加硫量ECUoptimumは、ゴム部材3が所望の物性に到達した時点での等価加硫量ECUとして特定される。
本実施形態の最適等価加硫量ECUoptimumは、ゴム部材3の物性と、等価加硫量ECUとの関係に基づいて特定される。このような関係は、例えば、ゴム部材3と同一配合の試験片を作成し、その試験片と、JISK6300に記載されている振動式加硫試験機(キュラストメータ)又はゴム加工試験機(RPA)とを用いた試験が実施されることで、容易に求めることができる。図10は、ゴム部材3の物性と、等価加硫量ECUとの関係を示すグラフである。図10では、一つのゴム部材3の関係が代表して示されている。
図10では、ゴム部材3の物性として、損失正接tanδ及びトルクTQが示されている。本実施形態では、損失正接tanδが最も小さくなった(最も好ましい)時点での等価加硫量A、又は、トルクTQが必要トルクに達した(最も好ましい)時点での等価加硫量Bが、最適等価加硫量ECUoptimumとして特定される。なお、最適等価加硫量ECUoptimumは、ゴム部材3に求められる物性に応じて、適宜取得されうる。
加硫状態の評価に用いられる閾値は、複数のゴム部材3毎に、適宜設定することができる。閾値は、例えば、各ゴム部材3の過加硫に伴う物性への悪影響の度合い等に基づいて、それぞれ特定される。
工程S3において、複数のゴム部材3の加硫状態が良好であると判断された場合(工程S3で「Yes」)、例えば、複数のゴム部材3の配合、加硫条件及び加硫ゴム製品2Gの設計因子等に基づいて、加硫ゴム製品2Gが製造される(工程S4)。加硫条件には、例えば、温度条件及び加硫時間等が含まれる。
一方、工程S3において、複数のゴム部材3加硫状態が良好でないと判断された場合(工程S3で「No」)、加硫状態が良好ではないゴム部材3の配合、加硫条件及び設計因子等が変更されて(工程S5)、第1指標計算工程S1~工程S3が再度実施される。
このように、本実施形態の解析方法では、図9に示した複数のゴム部材3毎に出力された第1指標に基づいて加硫状態を確認することができ、さらに、本実施形態の解析方法は、加硫状態の結果に基づいて、ゴム部材3の配合や、加硫条件を変更することができる。これにより、本実施形態の解析方法では、複数のゴム部材3を良好な状態で加硫した加硫ゴム製品2Gを、設計及び製造することが可能となる。
[加硫ゴム製品の解析方法(第2実施形態)]
[第1指標計算工程(第2実施形態)]
これまでの実施形態の第1指標計算工程S1では、第1指標として、複数のゴム部材3の等価加硫量が計算されたが、このような態様に限定されない。例えば、第1指標は、下記式(2)で求まるオーバー加硫指数OVであってもよい。
OV=(ECU-ECUnecessary)/ECUnecessary×P …(2)
但し、
ECU :ゴム部材の等価加硫量
ECUnecessary:ゴム部材の必要等価加硫量
P :過加硫に伴う物性への悪影響の度合いを示す係数
上記式(2)のうち、必要等価加硫量ECUnecessaryは、複数のゴム部材3毎に、所望の物性を発揮させるのに必要な等価加硫量である。これらの必要等価加硫量ECUnecessaryは、例えば、図10に示したゴム部材3の物性と、等価加硫量ECUとの関係に基づいて、適宜求められる。等価加硫量ECUは、上述の最適等価加硫量ECUoptimum(本例では、図10に示した等価加硫量A又はB)と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(2)のうち、係数Pは、図3に示した複数のゴム部材3毎に、過加硫に伴う物性への悪影響の度合いを特定したパラメータである。本実施形態の係数Pは、最適等価加硫量ECUoptimumを過ぎてから(過加硫状態において)、物性への悪影響(加硫戻り(リバージョン))の大きさを示している。このような悪影響は、複数のゴム部材3の配合に応じて異なる傾向がある。これらの係数Pは、複数のゴム部材3毎に、後述の係数入力工程S13において特定される。
上記式(2)では、等価加硫量ECUから必要等価加硫量ECUnecessaryを減じることにより、必要等価加硫量ECUnecessaryを超えた分の等価加硫量であるオーバー等価加硫量(ECU-ECUnecessary)が求められる。このオーバー等価加硫量(ECU-ECUnecessary)をECUnecessaryで割った値に、過加硫に伴う物性への悪影響の度合いを示す係数Pを乗じられることで、オーバー加硫指数OVが求められる。
例えば、オーバー等価加硫量(ECU-ECUnecessary)が大きくても、係数Pが小さい(過加硫に伴う物性への悪影響が小さい)ゴム部材3では、過加硫による物性の悪化は小さい。一方、オーバー等価加硫量(ECU-ECUnecessary)が小さくても、係数Pが大きいゴム部材3では、過加硫による物性の悪化は大きい。このように、オーバー加硫指数OVは、これまでの実施形態の等価加硫量ECUに比べて、複数のゴム部材3毎に異なる傾向がある過加硫に伴う物性への悪影響の大きさを考慮して、過加硫に伴う物性の悪化を適切に把握することが可能となる。図11は、本開示の他の実施形態の第1指標計算工程S1の処理手順を示すフローチャートである。
[係数入力工程]
この実施形態の第1指標計算工程S1では、先ず、図3に示した複数のゴム部材3毎に、過加硫に伴う物性への悪影響の度合いを示す係数Pが、コンピュータ1(図1に示す)に入力される(係数入力工程S13)。図12は、係数入力工程S13の処理手順を示すフローチャートである。
[第1関係を取得]
この実施形態の係数入力工程S13では、複数のゴム部材3毎に、加硫成形中の物性と、加硫時間との関係である第1関係がそれぞれ取得される(工程S31)。第1関係は、適宜取得することができる。この実施形態では、例えば、複数のゴム部材3と同一配合の試験片がそれぞれ作成され、それらの試験片と、JISK6300に記載されている振動式加硫試験機(キュラストメータ)又はゴム加工試験機(RPA)とを用いた試験が実施される。これにより、複数のゴム部材3毎に、第1関係が取得されうる。
図13は、ゴム部材3の物性と、加硫時間との関係である第1関係を示すグラフである。図13では、一つのゴム部材3の第1関係が代表して示されている。この実施形態のゴム部材3の物性には、損失正接tanδ及びトルクTQが示されている。このような第1関係は、加硫時間の経過とともに変化するゴム部材3の物性を把握するのに役立つ。複数のゴム部材3の第1関係は、コンピュータ1に記憶される。
[第1時点を特定]
次に、この実施形態の係数入力工程S13では、コンピュータ1(図1に示す)が、第1関係に基づいて、図3に示した複数のゴム部材3毎に、第1時点J1を特定する(工程S32)。第1時点J1は、適宜特定することができる。この実施形態の第1時点J1は、必要等価加硫量ECUnecessary、又は、最適等価加硫量ECUoptimumに到達するまでに要した時間として特定される。このような第1時点J1は、必要等価加硫量ECUnecessaryでの物性、及び、最適等価加硫量ECUoptimumでの物性と一致する加硫時間がそれぞれ取得されることによって、第1関係から容易に特定することができる。複数のゴム部材3毎に特定された第1時点J1は、コンピュータ1に記憶される。
[物性の変化量及び物性の変化率を取得]
次に、この実施形態の係数入力工程S13では、コンピュータ1が、複数のゴム部材3毎に、第1関係に基づいて、第1時点J1からの物性の変化量又は物性の変化率をそれぞれ取得する(工程S33)。物性の変化量及び物性の変化率は、適宜取得することができる。この実施形態では、第1時点J1と、予め定められた第2時点J2との間において、物性の変化量及び物性の変化率が取得される。第2時点J2は、第1時点J1よりも後であれば、適宜設定することができ、例えば、加硫ゴム製品2Gの加硫終了時に設定されうる。
物性の変化量には、例えば、損失正接tanδの第1時点J1aからの増加分Δtanδや、トルクTQの第1時点J1bからの減少分ΔTQが含まれる。これらの増加分Δtanδ及び減少分ΔTQの絶対値は、それらの値が大きいほど、第1時点J1(本例では、J1a又はJ1b)以降の過加硫に伴う物性の悪化が大きくなっていることを示している。
物性の変化率には、例えば、上述の増加分Δtanδと、第1時点J1aでの損失正接tanδとの比(Δtanδ/tanδ)が含まれる。すなわち、比(Δtanδ/tanδ)は、第1時点J1aの損失正接tanδからの増加の割合を示している。また、物性の変化率には、増加分Δtanδを、第1時点J1aと第2時点J2との間の加硫時間で除したものが含まれる。このような変化率は、第1時点J1aの損失正接tanδからの増加率(損失正接tanδの傾き)を示している。
また、物性の変化率には、例えば、上述の減少分ΔTQと、第1時点J1bでのトルクTQとの比(ΔTQ/TQ)が含まれる。すなわち、比(ΔTQ/TQ)は、第1時点J1aのトルクTQからの減少の割合を示している。また、物性の変化率には、減少分ΔTQを、第1時点J1bと第2時点J2との間の加硫時間で除したものが含まれる。このような変化率は、第1時点J1bのトルクTQからの減少率(トルクTQの傾き)を示している。
これらの物性の変化率の絶対値は、それらの値が大きいほど、第1時点J1(本例では、J1a又はJ1b)以降の過加硫に伴う物性の悪化が大きくなっていることを示している。
この実施形態の工程S33では、上述の物性の変化量及び物性の変化率のうち、少なくとも一つが求められてもよい。物性の変化量又は物性の変化率は、複数のゴム部材3毎に取得され、コンピュータ1(図1に示す)に記憶される。
[係数Pを特定]
次に、この実施形態の係数入力工程S13では、コンピュータ1(図1に示す)が、図3に示した複数のゴム部材3毎に、物性の変化量又は物性の変化率を、係数Pとしてそれぞれ特定する(工程S34)。係数Pとして特定される物性の変化量又は物性の変化率は、適宜選択される。この実施形態の工程S34では、物性の変化量として求められた第1時点J1aからの損失正接tanδの増加分Δtanδが、係数Pとして特定される。
なお、後述の各ゴム部材3のオーバー加硫指数OVの差異を明確にするために、係数Pは、物性の変化量又は物性の変化率に、予め定められた倍率(例えば、100倍)が乗じられてもよい。係数Pは、複数のゴム部材3毎に特定され、コンピュータ1(図1に示す)に記憶される。
[オーバー加硫指数を求める]
次に、この実施形態の第1指標計算工程S1では、コンピュータ1(図1に示す)が、等価加硫量ECUを用いて、オーバー加硫指数OVを求める(工程S14)。工程S14では、図3に示した複数のゴム部材3毎に、工程S14で取得された等価加硫指数ECUと、必要等価加硫量ECUnecessary、及び、過加硫に伴う物性への悪影響の度合いを示す係数Pが、上記式(2)に代入される。これにより、複数のゴム部材3毎に、オーバー加硫指数OVが求められる。オーバー加硫指数OVは、第1指標として、コンピュータ1に入力される。
[第1指標を出力(第2実施形態)]
次に、この実施形態の第1指標を出力する工程S2では、複数のゴム部材3毎に、第1指標として、オーバー加硫指数OVがそれぞれ出力される。この実施形態では、これまでの実施形態と同様に、複数のゴム部材3の第1指標の分布図が出力される。図14は、本開示の他の実施形態の第1指標の分布図である。
図14に示されるように、この実施形態の分布図は、加硫ゴム製品2Gを構成する複数のゴム部材3毎に、第1指標(本例では、オーバー加硫指数OV)の大きさが色の濃淡で表示されるコンター図として構成されている。図14では、第1指標が大きいほど、淡く表示されている。
上述したように、オーバー加硫指数OVは、過加硫に伴う物性への悪影響の大きさを考慮して、過加硫に伴う物性の悪化を特定するためのものである。このオーバー加硫指数OVの値が大きいほど、過加硫に伴って、物性の悪化が進んでいることを示している。したがって、このような分布図では、第1指標として等価加硫量ECUが表示される分布図(図9に示す)に比べて、過加硫に伴う各ゴム部材3の物性の悪化など(加硫状態)を、一見して確認することが可能となる。
[第1指標を評価(第2実施形態)]
次に、この実施形態の加硫状態の評価する工程S3では、図14に示した複数のゴム部材3毎に、オーバー加硫指数OVと、予め定められた閾値とが比較される。そして、オーバー加硫指数OVが閾値以下である場合に、複数のゴム部材3の加硫状態が良好であると判断している。閾値は、適宜設定することができ、例えば、各ゴム部材3の過加硫に伴う物性への悪影響の度合い等に基づいて、それぞれ特定される。
このように、この実施形態の解析方法では、これまでの実施形態と同様に、図14に示した複数のゴム部材3毎に出力された第1指標に基づいて加硫状態を確認することができる。さらに、この実施形態では、過加硫に伴う各ゴム部材3の物性の悪化を考慮して、ゴム部材3の配合や、加硫条件を変更することができる。これにより、この実施形態の解析方法では、複数のゴム部材3を良好な状態で加硫した加硫ゴム製品2Gを、設計及び製造することが可能となる。
[加硫ゴム製品の解析方法(第3実施形態)]
これまでの実施形態では、複数のゴム部材3毎に出力された第1指標(図9及び図14に示す)に基づいて、加硫ゴム製品2Gの加硫状態が評価されたが、このような態様に限定されない。例えば、第1指標に基づいて、加硫ゴム製品2G(図2に示す)の性能が予測されてもよい。
予測される性能は、加硫ゴム製品2Gに応じて、適宜設定することができる。この実施形態の加硫ゴム製品2Gは、タイヤ2であるため、タイヤ2の性能(例えば、タイヤ2の縦バネ定数、横バネ定数、転がり抵抗性能及び接地形状の少なくとも1つ)が予測される。この実施形態では、転がり抵抗性能が予測される。
第1指標に基づく加硫ゴム製品2Gの性能の予測は、適宜実施することができる。上述したように、第1指標は、図3に示した各ゴム部材3の加硫状態を示している。この加硫状態(第1指標)は、各ゴム部材3の物性と相関関係にある。さらに、複数のゴム部材3の第1指標から特定される加硫ゴム製品2G(図3に示す)の全体としての第1指標は、加硫ゴム製品2G(図2に示す)の性能と相関関係にある。したがって、第1指標に基づいて、加硫ゴム製品2Gの性能を予測しうる。
開示者らは、鋭意研究を重ねた結果、基準の加硫ゴム製品2G(図示省略)と、評価対象の加硫ゴム製品2Gとの間の第1指標の変化量と、基準の加硫ゴム製品2Gと、評価対象の加硫ゴム製品2Gとの間の性能の変化量との間に、相関があることを知見した。なお、基準の加硫ゴム製品2Gは、評価対象の加硫ゴム製品2Gとは異なる(例えば、複数のゴム部材3の配合や構造等が異なる)ものであれば、適宜選択されうる。
さらに、第1指標の変化量は、基準の加硫ゴム製品2Gに対する評価対象の加硫ゴム製品2Gの性能の差分であることを見出した。さらに、その性能の差分(第1指標の変化量)を、基準の加硫ゴム製品2Gの性能に足し合わせることで、評価対象の加硫ゴム製品2Gの性能を求めうることを見出した。
この実施形態では、基準の加硫ゴム製品2Gの第1指標と、評価対象の加硫ゴム製品2Gの第1指標との変化量に基づいて、基準の加硫ゴム製品2Gの性能と、評価対象の加硫ゴム製品2Gの性能との変化量が求められる。図15は、本開示の他の実施形態の加硫ゴム製品の解析方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
[基準の加硫ゴム製品の第1指標を取得]
この実施形態の解析方法では、先ず、コンピュータ1(図1に示す)が、基準となる予め定められた加硫ゴム製品2G(図示省略)の第1指標を取得する(工程S6)。この実施形態の工程S6では、先ず、基準の加硫ゴム製品2Gを構成する複数のゴム部材3毎に、第1指標が計算される。複数のゴム部材3の第1指標の計算は、これまでの実施形態の第1指標計算工程S1(図5及び図11に示す)と同一の手順に基づいて実施される。
次に、この実施形態の工程S6では、複数のゴム部材3毎に求められた第1指標に基づいて、基準の加硫ゴム製品2Gの第1指標が計算される。この実施形態の工程S6では、複数のゴム部材3の第1指標を平均することで、基準の加硫ゴム製品2Gの第1指標が求められる。
複数のゴム部材3の第1指標の平均計算は、各ゴム部材3の加硫ゴム製品2Gの性能への影響度を考慮した加重平均であってもよい。基準の加硫ゴム製品2Gの第1指標は、コンピュータ1(図1に示す)に記憶される。
[基準の加硫ゴム製品の性能を取得]
次に、この実施形態の解析方法では、コンピュータ1(図1に示す)が、基準の加硫ゴム製品2G(図示省略)の性能を取得する(工程S7)。性能は、例えば、公知の手順に基づいて、適宜取得することができる。例えば、基準の加硫ゴム製品2G(本例では、タイヤ)を実際に用いた試験を実施して、性能(本例では、転がり抵抗性能)取得してもよいし、コンピュータ1を用いたシミュレーションを実施して、性能が取得されてよい。
この実施形態の工程S7では、基準のタイヤ2をモデリングしたタイヤモデル(図示省略)と、路面をモデリングした路面モデル(図示省略)とを用いたシミュレーションを実施して、転がり抵抗性能が取得される。このようなシミュレーションは、例えば、特許文献(特開2016-051391号公報)に記載の手順に基づいて実施することができる。なお、タイヤモデルを構成する複数のゴム部材モデルには、基準の加硫ゴム製品(タイヤ)を構成する複数のゴム部材3の物性等が定義されるのが望ましい。これにより、基準のタイヤの転がり抵抗性能を、精度良く取得することができる。基準の加硫ゴム製品2Gの性能は、コンピュータ1(図1に示す)に記憶される。
[評価対象の加硫ゴム製品の第1指標を取得]
次に、この実施形態の解析方法では、コンピュータ1(図1に示す)が、評価対象の加硫ゴム製品2G(図3に示す)の第1指標を取得する(工程S8)。この実施形態の工程S8では、第1指標計算工程S1(図5及び図11に示す)において、評価対象の加硫ゴム製品2Gを構成する複数のゴム部材3毎に取得された第1指標(図9及び図14に示す)が用いられる。
本実施形態の工程S8では、図3に示した複数のゴム部材3の第1指標を平均することで、評価対象の加硫ゴム製品2Gの第1指標が取得される。なお、複数のゴム部材3の第1指標の平均計算は、各ゴム部材3の加硫ゴム製品2Gの性能への影響度を考慮した加重平均であってもよい。評価対象の加硫ゴム製品2Gの第1指標は、コンピュータ1(図1に示す)に記憶される。
[第1指標の変化量を取得]
次に、この実施形態の解析方法では、コンピュータ1(図1に示す)が、基準の加硫ゴム製品2G(図示省略)の第1指標と、評価対象の加硫ゴム製品2G(図3に示す)の第1指標との間の変化量を取得する(工程S9)。この実施形態の工程S9では、評価対象の加硫ゴム製品2Gの第1指標(本例では、複数のゴム部材3の第1指標の平均値)から、基準の加硫ゴム製品2Gの第1指標(本例では、複数のゴム部材3の第1指標の平均値)が減じられる。これにより、基準の加硫ゴム製品2Gに対する評価対象の加硫ゴム製品2Gの第1指標の変化量が求められる。第1指標の変化量は、コンピュータ1に記憶される。
[評価対象の加硫ゴム製品の性能を取得]
次に、この実施形態の解析方法では、コンピュータ1(図1に示す)が、評価対象の加硫ゴム製品2G(図2に示す)の性能を取得する(工程S10)。上述したように、第1指標の変化量は、基準の加硫ゴム製品2G(図示省略)に対する評価対象の加硫ゴム製品2Gの性能の差分を示している。このため、この実施形態の工程S10では、工程S9で取得した第1指標の変化量が、工程S7で取得した基準の加硫ゴム製品2Gの性能に足し合わせることにより、評価対象の加硫ゴム製品2Gの性能(本例では、転がり抵抗性能)が求められる。
このように、この実施形態の解析方法では、評価対象の加硫ゴム製品2G(図2に示す)の性能を求めるために、基準の加硫ゴム製品2Gの性能を取得する工程S7のような試験やシミュレーションを実施する必要がない。したがって、この実施形態の解析方法では、評価対象の加硫ゴム製品2Gの性能が、短時間で計算されうる。評価対象の加硫ゴム製品2Gの性能は、コンピュータ1(図1に示す)に記憶される。
[加硫ゴム製品の性能を評価]
次に、この実施形態の解析方法では、評価対象の加硫ゴム製品2Gの性能が、良好か否かが評価される(工程S31)。評価は、コンピュータ1(図1に示す)によって行われてもよいし、オペレータによって行われてもよい。
この実施形態では、評価対象の加硫ゴム製品2Gの性能(本例では、転がり抵抗性能)が、予め定められた閾値以下である場合に、評価対象の加硫ゴム製品2Gの性能が良好であると判断されている。閾値は、加硫ゴム製品2G(本例では、タイヤ2)に求められる性能に応じて、適宜設定される。
工程S31において、評価対象の加硫ゴム製品2Gの性能が良好であると判断された場合(工程S31で「Yes」)、加硫ゴム製品2Gが製造される(工程S4)。この加硫ゴム製品2Gの製造には、例えば、評価対象の加硫ゴム製品2Gを構成する複数のゴム部材3の配合、加硫条件及び加硫ゴム製品2Gの設計因子等が用いられる。加硫条件には、例えば、温度条件及び加硫時間等が含まれる。
一方、工程S31において、評価対象の加硫ゴム製品2Gの性能が良好でないと判断された場合(工程S31で「No」)、評価対象の加硫ゴム製品2Gを構成するゴム部材3の配合、加硫条件及び設計因子等が変更される(工程S5)。そして、第1指標計算工程S1~工程S31が再度実施される。
このように、この実施形態の解析方法では、複数のゴム部材3の第1指標に基づいて、評価対象の加硫ゴム製品2Gの性能を予測して、その性能を評価することができる。したがって、この実施形態の解析方法では、所望の性能を有する加硫ゴム製品2Gを、設計及び製造することができる。
さらに、この実施形態の解析方法では、工程S3で加硫状態が良好と判断された加硫ゴム製品2Gを対象に、加硫ゴム製品2Gの性能が評価されている。このため、所望の性能を有する加硫ゴム製品2Gを、短時間かつ確実に設計及び製造することが可能となる。
[加硫ゴム製品の設計方法(第1実施形態)]
これまでの実施形態の解析方法で取得される第1指標は、加硫ゴム製品の設計方法(以下、単に「設計方法」ということがある。)に用いられてもよい。本実施形態の設計方法では、配合が異なる複数のゴム部材3を含む加硫ゴム製品2G(図2に示す)が設計される。加硫ゴム製品2Gの設計には、コンピュータ1(図1に示す)が用いられる。
本実施形態の設計方法では、これまでの実施形態の解析方法で取得される第1指標を目的関数とし、必要等価加硫量ECUnecessary及び係数Pを設計因子として、目的関数を最適化する設計因子の最適解が求められる。そして、その最適解に基づいて、複数のゴム部材3(図3に示す)の配合がそれぞれ決定される。
設計因子の最適解は、コンピュータ1を用いた最適化アルゴリズムに基づいて求められる。最適化アルゴリズムは、一定の制約条件のもとで、任意の目的関数を満足する最適な設計因子(例えば、上記パラメータ)を決定するためのものである。最適化アルゴリズムの一例としては、遺伝的アルゴリズム(GA(Genetic Algorithm))、及び、粒子群最適化(PSO(Particle Swarm Optimization))等が挙げられる。このような最適化アルゴリズムは、局所解に陥るのを防ぎつつ、広域最適解を探すのに適している。本実施形態の計算方法では、計算時間が比較的短い粒子群最適化(PSO)が採用されるが、遺伝子的アルゴリズム(GA)等が採用されてもよい。
粒子群最適化(PSO)では、複数の初期の条件(第1世代)を作成し、各条件の目的関数をそれぞれ求め、最も好ましい目的関数に近づくように各条件を更新(世代交代)することで最適化が行われる。各条件の更新には、乱数が用いられることにより、最適な条件が広域的に探索される。粒子群最適化(PSO)の詳細は、例えば、IEICE FundamentalsReview(電子情報通信学会) Vol.5 No.2、2011年8月「粒子群最適化と非線形システム」等の様々な文献等に記載されている。
[制約条件を入力]
図16は、本実施形態の加硫ゴム製品の設計方法の処理手順を示すフローチャートである。本実施形態の設計方法では、先ず、コンピュータ1(図1に示す)に、予め定めされた制約条件が入力される(工程S41)。制約条件は、加硫ゴム製品2G(図2に示す)を製造する上で、必ず満たすべき条件(設計基準)である。本実施形態の制約条件には、図3に示した複数のゴム部材3毎に、必要等価加硫量ECUnecessaryの範囲、及び、過加硫に伴う物性への悪影響の度合いを示す係数Pの範囲が含まれる。このような制約条件は、例えば、複数のゴム部材3の配合の仕様等に応じて、適宜設定される。制約条件は、コンピュータ1に記憶される。
[設計因子の初期値を入力]
次に、本実施形態の設計方法では、コンピュータ1(図1に示す)に、図3に示した複数のゴム部材3毎に、設計因子の初期値(第1世代の設計因子)が入力される(工程S42)。設計因子の初期値は、第1指標の計算に用いられる。
本実施形態の設計因子の初期値には、図3に示した複数のゴム部材3毎に、必要等価加硫量ECUnecessary、及び、過加硫に伴う物性への悪影響の度合いを示す係数Pが入力される。これらの必要等価加硫量ECUnecessary及び係数Pは、それぞれの制約条件の範囲内で決定される。
本実施形態では、複数のゴム部材3毎に決定された設計因子の集合体が、複数設定される。1つの集合体は、1つの加硫ゴム製品2Gの設計因子を構成している。これらの集合体は、設計因子の少なくとも一つが互いに異なっている。これにより、複数種類の加硫ゴム製品2Gの設計因子が取得されうる。設計因子の初期値は、コンピュータ1(図1に示す)に記憶される。
[第1指標を取得]
次に、本実施形態の設計方法では、コンピュータ1(図1に示す)が、複数のゴム部材3毎に、第1指標を取得する(工程S43)。第1指標は、これまでの実施形態の解析方法の処理手順(図5及び図11に示した第1指標計算工程S1)に基づいて取得されうる。
本実施形態の工程S43では、先ず、温度データ取得工程S11の処理手順(図6に示す)に基づいて、図3に示した複数のゴム部材3毎に、時系列の温度データが取得される。本実施形態では、予め定められた一つの加硫条件に基づいて、複数のゴム部材3毎に、一つの時系列の温度データが取得されている。
次に、本実施形態の工程S43では、時系列の温度データと上記式(1)とに基づいて、図3に示した複数のゴム部材3毎に、等価加硫量ECUが計算される。そして、工程S43では、上記式(2)に、等価加硫量ECUと、工程S42での設計因子の初期値(複数のゴム部材3毎の必要等価加硫量ECUnecessary及び係数P)が代入されることで、複数のゴム部材3毎に、オーバー加硫指数OVが取得される。
上述したように、本実施形態の工程S42では、複数種類の加硫ゴム製品2Gの設計因子(本例では、複数のゴム部材3毎の必要等価加硫量ECUnecessary及び係数P)が取得されている。このため、これらの設計因子が上記式(2)に代入されることで、複数種類の加硫ゴム製品2Gにおいて、複数のゴム部材3毎のオーバー加硫指数OVがそれぞれ取得される。
本実施形態では、複数のゴム部材3毎のオーバー加硫指数OVが、第1指標としてそれぞれ取得される。第1指標は、コンピュータ1に記憶される。
[目的関数を判断]
次に、本実施形態の設計方法では、コンピュータ1が、目的関数を満足しているか否かを判断する(工程S44)。本実施形態の目的関数には、第1指標が設定される。
本実施形態の工程S44では、先ず、複数種類の加硫ゴム製品2Gのうち、全てのゴム部材3の第1指標の平均値(すなわち、各加硫ゴム製品2Gの第1指標)が最も良好な加硫ゴム製品2Gが選択される。そして、選択された加硫ゴム製品2Gについて、複数のゴム部材3の第1指標が、予め定められた閾値以下である場合に、目的関数を満足していると判断される。閾値は、例えば、各ゴム部材3の過加硫に伴う物性への悪影響の度合い等に基づいて、それぞれ特定される。
そして、目的関数を満足していると判断された場合(工程S44で「Yes」)、選択された加硫ゴム製品2Gを構成する複数のゴム部材3の設計因子(必要等価加硫量ECUnecessary及び係数P)が、設計因子の最適解として決定される(工程S45)。一方、目的関数を満足していないと判断された場合(工程S44において、「No」)、最適化アルゴリズムに基づいて、設計因子が更新され(工程S46)、工程S41~工程S44が再度実施される。
[設計因子を更新]
次に、本実施形態の設計方法では、コンピュータ1(図1に示す)が、最適化アルゴリズムに基づいて、図3に示した複数のゴム部材3毎に、設計因子を更新する(工程S46)。本実施形態の工程S46では、例えば、複数種類の加硫ゴム製品2Gのうち、工程S44で選択された(すなわち、目的関数が最も良好な)加硫ゴム製品2Gを除いて、その他の加硫ゴム製品2Gを構成する複数のゴム部材3の設計因子が更新(世代交代)される。このような設計因子の更新(世代交代)は、粒子群最適化(PSO)に基づいて、上記論文等を参考に適宜実施することができる。更新された設計因子は、コンピュータ1(図1に示す)に記憶される。
設計因子が更新された後は、目的関数が最も良好な加硫ゴム製品2Gの設計因子と、その他の加硫ゴム製品2Gの更新された設計因子とに基づいて、工程S43~工程S44が再度実施される。したがって、本実施形態の設計方法では、目的関数を満足する加硫ゴム製品2Gの設計因子の最適解(本例では、必要等価加硫量ECUnecessary及び係数P)を、確実に求めることができる。
[配合を決定]
次に、本実施形態の設計方法では、コンピュータ1(図1に示す)が、設計因子の最適解に基づいて、図3に示した複数のゴム部材3の配合をそれぞれ決定する(工程S47)。本実施形態の工程S47では、最適解として決定された必要等価加硫量ECUnecessary及び係数Pに基づいて、理想の加硫状態となるように、複数のゴム部材3の配合がそれぞれ調節される。調整される配合は、例えば、ゴム部材3を構成するポリマー、フィラー、オイル、加硫剤、加硫促進剤及び加硫遅延剤などである。配合の調整は、例えば、複数のゴム部材3のうち、オーバー加硫指数OVが大きいゴム部材3について、過加硫に伴う物性への悪影響の度合いを示す係数Pが小さくなる配合や、加硫反応が遅くなる配合に変更される。一方、等価加硫量ECUが必要等価加硫量ECUnecessaryに達するのが遅いゴム部材3については、例えば、加硫反応速度が速まる配合に変更される。これにより、本実施形態の設計方法では、全てのゴム部材3の加硫状態が良好な加硫ゴム製品2Gを確実に設計及び製造することが可能となる。
[加硫ゴム製品の設計方法(第2実施形態)]
これまでの実施形態の設計方法では、必要等価加硫量ECUnecessary及び係数Pの設計因子の最適解を求めて、複数のゴム部材3の配合が決定されたが、このような態様に限定されない。例えば、複数のゴム部材3の寸法及び加硫条件を設計因子として、これらの設計因子の最適解から、加硫ゴム製品2Gが設計されてもよい。図17は、本開示の他の実施形態の加硫ゴム製品の設計方法の処理手順を示すフローチャートである。
[制約条件を入力(第2実施形態)]
この実施形態の制約条件を入力する工程S41では、制約条件として、例えば、複数のゴム部材3の寸法の範囲、及び、加硫条件(例えば、温度条件及び加硫時間)の範囲が設定される。このような制約条件は、例えば、加硫ゴム製品2Gの規格や、金型11を含む加硫設備等の仕様等に応じて、適宜設定される。制約条件は、コンピュータ1(図1に示す)に記憶される。
[設計因子の初期値を入力]
この実施形態の設計因子の初期値を入力する工程S42では、設計因子の初期値(第1世代の設計因子)として、図3に示した複数のゴム部材3の寸法、及び、加硫条件(例えば、温度条件及び加硫時間)が入力される。これらの寸法及び加硫条件は、制約条件の範囲内で決定される。
この実施形態では、複数のゴム部材3の寸法及び加硫条件の集合体が、複数設定される。一つの集合体は、1つの加硫ゴム製品2Gの設計因子を構成している。これらの集合体は、設計因子の少なくとも一つが互いに異なっている。これにより、複数種類の加硫ゴム製品2Gの設計因子が取得されうる。設計因子の初期値は、コンピュータ1に記憶される。
[第1指標を取得]
次に、この実施形態の第1指標を取得する工程S43では、これまでの実施形態の解析方法(図5及び図11に示した第1指標計算工程S1)に基づいて、複数のゴム部材3毎に、第1指標が取得されうる。
この実施形態の工程S43では、先ず、温度データ取得工程S11の処理手順(図6に示す)に基づいて、図3に示した複数のゴム部材3毎に、時系列の温度データが取得される。この実施形態では、設計因子として決定された複数のゴム部材3の寸法及び加硫条件に基づいて、複数種類の加硫ゴム製品2G毎(設計因子の集合体毎)に、複数のゴム部材3の時系列の温度データがそれぞれ取得される。
次に、この実施形態の工程S43では、時系列の温度データと上記式(1)とに基づいて、図3に示した複数のゴム部材3に、等価加硫量ECUが計算される。そして、工程S43では、上記式(2)に、等価加硫量ECU、必要等価加硫量ECUnecessary及び係数Pが代入されることにより、複数のゴム部材3毎に、オーバー加硫指数OVが取得される。
この実施形態の必要等価加硫量ECUnecessary及び係数Pは、複数のゴム部材3毎に、一つずつ決定されており、複数種類の加硫ゴム製品2Gにおいて、共通のものが用いられている。一方、この実施形態では、複数種類の加硫ゴム製品2G毎(設計因子の集合体毎)に、複数のゴム部材3の時系列の温度データが取得されている。これらの温度データに基づいて、複数の加硫ゴム製品2G毎に、等価加硫量ECU及びオーバー加硫指数OV(第1指標)が取得される。
この実施形態では、複数のゴム部材3毎のオーバー加硫指数OVが、第1指標として取得される。第1指標は、コンピュータ1に記憶される。
[目的関数を判断(第2実施形態)]
この実施形態の判断する工程S44では、これまでの実施形態と同様に、先ず、複数種類の加硫ゴム製品2Gのうち、全てのゴム部材3の第1指標の平均値(すなわち、各加硫ゴム製品2Gの第1指標)が最も良好な加硫ゴム製品2Gが選択される。そして、選択された加硫ゴム製品2Gについて、複数のゴム部材3の第1指標が、予め定められた閾値以下である場合に、目的関数を満足していると判断される。
工程S44において、目的関数を満足していると判断された場合(工程S44で「Yes」)、選択された加硫ゴム製品2Gを構成する複数のゴム部材3の設計因子(本例では、寸法及び加硫条件)が、設計因子の最適解として決定される(工程S45)。一方、目的関数を満足していないと判断された場合(工程S44において、「No」)、最適化アルゴリズムに基づいて、設計因子が更新され(工程S46)、工程S41~工程S44が再度実施される。設計因子の更新手順は、これまでの実施形態と同様の手順に基づいて行われる。
[加硫ゴム製品を設計]
次に、この実施形態の設計方法では、コンピュータ1(図1に示す)が、設計因子の最適解に基づいて、加硫ゴム製品を設計する(工程S48)。この実施形態では、最適解として決定された複数のゴム部材3の寸法及び加硫条件に基づいて、金型11の寸法や、金型11の加熱手段(図示省略)が設計される。これにより、この実施形態の設計方法では、全てのゴム部材3の加硫状態が良好な加硫ゴム製品2Gを、確実に設計及び製造することが可能となる。
以上、本開示の特に好ましい実施形態について詳述したが、本開示は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
[実施例A]
図4に示した処理手順に基づいて、配合が異なる複数のゴム部材を含む加硫ゴム製品が解析された(実施例1及び実施例2)。加硫ゴム製品には、図2に示したタイヤが用いられた。複数のゴム部材には、トレッドゴム、サイドウォールゴム、クリンチゴム、ビードエーペックスゴム及びインナーライナーゴムが含まれる。
実施例1及び実施例2では、先ず、複数のゴム部材毎に、加硫ゴム製品の加硫中に受ける等価加硫量ECU又はそれを用いた指標である第1指標を計算する第1指標計算工程が実施された。
実施例1では、図5に示した処理手順に基づいて、複数のゴム部材の等価加硫量が、第1指標として求められた。一方、実施例2では、図11に示した処理手順に基づいて、複数のゴム部材のオーバー加硫指数が、第1指標として求められた。
そして、実施例1及び実施例2では、複数のゴム部材の第1指標(等価加硫量)の分布図が、それぞれ出力された。図9には、実施例1の第1指標(オーバー加硫指数)の分布図が示されている。図14には、実施例2の第1指標の分布図が示されている。
テストの結果、実施例1及び実施例2では、複数のゴム部材毎に出力された第1指標に基づいて、複数のゴム部材毎に、加硫状態を確認することができた。また、実施例2では、第1指標としてオーバー加硫指数が出力されているため、第1指標として等価加硫量が出力された実施例1に比べて、過加硫に伴う各ゴム部材3の物性の悪化を一見して確認することができた。
[実施例B]
図15に示した処理手順に基づいて、複数種類の加硫ゴム製品の性能が予測された(実施例3)。複数種類の加硫ゴム製品は、それらを構成する複数のゴム部材のうち、少なくとも1つのゴム部材の配合が異なっている。加硫ゴム製品はタイヤであり、予測される性能は、転がり抵抗性能である。
実施例3では、先ず、複数種類の加硫ゴム製品とは異なる予め定められた基準の加硫ゴム製品が作成された。次に、実施例3では、基準の加硫ゴム製品の第1指標及び性能が取得(実測)された。第1指標には、基準の加硫ゴム製品を構成している複数のゴム部材の第1指標(オーバー加硫指数)の平均値が求められた。
次に、実施例3では、複数種類の加硫ゴム製品の第1指標それぞれが取得された。第1指標は、各加硫ゴム製品を構成している複数のゴム部材の第1指標(オーバー加硫指数)の平均値が求められた。
次に、そして、複数種類の加硫ゴム製品の第1指標について、基準の加硫ゴム製品の第1指標との変化量(差の絶対値)が取得された。さらに、複数種類の加硫ゴム製品の第1指標の変化量が、基準の加硫ゴム製品の性能に加算されることにより、複数種類の加硫ゴム製品の性能が予測された。
比較のために、基準の加硫ゴム製品と同様の手順に基づいて、複数種類の加硫ゴム製品の性能が実測された(実験例)。そして、複数種類の加硫ゴム製品について、実測した性能と、基準の加硫ゴム製品の性能との変化量(差の絶対値)が求められた。
図18は、複数種類の加硫ゴム製品について、第1指標の変化量(差の絶対値)と、実測した性能の変化量(差の絶対値)との関係を示すグラフである。図18に示されるように、実施例3では、基準の加硫ゴム製品と複数種類の加硫ゴム製品との間の第1指標の変化量と、実測した性能の変化量との間に相関関係があることが確認できた。
実施例3では、基準の加硫ゴム製品の性能と、複数種類の加硫ゴム製品の予測した性能との変化量(差の絶対値)が求められた。図19は、複数種類の加硫ゴム製品について、予測した性能の変化量と、実測した性能の変化量との関係を示すグラフである。
図19に示されるように、実施例3では、予測した性能と、実測した性能との間に相関関係があることが確認できた。したがって、実施例5では、第1指標に基づいて、加硫ゴム製品の性能を予測することが確認できた。
[付記]
本開示は以下の態様を含む。
[本開示1]
配合が異なる複数のゴム部材を含む加硫ゴム製品を解析するための方法であって、
コンピュータが、前記複数のゴム部材毎に、前記加硫ゴム製品の加硫中に受ける等価加硫量ECU又はそれを用いた指標である第1指標を計算する工程と、
前記コンピュータが、前記複数のゴム部材毎に、前記第1指標を出力する工程とを含む、
加硫ゴム製品の解析方法。
[本開示2]
前記出力する工程は、前記複数のゴム部材の前記第1指標の分布図を出力する、本開示1に記載の加硫ゴム製品の解析方法。
[本開示3]
前記第1指標は、前記複数のゴム部材の前記等価加硫量ECUである、本開示1又は2に記載の加硫ゴム製品の解析方法。
[本開示4]
前記第1指標を計算する工程は、前記複数のゴム部材毎に、過加硫に伴う物性への悪影響の度合いを示す係数Pを、前記コンピュータに入力する工程を含み、
前記第1指標は、下記式で求まるオーバー加硫指数OVである、本開示1又は2に記載の加硫ゴム製品の解析方法。
OV=(ECU-ECUnecessary)/ECUnecessary×P
但し、
ECU :ゴム部材の等価加硫量
ECUnecessary :ゴム部材の必要等価加硫量
P :係数
[本開示5]
前記係数Pを入力する工程は、前記複数のゴム部材毎に、加硫成形中の物性と、加硫時間との関係である第1関係をそれぞれ取得して、前記第1関係を前記コンピュータに入力する工程と、
前記コンピュータが、前記第1関係に基づいて、前記複数のゴム部材毎に、前記必要等価加硫量ECUnecessaryに到達した時点又は前記ゴム部材に最適な等価加硫量に到達した時点である第1時点を特定して、前記第1時点からの前記物性の変化量又は前記物性の変化率をそれぞれ取得する工程と、
前記コンピュータが、前記複数のゴム部材毎に、前記変化量又は前記変化率を、前記係数Pとしてそれぞれ特定する工程とを含む、本開示4に記載の加硫ゴム製品の解析方法。
[本開示6]
前記コンピュータが、前記第1指標に基づいて、前記加硫ゴム製品の性能を予測する工程をさらに含む、本開示1ないし5のいずれかに記載の加硫ゴム製品の解析方法。
[本開示7]
前記加硫ゴム製品は、タイヤであり、
前記性能は、転がり抵抗性能である、本開示1ないし6のいずれかに記載の加硫ゴム製品の解析方法。
[本開示8]
配合が異なる複数のゴム部材を含む加硫ゴム製品を設計するための方法であって、
前記コンピュータが、
本開示1ないし7のいずれかに記載の前記加硫ゴム製品の解析方法に基づいて、前記第1指標を取得する工程と、
前記複数のゴム部材の前記第1指標を目的関数とし、前記複数のゴム部材の加硫に必要とされる等価加硫量である必要等価加硫量ECUnecessary、及び、前記ゴム部材の過加硫に伴う物性への悪影響の度合いを示す係数Pのそれぞれを設計因子として、予め定めされた制約条件の下での最適化アルゴリズムに基づいて、前記目的関数を満足する前記設計因子の少なくとも一つの最適解を求める工程と、
前記最適解に基づいて、前記複数のゴム部材の配合をそれぞれ決定する工程とを実行する、
加硫ゴム製品の設計方法。
[本開示9]
配合が異なる複数のゴム部材を含む加硫ゴム製品を設計するための方法であって、
前記コンピュータが、
本開示1ないし7のいずれかに記載の前記加硫ゴム製品の解析方法に基づいて、前記第1指標を取得する工程と、
前記複数のゴム部材の前記第1指標を目的関数とし、前記複数のゴム部材の寸法及び加硫条件を設計因子として、予め定めされた制約条件の下での最適化アルゴリズムに基づいて、前記目的関数を満足する少なくとも一つの前記設計因子の最適解を求める工程と、
前記最適解に基づいて、前記加硫ゴム製品を設計する工程とを実行する、
加硫ゴム製品の設計方法。
S1 第1指標を計算する工程
S2 第1指標を出力する工程

Claims (9)

  1. 配合が異なる複数のゴム部材を含む加硫ゴム製品を解析するための方法であって、
    コンピュータが、前記複数のゴム部材毎に、前記加硫ゴム製品の加硫中に受ける等価加硫量ECU又はそれを用いた指標である第1指標を計算する工程と、
    前記コンピュータが、前記複数のゴム部材毎に、前記第1指標を出力する工程とを含む、
    加硫ゴム製品の解析方法。
  2. 前記出力する工程は、前記複数のゴム部材の前記第1指標の分布図を出力する、請求項1に記載の加硫ゴム製品の解析方法。
  3. 前記第1指標は、前記複数のゴム部材の前記等価加硫量ECUである、請求項1又は2に記載の加硫ゴム製品の解析方法。
  4. 前記第1指標を計算する工程は、前記複数のゴム部材毎に、過加硫に伴う物性への悪影響の度合いを示す係数Pを、前記コンピュータに入力する工程を含み、
    前記第1指標は、下記式で求まるオーバー加硫指数OVである、請求項1又は2に記載の加硫ゴム製品の解析方法。
    OV=(ECU-ECUnecessary)/ECUnecessary×P
    但し、
    ECU :ゴム部材の等価加硫量
    ECUnecessary :ゴム部材の必要等価加硫量
    P :係数
  5. 前記係数Pを入力する工程は、前記複数のゴム部材毎に、加硫成形中の物性と、加硫時間との関係である第1関係をそれぞれ取得して、前記第1関係を前記コンピュータに入力する工程と、
    前記コンピュータが、前記第1関係に基づいて、前記複数のゴム部材毎に、前記必要等価加硫量ECUnecessaryに到達した時点又は前記ゴム部材に最適な等価加硫量に到達した時点である第1時点を特定して、前記第1時点からの前記物性の変化量又は前記物性の変化率をそれぞれ取得する工程と、
    前記コンピュータが、前記複数のゴム部材毎に、前記変化量又は前記変化率を、前記係数Pとしてそれぞれ特定する工程とを含む、請求項4に記載の加硫ゴム製品の解析方法。
  6. 前記コンピュータが、前記第1指標に基づいて、前記加硫ゴム製品の性能を予測する工程をさらに含む、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の加硫ゴム製品の解析方法。
  7. 前記加硫ゴム製品は、タイヤであり、
    前記性能は、転がり抵抗性能である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の加硫ゴム製品の解析方法。
  8. 配合が異なる複数のゴム部材を含む加硫ゴム製品を設計するための方法であって、
    前記コンピュータが、
    請求項1ないし7のいずれか1項に記載の前記加硫ゴム製品の解析方法に基づいて、前記第1指標を取得する工程と、
    前記複数のゴム部材の前記第1指標を目的関数とし、前記複数のゴム部材の加硫に必要とされる等価加硫量である必要等価加硫量ECUnecessary、及び、前記ゴム部材の過加硫に伴う物性への悪影響の度合いを示す係数Pのそれぞれを設計因子として、予め定めされた制約条件の下での最適化アルゴリズムに基づいて、前記目的関数を満足する前記設計因子の少なくとも一つの最適解を求める工程と、
    前記最適解に基づいて、前記複数のゴム部材の配合をそれぞれ決定する工程とを実行する、
    加硫ゴム製品の設計方法。
  9. 配合が異なる複数のゴム部材を含む加硫ゴム製品を設計するための方法であって、
    前記コンピュータが、
    請求項1ないし7のいずれか1項に記載の前記加硫ゴム製品の解析方法に基づいて、前記第1指標を取得する工程と、
    前記複数のゴム部材の前記第1指標を目的関数とし、前記複数のゴム部材の寸法及び加硫条件を設計因子として、予め定めされた制約条件の下での最適化アルゴリズムに基づいて、前記目的関数を満足する少なくとも一つの前記設計因子の最適解を求める工程と、
    前記最適解に基づいて、前記加硫ゴム製品を設計する工程とを実行する、
    加硫ゴム製品の設計方法。
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