JP5373411B2 - 空気入りタイヤのシミュレーション方法 - Google Patents
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Description
非特許文献1は、60〜70℃の加熱試験によって、タイヤのゴム部材の酸化劣化を予測可能であることを開示している。また、ゴム部材に含まれる酸素濃度分布を2次元的にシミュレーション解析することにより、ゴム部材の劣化に関して熱酸化が支配的であることを示している。
非特許文献2は、機械的負荷および酸化による影響(酸素濃度分布および反応過程)を考慮して、タイヤのゴム部材の劣化挙動を、数値的均質化法(numerical homogenization)を用いて解析するシミュレーション方法を開示している。
(1)空気入りタイヤのゴムに含まれる酸素濃度分布のシミュレーション方法において、
前記タイヤの形状、前記タイヤの内部構造、前記タイヤを構成する部材の材質、および前記タイヤのトレッドパターンを要素として、前記ゴムの酸化による反応項を加えた拡散方程式を用いて、酸素濃度分布のシミュレーションを3次元で行い、
タイヤをタイヤ周方向に所定の長さで切断したカットセクションモデルを用い、前記カットセクションモデルの両方の切断面に周期境界条件を与えることを特徴とするシミュレーション方法。
図1は、本発明のシミュレーション方法に用いる空気入りタイヤの幅方向断面を示す図である。タイヤ1は、1対のビードコア2間でトロイド状に延びるカーカス3を骨格とし、このカーカス3のタイヤ径方向外側に、2層のゴム被覆スチールコードのベルト層4a、4bからなるベルト4およびトレッド5を具える。ベルト層4a、4bは、いわゆる交差層を構成し、各ベルト層のコード相互がタイヤ赤道面CLを挟み異なる方向に配列され、互いに交差するコード配列を有する傾斜ベルト層である。
タイヤ1の内部の空気室10は、内圧がかかっているため、タイヤ外側に比べて空気の濃度が高い。タイヤ1を構成するゴム(トレッドゴム、サイドゴム、ベルト4を被覆するゴム等)は、タイヤ1の内部の空気が抜けにくい材質ではあるが、空気室10を完全に密閉することはできない。それゆえ、図2に示すように、空気20がタイヤ外側に透過する。空気20がゴムを透過する際、空気20はゴム内部で拡散し、空気20に含まれる酸素がゴムを酸化する。
特に、車両の走行中はタイヤの温度が非常に高くなる。それゆえ、タイヤのゴムも高温になることにより、拡散、特に化学反応である酸化は、反応が起こりやすくなる。ゴムの酸化反応が起こると、ゴムが劣化して、タイヤの劣化が早く進行する、あるいは性能が低下するといった問題につながる。
それゆえ、空気室10からタイヤ外部に向かって、酸素濃度が拡散・酸化していく様子を数値シミュレーションによって解析し、酸素濃度分布およびその時間変化を推定することにより、タイヤの劣化(性能)を精度良く評価することができる。
よって、ある時刻tから、時刻t+Δtの間に消費された酸素量Xは、次式(2)によって求めることができる。
タイヤ1の形状とは、具体的には、タイヤ1の偏平比、トレッド幅、リム幅等、タイヤを構成する部材の寸法のことである。特に、タイヤ1の形状を決定するために、タイヤ1の骨格となるカーカス3の形状を考慮する必要がある。
タイヤ1の内部構造とは、カーカス3およびベルト4のコードの太さ、配置角度等のことである。
タイヤ1を構成する部材の材質とは、トレッド、サイド、インナーライナー等のゴムの材質、カーカス3およびベルト4のコードの材質(有機繊維、スチール等)のことである。
タイヤ1のトレッドパターンとは、各溝(周方向溝、幅方向溝、傾斜溝)の幅、深さ、長さ、配置角度等のことである。
陰解法では、時刻t+Δtにおいて、次式(4)を満たすような濃度を、繰り返し計算によって求める。
参考に、陽解法に関して説明する。陽解法では、時刻t+Δtにおける濃度を次式(5)から求める。
均質化法とは、解析領域を微視構造(ミクロ構造)と巨視構造(マクロ構造)に分けて考え、ミクロ構造の挙動や材料物性を求める事によって、マクロ構造の挙動や材料物性を近似的に求める手法のことである。
上述した非特許文献2では、数値的実験手法としての均質化法を用いており、詳細モデルについて酸素濃度の解析を行い、簡易モデルに適当な材料物性を与えて、等価物性が見つかるまで解析を繰り返し行い、詳細モデルに近い結果を出す材料物性を実験により探索している。それゆえ、得られる材料物性は近似値であり、実験による合わせこみを行うため、モデル作成にかかる時間が長いという問題点が存在する。
一方、本発明で用いる均質化法は、数学的手法であって、詳細モデルの材料物性から、等価な簡易モデルの材料物性を計算する。よって、得られる材料物性は数学的に等価な物性であり、等価な材料物性を得られるまでの時間は非特許文献2の手法に比べて短いという利点がある。
具体的には、図3(a)に示す、1本のコード6とゴム部材7とを示す詳細モデルに関して、均質化法を用いてモデル化すると、図3(b)に示す均質な簡易モデルとなる。この簡易モデルは、マクロに見た場合、図3(a)のモデルと等価であり、コード6とゴム部材7の材料物性を具えている。例えば、傾斜ベルト層のようにタイヤ幅方向断面に対してコードが斜めに延在している場合であっても、均質化法によって、解析する要素数を減らすことができるので、複雑なモデルを作成する時間を短縮することが可能となる。
タイヤは、例えば図4に示すように、規則的なトレッドパターンを具えていることが多い。このような場合、1ピッチで切断したカットセクションモデルを用い、両切断面A、Bに周期境界条件を与えることによって、タイヤ全体を解析した場合に比べて、解析に要する時間を大きく短縮することができる。
図5に、解析結果として、タイヤのゴム部材中の酸素濃度分布の概略を示す。解析はタイヤの最も内側の層(インナーライナー)に酸素を透過しやすい材料を用いた場合(ケースA)と、透過しにくい材料を用いた場合(ケースB)の2ケースについて行った。
図5より、ケースAに比べてケースBでは、ゴム部材中の酸素の拡散が抑制されている様子が分かる。よって、本発明により、タイヤのゴム部材中の酸素濃度を精度良くシミュレーションすることが可能であることが分かる。
繊維材料をモデル化する際、均質化法を用いずにモデル化した場合、要素数は2494800個となるが、一方、均質化法を用いてモデル化すると、要素数は37800個となり、要素数を大幅に減少させることができる。さらに、数値的均質化法を用いると、解析ケースは等価な値が求まるまで計算を行うため、3〜10個であるのに対して、本発明の解析的均質化法を用いると、解析ケースは1個である。
次に、周期境界条件を用いたカットセクションモデルによる解析の場合、要素数は884個であるのに対して、フルモデルによる解析の場合、要素数は61880個である。
このように、本発明では要素数の減少が可能であることがわかった。
2 ビードコア
3 カーカス
4 ベルト
4a、4b ベルト層
5 トレッド
6 コード
7 ゴム部材
10 空気室
20 空気
Claims (4)
- 空気入りタイヤのゴムに含まれる酸素濃度分布のシミュレーション方法において、
前記タイヤの形状、前記タイヤの内部構造、前記タイヤを構成する部材の材質、および前記タイヤのトレッドパターンを要素として、前記ゴムの酸化による反応項を加えた拡散方程式を用いて、酸素濃度分布のシミュレーションを3次元で行い、
タイヤをタイヤ周方向に所定の長さで切断したカットセクションモデルを用い、前記カットセクションモデルの両方の切断面に周期境界条件を与えることを特徴とするシミュレーション方法。 - 空間の離散化に有限要素法を用いることを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション方法。
- 時間積分に陰解法を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のシミュレーション方法。
- タイヤに用いられている繊維材料を、均質化法によってモデル化することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシミュレーション方法。
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