JP2023081584A - 床用目地装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】美観を損なうことなく、かつ、地震による揺れ動きを吸収できる床用目地装置を提供すること。【解決手段】一方の躯体と、この一方の躯体に設けられかつ係止杭を有する第1支持部と、他方の躯体と、この他方の躯体に設けられかつ乗り上げ傾斜面を有する第2支持部と、一端部が第1支持部に支持されると共に、他端部が第2支持部に左右方向にスライド移動可能に支持され、目地プレート本体の一端部側に設けられかつ前記係止杭が挿入される1対の杭ケースを有する目地プレートとを備え、前記杭ケースは、上端部に凹部を有する筒状に形成されており、係止杭は、通常状態において、下端部の少なくとも前記他方の躯体側の部位が前記杭ケースに当接するとともに、前記杭ケースの一方の躯体側の側面とは間隙を有し、かつ、上端部が前記杭ケースの凹部に略当接する凸部に形成されている床用目地装置。【選択図】図1

Description

本発明は目地部を介して設けられた躯体の間の目地部を塞ぐ床用目地装置に関する。
従来、目地部を塞ぐ床用目地装置には杭ケースが表面(上面)にあらわれている目地プレートが使用されている。これは、係止杭をボルトで締め付け、その後、蓋をしなければならないため又は、係止杭を目地プレートの上端部ぎりぎりの位置で、かつ、杭ケースの一方の躯体側の壁面に略当接するように設けているためである。後者の場合、地震時に目地部が狭くなった際に、係止杭の上端部(杭ケースの壁面と略当接している部位)を支点に目地プレートを回動させることができるため、通常時において一方の躯体の床面と目地プレートの間の隙間を最小にし、かつ、地震による揺れ動きが終了した場合に、確実に原点に復帰させることができるものである。しかし、このような目地プレートを用いた場合、機能面では問題ないものの、化粧板を設けても杭ケースが表面にあらわれることにより美観が損なわれていた。杭ケースが表面にあらわれない目地プレートを用いた床用目地装置としては、例えば「前後方向に勾配のある目地部を介して設けられた左右の床躯体の一方の目地部側の床躯体に形成された、反目地部側が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部と、この目地プレートスライド支持凹部と対向する前記左右の床躯体の他方の目地部側の床躯体に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部に後端部が支持され、先端部が前記目地プレートスライド支持凹部に支持されて目地部を覆う両端部を除く底面が、該目地プレートスライド支持凹部の目地部側端部と接触するのを防止できる凹部が形成された、並列配置された複数個の目地プレートと、この複数個の目地プレートのそれぞれの後端部を、該複数個の目地プレートの先端部の上下方向の回動が可能で、かつ地震で前記左右の床躯体が異なる前後方向に揺れ動いた場合に、他方の床躯体と同方向に移動できるように取付ける目地プレート取付具とからなることを特徴とする勾配のある目地部の床用目地装置」が知られている(特許文献1)。
このような床用目地装置では、目地プレートの表面に杭ケースがあらわれないものの、杭ケースが下方へ突出し、係止杭の上端部も目地プレートの底部付近に位置するため、目地プレートの他端部がせり上がる際に、回動の支点(係止杭の上端部付近)が通常の目地プレートよりも下方に位置するため、目地プレートの一端部と躯体との間に大きな隙間を形成しなければならない又は目地プレートの一方の躯体側の側面に隙間を確保するような傾斜面を形成する必要があった。
また、目地プレートの一端部側の上端部を支点に回動できるように係止杭を設置した場合、地震によって目地プレートの他端部が上方にせり上がり、通常状態に戻る際に目地プレートと一方の躯体との間に大きな隙間が生じてしまうおそれがあった。
特開2018-193714号公報
本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、美観を損なうことなく、かつ、地震による揺れ動きを吸収できる床用目地装置を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の床用目地装置は、一方の躯体と、この一方の躯体に設けられかつ係止杭を有する第1支持部と、他方の躯体と、この他方の躯体に設けられかつ乗り上げ傾斜面を有する第2支持部と、一端部が第1支持部に支持されると共に、他端部が第2支持部に左右方向にスライド移動可能に支持され、前記係止杭が挿入される1対の杭ケースを一端部側に有する目地プレートとで構成され、前記目地プレートは、浅皿状の目地プレート本体と、前記目地プレート本体の一端部側に設けられかつ前記係止杭が挿入される1対の杭ケースと、前記目地プレート本体に充填された充填部材と、前記杭ケースの上部及び前記充填部材の上部を覆うように設けられた化粧板とで構成され、前記杭ケースは、上端部に凹部を有する筒状に形成されており、係止杭は、通常状態において、少なくとも前記他方の躯体側の部位の一部が前記杭ケースに略当接するとともに、前記杭ケースの一方の躯体側の側面とは間隙を有し、かつ、上端部が前記杭ケースの凹部に略当接する凸部に形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の床用目地装置の前記係止杭は、前記一方の躯体側の側面の下部側が他方の躯体側に後退するように形成されていることを特徴とする。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1に記載の発明においては、他方の躯体側の側面に傾斜面が形成された位置決め片を一方の躯体に設けられた位置決め部に挿入することにより、目地プレートの一端部側の上端部を支点に目地プレートの他端部側を回動させた場合であっても、通常状態に復帰した際に位置決め部と位置決め片によって確実に原点(地震前の位置)に復帰することができ、一方の躯体との間に大きな隙間が生じることを防止できる。
したがって、係止杭の上端部を回動の支点とする必要がなく、杭ケースが表面にあらわれないよう構成することができ、美観を向上させることができる。
(2)請求項2に記載の発明においても、前記(1)と同様の作用効果を得られるとともに、係止杭の一方の躯体側の側面の下部が他方の躯体側に後退するように形成することで、確実に杭ケースの一方の躯体側の側面との間に間隙を形成することができる。
したがって、よりスムーズに目地プレートの他端部側を回動させることができ、かつ、確実に原点に復帰させることができる。
図1乃至図7は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図8乃至図10は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図11乃至図13は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
第1の実施形態の床用目地装置の平面図。 図1の2-2線に沿う断面図。 係止杭の説明図。 目地プレートの斜視図。 図4の5-5線に沿う断面図。 地震で目地部が狭くなった状態の説明図。 地震で目地部が広くなった状態の説明図。 第2の実施形態の床用目地装置の平面図。 図8の9-9線に沿う断面図。 係止杭の説明図。 第3の実施形態の床用目地装置の平面図。 図11の12-12線に沿う断面図。 係止杭の説明図。
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1乃至図7に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して左右に設けられた一方の躯体3と他方の躯体4間に設置される床用目地装置である。
なお、左右方向とは図1における左右方向であり、前後方向とは図1における上下方向をいい、上下方向とは図2における上下方向をいう。
また、本発明において躯体とは、建物、道路、スラブ、エレベーターシャフト等の目地プレートを設置可能な建造物をいい、出入口とはドアや扉の設けられた出入口だけではなく、人や車両等が通行できる通路も含むものである。
この床用目地装置1は、例えば図1及び図2に示すように、一方の躯体3に設けられた第1支持部(第1の目地プレート支持部ともいう)5と、第1の目地プレート支持部5に設けられた係止杭6と、他方の躯体4に設けられた第2支持部(第2の目地プレート支持部ともいう)7と、前記第2支持部7に形成された乗り上げ傾斜面8と、一端部が前記第1支持部5に支持され、他端部が前記第2支持部7に左右方向にスライド移動可能に支持され、前記係止杭が挿入される1対の杭ケース9を一端部側に有する目地プレート10とで構成されている。
一方の躯体3には、目地部2側の床面に前後方向に延在する凹所状の第1の目地プレート支持部5が形成されている。この第1の目地プレート支持部5には、目地プレート10の杭ケース9に挿入される係止杭6が設けられている。係止杭6は、第1の目地プレート支持部5にビス等で設けられた金属板(図示せず)等に溶接されて設けられている。
係止杭6は、本実施形態では、図3に示すように、正面視において例えば略五角形状(略ホームベース型)で、上端部に頂点状の角部に形成された凸部11を有しており、目地プレート10が設置され杭ケース9に挿入された際に、この凸部11が通常状態(図1の状態)において後述する杭ケース9の凹部12に略当接するよう形成されている。このような形状・寸法に凸部11と凹部12形成することにより、左右方向の位置決めをすることができる。具体的には、凸部11を形成する傾斜面と杭ケース9の凹部12を形成する傾斜面が当接すると、これらの傾斜面がガイドとなり、目地プレート10の自重によって凸部11と凹部12が略当接状態となり、目地プレート10左右方向の位置決めがされ、目地プレート10は固定されないが左右方向に移動しない状態となる。
また、この状態においてこの係止杭6の少なくとも他方の躯体4側の部位の一部が杭ケース9の他方の躯体側の側面9aに略当接するように形成されている。例えば、係止杭6の他方の躯体4側の部位全面が杭ケース9の他方の躯体側の側面9aに略当接するものや、係止杭6の他方の躯体4側の部位の下端部付近のみ、又は係止杭6の他方の躯体4側の上端部(傾斜面)が当接するもの等が考えられる。本実施形態においては、係止杭6の底部は例えば略四角形状に形成されており、通常状態において係止杭6の下端部を含む他方の躯体側の側面6aが杭ケース9の他方の躯体側の側面9aに略当接している。
係止杭6の一方の躯体側の側面6bと杭ケース9の一方の躯体側の側面9bとの間に間隙が生じるような寸法に形成されており、この側面6bは略垂直に形成してもよいが、本実施形態では正面視において一方の躯体側の側面6bの下部側が他方の躯体側に後退するように、すなわち細くなるような傾斜面状に形成されている。このように形成することにより、目地プレート10が回動する際のスペースを確実に確保することができる。また、前後方向の側面6cは杭ケース9の前後方向の側面9cに略当接するように形成されており、これにより前後方向の位置決めがされる。
なお、一方の躯体3の目地部2側の壁面に断面アングル状の金具等を設けて第1の目地プレート支持部5としてもよく、このような場合には、第1の目地プレート支持部5に直接溶接等で係止杭6を設けてもよい。
また、第1の目地プレート支持部5の垂直方向の壁面に金属板等の補強部材を設けてもよい。
他方の躯体4には、目地プレート10の他端部が左右方向にスライド移動可能な凹所状の第2の目地プレート支持部7が形成されている。この第2の目地プレート支持部7の目地部2と反対側の端部には、地震によって目地部2が狭くなった場合に、目地プレート10の他端部が乗り上げる乗り上げ傾斜面8が形成されている。
目地プレート10は、図4及び図5に示すように、浅皿状の目地プレート本体13と、前記目地プレート本体13の一端部側に設けられ、前記係止杭6が挿入される1対の杭ケース9と、前記目地プレート本体13に充填されたセメントやモルタル等の充填部材14と、前記杭ケース9の上部及び充填部材14の上部を覆うように設けられた化粧板15と、目地プレート本体13の他端部にヒンジ部材16を介して設けられたカバープレート17とで構成されている。
目地プレート本体13は、浅皿状に形成されており、一端部側の両側部に杭ケース9が設けられている。
この杭ケース9は、下部が開口した筒状の部材で、その上端部は化粧板15を敷設できるよう目地プレート本体13の上端部よりも下方に位置するように設けられている。本実施形態では、底面が略四角形状で、内部空間は正面視において上端部が凹部12となる略五角形状の筒状に形成されている。この凹部12は、目地プレート10が設置され杭ケース9に係止杭6が挿入された際に、凸部11が通常状態(図1の状態)において後述する杭ケース9の凹部12に略当接するような寸法に形成されている。
また、この杭ケース9の左右方向の側面(他方の躯体側の側面9aと一方の躯体側の側面9b)は、略垂直に形成されており、他方の躯体側の側面9aが係止杭6の他方の躯体側の側面6aに当接し、かつ、係止杭6の一方の躯体側の側面9bと係止杭6の一方の躯体側の側面6bとの間に間隙が生じるような寸法に形成されている。
化粧板15は、本実施形態では石材が用いられており、杭ケース9の上部を含む目地プレート本体13の上部の略全面を覆うように設けられている。このように化粧板15を設けることにより、目地プレート10を設置していない部位の床面と同様の外観を得ることができ、設置部分の美観を大幅に向上させることができる。
地震で左右の躯体3、4が左右方向に揺れ動き目地部2が狭くなると、図6に示すように、目地プレート10の他端部が第2の目地プレート支持部7の乗り上げ傾斜面8により目地プレート10の一端部側の上端部を支点に上方にせり上がり地震による揺れ動きを吸収する。このとき、目地プレート10の他端部が第2の目地プレート支持部7の乗り上げ傾斜面8に乗り上げると、まず係止杭6の凸部11と杭ケース9の凹部12の略当接部分を支点に目地プレート10の他端部が上方へ回動し、目地プレート10の一端部側の上端部10aが一方の躯体3の床面(第1の目地プレート支持部5の垂直面と一方の躯体3の床面の角部)に当接すると、杭ケース9と係止杭6の間には前方側に隙間があるため、第1の目地プレート支持部5の垂直面と一方の躯体3の床面の角部を支点に目地プレート10の他端部が上方へ回動する。凸部11と凹部12により、このような効果を得ることができるので、杭ケース9の上部を含む目地プレート本体13の上部の略全面を覆うように設けることができ、設置部分の美観を大幅に向上させることができる。
地震による揺れ動きが終了すると、目地プレート10は他端部が下方へ位置変位し、通常状態(図1等の状態)に復帰する。このとき、凸部11を形成する傾斜面と杭ケース9の凹部12を形成する傾斜面が当接すると、これらの傾斜面がガイドとなり、目地プレート10の自重によって係止杭6の凸部11と杭ケース9の凹部12及び杭ケース9の他方の躯体側の側面9aが係止杭6の他方の躯体側の側面6aが略当接することにより、目地プレート10の左右方向の位置決めをすることができ、一方の躯体3の床面と目地プレート10の一端部の間に隙間が生じることなく確実に原点に復帰させることができる。
地震で躯体3、4が左右方向に揺れ動き目地部2が広くなると、図7に示すように、目地プレート10の他端部が第2の目地プレート支持部7の上面を左右方向にスライド移動し、地震による揺れ動きを吸収する。このときも、係止杭6の凸部11と杭ケース9の凹部12が略当接状態となっているため、目地プレート10の底面と第2の目地プレート支持部7との摩擦力により目地プレート10が引っ張られ、一方の躯体3と目地プレート10との間に隙間が生じることを防止することができる。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図8乃至図13に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図8乃至図10示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、上端部に凸部11を備える正面視略四角形状の係止杭6Aを用いるとともに、凹部12付近に段差を有する杭ケース9を用いた目地プレート10Aにした点で、このような係止杭6A及び目地プレート10Aを用いた床用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
図11乃至図13示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、上端部に凸部11を備える略円錐状の係止杭6Bを用いた点で、このような係止杭6Bを用いた床用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
本実施形態では、2つの係止杭6Bが1組となるように係止杭6Bを設けており、1つの目地プレート10の杭ケース9に2つずつ係止杭6Bが挿入される。この1組の係止杭6Bは、前後方向に略密着するように又は所定間隔を有して設けられており、係止杭6Bの他方の躯体側の側面6a(少なくとも下端部付近)が杭ケース9の杭ケース9の他方の躯体側の側面9aと略当接しているとともに、係止杭6Bの前後方向の側面6c(前方側の係止杭6Bの前方側の側面と後方側の係止杭6Bの後方側の側面)の下端部付近が杭ケース9の前後方向の側面と略当接し、係止杭6Bの一方の躯体側の側面6bと杭ケース9の一方の躯体側の側面9bの間には間隙が設けられている。また、1組の係止杭6Bの凸部11がそれぞれ杭ケース9の凹部12と略当接している。本実施形態においては、側面が曲面となる円錐状の係止杭6を用いており、他方の躯体側の側面6a、一方の躯体側の側面6b及び前後方向の側面6cは連続しているが、例えば他方の躯体に対向している部位を他方の躯体側の側面6aとしている。この部位は線状であっても面状であってもよいが、他方の躯体に対向している線状の部位及びその周辺部を他方の躯体側の側面6aとしてもよい。
このように係止杭6Bと杭ケース9を形成することにより、前記第1の実施形態と同様、地震によって目地部が狭くなった場合にスムーズに目地プレート10の他端部側を回動させることができるとともに、地震後原点に復帰させることができる。
本実施形態においては、角状の凹部12としているが、例えば係止杭6Bの凸部11とそれぞれ対応するようなすり鉢状の凹部12を杭ケース9の上部に複数個形成してもよい。
なお、本発明の実施形態では、正面視略五角形状で前後方向の寸法が杭ケースの前後方向の寸法と略同じ又はやや小さい係止杭や、正面視略四角形状で上端部に凸部を有する係止杭、円錐状の係止杭等を用いたが、例えば正面視略五角形状で前後方向の中央部分に切り欠きを形成したような係止杭や、略四角錐状の係止杭等、下端部が略円形状又は略多角形状で、上端部に角又は錐状の凸部を有する係止杭、一方の躯体側の側面又は他方の躯体側の側面等が曲線で構成されている係止杭等を用いることができる。また、杭ケースについても、これらの係止杭に対応する(凹部と凸部が目地プレートの自重により略当接して目地プレートの位置決めができる)ような角部状又はすり鉢状の凹部を有する杭ケースを適宜用いることができる。
また、本発明の実施形態では係止杭の上端部の凸部と杭ケースの上端部の凹部が略当接することにより目地プレートの位置決めをしているが、目地プレートと一方の躯体とをスプリングやおもり等を有した付勢手段で接続し、目地プレートを一方の躯体側へ付勢することにより目地プレートの位置決めをしてもよい。このような場合には、凸部と杭ケースの上端部の凹部は目地プレートの回動支点となる程度に接近していればよく、これらの間にはわずかに間隙を有していても良い。本願における「略当接」には、当接(接触)している状態だけでなくこの程度間隙を有して接近している状態も含むものである。
本発明は床用目地装置を製造する産業で利用される。
1:床用目地装置、 2:目地部、
3:一方の躯体、 4:他方の躯体、
5:第1支持部、 6:係止杭、
7:第2支持部、 8:乗り上げ傾斜面、
9:杭ケース、 10:目地プレート、
11:凸部、 12:凹部、
13:目地プレート本体、 14:充填部材、
15:化粧板、 16:ヒンジ部材、
17:カバープレート。
本発明は目地部を介して設けられた躯体の間の目地部を塞ぐ床用目地装置に関する。
従来、目地部を塞ぐ床用目地装置には杭ケースが表面(上面)にあらわれている目地プレートが使用されている。これは、係止杭をボルトで締め付け、その後、蓋をしなければならないため又は、係止杭を目地プレートの上端部ぎりぎりの位置で、かつ、杭ケースの一方の躯体側の壁面に略当接するように設けているためである。後者の場合、地震時に目地部が狭くなった際に、係止杭の上端部(杭ケースの壁面と略当接している部位)を支点に目地プレートを回動させることができるため、通常時において一方の躯体の床面と目地プレートの間の隙間を最小にし、かつ、地震による揺れ動きが終了した場合に、確実に原点に復帰させることができるものである。しかし、このような目地プレートを用いた場合、機能面では問題ないものの、化粧板を設けても杭ケースが表面にあらわれることにより美観が損なわれていた。杭ケースが表面にあらわれない目地プレートを用いた床用目地装置としては、例えば「前後方向に勾配のある目地部を介して設けられた左右の床躯体の一方の目地部側の床躯体に形成された、反目地部側が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部と、この目地プレートスライド支持凹部と対向する前記左右の床躯体の他方の目地部側の床躯体に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部に後端部が支持され、先端部が前記目地プレートスライド支持凹部に支持されて目地部を覆う両端部を除く底面が、該目地プレートスライド支持凹部の目地部側端部と接触するのを防止できる凹部が形成された、並列配置された複数個の目地プレートと、この複数個の目地プレートのそれぞれの後端部を、該複数個の目地プレートの先端部の上下方向の回動が可能で、かつ地震で前記左右の床躯体が異なる前後方向に揺れ動いた場合に、他方の床躯体と同方向に移動できるように取付ける目地プレート取付具とからなることを特徴とする勾配のある目地部の床用目地装置」が知られている(特許文献1)。
このような床用目地装置では、目地プレートの表面に杭ケースがあらわれないものの、杭ケースが下方へ突出し、係止杭の上端部も目地プレートの底部付近に位置するため、目地プレートの他端部がせり上がる際に、回動の支点(係止杭の上端部付近)が通常の目地プレートよりも下方に位置するため、目地プレートの一端部と躯体との間に大きな隙間を形成しなければならない又は目地プレートの一方の躯体側の側面に隙間を確保するような傾斜面を形成する必要があった。
また、目地プレートの一端部側の上端部を支点に回動できるように係止杭を設置した場合、地震によって目地プレートの他端部が上方にせり上がり、通常状態に戻る際に目地プレートと一方の躯体との間に大きな隙間が生じてしまうおそれがあった。
特開2018-193714号公報
本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、美観を損なうことなく、かつ、地震による揺れ動きを吸収できる床用目地装置を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の床用目地装置は、一方の躯体と、この一方の躯体に設けられかつ係止杭を有する第1支持部と、他方の躯体と、この他方の躯体に設けられかつ乗り上げ傾斜面を有する第2支持部と、一端部が第1支持部に支持されると共に、他端部が第2支持部に左右方向にスライド移動可能に支持され、前記係止杭が挿入される1対の杭ケースを一端部側に有する目地プレートとで構成され、前記目地プレートは、浅皿状の目地プレート本体と、前記目地プレート本体の一端部側に設けられかつ前記係止杭が挿入される1対の杭ケースと、前記目地プレート本体に充填された充填部材と、前記杭ケースの上部及び前記充填部材の上部を覆うように設けられた化粧板とで構成され、前記杭ケースは、上端部に角状の凹部を有する筒状に形成されており、前記係止杭は、通常状態において、少なくとも前記他方の躯体側の部位の一部が前記杭ケースに略当接するとともに、前記杭ケースの前記一方の躯体側の側面とは間隙を有し、かつ、上端部が前記杭ケースの凹部に略当接する上端部に頂点状の角部に形成された凸部を有することを特徴とする。
請求項2に記載の床用目地装置の前記係止杭は、前記一方の躯体側の側面の下部側が他方の躯体側に後退するように形成されていることを特徴とする。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1に記載の発明においては、他方の躯体側の側面に傾斜面が形成された位置決め片を一方の躯体に設けられた位置決め部に挿入することにより、目地プレートの一端部側の上端部を支点に目地プレートの他端部側を回動させた場合であっても、通常状態に復帰した際に位置決め部と位置決め片によって確実に原点(地震前の位置)に復帰することができ、一方の躯体との間に大きな隙間が生じることを防止できる。
したがって、係止杭の上端部を回動の支点とする必要がなく、杭ケースが表面にあらわれないよう構成することができ、美観を向上させることができる。
(2)請求項2に記載の発明においても、前記(1)と同様の作用効果を得られるとともに、係止杭の一方の躯体側の側面の下部が他方の躯体側に後退するように形成することで、確実に杭ケースの一方の躯体側の側面との間に間隙を形成することができる。
したがって、よりスムーズに目地プレートの他端部側を回動させることができ、かつ、確実に原点に復帰させることができる。
図1乃至図7は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図8乃至図10は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図11乃至図13は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
第1の実施形態の床用目地装置の平面図。 図1の2-2線に沿う断面図。 係止杭の説明図。 目地プレートの斜視図。 図4の5-5線に沿う断面図。 地震で目地部が狭くなった状態の説明図。 地震で目地部が広くなった状態の説明図。 第2の実施形態の床用目地装置の平面図。 図8の9-9線に沿う断面図。 係止杭の説明図。 第3の実施形態の床用目地装置の平面図。 図11の12-12線に沿う断面図。 係止杭の説明図。
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1乃至図7に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して左右に設けられた一方の躯体3と他方の躯体4間に設置される床用目地装置である。
なお、左右方向とは図1における左右方向であり、前後方向とは図1における上下方向をいい、上下方向とは図2における上下方向をいう。
また、本発明において躯体とは、建物、道路、スラブ、エレベーターシャフト等の目地プレートを設置可能な建造物をいい、出入口とはドアや扉の設けられた出入口だけではなく、人や車両等が通行できる通路も含むものである。
この床用目地装置1は、例えば図1及び図2に示すように、一方の躯体3に設けられた第1支持部(第1の目地プレート支持部ともいう)5と、第1の目地プレート支持部5に設けられた係止杭6と、他方の躯体4に設けられた第2支持部(第2の目地プレート支持部ともいう)7と、前記第2支持部7に形成された乗り上げ傾斜面8と、一端部が前記第1支持部5に支持され、他端部が前記第2支持部7に左右方向にスライド移動可能に支持され、前記係止杭が挿入される1対の杭ケース9を一端部側に有する目地プレート10とで構成されている。
一方の躯体3には、目地部2側の床面に前後方向に延在する凹所状の第1の目地プレート支持部5が形成されている。この第1の目地プレート支持部5には、目地プレート10の杭ケース9に挿入される係止杭6が設けられている。係止杭6は、第1の目地プレート支持部5にビス等で設けられた金属板(図示せず)等に溶接されて設けられている。
係止杭6は、本実施形態では、図3に示すように、正面視において例えば略五角形状(略ホームベース型)で、上端部に頂点状の角部に形成された凸部11を有しており、目地プレート10が設置され杭ケース9に挿入された際に、この凸部11が通常状態(図1の状態)において後述する杭ケース9の凹部12に略当接するよう形成されている。このような形状・寸法に凸部11と凹部12形成することにより、左右方向の位置決めをすることができる。具体的には、凸部11を形成する傾斜面と杭ケース9の凹部12を形成する傾斜面が当接すると、これらの傾斜面がガイドとなり、目地プレート10の自重によって凸部11と凹部12が略当接状態となり、目地プレート10左右方向の位置決めがされ、目地プレート10は固定されないが左右方向に移動しない状態となる。
また、この状態においてこの係止杭6の少なくとも他方の躯体4側の部位の一部が杭ケース9の他方の躯体側の側面9aに略当接するように形成されている。例えば、係止杭6の他方の躯体4側の部位全面が杭ケース9の他方の躯体側の側面9aに略当接するものや、係止杭6の他方の躯体4側の部位の下端部付近のみ、又は係止杭6の他方の躯体4側の上端部(傾斜面)が当接するもの等が考えられる。本実施形態においては、係止杭6の底部は例えば略四角形状に形成されており、通常状態において係止杭6の下端部を含む他方の躯体側の側面6aが杭ケース9の他方の躯体側の側面9aに略当接している。
係止杭6の一方の躯体側の側面6bと杭ケース9の一方の躯体側の側面9bとの間に間隙が生じるような寸法に形成されており、この側面6bは略垂直に形成してもよいが、本実施形態では正面視において一方の躯体側の側面6bの下部側が他方の躯体側に後退するように、すなわち細くなるような傾斜面状に形成されている。このように形成することにより、目地プレート10が回動する際のスペースを確実に確保することができる。また、前後方向の側面6cは杭ケース9の前後方向の側面9cに略当接するように形成されており、これにより前後方向の位置決めがされる。
なお、一方の躯体3の目地部2側の壁面に断面アングル状の金具等を設けて第1の目地プレート支持部5としてもよく、このような場合には、第1の目地プレート支持部5に直接溶接等で係止杭6を設けてもよい。
また、第1の目地プレート支持部5の垂直方向の壁面に金属板等の補強部材を設けてもよい。
他方の躯体4には、目地プレート10の他端部が左右方向にスライド移動可能な凹所状の第2の目地プレート支持部7が形成されている。この第2の目地プレート支持部7の目地部2と反対側の端部には、地震によって目地部2が狭くなった場合に、目地プレート10の他端部が乗り上げる乗り上げ傾斜面8が形成されている。
目地プレート10は、図4及び図5に示すように、浅皿状の目地プレート本体13と、前記目地プレート本体13の一端部側に設けられ、前記係止杭6が挿入される1対の杭ケース9と、前記目地プレート本体13に充填されたセメントやモルタル等の充填部材14と、前記杭ケース9の上部及び充填部材14の上部を覆うように設けられた化粧板15と、目地プレート本体13の他端部にヒンジ部材16を介して設けられたカバープレート17とで構成されている。
目地プレート本体13は、浅皿状に形成されており、一端部側の両側部に杭ケース9が設けられている。
この杭ケース9は、下部が開口した筒状の部材で、その上端部は化粧板15を敷設できるよう目地プレート本体13の上端部よりも下方に位置するように設けられている。本実施形態では、底面が略四角形状で、内部空間は正面視において上端部が凹部12となる略五角形状の筒状に形成されている。この凹部12は、目地プレート10が設置され杭ケース9に係止杭6が挿入された際に、凸部11が通常状態(図1の状態)において後述する杭ケース9の凹部12に略当接するような寸法に形成されている。
また、この杭ケース9の左右方向の側面(他方の躯体側の側面9aと一方の躯体側の側面9b)は、略垂直に形成されており、他方の躯体側の側面9aが係止杭6の他方の躯体側の側面6aに当接し、かつ、係止杭6の一方の躯体側の側面9bと係止杭6の一方の躯体側の側面6bとの間に間隙が生じるような寸法に形成されている。
化粧板15は、本実施形態では石材が用いられており、杭ケース9の上部を含む目地プレート本体13の上部の略全面を覆うように設けられている。このように化粧板15を設けることにより、目地プレート10を設置していない部位の床面と同様の外観を得ることができ、設置部分の美観を大幅に向上させることができる。
地震で左右の躯体3、4が左右方向に揺れ動き目地部2が狭くなると、図6に示すように、目地プレート10の他端部が第2の目地プレート支持部7の乗り上げ傾斜面8により目地プレート10の一端部側の上端部を支点に上方にせり上がり地震による揺れ動きを吸収する。このとき、目地プレート10の他端部が第2の目地プレート支持部7の乗り上げ傾斜面8に乗り上げると、まず係止杭6の凸部11と杭ケース9の凹部12の略当接部分を支点に目地プレート10の他端部が上方へ回動し、目地プレート10の一端部側の上端部10aが一方の躯体3の床面(第1の目地プレート支持部5の垂直面と一方の躯体3の床面の角部)に当接すると、杭ケース9と係止杭6の間には前方側に隙間があるため、第1の目地プレート支持部5の垂直面と一方の躯体3の床面の角部を支点に目地プレート10の他端部が上方へ回動する。凸部11と凹部12により、このような効果を得ることができるので、杭ケース9の上部を含む目地プレート本体13の上部の略全面を覆うように設けることができ、設置部分の美観を大幅に向上させることができる。
地震による揺れ動きが終了すると、目地プレート10は他端部が下方へ位置変位し、通常状態(図1等の状態)に復帰する。このとき、凸部11を形成する傾斜面と杭ケース9の凹部12を形成する傾斜面が当接すると、これらの傾斜面がガイドとなり、目地プレート10の自重によって係止杭6の凸部11と杭ケース9の凹部12及び杭ケース9の他方の躯体側の側面9aが係止杭6の他方の躯体側の側面6aが略当接することにより、目地プレート10の左右方向の位置決めをすることができ、一方の躯体3の床面と目地プレート10の一端部の間に隙間が生じることなく確実に原点に復帰させることができる。
地震で躯体3、4が左右方向に揺れ動き目地部2が広くなると、図7に示すように、目地プレート10の他端部が第2の目地プレート支持部7の上面を左右方向にスライド移動し、地震による揺れ動きを吸収する。このときも、係止杭6の凸部11と杭ケース9の凹部12が略当接状態となっているため、目地プレート10の底面と第2の目地プレート支持部7との摩擦力により目地プレート10が引っ張られ、一方の躯体3と目地プレート10との間に隙間が生じることを防止することができる。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図8乃至図13に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図8乃至図10示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、上端部に凸部11を備える正面視略四角形状の係止杭6Aを用いるとともに、凹部12付近に段差を有する杭ケース9を用いた目地プレート10Aにした点で、このような係止杭6A及び目地プレート10Aを用いた床用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
図11乃至図13示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、上端部に凸部11を備える略円錐状の係止杭6Bを用いた点で、このような係止杭6Bを用いた床用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
本実施形態では、2つの係止杭6Bが1組となるように係止杭6Bを設けており、1つの目地プレート10の杭ケース9に2つずつ係止杭6Bが挿入される。この1組の係止杭6Bは、前後方向に略密着するように又は所定間隔を有して設けられており、係止杭6Bの他方の躯体側の側面6a(少なくとも下端部付近)が杭ケース9の杭ケース9の他方の躯体側の側面9aと略当接しているとともに、係止杭6Bの前後方向の側面6c(前方側の係止杭6Bの前方側の側面と後方側の係止杭6Bの後方側の側面)の下端部付近が杭ケース9の前後方向の側面と略当接し、係止杭6Bの一方の躯体側の側面6bと杭ケース9の一方の躯体側の側面9bの間には間隙が設けられている。また、1組の係止杭6Bの凸部11がそれぞれ杭ケース9の凹部12と略当接している。本実施形態においては、側面が曲面となる円錐状の係止杭6を用いており、他方の躯体側の側面6a、一方の躯体側の側面6b及び前後方向の側面6cは連続しているが、例えば他方の躯体に対向している部位を他方の躯体側の側面6aとしている。この部位は線状であっても面状であってもよいが、他方の躯体に対向している線状の部位及びその周辺部を他方の躯体側の側面6aとしてもよい。
このように係止杭6Bと杭ケース9を形成することにより、前記第1の実施形態と同様、地震によって目地部が狭くなった場合にスムーズに目地プレート10の他端部側を回動させることができるとともに、地震後原点に復帰させることができる。
本実施形態においては、角状の凹部12としているが、例えば係止杭6Bの凸部11とそれぞれ対応するようなすり鉢状の凹部12を杭ケース9の上部に複数個形成してもよい。
なお、本発明の実施形態では、正面視略五角形状で前後方向の寸法が杭ケースの前後方向の寸法と略同じ又はやや小さい係止杭や、正面視略四角形状で上端部に凸部を有する係止杭、円錐状の係止杭等を用いたが、例えば正面視略五角形状で前後方向の中央部分に切り欠きを形成したような係止杭や、略四角錐状の係止杭等、下端部が略円形状又は略多角形状で、上端部に角又は錐状の凸部を有する係止杭、一方の躯体側の側面又は他方の躯体側の側面等が曲線で構成されている係止杭等を用いることができる。また、杭ケースについても、これらの係止杭に対応する(凹部と凸部が目地プレートの自重により略当接して目地プレートの位置決めができる)ような角部状又はすり鉢状の凹部を有する杭ケースを適宜用いることができる。
また、本発明の実施形態では係止杭の上端部の凸部と杭ケースの上端部の凹部が略当接することにより目地プレートの位置決めをしているが、目地プレートと一方の躯体とをスプリングやおもり等を有した付勢手段で接続し、目地プレートを一方の躯体側へ付勢することにより目地プレートの位置決めをしてもよい。このような場合には、凸部と杭ケースの上端部の凹部は目地プレートの回動支点となる程度に接近していればよく、これらの間にはわずかに間隙を有していても良い。本願における「略当接」には、当接(接触)している状態だけでなくこの程度間隙を有して接近している状態も含むものである。
本発明は床用目地装置を製造する産業で利用される。
1:床用目地装置、 2:目地部、
3:一方の躯体、 4:他方の躯体、
5:第1支持部、 6:係止杭、
7:第2支持部、 8:乗り上げ傾斜面、
9:杭ケース、 10:目地プレート、
11:凸部、 12:凹部、
13:目地プレート本体、 14:充填部材、
15:化粧板、 16:ヒンジ部材、
17:カバープレート。

Claims (2)

  1. 一方の躯体と、この一方の躯体に設けられかつ係止杭を有する第1支持部と、他方の躯体と、この他方の躯体に設けられかつ乗り上げ傾斜面を有する第2支持部と、一端部が前記第1支持部に支持されると共に、他端部が第2支持部に左右方向にスライド移動可能に支持され、前記係止杭が挿入される1対の杭ケースを一端部側に有する目地プレートとで構成され、前記目地プレートは、浅皿状の目地プレート本体と、前記目地プレート本体の一端部側に設けられかつ前記係止杭が挿入される前記1対の杭ケースと、前記目地プレート本体に充填された充填部材と、前記杭ケースの上部及び前記充填部材の上部を覆うように設けられた化粧板とで構成され、前記杭ケースは、上端部に凹部を有する筒状に形成されており、前記係止杭は、通常状態において、少なくとも前記他方の躯体側の部位の一部が前記杭ケースに略当接するとともに、前記杭ケースの前記一方の躯体側の側面とは間隙を有し、かつ、上端部が前記杭ケースの凹部に略当接する凸部に形成されている床用目地装置。
  2. 前記係止杭は、前記一方の躯体側の側面の下部側が他方の躯体側に後退するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の床用目地装置。
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