JP2023079374A - 揚程延長式工事用エレベーター - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の懸架体の張力を均衡化でき、懸架体又は懸架体を支持する機器の損傷を抑制できる揚程延長式工事用エレベーターを提供する。【解決手段】揚程延長式工事用エレベーターは、建物に対して揚重される機械室ユニット3と、機械室ユニット3に搭載された複数のロープドラム6と、複数のロープ5が巻き掛けられ、機械室ユニット3とは独立して揚重される第2方向転換プーリー13と、を備え、複数のロープ5のそれぞれは、複数のロープドラム6のうちの対応するロープドラム6に巻き付けられており、各ロープドラム6には、回転抑制装置21が設けられており、各回転抑制装置21は、ロープドラム6に作用する回転トルクが設定値を上回る場合には、ロープドラム6の回転を許容し、上記回転トルクが設定値以下である場合には、ロープドラム6の回転を抑制するように構成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、揚程延長式工事用エレベーターに関するものである。
特許文献1には、工事用エレベーターのロープ繰り出し装置が開示されている。ロープ繰り出し装置は、フレームと、フレームに搭載された複数のドラムホルダと、を備えている。各ドラムホルダには、かごを吊り下げるためのロープが巻かれたドラムが保持されている。フレームとドラムホルダとの間には、ドラムホルダ及びドラムの回転を阻止するストッパボルトが設けられている。ロープを繰り出す際には、ストッパボルトが取り外される。必要量のロープが繰り出されたら、ストッパボルトが取り付けられ、ドラムの回転が阻止される。
特許文献2には、上記の工事用エレベーターとは別の揚程延長式工事用エレベーターが開示されている。この揚程延長式工事用エレベーターは、昇降路を昇降可能な機械室ユニットを有している。機械室ユニットには、巻上機、及び複数のロープドラムが搭載されている。各ロープドラムから繰り出されたロープは、複数の方向転換プーリーを経由して、かごの吊り車に巻き掛けられる。各ロープは、かごの吊り車に巻き掛けられた後に巻上機の綱車に巻き掛けられる。各ロープは、巻上機の綱車に巻き掛けられた後に釣合おもりの吊り車に巻き掛けられる。各ロープは、釣合おもりの吊り車に巻き掛けられた後に機械室ユニットに接続される。
複数の方向転換プーリーのうちの1つの方向転換プーリーは、機械室ユニットと独立して昇降路を高さ方向に移動可能である。かごの昇降行程を延長する際には、機械室ユニット及びかごが引き上げられるよりも前に、上記1つの方向転換プーリーだけが引き上げられる。上記1つの方向転換プーリーだけが引き上げられると、ロープドラムからロープが繰り出される。その後、機械室ユニット及びかごが引き上げられることにより、かごの昇降行程が延長される。
特開2005-82256号公報 特許第6750754号公報
特許文献1のロープ繰り出し装置を特許文献2の揚程延長式工事用エレベーターに適用したとすると、かごの昇降行程を延長する際には、以下の手順で作業が行われることが考えられる。
まず、複数のドラムホルダのそれぞれから、ストッパボルトが取り外される。これにより、各ロープドラムの回転が許容される。次に、機械室ユニット及びかごが揚重される前に、方向転換プーリーが揚重される。これにより、各ロープドラムからロープが繰り出される。次に、ストッパボルトが各ドラムホルダに取り付けられる。これにより、各ロープドラムの回転が阻止される。次に、機械室ユニット及びかごが揚重される。
しかしながら、機械室ユニットが揚重される際、上記のように各ロープドラムの回転が阻止されていると、複数のロープの張力が均衡化されず、複数のロープのうちの1本のロープに他のロープの張力の一部が移行してしまう場合がある。この場合、1本のロープの張力が増大するため、ロープ又はロープを支持する機器が損傷しやすくなってしまうおそれがあるという課題があった。
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、複数の懸架体の張力を均衡化でき、懸架体又は懸架体を支持する機器の損傷を抑制できる揚程延長式工事用エレベーターを提供することを目的とする。
本開示に係る揚程延長式工事用エレベーターは、建物に対して揚重される機械室ユニットと、前記機械室ユニットに搭載された複数の懸架体ドラムと、複数の懸架体が巻き掛けられ、前記機械室ユニットとは独立して揚重される方向転換装置と、を備え、前記複数の懸架体のそれぞれは、前記複数の懸架体ドラムのうちの対応する懸架体ドラムに巻き付けられており、各前記懸架体ドラムには、回転抑制装置が設けられており、各前記回転抑制装置は、前記懸架体ドラムに作用する回転トルクが設定値を上回る場合には、前記懸架体ドラムの回転を許容し、前記回転トルクが前記設定値以下である場合には、前記懸架体ドラムの回転を抑制するように構成されている。
本開示によれば、複数の懸架体の張力を均衡化でき、懸架体又は懸架体を支持する機器の損傷を抑制できる。
実施の形態1に係る揚程延長式工事用エレベーターの構成を示す模式図である。 実施の形態1に係る揚程延長式工事用エレベーターのロープドラム及び回転抑制装置の構成を示す斜視図である。 実施の形態1に係る揚程延長式工事用エレベーターの回転抑制装置の構成を示す分解斜視図である。 実施の形態1に係る揚程延長式工事用エレベーターの機械室ユニットの構造例を示す正面図である。 図4に示す機械室ユニットの部分的な側面図である。
実施の形態1.
実施の形態1に係る揚程延長式工事用エレベーターについて説明する。揚程延長式工事用エレベーターは、建築工事の進捗に合わせて、かごの昇降行程が順次延長されるエレベーターである。図1は、本実施の形態に係る揚程延長式工事用エレベーターの構成を示す模式図である。図1には、建築中の建物における昇降路の内部が示されている。図1の上下方向は、鉛直上下方向を表している。
第1昇降体1は、エレベーターのかご及び釣合おもりのうち一方である。第2昇降体2は、エレベーターのかご及び釣合おもりのうち他方である。図1では、第1昇降体1がかごであり、第2昇降体2が釣合おもりである場合が例示されている。この場合、第1昇降体1は、図示しない一対のかご用ガイドレールに沿って昇降路を昇降可能である。また、この場合、第2昇降体2は、図示しない一対の釣合おもり用ガイドレールに沿って昇降路を昇降可能である。
第2昇降体2の荷重は、昇降路の下部において支持可能である。第2昇降体2は、例えば、ピットに設けられた緩衝器に載置されるようになっている。第2昇降体2は、かご用ガイドレール又は釣合おもり用ガイドレールに固定できるようになっていてもよい。第2昇降体2は、建築中の建物側の構造体に固定できるようになっていてもよい。
機械室ユニット3は、第1昇降体1及び第2昇降体2よりも上方に配置された仮設機械室である。機械室ユニット3は、第1揚重装置12により、建物に対して揚重されるようになっている。機械室ユニット3は、第1揚重装置12によって揚重されることにより、かご用ガイドレール及び釣合おもり用ガイドレールの少なくとも一方に沿って昇降路を昇降可能である。機械室ユニット3は、かご用ガイドレール、釣合おもり用ガイドレール、又は建築中の建物側の構造体に対して固定可能である。機械室ユニット3には、巻上機15、図示しない制御盤、及び複数のロープドラム6が搭載されている。巻上機15の綱車4には、複数のロープ5が巻き掛けられている。
機械室ユニット3には、例えば、2つ以上の方向転換装置が設けられている。本実施の形態では、4つの方向転換装置として、第1方向転換プーリー8、第2方向転換プーリー13、第3方向転換プーリー14、及び第4方向転換プーリー9が設けられている。第1方向転換プーリー8、第2方向転換プーリー13、第3方向転換プーリー14、及び第4方向転換プーリー9のそれぞれは、巻上機15よりも上方に設けられている。第1方向転換プーリー8、第2方向転換プーリー13、第3方向転換プーリー14、及び第4方向転換プーリー9のそれぞれには、複数のロープ5が巻き掛けられている。
本実施の形態では、方向転換装置としてプーリーが用いられているが、ロープ5が方向転換でき、かつ方向転換装置上をロープ5が円滑に滑ることが可能であれば、方向転換装置はプーリー構造でなくてもよい。
複数のロープ5のそれぞれは、複数のロープドラム6のうちの対応するロープドラム6に巻き付けられている。各ロープドラム6は、ロープ5を繰り出すように構成されている。ロープドラム6の個数は、エレベーターに使用されるロープ5の本数に対応している。例えば、エレベーターに6本のロープ5が使用される場合、6個のロープドラム6が設けられる。各ロープドラム6に予め巻き付けられているロープ5は、建物が完成した状態におけるかごの昇降行程に対応可能な長さを有している。各ロープドラム6には、後述する回転抑制装置21が設けられている。
機械室ユニット3には、連結装置7及びロープ把持装置10が設けられている。連結装置7及びロープ把持装置10は、例えば、鉛直上下方向に沿って見たとき、第1昇降体1と重なる位置に設置されている。鉛直上下方向に沿って見たとき、連結装置7及びロープ把持装置10は、例えば、かご用ガイドレール付近又は釣合おもり用ガイドレール付近に設置されている。
連結装置7は、第1昇降体1を吊り下げることが可能である。連結装置7は、例えば、チェーンブロック又はウインチ等の揚重機能を有する装置である。連結装置7によって第1昇降体1が吊り下げられた状態では、第1昇降体1の荷重は、機械室ユニット3に支持される。
ロープ把持装置10は、例えば、ロープ5を挟み込むように把持することが可能である。ロープ把持装置10は、少なくともロープドラム6の個数と同じ本数のロープ5を、1本ずつあるいは複数本同時に把持することが可能である。
第1方向転換プーリー8は、例えば、ロープドラム6の近傍に設けられ、各ロープドラム6から繰り出されたロープ5を最初に受ける。第1方向転換プーリー8は、ロープドラム6に対して上下左右のどこに配置されていてもよい。図1に示す例では、ロープドラム6よりも上側に第1方向転換プーリー8が配置されている。第1方向転換プーリー8は、例えば、機械室ユニット3の枠組に固定されている。
第1方向転換プーリー8の役割は、ロープ5の方向転換を行うとともに、他機器と干渉しないようにロープ5を案内することである。各ロープドラム6からロープ5が繰り出される際には、ロープドラム6の軸方向においてロープ5が往復移動する。ロープドラム6の近くに第1方向転換プーリー8が設けられることによって、ロープ5の移動範囲が抑制される。
第2方向転換プーリー13は、可動式の方向転換装置である。第2方向転換プーリー13は、第2揚重装置30により、機械室ユニット3とは独立して揚重されるようになっている。第2方向転換プーリー13は、第2揚重装置30によって揚重されることにより、機械室ユニット3から引き上げられる。第2方向転換プーリー13は、例えば、かご用ガイドレール及び釣合おもり用ガイドレールの少なくとも一方によって案内される。第2方向転換プーリー13は、機械室ユニット3、又は昇降路内の構造体に固定可能である。昇降路内の構造体は、例えば、かご用ガイドレール、釣合おもり用ガイドレール及び建築中の建物側の構造体等を含む。
第2方向転換プーリー13の役割は、ロープ5の方向転換を行うとともに、機械室ユニット3が引き上げられるよりも前にロープ5を各ロープドラム6から引き出す作業を行えるようにすることである。すなわち、かごの昇降行程を延長する際には、機械室ユニット3が引き上げられるよりも前に、第2方向転換プーリー13が引き上げられるようになっている。
第2方向転換プーリー13が設けられることによって、第1方向転換プーリー8がなくてもロープ5が機械室ユニット3の他機器に干渉するおそれがない場合には、第1方向転換プーリー8は設けられていなくてもよい。
第3方向転換プーリー14は、第2方向転換プーリー13と第4方向転換プーリー9との間のロープ5が経由するように設けられている。第3方向転換プーリー14は、例えば、機械室ユニット3の枠組に固定されている。第3方向転換プーリー14は、例えば、鉛直上下方向に沿って見たとき、第1揚重装置12の吊り索に対して第2昇降体2側に設けられている。
第4方向転換プーリー9は、例えば、上下方向に沿って見たとき第1昇降体1と重なる位置に設置されている。第4方向転換プーリー9は、例えば、水平方向において一対のかご用ガイドレールの間付近又は一対の釣合おもり用ガイドレールの間付近に設置されている。第4方向転換プーリー9は、例えば、機械室ユニット3の枠組に固定されている。
第4方向転換プーリー9の役割は、ロープ5の方向転換を行うとともに、第1昇降体1の吊り車に向けてロープ5を鉛直方向に降ろす位置を決めることである。第4方向転換プーリー9は、主に第1昇降体1の吊り車の上方に配置されている。第4方向転換プーリー9が第3方向転換プーリー14の役割を兼ねることが可能な場合には、第3方向転換プーリー14は設けられていなくてもよい。
各ロープドラム6から繰り出されたロープ5は、最初に第1方向転換プーリー8に巻き掛けられている。各ロープ5は、第1方向転換プーリー8に巻き掛けられた後に、第2方向転換プーリー13に巻き掛けられている。各ロープ5は、第2方向転換プーリー13に巻き掛けられた後に、第3方向転換プーリー14に巻き掛けられている。各ロープ5は、第3方向転換プーリー14に巻き掛けられた後に、第4方向転換プーリー9に巻き掛けられている。
各ロープ5は、第4方向転換プーリー9に巻き掛けられた後に、ロープ把持装置10に通されている。各ロープ5は、ロープ把持装置10に通された後に、第1昇降体1の吊り車に巻き掛けられている。各ロープ5は、第1昇降体1の吊り車に巻き掛けられた後に、巻上機15の綱車4に巻き掛けられている。
各ロープ5は、巻上機の綱車4に巻き掛けられた後に、第2昇降体2の吊り車に巻き掛けられている。各ロープ5は、第2昇降体2の吊り車に巻き掛けられた後に、機械室ユニット3に接続されている。各ロープ5の端末は、例えば、それぞれ個別のシャックルで機械室ユニット3に接続されている。シャックル側ロープ端末11は、例えば、機械室ユニット3の下端部に位置している。
ロープ把持装置10は、ロープドラム6と第1昇降体1の吊り車との間に位置するロープ5を把持することが可能である。連結装置7によって第1昇降体1が吊り下げられておらず、かつロープ把持装置10によってロープ5が把持された状態では、第1昇降体1及び第2昇降体2の荷重がロープ5に加わる。この状態で巻上機15が駆動すると、建築中の建物の昇降路において機械室ユニット3よりも下方の範囲を第1昇降体1及び第2昇降体2が移動する。この範囲が、その時点での第1昇降体1及び第2昇降体2の昇降行程である。巻上機15は、例えば、機械室ユニット3に搭載された制御盤によって制御される。
第1昇降体1及び第2昇降体2の昇降行程は、後述の揚程延長動作を繰り返すことにより、建築工事の進捗に合わせて延長される。
(回転抑制装置)
各ロープドラム6に設けられている回転抑制装置21について説明する。ロープドラム6には、ロープ5の張力により回転トルクが作用する。回転抑制装置21は、この回転トルクが設定値を上回る場合にはロープドラム6の回転を許容し、この回転トルクが設定値以下である場合にはロープドラム6の回転を抑制するように構成されている。回転抑制装置21は、例えば、ロープドラム6に制動トルクを付加するトルク付加装置である。
図2は、本実施の形態に係る揚程延長式工事用エレベーターのロープドラム及び回転抑制装置の構成を示す斜視図である。図3は、本実施の形態に係る揚程延長式工事用エレベーターの回転抑制装置の構成を示す分解斜視図である。
各ロープドラム6は、円筒部6aと、一対のドラムフランジ部6b、6cと、を有している。円筒部6aには、ロープ5が巻き付けられている。ドラムフランジ部6bは、円筒部6aの軸方向一端に固定されている。ドラムフランジ部6cは、円筒部6aの軸方向他端に固定されている。ドラムフランジ部6b、6cのそれぞれは、円板状に形成されている。ドラムフランジ部6b、6cのそれぞれは、円筒部6aの直径よりも大きい直径を有している。
ロープドラム6には、回転軸27が固定されている。回転軸27は、ロープドラム6の中心を貫通した軸部材である。回転軸27は、ロープドラム6と一体に回転する。回転軸27は、一端側に設けられた被支持部27aと、他端側に設けられた被支持部27bと、を有している。さらに回転軸27は、被支持部27aよりもさらに一端側に延長して設けられた端部27cを有している。
回転軸27の被支持部27aは、軸受け29aによって支持されている。回転軸27の被支持部27bは、軸受け29bによって支持されている。軸受け29a及び軸受け29bは、フレーム28に固定されている。これにより、回転軸27は、軸受け29a及び軸受け29bを介して、フレーム28に回転自在に支持されている。フレーム28は、機械室ユニット3の枠組に固定されている。
回転軸27の端部27cは、被支持部27aの直径よりも小さい直径を有している。被支持部27aと端部27cとの間には、環状の段差面27dが形成されている。端部27cには、雄ねじ部27eが形成されている。
回転軸27の端部27cには、回転抑制装置21が取り付けられている。回転抑制装置21は、第1摩擦板23a、フランジ22、第2摩擦板23b、皿ばね24及び調整ナット25を有している。第1摩擦板23a、フランジ22、第2摩擦板23b、皿ばね24及び調整ナット25は、ロープドラム6側からこの順に配置されている。第1摩擦板23a、フランジ22、第2摩擦板23b及び皿ばね24のそれぞれには、端部27cを貫通させる貫通孔が形成されている。調整ナット25には、雄ねじ部27eが嵌め込まれている。
第1摩擦板23aは、フランジ22の一方の面と対向している。第2摩擦板23bは、フランジ22の他方の面と対向している。第1摩擦板23a及び第2摩擦板23bは、耐摩耗性に優れた材料により形成されることが好ましい。
フランジ22には、アーム26が固定されている。アーム26は、フレーム28の上面28aに当接している。これにより、回転軸27を中心としたアーム26及びフランジ22の回転が規制されている。
第1摩擦板23a、フランジ22、第2摩擦板23b及び皿ばね24は、段差面27dと調整ナット25との間に挟まれている。回転軸27に対して調整ナット25が締め付けられると、皿ばね24が圧縮される。皿ばね24の圧縮量は、調整ナット25によって調整される。
皿ばね24の圧縮荷重は、第1摩擦板23a、フランジ22及び第2摩擦板23bに作用する。これにより、第1摩擦板23aがフランジ22の一方の面に押し付けられ、第1摩擦板23aとフランジ22との間に摩擦力が発生する。また、第2摩擦板23bがフランジ22の他方の面に押し付けられ、第2摩擦板23bとフランジ22との間に摩擦力が発生する。さらに、第1摩擦板23aは段差面27dに押し付けられ、第2摩擦板23bは皿ばね24に押し付けられる。
ロープドラム6及び回転軸27が回転すると、第1摩擦板23aとフランジ22との間の摩擦力、及び第2摩擦板23bとフランジ22との間の摩擦力により、回転軸27からフランジ22及びアーム26にトルクが伝達される。アーム26はフレーム28の上面28aに当接しているため、アーム26に伝達されたトルクは、フレーム28によって受け止められる。このトルクの反力は、回転軸27に作用する。これにより、回転軸27及びロープドラム6には、常に制動トルクが作用する。
本実施の形態では、回転抑制装置21が回転軸27に取り付けられている。このため、構造を単純化できるとともに、安定した制動トルクをロープドラム6に付加することができる。ただし、回転抑制装置21は、ロープドラム6に制動トルクを作用させることができれば、ロープドラム6の他の部分に取り付けられていてもよい。例えば、回転抑制装置21は、ロープドラム6のドラムフランジ部6b又はドラムフランジ部6cに取り付けられていてもよい。
(揚程延長動作)
第1昇降体1及び第2昇降体2の昇降行程、すなわち巻上機15の揚程を延長する際には、まず、連結装置7によって第1昇降体1と機械室ユニット3とを連結する。これにより、第1昇降体1の荷重は、連結装置7を介して機械室ユニット3に支持される。第2昇降体2の荷重は、昇降路の下部において支持される。つまり、昇降行程の延長は、第1昇降体1及び第2昇降体2の荷重がロープ5に加わっていない状態で行われる。
昇降行程の延長は、ロープ5がロープ把持装置10によって把持されていない状態において、第1揚重装置12を用いて機械室ユニット3及び第1昇降体1を引き上げることによって行われる。第1揚重装置12は、例えば、タワークレーン又はウインチである。機械室ユニット3及び第1昇降体1の引き上げは、作業の安全上、第1揚重装置12の吊り索が揚重対象の重心位置を捉えた状態で実施される。
本実施の形態では、昇降行程を延長する際には、機械室ユニット3及び第1昇降体1が引き上げられるよりも前に、第2方向転換プーリー13が機械室ユニット3から引き上げられる。第2方向転換プーリー13の引き上げは、第1揚重装置12とは別の第2揚重装置30を用いて行われる。第2揚重装置30は、例えばウインチである。第2揚重装置30は、機械室ユニット3の次の固定位置として予定されている位置よりも上方に設置されている。第2方向転換プーリー13は、第2方向転換プーリー13に巻き掛けられている複数のロープ5と共に引き上げられる。
第2方向転換プーリー13の引き上げは、複数のロープ5がロープ把持装置10によって把持されている状態で行われる。この状態で第2方向転換プーリー13が機械室ユニット3から引き上げられると、各ロープドラム6からロープ5が繰り出される。各ロープ5は、第1方向転換プーリー8及び第2方向転換プーリー13を通り、所定長さ分繰り出される。引き上げられた第2方向転換プーリー13は、例えば、機械室ユニット3の次の固定位置付近で昇降路内の構造体に固定される。
その後、ロープ把持装置10による複数のロープ5の把持を解除する。機械室ユニット3及び第1昇降体1は、複数のロープ5が把持されていない状態で、第1揚重装置12を用いて引き上げられる。これにより、既に各ロープドラム6から繰り出されているロープ5は、第3方向転換プーリー14、第4方向転換プーリー9、第1昇降体1の吊り車、及び巻上機15の綱車4を通り、機械室ユニット3の下方へ降りていく。
第2昇降体2は、昇降路の下部において支持された状態を維持する。機械室ユニット3及び第1昇降体1の上昇量に応じて、機械室ユニット3の下方に位置するロープ5の長さが増える。目的階に到達した機械室ユニット3は、かご用ガイドレール、釣合おもり用ガイドレール、又は建物側の構造体に固定される。その結果、第1昇降体1及び第2昇降体2の昇降行程が延長される。このような揚程延長動作は、建築工事期間中に繰り返し行われる。
(回転抑制装置の効果)
回転抑制装置21の第1の役割は、第1揚重装置12によって機械室ユニット3及び第1昇降体1が引き上げられている最中に、各ロープ5を落下させないことである。ロープドラム6が機械室ユニット3に設置されていると、ロープ5の自重によりロープドラム6側に張力が発生する。ロープ5の自重の一部は、ロープドラム6からロープ5を繰り出す方向の張力成分となる。ロープ5の自重の残りは、ロープドラム6とは反対側のロープ5の端末を引っ張る方向の張力成分となる。これらの張力成分のそれぞれ一部は、互いに打ち消し合う。打ち消されないアンバランス分のロープ5の自重による張力成分は、ロープドラム6に作用する張力となる。
このため、ロープドラム6の回転が抑えられていないと、ロープドラム6からロープ5が過剰に繰り出され、ロープ5が落下する。よって、ロープ5の自重分の張力がロープ5に作用しても、回転抑制装置21によってロープドラム6の回転が抑えられる、という条件が満たされている必要がある。
回転抑制装置21の第2の役割は、複数のロープ5のうちの1本のロープ5に荷重が集中し、当該1本のロープ5の張力が著しく増大する事象を防止することである。複数のロープが経由するシーブのいずれかがロープ毎に独立していない場合であって、かつそのシーブと複数のロープのそれぞれとの間にトラクションが生じている場合、あるロープの張力は、シーブを介して他のロープに移行する可能性がある。シーブとロープとの間のトラクションが大きいほど、シーブとロープとの間に滑りが生じにくくなり、シーブとロープとが一体化する傾向が強まる。このため、シーブと各ロープとの間のトラクションが大きいほど、あるロープから他のロープに移行する荷重が大きくなる。ここで、シーブには、巻上機の綱車、及び複数の方向転換プーリーが含まれる。巻上機の動力は、綱車を介して各ロープに伝達される。このため、特に巻上機の綱車と各ロープとの間のトラクションは、大きく確保されている。
なお、複数のロープ5のうちのどのロープ5に荷重が集中するかは、機械室ユニット3が揚重される直前の各ロープ5の張力及びたるみ量、各ロープ5とシーブとの間のトラクションの大きさ、各ロープ5の経路差、各ロープドラム6の回転裕度の違い、等の要因が複合的に影響して決定される。このため、現場において、任意のロープにおける荷重集中の発生率をある程度上げることは可能であるが、逆に、荷重集中が生じないように現場で調整することは困難である。
エレベーターロープを安全に用いるための各国法規では、ロープの安全率が規定されている。安全率の値は国毎に異なるものの、一般的に、ロープの破断荷重に対する安全率は、12以上となっている。すなわち、各ロープ5を安全な状態に保つためには、各ロープ5の荷重は、少なくとも安全率が12となる荷重を超えないようにする必要がある。よって、あるロープ5に荷重が集中し、安全率が12となる荷重を超える荷重が当該ロープ5に加わる場合には、当該ロープ5に対応するロープドラム6の回転を許容し、当該ロープ5の張力が規定値を超えないようにする必要がある。
以上より、各ロープドラム6において、回転抑制装置21がロープドラム6に付加する制動トルクの設定値は、下記の下限値と上限値との間の範囲内に設定される。制動トルクの設定値は、下記の下限値と上限値との間であれば、どの値に設定されてもよい。制動トルクの設定値は、調整ナット25によって調整可能である。調整ナット25が締め付けられると制動トルクの設定値が増加し、調整ナット25が緩められると制動トルクの設定値が減少する。
制動トルクの下限値は、1本のロープ5のアンバランス分の自重によってロープドラム6に生じる回転モーメントと等しい値である。
制動トルクの上限値は、各国法規で規定された安全率となる荷重が1本のロープ5に作用したときに、ロープドラム6に生じる回転モーメントと等しい値である。なお、ロープ5よりも先に損傷し得る機器がある場合、制動トルクの上限値は、その機器が損傷に至らない限界の張力が1本のロープ5に作用したときに、ロープドラム6に生じる回転モーメントと等しい値であってもよい。
第2方向転換プーリー13が機械室ユニット3から引き上げられるときには、ロープ5に引張り力が作用し、その引張り力がロープドラム6に伝達される。回転抑制装置21の制動トルクの設定値が上記の範囲内であれば、引張り力による回転トルクは制動トルクを上回る。このため、ロープドラム6が回転し、ロープ5がロープドラム6から繰り出される。
一方、機械室ユニット3及び第1昇降体1が引き上げられるときには、基本的にはロープドラム6に作用する回転トルクは、回転抑制装置21の制動トルク以下となる。このため、ロープドラム6の回転が回転抑制装置21によって抑制され、ロープ5はロープドラム6に保持される。
しかしながら、機械室ユニット3及び第1昇降体1が引き上げられるときに、ある1本のロープ5の荷重が増大し、対応するロープドラム6に制動トルクを上回る回転トルクが作用する場合があり得る。この場合には、回転抑制装置21がスリップすることによりロープドラム6が回転する。これにより、ロープドラム6から若干量のロープ5が繰り出される。このため、増大した荷重が他のロープ5に分散され、各ロープ5に作用する荷重が均衡化する。ロープドラム6の回転は、ロープドラム6に作用する回転トルクが回転抑制装置21の制動トルク以下になった時点で停止する。
機械室ユニット3及び第1昇降体1を次の目的階までの揚重途中で停止させた場合においても、ロープドラム6からロープ5を繰り出す方向の荷重は、アンバランス分のロープ5の自重による張力成分のみである。このため、ロープドラム6に作用する回転トルクは、回転抑制装置21の制動トルク以下となる。したがって、ロープドラム6の回転が抑制され、ロープ5はロープドラム6に保持される。
回転抑制装置21が各ロープドラム6に設けられることにより、ロープドラム6からロープ5を繰り出す際の負荷が増大するものの、ロープ5の繰り出しが終了した後にロープドラム6が回転し続けるのを抑制することができる。
また、機械室ユニット3及び第1昇降体1が引き上げられるときにおいて、ある1本のロープ5の荷重が増大した場合には、対応するロープドラム6の回転が許容される。このため、特定のロープ5に過大な張力が発生することが抑制される。これにより、ロープ5又はロープ5を支持する機器が損傷するのを回避することができる。したがって、揚程延長動作を安全に実施することができる。
懸架されるロープ5の重量、及びロープドラム6の径方向におけるロープ5の位置は、揚程延長動作を行う度に変化する。本実施の形態では、調整ナット25を締め付けたり緩めたりすることにより、制動トルクの設定値を調整可能である。これにより、懸架されるロープ5の重量、ロープドラム6の径方向におけるロープ5の位置などの変化要素に対応して、制動トルクの設定値を適切に設定できる。
(実施の形態1における機械室ユニットの構造例)
図4は、本実施の形態に係る揚程延長式工事用エレベーターの機械室ユニットの構造例を示す正面図である。図5は、図4に示す機械室ユニットの部分的な側面図である。
図4及び図5に示す例において、機械室ユニット3の上部には、第1方向転換プーリー8、第2方向転換プーリー13、第3方向転換プーリー14、第4方向転換プーリー9、及び6個のロープドラム6が配置されている。図4には、3個のロープドラム6が示されている。図示されていない3個のロープドラム6は、図示されている3個のロープドラム6の奥側に配置されている。
機械室ユニット3には、巻上機15、シャックル側ロープ端末11、ロープ把持装置10及び制御盤16が配置されている。制御盤16は、巻上機15及びかご機器と電気的に接続されている。
各ロープドラム6から繰り出されたロープ5は、最初に第1方向転換プーリー8に巻き掛けられる。各ロープ5は、第1方向転換プーリー8、第2方向転換プーリー13、第3方向転換プーリー14及び第4方向転換プーリー9の順に巻き掛けられた後、ロープ把持装置10を通って第1昇降体1の吊り車へ向かう。
機械室ユニット3の上端には、複数の揚重用吊り元17が設けられている。第1昇降体1を連結した状態の機械室ユニット3を重心に近い位置で揚重できるように、複数の揚重用吊り元17は、第1昇降体1及び機械室ユニット3の連結体の重心を囲むように配置される。揚重用吊り元17には、第1揚重装置12の吊り索が接続される。
図4及び図5に示す例では、第1揚重装置12の吊り索には、バランサー32が吊られている。バランサー32の両端のそれぞれには、張力均衡化機能を有する揚重具33が取り付けられている。揚重具33のそれぞれには、チェーン34が掛けられている。チェーン34の両端のそれぞれは、揚重用吊り元17に接続されている。これにより、第1揚重装置12の吊り索は、4点の揚重用吊り元17に接続される。
第1昇降体1及び機械室ユニット3を略重心位置で懸架することにより、ガイドレールに過大な反力を生じさせることなく、第1昇降体1及び機械室ユニット3を安定して揚重することができる。張力均衡化機能を有する揚重具33が用いられることにより、チェーン34の両端の荷重を均等に配分することができる。
第1昇降体1は、図1に示したように機械室ユニット3の下部梁に吊り下げられてもよいし、機械室ユニット3の上部梁に吊り下げられてもよい。図5に示す例では、第1昇降体1は、機械室ユニット3の上部梁に吊り下げられている。すなわち、図5に示す例では、機械室ユニット3の上部梁に昇降体吊り元31が取り付けられており、昇降体吊り元31には、連結装置7によって第1昇降体1が吊り下げられている。第1昇降体1が機械室ユニット3の上部梁に吊り下げられる場合、昇降体吊り元31と第1昇降体1との間であってかつ機械室ユニット3内には、チェーンブロック、ウインチ等が設けられるのが望ましい。これにより、機械室ユニット3内で安全に第1昇降体1の上下方向の位置を調整することが可能となる。
上述のように、第1昇降体1は、かご用ガイドレールに沿って移動するかごであってもよいし、釣合おもり用ガイドレールに沿って移動する釣合おもりであってもよい。第1昇降体1がかごである場合には第2昇降体2は釣合おもりであり、第1昇降体1が釣合おもりである場合には第2昇降体2はかごである。
かごは、釣合おもりよりも軽量である。このため、第1昇降体1をかごとし、第2昇降体2を釣合おもりとした場合には、かごが機械室ユニット3に連結されるため、第1揚重装置12にかかる負荷を軽減できる。
以上説明したように、本実施の形態に係る揚程延長式工事用エレベーターは、機械室ユニット3と、複数のロープドラム6と、第2方向転換プーリー13と、を備えている。機械室ユニット3は、建物に対して揚重されるようになっている。複数のロープドラム6は、機械室ユニット3に搭載されている。第2方向転換プーリー13には、複数のロープ5が巻き掛けられている。第2方向転換プーリー13は、機械室ユニット3とは独立して揚重されるようになっている。ここで、ロープドラム6は、懸架体ドラムの一例である。ロープ5は、懸架体の一例である。第2方向転換プーリー13は、方向転換装置の一例である。
複数のロープ5のそれぞれは、複数のロープドラム6のうちの対応するロープドラム6に巻き付けられている。各ロープドラム6には、回転抑制装置21が設けられている。各回転抑制装置21は、ロープドラム6に作用する回転トルクが設定値を上回る場合には、ロープドラム6の回転を許容するように構成されている。各回転抑制装置21は、上記回転トルクが設定値以下である場合には、ロープドラム6の回転を抑制するように構成されている。
この構成では、揚程を延長する際、機械室ユニット3が揚重されるよりも前に、第2方向転換プーリー13が揚重される。このとき、ロープ5の張力によりロープドラム6に作用する回転トルクは、通常、設定値を上回る。このため、ロープドラム6の回転が許容され、ロープ5がロープドラム6から繰り出される。
一方、機械室ユニット3が揚重される際には、ロープドラム6に作用する回転トルクが設定値以下となり、ロープドラム6の回転が抑制される。これにより、ロープドラム6からロープ5が過剰に繰り出されてロープ5が落下することが抑制される。
ただし、ある1本のロープ5の荷重が増大し、対応するロープドラム6に作用する回転トルクが設定値を上回ると、そのロープドラム6の回転が許容され、ロープドラム6から若干量のロープ5が繰り出される。これにより、1本のロープ5で増大した荷重を他のロープ5に分散させることができるため、複数のロープ5の張力を均衡化することができる。したがって、ロープ5又はロープ5を支持する機器が損傷するのを抑制することができる。
本実施の形態に係る揚程延長式工事用エレベーターにおいて、回転抑制装置21は、設定値に対応する制動トルクをロープドラム6に作用させるように構成されている。この構成によれば、上記の設定値を容易に設定することができる。
本実施の形態に係る揚程延長式工事用エレベーターにおいて、回転抑制装置21は、ロープドラム6の回転軸27に取り付けられている。この構成によれば、構造を単純化できるとともに、安定した制動トルクをロープドラム6に作用させることができる。
本実施の形態に係る揚程延長式工事用エレベーターにおいて、回転抑制装置21は、ロープドラム6のドラムフランジ部6b又はドラムフランジ部6cに取り付けられていてもよい。
本実施の形態に係る揚程延長式工事用エレベーターにおいて、上記の設定値は調整可能である。この構成によれば、懸架されるロープ5の重量、ロープドラム6の径方向におけるロープ5の位置などの種々の変化要素に対応して、設定値を適切に設定することができる。
本実施の形態では懸架体としてロープ5を例示しているが、懸架体としてはベルトを用いることもできる。
1 第1昇降体、2 第2昇降体、3 機械室ユニット、4 綱車、5 ロープ、6 ロープドラム、6a 円筒部、6b、6c ドラムフランジ部、7 連結装置、8 第1方向転換プーリー、9 第4方向転換プーリー、10 ロープ把持装置、11 シャックル側ロープ端末、12 第1揚重装置、13 第2方向転換プーリー、14 第3方向転換プーリー、15 巻上機、16 制御盤、17 揚重用吊り元、21 回転抑制装置、22 フランジ、23a 第1摩擦板、23b 第2摩擦板、24 皿ばね、25 調整ナット、26 アーム、27 回転軸、27a、27b 被支持部、27c 端部、27d 段差面、27e 雄ねじ部、28 フレーム、28a 上面、29a、29b 軸受け、30 第2揚重装置、31 昇降体吊り元、32 バランサー、33 揚重具、34 チェーン。

Claims (5)

  1. 建物に対して揚重される機械室ユニットと、
    前記機械室ユニットに搭載された複数の懸架体ドラムと、
    複数の懸架体が巻き掛けられ、前記機械室ユニットとは独立して揚重される方向転換装置と、
    を備え、
    前記複数の懸架体のそれぞれは、前記複数の懸架体ドラムのうちの対応する懸架体ドラムに巻き付けられており、
    各前記懸架体ドラムには、回転抑制装置が設けられており、
    各前記回転抑制装置は、前記懸架体ドラムに作用する回転トルクが設定値を上回る場合には、前記懸架体ドラムの回転を許容し、前記回転トルクが前記設定値以下である場合には、前記懸架体ドラムの回転を抑制するように構成されている揚程延長式工事用エレベーター。
  2. 前記回転抑制装置は、前記設定値に対応する制動トルクを前記懸架体ドラムに作用させるように構成されている請求項1に記載の揚程延長式工事用エレベーター。
  3. 前記回転抑制装置は、前記懸架体ドラムの回転軸に取り付けられている請求項2に記載の揚程延長式工事用エレベーター。
  4. 前記回転抑制装置は、前記懸架体ドラムのドラムフランジ部に取り付けられている請求項2に記載の揚程延長式工事用エレベーター。
  5. 前記設定値は調整可能である請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の揚程延長式工事用エレベーター。
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