JPH0797157A - 工事用エレベーター装置 - Google Patents

工事用エレベーター装置

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JPH0797157A
JPH0797157A JP24137393A JP24137393A JPH0797157A JP H0797157 A JPH0797157 A JP H0797157A JP 24137393 A JP24137393 A JP 24137393A JP 24137393 A JP24137393 A JP 24137393A JP H0797157 A JPH0797157 A JP H0797157A
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hoistway
hoisting
pulley
car
machine room
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Kihachiro Onishi
喜八郎 大西
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 建築工事の上層階進捗に伴って昇降行程を容
易に延長できる工事用エレベーター装置を得る。 【構成】 移動機械室(3)を昇降路(2)に仮設する。そし
て、主索(13)の一端を移動機械室(3)に固定して下垂し
かご(9)吊り車(10)に巻掛けて上昇し巻上機(5)に巻掛
け、巻上機(5)から下垂しつり合おもり(11)吊り車(12)
に巻掛けて上昇し移動機械室(3)に設けた滑車(14)に巻
掛けて昇降路(2)の壁面に沿って下垂し、他端を昇降路
(2)の下端部寄りに保持する。これによって、昇降行程
延長時に、昇降路(2)側で主索(13)の繰り出し作業を行
う。 【効果】 主索の繰り出し作業を安全化、容易化でき、
移動機械室が小型化して上方移動作業を容易化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建築工事が下層階か
ら上層階へ進捗するに従って昇降行程が上方へ延長され
る工事用エレベーター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、例えば特公昭53−18778
号公報に示された従来の工事用エレベーター装置を示す
縦断面図で、右側は左側よりも建築工事が上層階へ進捗
した状態を示す。図において、(1)は建築工事中の建築
体、(2)は建築体(1)に構成された昇降路である。(3)は
昇降路(2)の上端部に仮設された移動機械室で、下部に
設けられて建築体(1)に支持された掛合体(4)、巻上機
(5)、後述する主索の保持装置(6)、後述する繰り出し用
の予備主索が巻き込まれた巻胴(7)及び上面に装備され
た吊り具(8)によって構成されている。
【0003】(9)は吊り車(10)が設けられて昇降路(2)を
昇降するかご、(11)は吊り車(12)が設けられて昇降路
(2)を昇降するつり合おもりである。(13)は主索で、一
端が移動機械室(3)の巻胴(7)に巻掛けられて下垂し保持
装置(6)によって保持され、下垂してかご(9)の吊り車(1
0)に巻掛けられて上昇し移動機械室(3)の巻上機(5)に巻
掛けられ、巻上機(5)から下垂しつり合おもり(11)の吊
り車(12)に巻掛けられて上昇し、他端が移動機械室(3)
に連結されている。
【0004】従来の工事用エレベーター装置は上記のよ
うに構成され、建築工事中の建築体(1)に構成された昇
降路(2)の上端部に移動機械室(3)を仮設して、主索(13)
長手の中間部が保持装置(6)によって保持される。この
状態で巻上機(5)により主索(13)を介してかご(9)及びつ
り合おもり(11)が互いに反対方向へ運転される。これに
より、建築された建築体(1)の階床に対応した昇降行程
が形成されて工事用運転が行われる。
【0005】そして、図8の右側に示すように建築工事
が進捗して昇降路(2)が距離Sだけ上方へ延長されると
移動機械室(3)が延長された昇降路(2)の上端部に移動さ
れて仮設される。これと共に、距離Sに対応した長さの
繰り出し用の主索(13)が移動機械室(3)の巻胴(7)から繰
り出されてかご(9)及びつり合おもり(11)が吊持され
る。これにより、延長された昇降路(2)に対応した昇降
行程が形成されて建築された建築体(1)の階床に対応し
た工事用運転が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の工
事用エレベーター装置においては、移動機械室(3)に巻
上機(5)、主索(13)の保持装置(6)及び繰り出し用の主索
(13)が巻掛けられた巻胴(7)が装備される。しかし、移
動機械室(3)の床面積が昇降路(2)の横断面積によって制
約されるため、移動機械室(3)内における機器の装備が
困難になり、特に建築体(1)が超高層建築である場合は
巻胴(7)の繰り出し用の予備主索(13)の巻掛け容量が不
足する。このようなときには、建築工事の進捗に伴って
巻胴(7)における主索(13)の繰り出し余裕が尽きたとき
に、進捗した建築工事の昇降路(2)の昇降行程に繰り出
し用予備量を加えた長さのものに主索(13)全体を取り替
えることになるという問題点があった。
【0007】また、建築工事の進捗に伴う昇降路(2)の
昇降行程延長時に、主索(13)の繰り出し作業に伴う保持
装置(6)による主索(13)の保持及び保持解除の操作が狭
隘な移動機械室(3)で行われる。このため、困難で転落
などの危険の多い作業を要するという問題点があった。
【0008】この発明は、かかる問題点を解消するため
になされたものであり、建築工事の上層階進捗に伴う昇
降行程の延長が容易にできる工事用エレベーター装置を
得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明に係る工事用エレベーター装置においては、巻上
機が設けられて昇降路に仮設された移動機械室と、吊り
車が設けられて昇降路を昇降するかごと、吊り車が設け
られて昇降路を昇降するつり合おもりと、移動機械室の
外側寄りに枢着された滑車と、一端が移動機械室に固定
されて下垂しかごの吊り車に巻掛けられて上昇し巻上機
に巻掛けられ、巻上機から下垂しつり合おもりの吊り車
に巻掛けられて上昇し滑車に巻掛けられて昇降路の壁面
に沿って下垂し、他端は昇降路の下端部寄りに保持され
た主索とが設けられる。
【0010】また、この発明の請求項2記載の発明に係
る工事用エレベーター装置においては、巻上機が設けら
れて昇降路に仮設された移動機械室と、吊り車が設けら
れて昇降路を昇降するかごと、吊り車が設けられて昇降
路を昇降するつり合おもりと、移動機械室の外側寄りに
枢着された滑車と、一端が移動機械室に固定されて下垂
し、かごの吊り車に巻掛けられて上昇し巻上機に巻掛け
られ、巻上機から下垂しつり合おもりの吊り車に巻掛け
られて上昇し滑車に巻掛けられて昇降路の壁面に沿って
下垂し、他端は昇降路の下端部寄りに配置された主索
と、昇降路に設けられて主索の昇降路下端部寄り端部を
上下方向に変位可能に保持する保持装置とが設けられ
る。
【0011】また、この発明の請求項3記載の発明に係
る工事用エレベーター装置においては、巻上機が設けら
れて昇降路に仮設された移動機械室と、吊り車が設けら
れて昇降路を昇降するかごと、吊り車が設けられて昇降
路を昇降するつり合おもりと、移動機械室の外側寄りに
枢着されて互いに離れて配置された第1滑車及び第2滑
車と、昇降路の下端寄りに枢着された返し滑車と、一端
が移動機械室に固定されて下垂し、かごの吊り車に巻掛
けられて上昇し巻上機に巻掛けられ、巻上機から下垂し
つり合おもりの吊り車に巻掛けられて上昇し第1滑車に
巻掛けられて昇降路の壁面に沿って下垂し、返し滑車に
巻掛けられて昇降路の壁面に沿って上昇し第2滑車に巻
掛けられて昇降路の壁面に沿って下垂し、他端は昇降路
に保持された主索とが設けられる。
【0012】また、この発明の請求項4記載の発明に係
る工事用エレベーター装置においては、巻上機が設けら
れて昇降路に仮設された移動機械室と、吊り車が設けら
れて昇降路を昇降するかごと、吊り車が設けられて昇降
路を昇降するつり合おもりと、移動機械室の外側寄りに
枢着された滑車と、昇降路の下端部に枢着された下部滑
車と、この下部滑車に対向して設けられた巻胴と、一端
が移動機械室に固定されて下垂し、かごの吊り車に巻掛
けられて上昇し巻上機に巻掛けられ、巻上機から下垂し
つり合おもりの吊り車に巻掛けられて上昇し滑車に巻掛
けられて昇降路の壁面に沿って下垂し、下部滑車に巻掛
けられて他端は巻胴に巻込まれた主索とが設けられる。
【0013】また、この発明の請求項5記載の発明に係
る工事用エレベーター装置においては、巻上機が設けら
れて昇降路に仮設された移動機械室と、吊り車が設けら
れて昇降路を昇降するかごと、吊り車が設けられて昇降
路を昇降するつり合おもりと、移動機械室の外側寄りに
枢着された滑車と、昇降路の下端部に枢着された下部滑
車と、複数個からなり下部滑車に対向して設けられて互
いに上下方向に離れ鉛直線に沿って配置された巻胴と、
複数本が並列に配置されて一端が移動機械室に固定され
て下垂し、かごの吊り車に巻掛けられて上昇し巻上機に
巻掛けられ、巻上機から下垂しつり合おもりの吊り車に
巻掛けられて上昇し滑車に巻掛けられて昇降路の壁面に
沿って下垂し、下部滑車に巻掛けられて他端は複数本が
それぞれ対応した巻胴に巻込まれた主索とが設けられ
る。
【0014】
【作用】上記のように構成されたこの発明の請求項1記
載の発明では、建築工事の上層階進捗に伴い昇降行程を
上方へ延長するときに、昇降路側での作業により主索の
昇降路下端部寄り端部が上方へ移動される。そして、昇
降路側の主索連結部において昇降行程の上方延長に要す
る主索の繰り出しが行われる。
【0015】また、上記のように構成されたこの発明の
請求項2記載の発明では、建築工事の上層階進捗に伴い
昇降行程を上方へ延長するときに、昇降路側での作業に
より主索の昇降路下端部寄り端部が上方へ移動される。
そして、昇降行程の上方延長に要する主索が繰り出され
て昇降路の適所の保持装置に保持される。
【0016】また、上記のように構成されたこの発明の
請求項3記載の発明では、建築工事の上層階進捗に伴い
昇降行程を上方へ延長するときに、昇降路側での作業に
より主索の昇降路側の端部が移動される。そして、昇降
路側の主索連結部において昇降行程の上方延長に要する
主索の繰り出しが行われる。
【0017】また、上記のように構成されたこの発明の
請求項4記載の発明では、建築工事の上層階進捗に伴い
昇降行程を上方へ延長するときに、昇降路側での作業に
より主索の昇降路下端部寄りが巻胴から引き出される。
そして、主索の昇降路下端部において昇降行程の上方延
長に要する主索の繰り出しが行われる。
【0018】また、上記のように構成されたこの発明の
請求項5記載の発明では、建築工事の上層階進捗に伴い
昇降行程を上方へ延長するときに、昇降路側での作業に
より複数本の主索それぞれの昇降路下端部寄りがそれぞ
れの巻胴から引き出される。そして、主索の昇降路下端
部において昇降行程の上方延長に要する主索の繰り出し
が行われる。
【0019】
【実施例】
実施例1.図1〜図3は、この発明の一実施例を示す図
で、図1は縦断面図、図2は図1の要部横断拡大平面
図、図3は図1のIII部拡大図である。図において、
(1)は建築工事中の建築体、(2)は建築体(1)に構成され
た昇降路である。(3)は昇降路(2)の上端部に仮設された
移動機械室で、下部に設けられて建築体(1)に支持され
た掛合体(4)、巻上機(5)、上面に装備された吊り具(8)
及び外側寄りに枢着された滑車(14)によって構成されて
いる。(9)は吊り車(10)が設けられて昇降路(2)を昇降す
るかご、(11)は吊り車(12)が設けられて昇降路(2)を昇
降するつり合おもりである。
【0020】(13)は主索で、一端が移動機械室(3)に固
定されて下垂しかご(9)の吊り車(10)に巻掛けられて上
昇し巻上機(5)に巻掛けられ、巻上機(5)から下垂しつり
合おもり(11)の吊り車(12)に巻掛けられて上昇し滑車(1
4)に巻掛けられて昇降路(2)の壁面に沿って下垂し、他
端は昇降路(2)の下端部寄りに配置されている。(15)は
昇降路(2)の下端部寄りに設けられた主索(13)の保持装
置で、昇降路(2)の壁に互いに水平方向に離れて固定さ
れた一組により形成された複数組が高さ方向に互いに離
れて配置された固定具(16)及び主索(13)の引き止め具を
保持して固定具(16)に締結された保持体(17)によって構
成されている。
【0021】上記のように構成された工事用エレベータ
ー装置においては、建築工事中の建築体(1)に構成され
た昇降路(2)の上端部に移動機械室(3)を仮設して、主索
(13)の昇降路(2)下端寄りの端部が保持装置(15)に保持
される。この状態で巻上機(5)により主索(13)を介して
かご(9)及びつり合おもり(11)が互いに反対方向へ運転
される。これにより、建築された建築体(1)の階床に対
応した昇降行程が形成されて工事用運転が行われる。
【0022】そして、建築工事が進捗して昇降路(2)が
上方へ延長されると移動機械室(3)が延長された昇降路
(2)の上端部に移動されて仮設される。これと共に、上
方へ延長された昇降路(2)に対応して主索(13)の昇降路
(2)下端寄りの端部を保持した保持装置(15)の位置が上
方に移動、すなわち、保持体(17)が上方の固定具(16)に
締結されて上方に移動される。なお、固定具(16)は建築
工事の進捗に伴う移動機械室(3)の上方への移動回数に
対応した間隔に複数が設置される。これにより、延長さ
れた昇降路(2)に対応した昇降行程が形成されて建築さ
れた建築体(1)の階床に対応した工事用運転が行われ
る。
【0023】このような、建築工事の進捗に伴う昇降路
(2)の昇降行程延長時において、主索(13)の昇降路(2)下
端部側端部の上方移動操作が昇降路(2)側で行われる。
したがって、作業のための場所の制約が少なく安全かつ
容易に作業することができる。また、移動機械室(3)に
主索(13)の保持装置(6)及び繰り出し用の主索(13)が巻
掛けられた巻胴を装備する必要がなく、移動機械室(3)
が小型になる。これによって、昇降路(2)の横断面積に
よる移動機械室(3)設置の制約が緩和されて容易に設置
でき、また移動機械室(3)の上方移動作業を簡易化する
ことができる。
【0024】さらに、主索(13)の繰り出し用の予備長さ
が図8の場合のように移動機械室(3)の巻胴(7)でなく、
建築体(1)に構成された昇降路(2)の高さに対応した長さ
に設けられる。このため、主索(13)の繰り出し用の予備
長さに対する制約が少なく、主索(13)の繰り出し用の予
備を十分長く設けることができる。したがって、建築体
(1)完成までの間において、主索(13)の繰り出し用の予
備長さが長くできないことによる主索(13)全体を取り替
える回数を、建築体(1)が超高層建築等である場合であ
っても少なくすることができる。このようにして建築工
事の上層階進捗に伴う昇降路(2)の延長により、昇降行
程を上方へ容易に延長でき、延長された昇降路(2)に対
応した建築体(1)の階床に対する工事用運転を行うこと
ができる。
【0025】実施例2.図4は、この発明の他の実施例
を示す図で、図1の要部相当図である。図において、図
1〜図3と同符号は相当部分を示し、(14)は移動機械室
(3)の外側寄りに枢着された第1滑車、(15)は昇降路(2)
に設けられた主索(13)の保持装置、(18)は昇降路(2)の
下端寄りに枢着された返し滑車、(19)は移動機械室(3)
の外側寄りに枢着されて第1滑車(14)とは離れて配置さ
れた第2滑車である。
【0026】(13)は主索で、一端が移動機械室(3)に固
定されて下垂しかご(9)の吊り車(10)に巻掛けられて上
昇し巻上機(5)に巻掛けられ、巻上機(5)から下垂しつり
合おもり(11)の吊り車(12)に巻掛けられて上昇し第1滑
車(14)に巻掛けられて昇降路(2)の壁面に沿って下垂
し、返し滑車(18)に巻掛けられて上昇し第2滑車(19)に
巻掛けられ他端は下垂して昇降路(2)の保持装置(15)に
保持されている。
【0027】上記のように構成された工事用エレベータ
ー装置においては、建築工事中の建築体(1)に構成され
た昇降路(2)の上端部に移動機械室(3)を仮設して、主索
(13)の昇降路(2)下端寄りの端部が保持装置(15)に保持
される。この状態で巻上機(5)により主索(13)を介して
かご(9)及びつり合おもり(11)が互いに反対方向へ運転
される。これにより、建築された建築体(1)の階床に対
応した昇降行程が形成されて工事用運転が行われる。
【0028】そして、建築工事が進捗して昇降路(2)が
上方へ延長されると移動機械室(3)が延長された昇降路
(2)の上端部に移動されて仮設される。これと共に、上
方へ延長された昇降路(2)に対応して主索(13)の昇降路
(2)下端寄りの端部を保持した保持装置(15)の位置が移
動されて主索(13)の繰り出し用の予備部分が繰り出され
る。これにより、延長された昇降路(2)に対応した昇降
行程が形成されて建築された建築体(1)の階床に対応し
た工事用運転が行われる。
【0029】したがって、詳細な説明を省略するが図4
の実施例においても図1〜図3の実施例と同様な作用が
得られる。また、図4の実施例において主索(13)の繰り
出し用の予備部分が第1滑車(14)、返し滑車(18)及び第
2滑車(19)に巻掛けられることにより用意される。この
ため、十分長い主索(13)の繰り出し用の予備長さを備え
ることができ、建築体(1)が超高層建築である場合であ
っても、主索(13)の繰り出し用の予備長さ不足のために
主索(13)全体を取り替える頻度を一層少なくすることが
できる。
【0030】実施例3.図5及び図6も、この発明の他
の実施例を示す図で、図5は縦断面図、図6は図5の要
部横断拡大平面図である。図において、(1)は建築工事
中の建築体、(2)は建築体(1)に構成された昇降路であ
る。(3)は昇降路(2)の上端部に仮設された移動機械室
で、下部に設けられて建築体(1)に支持された掛合体
(4)、巻上機(5)、上面に装備された吊り具(8)及び外側
寄りに枢着された滑車(14)によって構成されている。
(9)は吊り車(10)が設けられて昇降路(2)を昇降するか
ご、(11)は吊り車(12)が設けられて昇降路(2)を昇降す
るつり合おもりである。
【0031】(20)は昇降路(2)の下端部に枢着された下
部滑車、(21)は下部滑車(20)に対向して設けられて一つ
の軸にそれぞれ固定された複数の巻胴、(22)は巻胴(21)
の軸を制動する制動装置である。
【0032】(13)は複数本が並列に配置された主索で、
一端が移動機械室(3)に固定されて下垂しかご(9)の吊り
車(10)に巻掛けられて上昇し巻上機(5)に巻掛けられ、
巻上機(5)から下垂しつり合おもり(11)の吊り車(12)に
巻掛けられて上昇し滑車(14)に巻掛けられて昇降路(2)
の壁面に沿って下垂し、下部滑車(20)に巻掛けられて他
端は複数本がそれぞれ巻胴(21)に巻き取られている。
【0033】上記のように構成された工事用エレベータ
ー装置においては、建築工事中の建築体(1)に構成され
た昇降路(2)の上端部に移動機械室(3)を仮設して、主索
(13)の昇降路(2)下端寄りの端部が巻胴(21)に巻き取ら
れて制動装置(22)により巻胴(21)が制動されることによ
り保持される。この状態で巻上機(5)により主索(13)を
介してかご(9)及びつり合おもり(11)が互いに反対方向
へ運転される。これにより、建築された建築体(1)の階
床に対応した昇降行程が形成されて工事用運転が行われ
る。
【0034】そして、建築工事が進捗して昇降路(2)が
上方へ延長されると移動機械室(3)が延長された昇降路
(2)の上端部に移動されて仮設される。これと共に、主
索(13)の昇降路(2)下端寄りの端部を保持した巻胴(21)
の制動装置(22)による制動が解除される。そして、主索
(13)が上方へ延長された昇降路(2)に対応して延長され
て、制動装置(22)により巻胴(21)が再制動されて主索(1
3)が保持される。これにより、延長された昇降路(2)に
対応した昇降行程が形成されて建築された建築体(1)の
階床に対応した工事用運転が行われる。
【0035】したがって、詳細な説明を省略するが図5
及び図6の実施例においても図1〜図3の実施例と同様
な作用が得られる。また、図5及び図6の実施例におい
て主索(13)の繰り出し用の予備部分が巻胴(21)に巻き込
まれて用意される。このため、十分長い主索(13)の繰り
出し用の予備長さを備えることができ、建築体(1)が超
高層建築である場合であっても、主索(13)の繰り出し用
の予備長さ不足のために主索(13)全体を取り替える頻度
を一層少なくすることができる。さらに、制動装置(22)
の制動解除により主索(13)の繰り出し用の予備部分を繰
り出すことができるので、容易に昇降行程の延長操作を
行うことができる。
【0036】実施例4.図7も、この発明の他の実施例
を示す図で、図7は前述の図6のVII−VII線に沿
う断面図である。図において、図5及び図6と同符号は
相当部分を示し、(21)は下部滑車(20)に対向して設けら
れて鉛直線に沿い上下方向に互いに離れてそれぞれ枢持
された複数の巻胴、(23)は巻胴(21)のそれぞれに設けら
れた鎖歯車、(24)は無端状をなし鎖歯車(23)のそれぞれ
に巻掛けられたローラチェーンである。(22)は制動装置
で、最下部の鎖歯車(23)に固定された制動車(25)、制動
車(25)に巻掛けられたベルトブレーキ(26)及びベルトブ
レーキ(26)のブレーキレバー(27)によって構成されてい
る。
【0037】上記のように構成された工事用エレベータ
ー装置においては、建築工事中の建築体(1)に構成され
た昇降路(2)の上端部に移動機械室(3)が仮設される。そ
して、主索(13)の複数本の昇降路(2)下端寄りの端部
が、対応したそれぞれの巻胴(21)に巻き取られて制動装
置(22)により巻胴(21)が制動されることにより保持され
る。この状態で巻上機(5)により主索(13)を介してかご
(9)及びつり合おもり(11)が互いに反対方向へ運転され
る。これにより、建築された建築体(1)の階床に対応し
た昇降行程が形成されて工事用運転が行われる。
【0038】そして、建築工事が進捗して昇降路(2)が
上方へ延長されると移動機械室(3)が延長された昇降路
(2)の上端部に移動されて仮設される。これと共に、上
方へ延長された昇降路(2)に対応して主索(13)の昇降路
(2)下端寄りの端部を保持した巻胴(21)の制動装置(22)
による制動が解除される。そして、主索(13)が上方へ延
長された昇降路(2)に対応して延長されて、制動装置(2
2)により巻胴(21)が再制動されて主索(13)が保持され
る。これにより、延長された昇降路(2)に対応した昇降
行程が形成されて建築された建築体(1)の階床に対応し
た工事用運転が行われる。
【0039】したがって、詳細な説明を省略するが図7
の実施例においても図1〜図3の実施例と同様な作用が
得られる。また、図7の実施例において主索(13)の繰り
出し用の予備部分が巻胴(21)に巻き込まれることにより
用意される。このため、十分長い主索(13)の繰り出し用
の予備長さを備えることができ、建築体(1)が超高層建
築である場合であっても、主索(13)の繰り出し用の予備
長さ不足のために主索(13)全体を取り替える頻度を一層
少なくすることができる。さらに、制動装置(22)の制動
解除により主索(13)の繰り出し用の予備部分を繰り出す
ことができるので、容易に昇降行程の延長操作を行うこ
とができる。
【0040】また、図7の実施例において複数の巻胴(2
1)が鉛直線に沿い上下方向に互いに離れて配置されてい
るので、巻胴(21)の設置場所の平面面積が減少する。こ
のため、巻胴(21)の設置スペースに対する制約が少なく
工事用エレベーター装置の設置を容易化することができ
る。
【0041】
【発明の効果】この発明の請求項1記載の発明は以上説
明したように、一端が移動機械室に固定されて下垂しか
ごの吊り車に巻掛けられて上昇し巻上機に巻掛けられ、
巻上機から下垂しつり合おもりの吊り車に巻掛けられて
上昇し移動機械室の滑車に巻掛けられて昇降路の壁面に
沿って下垂し、他端は昇降路の下端部寄りに保持された
主索とを設けたものである。
【0042】これによって、建築工事の進捗に伴う昇降
路の昇降行程延長時に、昇降路側での作業により昇降路
側の主索連結部において主索の繰り出しを行うことがで
きる。したがって、昇降行程延長時の作業のための場所
の制約が少なく安全かつ容易に作業することができる。
また、移動機械室に主索の保持装置及び繰り出し用主索
の巻胴を装備する必要がなく、移動機械室が小型になり
昇降路の横断面積による移動機械室設置の制約が緩和さ
れて容易に設置でき、また移動機械室の上方移動作業を
簡易化する効果がある。
【0043】また、この発明の請求項2記載の発明は以
上説明したように、一端が移動機械室に固定されて下垂
し、かごの吊り車に巻掛けられて上昇し移動機械室の滑
車に巻掛けられて巻上機から下垂しつり合おもりの吊り
車に巻掛けられて上昇し滑車に巻掛けられて昇降路の壁
面に沿って下垂して、他端は昇降路の下端部寄りに配置
された主索と、昇降路に設けられて主索の昇降路下端部
寄り端部を上下方向に変位可能に保持する保持装置とを
設けたものである。
【0044】これによって、建築工事の上層階進捗に伴
い昇降行程を上方へ延長するときに、昇降路側での作業
により主索の昇降路下端部寄り端部が上方へ移動され
る。そして、昇降行程の上方延長に要する主索が繰り出
されて昇降路の適所の保持装置に保持される。したがっ
て、昇降行程延長時の作業のための場所の制約が少なく
安全かつ容易に作業することができる。また、移動機械
室に主索の保持装置及び繰り出し用主索の巻胴を装備す
る必要がなく、移動機械室が小型になり昇降路の横断面
積による移動機械室設置の制約が緩和されて容易に設置
でき、また移動機械室の上方移動作業を簡易化する効果
がある。
【0045】また、この発明の請求項3記載の発明は以
上説明したように、一端が移動機械室に固定されて下垂
し、かごの吊り車に巻掛けられて上昇し巻上機に巻掛け
られ、巻上機から下垂しつり合おもりの吊り車に巻掛け
られて上昇し移動機械室の第1滑車に巻掛けられて昇降
路の壁面に沿って下垂し、返し滑車に巻掛けられて昇降
路の壁面に沿って上昇し移動機械室の第2滑車に巻掛け
られて昇降路の壁面に沿って下垂し、他端は昇降路に保
持された主索とを設けたものである。
【0046】これによって、建築工事の上層階進捗に伴
い昇降行程を上方へ延長するときに、昇降路側での作業
により主索の昇降路側の端部が移動されて、昇降行程の
上方延長に要する主索が繰り出される。したがって、昇
降行程延長時の作業のための場所の制約が少なく安全か
つ容易に作業することができる。また、主索の繰り出し
用の予備部分が第1滑車、返し滑車及び第2滑車に巻掛
けられることにより用意されるため、十分長い主索の繰
り出し用の予備長さを備えることができる。このため、
主索の繰り出し用の予備長さ不足のために主索全体を取
り替える頻度を少なくすることができ、移動機械室の上
方移動作業を簡易化する効果がある。
【0047】また、移動機械室に主索の保持装置及び繰
り出し用主索の巻胴を装備する必要がなく、移動機械室
が小型になり昇降路の横断面積による移動機械室設置の
制約が緩和されて容易に設置でき、また移動機械室の上
方移動作業を簡易化する効果がある。
【0048】また、この発明の請求項4記載の発明は以
上説明したように、一端が移動機械室に固定されて下垂
し、かごの吊り車に巻掛けられて上昇し巻上機に巻掛け
られ、巻上機から下垂しつり合おもりの吊り車に巻掛け
られて上昇し移動機械室の滑車に巻掛けられて昇降路の
壁面に沿って下垂して、昇降路の下部滑車に巻掛けられ
て他端は巻胴に巻込まれた主索とを設けたものである。
【0049】これによって、建築工事の上層階進捗に伴
い昇降行程を上方へ延長するときに、昇降路側での作業
により主索の昇降路下端部寄りが巻胴から引き出され
る。そして、主索の昇降路下端部において昇降行程の上
方延長に要する主索の繰り出しが行われる。したがっ
て、昇降行程延長時の作業のための場所の制約が少な
く、また主索を容易に繰り出すことができて、安全、か
つ容易に作業することができる。また、移動機械室に主
索の保持装置及び繰り出し用主索の巻胴を装備する必要
がなく、移動機械室が小型になり昇降路の横断面積によ
る移動機械室設置の制約が緩和されて容易に設置でき、
また移動機械室の上方移動作業を簡易化する効果があ
る。
【0050】また、この発明の請求項5記載の発明は以
上説明したように、複数本が並列に配置されて一端が移
動機械室に固定されて下垂し、かごの吊り車に巻掛けら
れて上昇し巻上機に巻掛けられ、巻上機から下垂しつり
合おもりの吊り車に巻掛けられて上昇し移動機械室の滑
車に巻掛けられて昇降路の壁面に沿って下垂し、昇降路
の下部滑車に巻掛けられて他端は複数本がそれぞれ対応
した巻胴に巻込まれた主索とを設けたものである。
【0051】これによって、建築工事の上層階進捗に伴
い昇降行程を延長するときに、昇降路側での作業により
複数本の主索それぞれの昇降路下端部寄りがそれぞれの
巻胴から引き出される。そして、主索の昇降路下端部に
おいて昇降行程の上方延長に要する主索の繰り出しが行
われる。したがって、昇降行程延長時の作業のための場
所の制約が少なく、また主索を容易に繰り出すことがで
きて、安全、かつ容易に作業することができる。さら
に、複数の巻胴が鉛直線に沿い上下方向に配置されるた
め巻胴設置の所要面積を少なくすることができる。
【0052】また、移動機械室に主索の保持装置及び繰
り出し用主索の巻胴を装備する必要がなく、移動機械室
が小型になり昇降路の横断面積による移動機械室設置の
制約が緩和されて容易に設置でき、また移動機械室の上
方移動作業を簡易化する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す縦断面図。
【図2】図1の要部横断拡大平面図。
【図3】図1のIII部拡大図。
【図4】この発明の実施例2を示す図1の要部相当図。
【図5】この発明の実施例3を示す縦断面図。
【図6】図5の要部横断拡大平面図。
【図7】この発明の実施例4を示す前述の図6のVII
−VII線断面相当図。
【図8】従来の工事用エレベーター装置を示す縦断面図
で、右側は左側よりも建築工事が上層階へ進捗した状態
を説明した図。
【符号の説明】
2 昇降路 3 移動機械室 5 巻上機 9 かご 10 吊り車 11 つり合おもり 12 吊り車 13 主索 14 滑車、第1滑車 15 保持装置 18 返し滑車 19 第2滑車 20 下部滑車 21 巻胴
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻上機が設けられて昇降路に仮設された
    移動機械室と、吊り車が設けられて上記昇降路を昇降す
    るかごと、吊り車が設けられて上記昇降路を昇降するつ
    り合おもりと、上記移動機械室の外側寄りに枢着された
    滑車と、一端が上記移動機械室に固定されて下垂し、上
    記かごの吊り車に巻掛けられて上昇し上記巻上機に巻掛
    けられ、上記巻上機から下垂し上記つり合おもりの吊り
    車に巻掛けられて上昇し上記滑車に巻掛けられて上記昇
    降路の壁面に沿って下垂し、他端は上記昇降路の下端部
    寄りに保持された主索と具備することを特徴とする工事
    用エレベーター装置。
  2. 【請求項2】 巻上機が設けられて昇降路に仮設された
    移動機械室と、吊り車が設けられて上記昇降路を昇降す
    るかごと、吊り車が設けられて上記昇降路を昇降するつ
    り合おもりと、上記移動機械室の外側寄りに枢着された
    滑車と、一端が上記移動機械室に固定されて下垂し、上
    記かごの吊り車に巻掛けられて上昇し上記巻上機に巻掛
    けられ、上記巻上機から下垂し上記つり合おもりの吊り
    車に巻掛けられて上昇し上記滑車に巻掛けられて上記昇
    降路の壁面に沿って下垂し、他端は上記昇降路の下端部
    寄りに配置された主索と、上記昇降路に設けられて上記
    主索の上記昇降路下端部寄り端部を上下方向に摺動自在
    に保持する保持装置とを具備することを特徴とする工事
    用エレベーター装置。
  3. 【請求項3】 巻上機が設けられて昇降路に仮設された
    移動機械室と、吊り車が設けられて上記昇降路を昇降す
    るかごと、吊り車が設けられて上記昇降路を昇降するつ
    り合おもりと、上記移動機械室の外側寄りに枢着されて
    互いに離れて配置された第1滑車及び第2滑車と、上記
    昇降路の下端寄りに枢着された返し滑車と、一端が上記
    移動機械室に固定されて下垂し、上記かごの吊り車に巻
    掛けられて上昇し上記巻上機に巻掛けられ、上記巻上機
    から下垂し上記つり合おもりの吊り車に巻掛けられて上
    昇し上記第1滑車に巻掛けられて上記昇降路の壁面に沿
    って下垂し、上記返し滑車に巻掛けられて上記昇降路の
    壁面に沿って上昇し上記第2滑車に巻掛けられて上記昇
    降路の壁面に沿って下垂し、他端は上記昇降路に保持さ
    れた主索とを具備することを特徴とする工事用エレベー
    ター装置。
  4. 【請求項4】 巻上機が設けられて昇降路に仮設された
    移動機械室と、吊り車が設けられて上記昇降路を昇降す
    るかごと、吊り車が設けられて上記昇降路を昇降するつ
    り合おもりと、上記移動機械室の外側寄りに枢着された
    滑車と、上記昇降路の下端部に枢着された下部滑車と、
    この下部滑車に対向して設けられた巻胴と、一端が上記
    移動機械室に固定されて下垂し、上記かごの吊り車に巻
    掛けられて上昇し上記巻上機に巻掛けられ、上記巻上機
    から下垂し上記つり合おもりの吊り車に巻掛けられて上
    昇し上記滑車に巻掛けられて上記昇降路の壁面に沿って
    下垂し、上記下部滑車に巻掛けられて他端は上記巻胴に
    巻込まれた主索とを具備することを特徴とする工事用エ
    レベーター装置。
  5. 【請求項5】 巻上機が設けられて昇降路に仮設された
    移動機械室と、吊り車が設けられて上記昇降路を昇降す
    るかごと、吊り車が設けられて上記昇降路を昇降するつ
    り合おもりと、上記移動機械室の外側寄りに枢着された
    滑車と、上記昇降路の下端部に枢着された下部滑車と、
    複数個からなり上記下部滑車に対向して設けられて鉛直
    線に沿い互いに上下方向に離れて配置された巻胴と、複
    数本が並列に配置されて一端が上記移動機械室に固定さ
    れて下垂し、上記かごの吊り車に巻掛けられて上昇し上
    記巻上機に巻掛けられ、上記巻上機から下垂し上記つり
    合おもりの吊り車に巻掛けられて上昇し上記滑車に巻掛
    けられて上記昇降路の壁面に沿って下垂し、上記下部滑
    車に巻掛けられて他端は上記複数本がそれぞれ対応した
    上記巻胴に巻込まれた主索とを具備することを特徴とす
    る工事用エレベーター装置。
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