JP2023073632A - 骨格筋機能向上剤 - Google Patents

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真由 平田
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寛 高木
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Abstract

【課題】本発明の目的は、アセロラを含有することを特徴とし、日常的に連用できる、効果的かつ安全性のある、優れた骨格筋機能向上剤、アイリシン産生促進剤およびエネルギー代謝促進剤を提供することである。【解決手段】アセロラは、極めて優れた骨格筋機能向上作用、アイリシン産生促進作用およびエネルギー代謝促進作用を示すことから、骨格筋機能向上作用、アイリシン産生促進作用およびエネルギー代謝促進作用を有する食品、医薬部外品、医薬品として利用できる。【選択図】なし

Description

本発明は、アセロラを含有することを特徴とする骨格筋機能向上剤に関する。より詳しくは、アセロラを含有することを特徴とするアイリシン産生促進剤、エネルギー代謝促進剤に関する。
骨格筋は、身体において、立つ、歩く、物を持つといった動作や、姿勢の保持など、身体の支持に必要不可欠な器官であり、健康的な日常生活を送るために、非常に重要な役割を担っている。しかし、加齢による身体機能の低下や、疾病・怪我の影響で運動が困難になると、骨格筋が次第に萎縮し、筋力が低下するなど、骨格筋の機能低下が生じる。
骨格筋の機能を維持・向上するためには、骨格筋を構成する筋肉細胞を活性化する必要がある。近年、筋肉細胞を活性化する因子として、骨格筋より分泌される生理活性タンパク質であるマイオカインが注目されている。複数のマイオカインが報告されているが、そのひとつであるアイリシンは、運動による全身性の代謝改善に関与するマイオカインとして、特に注目されている(非特許文献1)。
アイリシンは、主に骨格筋において産生される膜タンパク質であるFibronectin Type III Domein Containing 5(FNDC5)が、筋肉細胞の細胞膜から切断されることによって血中に放出されるペプチドである。アイリシンは、血液循環によって全身に輸送され、神経新生作用、炎症性疾患抑制作用、免疫細胞活性化作用、抗酸化作用、癌細胞に対するアポトーシス誘導作用などの効果をもたらし、脳機能、免疫機能、炎症調節といった、健康維持に関わる様々な機能において重要な役割を果たすことが知られている(非特許文献2)。また、白色脂肪細胞に作用し、白色脂肪細胞をベージュ細胞(活発に熱産生を行う細胞)へと誘導することで、体脂肪燃焼を促す作用が知られている(非特許文献3)。
アイリシンは、骨格筋自身にも作用し、成長因子の分泌促進による筋肉細胞の増殖と肥大、タンパク質分解酵素活性の抑制による筋委縮の緩和に効果的であることが報告されている(非特許文献4)。したがって、骨格筋におけるアイリシン産生の促進は、筋肉細胞の活性化をもたらす有益な方法のひとつである。
その他に筋肉細胞を活性化する方法として、ミトコンドリアを活性化する方法が挙げられる。ミトコンドリアの活性化は、筋肉細胞中の、ミトコンドリア遺伝子の調節に関わる転写因子のアクチベーターであるPeroxisome proliferative activated receptor gamma coactivator 1 alpha(PGC1α)、エネルギー代謝に関わる核内レセプターであるPeroxisome proliferative activated receptor alpha(PPARα)、Peroxisome proliferative activated receptor gamma(PPARγ)、ミトコンドリアの脱共役タンパク質であるUncoupling protein 2(UCP2)、Uncoupling protein 3(UCP3)、筋肥大に関わる成長因子であるInsulin-like growth factor 1(IGF1)などを活性化することで達成できる。
ミトコンドリアは、骨格筋の伸縮に必要なエネルギーを合成する重要な細胞小器官であり、ミトコンドリアの活性が高い骨格筋では、エネルギー合成が盛んに行われるため、骨格筋の機能を向上させるために、ミトコンドリアの活性化は非常に重要である。また、ミトコンドリアの活性化は、エネルギー代謝の促進や運動のパフォーマンス向上にも効果的であると考えられている(非特許文献5)。
骨格筋の機能を向上させるために、筋肉細胞のアイリシン産生促進やミトコンドリア活性化は必要であるが、これらは運動により達成することができる(非特許文献1、6)。運動によって筋肉細胞を活性化し、アイリシン産生あるいはミトコンドリアの活性化を促進することは、Quality of Life(QOL)を維持するために、大変重要である。
しかしながら、現代社会においては、生活習慣が不規則になりがちで、かつ定期的な運動習慣を継続するのは容易ではない。さらに、加齢によって身体機能の低下、あるいは疾病・怪我の影響で、運動自体が困難になる場合も少なくない。運動不足、加齢や疾病・怪我などによる骨格筋の機能低下は、マイオカイン産生量の減少、ミトコンドリアの減少、ミトコンドリアの機能不全に至る(非特許文献7)。さらに、身体全体の機能が低下すると、転倒による骨折や誤嚥性肺炎の危険性も上昇することも報告されている(非特許文献8)。以上の様に、骨格筋の機能を向上させることで、身体全体の健康状態の改善、中でもロコモティブシンドロームやフレイルの改善、運動パフォーマンスの向上、体脂肪燃焼の促進が期待できる。
そこで、必ずしも運動を必要とせず、運動の代替となる刺激を与えることで筋肉細胞を活性化し、筋肉細胞のアイリシン産生およびミトコンドリアの活性化を促進することで、骨格筋の機能を向上させることが可能になれば、上述の課題に対応できる。このような観点から、運動模倣薬として研究が進められている化合物のひとつに、5-aminoimidazole-4-carboxamide ribonucleotide(AICAR)がある。この化合物は、筋肉細胞において、運動により起こる生理活性の一部を代替することで、運動と同様、糖取り込み量の増加、およびミトコンドリア酵素活性の上昇をもたらすことが報告されている(非特許文献9)。
しかしながら、AICARの作用は、全身の細胞で起こるため、骨格筋以外の器官にも作用する。特に、全身の各器官における細胞死の促進、視床下部による食欲増進など、多くの副作用が伴う可能性があり、長期間の投与は難しい(非特許文献10)。
そのため、安全性が高く、長期間摂取を継続することができる食品由来の骨格筋機能向上剤の開発が必要である。これまでに、刺梨、アガリクス茸などを含有する筋芽細胞活性化剤(特許文献1)、アズキ豆抽出物を含有する筋細胞賦活剤(特許文献2)が提案されているが、さらに効果的な食品由来の骨格筋機能向上剤の提案が求められている。
このような情勢を鑑み、本発明者らは、様々な食品を用いて試験を行った結果、アセロラに、優れた骨格筋機能向上作用を見出した。アセロラには、中性脂肪吸収低下活性(特許文献3)、動脈硬化予防活性(特許文献4)、抗酸化作用(特許文献5)を示すことが知られているが、アセロラを含有することを特徴とする骨格筋機能向上剤は全く知られていない。
特開2008-156294号公報 特開2007-230965号公報 特開2005-154432号公報 特開2011-052028号公報 特開2018-035080号公報
Nature Vol.481(7382) 463-468(2012) Medicina Vol.55 485(2019) Front Endocrinol.(Lausanne) Vol.10 524(2019) Pflugers Archiv. Vol.472 495-502(2020) オレオサイエンス Vol.18(8) 367-373(2018) Cold Spring Harb Perspect Med. Vol.8(3) a021785(2018) 日老医誌 Vol.49 199-202(2012) 外科と代謝・栄養 Vol.53(2) 97-103(2019) ファルマシア Vol.51(11) 1072-1075(2015) N. Engl. J. Med. Vol.359(17) 1842-2844(2008)
本発明は、アセロラを含有することを特徴とする骨格筋機能向上剤に関する。より詳しくは、アセロラを含有することを特徴とするアイリシン産生促進剤、エネルギー代謝促進剤に関する。
本発明者らは、鋭意研究した結果、アセロラに優れたアイリシン産生促進作用、エネルギー代謝促進作用を有することを見出した。
本研究に用いるアセロラは、キントラノオ科の植物であるアセロラ(学名:Malpighia emarginata DC.)を用いることができる。アセロラは、別名バルバドスチェリーと呼ばれ、西インド諸島が原産地と考えられており、ブラジル、カリブ海など、主に熱帯気候の地域で栽培されている。本発明に使用するアセロラの部位は特に限定されないが、葉、果実、種子、樹皮などが挙げられ、特に果実を使用することが好ましい。
本発明に用いるアセロラは、そのまま用いることができ、必要に応じて、搾汁、乾燥、粉砕、細切などの処理を行ったものを用いることもできる。また、アセロラをそのまま、あるいは以上の処理を行ったものを抽出した抽出物も用いることができる。抽出する溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノールなど)、液状多価アルコール類(1、3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、石油エーテルなど)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテルなど)が挙げられる。これらの溶媒は、1種あるいは2種以上を混合して用いてもよい。本発明のアセロラは、果実を搾汁した果汁あるいは果汁抽出物を用いるのが好ましい。
上記抽出物は、抽出した液体のまま用いてもよく、必要に応じて濃縮、希釈、濾過、活性炭などによる脱色、脱臭、エタノール沈殿、発酵などの処理をして用いても良い。さらには、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥などの処理を行い、乾燥物として用いても良い。
本発明に用いるアセロラの摂取量は、投与形態、使用目的、年齢、体重などによって適宜調整することができる。成人1日当たりのアセロラの摂取量は、アセロラの果実に換算して、0.05~3000mg、好ましくは10~2000mgの範囲で1日1回から数回、経口摂取できる。上記摂取範囲よりも少ない量で充分な場合もあるし、また、範囲を超えて摂取する必要がある場合もある。また、製剤化における薬効成分の添加法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。
本発明の骨格筋機能向上剤、アイリシン産生促進剤、エネルギー代謝促進剤は、食品、医薬部外品、医薬品として用いることができる。食品としては、軟カプセル、硬カプセル、顆粒、タブレット、グミ、飲料、ゼリーなどとして用いることができる。また、医薬部外品や医薬品では、経口用のカプセル剤、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤など、非経口用の点眼剤、注射剤、座剤、皮膚外用剤などとして用いることができる。本発明の目的を達成するためには、内服での摂取が好ましい。
本発明の骨格筋機能向上剤、アイリシン産生促進剤、エネルギー代謝促進剤は、効果を損なわない範囲内で、必要に応じて通常の食品、医薬部外品または医薬品に用いられる賦形剤、安定剤、滑沢剤、保存剤、結合剤、崩壊剤、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、pH調整剤、防腐剤、香料などの成分を含有することもできる。さらに、植物素材、ポリフェノール類、ビタミン類、糖類、タンパク質、油脂などの成分を含有することもできる。
本発明のアセロラを含有することを特徴とする骨格筋機能向上剤、アイリシン産生促進剤、エネルギー代謝促進剤は、極めて優れた骨格筋機能向上作用、アイリシン産生促進作用、エネルギー代謝促進作用を有するものである。
以下の実施例は例示のために説明するものであり、本発明の特許請求の範囲はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例に示す含有量の%は重量%を示す。
製造例1 アセロラ果汁抽出物
アセロラ果実1kgを搾汁し、果汁を700mL得た。そのうち500mLの果汁に精製水2Lを加え、得られた果汁に0.8%の酵母を添加し、37℃で30時間発酵した。発酵後、酵母の除去、および失活処理を行い、デキストリン10gを加え、溶解させた。溶解後、噴霧乾燥し、アセロラ果汁抽出物20gを得た。
製造例2 アセロラ果実熱水抽出物
アセロラ果実100gに、精製水2Lを加え、95~100℃で2時間抽出した後、ろ液を濃縮、凍結乾燥して、アセロラ果実熱水抽出物9.6gを得た。
製造例3 アセロラ果実30%エタノール抽出物
アセロラ果実100gに、精製水1.4Lとエタノール0.6Lを加え、常温で5日間抽出した後、ろ液を濃縮乾固して、アセロラ果実30%エタノール抽出物2.4gを得た。
製造例4 アセロラ果実50%エタノール抽出物
アセロラ果実100gに、精製水1Lとエタノール1Lを加え、常温で5日間抽出した後、ろ液を濃縮乾固して、アセロラ果実50%エタノール抽出物2.1gを得た。
次に、アセロラを用いた処方例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
処方例1 錠剤
<処方>
成分 含有量(%)
1.アセロラ果汁抽出物(製造例1) 1.0
2.マルチトール 全量が100となるように加える
3.セルロース 5.0
4.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
<製造方法>
成分1~3を混合し、10%の水を結合剤として加え、流動層造粒する。成形した顆粒に成分4を加えて混合し、打錠して1錠300mgの錠剤を得た。
<用法>
1日当たり3錠摂取する。
処方例2 硬カプセル
<処方>
成分 含有量(%)
1.アセロラ果実熱水抽出物(製造例2) 20.0
2.コーンスターチ 全量が100となるように加える
3.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
<製造方法>
成分1~3を混合し、2号硬カプセルに250mg充填して硬カプセル剤を得た。
<用法>
1日当たり2粒摂取する。
処方例3 軟カプセル
<処方>
成分 含有量(%)
1.アセロラ果汁抽出物(製造例1) 0.2
2.中鎖脂肪酸油 全量が100となるように加える
3.ミツロウ 5.0
4.グリセリン脂肪酸エステル 5.0
5.ビタミンE 3.0
<製造方法>
成分1~5を混合し、デンプン、カラギナン、還元水あめ、グリセリンで構成された被膜に、250mg充填し、乾燥後、軟カプセル剤を得た。
<用法>
1日当たり3粒摂取する。
試験例1 アセロラのアイリシン産生促進作用
マウス筋芽細胞C2C12を、10%牛胎児血清を含むDMEMで培養した。次いで、5%馬血清を含むDMEM(以下、分化培地と記す)で培養し、筋管細胞に分化させた。分化後、分化培地にAICARを200μM、およびアセロラ果汁抽出物(製造例1)を1μg/mL、10μg/mL、100μg/mLとなるように溶解させたものに置換えて、24時間培養し、遺伝子発現解析を行った。また、アセロラ果汁抽出物(製造例1)を100μg/mLとなるように溶解させたものに置換えて、3時間、6時間、24時間培養し、遺伝子発現解析を行った。遺伝子発現は、アイリシンの前駆体であるFNDC5の遺伝子発現変動をリアルタイムPCR法で評価した。内部標準にはGlyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase(GAPDH)を用いた。試料未添加の遺伝子発現を1とし、遺伝子発現比を算出した。
FNDC5用のプライマーセット
CAAAGAACAAAGATGAGGTGACCA(配列1)
TTCTCCTTGTTGTTATTGGGCT(配列2)
GAPDH用のプライマーセット
TGGAGAAACCTGCCAAGTATG(配列3)
CCCTCAGATGCCTGCTTCA(配列4)
試験例1の結果を表1および表2に示す。FNDC5の遺伝子発現は、アセロラ果汁抽出物(製造例1)で濃度依存的および時間依存的に亢進した。さらに、その亢進の程度は、陽性対照のAICARより優れていた。以上の結果から、アセロラには、優れたアイリシン産生促進作用が認められた。また、FNDC5の産生促進作用は免疫染色でも確かめられた。
Figure 2023073632000001
Figure 2023073632000002
試験例2 アセロラのエネルギー代謝促進作用
マウス筋芽細胞C2C12を、10%牛胎児血清を含むDMEMで培養した。次いで、5%馬血清を含むDMEM(以下、分化培地と記す)で培養し、筋管細胞に分化させた。分化後、分化培地にAICARを200μM、およびアセロラ果汁抽出物(製造例1)を100あるいは200μg/mLとなるように溶解させたものに置換えて、24時間培養し、遺伝子発現解析を行った。遺伝子発現は、ミトコンドリア遺伝子の調節に関わる転写因子のアクチベーターであるPGC1α、エネルギー代謝に関わる核内レセプターであるPPARα、PPARγ、ミトコンドリアの脱共役タンパク質であるUCP2、UCP3、筋肥大に関わる成長因子であるIGF1の遺伝子発現変動をリアルタイムPCR法で評価した。内部標準にはGAPDHあるいはβ-アクチンを用いた。試料未添加の遺伝子発現を1とし、遺伝子発現比を算出した。
PGC1α用のプライマーセット
GATGGCACGCAGCCCTATT(配列5)
CGACACGGAGAGTTAAAGGAAGA(配列6)
PPARα用のプライマーセット
ACGATGCTGTCCTCCTTGATG(配列7)
ACTCGCGTGTGATAAAGCCATT(配列8)
PPARγ用のプライマーセット
TCACAAGAGCTGACCCAATGG(配列9)
GATCGCACTTTGGTATTCTTGGA(配列10)
UCP2用のプライマーセット
GCCTCTGGAAAGGGACTTCTC(配列11)
ACCAGCTCAGCACAGTTGACA(配列12)
UCP3用のプライマーセット
TTTTGCGGACCTCCTCACTT(配列13)
TGGATCTGCAGACGGACCTT(配列14)
IGF1用のプライマーセット
GTTGCTTCCGGACGTGTGAT(配列15)
GATAGAGCGGGCTGCTTTTG(配列16)
GAPDH用のプライマーセット
TGGAGAAACCTGCCAAGTATG(配列3)
CCCTCAGATGCCTGCTTCA(配列4)
β―アクチン用のプライマーセット
AGATGACCCAGATCATGTTTGAGA(配列17)
CACAGCCTGGATGGCTACGTA(配列18)
試験例2の結果を表3に示す。PGC1α、PPARα、PPARγ、UCP2、UCP3、IGF1の遺伝子発現は、アセロラ果汁抽出物(製造例1)で亢進した。以上の結果から、アセロラには、エネルギー代謝促進作用が認められた。その効果は、陽性対照のAICARより強いものであった。
Figure 2023073632000003
試験例3 アセロラの運動との併用によるアイリシン産生促進作用およびエネルギー代謝促進作用
シリコン製の伸展チャンバー(32mm×32mm)にコラーゲンコート処理を行い、マウス筋芽細胞C2C12を、10%牛胎児血清を含むDMEMで培養した。次いで、5%馬血清を含むDMEM(以下、分化培地と記す)で培養し、筋管細胞に分化させた。分化後、分化培地にアセロラ果汁抽出物(製造例1)を100μg/mLとなるように溶解させたものに置換えて、チャンバーを生化学用伸展装置ST-140(ストレックス株式会社)にセットし、1軸方向に伸展率10%、伸展速度0.5Hz(10%の伸展幅を、2秒かけて1往復する速度)にて、伸展刺激を1時間行うことで、運動を培養系で再現し、その後、遺伝子発現解析を行った。遺伝子発現は、アイリシンの前駆体であるFNDC5、ミトコンドリア遺伝子の調節に関わる転写子アクチベーターであるPGC1α、エネルギー代謝に関わる核内レセプターであるPPARα、PPARγ、ミトコンドリアの脱共役タンパク質であるUCP2、UCP3、筋肥大に関わる成長因子であるIGF1の遺伝子発現変動をリアルタイムPCR法で評価した。内部標準にはGAPDHあるいはβ-アクチンを用いた。試料未添加の遺伝子発現を1とし、遺伝子発現比を算出した。
試験例3の結果を表4に示す。FNDC5、PGC1α、PPARα、PPARγ、UCP2、UCP3、IGF1の遺伝子発現は、伸展刺激、アセロラ果汁抽出物(製造例1)で亢進した。さらに、伸展刺激およびアセロラ果汁抽出物(製造例1)の併用で、アセロラ果汁抽出物単独と比べて、上記の遺伝子発現が亢進した。以上の結果から、アセロラと伸展刺激には、アイリシン産生促進作用、エネルギー代謝促進作用が認められ、併用によりさらに優れた作用が認められた。
Figure 2023073632000004
以上から、本発明は、アセロラを含有する骨格筋機能向上剤、アイリシン産生促進剤、エネルギー代謝促進剤として利用できる。骨格筋の機能を向上させることで、身体全体の健康状態の改善、中でもロコモティブシンドロームやフレイルの改善、運動パフォーマンスの向上、体脂肪燃焼の促進が期待できる。さらに、in vitroにおける骨格筋機能向上剤、アイリシン産生促進剤、エネルギー代謝促進剤としても利用できる。

Claims (5)

  1. アセロラを含有することを特徴とする骨格筋機能向上剤
  2. アセロラを含有することを特徴とするアイリシン産生促進剤
  3. アセロラを含有することを特徴とするエネルギー代謝促進剤
  4. アセロラを含有することを特徴とするPGC1α、PPARα、PPARγ、UCP2、UCP3、IGF1の遺伝子発現促進剤
  5. 請求項1~4の何れか1項記載の剤を含有することを特徴とする食品組成物
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