JP2012171914A - Gip上昇抑制剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】医薬品、食品等に利用することのできるGIP上昇抑制剤の提供。
【解決手段】キラヤ又はその抽出物を有効成分とするGIP上昇抑制剤。
【選択図】なし
【解決手段】キラヤ又はその抽出物を有効成分とするGIP上昇抑制剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、GIP上昇抑制剤に関する。
GIP(ガストリックインヒビトリーポリペプチド又はグルコースディペンデントインスリノトロピックポリペプチド)は、グルカゴン・セクレチンファミリーに属する消化管ホルモンの1つである。GIPはGLP−1(グルカゴン様ペプチド1)と共にインクレチンと称され、脂質や糖質の摂食時に小腸に存在するK細胞より分泌されることが報告されている。また、GIPは、胃酸分泌抑制作用や胃運動抑制作用を有することが知られている(非特許文献1〜3)。そのため、GIPの上昇抑制は、食後の消化促進や胃もたれの改善に有効であると考えられる。
これまでの研究によって、GIPの機能を阻害する物質として、3−ブロモ−5−メチル−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オール(BMPP)が知られ、食後GIPの分泌を抑制するものとして、グアガム等が知られている(特許文献1、非特許文献4〜9)。また、近年では、GIP受容体アンタゴニストである(Pro3)GIPが知られている。しかし、これらの物質は、安全性や効果の面で十分とはいえない。
一方、キラヤ・サポナリア(Quillaja saponaria Mol.)はバラ科の植物で、その抽出物は、天然物由来の食品添加物として、飲料、化粧品等の乳化剤、起泡剤等として汎用されている。
キラヤ抽出物の機能としては、血中コレステロールや血中トリグリセリドの低下作用増強(特許文献2)、膵リパーゼ阻害、肥満予防、高脂血症予防又は治療、脂肪肝予防又は治療(特許文献3)、ケラチナーゼ活性阻害(特許文献4)、メチオナーゼ活性阻害(特許文献5)、ヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用、ウレアーゼ活性阻害作用及び胃粘膜上皮細胞への接着抑制、胃炎及び胃・十二指腸潰瘍の予防及び治療(特許文献6)、アルコール吸収抑制(特許文献7)、抗酸化(特許文献8)、抗体産生能力向上(非特許文献10、11)、乳牛の腸内メタンガス減少(非特許文献12)、血中コレステロール低下(非特許文献13、14)、HDL増加、白血球DNA損傷低下、血中マロンジアルデヒド・蛋白カルボニル化減少、NO増加(非特許文献15)が知られている。
しかしながら、キラヤ又はその抽出物とGIP分泌との関係については何ら報告されていない。
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本発明は、医薬品、食品等に利用することのできるGIP上昇抑制剤を提供することに関する。
本発明者らは、GIPの上昇をコントロールできる素材について検討したところ、キラヤ抽出物がGIPの上昇を抑制する作用を有することを見出した。
すなわち、本発明は、以下を提供する。
(1)キラヤ又はその抽出物を有効成分とするGIP上昇抑制剤。
(2)キラヤ又はその抽出物を有効成分とする食後の消化促進剤。
(3)キラヤ又はその抽出物を有効成分とする胃もたれ改善剤。
(1)キラヤ又はその抽出物を有効成分とするGIP上昇抑制剤。
(2)キラヤ又はその抽出物を有効成分とする食後の消化促進剤。
(3)キラヤ又はその抽出物を有効成分とする胃もたれ改善剤。
本発明のGIP上昇抑制剤は、優れたGIP上昇抑制作用を有し、かつ安全性も高いので、医薬品、食品等の有効成分として有用である。
本発明において「GIP上昇抑制」とは、脂質及び糖質を含む食事、特に脂質を多く含む食事、そのなかでもトリアシルグリセロールを多く含む食事を摂取することにより、小腸に存在するK細胞から分泌されたGIPの上昇を抑制することをいう。すなわち、「GIP上昇抑制」とは、主として、食後に生じるGIP上昇を抑制することをいう。そして、本発明における「GIP上昇抑制作用」は、K細胞からのGIP分泌を抑制することでGIP上昇を抑制するGIP分泌抑制作用、及び血中GIP濃度を低下させることによりGIP上昇を抑制するGIP低下作用のいずれをも含む概念である。
本明細書において、「改善」とは、疾患、症状又は状態の好転、疾患、症状又は状態の悪化の防止又は遅延、あるいは疾患又は症状の進行の逆転、防止又は遅延をいう。
本明細書において、「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処理行為を含まない概念である。
本明細書において、「キラヤ」とは、バラ科のキラヤ・サポナリア(Quillaja saponaria Mol.)を指し、「キラヤ抽出物」とは、キラヤから得られた抽出物を意味する。抽出物は、キラヤの任意の部位、例えば全草、葉、茎、芽、花、蕾、木質部、樹皮、地衣体、根、根茎、仮球茎、球茎、塊茎、種子、果実、菌核若しくは樹脂等、又はそれらの組み合わせからの抽出物であればよいが、このうち樹皮からの抽出物が好ましい。上記部位は、そのまま抽出工程に付されてもよく、又は粉砕、切断若しくは乾燥された後に抽出工程に付されてもよい。該抽出物は天然成分由来であり安全性も高い。
上記抽出物としては、市販されているものを利用してもよく、又は常法により得られる各種溶剤抽出物、又はその希釈液、その濃縮液、その乾燥末、ペースト若しくはその活性炭処理したものであってもよい。一例として、本発明におけるキラヤ抽出物は、キラヤを室温(例えば、4〜50℃)若しくは加温(室温〜溶媒沸点)下にて抽出するか、又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得ることができる。
抽出のための溶剤には、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。溶剤の具体例としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;及び超臨界二酸化炭素;ピリジン類;油脂、ワックス等その他オイル類等の有機溶剤;ならびにこれらの混合物が挙げられる。好適には、水、アルコール類及びその水溶液が挙げられ、アルコール類としてはエタノールが好ましい。より好ましい溶剤は、水及びエタノール水溶液である。
抽出のための溶剤としてエタノール水溶液を使用する場合には、アルコール類と水との配合割合(容量比)としては、0.001〜100:99.999〜0が好ましく、5〜95:95〜5がより好ましく、20〜80:80〜20がさらに好ましく、30〜70:70〜30がさらにより好ましく、40〜60:60〜40がなお好ましい。エタノール水溶液の場合、エタノール類濃度が40〜60容量%であることが好ましい。
溶剤の使用量としては、キラヤ(乾燥質量換算)1gに対して1〜100mLが好ましく、抽出時間としては、1分間〜100日間が好ましく、1分間〜10日間がより好ましい。このときの抽出温度は、0℃〜溶媒沸点、より好ましくは20〜100℃、さらに好ましくは50〜100℃、さらにより好ましくは70〜80℃である。
溶剤の使用量としては、キラヤ(乾燥質量換算)1gに対して1〜100mLが好ましく、抽出時間としては、1分間〜100日間が好ましく、1分間〜10日間がより好ましい。このときの抽出温度は、0℃〜溶媒沸点、より好ましくは20〜100℃、さらに好ましくは50〜100℃、さらにより好ましくは70〜80℃である。
キラヤ抽出物を得る抽出手段は、具体的には、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、攪拌等の手段を用いることができる。例えば、浸漬の好適な一例として、10〜50℃で、1時間〜14日間の浸漬が挙げられる。また、抽出時間を短縮する場合には、攪拌を伴う固液抽出が望ましい。この固液抽出の好適な条件の一例としては、10〜100℃(好ましくは70〜80℃)下、100〜400r/minで1〜30分間の攪拌が挙げられる。
抽出物の酸化を防止するため、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する手段を併用してもよい。
抽出物の酸化を防止するため、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する手段を併用してもよい。
後記実施例に示すように、キラヤ抽出物は、GIP上昇を有意に抑制する作用を有する。従って、キラヤ又はその抽出物は、GIP上昇抑制のために使用することができる。また、GIPの上昇抑制は、胃酸分泌の抑制及び胃運動の抑制を軽減させることから、キラヤ又はその抽出物は、食後の消化促進や胃もたれ、胃酸分泌能の改善のために使用することができる。当該使用は、ヒト若しくは非ヒト動物、又はそれらに由来する検体における使用であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。
また、キラヤ又はその抽出物は、GIP上昇抑制剤、GIP上昇を抑制することに基づく食後の消化促進剤、胃もたれ改善剤、胃酸分泌能の改善剤等(以下、「GIP上昇抑制剤等」)として使用することができ、さらにこれらの剤を製造するために使用することができる。このとき、当該GIP上昇抑制剤等には、当該キラヤ抽出物を単独で、又はこれ以外に、必要に応じて適宜選択した担体等の、配合すべき後述の対象物において許容されるものを使用してもよい。なお、当該製剤は配合すべき対象物に応じて常法により製造することができる。
また、キラヤ又はその抽出物は、GIP上昇抑制剤、GIP上昇を抑制することに基づく食後の消化促進剤、胃もたれ改善剤、胃酸分泌能の改善剤等(以下、「GIP上昇抑制剤等」)として使用することができ、さらにこれらの剤を製造するために使用することができる。このとき、当該GIP上昇抑制剤等には、当該キラヤ抽出物を単独で、又はこれ以外に、必要に応じて適宜選択した担体等の、配合すべき後述の対象物において許容されるものを使用してもよい。なお、当該製剤は配合すべき対象物に応じて常法により製造することができる。
当該GIP上昇抑制剤等は、GIPの上昇抑制や食後の消化促進、胃もたれ、胃酸分泌能の改善等の各効果を発揮する、ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品、食品、又は飼料の有効成分として配合して使用することができる。また、当該GIP上昇抑制剤等は、食後の消化促進、胃もたれ、胃酸分泌能の改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した食品、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品等に応用できる。
本発明のGIP上昇抑制剤等を医薬品の有効成分として用いる場合、当該医薬品は任意の投与形態で投与され得る。投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与又は注射剤、坐剤、吸入薬、経皮吸収剤、外用剤等による非経口投与が挙げられる。
このような種々の剤型の医薬製剤を調製するには、本発明のGIP上昇抑制剤等を単独で、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
このような種々の剤型の医薬製剤を調製するには、本発明のGIP上昇抑制剤等を単独で、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
これらの投与形態のうち、好ましい形態は経口投与であり、GIP上昇抑制剤等を含む経口投与用製剤中のキラヤ又はその抽出物の含有量(抽出物の乾燥物換算)は、一般的に0.001〜100質量%、特に0.01〜50質量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜25質量%とするのが好ましい。
本発明のGIP上昇抑制剤等を食品の有効成分として用いる場合、当該食品の形態は、パン類、ケーキ類、麺類、菓子類、ゼリー類、冷凍食品、アイスクリーム類、乳製品、飲料などの各種食品の他、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、シロップ等)が挙げられる。
種々の形態の食品を調製するには、本発明のGIP上昇抑制剤等を単独で、又は他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせて用いることができる。当該食品中のキラヤ又はその抽出物の含有量(抽出物の乾燥物換算)は、一般的に0.0001〜20質量%とするのが好ましく、0.001〜10質量%とするのがより好ましく、0.01〜5質量%とするのが更に好ましく、0.1〜2質量%とするのがより更に好ましい。
種々の形態の食品を調製するには、本発明のGIP上昇抑制剤等を単独で、又は他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせて用いることができる。当該食品中のキラヤ又はその抽出物の含有量(抽出物の乾燥物換算)は、一般的に0.0001〜20質量%とするのが好ましく、0.001〜10質量%とするのがより好ましく、0.01〜5質量%とするのが更に好ましく、0.1〜2質量%とするのがより更に好ましい。
上記製剤の投与量又は摂取量は、対象者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、経口投与又は摂取の場合成人1人当たり、キラヤ抽出物(抽出物の乾燥物換算)として、1日あたり0.001〜1000mg/kg体重とすることが好ましく、より0.003〜500mg/kg体重、さらに0.01〜1250mg/kg体重、よりさらに0.03〜100mg/kg体重とするのが好ましい。
また、本発明のGIP上昇抑制剤等は、摂食・摂餌時或いは摂食・摂餌前に投与又は摂取するのが好ましく、特に摂食・摂餌前5分から30分以内に投与又は摂取するのが好ましい。投与又は摂取対象者としては、空腹時血中GIP値が30pg/mL以上、または胃液分泌機能検査において、基礎分泌量が30mL/時間以下のヒトが好ましい。
製造例1 キラヤ抽出物の調製
バラ科キラヤ(Quillaja saponaria MOLINA)樹皮の抽出物製剤(キラヤニンS−100、キラヤ抽出物25質量%含有、丸善製薬株式会社)を、凍結乾燥により乾燥粉末とした。
バラ科キラヤ(Quillaja saponaria MOLINA)樹皮の抽出物製剤(キラヤニンS−100、キラヤ抽出物25質量%含有、丸善製薬株式会社)を、凍結乾燥により乾燥粉末とした。
実施例1 キラヤ抽出物のGIP上昇抑制作用(1)
(1)方法
製造例1で得たキラヤ抽出物を5%(w/v)グルコース溶液に濃度1%(w/v)となるように溶解し、試験サンプルとした。コントロールとしては、5%(w/v)グルコース溶液を用いた。
7週齢雄性C57BL/6Jマウス(日本クレア)を標準粉末飼料CE−2(日本クレア)において1週間予備飼育した。飼育環境は室温を22±2℃、湿度を55±10%とし、照明時間を7時から19時とした。17時間絶食した後、1群9匹として体重がほぼ同一になるように群分けした。イソフルラン麻酔下で試験サンプル(5%グルコース+1%キラヤ抽出物)を、表1に示した割合になるようにゾンデにより経口投与した(キラヤ群)。コントロール群には5%グルコースを投与した。投与10分後にイソフルラン麻酔下で門脈より採血し(EDTA処理微量採血管(テルモ製)にDPPVI inhibitor及びアプロチニンを添加)、血中GIPを測定した。GIPは、ELISA法(RAT/MOUSE GIP(TOTAL) ELISA KIT、LINCO)により測定を行った。
(1)方法
製造例1で得たキラヤ抽出物を5%(w/v)グルコース溶液に濃度1%(w/v)となるように溶解し、試験サンプルとした。コントロールとしては、5%(w/v)グルコース溶液を用いた。
7週齢雄性C57BL/6Jマウス(日本クレア)を標準粉末飼料CE−2(日本クレア)において1週間予備飼育した。飼育環境は室温を22±2℃、湿度を55±10%とし、照明時間を7時から19時とした。17時間絶食した後、1群9匹として体重がほぼ同一になるように群分けした。イソフルラン麻酔下で試験サンプル(5%グルコース+1%キラヤ抽出物)を、表1に示した割合になるようにゾンデにより経口投与した(キラヤ群)。コントロール群には5%グルコースを投与した。投与10分後にイソフルラン麻酔下で門脈より採血し(EDTA処理微量採血管(テルモ製)にDPPVI inhibitor及びアプロチニンを添加)、血中GIPを測定した。GIPは、ELISA法(RAT/MOUSE GIP(TOTAL) ELISA KIT、LINCO)により測定を行った。
(2)結果
結果を表1及び図1に示す。
各値は平均±標準偏差で示した。群間の統計学的有意差については、対照群に対するStudent’s t−testを行なった(**p<0.01)。
結果を表1及び図1に示す。
各値は平均±標準偏差で示した。群間の統計学的有意差については、対照群に対するStudent’s t−testを行なった(**p<0.01)。
表1及び図1より、キラヤ抽出物を摂取したマウスではGIP分泌量が低く、キラヤ抽出物に糖摂取による血中GIP濃度上昇に対する抑制効果が認められることが確認された。
実施例2 キラヤ抽出物のGIP上昇抑制作用(2)
(1)方法
製造例1で得たキラヤ抽出物を、5%(w/v)グルコース+5%(w/v)トリオレインエマルションに濃度0.1%(w/v)となるように溶解し、試験サンプルとした。コントロールとしては、5%(w/v)グルコース+5%(w/v)トリオレインエマルションを用いた。
7週齢雄性C57BL/6Jマウス(日本クレア)を標準粉末飼料CE−2(日本クレア)において1週間予備飼育した。飼育環境は室温を22±2℃、湿度を55±10%とし、照明時間を7時から19時とした。17時間絶食した後、1群5匹として体重がほぼ同一になるように群分けした。イソフルラン麻酔下で試験サンプル(5%グルコース+5%トリオレイン+0.1%キラヤ抽出物エマルション)を、表2に示した割合になるようにゾンデにより経口投与した(キラヤ群)。コントロール群には5%グルコース+5%トリオレインエマルションを投与した。投与前、投与10分、30分、60分後にイソフルラン麻酔下で眼窩より採血し(ヘパリン処理ヘマトクリット微量採血管、VITREX製)、血中GIPを測定した。GIPは、ELISA法(RAT/MOUSE GIP(TOTAL) ELISA KIT、LINCO)により測定を行った。
(1)方法
製造例1で得たキラヤ抽出物を、5%(w/v)グルコース+5%(w/v)トリオレインエマルションに濃度0.1%(w/v)となるように溶解し、試験サンプルとした。コントロールとしては、5%(w/v)グルコース+5%(w/v)トリオレインエマルションを用いた。
7週齢雄性C57BL/6Jマウス(日本クレア)を標準粉末飼料CE−2(日本クレア)において1週間予備飼育した。飼育環境は室温を22±2℃、湿度を55±10%とし、照明時間を7時から19時とした。17時間絶食した後、1群5匹として体重がほぼ同一になるように群分けした。イソフルラン麻酔下で試験サンプル(5%グルコース+5%トリオレイン+0.1%キラヤ抽出物エマルション)を、表2に示した割合になるようにゾンデにより経口投与した(キラヤ群)。コントロール群には5%グルコース+5%トリオレインエマルションを投与した。投与前、投与10分、30分、60分後にイソフルラン麻酔下で眼窩より採血し(ヘパリン処理ヘマトクリット微量採血管、VITREX製)、血中GIPを測定した。GIPは、ELISA法(RAT/MOUSE GIP(TOTAL) ELISA KIT、LINCO)により測定を行った。
(2)結果
最大血中GIP濃度であった投与10分後の血中GIP濃度の結果を表2及び図2に示す。60分までの相対GIP血中濃度−時間曲線下面積(AUC:area under the curve)の結果を表3及び図3に示す。
各値は平均±標準偏差で示した。群間の統計学的有意差については、対照群に対するStudent’s t−testを行なった(*:p<0.05、**:p<0.01)。
最大血中GIP濃度であった投与10分後の血中GIP濃度の結果を表2及び図2に示す。60分までの相対GIP血中濃度−時間曲線下面積(AUC:area under the curve)の結果を表3及び図3に示す。
各値は平均±標準偏差で示した。群間の統計学的有意差については、対照群に対するStudent’s t−testを行なった(*:p<0.05、**:p<0.01)。
表2、3及び図2、3より、キラヤ抽出物を摂取したマウスではGIP分泌量が低く、キラヤ抽出物に糖及び脂質摂取による血中GIP濃度上昇に対する抑制効果が認められることが確認された。
Claims (6)
- キラヤ又はその抽出物を有効成分とするGIP上昇抑制剤。
- キラヤ抽出物が、水抽出物又はエタノール水溶液抽出物である請求項1記載のGIP上昇抑制剤。
- キラヤ又はその抽出物を有効成分とする食後の消化促進剤。
- キラヤ抽出物が、水抽出物又はエタノール水溶液抽出物である請求項3記載の食後の消化促進剤。
- キラヤ又はその抽出物を有効成分とする胃もたれ改善剤。
- キラヤ抽出物が、水抽出物又はエタノール水溶液抽出物である請求項5記載の胃もたれ改善剤。
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