JP2002505665A - Th1型アジュバントを含有する抗ヘリコバクターワクチン組成物 - Google Patents

Th1型アジュバントを含有する抗ヘリコバクターワクチン組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳動物におけるヘリコバクター感染の防止または処置のための、1型ヘルパーT(Th1)の免疫応答を誘発するように設計された医薬組成物を製造するための、QS−21、DC−cholまたはBay R1005のようなアジュバントを伴う、ヘリコバクター由来の免疫原性物質の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 Th1型アジュバントを含有する抗ヘリコバクターワクチン組成物 本発明の主題は、哺乳動物において粘膜に感染する病原性生物に対する(特に 、ヘリコバクター(Helicobacter)細菌に対する)防御免疫応答を 誘発することが意図されたワクチン調製物の特定の使用である。 ヘリコバクターは、グラム陰性のらせん状細菌によって特徴付けられる細菌属 である。いくつかの種が哺乳動物の胃腸管に生息する。特に、エイチ・ピロリ( H.pylori)、エイチ・ヘイルマニ(H.heilmanii)、エイチ ・フェリス(H.felis)およびエイチ・ムステラエ(H.mustela e)に言及し得る。ヒトの感染に最も一般的に関連する種はエイチ・ピロリであ るが、いくつかの稀な場合、ヒトにおいてエイチ・ヘイルマニおよびエイチ・フ ェリスを単離することも可能であった。ヒトにおいて、ヘリコバクター型の細菌 であるガストロスピリルム・ホミニス(Gastrospirillum ho minis)も記載されている。 ヘリコバクターは先進国における50%より多く、そして発展途上国のほぼ1 00%の成人集団に感染しており、世界中で優勢な感染因子の1つとなっている 。 エイチ・ピロリはこれまでに、もっぱらヒトの胃粘膜の表面において、より特 定すると胃および十二指腸潰瘍のクレーター病変の周辺で見出されている。この 細菌は、前底部胃炎の病因として現在認識されており、潰瘍の発達に必要とされ る補因子の1つであるようである。さらに、胃ガンの発達はエイチ・ピロリの存 在に関連しているかもしれないようである。 それゆえ、ヘリコバクター感染を防止または処置するように意図されたワクチ ンを開発することは非常に望ましいと考えられる。 現在までに、いくつかのヘリコバクタータンパク質がワクチン抗原としてすで に提唱されており、一般に推奨されているワクチン接種法は、抗原を胃粘膜のレ ベルで、すなわちまさに免疫応答が所望される部位で送達することを含む。それ ゆえ、このために、経口投与が選択された。 同じ目的(胃のレベルでの免疫応答の誘発)で、例えば鼻粘膜または直腸粘膜 のような胃粘膜以外の粘膜部位で抗原を送達することが最近提唱されている(W O 96/31235)。いわゆるインデューサー粘膜領域において抗原によっ て刺激されたリンパ球は、選択的に、他のいわゆるエフェクター粘膜領域に行っ て、免疫応答を誘発するように移動および循環することができる。 この方法の改変は、鼻内経路によって抗原を投与する前に、全身経路による第 1の免疫を実施することを含む。 粘膜経路による投与のために、抗原(たいていは、細菌溶解物または精製タン パク質)を、コレラ毒素(CT)またはイー・コリ(E.coli)由来の易熱 毒(LT)のような適切なアジュバントと組み合わせる。 粘膜経路による投与を使用する場合、観察される体液性応答は主にIgA型で ある。これは実際、局所的免疫応答が存在していることを示す。 何人かの著者らは、非常に初期に、IgA型の強い応答と防御効果との間に良 好な相関があると考えた(Czinnら,Vaccine(1993)11:6 37)。他者はより控えめの意見を提出した(Bogstedtら,Clin. Exp.Immunol.(1996)105:202)。現在までにこの主題 に関して真の確実性は存在していないが、それにもかかわらず、特にIgA型の 抗体誘発が大部分の著者らにとって所望されているようである。 一般に、IgAの出現は、2型ヘルパーTリンパ球の側での応答(Th2応答 )の開始の指標である。 実際、特定の抗原によるヘルパーTリンパ球の刺激によって、異なるサイトカ イン合成プロフィールによって特徴付けられるヘルパーT細胞の種々の亜集団を 得ることが可能になる。 Th1細胞は特に、選択的にインターロイキン−2(IL−2)およびインタ ーフェロン−γ(IFN−γ)を産生し、一方Th2細胞はむしろIL−4、− 5および−10を分泌する。差別的なサイトカイン産生のために、これら2つの 型のヘルパーT細胞は異なる役割を有する:Th1細胞は細胞媒介性免疫、とり わけ炎症型応答を促進し、一方Th2細胞はIgA、IgEおよび特定のIgG サブクラス型の体液性応答を刺激する。マウスTh1細胞によって産生されるサ イトカインが抗体応答を刺激できること、および特に、IFN−γがIgG2a 応答を誘発することも知られている。 従って、先行技術における種々の研究から、IgAの出現によって特徴付けら れるTh2応答の誘発が、防御効果を得るために、十分ではないにせよ、必要で あるという考えが浮かぶ。 驚くべきことに、Th2応答は、たとえ損害を与えなくても、高いTh1応答 を誘発するためにも必要であることが現在見出されている。実際、実験データに よって、防御効果が、Th2応答よりもTh1応答と容易に相関され得ることが 現在実証されている。 それゆえ、最初の目的に反して(D’Eliosら,J.Immunol.( 1997)158:962)、本出願は、それなしでは防御効果が観察され得な い、免疫時における炎症型Th1応答の誘発の重要性を明らかにする。 多数の要因(例えば、アジュバントの型のような)を調整することによってヘ リコバクターに対するTh1応答を誘発することが可能である。特定のアジュバ ントを使用することによって、細菌毒素のようなアジュバントおよび粘膜経路を 使用した場合に観察されるのと同様なまたはそれより高いレベルの防御を得るこ とができることが実際実証されている。 従って、本発明の主題は下記のとおりである: (a)ヘリコバクター由来の免疫原性物質およびヘリコバクターに対する1型 ヘルパーT(Th1)型免疫応答の誘発を促進可能な化合物の、ヘリコバクター 感染を防止または処置するための、全身経路によって投与することが意図される 医薬品の製造における共同使用。 (b)ヘリコバクター由来の免疫原性物質ならびに: (i)キラジャ・サポナリア(Quillaja saponaria)の抽 出物から精製されたサポニン; (ii)カチオン性脂質またはその塩であって;該脂質はプロテインキナーゼ Cの弱いインヒビターであり、コレステロール由来の親油基、カルボキシアミド およびカルバモイルから選択される結合基、1〜20個の炭素原子の分岐または 非分岐直鎖状アルキル鎖からなるスペーサーアーム、ならびに第1級、第2級、 第3級および第4級アミンから選択されるカチオン性アミン基を含む構造を有し ており、組成物がサポニンまたは式(I)で表されるグリコリポペプチドを含有 しない場合、この脂質はリポソームの形態では提供されないカチオン性脂質また はその塩;ならびに (iii)式(I): [式中、 R1は、飽和または1回もしくは数回不飽和の、1〜50個の炭素原子、好まし くは1〜20個の炭素原子を含有するアルキル残基を表し、 Xは、−CH2−、−O−または−NH−を表し、 R2は、水素原子または飽和または1回もしくは数回不飽和の、1〜50個の炭 素原子、好ましくは1〜20個の炭素原子を含有するアルキル残基を表し、 R3、R4およびR5は、各々互いに独立して、水素原子またはアシル−CO−R6 残基{式中、R6は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル残基を表す}を表 し、 R7は、水素原子、C1−C7アルキル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチ ル、メルカプトメチル、2−(メチルチオ)エチル、3−アミノプロピル、3− ウレイドプロピル、3−グアニジルプロピル、4−アミノブチル、カルボキシメ チル、カルバモイルメチル、2−カルボキシエチル、2−カルバモイルエチル、 ベンジル、4−ヒドロキシベンジル、3−インドリルメチルまたは4−イミダゾ リルメチル基を表し、 R8は、水素原子またはメチル基を表し、 R9は、水素原子、アセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル、トリフルオロ アセチル、メトキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニルまたはベンジルオ キシカルボニル基を表し、 R7およびR8は、一緒にされる場合、−CH2−CH2−CH2−基を表してもよ い] で表されるグリコリポペプチド、 から選択される少なくとも1つの(ヘリコバクターに対する1型ヘルパーT(T h1)型免疫応答の誘発を促進可能な)化合物を含有する医薬組成物。 (c)ヘリコバクター由来の免疫原性物質および上記化合物(i)〜(iii )から選択される少なくとも1つの化合物の、ヘリコバクターに対する1型ヘル パーT(Th1)型免疫応答を誘発可能な医薬組成物の製造における使用。 (d)哺乳動物に、全身経路によって、1回以上の適用で、少なくとも1つの 、微生物由来の(例えば、ヘリコバクター由来の)免疫原性物質、および、少な くとも1つの、例えば、ヘリコバクターに対する1型ヘルパーT(Th1)型免 疫応答の誘発を促進可能な化合物を含有する組成物が投与される、哺乳動物の胃 十二指腸粘膜に感染可能な微生物によって促進される感染(例えば、ヘリコバク ター感染)の防止または処置方法。 (e)哺乳動物に、1回以上の適用で、少なくとも1つの、微生物由来の(例 えば、ヘリコバクター由来の)免疫原性物質、および上記化合物(i)〜(ii i)から選択され、それによって、例えば、ヘリコバクターに対してTh1型免 疫応答が誘発される少なくとも1つの化合物を含有する組成物が投与される、哺 乳動物の胃十二指腸粘膜に感染可能な微生物によって促進される感染(例えば、 ヘリコバクター感染)の防止または処置方法。 有用なTh1応答の誘発を、本発明の目的のために、Th2応答に比較しての Th1応答の相対的レベルを評価することによって、例えば、ヘリコバクターに 対してマウスにおいて誘発されるIgG2aおよびIgG1のレベル(これらは それぞれ、Th1およびTh2応答の開始の指標である)を比較することによっ て、実証することができる。実際、目的とするTh1応答は、一般に、Th2応 答に伴われる。しかし、Th2応答はTh1応答に比較して、顕著に優勢である べきではないと考えられる。マウスにおいて誘発されるIgG2aおよびIgG 1のレベルを、各々の2つのサブアイソタイプに使用される試験が同じ感度であ れば、特に、抗IgG2aおよび抗IgG1抗体が同じ親和性であれば、ELI SA試験を使用して常法により評価することができる。 IgG2aおよびIgG1の量を、特に、下記と同一または類似のELISA 試験を使用して測定してもよい。ポリカーボネートELISAプレートのウェル を、炭酸緩衝液中約10μm/mlのヘリコバクター(例えば、エイチ・ピロリ )由来の細菌抽出物100μlでコートする。ELISAプレートを2時間37 ℃で、次いで一晩4℃でインキュベートする。プレートを、0.05%Twee n 20を含有するPBS緩衝液(リン酸緩衝化生理食塩水)(PBS/Twe en緩衝液)で洗浄する。抗体の非特異的結合を防止するために、ウェルを1% ウシ血清アルブミンを含有するPBS 250μlで飽和させる。1時間37℃ でインキュベートした後、プレートをPBS/Tween緩衝液で洗浄する。ヘ リコバクターに対するTh1型免疫応答を誘発するように意図される組成物を与 えた数日後にマウスから採集した抗血清を、PBS/Tween緩衝液中で段階 希釈する。100μlの希釈物をウェルに添加する。プレートを90分間37℃ でインキュベートし、洗浄し、標準的手順に従って評価する。例えば、ペルオキ シダーゼのような酵素に結合したマウスIgG2aまたはIgG1に対するヤギ 抗体を使用する。この抗体の存在下でのインキュベーションを90分間37℃で 継続する。プレートを洗浄し、次いで反応物を適切な基質(例えば、使用する酵 素がペルオキシダーゼである場合はO−フェニルジアミンジヒドロクロリド)を 用いて発色させる。反応を比色定量によって(分光測定法によって吸光度を測定 することによって)評価する。抗血清のIgG2aまたはIgG1力価は、49 0nmにおける吸光度1.5を与える希釈の逆数に相当する。 本発明の目的に有用なTh1応答の誘発は、マウスにおけるELISA Ig G2a:IgG1力価の比によって示され、これは1/100、1/50または 1/20より大きく、有利には1/10より大きく、好ましくは1/3より大き く、最も好ましくは1/2、5または10より大きくあるべきである。この比が ほぼ1である場合、Th1/Th2応答は混合または均衡であるという。比が5 以上の場合、Th1応答は優勢であるという。 マウスにおけるTh1(またはTh2)応答の生成は、ヒトにおけるTh1( またはTh2)応答の予測となる。マウスにおいて応答の型を評価することはよ り容易であるが、一方でTh1応答に特異的なサイトカインのレベルを測定し、 他方でその後に誘発されるTh2応答に特異的なサイトカインのレベルを測定す ることによって、ヒトにおいても実施することができる。Th1およびTh2応 答を、2つの型の応答に特異的なサイトカイン(上記参照)のレベルに基づいて 、例えば、IFN−γ/IL−4比に基づいて、互いに比較してヒトにおいて直 接的に評価することができる。 あるいは、上記のアッセイ法を使用する場合、IgG2aの量を反映するEL ISA力価が10,000以上、好ましくは100,000以上、特に好ましく は1,000,000以上であるべきであると予測することが可能である;これ はTh1応答が顕著であることを意味する。 医薬組成物または方法が意図される哺乳動物は有利には霊長類であり、好まし くはヒトである。 本発明の目的に有用なサポニンは、特に米国特許第5,057,540号に、 その構造に関してではなく、キラジャ・サポナリア・モリナ(Quillaja saponaria Molina)樹皮の水性抽出物の高速液体クロマトグラ フィー(HPLC)およびシリカの低圧クロマトグラフィーによる分画後に存在 する画分に関して記載されている。特に、画分QA−7、QA−17、QA−1 8およびQA−21(QS−21とも呼ばれる)に言及し得る。その使用は特に 有利である。QS−21は、優勢にTh1型の免疫応答の誘発を促進するアジュ バントであることが知られている。従って、このアジュバントは、Th1型であ るという。 本発明の目的に有用なカチオン性脂質は、特に米国特許第5,283,185 号に記載されている。例として、コレステリル−3β−カルボキシルアミドエチ レントリメチルアンモニウムヨーダイド、1−ジメチルアミノ−3−トリメチル アンモニオ−DL−2−プロピルコレステリルカルボキシレートヨーダイド、コ レステリル−3β−カルボキシアミドエチレンアミンヨーダイド、コレステリル −3β−オキシスクシンアミドエチレントリメチルアンモニウムヨーダイド、1 −ジメチルアミノ−3−トリメチルアンモニオ−DL−2−プロピルコレステリ ル−3β−オキシスクシネートヨーダイド、2−[(2−トリメチルアンモニオ )エチルメチルアミノ]エチルコレステリル−3β−オキシスクシネートヨーダ イド、3β−[N−(ポリエチレンイミン)カルバモイル]コレステロールおよ び3β−[N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステ ロール(DC−chol)またはその塩に言及し得る。DC−chol(または その塩形態)はTh1/Th2型混合均衡応答の誘発を促進するアジュバントで あることが知られている。従って、このアジュバントはTh1/Th2またはT h1+Th2型であるという。 これらのカチオン性脂質は分散して使用してもよく、あるいはリポソームの形 態で製造してもよい。リポソームは、米国特許第5,283,185号に記載の ように、カチオン性脂質を中性リン脂質(例えば、ホスファチジルコリンまたは ホスファチジルエタノールアミン)と組み合わせることによって製造してもよい 。 本発明の目的に有用なグリコリポペプチドは、特に米国特許第4,855,2 83号およびEP 206,037に記載されている。それらは特に、一般式( I)[式中、糖残基は2−アミノ−2−デオキシ−D−グルコースまたは2−ア ミノ−2−デオキシ−D−ガラクトース残基である]で表される糖脂質である。 アミノ糖の2−アミノ基は、D型またはL型のグリシン、サルコシン、馬尿酸、 アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン 、メチオニン、オルニチン、シトルリン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパ ラギン、グルタミン酸、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、 トリプトファンまたはヒスチジンに、D型またはL型のα−アミノ酪酸、α−ア ミノ吉草酸、α−アミノカプロン酸またはα−アミノヘプタン酸のようなアミノ カルボン酸で結合されてもよい。 より詳細には、以下のグリコリポペプチドに言及し得る: N−(2−グリシンアミド−2−デオキシ−β−デオキシ−β−D−グルコピラ ノシル)−N−ドデシルドデカノイルアミド、 N−(2−グリシンアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−N− ドデシルアクタデカノイルアミド、 N−(2−グリシンアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−N− テトラデシルドデカノイルアミド、 N−(2−L−アラニンアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)− N−ドデシルドデカノイルアミド、 N−(2−D−アラニンアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)− N−ドデシルオクタデカノイルアミド、 N−(2−L−フェニルアラニンアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノ シル)−N−ドデシルオクタデカノイルアミド、 N−(2−L−バリンアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−N −オクタデシルドデカノイルアミド、 N−(2−L−バリンアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−N −オクタデシルテトラデカノイルアミド、 N−(2−L−ロイシンアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)− N−ドデシルドデカノイルアミド、 N−(2−L−ロイシンアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)− N−オクタデシルドデカノイルアミド(Bay R1005)、および N−(2−サルコシンアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−N −オクタデシルドデカノイルアミド。 本発明による組成物は、1つ以上の上記化合物を含有してもよい。有利な実施 態様によれば、2つの化合物を使用する:(a)一方はキラジャ・サポナリアの 抽出物から精製されたサポニンから選択され、(b)他方は(1)カチオン性脂 質またはその塩であって、該脂質はプロテインキナーゼCの弱いインヒビターで あり、コレステロール由来の親油基、カルボキシアミドおよびカルバモイルから 選択される結合基、1〜20個の炭素原子の分岐または非分岐直鎖状アルキル鎖 からなるスペーサーアーム、ならびに第1級、第2級、第3級および第4級アミ ンから選択されるカチオン性アミン基を含む構造を有しているカチオン性脂質ま たはその塩、または(ii)式(I)で表されるグリコリポペプチドから選択さ れる。例として、混合物QS21+DC−CholおよびQS−21+Bay R1005に言及し得る。 他のTh1型免疫応答を促進可能なアジュバント(すなわち、Th1またはT h1/Th2型アジュバント)は当該分野の技術水準に存在し、当業者はその必 要性に最も対応するものを選択することができる。案内として、特に、リポソー ム;ISCOM;ミクロスフェア;タンパク質コクリエート(chochleate);非 イオン性界面活性剤からなる小胞;水中カチオン性両親媒性分散物;油/水乳濁 液;ムラミジルジペプチド(MDP)ならびにグルコシルムラミジルジペプチド (GMDP)、トレオニル−MDP、ムラメチドおよびムラパルミチンのような その誘導体;ならびに細菌(例えば、イー・コリ、サルモネラ・ミネソタ(Sa lmonella minnesota)、サルモネラ・チフィムリウム(Sa lmonella typhimurium)またはシゲラ・フレクスネリ(S higella flexneri))の壁由来のモノホスホリルーリピドA( MPLA)主要リポ多糖;アルガン−グルカン;γ−イヌリン;カルシトリオー ルおよびロクソリビンのような種々の他の化合物に言及し得る。 本発明の目的に有用なリポソームは、特に、コレステロールヘミスクシネート (CHEMS)およびジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE) を混合することによって形成されるようなpH感受性リポソーム;米国特許第5 ,283,185号およびWO 96/14831に記載の3−β−(N−(N ’,N’−ジメチルアミノエタン)カルバモイル)コレステロール(DC−ch ol)およびその誘導体、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DD AB)、EP 91645およびEP 206 037に記載のBAY化合物( 例えば、Bay R1005(N−(2−デオキシ−2−L−ロイシルアミノ− β−D−グルコピラノシル)−N−オクタデシルドデカノイルアミドアセテート ))のようなその融合体形成性(fusiogenic)特性が認識されるカチオン性脂質 を含有するリボソーム;ならびにMDP(ムラミジルジペプチド)の親油性誘導 体であるMTP−PEを含有するリポソームから選択してもよい。これらのリポ ソームは、全ての記載する免疫原性物質にアジュバントとして添加するために有 用である。 本発明の目的に有用なISCOMは、特に、コレステロールと、そして所望に よりホスファチジルコリンのようなリン脂質とも組み合わせたQuilAまたは QS−21の化合物から選択してもよい。これらは特に脂質含有抗原の処方に有 利である。 本発明の目的に有用なミクロスフェアは、特に、ポリラクチド−コ−グリコリ ド(PLAGA)、アルギネート、キトサン、ポリホスファゼンおよび多数のそ の他のポリマーのような化合物から形成してもよい。 本発明の目的に有用なタンパク質コクリエートは、特に、コレステロールおよ び所望によりさらにホスファチジルコリンのようなリン脂質から形成されるもの から選択してもよい。これらは特に脂質含有抗原の処方に有利である。 本発明の目的に有用な非イオン性界面活性剤からなる小胞は、特に、1−モノ パルミトイルグリセロール、コレステロールおよびジセチルホスフェートの混合 物によって形成してもよい。これらは従来のリポソームの代替物であり、全ての 記載する免疫原性物質の処方に使用してもよい。 本発明の目的に有用な油/水乳濁液は、特に、MF59(Biocine−C hiron)、SAF1(Syntex)ならびにモンタニドISA51および ISA720(Seppic)から選択してもよい。 ヘリコバクター由来の免疫原性物質は、不活化ヘリコバクター細菌の調製物、 ヘリコバクター細胞溶解物、精製形態のヘリコバクター由来ペプチドおよびポリ ペプチドから有利に選択される。 本発明の目的のために、不活化細菌の調製物を、当業者に周知の常法に従って 得てもよい。細菌溶解物も同様である。当業者は、予防または治療目的に適切な 不活化細菌または細胞溶解物の用量を決定することができ、この用量は、当業者 が決定することができるような、ワクチンが意図される個体(例えば、年齢)、 抗原自体、投与の経路および様式、アジュバントの有無または型のような多数の 要因に依存する。一般に、適切な用量は約50μg〜1mg〜約1mgの溶解物 であることが示されている。 ヘリコバクター由来のペプチドまたはポリペプチドを、ヘリコバクターから精 製してもよく、遺伝子工学技術または化学合成によって得てもよい。後者の方法 はペプチドの場合に有利である。「ペプチド」は、その大きさが約50アミノ酸 より小さいいずれかのアミノ酸鎖である。大きさがより大きい場合、用語「ポリ ペプチド」を使用し、この用語は、用語「タンパク質」とも交換可能である。本 発明の目的に有用なペプチドまたはポリペプチドは、天然条件下で存在するペプ チドまたはポリペプチドと同一または類似であってもよい。ペプチドまたはポリ ペプチドは、同じ型の免疫応答を誘発可能であるという点では類似しているが、 例えば変異、脂質特性の残基の付加のような特定の構造的変化を含んでもよく、 あるいは融合ポリペプチドまたはペプチド形態であってもよい。 当業者は、予防または治療目的に適切なペプチドまたはポリペプチドの用量を 決定することができ、この用量は、当業者が決定することができるような、ワク チンが意図される個体(例えば、年齢)、抗原自体、投与の経路および様式、ア ジュバントの有無または型のような多数の要因に依存する。一般に、適切な用量 は約10μg〜約1mg、好ましくは約100μgであることが示されている。 ヘリコバクター由来の免疫原物質は、ヘリコバクター(例えば、エイチ・ピロ リ)由来のいずれかのポリペプチドであってもよい。これは特に、細胞質中に存 在するポリペプチド、内膜もしくは外膜のポリペプチド、または外部培地中に分 泌されるポリペプチドであってもよい。クローン化されたかもしくは同定された 対応する遺伝子の配列から推定されたアミノ酸配列に関してか、または天然環境 のその他のものから単離された形態で得ることを可能にする精製方法に関しての いずれかで、ヘリコバクター由来の多数のポリペプチドがすでに文献に記載され ている。案内として、以下の文献に特に言及し得る:WO 94/26901お よびWO 96/34624(HspA)、WO 94/09023(CagA )、WO 96/38475(HpaA)、WO 93/181150(サイト トキシン)、WO 95/27506およびHazellら,J.Gen.Mi crobiol.(1991)137:57(カタラーゼ)、FR2 724 936(ヒトラクトフェリンの膜受容体)、WO 96/41880(AlpA )、EP 752 473(FibA)ならびにO’Tooleら,J.Bac t.(1991)173:505(TsaA)。他のポリペプチドも、WO 9 6/40893、WO 96/33274、WO 96/25430およびWO 96/33220に記載されている。本発明の目的に有用 なポリペプチドは、それがヘリコバクターに対する免疫応答を促進可能であれば 、参考として引用するものの1つと同一または類似していてもよい。この最後の 条件に合致させるために、免疫原性物質は、参考に引用するポリペプチドから誘 導されるペプチドであってもよい。 有利には、ヘリコバクターウレアーゼのUreAおよびUreBサブユニット から選択されるポリペプチドを使用する(WO 90/4030参照)。好まし くは、両方を、ウレアーゼアポ酵素形態で組み合わせて、あるいは多量体形態で 使用する(WO 96/33732参照)。 本発明の目的に有用な医薬組成物は、単一またはいくつかの免疫原性物質を含 んでもよい。例えば、有利な組成物は、UreAおよびUreB(例えばアポ酵 素形態の)ならびに1つ以上の、特に上記のものから選択される他のポリペプチ ドを含有してもよい。 本発明の目的に有用な医薬組成物は、さらに、免疫原性物質自体およびTh1 またhTh1/Th2型アジュバント以外の化合物を含有してもよく、これらの 化合物の性質はある程度、免疫原性物質、不活化細菌、細胞溶解物、ペプチドま たはポリペプチドの性質に依存する。例えば、組成物は、Th2型免疫応答の誘 発を促進可能なアジュバント(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウ ムまたはアルミニウムヒドロキシホスフェートのようなアルミニウム化合物)を 含有してもよい。これは、本発明の目的に有用なアジュバントがQS−21のよ うなTh1型アジュバントである限り有利であり得る。 本発明による方法または使用の治療または予防効力を、標準的方法に従って、 例えば、Leeら,Eur.J.Gastroenterology & He patology(1995):303またはLeeら,J.Infect. Dis.(1995)172:161に記載のマウス/エイチ・フェリスモデル および手順を使用して、免疫応答の誘発または治療もしくは防御免疫の誘発を測 定することによって評価してもよい。当業者は、エイチ・フェリスをマウスモデ ルにおいて別のヘリコバクター種に置き換えることができることを認識する。例 えば、エイチ・ピロリ由来の免疫原性物質の効力を、好ましくは、マウスに適合 させたエイチ・ピロリ株を使用するマウスモデルにお いて評価する。効力は、胃組織における感染のレベルを対照群におけるレベルと (ウレアーゼ活性、細菌負荷または胃炎の状態を測定することによって)比較す ることによって決定してもよい。治療効果または予防効果は、感染が対照群に比 較して低減される場合に存在する。 本発明の目的に有用な医薬組成物は、常法で製造してもよい。特に、医薬上許 容される担体または希釈剤(例えば、水または生理食塩水溶液)とともに処方し てもよい。一般に、希釈剤または担体を、投与の様式および経路ならびに標準的 な医薬の慣例に従って選択してもよい。適切な担体または希釈剤ならびに医薬組 成物の製造に必要なものは、この分野の標準的な参考文献であるRemingt on’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている 。 本発明による方法ならびにこの目的に有用な組成物を、とりわけ、ヘリコバク ター感染およびその結果この感染に関連する胃十二指腸疾患(急性、慢性もしく は萎縮性胃炎、消化性潰瘍(例えば、胃または十二指腸潰瘍)を含む)を処置ま たは防止するために使用してもよい。 本発明による医薬組成物を常法で、特に粘膜経路によって(例えば、眼、経口 (例えば、頬もしくは胃)、肺、腸、直腸、膣または泌尿経路によって)または 全身(特に、非経口(例えば、静脈内、筋肉内、皮内、表皮内および皮下))経 路によって投与してもよい。好ましくは、非経口経路を使用する。非経口経路を 使用する場合、好ましくは、個体の横隔膜下に位置する投与部位を選択する。例 えば、腰背領域は、特に表皮内、筋肉内、皮内および皮下経路に適切な投与部位 を構成し、静脈内経路よりむしろこれらの経路が選択される。 防御または治療効果を得るために、本発明の目的に有用な医薬組成物を投与す ることを含む操作を1回または数回、好ましくは少なくとも2回、各投与の間に 特定の間隔(この間隔は、週または月の単位である)をおいて反復してもよい。 その正確な決定は当業者の能力の範囲内であり、免疫原性物質の性質、個体の年 齢などのような種々の要因に従って変動し得る。 特定の態様によれば、ワクチン接種手順を第1の免疫および追加免疫の間の投 与経路と同じ投与経路を使用して実施する。この特定の場合、投与は、例えば、 厳密な全身型であるという。 「免疫原性物質の投与が厳密な全身経路によって実施される方法」は、全身経 路以外の投与経路を使用しない方法として定義される。例えば、免疫原性物質が 全身経路および粘膜経路によって投与される方法は、上記の定義に相当しない。 換言すると、「免疫原性物質の投与が厳密な全身経路によって実施される方法」 は、免疫原性物質がいずれの他の経路(特に粘膜経路)も含まないで全身経路に よって投与される方法を意味すると理解するべきである。 非限定的例示として、ウレアーゼアポ酵素をQS−21、DC−cholまた はその等価物の1つと組み合わせて、3回皮下経路で、腰背領域で、各投与間の 2〜4週間の間隔で投与することを含むワクチン接種スキームに言及し得る。 本発明による医薬組成物の投与が、より念入りなワクチン接種手順の一部を形 成する1つの工程であってもよいと予測することも可能である。例えば、本発明 による医薬組成物の前または後に、上記のものから独立して選択されたヘリコバ クター由来か、またはとりわけワクチンベクターもしくはDNA分子のような免 疫原性物質を含有するが、QS−21、DC−cholもしくはその等価物の1 つを含有しない医薬組成物を投与してもよい。後者を完全に異なるアジュバント に置き換えることが可能であり、2つの組成物を同一のまたは異なる経路によっ て投与することが可能である。 非限定的な例示として、下記の手順に言及し得る。 − 全身経路による、QS−21の存在下でのウレアーゼアポ酵素での第1の 免疫、続いて、粘膜経路による、QS−21またはLTの存在下でのウレアーゼ アポ酵素での2回の追加免疫。 − 全身経路による、UreAおよびUreBをコードするポックスウイルス での第1の免疫、続いて、全身または粘膜経路による、QS−21の存在下での ウレアーゼアポ酵素での2回の追加免疫。 上記以外の、本発明の目的に有用な医薬品または本発明による組成物を使用す る投与工程を含む多工程ワクチン接種手順において使用できる免疫原性物質は、 ポリヌクレオチド分子、特に、哺乳動物細胞における発現に必要なエレメントの 制御下に配置されたヘリコバクター由来のペプチドまたはポリペプチドをコード する配列を含むDNA分子;あるいは哺乳動物細胞(ウイルスベクターの場合) または原核生物(細菌ベクターの場合)における発現に必要なエレメントの制御 下に配置されたヘリコバクター由来のペプチドまたはポリペプチドをコードする 配列を含むワクチンベクターから選択してもよい。 DNA分子は有利には、複製および哺乳動物のゲノム中への実質的な組込みの 両方ができないプラスミドであってもよい。上記のコード配列を、哺乳動物細胞 における発現を可能にするプロモーターの制御下に配置する。このプロモーター は偏在性であってもよく、組織に特異的であってもよい。偏在性プロモーターの 中で、サイトメガロウイルス初期プロモーター(米国特許第4,168,062 号に記載)およびラウス肉腫ウイルスプロモーター(NortonおよびCof fin,Molec.Cell.Biol.(1985):281に記載)に 言及し得る。選択的プロモーターであるデスミンプロモーター(Liら,Gen e(1989)78:244443;LiおよびPaulin,J.Biol. Chem.(1993)268:10403)は筋肉細胞および皮膚細胞におけ る発現を可能にする。筋肉細胞に特異的なプロモーターは、例えば、ミオシンま たはジストロフィン遺伝子のプロモーターである。本発明の目的に使用できるプ ラスミドベクターは、とりわけ、WO 94/21797およびHartikk aら,Human Gene Therapy(1996):1205に記載 されている。 本発明の目的に有用な医薬組成物中に、ヌクレオチド分子(例えば、DNA分 子)を処方などしてもよい。処方の選択は非常に変動する。DNAを単に、担体 とともにまたは担体なしで、生理学的に許容される溶液中に希釈してもよい。担 体が存在する場合、等張性または弱く高張性であってもよく、低イオン強度を有 してもよい。例えば、この条件をスクロース溶液(例えば、20%)によって満 たしてもよい。 あるいは、ポリヌクレオチドを、細胞中への侵入を促進する薬剤と組み合わせ てもよい。これは(i)ブピバカイン(例えば、WO 94/16737参照) のような細胞透過性を改変する化学的薬剤または(ii)ポリヌクレオチドと組 み合わされ、ポリヌクレオチドの輸送を容易にするビヒクルとして作用する薬剤 であってもよい。後者は特に、カチオン性ポリマー、例えば、ポリリジンまたは ポリアミン、例えば、スペルミンの誘導体であってもよい(WO 93/187 59参照)。これはまた、融合体形成性(fusogenic)ペプチド(例えば、GA LAまたはグラミシジンS(WO 93/19768参照))あるいはウイルス 融合タンパク質由来のペプチドであってもよい。 これは、アニオン性またはカチオン性脂質であってもよい。アニオン性または 中性脂質は、長い間、ポリヌクレオチドを含む多数の化合物のための輸送剤とし て(例えば、リポソームの形態で)作用できることが知られていた。これらのリ ポソーム、その成分および製造方法の詳細な記載は、例えばLiposome: A Practical Approach, RPC New Ed.,IR L press(1990)によって提供される。 カチオン性脂質も公知であり、ポリヌクレオチドのための輸送剤として一般的 に使用されている。例えば、DOTMA(N−[1−(2,3−ジオレイルオキ シ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド)の名称によつ ても知られるLipofectinTM、DOTAP(1,2−ビス(オレイルオ キシ)−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン)、DDAB(ジメチルジオク タデシルアンモニウムブロミド)、DOGS(ジオクタデシルアミドグリシルス ペルミン)およびDC−chol(3−β−(N−(N’,N’−ジメチルアミ ノエタン)カルバモイル)コレステロール)のようなコレステロール誘導体に言 及し得る。これらの脂質の記載は、EP 187,702、WO 90/110 92、米国特許第5,283,185号、WO 91/15501、WO 95 /26356および米国特許第5,527,928号によって提供される。カチ オン性脂質は、好ましくは、例えば、WO 90/11092に記載のように、 DOPE(ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)のような中性脂質とと もに使用される。 WO 91/359、WO 93/17706およびTangら,Natur e(1992)356:152に記載のように、金またはタングステン微粒子を 輸送剤として使用してもよい。この特定の場合、ポリヌクレオチドを微粒子上に 塩化カルシウムおよびスペルミジンの存在下で沈殿させ、次いで全体を、米国特 許第4,945,050号および同第5,015,580号ならびにWO 94/24243に記載のような針なしの装置を使用して皮膚または表皮中に高 速ジェットによって投与する。 個体をワクチン接種するために使用し得るDNAの量は、例えば、抗原を発現 させるために使用するプロモーターの強さ、発現させる産物の免疫原性、投与が 意図される哺乳動物の状態(例えば、体重、年齢および一般的健康状態)、投与 の様式ならびに処方の型のような多数の要因に依存する。一般に、ヒト種の成体 における予防的または治療的使用に適切な用量は約1μg〜約5mg、好ましく は約10μg〜約1mg、最も好ましくは約25μg〜約500μgである。 ワクチンベクターは上記の免疫原性物質に入る。特にアデノウイルスおよびポ ックスウイルスは、ウイルス起源のベクターに入る。アデノウイルス由来のベク ターの例および本発明の目的に有用なペプチドまたはポリペプチドをコードする DNA分子を発現できるベクターの構築方法は、米国特許第4,920,209 号に記載されている。同様に使用し得るポックスウイルスは、例えば、ワクシニ アウイルスおよびカナリアポックスウイルスである。これらはそれぞれ米国特許 第4,722,848号および同第5,364,773号に記載されている(例 えば、Tartagliaら,Virology(1992)188:217お よびTaylorら,Vaccine(1995)13:539も参照のこと) 。本発明の目的に有用なペプチドまたはポリペプチドを発現できるポックスウイ ルスは、ペプチドまたはポリペプチドをコードするDNAフラグメントが哺乳動 物細胞における発現に適切な条件下に置かれるように、Kienyら,Natu re(1984)312:163に記載のような相同組換えによって得てもよい 。胆汁カルメット−ゲラン桿菌のような細菌ベクターを意図してもよい。 一般に、予防または治療目的に意図されるウイルスベクターの用量は、1キロ グラムあたり約1×104〜約1×1011、有利には約1×107〜約1×1010 、好ましくは約1×107〜約1×109プラーク形成単位であってもよい。 細菌ベクターの中で、シゲラ(Shigella)、サルモネラ(Salmo nella)、ビブリオ・コレラエ(Vibrio cholerae)、ラク トバスラス(Lactobacillus)およびストレプトコッカス(Str eptococcus)に言及し得る。生ワクチンとして有用であり得るビブリ オ・コレラエの非毒性変異株は、Mekalanosら,Nature(198 3)306:551および米国特許第4,882,278号(機能的な毒素が生 産され得ないように2つの対立遺伝子ctxAの各々をコードする領域の実質的 部分が欠失されている株);WO 92/11354(igrA遺伝子座が変異 によって不活化されている株;この変異を同じ株中でctxA変異と組み合わせ てもよい);ならびにWO 94/1533(機能的なctxAおよびattS 1配列を欠く欠失によって得られた変異体)に記載されている。WO94/19 482に記載のように、異種抗原を発現させるために、これらの株を遺伝的に改 変してもよい。 異種抗原の組換え発現のために遺伝的に改変などされたサルモネラ・チフィム リウムの弱毒化株およびそのワクチンとしての使用は、Nakayamaら,B ioTechnology(1988):693およびWO 92/1136 1に記載されている。 ワクチンベクターとして有用な他の細菌は、Highら,EMBO(1992 )11:1991およびSizemoreら,Science(1995)27 :299(シゲラ・フレクスネリ);Medagliniら,Proc.Na tl.Acad.Sci.USA(1995)92:6868(ストレプチコッ カス.ゴルダニ(Streptococcusgordonii));ならびに Flynn J.L.,Cell.Mol.Biol.(1994)40(補遺 I):31、WO 88/6626、WO 90/0594、WO 91/13 157、WO 92/1796およびWO 92/21376(カルメット−ゲ ラン桿菌)に記載されている。 細菌ベクターにおいて、ヘリコバクター由来のペプチドまたはポリペプチドを コードするDNA配列を、細菌ゲノム中に挿入してもよく、あるいはプラスミド に保有されて遊離状態のままにしてもよい。 同様に、DNA分子またはワクチンベクターは、上記のいずれかのポリペプチ ドまたはペプチドをコードする配列を含んでもよい。 DNA分子(好ましくは、ウイルスワクチンベクター)は、哺乳動物細胞にお ける発現に適切なエレメントの制御下の、サイトカイン(例えばインターロイキ ン−2または−12のようなリンホカイン)をコードする配列を含んでもよい。 このオプションの代替はまた、DNA分子またはベクターを含有する本発明の目 的に有用な医薬組成物へ、サイトカインをコードする別の分子またはウイルスベ クターを添加することを含む。 それゆえ、一般に、本発明の主題はまた、連続投与のために、:(i)(a) 不活化ヘリコバクター細菌の調製物、ヘリコバクター細胞溶解物、精製形態のヘ リコバクター由来のペプチドおよびポリペプチドから独立して選択されるヘリコ バクター由来の免疫性物質および(b)Th1型免疫応答の誘発を促進可能な化 合物を含有する第1の製造物、ならびに(ii)不活化ヘリコバクター細菌の調 製物、ヘリコバクター細胞溶解物、精製形態のヘリコバクター由来のペプチドお よびポリペプチド、発現に必要なエレメントの制御下に配置されたヘリコバクタ ー由来のペプチドまたはポリペプチドをコードする配列を含むDNA分子、なら びに発現に必要なエレメントの制御下に配置されたヘリコバクター由来のペプチ ドまたはポリペプチドをコードする配列を含むワクチンベクターから独立して選 択されるヘリコバクター由来の免疫性物質を含有する第2の製造物を含有するヘ リコバクター感染を処置または防止するように意図される医薬組成物であり、好 ましくは、第1の製造物がペプチドまたはポリペプチドを含有し、第2の製造物 がDNA分子またはワクチンベクターを含有する場合、DNA分子またはワクチ ンベクターのコード配列は、第1の製造物に含有されるペプチドまたはポリペプ チドをコードする。 上記の記載において、本質的にヘリコバクター感染およびその防止および予防 による攻撃のための手段に言及した。しかし、上記の原理および方法を、必要な 変更を加えて、その病巣が胃、十二指腸または腸であるいずれかの微生物によっ て誘発されるいずれかの他の感染に適用することができることを理解するべきで ある。 さらに、刊行され本出願において引用したすべての文献を出典明示で援用する ことを明記する。 以下、本発明を、以下の図面を参照して例示する。 図1は、実施例1に関し、D0、D28およびD56に3回与えたマウスの屠 殺の4時間後に測定した、チャレンジ後のウレアーゼ活性のレベルを示す: (a)腰背筋肉における、DC−cholリポソーム中約80%で被包されたウ レアーゼ調製物;または(b)胃内経路による、コレラ毒素アジュバントを有す るウレアーゼ調製物。実験(c)および(d)は、それぞれ陽性対照および陰性 対照に相当する。 図2は、実施例1に関し、D0、D28およびD56に3回与えたマウスの屠 殺の4時間後に測定した、チャレンジ後のウレアーゼ活性のレベルを示す: (a)胃内経路による、コレラ毒素アジュバントを有するウレアーゼ調製物また は(b)左後腰下部における皮下経路による、PCPPアジュバントを有するウ レアーゼ調製物;または(c)下方背中における皮下経路による、QS−21ア ジュバントを有するウレアーゼ調製物。実験(c)および(d)は、それぞれ陽 性対照および陰性対照に相当する。 図3は、実施例2に記載の免疫手順に供したサルにおいて誘発され、ELIS A力価で表した血清免疫グロブリンの量を示す。4匹のサルを含む対照群および 3つの試験群を形成し、試験群の各々は8匹のサルを含む;各試験群を4匹のサ ルの2つの小群に分割し、一方には不活化エイチ・ピロリ調製物のみを与え(1 、2および3)他方には不活化エイチ・ピロリ調製物および組換えウレアーゼを 与える(1u、2uおよび3u)。群1および1uは投与手順[鼻内+胃内、4 回]に対応し;群2および2uは投与手順[筋肉内、4回]に対応し;群1およ び1uは投与手順[鼻内+胃内、筋肉内、鼻内+胃内、筋肉内]に対応する。E LISA力価を3回測定する:D0に1回目(白棒)、D42に2回目(斜線棒 )、D78に3回目(黒棒)。 図4は、実施例3に記載の免疫手順に供したマウスにおいて誘発され、ELI SA力価で表した血清免疫グロブリンの量を示す。○はELISA IgG2a 力価を示し、◆はELISA IgG1力価を示す。2つの対照群(陽性対照お よび陰性対照)、4つの試験群(A1〜A4)ならびに参照群(LT)を形成し 、各々の群は10匹のマウスを含む。血清免疫グロブリンの量の測定を10匹中 5匹のマウスについてのみ実施した。A1〜A4群のマウスには、10μg用量 の ウレアーゼを左後腰下部における皮下経路によって、QS−21(A1)、Ba y R1005(A2)、DC−chol(A3)またはPCPP(A4)の存 在下で与えた。参照群のマウスには40μg用量のウレアーゼを経口経路によっ て、イー・コリ易熱タンパク質の存在下で与えた。 図5は、胃粘膜のレベルで、OD550で、実施例3に記載の免疫手順に供した マウスを屠殺した4時間後に測定したウレアーゼ活性のレベルを示す。群は図4 において記載したとおりである。 図6は、胃粘膜のレベルで、OD550で、実施例3に記載の免疫手順に供した マウスを屠殺した24時間後に測定したウレアーゼ活性のレベルを示す。群は図 4において記載したとおりである。 図7は、胃粘膜のレベルで、実施例3に記載の免疫手順に供したマウスを屠殺 した後に測定した細菌負荷を示す。群は図4において記載したとおりである。 図8Aおよび8Bは、エイチ・ピロリに感染させ、次いで種々の処置A〜H[ A:経口経路によるLT+ウレアーゼ;B:首における非経口経路によるQS2 1+ウレアーゼ;C:腰領域における非経口経路によるQS21+ウレアーゼ; D:腰領域における皮下経路によるQS21単独;E:首における非経口経路に よるBay R1005+ウレアーゼ;F:腰領域における非経口経路によるB ay R1005+ウレアーゼ;G:腰領域における皮下経路によるBayR1 005単独(対照);H:腰領域における皮下経路による生理食塩水溶液(陽性 対照)]に供したマウスにおける、4時間後に(550nmでのOD)Jatr ox試験(Procter & Gamble)を用いて評価したウレアーゼ活 性(図6A)および細菌負荷(図6B)を示す。Iは陰性対照を表す。 実施例1:マウスにおける免疫研究 1A − 材料および方法 マウス 6/8週齢雌性SwissマウスをJanvier(France)より得た 。実験全体の間、滅菌材料を使用した;ケージを「イソキャップ(isocap)」に よって保護した;マウスに濾過水および照射食物を与えた。 投与手順 各実験の間、マウスに3用量の同じ製造物を与えた;各用量を28日間隔で( 0、28および56日目)。製造物の投与を、鼻内経路(覚醒マウスに50μl まで)、経口経路(胃管強制栄養法により0.2M NaHCO3中300μl )、または皮下経路(首の皮下または腰領域の左側の皮下300μl)によって 実施した。いくつかの場合、筋肉内接種を麻酔したマウスの腰背筋肉において実 施した(50μl)。10μgのウレアーゼを鼻内、皮下または筋肉内経路によ って投与し、40μgを経口経路によって投与した。不活化細菌調製物に関して は、400μgの細胞を皮下経路または経口経路によって投与した。 抗原およびアジュバント エイチ・ピロリウレアーゼアポ酵素を、WO 96/31235の実施例5に 記載のように、イー・コリにおいて発現させ、精製した。以下、本明細書におい て、単にウレアーゼという用語を使用して、このアポ酵素を示す。 ウレアーゼを含有するDC−cholリポソームを以下のように製造する:ま ず、100mgのDC−chol(R−Gene Therapeutics) および100mgのDOPC(ジオレイルホスファチジルコリン)(Avant i Polar Lipids)を含有する乾燥脂質フィルムを得るために、こ れらの製造物を約5mlのクロロホルム中で粉末形態で混合する。この溶液をロ ータリーエバポレーターを使用して真空下で蒸発させる。このようにして容器の 壁上に得られたフィルムを高真空下で少なくとも4時間乾燥させる。平行して、 20mgのウレアーゼ凍結乾燥物および100mgのスクロースを13.33m lの20mM Hepes緩衝液(pH 7.2)中で希釈する。この調製物1 0ml(1.5mgのウレアーゼおよび0.75%スクロースを含有する)を0 .220μm Millexフィルターで濾過し、次いでこれを使用して脂質フ ィルムを再水和する。懸濁物を4時間撹拌し、次いで押し出すか(0.2μmポ リカーボネート膜に10回通過)、またはマイクロフルイダイザーに供する(M icrofluidics Co Y10マイクロフルイダイザー中500 k Paの圧力で10回通過)。このようにして得られたリポソーム懸濁物において 、被包されたウレアーゼのレベルは10〜60%である。この懸濁物を、スクロ ー ス濃度を5%に調整した後(10mlあたり425mgのスクロースを添加する )凍結乾燥する。使用前に、凍結乾燥物を適切な容量の水または緩衝液中に取り 出し、懸濁物をスクロースの非連続的勾配(0、30および60%の段階)で精 製して、被包されたウレアーゼの量がウレアーゼの総量に比較して約70%より 多い調製物を得る。 コレラ毒素を粘膜アジュバントとしてウレアーゼまたは細菌調製物の1用量あ たり10μgの量で使用する。 QS−21(Cambidge Biosciences)をアジュバントと してウレアーゼの1用量あたり15μgの量で使用する。 ポリホスファゼン(PCPP)(Virus Research Insti tute)をアジュバントとしてウレアーゼの1用量あたり100μgの量で使 用する。 チャレンジ 2回目の追加免疫の2週間後に、マウスを、マウスに適合されたエイチ・ピロ リ株であるORV2002株の懸濁物(200μlのPBS中1×107の生菌 ;OD550約0.5)300μlでの胃管強制栄養法に供した。抗原の用量を与 えず、対照とする1つの群を同様にチャレンジする。 チャレンジの分析 チャレンジの4週間後、頚椎を折ることによってマウスを屠殺した。ウレアー ゼ活性を評価し、組織学的分析をするために、胃を取り出した。ウレアーゼ活性 を4時間後および24時間後にJatrox試験(Procter & Gam ble)を用いて評価し(550nmでのOD)、24時間後になお陰性(OD 0.1未満)のマウスの数を記録した。 ELISPOTによる局所抗体応答の測定(唾液腺および胃) ELISPOTをMegaら,J.Immunol.(1992)148:2 030に従って実施した。プレートを、50μg/mlの濃度のエイチ・ピロリ タンパク質の抽出物でコートした。 胃のレベルでの抗体応答を試験するために、本発明者らは、方法を以下のよう に改変した:胃の半分を、ヒト組織切断用自動装置(McIllwain La boratories,Gilford,UK)を用いて1mm2片に切断し、 消化をDispase(2mg/ml、Boeringher Mannhei m)を用いて、10%ウマ血清(Gibco)、グルタミンおよび抗生物質を添 加した改変Joklil溶液2ml中で実施した。4時間半の消化を37℃で穏 やかに混合しながら実施した。このようにして消化した細胞を各工程後70μm フィルター(Falcon)を使用して濾過し、次いで5%ウシ胎児血清(FC S)を補充したRPMI 1640(Gibco)の溶液中で3回洗浄し、同じ 溶液中で少なくとも4時間、ニトロセルロース(Millipore)で覆った プレート中でインキュベートした(100μl/ウェル、4ウェル)。半分の胃 あたり1〜3×105の細胞が得られる(大きな細胞およびマクロファージは計 数しなかった)。 ビオチン化IgAおよびストレプトアビジン−ビオチン化ペルオキシダーゼ複 合体をAmershamから得た。スポットをAEC基質(Sigma)の作用 で出現させ、プレートが乾燥するとすぐに、それらを顕微鏡下で計測した(倍率 ×16または×40)。4つのウェルにおけるIgAスポットの数に相当する平 均値を算出し、スポット/106細胞の数として表した。 ELISAによる応答の分析 ELISAによる分析を標準的手順に従って実施した(ビオチン化結合体およ びストレプトアビジン−ペルオキシダーゼをAmershamから得、OPD( O−フェニルジアミンジヒドロクロリド)基質をSigmaから得た)。プレー トを炭酸緩衝液中のエイチ・ピロリ抽出物(5μl/ml)でコートした。H. pylori抽出物に対するマウス由来の対照血清を各実験において導入した。 力価は、490nmにおいてOD 1.5を与える希釈の逆数に相当する。 1B − 結果 結果を上記図1および2ならびに以下のコメントによって示す: 図1および2の主題に関する全てのコメントの前に、これらの図が、コレラ毒 素アジュバントとともに使用し、胃内経路によって投与した抗原を用いて得られ た結果を示すことに留意するべきである。先行技術のCT/IGの組み合わせが 現在までで最良の結果を与えるものであるので、この実験を標準参照実験と名付 ける。 図1は、DC−cholリポソーム中に被包されたウレアーゼ調製物が、標準 参照実験で得られる結果と同様に良好な結果を与えることを示す。 さらに、マウスを屠殺した4時間後のウレアーゼ活性に関する結果を図1に示 す実験(a)〜(d)に言及することができる。屠殺後24時間でもなおウレア ーゼ活性が陰性のマウスの数がそれぞれ(a)5/10、(b)4/10、(c )0/10および(d)10/10であることが示されている。これは、先の段 落で結論したことに一致する;すなわち、実験(a)によって、標準参照実験の 間に得られる結果と同様の結果が導かれる。 図2は、QS−21アジュバントを含むウレアーゼ調製物が、標準参照実験で 得られる結果と同様に良好な結果を与えることを示す。さらに、この図は、アジ ュバントとしてPCPPを使用して得られる結果が、QS−21を用いて得られ る結果よりずっと不満足であることを示す。このことは、下記の表に示すように 、PCPPが優先的にウレアーゼとともにTh2型応答を誘発し、一方QS−2 1がウレアーゼとともにTh1/Th2均衡応答を誘発することで説明すること ができる。 さらに、マウスを屠殺した4時間後のウレアーゼ活性に関する結果を図2に示 す実験(a)〜(e)に言及することができる。屠殺後24時間でもなおウレア ーゼ活性が陰性のマウスの数がそれぞれ(a)1/8、(b)0/8、(c)5 /8、(d)0/8および(e)10/10であることが示されている。これは 、先の段落で結論したことに一致する。すなわち、実験(c)によって、標準参 照実験の間に得られる結果と同様の結果が導かれる。 下記の表は、ウレアーゼ活性に関する結果を図1および2に示す実験の間に誘 発された血清IgA、IgG1およびIgG2aの量、ならびにウレアーゼ活性 が屠殺後4時間および24時間でOD 0.1未満であることによって特徴付け られるマウスの数を示す。IgA、IgG1およびIgG2aの量をELISA 力価として表す。 上記表に示す結果は、皮下経路(およびこの経路に適切なアジュバント)を使 用した場合、血清抗体レベルは高く、胃内経路(およびこの経路に適切なアジュ バント)を使用した後はそうではないことを示す。さらに、これらの結果は、D C−cholまたはQS−21を使用した場合、桁でIgG1のレベルに匹敵す る高いレベルのIgG2aが得られることを示す。このことは、これらのアジュ バントがTh2応答だけではなく、Th1応答も誘発する能力を有することを示 す。他方、PCPPを使用した場合、得られるIgG2aレベルはIgG1レベ ルよりも実質的に低い。後者のアジュバントは本質的にTh2応答を誘発し、そ れゆえ本発明の目的に有用なアジュバントとはなり得ないと結論することができ る。 実施例2:サルにおける免疫研究 2A − 材料および方法 サル Mauritiusから得た28匹の2歳のサル(Macaca fasci cularis)をこの研究において使用した。サルを下記の種々の免疫手順に 供する前に、生検によって、その大部分がガストロスピリルム・ホミニス(GH LO)またはエイチ・ヘイルマニに類似の生物に慢性的に感染していることが示 された。 投与手順 ほぼ全てのサルがGHLOに感染していたので、治療における種々の手順の効 力を試験することに決定した。下記の表にまとめるような3つの手順を使用し た: 筋肉内経路による投与を腰背筋肉において実施したことを明記する。 抗原およびアジュバント GPLOとエイチ・ピロリとの間には交叉反応性が存在するので、実施例1A に記載の不活化エイチ・ピロリ細菌の調製物を、単独でか、または実施例1Aに 記載の方法に従って製造した組換えウレアーゼと組み合わせて使用することを選 択した。 イー・コリ易熱毒(LT)(Sigma)またはコレラ毒素のBサブユニットs)を粘膜アジュバントとして使用し、一方DC−cholを非経口アジュバン トとして使用した。DC−chol粉末を抗原調製物とともに単に再水和する。 使用する用量は下記のとおりである: 生検、ウレアーゼ試験および細菌学的/組織学的研究 生検を、各々のサルについて、免疫の前後に(3回目の追加免疫の1ヶ月後) 実施した。生検を使用して、ウレアーゼ試験および組織学的研究を実施した。 ウレアーゼ活性をJatroxキット(Procter & Gamble) を使用して評価する。この活性のレベルを以下のように評価する(低下して行く ):レベル3、最初の10分間の間にピンク色が出現する;レベル2、試薬の添 加後10〜30分間でピンク色が出現する;レベル1、30分間〜4時間でピ ンク色が出現する、およびレベル0、4時間後に薄い色または無色。 組織学的研究をホルマリン中で固定した生検を使用して実施し、細菌負荷を以 下のように定量した:細菌非存在(0);ヘリコバクター型の細菌少し(0.5 );幾分多数の細菌(1);多数の細菌(2);非常に多数の細菌(3)。レベ ル1つの差(例えば、1から2への)は、5倍多い細菌数に相当する。 ELISA試験による応答の分析 ELISA試験を実施例1Aに記載のように実施する。 1B − 結果 下記の表は、免疫の前後に、(i)ウレアーゼ活性を評価することによる、お よび(ii)組織学的研究を実施することによる、2つの試験を使用して評価さ れる細菌負荷に関する。これに関する結果を列3〜6に示す。最後の3つの列は 、各群(対照、1、2または3)について、細菌負荷が2つの試験に従って免疫 後荷を示すサルの数を示す。2つの試験の結果が同様な変化を示す場合、上向きま たは下向きの矢印は2重である。 このように、この表は、厳密な粘膜経路による免疫手順に供した群において、 結果が陰性対照群について得られた結果と実質的に同一であることを示す。他方 、 混合した粘膜および筋肉内経路によるか、または厳密な筋肉内経路による免疫手 順に供した群において、細菌負荷の顕著な減少が観察される。このことは、免疫 条件の重要性および特に使用するアジュバントの重要性を強調する;結果として 、均衡Th1およびTh2応答を促進可能なDC−cholのようなアジュバン トの使用が、防御効果を得るために推奨される。 これらの結果は、図3に示す血清抗体レベルに関する他の結果と関連付けるべ きである。この図は、厳密な粘膜経路による免疫スキーム(1および1u)によ って、陰性対照群の結果と非常に類似した結果が導かれることを示す。他方、混 合した粘膜および筋肉内経路による免疫スキーム(2および2u)ならびに、な お良いことに、厳密な筋肉内経路による免疫スキーム(3および3u)によって 、対照群より実質的に高い抗体レベルを誘発することが可能になる。 従って、高い血清応答は、防御効果と相関している可能性があり、一方反対に 、低い応答は防御効果がないことに関連する。所望の効果(高い血清応答および 防御免疫)を得ることを可能にする免疫条件は、横隔膜下領域に標的化された非 経口経路またはTh1アジュバントの使用を含む。 実施例3:マウスにおける他の免疫研究 3A − 材料および方法 マウス 6/8週齢雌性SwissマウスをJanvier(France)より得た 。実験全体の間、滅菌材料を使用した;ケージを「イソキャップ」によって保護 した;マウスに濾過水および照射食物を与えた。 投与手順 各実験の間、マウスに3用量の同じ製造物を与えた;各用量を21日間隔で( 0、21および42日目)。製造物の投与を、経口経路(胃管強制栄養法により 0.2M NaHCO3中300μl)、または皮下経路(腰領域の左側の皮下 300μl)によって実施した。10μgのウレアーゼを皮下で、40μgを経 口経路によって投与した。 抗原およびアジュバント エイチ・ピロリウレアーゼアポ酵素を、WO 96/31235の実施例5に 記載のように、イー・コリにおいて発現させ、精製した。以下、本明細書におい て、単にウレアーゼという用語を使用して、このアポ酵素を示す。 イー・コリ易熱毒(Sigma)を粘膜アジュバントとしてウレアーゼの1用 量あたり1μgの量で使用する。 QS−21(Cambidge Biosciences)をアジュバントと してウレアーゼの1用量あたり15μgの量で使用する。 Bay R1005(Bayer)をアジュバントとしてウレアーゼの1用量 あたり400μgの量で使用する。 DC−chol(R−Gene Therapeutics)をアジュバント としてウレアーゼの1用量あたり65μgの量で使用する。 ポリホスファゼン(PCPP)(Virus Research Insti tute)をアジュバントとしてウレアーゼの1用量あたり100μgの量で使 用する。 チャレンジ 2回目の追加免疫の4週間後に、マウスを、マウスに適合されストレプトマイ シンに耐性なエイチ・ピロリ株であるORV2001株の懸濁物300μl(3 ×106の生菌)での胃管強制栄養法に供した。抗原の用量を与えず、対照とす る1つの群を同様にチャレンジする。 チャレンジ懸濁物を以下のように製造する:エイチ・ピロリを、以下のSig maの抗生物質(トリメトプリム 5μg/ml)バンコマイシン 10μg/ ml、ポリミキシンB 1.3μg/ml、アンホテリシン 5μg/mlおよ びストレプトマイシン 50μg/ml)を含有する5%ヒツジ血液(bioM HA培地)上で培養する。培養ディッシュを3日間37℃で微好気性条件下で( Anaerocult C、Merck)インキュベートする。この培養物を採 集して、5%ウシ胎児血清および上記の抗生物質を補充したBrucellaブ ロス50mlを含有する、日を備えた75cm2フラスコ(Costar)に接 種する。フラスコを、微好気性条件下で、穏やかに振盪しながら24時間イン キュベートする。次いで、懸濁物を、550nmでのOD 0.1(すなわち、 107 CFU/ml)を与えるようにBrucellaブロス中で希釈する。 チャレンジの分析 チャレンジの4週間後、頸椎を折ることによってマウスを屠殺した。ウレアー ゼ活性を、そして定量的培養によって細菌負荷を評価するために、胃を取り出し た。胃(幽門洞+体)の縦の1/4を各々の試験に使用する。ウレアーゼ活性を 4時間後および24時間後にJatrox試験(Procter & Gamb le)を用いて評価し(500nmでのOD)、24時間後になお陰性(OD0 .1未満)のマウスの数を記録した。 エイチ・ピロリの定量的培養による感染の評価 ortagem培地中に入れ、次いで次の2時間以内に、培養チャンバー中に移 す。次いで、試料を1mlのBrucella培地(Brucellaブロス) を含有するDounceホモジナイザー(Wheaton、Millville USA)を使用してホモジナイズし、10-3まで段階希釈する。各希釈物(100 、10-1、10-2および10-3)100μlを、上記の抗生物質を補充したM HA培地を含有するペトリ皿に広げ、37℃で微好気性条件下で4日間または5 日間培養する。次いで、生菌数を計数する。エイチ・ピロリは、グラム染色によ って示される形態ならびにウレアーゼ、カタラーゼおよびオキシダーゼ試験に対 する陽性反応によって同定される。 ELISAによる応答の分析 ELISAによる分析を標準的手順に従って実施した(ビオチン化結合体およ びストレプトアビジン−ペルオキシダーゼをAmershamから得、OPD基 質をSigmaから得た)。プレートを炭酸緩衝液中のエイチ・ピロリ抽出物( 5μl/ml)でコートした。H.pylori抽出物に対するマウス由来の対 照血清を各実験において導入した。力価は、490nmにおいてOD 1.5を 与える希釈の逆数に相当する。 3B − 結果 図4〜7の主題に関する全てのコメントの前に、これらの図が、LTアジュバ ントとともに使用し、胃内経路によって投与した抗原を用いて得られた結果を示 すことに留意するべきである。先行技術のLT/IGの組み合わせが現在までで 最良の結果を与えるものであるので、この実験を標準参照実験と名付ける。 血清応答 図4に示すように、3回の免疫後、皮下経路によって免疫したマウスの全てが 高い血清IgG応答を有する。IgG1:IgG2a比に基づくと、PCPPは Th2型の優勢応答(高IgG1レベル、低IgG2aレベル)を誘発すること を示すことができる。Bay R1005およびDC−cholは、Th1/T h2型のより均衡した応答を誘発する。最後に、QS−21は、Th1型の優勢 応答を誘発する。実際、マウスの4つの群A1〜Λ4の間の主な差は、それらの IgG2a力価にあり、IgG1力価は全て類似している。 チャレンジ後の防御 図5〜7は、群A1およびA2における防御のレベルが、参照群(LT)にお いて観察されたレベルと同様であるかまたはそれより良好でさえあることを示す 。これらは、それぞれQS−21およびBay R1005の存在下でウレアー ゼの用量を与えた群である。群A3(DC−chol)は幾分低いレベルの防御 を示す。他方、群4A(PCPP)においては、高い防御効果を示すことはでき ない。図5〜7に示す結果が互いに一致することに留意するべきである。 一方で図4に、そして他方で図5〜7に示す結果を比較すると、Th1または Th1/Th2応答を誘発可能なアジュバント(QS−21、Bay R100 5またはDC−chol)を使用することによって、Th2型アジュバント(P CPP)を使用する場合とは反対に、防御効果の開始が促進されると間違いなく 結論することができる。 実施例4:マウスにおけるエイチ・ピロリ感染の処置 本発明者らは、マウスモデルにおいて、エイチ・ピロリ感染を処置する皮下経 路(SC)による免疫の効力を、粘膜経路と比較した。 OF1マウスに106コロニー形成単位(cfu)のエイチ・ピロリ ORV 2001株を感染させた。1ヶ月後、感染が実際に確立されたことを、10/1 00匹のマウスを無作為に屠殺し、胃全体の1/4についてウレアーゼ活性を試 験することによってチェックした。全ての結果が陽性であるという条件で、本発 明者らは次いで、マウス(1群あたり10匹)を3回、3週間間隔で、アジュバ ントとしてのQS21(Aquila)15μgもしくは400μgのBayR 1005アジュバント(Bayer)を補充した10μgの組換えウレアーゼを 使用して皮下経路によってか、または1μgのLTと混合した40μgのウレア ーゼを使用して経口経路によってかのいずれかで免疫した。非経口経路によって 投与した2つのアジュバントの各々について、免疫を、首(身体の上方領域のリ ンパ節に到達させるために)または腰領域(腹部リンパ節に到達させるために) のいずれかで実施した。10匹のマウスを非感染および非免疫のままにし(陰性 対照)、一方、陽性対照群のマウスには、生理食塩水溶液、QS21またはBa yアジュバントを皮下経路(腰領域)によって与えた。 3回目の免疫の1ヶ月後、全てのマウスを屠殺し、生息の程度を、ウレアーゼ 活性を測定することによって(各群において10/10匹のマウスを分析した) 、そして定量的培養を実施することによって(5/10匹マウスを分析した)評 価するために、胃を取り出した。図6A(ウレアーゼに関する試験)および図6 B(培養)は、腰領域における皮下経路によってアジュバントとしてQS21を 補充したウレアーゼで免疫したマウスにおいて、感染が実際上消失したことを示 す(4/5匹のマウスは定量的培養において陰性であった)。QS21の存在下 で、首における皮下経路によってウレアーゼで免疫したマウス、および経口経路 によってウレアーゼ+LTを与えたマウスは、非免疫マウスに比較して10〜1 00の感染の低下を示した。Bayアジュバントは、同じ低下を誘発し、これは 腰領域において免疫したマウスにおいてより顕著であった。 これらの同じマウスに対して実施した組織病理学によっては、対照に比較して より重篤な胃炎は示されなかった。 本発明者らの以前の予防研究(実施例1)において観察されたように、防御さ れたマウスは、2つのアイソタイプIgG1およびIgG2aについて高い血清 レベル(均衡Th2/Th1応答を表す)を示した。さらに、腰領域における皮 下経路によって免疫したマウスは、最高の血清IgAレベル(粘膜応答を示す) を示した。 これらの結果は、標的化全身免疫が、マウスにおいて獲得されたエイチ・ピロ リ感染を治癒できること、およびTh1/Th2型均衡粘膜応答を誘発するアジ ュバントの使用がこの目的を達成するために所望されることを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,HU,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヘリコバクター由来の免疫原性物質ならびに: (i)キラジャ・サポナリアの抽出物から精製されたサポニン; (ii)カチオン性脂質またはその塩であって;該脂質はプロテインキナーゼ Cの弱いインヒビターであり、コレステロール由来の親油基、カルボキシアミド およびカルバモイルから選択される結合基、1〜20個の炭素原子の分岐または 非分岐直鎖状アルキル鎖からなるスペーサーアーム、ならびに第1級、第2級、 第3級および第4級アミンから選択されるカチオン性アミン基を含む構造を有し ており、組成物がサポニンまたは式(I)で表されるグリコリポペプチドを含有 しない場合、該脂質はリポソームの形態では提供されないカチオン性脂質または その塩;ならびに (iii)式(I): [式中、 R1は、飽和または1回もしくは数回不飽和の、1〜50個の炭素原子を含有す るアルキル残基を表し、 Xは、−CH2−、−O−または−NH−を表し、 R2は、水素原子または飽和または1回もしくは数回不飽和の、1〜50個の炭 素原子を含有するアルキル残基を表し、 R3、R4およびR5は、各々互いに独立して、水素原子またはアシル−CO−R6 残基{式中、R6は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル残基を表す}を表 し、 R7は、水素原子、C1−C7アルキル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチ ル、メルカプトメチル、2−(メチルチオ)エチル、3−アミノプロピル、3− ウレイドプロピル、3−グアニジルプロピル、4−アミノブチル、カルボキシメ チル、カルバモイルメチル、2−カルボキシエチル、2−カルバモイルエチル、 ベンジル、4−ヒドロキシベンジル、3−インドリルメチルまたは4−イミダゾ リルメチル基を表し、 R8は、水素原子またはメチル基を表し、 R9は、水素原子、アセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル、トリフルオロ アセチル、メトキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニルまたはベンジルオ キシカルボニル基を表し、 R7およびR8は、一緒にされる場合、−CH2−CH2−CH2−基を表してもよ い] で表されるグリコリポペプチド、 から選択される少なくとも1つの化合物を含有する医薬組成物。 2.少なくとも2つの化合物を含有し、第1の化合物はキラジャ・サポナリア の抽出物から精製されたサポニンから選択され、第2の化合物は、カチオン性脂 質またはその塩であって;該脂質はプロテインキナーゼCの弱いインヒビターで あり、コレステロール由来の親油基、カルボキシアミドおよびカルバモイルから 選択される結合基、1〜20個の炭素原子の分岐または非分岐直鎖状アルキル鎖 からなるスペーサーアーム、ならびに第1級、第2級、第3級および第4級アミ ンから選択されるカチオン性アミン基を含む構造を有しているカチオン性脂質ま たはその塩から選択される、請求項1記載の組成物。 3.化合物がキラジャ・サポナリアの抽出物から精製されたQS−21画分で あるサポニンである請求項1または2記載の組成物。 4.化合物が分散形態で製造されたカチオン性脂質である請求項1または2記 載の組成物。 5.化合物が3−β−[N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)カルバモ イル]コレステロール(DC−chol)またはその塩であるカチオン性脂質で ある請求項1、2または4記載の組成物。 6.化合物がN−(2−L−ロイシン−アミド−2−デオキシ−β−D−グル コピラノシル)N−オクタデシルドデカノイルアミド(Bay R1005)で あるグリコリポペプチドである請求項1記載の組成物。 7.ヘリコバクター由来の免疫原性物質が、不活化ヘリコバクター細菌の調製 物、ヘリコバクター細胞溶解物、精製形態のヘリコバクター由来ペプチドおよび ポリペプチドから選択される、請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。 8.ヘリコバクター由来の免疫原性物質が、ヘリコバクターウレアーゼのUr eBまたはUreAサブユニットである、請求項7記載の組成物。 9.免疫原性物質がヘリコバクター・ピロリ由来である、請求項1〜8のいず れか1項記載の組成物。 10.ヘリコバクター由来の免疫原性物質ならびに: (i)キラジャ・サポナリアの抽出物から精製されたサポニン; (ii)カチオン性脂質またはその塩であって;該脂質はプロテインキナーゼ Cの弱いインヒビターであり、コレステロール由来の親油基、カルボキシアミド およびカルバモイルから選択される結合基、1〜20個の炭素原子の分岐または 非分岐直鎖状アルキル鎖からなるスペーサーアーム、ならびに第1級、第2級、 第3級および第4級アミンから選択されるカチオン性アミン基を含む構造を有し ており、組成物がサポニンまたは式(I)で表されるグリコリポペプチドを含有 しない場合、該脂質はリポソームの形態では提供されないカチオン性脂質または その塩;ならびに (iii)式(I): [式中、 R1は、飽和または1回もしくは数回不飽和の、1〜50個の炭素原子を含有す るアルキル残基を表し、 Xは、−CH2−、−O−または−NH−を表し、 R2は、水素原子または飽和または1回もしくは数回不飽和の、1〜50個の炭 素原子を含有するアルキル残基を表し、 R3、R4およびR5は、各々互いに独立して、水素原子またはアシル−CO−R6 残基{式中、R6は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル残基を表す}を表 し、 R7は、水素原子、C1−C7アルキル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチ ル、メルカプトメチル、2−(メチルチオ)エチル、3−アミノプロピル、3− ウレイドプロピル、3−グアニジルプロピル、4−アミノブチル、カルボキシメ チル、カルバモイルメチル、2−カルボキシエチル、2−カルバモイルエチル、 ベンジル、4−ヒドロキシベンジル、3−インドリルメチルまたは4−イミダゾ リルメチル基を表し、 R8は、水素原子またはメチル基を表し、 R9は、水素原子、アセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル、トリフルオロ アセチル、メトキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニルまたはベンジルオ キシカルボニル基を表し、 R7およびR8は、一緒にされる場合、−CH2−CH2−CH2−基を表してもよ い] で表されるグリコリポペプチド、 から選択される少なくとも1つの化合物の、ヘリコバクターに対する1型ヘルパ ーT(Th1)型免疫応答を誘発可能な医薬組成物の製造における使用。 11.ヘリコバクター由来の免疫原性物質ならびに少なくとも2つの化合物の 請求項10記載の使用であって、第1の化合物はキラジャ・サポナリアの抽出物 から精製されたサポニンから選択され、第2の化合物は、カチオン性脂質または その塩であって;該脂質はプロテインキナーゼCの弱いインヒビターであり、コ レステロール由来の親油基、カルボキシアミドおよびカルバモイルから選択され る結合基、1〜20個の炭素原子の分岐または非分岐直鎖状アルキル鎖からなる スペーサーアーム、ならびに第1級、第2級、第3級および第4級アミンから選 択されるカチオン性アミン基を含む構造を有しているカチオン性脂質またはその 塩から選択される使用。 12.化合物がキラジャ・サポナリアの抽出物から精製されたQS−21画分 であるサポニンである請求項10または11記載の使用。 13.化合物が分散形態で製造されたカチオン性脂質である請求項10または 11記載の使用。 14.化合物が3−β−[N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)カルバ モイル]コレステロール(DC−chol)またはその塩である請求項10、1 1または13記載の使用。 15.化合物がN−(2−L−ロイシン−アミド−2−デオキシ−β−D−グ ルコピラノシル)N−オクタデシルドデカノイルアミド(Bay R1005) であるグリコリポペプチドである請求項10記載の使用。 16.Th1型免疫応答がマウスにおいて測定され、(i)1:100以上の ELISA IgG2a:IgG1力価の比または(ii)1:100以上のE LISA IgG2a:IgA力価の比のいずれかによって特徴付けられる、請 求項10〜15のいずれか1項記載の使用。 17.Th1型免疫応答がマウスにおいて測定され、(i)1:10以上のE LISA IgG2a:IgG1力価の比または(ii)1:10以上のELI SA IgG2a:IgA力価の比のいずれかによって特徴付けられる、請求項 16記載の使用。 18.Th1型免疫応答がマウスにおいて測定され、(i)1:2以上のEL ISA IgG2a:IgG1力価の比または(ii)1:2以上のELISA IgG2a:IgA力価の比のいずれかによって特徴付けられる、請求項17記 載の使用。 19.ヘリコバクター由来の免疫原性物質が、不活化ヘリコバクター細菌の調 製物、ヘリコバクター細胞溶解物、精製形態のヘリコバクター由来ペプチドおよ びポリペプチドから選択される、請求項10〜18のいずれか1項記載の使用。 20.ヘリコバクター由来の免疫原性物質が、ヘリコバクターウレアーゼのU reBまたはUreAサブユニットである、請求項19記載の使用。 21.免疫原性物質がヘリコバクター・ピロリ由来である、請求項10〜20 のいずれか1項記載の使用。 22.医薬組成物が全身経路によって投与されることが意図される請求項10 〜21のいずれか1項記載の使用。 23.医薬組成物が厳密な全身経路によって投与されることが意図される請求 項22記載の使用。 24.医薬組成物が、横隔膜下に位置する、哺乳動物、特に霊長類の部分にお ける全身経路によって投与されることが意図される請求項22または23記載の 使用。 25.医薬組成物が、哺乳動物、特に霊長類の腰背領域における全身経路によ って投与されることが意図される請求項22〜24のいずれか1項記載の使用。 26.医薬組成物が、皮下経路、筋肉内経路および皮内経路から選択される全 身経路によって投与されることが意図される請求項22〜25のいずれか1項記 載の使用。 27.医薬組成物が、ヘリコバクター感染を防止または処置するために、同一 の処置の間に2回または3回、全身経路によって投与されることが意図される請 求項10〜26のいずれか1項記載の使用。 28.ヘリコバクター由来の免疫原性物質およびヘリコバクターに対する1型 ヘルパーT(Th1)型免疫応答の誘発を促進可能な化合物の、ヘリコバクター 感染を防止または処置するために全身経路によって投与されることが意図される 医薬組成物の製造における共同使用。
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