JP2023052718A - 赤外線反射ガラス - Google Patents

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Shota Saito
裕樹 堀江
Hiroki Horie
和広 加藤
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Abstract

【課題】耐傷性に優れ、かつ比較的容易な製造工程で作製できる赤外線反射ガラスを提供する。【解決手段】ガラス板と、前記ガラス板上に設けられた赤外線反射被膜と、を備える赤外線反射ガラスであって、前記赤外線反射被膜は多層膜からなり、前記多層膜において、前記ガラス板側を下とし、その反対側を上と定義した場合、前記多層膜は、第一誘電体層と、前記第一誘電体層の直上の金属層とからなるユニットを少なくとも1つ有し、前記多層膜は、最上層に第二誘電体層を有し、前記第二誘電体層の直下に第三誘電体層を有し、前記第二誘電体層は、酸化チタン、酸化亜鉛スズ、酸化亜鉛アルミニウム、及び酸化ケイ素アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成され、前記第三誘電体層は、窒化ケイ素アルミニウム、酸窒化ケイ素アルミニウム、及び酸化ケイ素アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成され、前記第三誘電体層の厚さは10nmを超えるものである、赤外線反射ガラス。【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線反射ガラスに関する。
近年の建築物の室内や自動車内の冷暖房コスト削減や快適性向上の要求に伴い、銀等の金属層を用いた赤外線反射ガラスの需要が増えている。赤外線反射ガラスは、透明基材の上に誘電体層、金属層を積層した構成がよく用いられる。金属は自由電子をもつという特徴から、光に対する高い反射率を有し、特に銀は可視光線や赤外線の波長を強く反射する為、上記の金属層としてよく用いられている。誘電体層は、赤外線反射ガラス全体の色調調整や、金属層を安定して積層するための下地として使用される。このように、赤外線反射ガラスは、複数の機能層をガラス板表面上に積層させることにより、入射する赤外線の大部分を反射し、高い断熱性を有する。
赤外線反射ガラスは、運搬時や取扱時において、搬送レールやコンベア等の運搬装置、モールドやロボットのアーム等の保持部材、又は人の手との接触により積層部分が損傷し、低放射膜の性能が落ちることがしばしばある。これを考慮して、赤外線反射ガラスの最上層にバリア層を施し、積層部分を保護する方法が採用されることが多い。
特許文献1では、高硬度を有するケイ素及び/又はアルミニウムの窒化物又は酸窒化物をバリア層として積層させ、赤外線反射ガラスの積層構造を保護している。
特許文献2では、金属、金属合金、金属化合物、又は金属間化合物をバリア層として5nm以下の厚さで赤外線反射ガラスの最上層に積層させ、バリア層を空気中で酸化させ圧縮応力を付与することで赤外線反射ガラスに耐傷性を付与している。
特開2015-221747号公報 特開2012-076467号公報
しかしながら、本発明者らが、特許文献1に開示されているように、最上層をケイ素及び/又はアルミニウムの窒化物又は酸窒化物とした赤外線反射ガラスを作製し、赤外線反射ガラスの耐傷性を評価するテーバー試験を実施した結果、赤外線反射被膜の積層部分の損傷を抑制することはできるものの、最上層自体に微細な傷が形成してしまい、赤外線反射ガラス全体の良好な外観維持が困難になることが分かった。
また、特許文献2に開示される赤外線反射ガラスの製造方法は、従来のスパッタリング法による成膜工程に加えて長時間のトップコート層の酸化工程を必要とするため、赤外線反射ガラスの生産タクトが低下する可能性がある。
以上から、本発明は、耐傷性に優れ、かつ比較的容易な製造工程で製造できる赤外線反射ガラスを提供することを課題とする。
本発明の課題は、下記構成により解決される。
<1>
ガラス板と、前記ガラス板上に設けられた赤外線反射被膜と、を備える赤外線反射ガラスであって、
前記赤外線反射被膜は多層膜からなり、
前記多層膜において、前記ガラス板側を下とし、その反対側を上と定義した場合、
前記多層膜は、第一誘電体層と、前記第一誘電体層の直上の金属層とからなるユニットを少なくとも1つ有し、
前記多層膜は、最上層に第二誘電体層を有し、前記第二誘電体層の直下に第三誘電体層を有し、
前記第二誘電体層は、酸化チタン、酸化亜鉛スズ、酸化亜鉛アルミニウム、及び酸化ケイ素アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成され、
前記第三誘電体層は、窒化ケイ素アルミニウム、酸窒化ケイ素アルミニウム、及び酸化ケイ素アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成され、
前記第三誘電体層の厚さは10nmを超えるものである、
赤外線反射ガラス。
<2>
前記第二誘電体層は酸化チタン、酸化亜鉛スズ、及び酸化亜鉛アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成される、<1>に記載の赤外線反射ガラス。
<3>
前記第二誘電体層は酸化亜鉛アルミニウムから形成される、<1>に記載の赤外線反射ガラス。
<4>
前記第三誘電体層は、窒化ケイ素アルミニウムから形成される、<1>から<3>のいずれか1項に記載の赤外線反射ガラス。
<5>
前記第二誘電体層の厚さは、10nm以上である、<1>から<5>のいずれか1項に記載の赤外線反射ガラス。
<6>
前記第三誘電体層の厚さは、20nm~50nmである、<1>から<5>のいずれか1項に記載の赤外線反射ガラス。
本発明によれば、耐傷性に優れ、かつ比較的容易な製造工程で製造できる赤外線反射ガラスを提供することができる。
本発明の赤外線反射ガラスの一実施形態を表す断面模式図である。 本発明の赤外線反射ガラスの一実施形態を表す断面模式図である。 本発明の赤外線反射ガラスの一実施形態を表す断面模式図である。 実施例1のテーバー試験後の外観の顕微鏡写真を表す図である。 比較例1のテーバー試験後の外観の顕微鏡写真を表す図である。
本発明の赤外線反射ガラスは、
ガラス板と、前記ガラス板上に設けられた赤外線反射被膜と、を備える赤外線反射ガラスであって、
前記赤外線反射被膜は多層膜からなり、
前記多層膜において、前記ガラス板側を下とし、その反対側を上と定義した場合、
前記多層膜は、第一誘電体層と、前記第一誘電体層の直上の金属層とからなるユニットを少なくとも1つ有し、
前記多層膜は、最上層に第二誘電体層を有し、前記第二誘電体層の直下に第三誘電体層を有し、
前記第二誘電体層は、酸化チタン、酸化亜鉛スズ、酸化亜鉛アルミニウム、及び酸化ケイ素アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成され、
前記第三誘電体層は、窒化ケイ素アルミニウム、酸窒化ケイ素アルミニウム、及び酸化ケイ素アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成され、
前記第三誘電体層の厚さは10nmを超えるものである、
赤外線反射ガラスである。
図1に、本発明の赤外線反射ガラスの一例の断面模式図を示す。
図1の赤外線反射ガラス100は、ガラス板1と、ガラス板1上に設けられた赤外線反射被膜10とを備える。
赤外線反射被膜10は多層膜からなる。
赤外線反射被膜10は、第一誘電体層2と、第一誘電体層2の直上の金属層3とからなるユニットAを有する。
赤外線反射被膜10は、最上層に第二誘電体層5を有し、第二誘電体層5の直下に第三誘電体層4を有する。
第二誘電体層5は、酸化チタン、酸化亜鉛スズ、酸化亜鉛アルミニウム、及び酸化ケイ素アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成される。
第三誘電体層4は、窒化ケイ素アルミニウム、酸窒化ケイ素アルミニウム、及び酸化ケイ素アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成される。
図2に、本発明の赤外線反射ガラスの別の一例の断面模式図を示す。
図2の赤外線反射ガラス101は、ガラス板1と、ガラス板1上に設けられた赤外線反射被膜11とを備える。
赤外線反射被膜11は多層膜からなり、第一誘電体層と、前記第一誘電体層の直上の金属層とからなるユニットが2つ(第一誘電体層21と、前記第一誘電体層21の直上の金属層31とからなるユニットA1、及び、第一誘電体層22と、前記第一誘電体層22の直上の金属層32とからなるユニットA2)設けられていること以外は、図1に示した赤外線反射被膜10と同様の構成を有する。
図3に、本発明の赤外線反射ガラスの別の一例の断面模式図を示す。
図3の赤外線反射ガラス102は、ガラス板1と、ガラス板1上に設けられた赤外線反射被膜12とを備える。
赤外線反射被膜12は多層膜からなり、第一誘電体層と、前記第一誘電体層の直上の金属層とからなるユニットが3つ(第一誘電体層21と、前記第一誘電体層21の直上の金属層31とからなるユニットA1、第一誘電体層22と、前記第一誘電体層22の直上の金属層32とからなるユニットA2、及び、第一誘電体層23と、前記第一誘電体層23の直上の金属層33とからなるユニットA3)設けられていること以外は、図1に示した赤外線反射被膜10と同様の構成を有する。
[ガラス板]
本発明の赤外線反射ガラスのガラス板としては、特に限定されず、赤外線反射ガラスに用いられるガラス板として公知のガラス板を用いることができる。本発明の赤外線反射ガラスは種々の用途に用いることができるが、1つの適用例として自動車用窓ガラスが挙げられる。したがって、本発明の赤外線反射ガラスのガラス板としては、例えば、風冷強化ガラス、化学強化ガラス、合わせガラス等の自動車用窓ガラスに一般に用いられるガラス板も挙げられる。
ガラス板の厚さは特に限定されないが、例えば、本発明の赤外線反射ガラスを自動車用窓ガラスとして用いる場合には、ガラス板の厚さの範囲として、0.3mm~5.0mmが好ましく、1.0mm~4.0mmがより好ましく、1.5~3.5mmが更に好ましい。
[赤外線反射被膜]
本発明の赤外線反射ガラスは、ガラス板の一方の面上に赤外線反射被膜を有する。
赤外線反射被膜は、多数の層を積層してなる多層膜である。
多層膜において、ガラス板側を「下」とし、その反対側を「上」と定義する。
多層膜は、第一誘電体層と、第一誘電体層の直上の金属層とからなるユニットを少なくとも1つ有する。ここで、「直上」とは、他の層を介さずに直接上にあることを表す。すなわち、前記ユニットにおいて、第一誘電体層と金属層とは他の層を介さずに直接積層されており、かつ第一誘電体層の上に金属層が設けられている。
多層膜は、最上層に第二誘電体層を有し、第二誘電体層の直下に第三誘電体層を有する。ここで、「最上層」とは多層膜において最も上にある層(すなわち、ガラス板から最も遠い層)である。また、「直下」とは、他の層を介さずに直接下にあることを表す。すなわち、第二誘電体層と第三誘電体層とは他の層を介さずに直接積層されており、かつ第二誘電体層の下に第三誘電体層が設けられている。
(第一誘電体層)
第一誘電体層を構成する材料は特に限定されないが、第一誘電体層は、酸化物又は窒化物を含むことが好ましい。
第一誘電体層は、1つの層(単層)からなっていてもよいし、2つ以上の層が積層されていてもよい。
第一誘電体層は、酸化物からなる層のみ(酸化物からなる単層でもよいし、酸化物からなる層を2つ以上積層してなる層でもよい。)で構成されていてもよいし、窒化物からなる層のみ(窒化物からなる単層でもよいし、窒化物からなる層を2つ以上積層してなる層でもよい。)で構成されていてもよいし、酸化物からなる層及び窒化物からなる層がそれぞれ一層以上積層して構成されていてもよい。また、第一誘電体層が数種類の層で構成される場合、その積層順は特に限定されない。
好ましい第一誘電体層の構成は、酸化物からなる層のみが一層存在する構成、又は酸化物からなる層と窒化物からなる層がそれぞれ一層ずつ存在し、かつ窒化物からなる層の直上に酸化物からなる層が存在する構成である。
第一誘電体層が酸化物を含む場合、当該酸化物の組成は特に限定されないが、アルミニウム、チタン、亜鉛、及びスズの少なくとも1種を元素として含むことが好ましい。当該酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛アルミニウム、酸化亜鉛スズ、酸化チタンと酸化亜鉛アルミニウムの積層体、又は酸化亜鉛アルミニウムと酸化亜鉛スズの積層体であることが好ましく、酸化チタンの直上に酸化亜鉛アルミニウムを備える積層体、又は酸化亜鉛スズの直上に酸化亜鉛アルミニウムを備える積層体であることがより好ましい。
第一誘電体層が窒化物を含む場合、当該窒化物の組成は特に限定されないが、シリコン及びアルミニウムの少なくとも1種を元素として含むことが好ましい。当該窒化物は窒化ケイ素アルミニウムであることが好ましい。
第一誘電体層の厚さ(第一誘電体層が複数の層を積層してなる場合は、全体の厚さ)は特に限定されないが、5nm~100nmであることが好ましく、30nm~80nmであることがより好ましい。
(金属層)
金属層を構成する金属は特に限定されないが、例えば、銀、銀合金(銅、パラジウム、白金等との合金)、ニオブ、ニッケル、クロム、ニッケルクロム合金、ケイ素アルミニウム、亜鉛、チタン、アルミニウム、亜鉛アルミニウム等が挙げられる。金属層を構成する金属としては、特に銀又はチタンが好ましい。
金属層は、1つの層(単層)のみで構成されていてもよいし、複数の金属層が積層した構成であってもよい。金属層が複数の層からなる場合、積層の順番は特に限定されない。金属層が複数の層からなる場合としては、例えば、銀層の上にチタン層が積層した金属層であることが好ましい。
金属層の厚さ(金属層が複数の層を積層してなる場合は、全体の厚さ)は特に限定されないが、10nm~20nmであることが好ましく、15nm~20nmであることがより好ましい。
特に金属層に銀層が含まれている場合、銀層は5nm~20nmであることが好ましく、10nm~16nmであることがより好ましい。
本発明における多層膜は、第一誘電体層と金属層とからなるユニットを少なくとも1つ含むものであり、当該ユニットの数に特に限定はないが、当該ユニットの数は1つ以上5つ以下であることが好ましく、2つ以上4つ以下であることがより好ましい。
(第二誘電体層)
第二誘電体層は、酸化チタン、酸化亜鉛スズ、酸化亜鉛アルミニウム、及び酸化ケイ素アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成される。
第三誘電体層との密着性の観点から、第二誘電体層は、酸化チタン、酸化亜鉛スズ及び酸化亜鉛アルミニウムからなる群のうちいずれかひとつから形成されることが好ましく、酸化亜鉛アルミニウムから形成されることがより好ましい。
第二誘電体層は、1つの層(単層)からなっていてもよいし、2つ以上の層が積層されていてもよい。
第二誘電体層の厚さ(第二誘電体層が複数の層を積層してなる場合は、全体の厚さ)は特に限定されないが、耐傷性及び赤外線反射ガラスの外観の観点から、10nm以上であることが好ましく、10nm~20nmであることがより好ましい。
本発明において、第二誘電体層は多層膜の最上層であるが、最上層に加えて、その他の層として前記第二誘電体層は、酸化チタン、酸化亜鉛スズ、酸化亜鉛アルミニウム、及び酸化ケイ素アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成される層を1層以上有していても良い。
(第三誘電体層)
第三誘電体層は、窒化ケイ素アルミニウム、酸窒化ケイ素アルミニウム、及び酸化ケイ素アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成される。
膜硬度の観点から、第三誘電体層は、窒化ケイ素アルミニウムから形成されることが好ましい。
第三誘電体層は、1つの層(単層)からなっていてもよいし、2つ以上の層が積層されていてもよい。
第三誘電体層の厚さ(第三誘電体層が複数の層を積層してなる場合は、全体の厚さ)は、膜硬度及び赤外線反射ガラスの外観の観点から、10nmを超えるものであり、20nm~50nmであることが好ましい。
本発明において、第三誘電体層は多層膜の最上層である第二誘電体層の直下に設けられるが、最上層の直下の層に加えて、その他の層として、第三誘電体層と同様の組成の層である、窒化ケイ素アルミニウム、酸窒化ケイ素アルミニウム、及び酸化ケイ素アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成される層を1層以上有していても良い。なお、本発明における多層膜中、上記第三誘電体層と同様の組成の層は、最上層を除き、いずれの位置に配置されてもよい。
(その他の層)
本発明における多層膜は上記した各層に加えて、その他の層を1層以上有していても良い。その他の層としては、例えばカーボンからなる層が挙げられる。
本発明における赤外線反射被膜(多層膜)の全体の膜厚としては、特に限定されないが、250nm~350nmが好ましく、270nm~310nmがより好ましい。
本発明の赤外線反射ガラスの製造方法は特に限定されない。赤外線反射被膜は、例えば、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(PVD)や、プラズマCVD等の化学気相成長法(CVD)で形成可能である。特に、大面積の基材に対して均一に成膜可能であり、量産に適していること、膜組成を制御しやすく、再現性が高い膜を作製できること、基材に対し高い密着性を有する膜を作製できること、などの理由から、スパッタリング法が好ましい。
本発明の赤外線反射ガラスは、特許文献2に記載された技術において行われているような自然酸化工程が不要であり、比較的容易な製造工程で製造することができる。すなわち、本発明の赤外線反射ガラスは、自然酸化工程という時間を要し、かつ再現性の悪いプロセスを行わなくても製造することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。また、以下の実施例及び比較例において、ケイ素アルミニウムをSiAl、酸化アルミニウムをAl、酸化ケイ素アルミニウムをSiAlO、窒化ケイ素アルミニウムをSiAlN、酸窒化ケイ素アルミニウムをSiAlON、亜鉛アルミニウムをZnAl、亜鉛スズをZnSn、銀をAg、チタンをTi、酸化チタンをTiO、酸化亜鉛アルミニウムをZnAlO、及び酸化亜鉛スズをZnSnOと表記する。
(実施例1)
透明基材であるガラス板上に、ガラス板側から順に、SiAlN層(10nm)、TiO層(8nm)、ZnAlO層(16nm)、Ag層(13nm)、Ti層(3nm)、ZnSnO層(63nm)、ZnAlO層(16nm)、Ag層(15nm)、Ti層(3nm)、ZnSnO層(60nm)、ZnAlO層(16nm)、Ag層(12nm)、Ti層(3nm)、第三誘電体層としてSiAlN層(24nm)、第二誘電体層としてZnSnO層(13nm)を成膜した(括弧内には各層の膜厚を記載した)。ここで、実施例1の赤外線反射被膜を構成する全ての層は、成膜装置の真空槽内にSiAlターゲット、TiOターゲット、ZnAlターゲット、ZnSnターゲット、Agターゲット、Tiターゲットをスパッタターゲットとしてカソード上に設置し、真空層を5.0×10-4Pa以下となるまで排気し、ついで、スパッタガスとして、アルゴン、酸素、窒素などの放電ガスを真空槽内の圧力が任意の圧力になるように可変バルブの開度を調整しながら導入し、続いて、DCパルス電源を用いて設置したターゲットに電圧を印加してスパッタリングを行い、ターゲットの下を通るようにガラス板を搬送することにより成膜した。
このようにして得られた赤外線反射ガラスについて、テーバー試験を実施した。テーバー試験は以下の手順に従って実施し、試験後の赤外線反射被膜の表面を顕微鏡で観察し、赤外線反射被膜の耐傷性を、良好(〇)又は不良(×)の2段階で評価した。
《テーバー試験手順》
テーバー試験は、ローラー搬送を模した摩耗試験をテーバー摩耗試験機(株式会社東洋精機製作所製、TS-2)にて実施した。試験機にはAlスリーブ(株式会社ニチビ製、SV-60-G2/2-5)を巻いた2個の摩耗輪(ダイトロン株式会社製、CS-10F)を設置し、試験機台上には10cm角の赤外線反射被膜付きガラスを固定した。試験は回転速度72rpmにて50回転実施した。
《テーバー評価方法》
テーバー試験実施後のサンプルの外観評価は光学顕微鏡(オリンパス株式会社製、MX61L)の明視野観察(100倍)にて実施した。
(実施例2~7、比較例1~12)
第二誘電体層と第三誘電体層における、材質や層厚の組み合わせを、表1~表2に示したものとし、それ以外は実施例1と同様の膜構成及び製造工程として赤外線反射ガラスを作製し、実施例1と同様の評価方法を実施した。
Figure 2023052718000002
Figure 2023052718000003
実施例、比較例のテーバー試験後の外観評価の結果を下記表3に示す。
Figure 2023052718000004
実施例では、外観評価は全て良好であり、良好な耐傷性を有していることを示している。一方比較例では、外観評価は全て不良であった。実施例1のテーバー試験後の外観の顕微鏡写真を図4に示す。また、比較例1のテーバー試験後の外観の顕微鏡写真を図5に示す。
1 ガラス板
2、21、22、23 第一誘電体層
3、31、32、33 金属層
4 第三誘電体層
5 第二誘電体層
10、11、12 赤外線反射被膜
100、101、102 赤外線反射ガラス
A、A1、A2、A3 ユニット

Claims (6)

  1. ガラス板と、前記ガラス板上に設けられた赤外線反射被膜と、を備える赤外線反射ガラスであって、
    前記赤外線反射被膜は多層膜からなり、
    前記多層膜において、前記ガラス板側を下とし、その反対側を上と定義した場合、
    前記多層膜は、第一誘電体層と、前記第一誘電体層の直上の金属層とからなるユニットを少なくとも1つ有し、
    前記多層膜は、最上層に第二誘電体層を有し、前記第二誘電体層の直下に第三誘電体層を有し、
    前記第二誘電体層は、酸化チタン、酸化亜鉛スズ、酸化亜鉛アルミニウム、及び酸化ケイ素アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成され、
    前記第三誘電体層は、窒化ケイ素アルミニウム、酸窒化ケイ素アルミニウム、及び酸化ケイ素アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成され、
    前記第三誘電体層の厚さは10nmを超えるものである、
    赤外線反射ガラス。
  2. 前記第二誘電体層は酸化チタン、酸化亜鉛スズ、及び酸化亜鉛アルミニウムからなる群のうちいずれか一つから形成される、請求項1に記載の赤外線反射ガラス。
  3. 前記第二誘電体層は酸化亜鉛アルミニウムから形成される、請求項1に記載の赤外線反射ガラス。
  4. 前記第三誘電体層は、窒化ケイ素アルミニウムから形成される、請求項1から3のいずれか1項に記載の赤外線反射ガラス。
  5. 前記第二誘電体層の厚さは、10nm以上である、請求項1から4のいずれか1項に記載の赤外線反射ガラス。
  6. 前記第三誘電体層の厚さは、20nm~50nmである、請求項1から5のいずれか1項に記載の赤外線反射ガラス。
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