JP2023050039A - アルミナ溶射軸受 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023050039000001
【課題】軸受の電食による損傷を抑制するとともに、軸受構成部材と溶射被膜の密着性に優れる軸受を提供する。
【解決手段】軸受は、軸受構成部材7の表面に溶射被膜6を有し、溶射被膜6は、主成分であるアルミナ粒子と、アルミナ粒子以外の金属酸化物粒子とを含む溶射粉からなり、溶射被膜6の外表面から軸受構成部材7の表面まで連通する連通孔8を有し、溶射被膜6の空孔率は、15%未満であり、連通孔8の平均孔径は、30μm未満であり、連通孔8の全部または一部は、エポキシ基含有成分を含む封孔材13で軸受構成部材7の表面まで封孔された孔である。
【選択図】図4

Description

本発明は、モータや発電機などに使用され、電食防止を目的とする軸受に関し、特に、軸受構成部材の表面にアルミナの溶射被膜を備えた軸受に関する。
近年、スイッチング速度の増加に伴い、インバータを用いたモータで軸受の電食が問題となっている。例えば、鉄道車両の主電動機に用いられる転がり軸受は、主電動機の電流を車輪からレールへ接地する接地用集電装置が不完全な場合に、主電動機の電流が転がり軸受の内外輪および転動体を通って、車輪とレール間に流れる。このとき、転動体と外輪軌道面または内輪軌道面との間で放電が生じ、放電部分に電食が生じることがある。また、その他の発電機用ジェネレータなど、軸受内部に電流が流れるような構造の装置に用いられる軸受においても、同様に電食が生じることがある。
このような電食を防止する手段として、従来、軸受の転動体に焼結体などの絶縁体を用いて軸受を電気的に絶縁するハイブリッド軸受や、軸受の軌道輪の外表面に絶縁膜を形成して軸受を電気的に絶縁した絶縁軸受が知られている。
このような絶縁膜の形成方法としては、絶縁性樹脂の射出成形や、アルミナ溶射などのセラミックス溶射が挙げられる。絶縁性能の向上に効果的なアルミナ溶射において、膜を緻密にすることは有効である。一般にアルミナ溶射は大気圧プラズマ溶射で行うことが多い。
従来の封孔処理方法として、特許文献1には、金属酸化物を含有したアルミナからなる溶射被膜を有する電食防止用転がり軸受が記載されており、金属酸化物の添加により溶射層の絶縁抵抗値が向上する旨が記載されている。また、溶射層を構成する材料全体に対する金属酸化物の比率を1.0重量%以下にすることで、絶縁抵抗値の向上、良好な外観、耐久性の向上、アルミナ(Al)の付着率向上などの効果がある旨が記載されている。さらに、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)、酸化クロム(Cr)などの金属酸化物は親水性が高く絶縁抵抗値にばらつきが生じ易いため、その含有量は1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下が好ましい旨が記載されている。
また、特許文献2には、絶縁層として、シリカを10~40重量%の割合で含む電融アルミナを溶射して形成した溶射被膜を有する電食防止用絶縁転がり軸受が記載されている。これにより、溶射粉全体での融点が下がることで、溶けやすくなり、その結果として溶射被膜が緻密になりやすく、絶縁破壊電圧などが向上する旨が記載されている。
特許文献3には、予めアルミナとシリカを含んだ電融アルミナとする必要はなく、主成分のアルミナ粉へシリカなどの金属酸化物を所定量配合した溶射粉を溶射して形成された溶射被膜を有する電食防止転がり軸受が記載されている。アルミナを主成分とする溶射被膜の組成100重量%中にシリカなどの金属酸化物を1.0~5.0重量%含有するのみで、高いレベルでの絶縁破壊電圧と、絶縁性能のばらつきの少なさを実現できる旨が記載されている。
特許第5025190号公報 特開2016-14413号公報 特開2020-56094号公報
一般に溶射被膜は、その被膜形成の過程で生じる空隙や間隙、ボイドなどの気孔を有しており、この気孔は種々の特性を被膜自体に付与している。気孔の中で、あるものは被膜表面から基材素地に通じる連通孔の形態を示し、被膜表面が接している環境と、被膜が被覆されている基材とを連通している。この連通孔を通じて、被膜表面に接触した気体や液体が基材素地まで浸透、拡散したりする現象がみられる。その結果、溶射被膜自身が腐食劣化したり、素地基材が炭素鋼などの場合は、被膜と基材の接触界面で、基材が選択的に腐食劣化して、溶射被膜の基材に対する接合性が損なわれ剥離したりする場合がある。
また、溶射被膜が絶縁性を有するアルミナを主成分とする溶射被膜の場合、連通孔を多く含むと、連通孔を通じて通電し、溶射被膜のみでは良好な絶縁性能を得にくい場合がある。そのため、樹脂材料などを溶射被膜へ塗布または含侵させて封孔処理をすることが一般的に行われている。
上述した各特許文献においても封孔処理を施しているものの、形成された溶射被膜と封孔材の相性が悪い場合(例えば、封孔材の溶射被膜に対する濡れ性が低かったり、封孔材と溶射被膜との間の界面での相互作用が弱い場合)、絶縁性能が十分に発現しなかったり、軸受構成部材と溶射被膜との密着力が得られず、溶射被膜が容易に剥がれてしまうおそれがある。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、軸受の電食による損傷を抑制するとともに、軸受構成部材と溶射被膜の密着性に優れる軸受を提供することを目的とする。
本発明の軸受は、軸受構成部材の表面に溶射被膜を有する軸受であって、上記溶射被膜は、主成分であるアルミナ粒子と、上記アルミナ粒子以外の金属酸化物粒子とを含む溶射粉からなる溶射被膜であり、上記溶射被膜の外表面から上記軸受構成部材の表面まで連通する連通孔を有し、上記溶射被膜の空孔率は、15%未満であり、上記連通孔の平均孔径は、30μm未満であり、上記連通孔の全部または一部は、エポキシ基含有成分を含む封孔材で上記軸受構成部材の表面まで封孔された孔であることを特徴とする。
上記封孔材が、硬化剤を含み、重合性ビニル基含有溶剤を含まず、上記エポキシ基含有成分は、1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物を必須成分とし、1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物から選ばれた少なくとも1つを含む混合物であり、上記封孔材の1g当りに含まれるエポキシ基が、2.0mmol~5.0mmolの範囲に設定されることを特徴とする。
上記金属酸化物粒子の平均粒子径は、5μm~40μmであることを特徴とする。
上記金属酸化物粒子は、シリカ粒子、イットリア(Y)粒子、およびジルコニア(ZrO)粒子のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。
上記金属酸化物粒子は、シリカ粒子であり、上記シリカ粒子の含有量は、上記溶射粉全体に対して1.0~5.0重量%であることを特徴とする。
上記溶射被膜の空孔率は、8%未満であることを特徴とする。
上記連通孔の平均孔径は、5μm未満であることを特徴とする。
上記溶射被膜の絶縁破壊電圧(JIS K6911準拠)が、6kV以上であることを特徴とする。
本発明の軸受は、軸受構成部材の表面に、アルミナ粒子と該アルミナ粒子以外の金属酸化物粒子とを含む溶射粉からなる溶射被膜を有し、該溶射被膜は、溶射被膜の外表面から軸受構成部材の表面まで連通する連通孔を有し、溶射被膜の空孔率は、15%未満であり、連通孔の平均孔径は、30μm未満であり、連通孔の全部または一部は、エポキシ基含有成分を含む封孔材で軸受構成部材の表面まで封孔された孔であるので、溶射被膜が緻密膜となるとともに、封孔材が軸受構成部材の表面に接触する程度まで封孔される。これにより、導電経路が減少し、従来の溶射被膜よりも絶縁性能に優れる結果、軸受の電食による損傷を抑制する。また、連通孔の全部または一部は、エポキシ基含有成分を含む封孔材で軸受構成部材の表面まで封孔されるので、軸受構成部材の表面粗さと溶射被膜との間のいわゆるアンカー効果による密着力のみでなく、封孔材の軸受構成部材への密着効果も加わることにより、高い密着力が発現し、溶射被膜と軸受構成部材との密着性に優れる。ここで、絶縁性能に優れるとは、比較対象に対して、絶縁破壊電圧の値が高く、かつ、絶縁破壊電圧の測定箇所による測定値のばらつきが少ないことを意味する
封孔材が、硬化剤を含み、重合性ビニル基含有溶剤を含まず、エポキシ基含有成分は、1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物を必須成分とし、1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物から選ばれた少なくとも1つを含む混合物であるので、脂肪族系エポキシと比較して相互作用の比較的強いビスフェノールA型やビスフェノールF型などの一般的な芳香族系エポキシ樹脂よりも低粘度となり、連通孔への浸透性により優れる。また、封孔材の1g当りに含まれるエポキシ基が、2.0mmol~5.0mmolの範囲に設定されるので、必要な密着力を発現するのに十分な架橋密度が得られるとともに、一般的なエポキシ樹脂よりも低表面張力となることで連通孔の内部表面に濡れやすく浸透性に優れると考えられる。その結果、上記封孔材は、軸受構成部材の表面まで一層封孔されやすく、軸受の電食による損傷をさらに抑制するとともに、軸受構成部材と溶射被膜の密着性もさらに優れる。
金属酸化物粒子の平均粒子径は、5μm~40μmであるので、粗大な粒子の場合と比較して溶射粉がより溶けやすくなり、溶射被膜がより緻密化する。
金属酸化物粒子は、シリカ粒子、イットリア粒子、およびジルコニア粒子のうち少なくとも1つを含むので、溶射粉の溶射時の溶融液体の流動性が向上し、溶射被膜中の孔を埋めやすい。これにより、溶射被膜がさらに緻密化し、絶縁性能に優れる。
金属酸化物粒子は、シリカ粒子であり、シリカ粒子の含有量は、溶射粉全体に対して1.0~5.0重量%であるので、溶射粉の溶射時にアルミナが固体化した後も低融点のシリカの溶融液体が流動して溶射被膜中の孔をより埋めやすい。これにより、溶射被膜が一層緻密化し、絶縁性能に優れる。
溶射被膜の空孔率は、8%未満であり、連通孔の平均孔径は、5μm未満であるので、溶射被膜がさらに緻密化し、絶縁性能に特に優れる。
溶射被膜の絶縁破壊電圧(JIS K6911準拠)が、6kV以上であるので、軸受の電食による損傷がさらに抑制される。
本発明の軸受の一例を示す縦断面図である。 金属酸化物を含有した溶射被膜の断面模式図である。 金属酸化物を含有しない溶射被膜の断面模式図である。 金属酸化物を含有した溶射被膜の封孔処理後の断面模式図である。 シリカを含有した溶射被膜の封孔処理後の拡大平面図である。 シリカを含有しない溶射被膜の封孔処理後の拡大平面図である。 シリカ粒子の添加量を変動させた溶射被膜の絶縁破壊電圧を示す図である。 種々の金属酸化物を含有した溶射被膜の絶縁破壊電圧を示す図である。 封孔材種による浸透性の違いを示す図である。 シリカ粒子の添加量、封孔材種が密着性に与える影響を示す図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて以下に説明する。図1は、本発明の軸受の一例である深溝玉軸受を示す断面図である。なお、図1において、溶射被膜は、例えば数mmの厚みの被膜であるが、説明の便宜上、実際よりも厚く図示している。
図1に示すように、転がり軸受1は、深溝玉軸受であり、軌道輪である内輪2および外輪3と、これら内外輪の軌道面間に介在する複数の転動体4とを備えてなる。転動体4は、内輪2と外輪3との間に配置される保持器5に保持される。内輪2の内周面2aと端面2b、外輪3の外周面3aと端面3bの両方に絶縁膜として溶射被膜6が形成されている。
これにより、軸受が備えられているハウジング(図示省略)と外輪3との間の絶縁が図られるとともに、内輪2を挿通している軸材(図示省略)と内輪2との間の絶縁も図られる。溶射被膜6は、軸受構成部材の表面に形成されていればよく、電食抑制の観点からは、内輪2の内周面2aと両端面2b、2b、および、外輪3の外周面3aと両端面3b、3bの両方に形成されていることが好ましい。
内輪2、外輪3、および転動体4には鉄系材料を用いることができる。鉄系材料としては、軸受材料として一般的に用いられる任意の材料を用いることができる。例えば、高炭素クロム軸受鋼(SUJ1、SUJ2、SUJ3、SUJ4、SUJ5など;JIS G 4805)、浸炭鋼(SCr420、SCM420など;JIS G 4053)、ステンレス鋼(SUS440Cなど;JIS G 4303)、高速度鋼(M50など)、冷間圧延鋼などを用いることができる。なお、各軸受部材に用いる鋼材は、互いに異なる材料であってもよい。
本発明の軸受1は、上述の通り、軸受構成部材の表面に溶射被膜6を有する。溶射被膜6は、アルミナ粒子と、アルミナ粒子以外の金属酸化物粒子とを含む溶射粉を溶射して形成される溶射被膜(以下、「金属酸化物を含有した溶射被膜」ともいう)である。
本発明の軸受が有する溶射被膜を、図2に基づいて説明する。図2は、金属酸化物を含有した溶射被膜の断面模式図である。図2に示すように、溶射被膜6は、溶射被膜6の外表面から軸受構成部材7の表面まで連通する連通孔8を有する。連通孔8は、溶射被膜6の外表面が接している環境と、溶射被膜6が被覆されている軸受構成部材7とを連通している。また、溶射被膜6は、溶射被膜6の外表面と連通せず、溶射被膜6に全周を取り囲まれて当該被膜内部に孤立して配置される独立孔9を有する。
溶射被膜の膜厚は特に限定されるものではなく、例えば50μm~1000μmとできる。溶射被膜は一回のみの溶射で形成される単層構造でもよいし、複数回の溶射で形成される積層構造でもよい。積層構造の溶射被膜を後述する溶射と封孔処理を繰り返す方法で形成する場合、特に厚膜とする際に有効な効果を発揮するため、溶射被膜の膜厚は、好ましくは200μm~1000μm、より好ましくは300μm~1000μm、さらに好ましくは500μm~1000μmである。
溶射被膜中に金属酸化物を含有しない場合について、図3に基づいて説明する。図3は、金属酸化物を含有しない溶射被膜の断面模式図である。図3に示すように、金属酸化物を含有しない溶射被膜10も、金属酸化物を含有した溶射被膜の場合と同様に連通孔11と独立孔12を有する。
図2と図3の拡大倍率は同じである。これらの図の比較からわかるように、金属酸化物を含有した溶射被膜6(図2参照)の内部の孔(連通孔8および独立孔9)は、金属酸化物を含有しない溶射被膜10(図3参照)の内部の孔(連通孔11および独立孔12)よりも微細であり、金属酸化物を含有しない溶射被膜10に見られる独立孔12のような大きさの独立孔は含んでいない。これより、溶射被膜6の方が溶射被膜10よりも緻密な膜であることがわかる。
封孔処理により連通孔を封孔された溶射被膜を、図4に基づいて説明する。図4は、金属酸化物を含有した溶射被膜の封孔処理後の断面模式図である。図4に示すように、溶射被膜6の連通孔8は、全部が封孔材13で充填されており、軸受構成部材7の表面まで封孔されている。封孔材13はエポキシ基含有成分を含んでおり、流動性を有する。なお、溶射被膜6は複数の連通孔を有している(図示省略)。この場合、複数の連通孔のうち、全部の連通孔が封孔材13で軸受構成部材の表面まで封孔されていてもよい。また、複数の連通孔のうち、一部の連通孔が、封孔材13で軸受構成部材の表面まで封孔され、残りの連通孔が封孔材13で軸受構成部材の表面まで封孔されていなくてもよい。例えば、残りの連通孔は、溶射被膜6の表面近傍のみに封孔される。
溶射被膜の空孔率は、0.5%以上、15%未満である。溶射被膜の空孔率は、絶縁性能と封孔材の浸透性の観点から、0.5%以上、10%未満であることが好ましく、0.5%以上、8%未満であることがより好ましく、1%以上、8%未満であることがさらに好ましい。空孔率を求める手法は、例えば、純水を媒体としたアルキメデス法や、測定倍率200倍の観察視野において、限度見本との相対比較による算出方法を用いてもよい。後述する実施例では、撮影画像(倍率200倍)について画像解析ソフトWinRoof2013を用いて2値化の画像処理を行い、濃く見える部分(空孔)の面積率(空孔の総面積÷観察視野面積×100)を空孔率として求めた。
連通孔の平均孔径は、0.5μm以上、30μm未満である。連通孔の平均孔径は、絶縁性能と封孔材の浸透性の観点から、0.5μm以上、10μm未満であることが好ましく、0.5μm以上、5μm未満であることがより好ましく、1μm以上、5μm未満であることがさらに好ましい。連通孔の平均孔径を求める手法は、例えば、溶射被膜の研磨した表面や、研磨した断面をSEM(走査電子顕微鏡)や、光学顕微鏡などで撮影して得られた画像から求めてもよい。
連通孔の平均孔径を画像から求める場合について詳細に説明する。まず、封孔処理後の溶射被膜に対し、表面に開口している微細な欠陥を染色する染色浸透探傷検査(カラーチェック)を行う。その後、初期膜厚に対し基材側20%の範囲をスライスし、スライスにより現れた層を撮影する。この際、溶射被膜中の空孔のうち、封孔材で充填されていない部分は染色されて濃く見え、封孔材で充填されている部分は染色されないため淡く見える。そのため、独立孔、および封孔材が充填されていない連通孔は濃く見えるのに対し、封孔材が充填された連通孔は淡く見える。撮影画像について画像解析ソフトWinRoof2013を用いて2値化の画像処理を行い、淡く見える部分(封孔材が充填されている連通孔)の最大径を連通孔の孔径として採用する。連通孔の平均孔径は、撮影画像の所定の範囲内で計測した全連通孔それぞれについての孔径の平均値である。
本発明の軸受は上述の構成であるので、ガラス化しやすい金属酸化物自身が溶射被膜の形成時にガラス化し、アルミナで形成された空孔を埋めると考えられる。その結果、溶射被膜の空孔率および連通孔の平均孔径が小さい緻密膜が得られる。これにより、導電経路が減少し、従来の溶射被膜よりも絶縁性能に優れる結果、軸受の電食による損傷を抑制する。
また、連通孔の全部または一部は、エポキシ基含有成分を含む封孔材で軸受構成部材の表面まで封孔されるので、アンカー効果による密着力のみだけでなく、封孔材の軸受構成部材への密着効果も加わることにより、高い密着力が発現し、溶射被膜と軸受構成部材との密着性に優れる。
(準備、前処理)
溶射被膜の形成方法を説明する。まず、溶射被膜の対象となる、鋼などの金属からなる軸受構成部材を準備する。次に、該部材の洗浄、表面粗さの調整、マスキング治具の取り付けなどの前処理工程が実施される。
(溶射工程)
この部材の表面に溶射粉を溶射して溶射被膜を形成する。溶射の方法としては、例えば、フレーム溶射、アーク溶射、プラズマ溶射、レーザ溶射などの公知の溶射方法を用いることができ、溶射条件についても自由に設定できる。溶射粉の原料や基材などによって、溶射条件は適宜変更できる。溶射被膜を形成した後、封孔材を用いて封孔処理を施す。
(溶射被膜積層の場合)
溶射被膜の形成と封孔処理は、それぞれ一回ずつ行ってもよいし、繰り返し行うことで溶射被膜層を積層してもよい。所定膜厚となるまで溶射被膜層を積層形成する場合、封孔処理は、溶射処理のインターバル間に実施される。この工程において、表層に相当する溶射被膜層を形成する際には封孔処理を省略してもよい。少なくとも最表層は、溶射処理のみで形成し、封孔処理を行なわなくてもよい。なお、溶射被膜の形成工程の開始前に、溶射被膜と基材金属との密着性を高めるために、ニッケルなどの金属粉末を最下層(基材表面)に溶射してもよい。
(封孔処理工程)
封孔処理は、溶射後の溶射被膜に対して速やかに施すことが好ましい。溶射被膜は、粒子径分布のある多数の粒子が粒子間表層のみで融着して形成された被膜である。必然的に粒子境界に間隙が生成するため、被膜形成の直後から粒子境界の間隙をぬって水分や異物が侵入するなど、環境条件の影響を受けることが多い。このため、封孔効率の低下を防ぐには、溶射の熱が冷めて常温近くになったら出来るだけ早く封孔処理を施すことが好ましい。また、溶射処理と封孔処理を繰り返し行なう場合、一層下の溶射被膜層の封孔処理表面に対して溶射処理を行なう際に、溶射熱による封孔材の硬化促進が図れる。これにより、各溶射被膜層の封孔処理毎の焼成(加熱硬化)は省略可能である。
溶射被膜が上記所定膜厚となるように溶射被膜を形成した後、封孔材を十分に硬化させるために、必要に応じて焼成(加熱硬化)を実施する。溶射被膜を積層して形成する場合、焼成温度および時間は、封孔材種などに応じて適宜設定できるが、上述の溶射熱による硬化促進があり、また、封孔材が塗布された各層の層厚が薄いため、同一膜厚で積層化していない溶射被膜(所定膜厚を溶射した後に全体を封孔処理したもの)と比較して、焼成時間の短縮または省略が図れる。
最後に仕上げ工程として、必要に応じて、所望の寸法精度を保つために、研削砥石、研磨紙、不織布バフなどを用いて溶射被膜の表層の一部または全部を研削・研磨する。
封孔材は、硬化剤を含み、重合性ビニル基含有溶剤を含まなくてもよい。また、エポキシ基含有成分は、1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物を必須成分とし、1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物から選ばれた少なくとも1つを含む混合物であってもよい。
封孔材は、密着力の観点から、膜強度を低下させうる重合性ビニル基含有溶剤を含まないことが好ましい。これにより、当該溶剤の揮発による空隙の発生が効果的に抑制され、溶射被膜中の空隙(孔)が実質的に全て充填されている状態まで封孔処理を施すことができると考えられる。また、エポキシ基含有成分は、封孔材の連通孔への浸透性向上の観点から、1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物を必須成分とし、1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物から選ばれた少なくとも1つを含む混合物であることが好ましい。そうすることにより、ビスフェノールA型やビスフェノールF型などの一般的な芳香族系エポキシ樹脂よりも低粘度となり、連通孔への浸透性により優れる。ポリグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物は、浸透性(低粘度化)の観点から、その分子内にオキシラン環が解裂して形成される繰り返し単位を含まない化合物や、2級水酸基を有さない化合物であることが好ましい。
また、密着性と連通孔への浸透性の観点から、封孔材の1g当りに含まれるエポキシ基を、2.0mmol~5.0mmolの範囲に設定することが好ましい。これにより、必要な密着力を発現するのに十分な架橋密度を得られるとともに、一般的なエポキシ樹脂よりも低表面張力となることで連通孔の内部表面に濡れやすく浸透性に優れると考えられる。その結果、上記封孔材は、軸受構成部材の表面までより封孔されやすく、軸受の電食による損傷をさらに抑制するとともに、軸受構成部材と溶射被膜の密着性もさらに優れる。
1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物としては、トリグリシジルエーテル化合物、テトラグリシジルエーテル化合物などが挙げられる。
ポリグリシジルエーテル化合物の例としては、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
これらの中で、封孔材の粘度を下げる観点から、トリグリシジルエーテル化合物が好ましく、特にトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが好ましい。
1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物としては、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個の環状脂肪族ジエポキシ化合物は、脂環式化合物の環を形成する炭素原子において、隣接する2つの炭素原子がオキシラン環を形成している、いわゆる脂環式エポキシ化合物であって、オキシラン環を2つ含む脂環式ジエポキシ化合物、例えば、1,2,8,9-ジエポキシリモネンが挙げられる。封孔材の粘度を低下させつつ処理物の物性の低下を効果的に防止する好ましい化合物である。
また、水素添加ビスフェノールA、テトラヒドロフタル酸のジグリシジルエーテルなどの脂環式化合物のジグリシジルエーテルも使用することができる。
封孔材は、取り扱い性の向上や、溶射被膜への更なる浸透性向上の目的で、1分子中に含まれるエポキシ基の数が1個のモノグリシジルエーテル化合物を配合することができる。1分子中に含まれるエポキシ基の数が1個のモノグリシジルエーテル化合物としては、ブチルグリシジルエーテルなどのアルキルモノグリシジルエーテル、アルキルフェノールモノグリシジルエーテルなど、公知のモノグリシジルエーテル化合物を挙げることができる。
トリグリシジルエーテル化合物は、溶射被膜と金属基材との間の接着力を飛躍的に高める封孔材成分として使用できる。同時に該化合物自体の粘度が低いために、後述するジグリシジルエーテル化合物などと混合することによって、キシレン、メチルエチルケトンなどの有機溶剤や、重合性ビニル基含有溶剤などの添加を必要とせず、封孔材に対し、充分な浸透性を付与できる。
また、樹脂中に含む塩素イオン量を0.5重量%以下とすることで、湿潤雰囲気下における絶縁抵抗などの電気特性の低下や、基材の腐食性などが抑えられる。トリグリシジルエーテル化合物の25℃における粘度は500mPa・s以下であることが好ましい。500mPa・sを超えると浸透性に劣る。
(硬化剤)
上記エポキシ基含有成分に対して硬化剤が配合される。硬化剤としては、酸無水物類および脂肪族アミン化合物、脂環式アミン化合物、芳香族アミン化合物などのアミン化合物類、イミダゾール類などの公知のエポキシ樹脂用硬化剤を単体あるいは組合せて使用することができる。
本発明において、硬化剤としては酸無水物類が好ましい。硬化剤種に酸無水物系硬化剤、硬化触媒にアミン系化合物を選択した場合、エステル結合を形成する。この結合は構造内に極性の強い部位を持ち、封孔材と、それが処理された溶射被膜、あるいは軸受鋼、鋳鉄などとの間で非常に強固な接着作用を示す。
セラミック材料は一般的に脆い材料であり、溶射処理によって多孔質状に成膜した場合、基材との間でのアンカー効果で密着しているのに他ならないため、使用時の熱ストレスや振動によって容易に剥離が生じる懸念がある。剥離が生じないにしてもミクロクラックが生じる危険もある。そこで、接着性の高い封孔材を溶射被膜に浸透させることで、溶射被膜および基材との密着性の向上を図るのみならず、溶射被膜が積層構造の場合、溶射被膜間の密着性向上を図ることもできる。
酸無水物類としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物およびその誘導体等を挙げることができる。
アミン化合物類としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの鎖状脂肪族ポリアミン、N-アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミンなどの環状脂肪族ポリアミン、キシリレンジアミンなどの脂肪芳香族アミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルアミンなどの芳香族アミンおよびその誘導体等を挙げることができる。
これらの中で25℃における粘度が50mPa・s以下の酸無水物硬化剤や、25℃における粘度が10mPa・s以下の脂肪族アミン系硬化剤は、添加によって封孔材系全体の粘度を顕著に低下できるため、好適な硬化剤となる。特に封孔材のポットライフを長くすることができる酸無水物硬化剤が好ましい。
上記エポキシ基含有成分と酸無水物硬化剤との配合割合は、当量比で[(エポキシ基含有成分/酸無水物硬化剤)=(80/100)~(95/100)]の範囲が好ましい。
高い密着力を発揮するためには、溶射膜の空孔(連通孔)を多くして、封孔材を溶射膜と軸受構成部材(基材)の付近まで到達させることでも達成できる。しかし、一般に連通孔を多くすることを意図して溶射被膜を形成すると、独立孔の孔径、数ともに多くなってしまい、高い絶縁性能を発揮しにくい。また、連通孔を多くしようとすると、連通孔の孔径も大きくなりやすい。封孔材の空孔への浸透は、主に毛細管現象に起因するため、連通孔が大きくなりすぎると、毛細管現象が起こりにくくなり、基材付近まで浸透しにくくなることも考えられる。そのため、連通孔が多すぎることや、孔径が大きすぎることは好ましくない。
溶射被膜が緻密な場合、通常の封孔材では被膜中に浸透しにくく、溶射膜/基材の界面付近まで到達しにくい。しかし、上記封孔材は、含まれるエポキシ基の開環重合により生成するエーテル結合や水酸基の量が最適化されており、密着性に優れる封孔材を溶射被膜に浸透させることができる。そのため、上記の溶射方法を用い緻密な溶射被膜を形成させても、封孔材が基材界面付近まで浸透することで、高い密着力を発揮できる。その結果、高い絶縁性能を保ちつつ、基材との密着力の高い溶射被膜を作製することができる。
金属酸化物粒子の平均粒子径は、例えば、5μm~40μmの範囲で設定できる。当該平均粒子径は、溶射被膜の緻密化の観点から、5μm~30μmが好ましく、5μm~20μmがより好ましく、5μm~15μmがさらに好ましい。金属酸化物粒子の平均粒子径が5μm~40μmである場合、粗大な粒子の場合と比較して溶射粉がより溶けやすくなるとともに、ガラス質の金属酸化物が空隙に隙間なく充填しやすいため、溶射被膜がより緻密化する。なお、金属酸化物粒子の平均粒子径は、粒子径分布を累積分布としたとき、累積値が50%となる点の粒子径(D50)であり、例えば、レーザー光散乱法を利用した粒子径分布測定装置などを用いて測定することができる。
金属酸化物粒子は、例えば、シリカ粒子、イットリア粒子、チタニア粒子、およびジルコニア粒子のうち少なくとも1つを含むことができる。金属酸化物粒子は、溶射被膜の緻密化の観点から、シリカ粒子、イットリア粒子、およびジルコニア粒子のうち少なくとも1つを含むことが好ましい。アルミナよりも比較的ガラス化しやすい上記粒子を含むことで、溶射粉の溶射時の溶融液体の流動性が向上し、溶射被膜中の孔を埋めやすい。その結果、溶射被膜はさらに緻密化し、絶縁性能に優れる。
金属酸化物粒子は、溶射被膜の緻密化の観点から、比較的低融点であるシリカ粒子であることが好ましい。シリカ粒子の含有量は、溶射粉全体に対して1.0~5.0重量%であることがさらに好ましい。溶射粉の溶射時にアルミナが固体化した後も低融点のシリカの溶融液体が流動して溶射被膜中の孔をより埋めやすいので、溶射被膜は一層緻密化し、絶縁性能に優れる。
溶射被膜の絶縁破壊電圧(JIS K6911準拠)は、6kV以上であることが好ましい。これにより、モータ、発電機などから軸受への放電が起こりにくくなり、軸受の電食による損傷がさらに抑制される。
また、本発明の軸受構成部材は、上記深溝玉軸受を構成する部材に限定されず、アンギュラ玉軸受、スラスト玉軸受、円筒ころ軸受、針状ころ軸受、スラスト円筒ころ軸受、スラスト針状ころ軸受、円すいころ軸受、スラスト円すいころ軸受、自動調心玉軸受、自動調心ころ軸受、スラスト自動調心ころ軸受などの任意の形式の転がり軸受を構成する部材や、滑り軸受を構成する部材にも適用できる。
本発明の軸受が備える溶射被膜の特性を評価するために、以下の材料を用いて試験片を作成し、各種試験を行った。
(1)溶射粉
溶射粉原料として、以下の原料を準備した。
アルミナ粒子:粉末状の高純度アルミナ(平均粒子径8μm~38μm)
グレーアルミナ粒子:粉末状のグレーアルミナ
シリカ粒子:粉末状のSiO(平均粒子径10μm)
アルミナ粒子、およびグレーアルミナ粒子を容器に所定量入れ、当該容器を10分間振動混合した混合粉に対し、シリカ粒子を任意の割合で配合して複数種の溶射粉を得た。溶射粉は、アルミナ粒子/グレーアルミナ粒子の混合粉に対して、シリカ粒子が最終的な溶射粉において0~9重量%の範囲となるように配合した。なお、グレーアルミナは溶射被膜の色付けの効果として添加した。
(2)封孔材
封孔材として、浸透性に優れる封孔材(封孔材A)と、一般的エポキシ系封孔材(封孔材B)を用いた。封孔材に用いた原料を以下に示す。
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル:粘度;500mPa・s(25℃)
アルキレンジグリシジルエーテル:粘度;15mPa・s(25℃)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂:粘度;2000mPa・s(25℃)
酸無水物系硬化剤:粘度;40mPa・s(25℃)
イミダゾール系硬化促進剤
封孔材Aおよび封孔材Bの組成を以下に示す。
(封孔材A)
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル/アルキレンジグリシジルエーテル/イミダゾール系硬化促進剤/酸無水物系硬化剤
(封孔材B)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂/イミダゾール系硬化促進剤/酸無水物系硬化剤
(3)溶射被膜の形成
次に、φ20mm×25mmの軸受鋼からなる試験片(以下「試験片基材」と記す)を準備し、その円筒端面に膜厚約500μmのアルミナ溶射被膜を大気プラズマ溶射法により形成した。溶射粉は、熱源であるプラズマにより数千~数万度に加熱され溶融する。
(4)封孔処理
溶射被膜の形成を行った後、溶射面の表面に室温雰囲気下において、ポリアミド製ブラシを用いて封孔材を塗布し30分静置した。その後ポリエチレン製のヘラで表面付着分の過剰な封孔材を掻き取った状態をもって、封孔材の塗布済み試験片とした。その後、これら塗布済み試験片を80℃×1時間予備焼成し、その後120℃×2時間焼成を行ない、封孔材を硬化させた。
(5)研削除去
次に、封孔処理された溶射被膜の平面と平行にダイヤモンド砥石を用いて研削除去を行なった。研削除去量は、下記に示す2水準を設定した。
水準1.表層部の硬化樹脂層を重点的に除去する目的でセラミック部を約10μm研削除去した。水準1で表面を研削除去して得られた硬化試験片は、耐電圧特性試験に供し、絶縁特性を測定した。
水準2.硬化試験片の表面から約400μmの膜厚までの樹脂浸透層を除去する目的で、約200μm研削除去した。
水準2で表面を研削除去して得られた硬化試験片は、SEM観察、浸透性試験、密着力試験に供し、連通孔の孔径、溶射被膜の空孔率、浸透性、密着力を測定した。なお、連通孔の孔径は、初期膜厚に対し基材側20%の範囲のSEM観察画像から求めた。
(SEM観察)
図5および図6に、封孔材Aで封孔処理された溶射被膜の研磨表面のSEM観察画像を示す。図5は、金属酸化物粒子としてシリカ粒子を溶射粉全体に対して21.5重量%含有した溶射被膜の封孔処理後の拡大平面図である。図6は、シリカを含有しない溶射被膜の封孔処理後の拡大平面図である。本観察結果より、シリカを含有した溶射粉から形成された溶射被膜は、シリカを含有していない場合と比べ、孔の孔径が小さく、緻密であることがわかった。
(絶縁破壊電圧_シリカ添加量)
絶縁破壊電圧の測定は、封孔材Aで封孔処理された溶射被膜について、JIS K6911に準拠して行った。測定はn=6で行い、6点での測定値の平均を絶縁破壊電圧の値とし、ばらつきは標準偏差として算出した。
図7に、アルミナ粒子に対するシリカ粒子の添加量を変動させた場合の絶縁破壊電圧の値と、ばらつきの評価結果を示す。絶縁破壊電圧は、シリカ粒子の添加量が約1.0~5.0重量%の範囲で、シリカ粒子無添加の場合と比べて高い値を示し、同程度の値で維持された。また、この範囲では、ばらつきも低減することが確認された。シリカ粒子の添加量が5.0重量%を超えると、絶縁破壊電圧の若干の低下傾向がみられた。さらに、その絶縁破壊電圧の低下だけでなく、値のばらつきも大きくなることがわかった。本結果より、添加量は1.0~5.0重量%が好ましい。
また、アルミナ粒子の粒子径の影響を検討するために、上述した平均粒子径8μm~38μmの高純度アルミナ粒子よりも粒子径の大きい、高純度アルミナ粒子98μm(#320相当)の粉でも同様の混合を行い、同条件で溶射し、絶縁破壊電圧を測定した。粒子径が大きい場合も、シリカ粒子添加による絶縁破壊電圧向上の効果は確認された。一方で、平均粒子径8μm~38μmの場合に比べると、絶縁破壊電圧は低い結果になった。
(絶縁破壊電圧_金属酸化物種)
図8に、溶射粉としてアルミナ粒子のみを用いた場合と、金属酸化物粒子として、シリカ粒子、ジルコニア粒子、イットリア粒子を添加した場合それぞれの絶縁破壊電圧を示す。図8に示すように、いずれの金属酸化物粒子を添加した場合でも絶縁破壊電圧が大きく向上した。
(浸透性)
封孔材の種類による浸透性を評価するため、封孔材Aまたは封孔材Bで封孔処理された溶射被膜について、浸透探傷検査を行った。浸透探傷検査として、カラーチェックを用いた。封孔処理が施された溶射被膜に染色処理を行った後、当該溶射被膜の外表面側から少しずつ研磨を行い、基材表面からの溶射被膜の膜厚が200~300μm、100~200μm、50~100μmとなるように膜厚計で測定しながら検査を行った(検査には、株式会社タセト「カラーチェック」を用いた)。連通孔の基材側にまで封孔材が浸透しておらず深部に空孔が残っている場合、染色液で染色されカラーが付く(着色が確認される)。これを利用して、溶射被膜の総膜厚のうちどの程度まで(膜厚何μmまで)封孔材が浸透しているかを確認した。着色の判定は、画像解析ソフトWinRoof2013を用いて2値化した処理画像に基づいて、標準試験サンプルとの比較により行った。
図9に、封孔材の浸透性評価結果を示す。封孔材Aは、研削除去前の溶射被膜の膜厚(約500μm)の約10~20%の厚さの領域にあたる溶射被膜の内部(膜厚50~100μm)までほとんどカラーが残っておらず(着色が確認されず)、溶射被膜と基材との境界領域まで封孔材が達していることが確認された。
(密着性)
シリカ粒子の添加量、封孔材の種類のそれぞれが密着性に与える影響を評価するため、シリカ粒子の添加量を0~5重量%の範囲で変動した溶射粉から形成された溶射被膜について、封孔材Aまたは封孔材Bで封孔処理した場合の密着力試験を行った。試験片(軸受幅面)に対し、高粘度エポキシ系接着剤を介して引張治具(接着部の形状:φ16mm)をエポキシ接着面で接着し、万能引張試験機にて試験片と引張治具を反対方向に引っ張って、単位面積あたりの溶射被膜の密着力(引張強度)を測定した。
図10に、密着力測定結果を示す。図10に示すように、引張強度については、封孔材Aで封孔処理した試験片はシリカ粒子の添加量が増えるにつれて増加したのに対して、封孔材Bで封孔処理した試験片はシリカ粒子の添加量が増えるにつれて低下する傾向を示した。金属酸化物粒子の添加量1.0~5.0重量%の範囲では、上述のとおり溶射被膜が緻密になるため、一般には封孔材が基材との境界まで浸透しにくくなると考えられる。この点、封孔材Aを使用することで、溶射被膜が緻密であっても浸透力が高く、基材界面までより多く封孔材が達した結果、アンカー効果とともにエポキシ樹脂の基材への密着効果がより発揮されたため、高い密着力が発現されたと考えられる。
表1には、溶射被膜の形成方法、緻密度合い(溶射被膜の空孔率、連通孔の孔径)、使用封孔材を変えた場合の密着力および絶縁性能の比較を示す。
Figure 2023050039000002
表1において、溶射被膜は、封孔処理前の溶射被膜を意味する。
サンプル1は、金属酸化物粒子を含む溶射粉を用いてプラズマ溶射法で形成された膜で、独立孔がほぼ0、かつ連通孔の空孔率が8%未満である。
サンプル2は、エアロゾル法で形成された膜で、空孔率がほぼ0である。
サンプル3は、プラズマ溶射法で形成された膜で、空孔率が30%である。
空孔率は、15%以上の場合は「多い」、8%未満の場合は「少ない」と判断した。
孔径は、30μm以上の場合は「大きい」、5μm以下の場合は「極小」と判断した。
密着力は、引張強度が6.0MPa以上の場合を「非常に良好」、5.0MPa以上、6.0MPa未満の場合を「良好」、5.0MPa未満の場合を「悪い」と判断した。
絶縁破壊電圧は、6.0kV以上の場合を「非常に良好」、5.0kV以上、6.0kV未満の場合を「良好」、5.0kV未満の場合を「悪い」と判断した。
なお、空孔率(独立孔および連通孔の頻度)は、断面観察画像から各孔の割合を面積で算出した。
実施例1および実施例2は、連通孔が少なく、連通孔の孔径も極小であり、封孔処理前の溶射被膜は同じであるが、浸透性に一層優れる封孔材Aを用いた実施例2は密着力、絶縁破壊電圧ともに非常に良好であり、封孔材Bを用いた実施例1よりも優れた結果を示した。一方、独立孔、連通孔ともにほぼ無しの比較例1は、絶縁破壊電圧は非常に良好であったものの、密着力が悪かった。また、独立孔、連通孔ともに多い比較例2は、密着力は良好であったものの、絶縁破壊電圧は悪かった。
本発明では、上述の溶射方法により被膜形成することで、微細な連通孔は残し、かつ、独立孔をほとんど無くすことができる。一方で、この溶射被膜は連通孔が微細であるため、封孔材が浸透しにくいが、上述の封孔材を使用することで、高い浸透力を達成できる。その結果、高い絶縁性能かつ高い密着力を有する溶射被膜が実現できる。
本発明の軸受は、絶縁性能に優れるとともに、軸受構成部材と溶射被膜の密着性に優れる。これにより、軸受の電食による損傷を抑制するので、モータ、発電機などの軸受として広く利用できる。
1 転がり軸受
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 保持器
6 溶射被膜
7 軸受構成部材
8 連通孔
9 独立孔
13 封孔材

Claims (9)

  1. 軸受構成部材の表面に溶射被膜を有する軸受であって、
    前記溶射被膜は、主成分であるアルミナ粒子と、前記アルミナ粒子以外の金属酸化物粒子とを含む溶射粉からなる溶射被膜であり、前記溶射被膜の外表面から前記軸受構成部材の表面まで連通する連通孔を有し、
    前記溶射被膜の空孔率は、15%未満であり、
    前記連通孔の平均孔径は、30μm未満であることを特徴とする軸受。
  2. 前記連通孔の全部または一部は、エポキシ基含有成分を含む封孔材で前記軸受構成部材の表面まで封孔された孔であることを特徴とする請求項1記載の軸受。
  3. 前記封孔材が、硬化剤を含み、重合性ビニル基含有溶剤を含まず、
    前記エポキシ基含有成分は、1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物を必須成分とし、1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物から選ばれた少なくとも1つを含む混合物であり、
    前記封孔材の1g当りに含まれるエポキシ基が、2.0mmol~5.0mmolの範囲に設定されることを特徴とする請求項2記載の軸受。
  4. 前記金属酸化物粒子の平均粒子径は、5μm~40μmであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の軸受。
  5. 前記金属酸化物粒子は、シリカ粒子、イットリア粒子、およびジルコニア粒子のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の軸受。
  6. 前記金属酸化物粒子は、シリカ粒子であり、
    前記シリカ粒子の含有量は、前記溶射粉全体に対して1.0~5.0重量%であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の軸受。
  7. 前記溶射被膜の空孔率は、8%未満であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項記載の軸受。
  8. 前記連通孔の平均孔径は、5μm未満であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項記載の軸受。
  9. 前記溶射被膜の絶縁破壊電圧(JIS K6911準拠)が、6kV以上であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項記載の軸受。
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