JP2016014413A - 電食防止用絶縁転がり軸受 - Google Patents

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【課題】セラミックス製の絶縁層を形成した電食防止用絶縁転がり軸受において、絶縁層中の空孔の発生量を大幅に減少させて絶縁特性を向上させる。【解決手段】電融アルミナを溶射して形成される溶射被膜からなり、SiO2を10〜40質量%の割合で含む絶縁層を、少なくとも一方の軌道輪の軌道面を設けた面以外の面に形成した電食防止用絶縁転がり軸受。【選択図】図1

Description

本発明は、軌道輪をセラミック製の絶縁層で被覆した電食防止用絶縁転がり軸受に関する。
電動モータや発電機等、各種電気機器等の回転軸を支承する転がり軸受では、軸受自体に帰路電流やモータ軸電流等の電流が流れてしまう。転がり軸受に電流が流れた場合、電流の通路となる部分に電食が発生して、転がり軸受の寿命を著しく短縮してしまう。このような電食の発生を防止するため、転がり軸受を構成する外輪や内輪の表面に絶縁層を形成して軸受に電流が流れないようにした電食防止用絶縁転がり軸受が使用されている。
絶縁層として、樹脂層も形成されているが、絶縁性能や耐久性等からセラミックスを溶射して形成することが行われており、溶射ノズルからセラミックス材料の溶滴を軌道面以外の面、即ち、外輪の外周面及び両端面、内輪の内周面及び両端面に噴射して所定厚さの絶縁層を形成している(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、セラミックス材料を溶射して形成した絶縁層には多数の空孔が発生しており、空孔の分布にもバラツキがある。このような空孔があると、絶縁性能が悪化し、大気中の水分が空孔に侵入すると更に劣化が進行してそのままでは使用できない。そこで、溶射後に空孔内に合成樹脂等の封孔剤を含浸、硬化させて封孔処理を行うことにより絶縁構造を維持することが行われている。
特許第4795888号公報 特許第4920066号公報 特許第4826427号公報
しかしながら、封孔処理を行っても、溶射して得た絶縁層の空孔の発生量が多いと、空孔の全てに封止剤を浸透させることはできず、絶縁抵抗値及び破壊電圧が大きく低下する。
そこで本発明は、セラミックス製の絶縁層を形成した電食防止用絶縁転がり軸受において、絶縁層中の空孔の発生量を大幅に減少させることを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、下記の電食防止用絶縁転がり軸受を提供する。
(1)互いに同心に配置された、それぞれが金属製である1対の軌道輪と、これら両軌道輪の互いに対向する面に形成された1対の軌道面同士の間に転動自在に設けられた、それぞれが金属製である複数個の転動体とを備え、少なくとも一方の軌道輪のその軌道面を設けた面以外の面を、セラミック製の絶縁層により被覆した電食防止用絶縁転がり軸受において、
前記絶縁層は、電融アルミナを溶射して形成される溶射被膜であり、かつ、SiOを10〜40質量%の割合で含むことを特徴とする電食防止用絶縁転がり軸受。
(2)前記絶縁層が、AlとSiとOとからなる非晶質相と結晶相とから構成されることを特徴とする上記(1)記載の電食防止用絶縁転がり軸受。
(3)前記絶縁層は、γ−Alを含有することを特徴とする上記(1)または(2)記載の電食防止用絶縁転がり軸受。
(4)前記絶縁層は、SiOを10〜40質量%の割合で含む電融アルミナを溶射して形成される溶射被膜であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の電食防止用絶縁転がり軸受。
本発明で用いる溶射材料のSiOを特定量含む電融アルミナは、空孔が少なく緻密であり、更には角の取れた球状に近い粉末であることから、溶射時の流動性に優れ、粒子が壊れることがなく、大気中の酸素を溶射被膜に巻き込むこともない。そのため、得られる絶縁層も空孔が著しく減少して絶縁性能に優れたものとなる。
本発明の電食防止用絶縁転がり軸受の一例を示す断面図である。 電融アルミナ中のSiO添加量と破壊電圧との関係を示すグラフである。 電融アルミナ中のSiO添加量と絶縁抵抗値との関係を示すグラフである。 電融アルミナ中のSiO添加量と空孔率との関係を示すグラフである。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
本発明において、電食防止用絶縁転がり軸受の構造には制限はなく、例えば図1に示す電食防止用絶縁転がり軸受を例示することができる。図示される電食防止用絶縁転がり軸受では、内輪1の外周面に形成した内輪軌道2と、外輪3の内周面に形成した外輪軌道4との間に複数の転動体5を設けるとともに、外輪3の外輪軌道面4を形成した面以外の面、即ちその外輪3の外周面7、軸方向の両端面8,8、並びに外周面7と両端面8,8とを連続する湾曲部9,9にかけて絶縁層6を形成している。このような電食防止用絶縁転がり軸受では、外輪3を金属製のハウジングに内嵌支持した状態では、絶縁層6が外輪3とハウジングとを絶縁する。その結果、外輪3とハウジングとの間に電流が流れなくなり、他の軸受構成部材に電食が発生しなくなる。
また、図示は省略するが、内輪1の内輪軌道面2を形成した面以外に絶縁層を形成してもよい。
絶縁層6は、電融アルミナを溶射して得られる溶射被膜である。また、絶縁層6は、SiOを10〜40質量%、好ましくは20〜30質量%の割合で含有し、残部は実質的にAlである。電融アルミナは、SiOを10〜40質量%、好ましくは20〜30質量%の割合で含有し、その組成を維持した状態で絶縁膜6が形成される。SiOを含有することにより、Alの融点が低下して、均一かつ緻密な照射材となる。また、この溶射材を製粒することにより、角が取れた球状に近い粉末となり、溶射時の流動性に優れるようになる。このようなSiOによる効果を確実に得るためには、SiO含有量を10質量%以上とする。
但し、SiO含有量が40質量%を超えて過剰になると、緻密性が悪く、角形状の粉末になり、流動性が低下する。そのため、得られる溶射被膜に空孔が多く発生するようになり、絶縁特性に劣るようになる。
尚、アルミナ純度は高いほど好ましく、不純物(NaやFe)が増すほど、得られる溶射被膜の空孔が多くなり、絶縁特性や母材との密着力が低下する。最も好ましくは、アルミナ純度が100%、即ち純アルミナである。
上記のSiO含有電融アルミナを溶射して溶射被膜からなる絶縁層6を得るが、溶射方法には制限はなく、例えばプラズマ溶射法を採用することができる。また、絶縁層6の厚さにも制限はなく、従来と同様に0.5〜0.7μm程度である。
溶射被膜の主構造は、Alが過剰なSiOを含むムライト結晶相と、それとほぼ同組成の非晶質相とから構成されており、γ−Al領域がわずかに存在している場合もある。即ち、AlとSiとOとからなる非晶質相と結晶相とが生成され、両相が混在することで被膜に内部応力が発生し、被膜強度が向上する。
また、溶射後に、従来と同様にして封孔処理を施してもよい。上記のようにSiO含有電融アルミナの溶射被膜は緻密で、従来に比べて空孔が極めて少なくなっているため、この封孔処理により確実に空孔を埋めることができ、優れた絶縁性能を確保することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
表1に示すようにSiO添加量を変えて電融材を作製し、得られた電融材を粉砕して10〜50μmに製粒して溶射材を得た。得られた溶射材粉末の形状、緻密度及び流動性を調べた。結果を表1に示すが、SiO添加量が10〜40質量%の溶射材粉末は、球状に近く、緻密度が高く、流動性も良好である。特に、SiO添加量が20〜30質量%の溶射材粉末では、緻密度及び流動性に優れる。
Figure 2016014413
また、得られた溶射材を用いて、呼び番号が6316である単列深溝型の玉軸受(外径:170mm、内径:80mm、幅:39mm)を構成する外輪の外周面及び両端面に絶縁層を形成した。尚、溶射被膜の膜厚は加工研磨により200μm一定とした。次いで、メタクリレ−ト系樹脂を含有する溶液を用いて封孔処理を行った。
このようにして作製した絶縁軸受について、十分な絶縁性能が得られることを確認するため、絶縁層の両側に印加した直流電圧を次第に高くする耐電圧試験を実施した。印加する電圧の最大値は5000Vとした。結果を図2に示すが、実施例のようにSiOを10〜40質量%添加した溶射材を用いることにより5000Vでも絶縁破壊を起こさなくなるのに対し、比較例の溶射材を用いると3000V以下で絶縁破壊した。
また、絶縁軸受の絶縁抵抗値を測定した。結果を図3に示すが、実施例のようにSiOを10〜40質量%添加した溶射材を用いることにより10000MΩを超える絶縁抵抗値が得られたのに対し、比較例の溶射材を用いると絶縁抵抗値が3000MΩ以下に低下している。
更に、絶縁軸受の絶縁層を断面研摩し、その研摩面をビデオマイクロスコ−プにより画像処理を行うことで、絶縁層の空孔率を測定した。結果を図4に示すが、絶縁性能に優れた実施例の溶射材を用いることにより、被膜の空孔率も小さくすることができる。これに対し、絶縁性能に劣る比較例の溶射材を用いると、空孔率が大菊なる。
上記の実施例及び比較例から、SiOを10〜40質量%、好ましくは20〜30質量%含有する電融アルミナを溶射材に用いることにより、空孔が少なく緻密で、絶縁性能に優れる絶縁層が得られることがわかる。
1 内輪
2 内輪軌道
3 外輪
4 外輪軌道
5 転動体
6 絶縁層
7 外周面
8 端面
9 湾曲部

Claims (4)

  1. 互いに同心に配置された、それぞれが金属製である1対の軌道輪と、これら両軌道輪の互いに対向する面に形成された1対の軌道面同士の間に転動自在に設けられた、それぞれが金属製である複数個の転動体とを備え、少なくとも一方の軌道輪のその軌道面を設けた面以外の面を、セラミック製の絶縁層により被覆した電食防止用絶縁転がり軸受において、
    前記絶縁層は、電融アルミナを溶射して形成される溶射被膜であり、かつ、SiOを10〜40質量%の割合で含むことを特徴とする電食防止用絶縁転がり軸受。
  2. 前記絶縁層が、AlとSiとOとからなる非晶質相と結晶相とから構成されることを特徴とする請求項1記載の電食防止用絶縁転がり軸受。
  3. 前記絶縁層は、γ−Alを含有することを特徴とする請求項1または2記載の電食防止用絶縁転がり軸受。
  4. 前記絶縁層は、SiOを10〜40質量%の割合で含む電融アルミナを溶射して形成される溶射被膜であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電食防止用絶縁転がり軸受。
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