JP2015175478A - 転がり軸受用転動体 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミナ−ジルコニア系セラミックス製の転動体を備える転がり軸受において、不純物の偏析を起点とする剥離を防ぎ、転動疲労寿命の向上を目的とする。
【解決手段】アルミナ成分が70〜95質量%であるアルミナージルコニア系セラミックスから作製される転動体において、アルミナ原料粉末の比表面積を6m/g以上とし、ジルコニア成分を形成するジルコニア原料粉末の比表面積をアルミナ原料粉末の比表面積の2倍以上とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミナ−ジルコニア系セラミックス製の転動体を備える転がり軸受に関する。
例えば、エアコンのファンモータでは、省エネ化のためにインバータ制御されていることが多い。しかし、インバータ回路から高周波の電流が発生してモータ内の軸受の内外輪や転動体にも流れ込むことがあり、それにより転動面(レース面)に電食が発生することがある。
電食を防止するために様々な提案がなされており、セラミックス製の転動体を用いた転がり軸受を用いることも行われている。しかし、セラミックスとして一般的な窒化珪素は加工精度や機械強度が高いという利点があるものの、高価である。
また、セラミックスとしてジルコニアや、イットリアを添加して安定化させたイットリア安定化ジルコニア(以下、総称して「ジルコニア」ともいう。)も使用されている。しかし、ジルコニアも高価であることから、安価なアルミナを添加し、ジルコニアの高強度、高靭性を活かしつつ転動体全体を安価にすることも行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
日本国特開2002−106570号公報 日本国特開2002−70871号公報 日本国特開2002−5180号公報
アルミナ−ジルコニア系セラミックスは、アルミナ原料粉末とジルコニア原料粉末とを混合し、焼結して得られる。しかし、アルミナ原料粉末の純度が低くなるとジルコニア原料粉末との焼結性が悪くなる。これにより、アルミナ原料粉末やジルコニア原料粉末の粒径が大きくなるため、得られる焼結粒子の粒径が大きくなり、何れも強度低下を招いてしまう。その結果、転動体の表面が損傷したり、転動体に亀裂が発生したりするなどして耐久性が低下する。
さらに、組成としてアルミナ成分量の多いアルミナ−ジルコニアセラミックは、不純物やジルコニアの偏析(塊)が多く発生する。これを軸受の転動体として使用した場合、その偏析が起点となって剥離を生じ、転動疲労寿命が著しく低下するという問題点があった。
そこで本発明は、アルミナ−ジルコニア系セラミックス製の転動体を備える転がり軸受において、転動疲労寿命の向上を目的とする。
アルミナの成分量が多いアルミナ−ジルコニアセラミックにおいて,転動疲労寿命を向上させるための方法は,アルミナを高純度にすること,そしてアルミナとジルコニアの原料粉末粒子の比表面積の大きさを規定することで大幅に向上することが分かった。
そこで、上記目的を達成するために本発明は、下記の転動体及びその転動体を用いた転がり軸受を提供する。
(1)アルミナ成分が70〜95質量%であるアルミナージルコニア系セラミックスから作製される転動体において、前記アルミナ原料粉末の比表面積が6m/g以上であり、ジルコニア成分を形成するジルコニア原料粉末の比表面積が前記アルミナ原料粉末の比表面積の2倍以上であることを特徴とする転がり軸受用転動体。
(2)前記アルミナ成分を形成するアルミナ原料粉末の純度が90質量%以上であることを特徴とする上記(1)に記載の転がり軸受用転動体。
(3)互いに対向配置された軌道面を備えた第1部材及び第2部材と、両部材の軌道面間に転動自在に配置された複数個の転動体と、を少なくとも備え、転動体が転動することにより第1部材及び第2部材の一方が他方に対して相対移動する転がり軸受において、前記転動体は上記(1)又は(2)に記載の転がり軸受用転動体を採用することを特徴とする転がり軸受。
ここで、比表面積とは単位質量あたりの表面積のことをいう。単位は「m/g」で、この値が大きいほど粒子は細かいことになる。
本発明によれば、ジルコニア粒子はアルミナ粒界に沿って均一に分散し、偏析は生じなくなり、転動疲労寿命の向上を図ることができる。
従来の深溝玉軸受の構造を示す図である。 本発明における実施例の組織を示す写真である。 アルミナの偏析を示す写真である。 ジルコニアの偏析を示す写真である。 アルミナの純度を85%とした場合の組成を示す写真である。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
本発明において、転がり軸受の構造には制限はなく、例えば図1に断面図で示すような玉軸受を例示することができる。図示される玉軸受は、外輪1と内輪2との間に、玉3が転動自在に介装してあり、玉3は、保持器4により所定間隔に保持されるようになっている。外輪1及び内輪2の両側部には、それぞれシール溝11,12を形成しており、外輪1のシール溝11には、芯金部材21と一体化したシール部材20が装着されている。そして、シールリップ22の接触面22aが内輪2のシール溝12に接触するように構成されている。また、内輪2とシールリップ22との間の空間sに潤滑剤が封入される。
本発明では、玉3を、アルミナ成分が70〜95質量%で、残部がジルコニア成分であるアルミナリッチのアルミナ−ジルコニア系セラミックス製とする。アルミナリッチにすることにより、玉3を安価にすることができる。また、ジルコニアの配合比が高まるほど低温劣化が顕著になるが、アルミナ成分を加えることにより低温劣化を低減することができ、アルミナ成分の配合比が70質量%以上になると効果的になる。但し、アルミナ成分の配合比が95質量%を超えると、玉全体としての強度が不十分になる。このような理由から、アルミナ成分の配合比を70〜95質量%とし、好ましくは75〜85質量%とする。
また、玉3をアルミナ−ジルコニア系セラミックス製にすることにより、外・内輪1,2と玉3とが電気的に絶縁される。更に、外輪1及び内輪2は、SUJ2鋼、SUS鋼、13Cr鋼等の金属製とすることができるが、外輪1及び内輪2と玉3とが金属接触にならず、金属凝着による損傷を防止することもできる。
アルミナ成分はアルミナ純度が高いほど好ましく、アルミナ成分を形成するアルミナ原料粉末として、アルミナ純度が90質量%以上で、NaO量が10質量%以下が好ましい。更に、アルミナ純度が99.9質量%以上で、NaO量が0.1質量%以下である高純度アルミナ原料粉末を用いることがより好ましい。通常、アルミナに含まれる不純物としてはNaOが圧倒的に多く、更にはNaO量を減らすことにより機械的強度や電気特性が高まる。
また、アルミナ原料粉末として、比表面積が6m/g以上であるものを用いることも好ましい。25m/g以下であることがより好ましい。その場合、ジルコニア原料粉末には、比表面積がアルミナ原料粉末の比表面積の2倍以上のものを用いる。本発明のようにアルミナ成分が70質量%以上であるアルミナリッチのアルミナ−ジルコニア系セラミックスでは、ジルコニア成分が偏析して塊が多く発生し、このジルコニア塊が起点となって剥離を生じて転動疲労寿命を低下させることがある。尚、ジルコニア原料粉末の比表面積の上限には制限はないが、アルミナ原料粉末の比表面積の2倍以上5倍以下が好ましく、更に3倍以上にすることがより好ましい。比表面積の5倍を超えると微細なジルコニア原料粉末を作製するのが困難になる。
更に、ジルコニア偏析の発生理由は、ジルコニア原料粉末の比表面積がアルミナ原料粉末より小である粒子が多数含まれていることが主な原因である。そこで、アルミナ原料粉末を所定サイズに規定し、アルミナ原料粉末の比表面積に対してジルコニア原料粉末の比表面積を2倍以上にした。これにより、アルミナ粒界に沿ってジルコニア原料粉末が均一に分散して偏析が生じなくなる。このとき、アルミナ純度を90%以上の高純度にすれば、不純物を起点とする早期剥離の発生を防ぐことができる。アルミナ原料粉末のアルミナ純度は高いほど好ましく、アルミナ純度が99.9質量%以上である上記の高純度アルミナ原料粉末がより好ましい。
また、潤滑剤は、潤滑油でもよいし、潤滑油を基油とするグリースでもよい。また、潤滑油または基油、増ちょう剤、更には添加剤には制限はなく、目的に応じて適宜選択される。
尚、上記した実施形態は本発明の一例を示したものであって、例えばアンギュラ玉軸受、自動調心玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受、スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受にも適用でき、それぞれの転動体を上記した高純度アルミナ−ジルコニア系セラミックスで形成する。
以下に試験例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものはない。
表1に示す比表面積の異なるアルミナ原料粉末とジルコニア原料粉末とを、80質量%アルミナ−20質量%ジルコニア組成となるように調合し、ビ−ズミルにてイオン交換水中で24時間の湿式混合を行なった。混合後、成形バインダ−を添加しスプレドライヤ−にて乾燥造粒を行い、成形プレス用の粉末を作製した。成形粉末を、1.5ton/cmの成形圧にて一軸油圧プレスを行い、サイズ5/32in.のボ−ルを作製し、その後に脱脂焼結して素球とし、素球を所定の面粗さに研磨した。
尚、アルミナ原料粉末のアルミナ純度は、全て99.9質量%以上である。
そして、研磨完了した完成球をスラスト耐久寿命試験に供した。試験条件はP/C=0.3、回転数1000rpm、油潤滑とした。試験結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1、2、3、4は何れも目標寿命に到達している。図2に、実施例2の組織を撮影した写真を示すが、各成分が均質に分散していることが分かる。
これに対し、アルミナ原料粉末の比表面積が6m/g未満では、ジルコニア原料粉末の比表面積が2倍以上であっても、目標寿命に到達しないことがわかる。これは、アルミナ原料粉末が大きいために凝集し易くなり、凝集したアルミナが剥離の起点となったと考えられる。その代表として、比較例1の球表面を撮影した写真を図3に示す。
更に、アルミナ原料粉末の比表面積が6m/g以上であっても、ジルコニア原料粉末の比表面積がアルミナ原料粉末の2倍未満であれば、図4(比較例7)に示すように、ジルコニアが偏析して剥離の起点となり、目標寿命に到達していない。
注)寿命試験結果:目標寿命到達○、未到達×
図5(比較例5)の写真は、アルミナ原料粉末のアルミナ純度を99.9%としたときの組成である。不純物が起点となり、早期剥離している。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本発明のアルミナ−ジルコニア系セラミックスからなる転動体は、各種の転がり軸受に適用でき、その耐久性を大きく向上させる。
1 外輪
2 内輪
3 玉
4 保持器
12 芯金
20 シール部材
22 シールリップ
22a 接触面

Claims (3)

  1. アルミナ成分が70〜95質量%であるアルミナージルコニア系セラミックスから作製される転動体において、前記アルミナ原料粉末の比表面積が6m/g以上であり、ジルコニア成分を形成するジルコニア原料粉末の比表面積が前記アルミナ原料粉末の比表面積の2倍以上であることを特徴とする転がり軸受用転動体。
  2. 前記アルミナ成分を形成するアルミナ原料粉末の純度が90質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受用転動体。
  3. 互いに対向配置された軌道面を備えた第1部材及び第2部材と、両部材の軌道面間に転動自在に配置された複数個の転動体と、を少なくとも備え、転動体が転動することにより第1部材及び第2部材の一方が他方に対して相対移動する転がり軸受において、前記転動体は請求項1又は2に記載の転がり軸受用転動体を採用することを特徴とする転がり軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106321626A (zh) * 2016-10-17 2017-01-11 北京动力机械研究所 一种作动器用耐高温关节轴承

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