JP2015098882A - 転がり支持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転がり支持装置に用い、アルミナより安価且つ十分な強度の材料で作製される転動体を提供すること。【解決手段】本発明は、互いに対向配置された軌道面を備えた第1部材及び第2部材と、両部材の軌道面間に転動自在に配置された複数個の転動体と、を少なくとも備え、転動体が転動することにより第1部材及び第2部材の一方が他方に対して相対移動する転がり支持装置において、転動体はアルミナ繊維をジルコニア中に添加した繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミックにより作製され、前記アルミナ繊維は繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミックにおける含有量が50〜80質量%であることを特徴とする転がり支持装置を提供している。【選択図】図1
Description
本発明は転がり支持装置に関し、より詳細にはセラミック製の転動体を備える転がり支持装置に関する。
例えば、エアコンのファンモータでは、省エネ化のためにインバータ制御されていることが多い。しかし、インバータ回路から高周波の電流が発生してモータ内にある軸受の内外輪や転動体にも流れ込むことがあり、それにより転動面(レース面)に電食が発生することがある。
電食を防止するためには様々な提案がなされており、セラミック製の転動体を用いた転がり軸受を用いることも行われている。セラミック材料としては、窒化ケイ素やジルコニア、アルミナ等が一般的であり、例えば、特許文献1では、イットリア等の金属酸化物を2〜5質量%、ジルコニア100質量部に対してアルミナを5〜40質量部とし、各成分粒子の粒径を特定したジルコニア−アルミナ−イットリア系セラミックで転動体を形成した転がり軸受を提案している。また、特許文献2では、アルミナ含有率を20質量%以上にしてヤング率を250GPa以上に高めたジルコニア−アルミナ−イットリア系セラミックで転動体を形成した転がり軸受を提案している。更に、特許文献3では、アルミナが60〜95モル%でジルコニアが40〜5モル%のアルミナ−ジルコニア系セラミック製で、表面粗さを0.05Ra以下に加工した転動体を備える転がり軸受を提案している。
しかしながら、窒化ケイ素やジルコニアはアルミナに比べて高価であり、材料コストが高くなる問題がある。また、アルミナ−ジルコニア系セラミックでは、アルミナ成分量が多くなるほど安価になるものの、一方で機械的強度が低下するようになり、強度が要求される用途には使用できない状況にある。
そこで本発明は、転動体の形成材料として安価なアルミナを用いるとともに、補強を施すことにより、強度不足でこれまで使用できなかった用途にも使用可能な転動体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は下記の転動体を提供する。
(1)互いに対向配置された軌道面を備えた第1部材及び第2部材と、両部材の軌道面間に転動自在に配置された複数個の転動体と、を少なくとも備え、転動体が転動することにより第1部材及び第2部材の一方が他方に対して相対移動する転がり支持装置において、転動体はアルミナ繊維をジルコニア中に添加した繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミックにより作製され、アルミナ繊維は繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミックにおける含有量が50〜80%質量%であることを特徴とする転がり支持装置。
(2)アルミナ繊維の形状は、平均繊維径2〜10μm、平均繊維長さ4〜20μm、アスペクト比2以下であることを特徴とする(1)に記載の転がり支持装置。
(1)互いに対向配置された軌道面を備えた第1部材及び第2部材と、両部材の軌道面間に転動自在に配置された複数個の転動体と、を少なくとも備え、転動体が転動することにより第1部材及び第2部材の一方が他方に対して相対移動する転がり支持装置において、転動体はアルミナ繊維をジルコニア中に添加した繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミックにより作製され、アルミナ繊維は繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミックにおける含有量が50〜80%質量%であることを特徴とする転がり支持装置。
(2)アルミナ繊維の形状は、平均繊維径2〜10μm、平均繊維長さ4〜20μm、アスペクト比2以下であることを特徴とする(1)に記載の転がり支持装置。
本発明では、ジルコニア中にアルミナ繊維を添加して補強した繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミックで転動体を形成したため、従来のアルミナ系セラミック製転動体では強度不足により使用できなかった用途にも適用できるようになる。また、主成分をアルミナとしているので、窒化ケイ素やジルコニアを用いるよりも安価にすることができる。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
本発明において、転がり支持装置の構造には制限がなく、例えば図1に断面図で示すような玉軸受を例示することができる。図示される玉軸受は、外輪1と内輪2との間に、転動体である玉3が転動自在に介在してあり、玉3は、保持器4により所定間隔に保持するようになっている。また、外輪1と内輪2の材質はSUJ2とする。
本実施形態では、玉3を、アルミナ繊維をジルコニア中に添加した繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミックで形成する。アルミナ繊維は、平均繊維径2〜10μm、平均繊維長さ4〜20μm、アスペクト比2以下とする。また、アルミナ繊維におけるアルミナ純度に制限はなく、シリカ等を含んでいてもよい。
本実施形態では、アルミナ繊維を、ジルコニア粉末中に添加し、アルミナ繊維が30、40、45、50、70、80、85、90質量%をそれぞれ含有する繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミック製転動体を作製した。
(製造方法)
まず、アルミナ繊維とジルコニアを上述の組成に調合し、ボールミルにてイオン交換水中24時間の湿式混合を行なった。混合後、成形バインダーを添加しスプレドライヤーにて乾燥造粒を行い、成形プレス用の粉末を作製する。成形粉末は1.5ton/cm2の成形圧にて一軸油圧プレスによる成形を行い、曲げ強度測定用試料、そして日本精工型番608の深溝玉軸受の耐久試験に供するための転動体を作製した。転動体のサイズは5/32in.とした。
まず、アルミナ繊維とジルコニアを上述の組成に調合し、ボールミルにてイオン交換水中24時間の湿式混合を行なった。混合後、成形バインダーを添加しスプレドライヤーにて乾燥造粒を行い、成形プレス用の粉末を作製する。成形粉末は1.5ton/cm2の成形圧にて一軸油圧プレスによる成形を行い、曲げ強度測定用試料、そして日本精工型番608の深溝玉軸受の耐久試験に供するための転動体を作製した。転動体のサイズは5/32in.とした。
ここで得られたそれぞれの成形体は焼結を行い素球にした。焼結条件は大気圧(酸素気流中)1500℃の焼結温度にて2時間保持した。その後、HIP処理を行うが、処理条件はアルゴン気流中1450℃にて1時間保持し、処理圧は1000気圧とした。
(曲げ強度試験)
アルミナ繊維の添加量を種々変化させた場合の曲げ強度を図2に示す。図中には、ジルコニアにアルミナ繊維を添加したもの、アルミナにアルミナ繊維を添加したもの、及び窒化ケイ素材の強度を示した。図2より、ジルコニア、アルミナともに、アルミナ繊維の添加量が50重量%以上80重量%以下の組成において最も高強度を示した。ジルコニアにアルミナ繊維を添加した場合における同範囲の組成では、窒化ケイ素よりも強度に優れていることがわかる。ジルコニアにアルミナ繊維を添加することで、アルミナにアルミナ繊維を添加した場合の強度上昇より強度の上昇率が高くなるのは、アルミナ繊維がジルコニアに拘束(材料内での歪エネルギー)されることによるものであり、複合には最も適した組成である。
アルミナ繊維の添加量を種々変化させた場合の曲げ強度を図2に示す。図中には、ジルコニアにアルミナ繊維を添加したもの、アルミナにアルミナ繊維を添加したもの、及び窒化ケイ素材の強度を示した。図2より、ジルコニア、アルミナともに、アルミナ繊維の添加量が50重量%以上80重量%以下の組成において最も高強度を示した。ジルコニアにアルミナ繊維を添加した場合における同範囲の組成では、窒化ケイ素よりも強度に優れていることがわかる。ジルコニアにアルミナ繊維を添加することで、アルミナにアルミナ繊維を添加した場合の強度上昇より強度の上昇率が高くなるのは、アルミナ繊維がジルコニアに拘束(材料内での歪エネルギー)されることによるものであり、複合には最も適した組成である。
表1に示すように、動等価荷重/基本動定格荷重(P/C)=0.3、0.5、0.7の荷重条件にてスラスト寿命試験を行い、上記の表1にスラスト寿命試験の結果を示す。回転速度は1000rpmとし、室温、潤滑油浴での試験を実施した。転動体は、アルミナ形状が繊維径10μm、繊維長さ20μm、アスペクト比が2のアルミナ繊維を、ジルコニア粉末中に30、40、45、50、70、80、85、90重量%添加した組成の繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミック転動体とし、5/32in.ボールとした。相手材はSUJ2とし、転動体が剥離した時点で寿命とした。
表1より、ジルコニアにアルミナ繊維をそれぞれ50、70、80%添加した組成(実施例1〜3)では、いずれの荷重条件とも目標寿命に到達したが、50%未満の組成及び80%より多い添加量の組成(参考例1〜5)では、P/C0.5及び0.7において目標寿命未達で剥離した。
以上の試験結果からジルコニア中にアルミナ繊維を50重量%以上80重量%以下含有させた繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミックで玉を形成することにより、高強度になることが分かる。
このように、上記繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミック製の玉3を用いることにより、玉3の強度を高めるとともに、外・内輪1、2と玉3とが電気的に絶縁される。また、外輪1及び内輪2は、SUJ2鋼、SUS鋼、13Cr鋼等の金属製にすることができるが、玉3がセラミック製であることから、外輪1及び内輪2との間で金属接触にならず損傷も少なくなる。
また、潤滑剤は、潤滑油でもよいし、潤滑油を基油とするグリースでもよい。また、潤滑油または基油、増ちょう剤、更には添加剤に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
尚、上記した実施形態は本発明の一例を示したものであって、例えばアンギュラ玉軸受、自動調心玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受、スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受、若しくは直線運動装置にも適用でき、それぞれの転動体を上記した繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミックで形成する形態にしてもよい。
1 外輪
1a 転動面
2 内輪
2a 転動面
3 玉
4 保持器
1a 転動面
2 内輪
2a 転動面
3 玉
4 保持器
Claims (2)
- 互いに対向配置された軌道面を備えた第1部材及び第2部材と、両部材の軌道面間に転動自在に配置された複数個の転動体と、を少なくとも備え、転動体が転動することにより第1部材及び第2部材の一方が他方に対して相対移動する転がり支持装置において、
前記転動体はアルミナ繊維をジルコニア中に添加した繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミックにより作製され、前記アルミナ繊維は繊維強化型アルミナ−ジルコニア複合セラミックにおける含有量が50〜80質量%であることを特徴とする転がり支持装置。 - 前記アルミナ繊維の形状は、平均繊維径2〜10μm、平均繊維長さ4〜20μm、アスペクト比2以下であることを特徴とする請求項1に記載の転がり支持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013237953A JP2015098882A (ja) | 2013-11-18 | 2013-11-18 | 転がり支持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013237953A JP2015098882A (ja) | 2013-11-18 | 2013-11-18 | 転がり支持装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015098882A true JP2015098882A (ja) | 2015-05-28 |
Family
ID=53375626
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013237953A Pending JP2015098882A (ja) | 2013-11-18 | 2013-11-18 | 転がり支持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015098882A (ja) |
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2013
- 2013-11-18 JP JP2013237953A patent/JP2015098882A/ja active Pending
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