JP2008082411A - 絶縁転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁層を設ける加工工数が少なく低コストで製造できるとともに、チャンファー部の欠陥も生じず、優れた絶縁性を有する絶縁転がり軸受を提供する。
【解決手段】内輪1および外輪2と、これら内外輪の軌道面間に介在する複数の転動体4とを備えてなり、内輪1の内周面1aおよび外輪2の外周面2aから選ばれた少なくとも一つの周面に絶縁層7を有する絶縁転がり軸受であって、上記絶縁層7は、上記少なくとも一つの周面に形成された樹脂層7aと、該樹脂層7a上の所定部位にエアロゾルデポジション法により形成されたセラミックス被膜7bの層とからなり、この所定部位は、樹脂層7aにおいて内輪1の内径面上または外輪2の外径面上の部位である。
【選択図】図1

Description

本発明は、汎用モータ、発電機用ジェネレータ、鉄道車両の主電動機等、主に軸受内部を電流が流れるような構造の装置に用いられる絶縁転がり軸受に関する。
鉄道車両の主電動機に用いられる転がり軸受は、主電動機の電流を車輪からレールへ接地する接地用集電装置が不完全な場合に、主電動機の電流が転がり軸受の内外輪および転動体を通って、車輪とレール間に流れる。このとき、軸受転動体と外輪転走面との間または内輪転走面との間で放電が生じ、放電部分に電食を生じることがある。その他の発電機用ジェネレータ等、軸受内部を電流が流れるような構造の装置に用いられる軸受においても、同様に電食を生じることがある。このような電食を防止する有効な手段としては、従来、軸受軌道輪の外表面にセラミックス等の絶縁体の溶射被膜を形成することが知られている。
しかし、溶射技術を用いて軸受の外径面および幅面にセラミックス層を設ける方法は、熱処理して硬化させた軸受綱の溶射加工時の熱による焼き戻り防止のために、ワークを冷却しながらセラミックス層を成膜せねばならず、非常に煩雑であり、生産性の低下を招いていた。さらに、溶射法で軸受外径面および幅面にセラミックス層を設けようとすると、下地処理としてニッケルアルミ等の層を予め溶射する必要があり、これも生産性の低下を招く原因となっている。
また、溶射法で得られたセラミックス層は、多孔質となるため結露などでの水分の侵入による絶縁抵抗の低下を封孔処理で対策する必要がある。封孔処理については合成樹脂、重合性有機溶剤、並びにフッ素系界面活性剤およびパーフルオロ基含有有機ケイ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する封孔処理剤を用いる方法(特許文献1参照)や、浸透性良好な絶縁樹脂による封孔処理層を下層とし、浸透性が完全でない絶縁樹脂による封孔処理層を上層とする組合せ層を形成することにより封孔する方法(特許文献2参照)等が知られている。しかし、これらの封孔処理方法を用いる場合は、非常にコスト高となるという問題がある。
一方、これらの問題に対処すべく、本発明者はアルミナセラミックス層を外輪の外周面等(外径面からチャンファー部を通り幅面まですべて)にエアロゾルデポジション(以下、ADと記す)法で形成したセラミックス絶縁軸受を提案している(特願2006−62638)。このように軸受外輪に絶縁層を設けて絶縁軸受とするには、導通が考えられる軸受外輪の外径面、表側幅面、表側チャンファー部、裏側幅面および裏側チャンファー部すべてに欠陥無くセラミックス絶縁層を形成する必要がある。
しかしながら、軸受外径面、幅面およびチャンファー部を一度に成膜できないため、軸受外径面、表側幅面、表側チャンファー部、裏側幅面および裏側チャンファー部について独立に成膜せねばならず加工工数が甚大であった。チャンファー部は、軸受外径面のように研磨加工されていないため粗い面となっており、AD法でのセラミックス層の成膜では欠陥が生じやすかった。このため、チャンファー部を研磨加工しようとするとコスト増を招いた。
特開2003−183806号公報 特許第3009516号公報
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、絶縁層を設ける加工工数が少なく低コストで製造できるとともに、チャンファー部の欠陥も生じず、優れた絶縁性を有する絶縁転がり軸受を提供することを目的とする。
本発明の絶縁転がり軸受は、内輪および外輪と、これら内外輪の軌道面間に介在する複数の転動体とを備えてなり、上記内輪の内周面および上記外輪の外周面から選ばれた少なくとも一つの周面に絶縁層を有する絶縁転がり軸受であって、上記絶縁層は、上記少なくとも一つの周面に形成された樹脂層と、該樹脂層上の所定部位にAD法により形成されたセラミックス被膜の層とからなり、上記所定部位は、上記樹脂層上において上記内輪の内径面上または上記外輪の外径面上の部位であることを特徴とする。
上記セラミックス被膜を形成するための、エアロゾル原料となるセラミックス微粒子の平均粒子径は 0.01μm〜2μm であることを特徴とする。
また、上記セラミックス被膜は、窒化珪素の微粒子をエアロゾル原料として使用した被膜であることを特徴とする。
本発明の絶縁転がり軸受は、軸受外輪の外周面(外径面に加えて、幅面やチャンファー部を含む)等に、樹脂層と、その樹脂層上の外径面に該当する部分にAD法により形成されたセラミックス被膜の層とからなる絶縁層を有するので、幅面およびチャンファー部は樹脂層により絶縁され、特に高い絶縁破壊特性が要求される外径面は樹脂層およびセラミックス被膜により十分に絶縁される。また、セラミックス被膜の形成は、外径面に該当する部位のみでよいため、幅面やチャンファー部を含む外周面すべてにAD法でセラミックス被膜を形成する場合よりも加工工数を大幅に軽減でき、チャンファー部の欠陥も生じない。
また、ワークの冷却不要、ニッケルアルミ等の下地処理不要および封孔処理不要などにより、溶射法を用いる場合と比較して製造コストが大幅に安くなる。
本発明の絶縁転がり軸受の一実施例を図1に基づいて説明する。図1は外輪外周面に樹脂層とセラミックス被膜の層とからなる絶縁層を形成した絶縁転がり軸受の断面図である。なお、絶縁層を構成するセラミックス被膜は非常に薄い、数μm〜数十μmの被膜であるが、図1においては説明便宜上、実際よりも厚く図示している。
図1に示すように、絶縁転がり軸受は、内輪1と外輪2との間に保持器3に保持された多数の転動体4を介在させ、外輪2をハウジング5等に収納し、軸6を内輪1の内径に固定する軸受であって、外輪2の外周面2aに絶縁層7が形成されている。絶縁層7は、外周面2aに後述する静電吹付塗装法等により形成される樹脂層7aと、この樹脂層7a上にAD法で形成されるセラミックス被膜7bとからなる構造である。内輪1、外輪2および転動体4は、軸受鋼等の金属材からなる。
本発明において樹脂層7aを形成する外輪2の外周面2aは、外輪2の外径面aのみでなく、少なくとも外輪を保持するハウジング5等と外輪2とが接触する範囲の全面であり、図1に示すように、外輪2の外径面aから幅面bにわたる範囲で、チャンファー部(面取部)cも含めた範囲の面である。
また、本発明においてAD法で形成されるセラミックス被膜7bは、図1に示すように樹脂層7a上において、外輪2の外径面aに該当する部位である。絶縁軸受では、該部分において高い絶縁破壊特性が要求されるので、該部分にセラミックス被膜7bを形成することでこの要求に応じ得る。なお、幅面bやチャンファー部cは、上記樹脂層7aにより十分絶縁される。
図1においては、外輪2の外周面2aに絶縁層を形成する場合を例示しているが、絶縁層7は、上記外輪2の外周面2aの他、内輪1の内周面1aに形成されていてもよい。この場合、樹脂層7aは内輪1の内径面、幅面、チャンファー部の全面に、セラミックス被膜7bは樹脂層7a上において、内輪1の内径面に該当する部位に形成される。
本発明における樹脂層の形成は、例えば静電吹付塗装法により行なう。静電吹付塗装法は、粉体塗料を圧縮空気とともに塗装機に供給し、高電圧をかけたスプレーガンのノズルを通じて帯電させ、軸受外輪等に静電的に付着させ、これを加熱炉で溶融・硬化させて塗膜を形成する方法である。帯電させる方式としては、スプレーガンから吐出させる粉体にそのスプレーガンの先端部で発生させるコロナによって帯電させるコロナ帯電方式と、スプレーガンから吐出させる粉体にそのスプレーガンの内部で電極との摩擦によって帯電させるトリボ帯電方式と、それらを組み合わせたハイブリッド帯電方式とがあるが、本発明ではいずれの方法を使用してもよい。この塗装法によれば、軸受表面上に電気影像力によって均一かつ密な樹脂層を形成することができる。
本発明における樹脂層を形成する樹脂粉体塗料としては、熱可塑性粉体塗料および熱硬化性粉体塗料が使用できるが、付着させた後に加熱炉で硬化することから熱硬化性粉体塗料が好適である。
また、熱硬化性粉体塗料としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が使用できる。耐食性、耐湿性に優れることから、エポキシ樹脂およびエポキシ/ウレタン系樹脂が好適である。
例えば図1に示すように外輪2の外周面2aに樹脂層7aを形成する場合では、外輪内側のレース面をマスキングして保護した上で、上記静電吹付塗装法により樹脂粉体塗料を均一に付着させて塗布する。また、塗装前において、前処理として軸受表面の水分、油分等を除去しておくことが好ましい。
塗装後、加熱炉で溶融・硬化させることで、外輪2の外周面2aに樹脂層7aが均一に形成される。この外輪2について、樹脂層7a上の外径面aに該当する部位にAD法によりセラミックス被膜を形成することで、本発明の絶縁転がり軸受の外輪が得られる。
本発明においてAD法は、原料セラミックスの微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材である軸受外輪等に向けてエアロゾル噴射ノズルより噴射し、エアロゾルをこの基材表面に高速で衝突させ、微粒子の構成材料からなる被膜を基材上に形成させる方法である。セラミックス微粒子は、衝突により粉砕し、清浄な新生表面を形成し、低温接合を生じさせるので、室温で微粒子同士の接合を実現できる。なお、金属基材のみならず、樹脂基材に対しても良好に被膜形成が可能である。
エアロゾル中ではセラミックスの微粒子は分散状態を維持している。溶射法から得られる被膜が多孔質であるのに対し、AD法により得られる被膜は、上記のようにエアロゾルに分散した微粒子から被膜を形成するので、得られる被膜は極めて緻密なセラミックス層となる。このため、該被膜からなる絶縁層を備えた絶縁転がり軸受は、結露などで水分にさらされても、水分が浸透できる空孔を持たないセラミックス層に保護されるので通電することがなく、絶縁抵抗の低下を招くこともない。
またAD法では、溶射法と異なり高温処理が不要であるため、高温にさらされることによる原料セラミックスの変態による絶縁性の低下を招くこともない。例えば、絶縁性に優れたαアルミナを用いても溶射法ではγアルミナに変態して絶縁性が低下するため、膜厚を増加させる必要があるが、AD法でαアルミナを用いると絶縁性の高いαアルミナのままで成膜できるので、膜厚を増加させずに絶縁性の高いセラミックス層が得られる。
本発明においてAD法によるセラミックス被膜を形成するための、エアロゾル原料となるセラミックス微粒子としては、絶縁性が良好なアルミナ、マグネシア、ジルコニア、チタニア等の酸化物セラミックスや窒化珪素等の微粒子が挙げられる。これらの中で破壊靭性値や圧縮強さの値が大きいことから、窒化珪素の微粒子が好ましい。
本発明に用いることができるセラミックス微粒子の平均粒子径は、0.01〜2μm であることが好ましい。0.01μm 未満では凝集しやすくエアロゾル化は困難であり、2μm をこえるとAD法での膜形成はできない(膜成長しない)。なお、本発明において平均粒子径は日機装株式会社製:レーザー式粒度分析計マイクロトラックMT3000によって測定した値である。
また、被膜形成を良好に行なうため、基材への衝突時に窒化珪素微粒子が容易に粉砕するように、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いてクラックを予め形成しておくことが好ましい。
本発明においてAD法によるセラミックス被膜の形成方法としては、樹脂層が形成された軸受外輪等を固定してエアロゾル噴射ノズルを移動させて被膜を形成する方法、または、エアロゾル噴射ノズルを固定して軸受外輪等を移動させて被膜を形成する方法のいずれも採用できる。
これらの方法の中で、エアロゾルを安定な状態で吹きつけることができ、位置決め用XYテーブルおよび対象物回転用モータを併用し、軸受外輪等を回転させつつ軸方向に移動させることで、セラミックス被膜を容易に塗り重ねて形成できることから、後者の方法を用いることが好ましい。
本発明におけるAD法を図2に基づいて説明する。図2はAD法による被膜形成装置を示す図である。
図2に示すように、AD法による被膜形成装置11は真空チャンバー12を有する。真空チャンバー12内には、セラミックス被膜形成対象である絶縁転がり軸受の外輪2(樹脂層形成済み)と、エアロゾル噴射ノズル18とが配設されている。エアロゾル噴射ノズル18にはエアロゾル発生装置17からエアロゾルが供給される。エアロゾルの搬送ガスとしては、不活性ガスを使用し、ガス供給設備16からエアロゾル発生装置17に供給されている。使用可能な不活性ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム等が挙げられる。
真空チャンバー12の内部は真空ポンプ13によって減圧される。セラミックス微粒子の混入を防止するため、真空ポンプ13の直前に微粒子フィルター19が設けられている。外輪2は、真空チャンバー12内において、対象物回転用モータ15により回転させられ(図中A)、位置決め用XYテーブル14により軸方向に移動させられる(図中B)。
エアロゾル噴射ノズル18は、セラミックス微粒子を、長方形等の開口部を有するノズル先端から、外輪2の外径面に噴射するものである。なお、エアロゾル噴射ノズル18は、1本であっても複数本であってもよい。また、エアロゾル噴射ノズル18は、真空チャンバー12内で変位可能に構成してもよい。
固定したエアロゾル噴射ノズル18から、対象物回転用モータ15により所定回転数で回転している外輪2に、セラミックス微粒子を原料とするエアロゾルが噴射され、外輪2の樹脂層上の外径面に該当する部位にセラミックス被膜が塗り重ねられて形成される。同時に、位置決め用XYテーブル14により外輪2を軸方向に移動させることで、軸方向にも均一に被膜が形成される。
AD法によるセラミックス被膜形成は、被膜厚さが 10μm 程度となるまで行なうことが好ましい。10μm 未満であると十分な絶縁抵抗や絶縁破壊強さが得られず、200μm をこえると製造コストが高くなる。
本発明では、外輪等の幅面およびチャンファー部は樹脂層により絶縁され、AD法でセラミックス被膜を形成する必要がないので、加工工数を大幅に軽減でき、チャンファー部の欠陥も生じない。
粉体塗料(日本ペイント社製ビリューシアHB2000)を静電塗装機を用いて軸受外輪(軸受型番NU214、外径 125 mm )内側のレース面をマスキングして保護した上で、軸受外輪外周面に塗布し、160℃で 15分間の熱処理で硬化させて 50μm の厚みの樹脂層を形成した。この軸受外輪について、樹脂層上の外輪外径面に該当する部位(図1参照)にAD法により窒化珪素微粒子(宇部興産社製、SN−E10平均粒径 0.55μm )をエアロゾル原料とするセラミックス被膜を 10μm の厚みで形成し外輪2を製作し、他の部位と合わせて絶縁転がり軸受とした。
AD法は、図2に示すような位置決め用XYテーブルおよび対象物回転用モータを併用した軸受駆動装置を用いて、周速 60 mm/分で回転しつつ軸方向に移動する軸受外輪に、100 Pa 以下の減圧下で、開口サイズ 10 mm× 2.0 mm のノズルを通して上記窒化珪素微粒子のエアロゾルを噴射して被膜形成を行なった。
得られた軸受の絶縁抵抗を絶縁抵抗計で計測したところ 1000V印加で 2000 MΩ以上であった。またJIS K 6911に準じて絶縁破壊電圧を計測したところ 3.1 kVと十分な絶縁破壊特性を示した。
本発明の絶縁転がり軸受は、絶縁層を設ける加工工数が少なく低コストで製造できるとともに、チャンファー部の欠陥も生じず、優れた絶縁性を有するので、各種産業機械に用いられる転がり軸受において電食防止転がり軸受、絶縁転がり軸受として好適に利用できる。
本発明の絶縁転がり軸受の一実施例を示す断面図である。 AD法によるセラミックス被膜形成装置を示す図である。
符号の説明
1 内輪
2 外輪
3 保持器
4 転動体
5 ハウジング
6 軸
7 絶縁層
7a 樹脂層
7b セラミックス被膜
11 被膜形成装置
12 真空チャンバー
13 真空ポンプ
14 位置決め用XYテーブル
15 対象物回転用モータ
16 ガス供給設備
17 エアロゾル発生装置
18 エアロゾル噴射ノズル
19 微粒子フィルター

Claims (3)

  1. 内輪および外輪と、これら内外輪の軌道面間に介在する複数の転動体とを備えてなり、前記内輪の内周面および前記外輪の外周面から選ばれた少なくとも一つの周面に絶縁層を有する絶縁転がり軸受であって、
    前記絶縁層は、前記少なくとも一つの周面に形成された樹脂層と、該樹脂層上の所定部位にエアロゾルデポジション法により形成されたセラミックス被膜の層とからなり、前記所定部位は、前記樹脂層において前記内輪の内径面上または前記外輪の外径面上の部位であることを特徴とする絶縁転がり軸受。
  2. 前記セラミックス被膜を形成するための、エアロゾル原料となるセラミックス微粒子の平均粒子径は 0.01〜2μm であることを特徴とする請求項1記載の絶縁転がり軸受。
  3. 前記セラミックス被膜は、窒化珪素の微粒子をエアロゾル原料として使用した被膜であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の絶縁転がり軸受。
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