JP2007270899A - 電食防止等速ジョイント - Google Patents
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Abstract
【課題】漏洩電流が連結部材を伝わって等速ジョイントに流れ込むことのない電食防止等速ジョイントを提供する。
【解決手段】内、外輪の案内溝1a、2aと転動体3との係り合いによって回転トルクの伝達が行なわれ、内輪1と嵌合する中間軸8のセレーション部にセラミックス被膜8aが形成されてなる電食防止等速ジョイント4であって、セラミックス被膜8aは、エアロゾルデポジション法により形成され、アルミナ微粒子をエアロゾル原料として使用した被膜であり、アルミナ微粒子の平均粒子径は、0.01μm〜2μm であり、セラミックス被膜は、エアロゾル噴射ノズルを固定し、中間軸を、対象物回転用モータを用いて回転させつつ、位置決め用XYテーブルを用いて軸方向に移動させて形成する。
【選択図】図1
【解決手段】内、外輪の案内溝1a、2aと転動体3との係り合いによって回転トルクの伝達が行なわれ、内輪1と嵌合する中間軸8のセレーション部にセラミックス被膜8aが形成されてなる電食防止等速ジョイント4であって、セラミックス被膜8aは、エアロゾルデポジション法により形成され、アルミナ微粒子をエアロゾル原料として使用した被膜であり、アルミナ微粒子の平均粒子径は、0.01μm〜2μm であり、セラミックス被膜は、エアロゾル噴射ノズルを固定し、中間軸を、対象物回転用モータを用いて回転させつつ、位置決め用XYテーブルを用いて軸方向に移動させて形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車や各種産業機械において動力伝達に用いられる電食防止等速ジョイントに関する。
自動車や各種産業機械には、多くの電気機器が装着されており、電気源や電気系統などから漏洩した漏洩電流が連結部材を伝わって等速ジョイントに流れ込んでくる可能性がある。例えば圧延設備には鋼板の送り用等に多くのロールが使用されるが、これらの中には等速ジョイントを介して駆動されるものが有り、等速ジョイントに電流が流れると、ロールと鋼板との間でスパークが発生し、鋼板やロールの表面に電食が生じる。また、等速ジョイント自体にも、内、外輪の案内溝とボールとの接触部などでスパークが発生し電食が生じる。
従来この対策として、等速ジョイントの外輪、内輪、ボールおよび保持器のうち、内輪の少なくとも案内面の表面、外輪の少なくとも案内面の表面、ボールの少なくとも表面のうち、いずれか一つ以上を絶縁材料で形成したことで漏洩電流を遮断し、そのことで電食を防止する方法が知られている(特許文献1参照)。
しかしこの場合、例えばセラミックスの通常の溶射コーティングを利用すると非常に高コストであるという問題がある。これは、(1)溶射加工時の熱による焼き戻り防止のためにワークを冷却しながらセラミックス層を成膜せねばならず工程が複雑であること、(2)下地処理としてニッケルアルミ等の層を予め溶射する必要があること、(3)溶射法で得られたセラミックス層は多孔質であり、結露等での水分の侵入による絶縁抵抗の低下を防止するため封孔処理が必要となること、(4)溶射法で得られたセラミックス層は、絶縁性を得るために原料粉にαアルミナを用いても、溶射過程の高温で絶縁性の劣るγアルミナに変態してしまうため、膜厚を厚くすることで絶縁性を確保せねばならないこと等に起因する。
また、等速ジョイントの運転時に外輪、内輪、ボールの表面は非常に大きな面圧を受けるために金属とセラミックス層界面で剥がれてしまい、実質上電食を防止できないことも生じるおそれがある。
実開平6−28351号公報
しかしこの場合、例えばセラミックスの通常の溶射コーティングを利用すると非常に高コストであるという問題がある。これは、(1)溶射加工時の熱による焼き戻り防止のためにワークを冷却しながらセラミックス層を成膜せねばならず工程が複雑であること、(2)下地処理としてニッケルアルミ等の層を予め溶射する必要があること、(3)溶射法で得られたセラミックス層は多孔質であり、結露等での水分の侵入による絶縁抵抗の低下を防止するため封孔処理が必要となること、(4)溶射法で得られたセラミックス層は、絶縁性を得るために原料粉にαアルミナを用いても、溶射過程の高温で絶縁性の劣るγアルミナに変態してしまうため、膜厚を厚くすることで絶縁性を確保せねばならないこと等に起因する。
また、等速ジョイントの運転時に外輪、内輪、ボールの表面は非常に大きな面圧を受けるために金属とセラミックス層界面で剥がれてしまい、実質上電食を防止できないことも生じるおそれがある。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、漏洩電流が連結部材を伝わって等速ジョイントに流れ込むことのない電食防止等速ジョイントを提供することを目的とする。
本発明の電食防止等速ジョイントは、内、外輪の案内溝と転動体との係り合いによって回転トルクの伝達が行なわれ、上記内輪と嵌合する中間軸のセレーション部にセラミックス被膜が形成されてなる電食防止等速ジョイントであって、上記セラミックス被膜は、エアロゾルデポジション法(以下、AD法と記す)により形成される被膜であることを特徴とする。
上記セラミックス被膜は、アルミナ微粒子をエアロゾル原料として使用した被膜であることを特徴とする。
また、上記アルミナ微粒子の平均粒子径は、0.01μm〜2μm であることを特徴とする。なお、本発明において平均粒子径は日機装株式会社製:レーザー式粒度分析計マイクロトラックMT3000によって測定した値である。
また、上記アルミナ微粒子の平均粒子径は、0.01μm〜2μm であることを特徴とする。なお、本発明において平均粒子径は日機装株式会社製:レーザー式粒度分析計マイクロトラックMT3000によって測定した値である。
上記セラミックス被膜は、エアロゾル噴射ノズルを固定し、上記中間軸を、対象物回転用モータを用いて回転させつつ、位置決め用XYテーブルを用いて軸方向に移動させて形成することを特徴とする。
本発明の電食防止等速ジョイントは、内輪と嵌合する中間軸のセレーション部にAD法によりセラミックス被膜を形成するので、常温で被膜表面と中間軸素地とを連通することのない緻密なセラミックス被膜の絶縁層が得られ、漏洩電流が駆動軸から連結部材を伝わって等速ジョイントに流れ込む経路が遮断され、電食を防止することができる。
また、セレーション部に形成された上記セラミックス被膜は内輪とシャフトの嵌合により固定され、摺動等による局部的な面圧を受けることがないためセラミックス被膜が剥離することなく安定に保たれる。
また、高温にさらされることがないAD法で、αアルミナを用いて成膜するので、αアルミナがγアルミナに変態することがなく、絶縁性の高いαアルミナの被膜が得られる。
また、セレーション部に形成された上記セラミックス被膜は内輪とシャフトの嵌合により固定され、摺動等による局部的な面圧を受けることがないためセラミックス被膜が剥離することなく安定に保たれる。
また、高温にさらされることがないAD法で、αアルミナを用いて成膜するので、αアルミナがγアルミナに変態することがなく、絶縁性の高いαアルミナの被膜が得られる。
真空チャンバー内等で、位置決め用XYテーブル上に軸を回転させる対象物回転用モータを設置し、エアロゾル噴射ノズルを固定し、中間軸を回転させながらかつ軸方向に移動させるので、曲面である中間軸のセレーション部にセラミックス被膜を均一に形成できる。回転させてエアロゾルによる被膜を塗り重ねることで、数μm〜数十μm の緻密なセラミックス被膜を密着性良好に形成できる。また、ワークの冷却不要、ニッケルアルミ等の下地処理不要および封孔処理不要などにより、製造コストが大幅に安くなる。
本発明の電食防止等速ジョイントの一実施例を図1に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例である摺動型の電食防止等速ジョイントの断面図である。図1に示すように電食防止等速ジョイント4は、外周面1bに軸方向の案内溝1aを形成した内輪1と、内周面2bに軸方向の案内溝2aを形成した外輪2と、案内溝1a、2a間に介在し、案内溝1a、2aとの接触部を介してトルクを伝達する転動体であるボール3と、内輪1の外周面1bと外輪2の内周面2bとに接触案内されてボール3を作動角の角度2等分面内に保持する保持器5とを主要な構成要素とし、一対のものを中間軸8を介して相互に連結して使用する。そして、一方の等速ジョイントの外輪2をロール駆動軸6にフランジ結合し、他方の等速ジョイントの外輪2をロール9にフランジ結合してある。また、それぞれの外輪2の開口部にブーツ7を装着してある。
電気系統から漏れた漏洩電流は、例えば図1において、ロール駆動軸6等を介して等速ジョイントに流入し、外輪2→ボール3→内輪1あるいは外輪2→保持器5→内輪1の経路を経て内輪1と嵌合する中間軸8にいたり、中間軸8からロール9側の内輪1→保持器5→外輪2あるいは内輪1→保持器5→外輪2の経路を経てロール9に流れようとする。
本発明においては内輪1と嵌合する中間軸8のセレーション部にセラミックス被膜8aが絶縁被膜として被覆されているので、ロール駆動軸6から漏洩電流が流入しても中間軸8のセレーション部で遮断されロール9に流れることがない。
本発明においては内輪1と嵌合する中間軸8のセレーション部にセラミックス被膜8aが絶縁被膜として被覆されているので、ロール駆動軸6から漏洩電流が流入しても中間軸8のセレーション部で遮断されロール9に流れることがない。
さらに、漏洩電流の流れを遮断する方法として、本発明の中間軸8のセレーション部にセラミックス被膜8aを形成する方法に加えて、(1)ボール3を絶縁材料であるセラミックスで形成する方法、(2)ボール3の表面にセラミックス被膜を形成する方法、(3)保持器5を絶縁材料であるセラミックスで形成する方法、(4)保持器5の表面にセラミックス被膜を形成する方法等を併用することもできる。
以上で説明した実施例は、ボールを用いた摺動型の等速ジョイントに関するものであるが、本発明はこれに限定されず、スフェリカルローラを用いたトリポート型の等速ジョイントや他の形式の等速ジョイント、例えば、ボールフィックスジョイント、クロスグルーブジョイント、トリボールジョイント等にも適用することができる。
本発明においてAD法は、原料セラミックスの微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材である中間軸のセレーション部に向けてエアロゾル噴射ノズルより噴射し、エアロゾルをこの基材表面に高速で衝突させ、微粒子の構成材料からなる被膜を基材上に形成させる方法である。セラミックス微粒子は、衝突により粉砕し、清浄な新生表面を形成し、低温接合を生じさせるので、室温で微粒子同士の接合を実現できる。
エアロゾル中ではセラミックスの微粒子は分散状態を維持している。溶射法から得られる被膜が多孔質であるのに対し、AD法により得られる被膜は、上記のようにエアロゾルに分散した微粒子から被膜を形成するので、得られる被膜は極めて緻密なセラミックス層となる。このため、基材である中間軸のセレーション部に該被膜を形成した電食防止等速ジョイントは、車両走行時等において水分にさらされても、水分が浸透できる空孔を持たないセラミックス層に保護されるので通電することがなく、絶縁抵抗の低下を招くこともない。
また、AD法によるセラミックス被膜は緻密で絶縁性に優れるので、一定の絶縁抵抗を確保するために必要な被膜厚さは、溶射法に比べて薄くすることができる。
エアロゾル中ではセラミックスの微粒子は分散状態を維持している。溶射法から得られる被膜が多孔質であるのに対し、AD法により得られる被膜は、上記のようにエアロゾルに分散した微粒子から被膜を形成するので、得られる被膜は極めて緻密なセラミックス層となる。このため、基材である中間軸のセレーション部に該被膜を形成した電食防止等速ジョイントは、車両走行時等において水分にさらされても、水分が浸透できる空孔を持たないセラミックス層に保護されるので通電することがなく、絶縁抵抗の低下を招くこともない。
また、AD法によるセラミックス被膜は緻密で絶縁性に優れるので、一定の絶縁抵抗を確保するために必要な被膜厚さは、溶射法に比べて薄くすることができる。
本発明においてAD法によるセラミックス被膜を形成するための、エアロゾル原料となるセラミックス微粒子としては、絶縁性が良好なアルミナ、ジルコニア、チタニア等の酸化物セラミックス微粒子等が挙げられる。それぞれのセラミックスの高純度グレードにおいて、真比重が小さい方がエアロゾル化しやすいことから、アルミナ微粒子が好ましい。
本発明に用いることができるアルミナ微粒子の平均粒子径は、0.01μm〜2μm である。0.01μm 未満では凝集しやすくエアロゾル化は困難であり、2μm をこえるとAD法での膜形成はできない(膜成長しない)。
アルミナ微粒子の粒子径調整方法としては、アルコキシド法やコロイド法、アンモニウム明礬の熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン法の化学的手法や、ガス中蒸発法やスパッタリング(気相酸化)法、アルミニウムの水中火花放電法などの物理的手法を用いて作製された数十 nm 以下の微細な微粒子を加熱し、粒子径で数100 nm 程度の2次粒子に凝集させる方法等が挙げられる。また、被膜形成を良好に行なうため、基材への衝突時にアルミナ微粒子が容易に粉砕するように、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いてクラックを予め形成しておくことが好ましい。
本発明に用いることができるアルミナ微粒子の平均粒子径は、0.01μm〜2μm である。0.01μm 未満では凝集しやすくエアロゾル化は困難であり、2μm をこえるとAD法での膜形成はできない(膜成長しない)。
アルミナ微粒子の粒子径調整方法としては、アルコキシド法やコロイド法、アンモニウム明礬の熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン法の化学的手法や、ガス中蒸発法やスパッタリング(気相酸化)法、アルミニウムの水中火花放電法などの物理的手法を用いて作製された数十 nm 以下の微細な微粒子を加熱し、粒子径で数100 nm 程度の2次粒子に凝集させる方法等が挙げられる。また、被膜形成を良好に行なうため、基材への衝突時にアルミナ微粒子が容易に粉砕するように、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いてクラックを予め形成しておくことが好ましい。
AD法では、溶射法と異なり高温処理が不要であるため、高温にさらされることによる原料セラミックスの変態による絶縁性の低下を招くこともない。例えば、絶縁性に優れたαアルミナを用いても溶射法ではγアルミナに変態して絶縁性が低下するため、膜厚を増加させる必要があるが、AD法でαアルミナを用いると絶縁性の高いαアルミナのままで成膜できるので、絶縁性の高いセラミックス層が得られる。
本発明においてAD法によるセラミックス被膜の形成方法としては、中間軸を固定してエアロゾル噴射ノズルを移動させて被膜を形成する方法、または、エアロゾル噴射ノズルを固定して中間軸を移動させて被膜を形成する方法のいずれも採用できる。
これらの方法の中で、エアロゾルを安定な状態で吹きつけることができ、位置決め用XYテーブルおよび対象物回転用モータを併用し、中間軸を回転させつつ軸方向に移動させることで、セラミックス被膜を容易に塗り重ねて形成できることから、後者の方法を用いることが好ましい。
これらの方法の中で、エアロゾルを安定な状態で吹きつけることができ、位置決め用XYテーブルおよび対象物回転用モータを併用し、中間軸を回転させつつ軸方向に移動させることで、セラミックス被膜を容易に塗り重ねて形成できることから、後者の方法を用いることが好ましい。
本発明におけるAD法を図2に基づいて説明する。図2はAD法によるセラミックス被膜形成装置を示す図である。図2に示すように、AD法によるセラミックス被膜形成装置10は真空チャンバー11を有する。真空チャンバー11内には、セラミックス被膜形成対象である中間軸13と、エアロゾル噴射ノズル18とが配設されている。エアロゾル噴射ノズル18にはエアロゾル発生装置17からエアロゾルが供給される。真空チャンバー11内部は真空ポンプ12によって減圧される。セラミックス微粒子の混入を防止するため、真空ポンプ12の直前に微粒子フィルター19が設けられている。中間軸13は、真空チャンバー11内において、対象物回転用モータ15により回転させられ(図中A)、位置決め用XYテーブル14により軸方向に移動させられる(図中B)。
エアロゾル噴射ノズル18は、セラミックス微粒子を、長方形等の開口部を有するノズル先端から、基材周面に噴射するものである。なお、エアロゾル噴射ノズル18は、1本であっても複数本であってもよい。また、エアロゾル噴射ノズル18は、真空チャンバー11内で変位可能に構成してもよい。
エアロゾルの搬送ガスとしては、不活性ガスを使用し、ガス供給設備16からエアロゾル発生装置17に供給されている。使用可能な不活性ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム等が挙げられる。
固定したエアロゾル噴射ノズル18から、対象物回転用モータ15により所定回転数で回転している中間軸13に、セラミックス微粒子を原料とするエアロゾルが噴射され、中間軸13周面にセラミックス被膜が塗り重ねられて形成される。同時に、位置決め用XYテーブル14により中間軸13を軸方向に移動させることで、均一に被膜が形成される。
被膜形成は、被膜厚さが 4μm 程度となるまで行なうことが好ましい。4μm 未満であると十分な絶縁抵抗が得られず、200μm をこえるとセレーション部の寸法精度が悪くなる。
エアロゾルの搬送ガスとしては、不活性ガスを使用し、ガス供給設備16からエアロゾル発生装置17に供給されている。使用可能な不活性ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム等が挙げられる。
固定したエアロゾル噴射ノズル18から、対象物回転用モータ15により所定回転数で回転している中間軸13に、セラミックス微粒子を原料とするエアロゾルが噴射され、中間軸13周面にセラミックス被膜が塗り重ねられて形成される。同時に、位置決め用XYテーブル14により中間軸13を軸方向に移動させることで、均一に被膜が形成される。
被膜形成は、被膜厚さが 4μm 程度となるまで行なうことが好ましい。4μm 未満であると十分な絶縁抵抗が得られず、200μm をこえるとセレーション部の寸法精度が悪くなる。
図1に示す電食防止等速ジョイントを作成し試験用等速ジョイントとした。作成において、内輪1と中間軸8とは、内輪1と嵌合する中間軸8のセレーション部に、アルミナ微粒子からなる被膜8aをAD法により形成した後に嵌合した。AD法は、位置決め用XYテーブルおよび対象物回転用モータを併用した駆動装置を用いて、周速 6 mm/分で回転しつつ軸方向に移動する中間軸に、100 Pa以下の減圧下で、開口サイズ 5 mm× 0.3 mm のノズルを通してアルミナ微粒子のエアロゾルを噴射して被膜形成を行なった。被膜形成は、被膜厚さが 4μm となるまで行なった。
アルミナ微粒子は、大明化学工業社製:タイミクロンTM-DARを用い、平均粒子径 0.16μm で、10 Pa 以下の減圧下、加熱乾燥処理して使用した。なお、搬送ガスにはヘリウムを用い、粒子速度は搬送ガス流量で制御した。
得られた試験用等速ジョイントは、所定の絶縁抵抗( 10 MΩ以上/500V負荷時)が得られることが確認できた。
アルミナ微粒子は、大明化学工業社製:タイミクロンTM-DARを用い、平均粒子径 0.16μm で、10 Pa 以下の減圧下、加熱乾燥処理して使用した。なお、搬送ガスにはヘリウムを用い、粒子速度は搬送ガス流量で制御した。
得られた試験用等速ジョイントは、所定の絶縁抵抗( 10 MΩ以上/500V負荷時)が得られることが確認できた。
本発明の電食防止等速ジョイントは、中間軸のセレーション部に、被膜表面と中間軸素地とを連通することのない緻密なセラミックス被膜をAD法により形成したので高い絶縁性能を保持できる。このため、自動車や各種産業機械に用いられる等速ジョイントにおいて電食防止等速ジョイント、絶縁等速ジョイントとして好適に利用できる。
1 内輪
1a 案内溝
1b 外周面
2 外輪
2a 案内溝
2b 内周面
3 ボール
4 電食防止等速ジョイント
5 保持器
6 ロール駆動軸
7 ブーツ
8 中間軸
8a セラミックス被膜
9 ロール
10 セラミックス被膜形成装置
11 真空チャンバー
12 真空ポンプ
13 中間軸
14 位置決め用XYテーブル
15 対象物回転用モータ
16 ガス供給設備
17 エアロゾル発生装置
18 エアロゾル噴射ノズル
19 微粒子フィルター
1a 案内溝
1b 外周面
2 外輪
2a 案内溝
2b 内周面
3 ボール
4 電食防止等速ジョイント
5 保持器
6 ロール駆動軸
7 ブーツ
8 中間軸
8a セラミックス被膜
9 ロール
10 セラミックス被膜形成装置
11 真空チャンバー
12 真空ポンプ
13 中間軸
14 位置決め用XYテーブル
15 対象物回転用モータ
16 ガス供給設備
17 エアロゾル発生装置
18 エアロゾル噴射ノズル
19 微粒子フィルター
Claims (4)
- 内、外輪の案内溝と転動体との係り合いによって回転トルクの伝達が行なわれ、前記転動体が前記案内溝に沿って転動することによって軸方向移動がなされ、前記内輪と嵌合する中間軸のセレーション部にセラミックス被膜が形成されてなる電食防止等速ジョイントであって、
前記セラミックス被膜は、エアロゾルデポジション法により形成される被膜であることを特徴とする電食防止等速ジョイント。 - 前記セラミックス被膜は、アルミナ微粒子をエアロゾル原料として使用した被膜であることを特徴とする請求項1記載の電食防止等速ジョイント。
- 前記アルミナ微粒子の平均粒子径は、0.01μm〜2μm であることを特徴とする請求項2記載の電食防止等速ジョイント。
- 前記セラミックス被膜は、エアロゾル噴射ノズルを固定し、前記中間軸を、対象物回転用モータを用いて回転させつつ、位置決め用XYテーブルを用いて軸方向に移動させて形成することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の電食防止等速ジョイント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006095277A JP2007270899A (ja) | 2006-03-30 | 2006-03-30 | 電食防止等速ジョイント |
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JP2006095277A JP2007270899A (ja) | 2006-03-30 | 2006-03-30 | 電食防止等速ジョイント |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009127635A (ja) * | 2007-11-19 | 2009-06-11 | Ntn Corp | 等速自在継手 |
CN102179411A (zh) * | 2010-12-16 | 2011-09-14 | 天津市新宇彩板有限公司 | 六辊可逆轧钢机专用电机组结构 |
JP2020148283A (ja) * | 2019-03-14 | 2020-09-17 | Ntn株式会社 | 等速自在継手用外側継手部材 |
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2006
- 2006-03-30 JP JP2006095277A patent/JP2007270899A/ja active Pending
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