JP2023049768A - 全固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 焼結プロセスにおける正負極間の収縮ミスマッチを抑制しつつ、良好な容量バランスを実現することができる全固体電池を提供する。【解決手段】 全固体電池は、酸化物系固体電解質層と、前記酸化物系固体電解質層の第1主面上に設けられ正極層と、前記酸化物系固体電解質層の第2主面上に設けられた負極層と、を備え、前記正極層および前記負極層のいずれか一方の電極層は、未充電時よりも充電時の電子伝導が高くなりかつ他方の電極層の活物質よりも体積比容量が小さな活物質を含み、前記他方の電極層よりも活物質体積比率が高く、前記他方の電極層よりも導電助剤の体積比率が低く、前記一方の電極層の平均厚みT1と、前記他方の電極層の平均厚みT2との比率T1/T2は、0.75以上、1.3以下であることを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、全固体電池に関する。
近年、二次電池が様々な分野で利用されている。電解液を用いた二次電池には、電解液の漏洩等の問題がある。そこで、固体電解質を備え、他の要素技術も固体で構成した全固体電池の開発が行われている。
比容量の異なる正極活物質と負極活物質とを組み合わせる場合、一般的な二次電池では、正負極それぞれの電極層内に活物質を最大量充填させ、電極層の厚みを変化させることで、正負極の容量バランスをとることが一般的である。
特開2019-164484号公報
第61回電池討論会要旨集3J18
例えば、特許文献1のように、負極活物質であるグラファイトの充填率を高め、NCA系正極活物質と組み合わせた全固体電池が開示されている。この電池では、グラファイトの方が高い体積比容量を有し、かつ充填率も高くしているため、正極との容量バランスをとろうとすると、正極層を厚くしなければならない。硫化物系の全固体電池は加圧による作製が可能であるため、このような厚みにより容量バランスを取ることが可能であるが、焼結プロセスを必要とする酸化物系固体電解質を用いた全固体電池においては、各材料間の組み合わせおよび焼結温度により変化が激しく、厚みにより容量バランスを取ることが困難になる。
非特許文献1にあるように、正負極の電極層厚みによって容量バランスをとろうとすると、焼結プロセスにおける正負極間の収縮ミスマッチによる層間?離や反りなどの不具合が問題となる。
正負極層を同等の厚みとした場合、体積比容量の小さい方の電極活物質の充填量(体積比率)を増加させるために、電極層内の導電助剤やイオン伝導助剤(固体電解質)の充填量(体積比率)を下げる必要があり、電子伝導性、イオン伝導性の低下が問題となる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、焼結プロセスにおける正負極間の収縮ミスマッチを抑制しつつ、良好な容量バランスを実現することができる全固体電池を提供することを目的とする。
本発明に係る全固体電池は、酸化物系固体電解質層と、前記酸化物系固体電解質層の第1主面上に設けられ正極層と、前記酸化物系固体電解質層の第2主面上に設けられた負極層と、を備え、前記正極層および前記負極層のいずれか一方の電極層は、未充電時よりも充電時の電子伝導が高くなりかつ他方の電極層の活物質よりも体積比容量が小さな活物質を含み、前記他方の電極層よりも活物質体積比率が高く、前記他方の電極層よりも導電助剤の体積比率が低く、前記一方の電極層の平均厚みT1と、前記他方の電極層の平均厚みT2との比率T1/T2は、0.75以上、1.3以下であることを特徴とする。
上記全固体電池において、前記一方の電極層は、前記正極層であり、前記他方の電極層は、前記負極層であってもよい。
上記全固体電池の前記一方の電極層において、イオン伝導性を有する固体電解質の体積比率は、30Vol.%以上、60Vol.%以下であってもよい。
上記全固体電池において、前記一方の電極層が前記正極層である場合に、未充電時よりも充電時の電子伝導が高くなる活物質は、LiCoPO、LiCoPまたはLiCo(Pであってもよい。
上記全固体電池の前記一方の電極層において、前記活物質の体積比率は、15Vol.%以上、55Vol.%以下であってもよい。
上記全固体電池の前記一方の電極層において、前記導電助剤の体積比率は、8Vol.%以上、24Vol.%以下であってもよい。
上記全固体電池において、前記一方の電極層が前記負極層である場合に、未充電時よりも充電時の電子伝導が高くなる活物質は、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO、LiTi(PO、またはLiTiOPOであってもよい。
本発明によれば、焼結プロセスにおける正負極間の収縮ミスマッチを抑制しつつ、良好な容量バランスを実現することができる全固体電池を提供することができる。
全固体電池の基本構造を示す模式的断面図である。 全固体電池の基本構造を示す模式的断面図である。 積層型の全固体電池の模式的断面図である。 積層型の他の全固体電池の模式的断面図である。 全固体電池の製造方法のフローを例示する図である。 (a)および(b)は積層工程を例示する図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る全固体電池100の基本構造を示す模式的断面図である。図1で例示するように、全固体電池100は、正極層10と負極層20とによって、固体電解質層30が挟持された構造を有する。例えば、正極層10は固体電解質層30の第1主面上に形成されており、負極層20は固体電解質層30の第2主面上に形成されている。
固体電解質層30は、イオン伝導性を有する固体電解質を主成分とする。固体電解質層30の固体電解質は、例えばリチウムイオン伝導性を有する酸化物系の固体電解質である。当該固体電解質は、例えば、NASICON構造を有するリン酸塩系固体電解質である。NASICON構造を有するリン酸塩系固体電解質は、高い導電率を有するとともに、大気中で安定しているという性質を有している。リン酸塩系固体電解質は、例えば、リチウムを含んだリン酸塩である。当該リン酸塩は、特に限定されるものではないが、例えば、Tiとの複合リン酸リチウム塩(例えば、LiTi(PO)などが挙げられる。または、TiをGe,Sn,Hf,Zrなどといった4価の遷移金属に一部あるいは全部置換することもできる。また、Li含有量を増加させるために、Al,Ga,In,Y,Laなどの3価の遷移金属に一部置換してもよい。より具体的には、例えば、Li1+xAlGe2-x(POや、Li1+xAlZr2-x(PO、Li1+xAlTi2-x(POなどが挙げられる。
図2で例示するように、正極層10は、正極活物質12、導電助剤13、固体電解質14などを備えている。負極層20は、負極活物質22、導電助剤23、固体電解質24などを備えている。正極層10が正極活物質12を備え、負極層20が負極活物質22を備えることによって、全固体電池100を二次電池として用いることができる。正極層10が導電助剤13を備え、負極層20が導電助剤23を備えることによって、正極層10および負極層20に導電性が得られる。正極層10が固体電解質14を備え、負極層20が固体電解質24を備えることによって、正極層10および負極層20にイオン伝導性が得られる。なお、図2において、固体電解質層30についてはハッチを省略してある。また、固体電解質14,24についてもハッチを省略してある。
正極活物質12は、未充電時(空充電時)よりも充電時の電子伝導性が高くなる正極活物質である。正極活物質12は、例えば、LiCoPO、LiCoPまたはLiCo(Pなどである。
負極活物質22は、負極作用を有する活物質であれば特に限定されるものではないが、例えば、Nb、V、Taなどである。
導電助剤13,23は、導電性材料であれば特に限定されるものではないが、例えば、カーボン材料などである。または、導電助剤13,23として、金属を用いてもよい。導電助剤13,23の金属としては、Pd、Ni、Cu、Fe、これらを含む合金などが挙げられる。
固体電解質14,24、イオン伝導性を有する固体電解質であれば特に限定されるものではない。固体電解質14,24として、例えば、固体電解質層30の主成分である固体電解質を用いることができる。
負極活物質22は特に限定されるものではないが、正極活物質12と負極活物質22との組み合わせにおいて、正極活物質12として、負極活物質22よりも体積比容量が小さい活物質を用いる。また、正極層10における正極活物質12の体積比率が、負極層20における負極活物質22の体積比率よりも高くなっている。また、正極層10における導電助剤13の体積比率が、負極層20における導電助剤23の体積比率よりも低くなっている。
この構成によれば、電子伝導性低下の影響を軽微にしつつ、正極層10と負極層20との間で、良好な容量バランスを実現できるようになる。例えば、正極活物質12の方が負極活物質22よりも体積比容量が小さい場合、同じ電極層厚みで正極層10と負極層20との容量バランスをとるためには、正極活物質12の充填量を多くすることが望まれる。しかしながら、導電助剤13を減らすと電子伝導が低下し高抵抗となるゆえ、導電助剤13を減らすことはできないが、充電により電子伝導が向上する正極活物質12を適用することで、電池を動作させる充電状態においては正極層10内の電子伝導を十分とすることできるため、正極層10の厚みと負極層20の厚みとの差異を小さくしても、良好な容量バランスを実現することができる。
また、本実施形態において、正極層10の平均厚みT1と、負極層20の平均厚みT2との比率T1/T2を0.75以上、1.3以下とする。このように、比率T1/T2を0.75以上、1.3以下とすることで、正極層10の厚みと負極層20の厚みとの差異が小さくなる。それにより、焼結プロセスにおける正極層10と負極層20との間の収縮ミスマッチを抑制することができる。それにより、全固体電池100における反りを抑制することができ、クラックの発生を抑制することができる。
以上のことから、本実施形態に係る全固体電池100は、焼結プロセスにおける正負極間の収縮ミスマッチを抑制しつつ、良好な容量バランスを実現することができる。
なお、正極層10の平均厚みT1および負極層20の平均厚みT2は、積層方向に対して垂直切断した断面のSEM観察で10か所の厚みの平均値をとることで測定することができる。
正極層10において、正極活物質12の体積比率が小さすぎると、十分な容量密度を確保できないおそれがある。そこで、正極層10において、正極活物質12の体積比率に下限を設けることが好ましい。例えば、正極層10において、正極活物質12の体積比率は、15Vol.%以上であることが好ましく、17.5Vol.%以上であることがより好ましく、20Vol.%以上であることがさらに好ましい。
正極層10において、正極活物質12の体積比率が大きすぎると、電極の焼結緻密化不足や電子伝導性、イオン伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、正極層10において、正極活物質12の体積比率に上限を設けることが好ましい。例えば、正極層10において、正極活物質12の体積比率は、55Vol.%以下であることが好ましく、50Vol.%以下であることがより好ましく、45Vol.%以下であることがさらに好ましい。
正極層10において、導電助剤13の体積比率が小さすぎると、電子伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、正極層10において、導電助剤13の体積比率に下限を設けることが好ましい。例えば、正極層10において、導電助剤13の体積比率は、8Vol.%以上であることが好ましく、9Vol.%以上であることがより好ましく、10Vol.%以上であることがさらに好ましい。
正極層10において、導電助剤13の体積比率が大きすぎると、容量低下、電極の焼結緻密化不足やイオン伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、正極層10において、導電助剤13の体積比率に上限を設けることが好ましい。例えば、正極層10において、導電助剤13の体積比率は、24Vol.%以下であることが好ましく、22Vol.%以下であることがより好ましく、20Vol.%以下であることがさらに好ましい。
正極層10において、固体電解質14の体積比率が小さすぎると、イオン伝導性低下や電極の焼結緻密化不足のおそれがある。そこで、正極層10において、固体電解質14の体積比率に下限を設けることが好ましい。例えば、正極層10において、固体電解質14の体積比率は、30Vol.%以上であることが好ましく、35Vol.%以上であることがより好ましく、40Vol.%以上であることがさらに好ましい。
正極層10において、固体電解質14の体積比率が大きすぎると、容量低下や電子伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、正極層10において、固体電解質14の体積比率に上限を設けることが好ましい。例えば、正極層10において、固体電解質14の体積比率は、65Vol.%以下であることが好ましく、60Vol.%以下であることがより好ましく、55Vol.%以下であることがさらに好ましい。
負極層20において、負極活物質22の体積比率が小さすぎると、十分な容量密度を確保できないおそれがある。そこで、負極層20において、負極活物質22の体積比率に下限を設けることが好ましい。例えば、負極層20において、負極活物質22の体積比率は、10Vol.%以上であることが好ましく、12.5Vol.%以上であることがより好ましく、15Vol.%以上であることがさらに好ましい。
負極層20において、負極活物質22の体積比率が大きすぎると、電極の焼結緻密化不足や電子伝導性、イオン伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、負極層20において、負極活物質22の体積比率に上限を設けることが好ましい。例えば、負極層20において、負極活物質22の体積比率は、45Vol.%以下であることが好ましく、40Vol.%以下であることがより好ましく、35Vol.%以下であることがさらに好ましい。
負極層20において、導電助剤23の体積比率が小さすぎると、電子伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、負極層20において、導電助剤23の体積比率に下限を設けることが好ましい。例えば、負極層20において、導電助剤23の体積比率は、16Vol.%以上であることが好ましく、18Vol.%以上であることがより好ましく、20Vol.%以上であることがさらに好ましい。
負極層20において、導電助剤23の体積比率が大きすぎると、容量低下、電極の焼結緻密化不足やイオン伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、負極層20において、導電助剤23の体積比率に上限を設けることが好ましい。例えば、負極層20において、導電助剤23の体積比率は、50Vol.%以下であることが好ましく、45Vol.%以下であることがより好ましく、40Vol.%以下であることがさらに好ましい。
負極層20において、固体電解質24の体積比率が小さすぎると、イオン伝導性低下や電極の焼結緻密化不足のおそれがある。そこで、負極層20において、固体電解質24の体積比率に下限を設けることが好ましい。例えば、負極層20において、固体電解質24の体積比率は、30Vol.%以上であることが好ましく、35Vol.%以上であることがより好ましく、40Vol.%以上であることがさらに好ましい。
負極層20において、固体電解質24の体積比率が大きすぎると、容量低下や電子伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、負極層20において、固体電解質24の体積比率に上限を設けることが好ましい。例えば、負極層20において、固体電解質24の体積比率は、65Vol.%以下であることが好ましく、60Vol.%以下であることがより好ましく、55Vol.%以下であることがさらに好ましい。
正極層10と負極層20との間で、焼結プロセスにおける正極層10と負極層20との間の収縮ミスマッチを抑制する観点から、比率T1/T2は、0.75以上1.30以下であることが好ましく、0.80以上1.25以下であることがより好ましい。
ところで、IoTデバイスやウェアラブル機器の普及に伴い、小型薄型でありながら高容量かつ高出力のまた安全性を重視した全固体電池の採用が期待されている。さらに、バックアップ用途では、定電圧(CV)充電が可能であること、ハイレート放電(パルス放電)が可能であることなどが要求されている。CV充電可能な二次電池は、電流制御ICを設ける必要が無いため、デバイス内部の部品点数、占有体積を減らせるため、小型化や低コスト化できるメリットがある。
例えば、電池の収納缶内蓋面をエッチング処理により凹凸構造として低抵抗化することで、mAオーダーの大電流パルス放電が可能な非水電解質二次電池が開発されている。または、集電体上にカーボン層を設けて焼結電極板に接触させて、収納缶のカシメによる圧力により接触を保持させることにより、CV充電・パルス充放電といったIoTデバイス向け使用条件において繰り返し動作させても電池抵抗が上昇しにくいコイン形リチウム二次電池が開発されている。
これらの二次電池は、内部抵抗をできる限り低減したり、抵抗が上昇しにくいように工夫がされており、パルス放電のようなハイレート放電に適している。一方で、これらの二次電池は、充電を簡素化するためにCV充電した際に瞬間的な大電流が流れることを防止するために、制限抵抗を設ける必要があり、パッケージおよび制御回路設計において簡素化が特に望まれる用途には不向きと言える。
例えば、ハイレート放電を可能とするためにどの充電率(SOC:State of Charge)でも低抵抗の全固体電池とすると、低SOCの状態からCV充電をした際に大電流が流れてしまい、制限抵抗なしには電池の故障や回路への影響が懸念される。一方、電池の抵抗を高くすると、充電時の電流量を抑制できるが、ハイレート放電には適さなくなる。そこで、充電前の低SOC時は高抵抗で、充電後の高SOC時には低抵抗の全固体電池が求められる。
本実施形態に係る全固体電池100では、未充電時よりも満充電時の電子伝導が高くなる正極活物質12を用いておりかつ正極層10における導電助剤13の体積比率が負極層20における導電助剤23の体積比率よりも低いため、低SOC時の大電流が抑制され、安定なCV充電が可能となる。一方で、充電時に律速となる正極活物質12の電子伝導性が高SOC時には高くなるため、ハイレート放電が可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態においては、負極層20は、未充電時よりも充電時の電子伝導が高くなりかつ正極層10の正極活物質12よりも体積比容量が小さな負極活物質22を含み、正極層10よりも活物質体積比率が高く、正極層10よりも導電助剤の体積比率が低くなっている。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。
負極活物質22は、未充電時(空充電時)よりも充電時の電子伝導性が高くなる負極活物質である。負極活物質22は、例えば、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO、LiTi(PO、LiTiOPOなどである。
正極活物質12は、正極作用を有する活物質であれば特に限定されるものではないが、例えば、LiFePO、LiMnPO、LiMnなどである。
正極活物質12は特に限定されるものではないが、正極活物質12と負極活物質22との組み合わせにおいて、負極活物質22として、正極活物質12よりも体積比容量が小さい活物質を用いる。また、負極層20における負極活物質22の体積比率が、正極層10における正極活物質12の体積比率よりも高くなっている。また、負極層20における導電助剤23の体積比率が、正極層10における導電助剤13の体積比率よりも低くなっている。
この構成によれば、電子伝導性低下の影響を軽微にしつつ、正極層10と負極層20との間で、良好な容量バランスを実現できるようになる。
本実施形態においては、負極層20の平均厚みをT1と表記し、正極層10の平均厚みをT2と表記する。本実施形態においては、比率T1/T2を0.75以上、1.3以下とすることで、正極層10の厚みと負極層20の厚みとの差異が小さくなる。それにより、焼結プロセスにおける正極層10と負極層20との間の収縮ミスマッチを抑制することができる。それにより、全固体電池100における反りを抑制することができ、クラックの発生を抑制することができる。
以上のことから、本実施形態においても、焼結プロセスにおける正負極間の収縮ミスマッチを抑制しつつ、良好な容量バランスを実現することができる。
正極層10において、正極活物質12の体積比率が小さすぎると、十分な容量密度を確保できないおそれがある。そこで、正極層10において、正極活物質12の体積比率に下限を設けることが好ましい。例えば、正極層10において、正極活物質12の体積比率は、10Vol.%以上であることが好ましく、12.5Vol.%以上であることがより好ましく、15Vol.%以上であることがさらに好ましい。
正極層10において、正極活物質12の体積比率が大きすぎると、電極の焼結緻密化不足や電子伝導性、イオン伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、正極層10において、正極活物質12の体積比率に上限を設けることが好ましい。例えば、正極層10において、正極活物質12の体積比率は、45Vol.%以下であることが好ましく、40Vol.%以下であることがより好ましく、35Vol.%以下であることがさらに好ましい。
正極層10において、導電助剤13の体積比率が小さすぎると、電子伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、正極層10において、導電助剤13の体積比率に下限を設けることが好ましい。例えば、正極層10において、導電助剤13の体積比率は、16Vol.%以上であることが好ましく、18Vol.%以上であることがより好ましく、20Vol.%以上であることがさらに好ましい。
正極層10において、導電助剤13の体積比率が大きすぎると、容量低下、電極の焼結緻密化不足やイオン伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、正極層10において、導電助剤13の体積比率に上限を設けることが好ましい。例えば、正極層10において、導電助剤13の体積比率は、50Vol.%以下であることが好ましく、45Vol.%以下であることがより好ましく、40Vol.%以下であることがさらに好ましい。
正極層10において、固体電解質14の体積比率が小さすぎると、イオン伝導性低下や電極の焼結緻密化不足のおそれがある。そこで、正極層10において、固体電解質14の体積比率に下限を設けることが好ましい。例えば、正極層10において、固体電解質14の体積比率は、30Vol.%以上であることが好ましく、35Vol.%以上であることがより好ましく、40Vol.%以上であることがさらに好ましい。
正極層10において、固体電解質14の体積比率が大きすぎると、容量低下や電子伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、正極層10において、固体電解質14の体積比率に上限を設けることが好ましい。例えば、正極層10において、固体電解質14の体積比率は、65Vol.%以下であることが好ましく、60Vol.%以下であることがより好ましく、55Vol.%以下であることがさらに好ましい。
負極層20において、負極活物質22の体積比率が小さすぎると、十分な容量密度を確保できないおそれがある。そこで、負極層20において、負極活物質22の体積比率に下限を設けることが好ましい。例えば、負極層20において、負極活物質22の体積比率は、15Vol.%以上であることが好ましく、17.5Vol.%以上であることがより好ましく、20Vol.%以上であることがさらに好ましい。
負極層20において、負極活物質22の体積比率が大きすぎると、電極の焼結緻密化不足や電子伝導性、イオン伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、負極層20において、負極活物質22の体積比率に上限を設けることが好ましい。例えば、負極層20において、負極活物質22の体積比率は、55Vol.%以下であることが好ましく、50Vol.%以下であることがより好ましく、45Vol.%以下であることがさらに好ましい。
負極層20において、導電助剤23の体積比率が小さすぎると、電子伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、負極層20において、導電助剤23の体積比率に下限を設けることが好ましい。例えば、負極層20において、導電助剤23の体積比率は、8Vol.%以上であることが好ましく、9Vol.%以上であることがより好ましく、10Vol.%以上であることがさらに好ましい。
負極層20において、導電助剤23の体積比率が大きすぎると、容量低下、電極の焼結緻密化不足やイオン伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、負極層20において、導電助剤23の体積比率に上限を設けることが好ましい。例えば、負極層20において、導電助剤23の体積比率は、24Vol.%以下であることが好ましく、22Vol.%以下であることがより好ましく、20Vol.%以下であることがさらに好ましい。
負極層20において、固体電解質24の体積比率が小さすぎると、イオン伝導性低下や電極の焼結緻密化不足のおそれがある。そこで、負極層20において、固体電解質24の体積比率に下限を設けることが好ましい。例えば、負極層20において、固体電解質24の体積比率は、30Vol.%以上であることが好ましく、35Vol.%以上であることがより好ましく、40Vol.%以上であることがさらに好ましい。
負極層20において、固体電解質24の体積比率が大きすぎると、容量低下や電子伝導性低下による内部抵抗増大のおそれがある。そこで、負極層20において、固体電解質24の体積比率に上限を設けることが好ましい。例えば、負極層20において、固体電解質24の体積比率は、65Vol.%以下であることが好ましく、60Vol.%以下であることがより好ましく、55Vol.%以下であることがさらに好ましい。
なお、本実施形態では、未充電時よりも満充電時の電子伝導が高くなる負極活物質22を用いておりかつ負極層20における導電助剤23の体積比率が正極層10における導電助剤13の体積比率よりも低いため、低SOC時の大電流が抑制され、安定なCV充電が可能となる。一方で、充電時に律速となる負極活物質22の電子伝導性が高SOC時には高くなるため、ハイレート放電が可能となる。
(積層型全固体電池)
図3は、複数の電池単位が積層された積層型の全固体電池100aの模式的断面図である。全固体電池100aは、略直方体形状を有する積層チップ60を備える。積層チップ60において、積層方向端の上面および下面以外の4面のうちの2面である2側面に接するように、第1外部電極40aおよび第2外部電極40bが設けられている。当該2側面は、隣接する2側面であってもよく、互いに対向する2側面であってもよい。本実施形態においては、互いに対向する2側面(以下、2端面と称する)に接するように第1外部電極40aおよび第2外部電極40bが設けられているものとする。
以下の説明において、第1実施形態および第2実施形態に係る全固体電池100と同一の組成範囲、同一の厚み範囲、および同一の粒度分布範囲を有するものについては、同一符号を付すことで詳細な説明を省略する。
全固体電池100aにおいては、複数の正極層10と複数の負極層20とが、固体電解質層30を介して交互に積層されている。複数の正極層10の端縁は、積層チップ60の第1端面に露出し、第2端面には露出していない。複数の負極層20の端縁は、積層チップ60の第2端面に露出し、第1端面には露出していない。それにより、正極層10および負極層20は、第1外部電極40aと第2外部電極40bとに、交互に導通している。なお、固体電解質層30は、第1外部電極40aから第2外部電極40bにかけて延在している。このように、全固体電池100aは、複数の電池単位が積層された構造を有している。
正極層10、固体電解質層30および負極層20の積層構造の上面(図3の例では、最上層の正極層10の上面)に、カバー層50が積層されている。また、当該積層構造の下面(図3の例では、最下層の正極層10の下面)にも、カバー層50が積層されている。カバー層50は、例えば、Al、Zr、Tiなどを含む無機材料(例えば、Al、ZrO、TiOなど)を主成分とする。カバー層50は、固体電解質層30の主成分を主成分として含んでいてもよい。
正極層10および負極層20は、集電体層を備えていてもよい。例えば、図4で例示するように、正極層10内に第1集電体層11が設けられていてもよい。また、負極層20内に第2集電体層21が設けられていてもよい。第1集電体層11および第2集電体層21は、導電性材料を主成分とする。例えば、第1集電体層11および第2集電体層21の導電性材料として、金属、カーボンなどを用いることができる。第1集電体層11を第1外部電極40aに接続し、第2集電体層21を第2外部電極40bに接続することで、集電効率が向上する。
続いて、図3で例示した全固体電池100aの製造方法について説明する。図5は、全固体電池100aの製造方法のフローを例示する図である。
(固体電解質層用の原料粉末作製工程)
まず、上述の固体電解質層30を構成する固体電解質層用の原料粉末を作製する。例えば、原料、添加物などを混合し、固相合成法などを用いることで、酸化物系固体電解質の原料粉末を作製することができる。得られた原料粉末を乾式粉砕することで、所望の平均粒径に調整することができる。例えば、5mmφのZrOボールを用いた遊星ボールミルで、所望の平均粒径に調整する。
(カバー層用の原料粉末作製工程)
まず、上述のカバー層50を構成するセラミックスの原料粉末を作製する。例えば、原料、添加物などを混合し、固相合成法などを用いることで、カバー層用の原料粉末を作製することができる。得られた原料粉末を乾式粉砕することで、所望の平均粒径に調整することができる。例えば、5mmφのZrOボールを用いた遊星ボールミルで、所望の平均粒径に調整する。固体電解質層30とカバー層50とが同組成を有する場合には、固体電解質層用の原料粉末を代用することができる。
(電極層用ペースト作製工程)
次に、上述の正極層10および負極層20の作製用の内部電極用ペーストを個別に作製する。例えば、導電助剤、電極活物質、固体電解質材料、焼結助剤、バインダ、可塑剤などを水あるいは有機溶剤に均一分散させることで内部電極用ペーストを得ることができる。固体電解質材料として、上述した固体電解質ペーストを用いてもよい。導電助剤として、カーボン材料などを用いる。導電助剤として、金属を用いてもよい。導電助剤の金属としては、Pd、Ni、Cu、Fe、これらを含む合金などが挙げられる。Pd、Ni、Cu、Fe、これらを含む合金や各種カーボン材料などをさらに用いてもよい。
内部電極用ペーストの焼結助剤として、例えば、Li-B-O系化合物、Li-Si-O系化合物、Li-C-O系化合物、Li-S-O系化合物,Li-P-O系化合物などのガラス成分のどれか1つあるいは複数などのガラス成分が含まれている。
(外部電極用ペースト作製工程)
次に、上述の第1外部電極40aおよび第2外部電極40bの作製用の外部電極用ペーストを作製する。例えば、導電性材料、ガラスフリット、バインダ、可塑剤などを水あるいは有機溶剤に均一分散させることで外部電極用ペーストを得ることができる。
(固体電解質グリーンシート作製工程)
固体電解質層用の原料粉末を、結着材、分散剤、可塑剤などとともに、水性溶媒あるいは有機溶媒に均一に分散させて、湿式粉砕を行うことで、所望の平均粒径を有する固体電解質スラリを得る。このとき、ビーズミル、湿式ジェットミル、各種混練機、高圧ホモジナイザーなどを用いることができ、粒度分布の調整と分散とを同時に行うことができる観点からビーズミルを用いることが好ましい。得られた固体電解質スラリにバインダを添加して固体電解質ペーストを得る。得られた固体電解質ペーストを塗工することで、固体電解質グリーンシート51を作製することができる。塗工方法は、特に限定されるものではなく、スロットダイ方式、リバースコート方式、グラビアコート方式、バーコート方式、ドクターブレード方式などを用いることができる。湿式粉砕後の粒度分布は、例えば、レーザ回折散乱法を用いたレーザ回折測定装置を用いて測定することができる。
(積層工程)
図6(a)で例示するように、固体電解質グリーンシート51の一面に、内部電極用ペースト52を印刷する。固体電解質グリーンシート51上で内部電極用ペースト52が印刷されていない領域には、逆パターン53を印刷する。逆パターン53として、固体電解質グリーンシート51と同様のものを用いることができる。印刷後の複数の固体電解質グリーンシート51を、交互にずらして積層する。図6(b)で例示するように、積層方向の上下から、カバーシート54を圧着することで、積層体を得る。この場合、当該積層体において、一方の端面に正極層10用の内部電極用ペースト52が露出し、他方の端面に負極層20用の内部電極用ペースト52が露出するように、略直方体形状の積層体を得る。カバーシート54は、固体電解質グリーンシート作製工程と同様の手法でカバー層用の原料粉末を塗工することで形成することができる。カバーシート54は、固体電解質グリーンシート51よりも厚く形成しておく。塗工時に厚くしてもよく、塗工したシートを複数枚重ねることで厚くしてもよい。
次に、2端面のそれぞれに、ディップ法等で外部電極用ペースト55を塗布して乾燥させる。これにより、全固体電池100aを形成するための成型体が得られる。
(焼成工程)
次に、得られた積層体を焼成する。焼成の条件は酸化性雰囲気下あるいは非酸化性雰囲気下で、最高温度を好ましくは400℃~1000℃、より好ましくは500℃~900℃などとすることが特に限定なく挙げられる。最高温度に達するまでにバインダを十分に除去するために酸化性雰囲気において最高温度より低い温度で保持する工程を設けてもよい。プロセスコストを低減するためにはできるだけ低温で焼成することが望ましい。焼成後に、再酸化処理を施してもよい。以上の工程により、全固体電池100aが生成される。
なお、内部電極用ペーストと、導電性材料を含む集電体用ペーストと、内部電極用ペーストとを順に積層することで、正極層10および負極層20内に集電体層を形成することができる。
以下、実施形態に従って全固体電池を作製し、特性について調べた。
(実施例1)
正極活物質に、充電により電子伝導性が向上するLiCoPO(LCP:実質的な体積比容量450mAh/cm)を適用し、導電助剤にカーボン粉末(C)を適用し、固体電解質にLi-Al-Ge-P-O系イオン伝導体(LAGP)を適用し、LCPとCとLAGPとの体積比率を35:15:50となるように正極層用の内部電極用ペーストを作製した。
負極活物質に、Nb(1V vs. Li/Liまでの体積比容量920mAh/cm)を適用し、導電助剤にカーボン粉末(C)、固体電解質にLi-Al-Ge-P-O系イオン伝導体(LAGP)を適用し、NbとCとLAGPとの体積比率を17.5:32.5:50となるように負極層用の内部電極用ペーストを作製した。
LAGPからなる固体電解質、有機バインダ、分散剤、可塑剤、有機溶媒からなるスラリを用いてテープキャスト法にて厚さ20μmの固体電解質グリーンシートを作製した。
第1固体電解質グリーンシート上に、正極層用の内部電極用ペーストをスクリーン印刷法により塗布形成した。第2固体電解質グリーンシート上に、負極層用の内部電極用ペーストをスクリーン印刷法により塗布形成した。正極層用の内部電極用ペーストと、負極層用の内部電極用ペーストとが同じ厚みになるようにした。複数の第1固体電解質グリーンシートと、複数の第2固体電解質グリーンシートとを、正極層と負極層とが交互に左右に引き出されるように積層し、積層型全固体電池のグリーンチップを得た。グリーンチップを脱脂・焼成することで焼結し、外部電極用ペーストを塗布形成・硬化することで外部電極形成し、積層型全固体電池を得た。
積層型全固体電池の外観を観察したところ、反りやクラック等は見られなかった。正極活物質全量から推定される容量は1.20mAhであり、負極活物質全量から推定される容量は1.23mAhであったが、実際に電池特性を評価したところ、電池容量は1.15mAhであった。
(比較例1)
正極活物質に、充電後に電子伝導が上がらないLiFePO(LFP:体積比容量610mAh/cm)を適用し、LFPとCとLAGPとの体積比率を26:24:50となるようにしたこと以外、実施例1と同様に全固体電池を作製した。
積層型全固体電池の外観を観察したところ、反りやクラック等は見られなかった。正極活物質全量から推定される容量は1.21mAhであり、負極活物質全量から推定される容量は1.23mAhであったが、実際に電池特性を評価したところ、電池容量は0.67mAhであった。
(比較例2)
LCPとCとLAGPとの体積比率を20:30:50となるように正極層用の内部電極用ペーストを作製し、正負極の容量バランスをとるために正極層厚みを負極層厚みの1.75倍としたこと以外、実施例1と同様に全固体電池を作製した。
積層型全固体電池の外観を観察したところ、クラックが観察された。正極活物質全量から推定される容量は1.20mAhであり、負極活物質全量から推定される容量は1.23mAhであったが、実際に電池特性を評価したところ、電池はオープン故障しており、容量測定できなかった。
(比較例3)
LCPとCとLAGPとの体積比率を17.5:32.5:50となるように正極層用の内部電極用ペーストを作製したこと以外、実施例1と同様に全固体電池を作製した。
積層型全固体電池の外観を観察したところ、反りやクラック等は見られなかった。正極活物質全量から推定される容量は0.60mAhであり、負極活物質全量から推定される容量は1.23mAhであったが、実際に電池特性を評価したところ、電池容量は0.55mAhであった。
(実施例2)
LCPとCとLAGPとの体積比率を28:22:50となるように正極層用の内部電極用ペーストを作製し、正極層厚みを負極層厚みの1.25倍としたこと以外、実施例1と同様に全固体電池を作製した。
積層型全固体電池の外観を観察したところ、ごくわずかな反りが見られたがクラックは認められなかった。正極活物質全量から推定される容量は1.20mAhであり、負極活物質全量から推定される容量は1.23mAhであったが、実際に電池特性を評価したところ、電池容量は1.12mAhであった。
(比較例4)
LCPとCとLAGPとの体積比率を26:24:50となるように正極層用の内部電極用ペーストを作製し、正極層厚みを負極層厚みの1.35倍としたこと以外、実施例1と同様に全固体電池を作製した。
積層型全固体電池の外観を観察したところ、クラックが観察された。正極活物質全量から推定される容量は1.20mAhであり、負極活物質全量から推定される容量は1.23mAhであったが、実際に電池特性を評価したところ、電池はショート故障しており、容量測定できなかった。
(実施例3)
NbとCとLAGPとの体積比率を25:25:50となるように負極層用の内部電極用ペーストを作製したこと以外、実施例1と同様に全固体電池を作製した。
積層型全固体電池の外観を観察したところ、反りやクラック等は見られなかった。正極活物質全量から推定される容量は1.20mAhであり、負極活物質全量から推定される容量は1.71mAhであったが、実際に電池特性を評価したところ、電池容量は1.18mAhであった。
(比較例5)
LCPとCとLAGPとの体積比率を30:25:45となるように正極層用の内部電極用ペーストを作製し、NbとCとLAGPとの体積比率を25:25:50となるように負極層用の内部電極用ペーストを作製したこと以外、実施例1と同様に全固体電池を作製した。
積層型全固体電池の外観を観察したところ、反りやクラック等は見られなかった。正極活物質全量から推定される容量は1.03mAhであり、負極活物質全量から推定される容量は1.71mAhであったが、実際に電池特性を評価したところ、電池容量は0.99mAhであった。
(比較例6)
LCPとCとLAGPとの体積比率を30:25:45となるように正極層用の内部電極用ペーストを作製し、NbとCとLAGPとの体積比率を35:15:50となるように負極層用の内部電極用ペーストを作製したこと以外、実施例1と同様に全固体電池を作製した。
積層型全固体電池の外観を観察したところ、反りやクラック等は見られなかった。正極活物質全量から推定される容量は1.03mAhであり、負極活物質全量から推定される容量は2.39mAhであったが、実際に電池特性を評価したところ、電池容量は0.92mAhであった。
実施例1~3および比較例1~6の結果を表1および表2に示す。
Figure 2023049768000002
Figure 2023049768000003
実施例1~3および比較例1~6について、評価を行なった。実容量[mAh]が1mAh以上となっており、反りもクラックも発生していなければ、良好「◎」と判定した。実容量[mAh]が1mAh以上となっており、反りが発生しているもののクラックが発生していなければ、良好「〇」と判定した。非常に良好「◎」でも良好「〇」でもなければ、不良「×」と判定した。
実施例1~3では、非常に良好または良好と判定された。これは、正極層が、未充電時よりも充電時の電子伝導が高くなりかつ負極層の活物質よりも体積比容量が小さな活物質を含み、負極層よりも活物質体積比率が高く、負極層よりも導電助剤の体積比率が低く、正極層の平均厚みT1と、負極層の平均厚みT2との比率T1/T2が0.75以上、1.3以下であったからであると考えられる。
これに対して、比較例1~6では、不良と判定された。比較例1については、充電後に電子伝導が上がらないLiFePOを正極活物質として用いたからであると推定される。比較例2,4については、T1/T2が1.3を上回ったからであると推定される。比較例3については、正極層および負極層において活物質の体積比率が同等としたからであると推定される。比較例5については、正極層および負極層において導電助剤の体積比率が同等としたからであると推定される。比較例6については、正極層よりも負極層における活物質体積比率を高くしたからであると推定される。
なお、実施例1~3および比較例1~6について、SOC=0%からCV充電した場合の突入電流[mA]と、電池容量1mAhに対するレート(C)を測定した。また、実施例1~3および比較例1~6について、SOC=100%で20mA・100μsecを1sec間隔で100回繰り返すというパルス放電試験を行ない、パルス電圧ドロップ[V]を測定した。これらの結果を表1および表2に示す。比較例2および比較例4についてはクラックが発生していたために、測定できなかった。突入電流について、5C以下となっていればCV充電が良好「〇」と判定し、5C以下となっていなければCV充電が不良「×」と判定した。また、パルス電圧ドロップについて、0.16V以下となっていればパルス放電が良好と判定し、0.16V以下となっていなければパルス放電が不良「×」と判定した。
実施例1~3では、CV充電、およびパルス放電について、いずれも良好「〇」と判定された。これは、未充電時よりも満充電時の電子伝導が高くなる正極活物質を用いておりかつ正極層における導電助剤の体積比率が負極層における導電助剤の体積比率よりも低かったからであると推定される。
(実施例4)
負極活物質に、充電により電子伝導性が向上するLi1.3Al0.3Ti1.7(PO(LATP:1V vs. Li/Liまでの体積比容量350mAh/cm)を適用し、導電助剤にカーボン粉末(C)を適用し、固体電解質にLi-Al-Ge-P-O系イオン伝導体(LAGP)を適用し、LATPとCとLAGPとの体積比率を35:15:50となるように負極層用の内部電極用ペーストを作製した。正極活物質に、充電後に電子伝導が上がらないLiFePO(LFP:体積比容量610mAh/cm)を適用し、LFPとCとLAGPとの体積比率を20:25:55となるように正極層用の内部電極用ペーストを作製した。その他の条件は実施例1と同様とした。
積層型全固体電池の外観を観察したところ、反りやクラック等は見られなかった。正極活物質全量から推定される容量は1.22mAhであり、負極活物質全量から推定される容量は1.23mAhであったが、実際に電池特性を評価したところ、電池容量は1.04mAhであった。
(比較例7)
LATPとCとLAGPとの体積比率を25:25:50となるように負極層用の内部電極用ペーストを作製し、LFPとCとLAGPとの体積比率を25:25:50としたこと以外、実施例4と同様に全固体電池を作製した。
積層型全固体電池の外観を観察したところ、反りやクラック等は見られなかった。正極活物質全量から推定される容量は1.52mAhであり、負極活物質全量から推定される容量は0.88mAhであったが、実際に電池特性を評価したところ、電池容量は0.85mAhであった。
実施例4および比較例7の結果を表3および表4に示す。
Figure 2023049768000004
Figure 2023049768000005
実施例4および比較例7について、評価を行なった。実容量[mAh]が1mAh以上となっており、反りもクラックも発生していなければ、良好「◎」と判定した。実容量[mAh]が1mAh以上となっており、反りが発生しているもののクラックが発生していなければ、良好「〇」と判定した。非常に良好「◎」でも良好「〇」でもなければ、不良「×」と判定した。
実施例4では、非常に良好または良好と判定された。これは、負極層が、未充電時よりも充電時の電子伝導が高くなりかつ正極層の活物質よりも体積比容量が小さな活物質を含み、正極層よりも活物質体積比率が高く、正極層よりも導電助剤の体積比率が低く、負極層の平均厚みT1と、正極層の平均厚みT2との比率T1/T2が0.75以上、1.3以下であったからであると考えられる。
これに対して、比較例7では、不良と判定された。比較例7については、正極層および負極層において活物質の体積比率が同等としたからであると推定される。
なお、実施例4および比較例7について、SOC=0%からCV充電した場合の突入電流[mA]と、電池容量1mAhに対するレート(C)を測定した。また、実施例4および比較例7について、SOC=100%で20mA・100μsecを1sec間隔で100回繰り返すというパルス放電試験を行ない、パルス電圧ドロップ[V]を測定した。これらの結果を表3および表4に示す。突入電流について、5C以下となっていればCV充電が良好「〇」と判定し、5C以下となっていなければCV充電が不良「×」と判定した。また、パルス電圧ドロップについて、0.16V以下となっていればパルス放電が良好と判定し、0.16V以下となっていなければパルス放電が不良「×」と判定した。
実施例4では、CV充電、およびパルス放電について、いずれも良好「〇」と判定された。これは、未充電時よりも満充電時の電子伝導が高くなる負極活物質を用いておりかつ負極層における導電助剤の体積比率が正極層における導電助剤の体積比率よりも低かったからであると推定される。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 正極層
11 第1集電体層
20 負極層
21 第2集電体層
30 固体電解質層
40a 第1外部電極
40b 第2外部電極
50 カバー層
51 固体電解質グリーンシート
52 内部電極用ペースト
53 逆パターン
54 カバーシート
55 外部電極用ペースト
60 積層チップ
100,100a 全固体電池

Claims (7)

  1. 酸化物系固体電解質層と、
    前記酸化物系固体電解質層の第1主面上に設けられ正極層と、
    前記酸化物系固体電解質層の第2主面上に設けられた負極層と、を備え、
    前記正極層および前記負極層のいずれか一方の電極層は、未充電時よりも充電時の電子伝導が高くなりかつ他方の電極層の活物質よりも体積比容量が小さな活物質を含み、前記他方の電極層よりも活物質体積比率が高く、前記他方の電極層よりも導電助剤の体積比率が低く、
    前記一方の電極層の平均厚みT1と、前記他方の電極層の平均厚みT2との比率T1/T2は、0.75以上、1.3以下であることを特徴とする全固体電池。
  2. 前記一方の電極層は、前記正極層であり、
    前記他方の電極層は、前記負極層であることを特徴とする請求項1に記載の全固体電池。
  3. 前記一方の電極層において、イオン伝導性を有する固体電解質の体積比率は、30Vol.%以上、65Vol.%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の全固体電池。
  4. 前記一方の電極層が前記正極層である場合に、未充電時よりも充電時の電子伝導が高くなる活物質は、LiCoPO、LiCoPまたはLiCo(Pであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の全固体電池。
  5. 前記一方の電極層において、前記活物質の体積比率は、15Vol.%以上、55Vol.%以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の全固体電池。
  6. 前記一方の電極層において、前記導電助剤の体積比率は、8Vol.%以上、24Vol.%以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の全固体電池。
  7. 前記一方の電極層が前記負極層である場合に、未充電時よりも充電時の電子伝導が高くなる活物質は、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO、LiTi(PO、またはLiTiOPOであることを特徴とする請求項1に記載の全固体電池。
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