JP2023046134A - ベーカリー食品用油中水型乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】解凍後の食感、特に「しっとり感」の良好な焼成後冷凍パンを提供すること。【解決手段】全脂大豆からの水抽出物であって、炭水化物に対する蛋白質の重量比が100~200%である大豆抽出物を、水相中に固形分として3重量%以上20重量%以下含有する油中水型乳化組成物を用いる。配合量は穀粉100重量部あたり2~20重量部が望ましい。これにより、焼成後に冷凍され、解凍して喫食されるパン類において損なわれやすい「しっとり感」を改良することができる。【選択図】なし
Description
本発明はベーカリー食品、特に焼成後に冷凍工程を有するパン類の食感改良に関する。
製造工程やベーカリーショップの効率化、省力化や省スペース化、少量多品種の品揃え対応、さらには美味しいパンを手軽にいつでも食べたいという消費者ニーズなどを背景とし、パンの製造工程・流通過程において冷凍を行うパン類の利用が進んでいる。
中でも完全に焼成したパンを冷凍する「焼成後冷凍パン」は自然解凍、またはオーブンやオーブントースター、電子レンジ等による短時間の再加熱により喫食可能であり、必要分を最小限の手間で提供できる利点を有する。これらの利便性により普及が進み、その利用場面も小規模店舗や家庭など多様化しているが、同時に流通や保管条件の振れが発生しやすくなっている。途中で温度変化にさらされることで一部あるいは全体が解凍、再冷凍されてしまう場合もあり、食感の劣化(老化)やパサつきなどの課題がますます顕著になっている。特に、パンの嗜好に関わる重要な要素である「しっとり感」を維持可能な技術が要望されている。
中でも完全に焼成したパンを冷凍する「焼成後冷凍パン」は自然解凍、またはオーブンやオーブントースター、電子レンジ等による短時間の再加熱により喫食可能であり、必要分を最小限の手間で提供できる利点を有する。これらの利便性により普及が進み、その利用場面も小規模店舗や家庭など多様化しているが、同時に流通や保管条件の振れが発生しやすくなっている。途中で温度変化にさらされることで一部あるいは全体が解凍、再冷凍されてしまう場合もあり、食感の劣化(老化)やパサつきなどの課題がますます顕著になっている。特に、パンの嗜好に関わる重要な要素である「しっとり感」を維持可能な技術が要望されている。
特許文献1は焼成パンに副食物を挟み込んだ冷凍食品に関する出願であり、微粉小麦粉を含む多加水パンとすることで、電子レンジ再加熱による固化やパサつきを抑制できると記載されている。
パンの品質改良に寄与する素材として特許文献2が提案されている。これは全脂大豆からの水抽出物であって、炭水化物に対する蛋白質の重量比が100~200重量%である大豆抽出物を含む、パン生地練り込み用水中油型乳化油脂組成物に関する技術である。該大豆抽出物はその実施例において、固形分9.7%の低脂肪豆乳として水中油型乳化油脂組成物中に40重量%配合され、さらにこの水中油型乳化油脂組成物は対小麦粉30%の配合によりパンに良好な「もっちり感」「歯切れ」を付与することが開示されている。
本発明は解凍後の食感、特に「しっとり感」の良好な焼成後冷凍パンを提供することを課題とする。
特許文献1は特異的な現象である電子レンジ加熱時の問題に関する内容であって、本発明の課題解決の参考とはならなかった。
特許文献2には焼成後冷凍し、その後解凍した際の食感についての開示はなかった。
本発明者らは鋭意検討を行い、意外なことに、所定の大豆抽出物を含有する油中水型乳化物を配合したパンが、焼成後に冷凍、その後解凍された際の「しっとり感」が良好であることを見出し、本発明を完成させた。
特許文献2には焼成後冷凍し、その後解凍した際の食感についての開示はなかった。
本発明者らは鋭意検討を行い、意外なことに、所定の大豆抽出物を含有する油中水型乳化物を配合したパンが、焼成後に冷凍、その後解凍された際の「しっとり感」が良好であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は
(1)全脂大豆からの水抽出物であって、炭水化物に対する蛋白質の重量比が100~200%である大豆抽出物を、水相中に固形分として3重量%以上20重量%以下含有することを特徴とする、ベーカリー食品用油中水型乳化組成物、
(2)焼成後に冷凍工程を有するベーカリー食品用である(1)に記載の油中水型乳化組成物、
(3)(1)または(2)に記載の油中水型乳化組成物を穀粉100重量部あたり2~20重量部配合する工程を含む、ベーカリー食品の製造方法、
(4)全脂大豆からの水抽出物であって、炭水化物に対する蛋白質の重量比が100~200%である大豆抽出物を、水相中に固形分として3重量%以上20重量%以下含有するベーカリー食品用油中水型乳化組成物を生地に配合する、該生地を焼成後冷凍し、解凍した際のしっとり感を改良する方法、である。
(1)全脂大豆からの水抽出物であって、炭水化物に対する蛋白質の重量比が100~200%である大豆抽出物を、水相中に固形分として3重量%以上20重量%以下含有することを特徴とする、ベーカリー食品用油中水型乳化組成物、
(2)焼成後に冷凍工程を有するベーカリー食品用である(1)に記載の油中水型乳化組成物、
(3)(1)または(2)に記載の油中水型乳化組成物を穀粉100重量部あたり2~20重量部配合する工程を含む、ベーカリー食品の製造方法、
(4)全脂大豆からの水抽出物であって、炭水化物に対する蛋白質の重量比が100~200%である大豆抽出物を、水相中に固形分として3重量%以上20重量%以下含有するベーカリー食品用油中水型乳化組成物を生地に配合する、該生地を焼成後冷凍し、解凍した際のしっとり感を改良する方法、である。
本発明によれば、焼成後冷凍し、その後解凍して喫食されるパンのしっとり感を改良することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
(ベーカリー食品)
本発明においてベーカリー食品とは小麦粉や米粉等の穀粉を主原材料とし、これに水、油脂類、糖類、澱粉類、調味料、卵、乳製品、イースト、イーストフード、膨張剤、酵素類、乳化剤、香料等の原材料を必要に応じて添加し、混捏工程を経て得られた生地を焼成加熱し得られるものをいう。例えば菓子パン、食パン、テーブルロール、調理パン、デニッシュペストリーなどのパン類や、冷菓用ワッフルコーン、シューパフ、タルト生地(台)、パイ、クッキー、各種ケーキ類などの焼き菓子類が挙げられるが、本発明を適用する場合は特にパン類において顕著な効果を発揮する。パン類の製法としては一般的に使用される中種法、ストレート法、冷凍生地法、冷蔵生地法などをいずれも用いることができる。
本発明においてベーカリー食品とは小麦粉や米粉等の穀粉を主原材料とし、これに水、油脂類、糖類、澱粉類、調味料、卵、乳製品、イースト、イーストフード、膨張剤、酵素類、乳化剤、香料等の原材料を必要に応じて添加し、混捏工程を経て得られた生地を焼成加熱し得られるものをいう。例えば菓子パン、食パン、テーブルロール、調理パン、デニッシュペストリーなどのパン類や、冷菓用ワッフルコーン、シューパフ、タルト生地(台)、パイ、クッキー、各種ケーキ類などの焼き菓子類が挙げられるが、本発明を適用する場合は特にパン類において顕著な効果を発揮する。パン類の製法としては一般的に使用される中種法、ストレート法、冷凍生地法、冷蔵生地法などをいずれも用いることができる。
(油中水型乳化組成物)
本発明に用いる油中水型乳化組成物は後述する特定組成の大豆抽出物を含有する。これ以外には公知のパン類練り込み用途の油中水型乳化組成物ないしは可塑性油脂の配合、すなわち油脂及びその他原材料の配合を適宜使用することができるが、例えばその油相の融点が20℃~35℃、SFC(固体脂含量)が10℃で20~60%、20℃で5~50%、30℃で0~20%である油中水型乳化組成物が好ましい。
また油脂原料としては公知の食用油脂類をいずれも使用することができ、例えば、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂、及び/又はこれらの単独又は混合油或いはそれらの硬化、分別、エステル交換等から選択される1以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明に用いる油中水型乳化組成物は後述する特定組成の大豆抽出物を含有する。これ以外には公知のパン類練り込み用途の油中水型乳化組成物ないしは可塑性油脂の配合、すなわち油脂及びその他原材料の配合を適宜使用することができるが、例えばその油相の融点が20℃~35℃、SFC(固体脂含量)が10℃で20~60%、20℃で5~50%、30℃で0~20%である油中水型乳化組成物が好ましい。
また油脂原料としては公知の食用油脂類をいずれも使用することができ、例えば、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂、及び/又はこれらの単独又は混合油或いはそれらの硬化、分別、エステル交換等から選択される1以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
油中水型乳化組成物の製造法についても特に限定されないが、常法通り油相と水相とを予備乳化した後、コンビネーター、パーフェクター、ボテーターなどの掻き取り式急冷混捏装置で急冷捏和することにより製造することができる。油相は、融解した油脂に必要に応じて色素、抗酸化剤、香料等の油溶性成分を添加、溶解及び/又は分散させ調製することができる。水相は水又は温水に水溶性の乳成分、必要に応じて食塩、糖類、無機塩類等を添加、溶解及び/又は分散させ調製することができる。本発明の効果を阻害しない範囲であれば各種乳化剤類を含有することも妨げない。後述する特定組成の大豆抽出物は水相として加えることができる。
本発明において水相とは、油中水型乳化組成物の原料中、水及び水に溶解する原料を混合したものをいう。油中水型乳化組成物における水相の含量は10~35重量%、好ましくは12~30重量%、さらに好ましくは13~27重量%である。水相の量を適切な範囲とすることで、製造適性を良好にすることができる。
(大豆抽出物)
本発明には全脂大豆からの水抽出物であって、炭水化物に対する蛋白質の重量比が100~200%である大豆抽出物を用いる。かかる大豆抽出物の一形態としては低脂肪豆乳が例示できる。これは固形分中の脂質含量と炭水化物に対する蛋白質の重量比(以下、P/C含量と表記する場合がある)が上記範囲となるものである。ちなみに全脂大豆から公知の方法で抽出、オカラを除去して得られる一般の豆乳(全脂豆乳)では、固形分中の脂質含量が20重量%以上、かつP/C含量は250を超える。低脂肪豆乳を得るには、スラリー(大豆粉砕液)や全脂豆乳から高速遠心分離等により脂質を分離する方法や、該スラリーからオカラを分離する際に脂質をオカラ側に移行させる方法を用いることができる。より好ましい態様として、予め加熱処理された全脂大豆、好ましくはNSI(水溶性窒素指数)15~77、より好ましくは40~70の全脂大豆を原料とすることによって、さらに本発明の効果を向上させることができる。この方法は例えば特開2012-16348号公報に記載の方法を参照することができる。
大豆抽出物は油中水型乳化組成物の水相中に配合する。低脂肪豆乳の形態であれば水相の一部ないしは全部として配合することができる。配合量は水相中の固形分として3重量%以上20重量%以下、好ましくは5~15重量%が望ましい。また水相中の蛋白質としては1~15重量%、好ましくは2~10重量%、油中水型乳化物中の固形分としては0.1~8重量%、好ましくは0.5~6重量%が例示できる。配合量がこれ未満では本発明の効果が得られにくく、これより多いと油中水型乳化組成物の乳化が不安定となる場合がある。
さらに本大豆抽出物の効果について説明する。例えば水相含量18%の油中水型乳化物を対粉5重量%配合してパンを製造した場合、該固形分としての配合量は対粉約0.1%程度でありながら、食感改良に顕著な効果を示すことが大きな特徴である。
本発明には全脂大豆からの水抽出物であって、炭水化物に対する蛋白質の重量比が100~200%である大豆抽出物を用いる。かかる大豆抽出物の一形態としては低脂肪豆乳が例示できる。これは固形分中の脂質含量と炭水化物に対する蛋白質の重量比(以下、P/C含量と表記する場合がある)が上記範囲となるものである。ちなみに全脂大豆から公知の方法で抽出、オカラを除去して得られる一般の豆乳(全脂豆乳)では、固形分中の脂質含量が20重量%以上、かつP/C含量は250を超える。低脂肪豆乳を得るには、スラリー(大豆粉砕液)や全脂豆乳から高速遠心分離等により脂質を分離する方法や、該スラリーからオカラを分離する際に脂質をオカラ側に移行させる方法を用いることができる。より好ましい態様として、予め加熱処理された全脂大豆、好ましくはNSI(水溶性窒素指数)15~77、より好ましくは40~70の全脂大豆を原料とすることによって、さらに本発明の効果を向上させることができる。この方法は例えば特開2012-16348号公報に記載の方法を参照することができる。
大豆抽出物は油中水型乳化組成物の水相中に配合する。低脂肪豆乳の形態であれば水相の一部ないしは全部として配合することができる。配合量は水相中の固形分として3重量%以上20重量%以下、好ましくは5~15重量%が望ましい。また水相中の蛋白質としては1~15重量%、好ましくは2~10重量%、油中水型乳化物中の固形分としては0.1~8重量%、好ましくは0.5~6重量%が例示できる。配合量がこれ未満では本発明の効果が得られにくく、これより多いと油中水型乳化組成物の乳化が不安定となる場合がある。
さらに本大豆抽出物の効果について説明する。例えば水相含量18%の油中水型乳化物を対粉5重量%配合してパンを製造した場合、該固形分としての配合量は対粉約0.1%程度でありながら、食感改良に顕著な効果を示すことが大きな特徴である。
(焼成後に冷凍工程を有するベーカリー食品)
本発明の油中水型乳化組成物は、焼成後に冷凍工程を有するベーカリー食品、特にパン類においてその効果を発揮する。本発明ではこれを「焼成後冷凍パン」と称する場合がある。焼成後冷凍パンとはパンを完全焼成の後に冷凍工程を有し、冷凍の状態で保管・流通し、解凍して喫食するものをいう。解凍の手段としては室温での自然解凍の他、オーブン、オーブントースター、電子レンジ等での短時間再加熱が例示できる。
冷凍方法は特に限定されないが、焼成、放冷後に急速冷凍することが望ましい。包装や容器で乾燥を防ぐことで長期間保存の適性も向上する。
また本発明の油中水型乳化組成物は、一般に品質を大きく損ないやすい緩慢凍結や再凍結を経た場合であっても食感改良効果を発揮する利点を備える。
本発明の油中水型乳化組成物は、焼成後に冷凍工程を有するベーカリー食品、特にパン類においてその効果を発揮する。本発明ではこれを「焼成後冷凍パン」と称する場合がある。焼成後冷凍パンとはパンを完全焼成の後に冷凍工程を有し、冷凍の状態で保管・流通し、解凍して喫食するものをいう。解凍の手段としては室温での自然解凍の他、オーブン、オーブントースター、電子レンジ等での短時間再加熱が例示できる。
冷凍方法は特に限定されないが、焼成、放冷後に急速冷凍することが望ましい。包装や容器で乾燥を防ぐことで長期間保存の適性も向上する。
また本発明の油中水型乳化組成物は、一般に品質を大きく損ないやすい緩慢凍結や再凍結を経た場合であっても食感改良効果を発揮する利点を備える。
(他原材料)
本発明によれば乳化剤表示不要で、高い食感改良効果を有する油中水型乳化油脂組成物を製造することができるが、その商品設計によっては他原材料の配合を妨げるものではなく、乳化剤、酵素、ゲル化剤、安定剤、多糖類、糖類、甘味料、塩類等、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜添加することもできる。
本発明によれば乳化剤表示不要で、高い食感改良効果を有する油中水型乳化油脂組成物を製造することができるが、その商品設計によっては他原材料の配合を妨げるものではなく、乳化剤、酵素、ゲル化剤、安定剤、多糖類、糖類、甘味料、塩類等、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜添加することもできる。
前述の組成を有する油中水型乳化組成物はベーカリー生地中に練り込んで使用する。具体的な使用態様としては通常公知の練り込み用油脂と同様でよく、例えば油中水型乳化組成物以外の原材料を一定時間混捏し、油中水型乳化組成物を加え、さらにミキシングする方法が例示できる。配合量は穀粉100重量部に対し2~20重量%、好ましくは3~15重量%、より好ましくは3~10重量%が望ましい。配合量がこれ未満では本発明の効果が得られにくく、これより多いと生地がまとまりにくくなる場合がある。
以下に実施例および比較例を記載し、本発明をより詳細に説明する。なお、文中「%」及び「部」は特に断りのない限り重量基準を意味する。
(検討1)
表1の配合に従い、常法により油相と水相とを調製、予備乳化の後に全原材料を混合し、コンビネーターにより急冷混捏し、油中水型乳化組成物 (1)~(4)を得た。
表中原材料の低脂肪豆乳、低脂肪豆乳の乳酸発酵物、全脂豆乳についてはその組成を表2に記載した。
表1の配合に従い、常法により油相と水相とを調製、予備乳化の後に全原材料を混合し、コンビネーターにより急冷混捏し、油中水型乳化組成物 (1)~(4)を得た。
表中原材料の低脂肪豆乳、低脂肪豆乳の乳酸発酵物、全脂豆乳についてはその組成を表2に記載した。
(パンの製造および評価)
表3の配合条件、製造条件に従い、食パンを製造、焼成した。放冷後、表4の条件に従い冷凍及びサイクルテスト(冷凍・解凍の繰り返しによる水分損失の加速試験)を行った。
表3の配合条件、製造条件に従い、食パンを製造、焼成した。放冷後、表4の条件に従い冷凍及びサイクルテスト(冷凍・解凍の繰り返しによる水分損失の加速試験)を行った。
(評価)
各サンプルを冷凍庫から出し、室温(20℃)にて3時間自然解凍後、熟練したパネラー10名にて「しっとり感」についての官能評価を実施した。
評価は油中水型乳化組成物(4)を配合したパンを基準とし、合議で決定した。いずれも+2以上であるものを合格とした。
+3:特に良好
+2:良好
+1:やや良好
0:コントロールと同等
-1:やや劣る
-2:劣る
各サンプルを冷凍庫から出し、室温(20℃)にて3時間自然解凍後、熟練したパネラー10名にて「しっとり感」についての官能評価を実施した。
評価は油中水型乳化組成物(4)を配合したパンを基準とし、合議で決定した。いずれも+2以上であるものを合格とした。
+3:特に良好
+2:良好
+1:やや良好
0:コントロールと同等
-1:やや劣る
-2:劣る
表5の評価欄に示す通り、特定組成の大豆抽出物を含有する豆乳を用いた系においてのみ、急速冷凍後、またサイクルテストを経た場合であっても「しっとり感」が顕著に改良された。
(検討2:油脂組成の検証)
通常のパン練り込み用水中油型乳化物に用いる配合の油脂混合物A、Bを調製し、油中水型乳化組成物(1)の油脂(油相)をそれぞれ置換した配合にて、常法により水中油型乳化物(5)、(6)を製造した。
それぞれの油相の融点及びSFC(固体脂含量)は表6に示した。なおここでの融点は上昇融点を指し、日本油化学会制定規準油脂分析試験法(1)に記載される方法で測定されるものであり、毛細管に充填した試料が所定条件での加熱により軟化して上昇を始める温度をいう。
通常のパン練り込み用水中油型乳化物に用いる配合の油脂混合物A、Bを調製し、油中水型乳化組成物(1)の油脂(油相)をそれぞれ置換した配合にて、常法により水中油型乳化物(5)、(6)を製造した。
それぞれの油相の融点及びSFC(固体脂含量)は表6に示した。なおここでの融点は上昇融点を指し、日本油化学会制定規準油脂分析試験法(1)に記載される方法で測定されるものであり、毛細管に充填した試料が所定条件での加熱により軟化して上昇を始める温度をいう。
表6の各油中水型乳化組成物を用い、検討1と同配合、同手順でパンを製造し、冷凍、サイクルテストを行い、自然解凍後に「しっとり感」の官能評価を行った。
結果、油脂配合を変更しても本試験系においては略同等の効果が得られることが確認できた。
結果、油脂配合を変更しても本試験系においては略同等の効果が得られることが確認できた。
Claims (4)
- 全脂大豆からの水抽出物であって、炭水化物に対する蛋白質の重量比が100~200%である大豆抽出物を、水相中に固形分として3重量%以上20重量%以下含有することを特徴とする、ベーカリー食品用油中水型乳化組成物。
- 焼成後に冷凍工程を有するベーカリー食品用である、請求項1に記載の油中水型乳化組成物。
- 請求項1または2に記載の油中水型乳化組成物を穀粉100重量部あたり2~20重量部配合する工程を含む、ベーカリー食品の製造方法。
- 全脂大豆からの水抽出物であって、炭水化物に対する蛋白質の重量比が100~200%である大豆抽出物を、水相中に固形分として3重量%以上20重量%以下含有するベーカリー食品用油中水型乳化組成物を生地に配合する、該生地を焼成後冷凍し、解凍した際のしっとり感を改良する方法。
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