JP2022127804A - 冷凍喫食用ベーカリー食品の製造方法 - Google Patents

冷凍喫食用ベーカリー食品の製造方法 Download PDF

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卓磨 前田
Takuma Maeda
雄太 鈴木
Yuta Suzuki
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Abstract

【課題】冷凍状態でも食べやすく、良好な食感のベーカリー食品を提供すること。【解決手段】大豆リゾレシチン及び/又は卵黄リゾレシチンを合計0.01重量%以上5.0重量%以下、さらにガスを30%以下含有する油中水型乳化組成物を、穀粉100重量部に対し10~45重量部配合して生地を製造する。成形、焼成後冷凍したベーカリー食品は、冷凍状態であっても良好な「歯通り」や「しっとり感」を有する。これを下生地に用いることで食感良好なアイスメロンパンも製造できる。【選択図】なし

Description

本発明はベーカリー食品、特に冷凍状態で喫食するパン類に関する。
パン製造工程において、焼成前の各工程途中段階の生地を冷凍させる技術、すなわち冷凍生地の発達と普及が省力化や省人化に寄与してきた。近年では焼成後に冷凍したパン(冷凍パン)の需要も増加している。冷凍パンは必要量を必要な時に提供できることから食品ロスの課題解決としても有用である。さらに新しい食シーンとして、冷凍パンを凍ったままで喫食する製品も提案されている。しかし、通常の原材料や製造方法によるパン類をそのまま冷凍して喫食した場合、硬くボソボソした食感で嗜好性の低い、食べにくいものとなってしまう。特に、良好な「歯通り」や「しっとり感」が得られにくい。
非特許文献1には菓子パン(クリームパン)を冷凍して喫食することが提案されているが、「クリーム量が多い方がパサパサにならないので薄皮がおすすめ」との記載が示す通り、通常の原材料や製造方法では皮(パン生地)部分はパサパサになってしまう。
特許文献1は焼成前冷凍工程を行った成形体を切断することを特徴とする、冷凍状態で可食な層状パンの製造方法を開示するものであり、パンの部分が硬すぎずに喫食可能とある。しかし、「しっとり感」については十分ではない。
特許文献2によれば、リゾレシチンを含有し、特定SFCを有する油脂を配合したパン練り込み用水中油型乳化油脂組成物を用いることで、パンへのソフト感付与、ねちゃつき防止が可能となる。但し冷凍喫食用途での効果の有無については記載されていない。
特開2015-77094号公報 特開2018-143120号公報
"菓子パンを凍らせて食べるのが流行中!? "COOKPAD、2014年5月1日付記事(URL:https://news.cookpad.com/articles/1321)(2021年2月10日検索)
本発明は、冷凍状態でも食べやすく、良好な食感のベーカリー食品を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討し、特定範囲のリゾレシチンを含有し、さらに予め含気させた油中水型乳化組成物を用いることで前述の課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は
(1)大豆リゾレシチン及び/又は卵黄リゾレシチンを合計0.01重量%以上5.0重量%以下含有する油中水型乳化組成物を、穀粉100重量部に対し10~45重量部配合する、冷凍喫食用ベーカリー食品の製造方法、
(2)油中水型乳化組成物がガスを30%以下含有する、(1)に記載の製造方法、
である。
本発明によれば、ベーカリー食品の冷凍領域での新たな食シーンを提供することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
(ベーカリー食品)
本発明においてベーカリー食品とは、小麦粉や米粉等の穀粉を主原材料とし、これに水、油脂類、糖類、澱粉類、調味料、卵、乳製品、イースト、イーストフード、膨張剤、酵素類、乳化剤、香料等の原材料を必要に応じて添加し、混捏工程を経て得られた生地を焼成加熱し得られるものをいう。例えば菓子パン、食パン、テーブルロール、調理パン、デニッシュペストリーなどのパン類や、冷菓用ワッフルコーン、シューパフ、タルト生地(台)、パイ、クッキー、各種ケーキ類などの焼き菓子類が挙げられるが、特にパン類、中でも菓子パンが好ましい。パン類の製法としては一般的に使用される中種法、ストレート法、冷凍生地法、冷蔵生地法などをいずれも用いることができる。
(冷凍喫食用)
本発明の方法によるベーカリー食品は、冷凍庫(通常-20℃)から出してそのまま、あるいは完全に解凍されない状態で喫食しても食べやすく良好な食感を備えることが特徴である。なお、これは冷凍状態においても効果を発揮するという意味であり、もちろん完全に解凍された後でも、チルド(冷蔵)販売でも、さらには冷凍工程を経ていない場合であっても食感良好なベーカリー食品を提供することができる。
冷凍方法は特に限定されないが、焼成、放冷後、急速冷凍することが望ましい。包装や容器で乾燥を防ぐことで長期間保存することもできる。
(油中水型乳化組成物)
本発明に用いる油中水型乳化組成物は後述するリゾレシチンを含有する。これ以外には公知のパン類練り込み用途の油中水型乳化組成物ないしは可塑性油脂の配合、すなわち油脂及びその他原材料の配合を何れも使用することができる。油脂原料としては公知の食用油脂類をいずれも使用することができ、例えば、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記油脂類の単独又は混合油或いはそれらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂が利用できる。
油中水型乳化組成物の製造法についても特に限定されないが、常法通り油相と水相とを予備乳化した後、コンビネーター、パーフェクター、ボテーターなどで急冷捏和することにより製造することができる。油相は、融解した油脂に必要に応じて色素、抗酸化剤、香料等の油溶性成分を添加、溶解及び/又は分散させ調製することができる。水相は水又は温水に水溶性の乳成分、必要に応じて食塩、糖類、無機塩類等を添加、溶解及び/又は分散させ調製することができる。本発明の効果を阻害しない範囲であれば各種乳化剤類を含有することも妨げない。
本発明に用いる油中水型乳化組成物はガス(気体)で含気させたものであることが望ましい。ガスとしては例えば窒素、二酸化炭素、酸素、空気などを用いることができるが、不活性ガスである窒素が好ましい。含気量としては30%以下、好ましくは5%以上25%以下、さらに好ましくは8%以上20%以下である。含気量がこれより低い場合でも、ベーカリー食品の製造工程中にホイッパー等で起泡させることで同様の効果が得られるが、工程簡略化の観点からも予め含気させたものが好ましい。油中水型乳化組成物製造工程における含気の方法は常法をいずれも用いることができる。
なお、ここでのガス量は体積基準であり、例えばショートニングのJAS規格「ガス量100g中20ml以下」を「20%以下」のように表記する。
(リゾレシチン)
本発明に用いる油中水型乳化組成物は、大豆リゾレシチン及び/又は卵黄リゾレシチンを含有する。含有量は合計で0.01重量%以上5重量%以下、より好ましくは0.02~3重量%、さらに好ましくは0.02~1.5重量%、最も好ましくは0.02~1重量%である。含有量がこれ未満では本発明の効果が得られにくい場合があり、これより多いとベーカリー食品の配合によっては食感に「ねちゃつき」などの好ましくない影響が生じる場合がある。
リゾレシチンの量は「リゾレシチン」として市販されている製品や製剤を使用する場合は、使用量にリゾ化率を掛け合わせ算出することができる。リゾ化率が不明な原材料、例えば各種の市販卵黄加工品等を用いることもできる。その場合は分析によってレシチン及びリゾレシチンの量を算出し、前述の最適範囲となるように配合すればよい。分析方法は公知の方法を用いればよく、例えば、T.L. MOUNTS AND A.M. NASH「HPLC ANALYSIS OF PHOSPHOLIPIDS IN CRUDE OIL FOR EVALUATION OF SOYBEAN DETERIORATION」(JAOCS、 VOL.67、NO.11、P.757-759、1990)を参照することができる。
前述の組成を有する油中水型乳化組成物は、ベーカリー生地中に練り込んで使用する。具体的な使用態様としては通常公知の練り込み用油脂と同様でよく、例えば油中水型乳化組成物以外の原材料を一定時間混捏し、油中水型乳化組成物を加え、さらにミキシングする方法が例示できる。配合量は穀粉100重量部に対し10~45重量%、好ましくは15~40重量%、より好ましくは20~35重量%が望ましい。配合量がこれ未満では本発明の効果が得られにくく、これより多いと生地がまとまりにくくなったり、焼成後の食感に「ねちゃつき」が生じたりする場合がある。
以下に実施例および比較例を記載し、本発明をより詳細に説明する。なお、文中「%」及び「部」は特に断りのない限り重量基準を意味する。
(油中水型乳化組成物の調製)
表1の配合に従い、常法により油相と水相とを調製、予備乳化の後に全原材料を混合し、コンビネーターにより急冷混捏し、ガス入りタイプについては窒素含気を行い、油中水型乳化組成物 (1)~(5)を得た。なお、リゾレシチン量については原材料の市販鶏卵加工品の脂質を溶剤抽出し、公知の方法(JAOCS、 VOL.67、NO.11、P.757-759、1990)に従いHPLC分析した数値をもとに算出した。
また、表中に示す融点は上昇融点を指し、日本油化学会制定 規準油脂分析試験法(1)に記載される方法で測定されるものであり、毛細管に充填した試料が所定条件での加熱により軟化して上昇を始める温度をいう。
(表1)油中水型乳化組成物の配合・組成(単位:重量部)
Figure 2022127804000001
(検討1:パンの製造および評価)
表2の配合条件、表3の製造条件に従い、中種法により菓子パンを製造、焼成、冷凍した。
(表2)パン配合(単位:重量部)
Figure 2022127804000002
(表3)パン製造条件
Figure 2022127804000003
(評価)
冷凍状態で7日間保存されたパンを冷凍庫から出し、冷凍状態のまま、熟練したパネラー7名にて官能評価を実施した。
評価は次に説明する「歯通り」「しっとり感」それぞれの5段階評価とし、合議で決定した。いずれも3以上であるものを合格とした。
(評価観点)
「歯通り」:特に最初の一口目の歯当たり、噛み切りやすさ
5:特に良好で、食べやすい
4:良好
3:普通
2:やや硬く食べにくい
1:硬く、冷凍喫食用には不適
「しっとり感」
5:特に良好
4:良好
3:普通
2:やや劣る
1:パサつき感強く、劣る
(表4)パンの評価
Figure 2022127804000004
表4に示す通り、リゾレシチンを配合した油中水型乳化組成物を用いることで、冷凍状態でも食べやすく食感良好なパンが得られた。一方比較例では窒素含気させることで歯通りが若干改善されたが、リゾレシチンを配合した実施例1~3には及ばなかった。
(検討2:アイスメロンパンの製造および評価)
実施例1~3、比較例1~2のパン生地をそれぞれ下生地(45g/個)とし、表5配合を上生地(30g/個)として、フィリング(製品名・ドルチェグラッセベース、不二製油株式会社製、30g/個)入りメロンパンを製造した。表3の条件で焼成、放冷、急速冷凍した。
(表5)メロンパン上生地配合(単位:重量部)
Figure 2022127804000005
(評価)
冷凍状態で7日間保存されたメロンパンを冷凍庫から出し、冷凍状態のまま、検討1と同様の官能評価を実施した。結果を表6に示す。
メロンパンに仕立てることで、下生地のみ(検討1)の場合よりも実施例1~3の評価差は縮まり、いずれも冷凍喫食用のアイスメロンパンとして商品価値を有する品質であると判断した。一方、比較例では食感面での課題がより顕著になり、本用途には不適当であった。
(表6)アイスメロンパンの評価一覧
Figure 2022127804000006

Claims (2)

  1. 大豆リゾレシチン及び/又は卵黄リゾレシチンを合計0.01重量%以上5.0重量%以下含有する油中水型乳化組成物を、穀粉100重量部に対し10~45重量部配合する、冷凍喫食用ベーカリー食品の製造方法。
  2. 油中水型乳化組成物がガスを30%以下含有する、請求項1に記載の製造方法。
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