JP2023042048A - モーター騒音軽減装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成でモーター騒音を軽減できるモーター騒音軽減装置を提供することにある。【解決手段】本開示技術では、電動モーターを用いるシステムにおける電動モーターの騒音を軽減するモーター騒音軽減装置を対象とし、騒音を打ち消す打消音を発生する打消音発生器7と、打消音発生器を制御する打消音制御部8とを有し、打消音制御部8は、電動モーターの回転速度に基づいて打消音の基本周波数を決定する周波数決定部と、電動モーターの回転の位相に基づいて打消音の位相を、電動モーターの騒音の位相に対して逆位相となるように決定する位相決定部とを有することとした。【選択図】図1

Description

本開示技術は、モーター騒音軽減装置に関する。
電動モーターを用いる機器では、電動モーターを回転させることにより騒音を発する場合がある。そのような騒音を軽減する従来の技術の一例として、特許文献1に記載されている能動型騒音制御装置を挙げることができる。同装置では、参照信号生成器、打消音生成器、誤差信号生成器、と3つの生成器を備えている。これにより、振動騒音に対する打消音の演算負荷を抑えつつ、振動騒音の打消し効果を高めることができるとしている。
特開2011-126299号公報
前記した従来の技術には、制御部以外に3つもの生成器を必要とするという問題点があった。このため、複雑なシステム構成となっていた。また、装置の設置スペースも大きく必要であり、コンパクト化が困難であった。
本開示技術は、前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは、簡易な構成でモーター騒音を軽減できるモーター騒音軽減装置を提供することにある。
本開示技術の一態様におけるモーター騒音軽減装置は、電動モーターを用いるシステムにおける電動モーターの騒音を軽減する装置であって、騒音を打ち消す打消音を発生する打消音発生器と、打消音発生器を制御する打消音制御部とを有し、打消音制御部は、電動モーターの回転速度に基づいて打消音の基本周波数を決定する周波数決定部と、電動モーターの回転の位相に基づいて打消音の位相を、電動モーターの騒音の位相に対して逆位相となるように決定する位相決定部とを有するものである。
上記態様におけるモーター騒音軽減装置では、打消音制御部の制御により打消音発生器が打消音を発生する。打消音は、周波数決定部が電動モーターの回転速度に基づいて決定した基本周波数、および、位相決定部が電動モーターの回転の位相に基づいてそれと逆位相となるように決定した位相のものである。この打ち消し音により電動モーターの騒音が打ち消され、軽減される。
上記態様のモーター騒音軽減装置はさらに、打消音制御部が、電動モーターの回転速度に基づいて打消音の振幅を決定する振幅決定部と、打消音の基本波形を出力する波形出力部と、周波数決定部が決定した基本周波数、位相決定部が決定した位相、および振幅決定部が決定した振幅に従い基本波形を変調する変調部とを有するものであることが望ましい。打消音の内容がこのように定められることで、電動モーターの騒音を打ち消すのに適した打消音が打消音発生器から発せられることとなる。
上記のいずれかの態様のモーター騒音軽減装置ではまた、電動モーターが、励磁コイルの相の数と同数のロータ位置センサを有するDCブラシレスモーターであり、位相決定部は、ロータ位置センサの出力信号に基づいて電動モーターの回転の位相を検知するものであることが望ましい。このようになっていれば、ロータ位置センサの出力信号に基づいて、電動モーターの回転の位相を適切に検知でき、より適切な打消音を発生させることができる。
上記のいずれかの態様のモーター騒音軽減装置は、電動モーターが、電池パックの送風ダクトに取り付けられ電池パックを冷却する冷却風を起こすブロワーの駆動源であり、打消音発生器は、送風ダクトにおける電池パックから見てブロワーより遠い位置に取り付けられているシステムに適用することができる。この構成では、電池パックをブロワーの冷却風で冷却しつつ、その駆動源である電動モーターが発生する騒音を抑制することができる。
電池パックの冷却システムである態様のモーター騒音軽減装置ではさらに、電池パックの温度に基づいて電動モーターの回転速度を指示するモーター制御部を有し、打消音制御部は、騒音の周波数分布におけるピークとなるピーク周波数を電動モーターの回転速度ごとに記憶するピーク周波数記憶部を有し、周波数決定部は、ピーク周波数記憶部に記憶されているピーク周波数のうち、電動モーターの回転速度に対応するものを基本周波数として決定するものであることが望ましい。このようになっていれば、騒音のうち最も影響の大きいピーク周波数の成分を効果的に抑制することができる。
本開示技術の別の一態様におけるモーター騒音軽減装置は、前述の「一態様」のものであってさらに、電動モーターは、電池パックの第1の送風ダクトに取り付けられ電池パックを冷却する冷却風を起こす第1ブロワーの駆動源であり、打消音発生器は、電池パックの第2の送風ダクトに取り付けられ電池パックを冷却する冷却風を起こす第2ブロワーの駆動源である電動モーターであり、周波数決定部は、第2ブロワーの電動モーターの回転速度を、第1ブロワーの電動モーターの回転速度と同一の回転速度とするものであり、位相決定部は、第2ブロワーの電動モーターの回転の位相を、第1ブロワーの電動モーターの回転の位相に対して逆位相とするものである。このように送風ダクトおよびブロワーを2組設けている場合には、一方のブロワーに、他方のブロワーの騒音に帯する打消音発生器としての機能を兼ねさせることができる。
送風ダクトおよびブロワーを2組有する態様おけるモーター騒音軽減装置は、第1ブロワーの電動モーターおよび第2ブロワーの電動モーターはいずれも、励磁コイルの相の数と同数のロータ位置センサを有するDCブラシレスモーターであり、電池パックの温度に基づいて第1ブロワーの電動モーターの回転速度を指示するモーター制御部を有し、周波数決定部は、第2ブロワーの電動モーターの回転速度を、モーター制御部が指示する第1ブロワーの電動モーターの回転速度と同一の回転速度とするものであり、位相決定部は、第1ブロワーの電動モーターのロータ位置センサの出力信号に基づいて、第1ブロワーの電動モーターの回転の位相を検知するものであるシステムに適用することができる。この構成でも、電池パックをブロワーの冷却風で冷却しつつ、その駆動源である電動モーターが発生する騒音を抑制することができる。
本開示技術によれば、簡易な構成でモーター騒音を軽減できるモーター騒音軽減装置が提供されている。
第1の形態に係る電池パックの冷却システムの構成図である。 ホール素子を有する電動モーターの例を示す構成図である。 打消音制御部の機能構成を示すブロック図である。 ブロワーの駆動により発生する騒音の周波数分布の例を示すグラフである。 ホール素子の出力信号の例を示すタイミングチャートである。 第2の形態に係る電池パックの冷却システムの構成図である。
以下、本開示技術を具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、電池パックの冷却システムにおける送風音軽減装置として本開示技術を具体化したものである。
[第1の形態]
第1の形態に係る電池パックの冷却システムは、図1のように構成されている。図1の電池パックの冷却システム1は、電池パック2と、送風ダクト3と、ブロワー4とを有している。電池パック2は、多数の電池セルを積層して1つのユニットとしたものである。送風ダクト3は、電池パック2に冷却のための冷却風を送り込む管状の部材である。ブロワー4は、送風ダクト3に風を起こすファンである。ブロワー4は駆動源として電動モーターを内蔵している。
この電池パックの冷却システム1は、例えば自動車の車載バッテリーの冷却システムとして使用可能なものである。図1はその場合の構成例であり、上記のものの他に電池ECU5を備えている。電池ECU5は基本的に、電池温度の情報と、車速情報とに基づいて、ブロワー4に対して回転速度指令信号を出力するモーター制御部である。回転速度指令信号は、例えば、駆動源の電動モーターの駆動デューティー比を指定する信号という形をとることができる。電池温度の情報は、電池パック2に内蔵されている温度センサ6から出力される。車速情報は車両側のコントロールユニットから出力される。
電池ECU5ではさらに、ブロワー4の回転情報も利用してブロワー4への回転速度指令を決定するようにしている。ブロワー4の実際の回転速度は必ずしも指令信号に正確に追従するとは限らないからである。ブロワー4の回転情報は、図2に示すように電動モーター40がホール素子41を有する場合、ホール素子41の出力信号として取得することができる。ホール素子41は電動モーター40のロータ位置センサである。ホール素子41の個数は励磁コイルの相の数と同じである。回転情報には、回転速度情報と位相情報とが含まれる。電池ECU5からの回転速度指令信号は、図2中ではインバータ42に入力される。図2中の電動モーター40は3相4極のDCブラシレスモーターであるが、これは一例であり他の種類のモーターでもよい。
図1の電池パックの冷却システム1では、前述のものに加えてさらに、消音スピーカー7と、打消音制御部8とを備えている。消音スピーカー7は、ブロワー4の電動モーターの回転により発生する騒音を打ち消す打消音を発する打消音発生器である。消音スピーカー7と打消音制御部8とでモーター騒音軽減装置を構成する。消音スピーカー7は、送風ダクト3に取り付けられている。送風ダクト3における消音スピーカー7の取り付け位置は、電池パック2から見てブロワー4より遠い位置である。つまり、送風ダクト3の吸気口9から、消音スピーカー7、ブロワー4、電池パック2がこの順序で配置されている。
打消音制御部8は、消音スピーカー7を制御して打消音を発生させる機能を有するものである。打消音は、モーター騒音の逆位相音である。ブロワー4を回転させるときに消音スピーカー7からの打消音の発生も行うことで、電池パックの冷却システム1全体としての騒音の音量を下げる、というのがモーター騒音軽減装置の目的である。打消音制御部8はこのため、ブロワー4の電動モーター40の回転情報の入力を受けるようになっている。打消音制御部8への回転情報の入力は、電動モーター40から直接受けるようになっていてもよいし、電池ECU5を経由して受けるようになっていてもよい。
図3に、打消音制御部8の機能構成を示す。打消音制御部8には、周波数決定部80と、位相決定部81と、振幅決定部82と、波形出力部83と、変調部84と、記憶部85とが備えられている。これらのうち周波数決定部80、位相決定部81、および振幅決定部82には、電動モーター40の回転情報が入力されるようになっている。記憶部85については後述する。
周波数決定部80は、消音スピーカー7の打消音の基本周波数を決定する機能部である。基本周波数の決定は、電動モーター40の回転速度に基づいてなされる。詳細は後述する。位相決定部81は、打消音の位相を決定する機能部である。位相の決定は、電動モーター40の回転の位相に基づいてなされる。電動モーター40の回転により発生する騒音の位相と逆位相となるように決定される。振幅決定部82は、打消音の振幅を決定する機能部である。振幅の決定は、電動モーター40の回転速度に基づいてなされる。おおむね、回転速度が高いほど騒音も大きい傾向があるからである。これも詳細は後述する。
波形出力部83は、打消音の基本波形を出力する機能部である。基本波形は、電動モーター40の騒音の基本的な波形であり、あらかじめ波形出力部83内に格納されている。変調部84は、波形出力部83から出力された基本波形を変調して消音スピーカー7の駆動波形とする機能部である。変調は、周波数決定部80で決定した基本周波数と、位相決定部81で決定した位相と、振幅決定部82で決定した振幅とに基づいて行われる。つまり、波形出力部83から出力された生の波形に基づき、周波数、位相および振幅を調整して、騒音の軽減に効果的な駆動波形を得るのである。この駆動波形で消音スピーカー7を駆動することで、ブロワー4の騒音を効果的に打ち消して軽減するのである。
図1の電池パックの冷却システム1でブロワー4を稼働させたときに発せられる騒音の周波数、音圧は、電動モーター40の回転速度により異なる。ただし、送風ダクト3その他の周辺構造物の共振も関係するので、単純なものではない。個体差もあるので、理論的に厳密な解析ができるものではない。
図4は、消音スピーカー7を駆動せずブロワー4を駆動したときの騒音の周波数分布を実測した例を示している。図4における横軸は周波数であり、図4に現れている周波数範囲は、20Hz以下の極低域を除き可聴帯域内である。図4における縦軸はA特性音圧レベル(JIS C 1502-1990)の数値である。音圧レベルが高いほど、騒音中のその周波数成分の振幅が大きい。図4中には、電動モーター40の駆動デューティーを40%、60%、80%の3水準に振ったグラフを示している。図4中では、駆動デューティーが大きいほど、全周波数帯にわたり音圧が高い傾向があるといえる。駆動デューティーが大きいほど電動モーター40の回転速度が高い。駆動デューティーの複数水準は、回転速度の複数水準としての意味を持っている。図4のようなグラフを、駆動デューティーごとに作成する代わりに、ホール素子41の出力信号に基づく実測回転速度ごとに作成してもよい。
図4中に太線で示す60%デューティーの場合に着目する。60%デューティーの場合のグラフには、図4中に矢印Pで示す位置に明確なピークが認められる。このピーク位置の周波数は、1.5kHzである。よって、この個体の場合に60%デューティーでブロワー4を稼働させたときに最もユーザーの耳につく騒音は、周波数1.5kHzのものである。60%デューティーでの電動モーター40の回転速度が3000rpmであると仮定すると、Pのピーク周波数は、電動モーター40の基本振動の30次高調波に相当する。ただし高調波の次数を決定することが必須なわけではない。
これよりこの個体で60%デューティー駆動の場合には、騒音中の周波数1.5kHzの成分を消音することで、ユーザーが感じる騒音を効果的に軽減できることになる。このため周波数決定部80では、電動モーター40の回転速度が3000rpmであるときには、基本周波数を1.5kHzに決定すればよいことになる。
他のデューティー比についてもそれぞれ異なる位置にピークがありうる。つまりピーク周波数は駆動デューティーによって区々であるので、駆動デューティーごとにピーク周波数に基づく基本周波数が定まることになる。駆動デューティーとそのときの電動モーター40の標準的な回転速度との関係も実測可能であるから、電動モーター40の回転速度と基本周波数との関係も実測に基づき決定できることになる。この関係をあらかじめ決定して打消音制御部8の記憶部85に記憶させておけばよい。具体的には、電動モーター40の回転速度と、そのときの騒音におけるピーク周波数との関係をあらかじめ実測しておいて記憶させておくことになる。記憶部85はピーク周波数記憶部である。
振幅決定部82で決定する打消音の振幅も、実測に基づくものとなる。図4中のピークPについて、ピーク時のA特性音圧レベルは縦軸から55dBAと読める。他のデューティー比の場合にもそれぞれ、ピークを特定すればそのピーク時の音圧レベルを実測値から決定することができる。このピーク音圧レベルもグラフ全体の傾向と同じく、駆動デューティーが大きいほど高い傾向がある。これが、消音スピーカー7の駆動により消音しようとする音圧レベルである。
打消音の振幅は、消音スピーカー7がこの音圧レベルに匹敵するレベルを出せるものであることが好ましい。ただし、実際にユーザーの耳に聞こえる軽減後の騒音の音量レベルは、消音スピーカー7の特性だけで決まるものではない。送風ダクト3の振動特性、吸気口9と消音スピーカー7とブロワー4と電池パック2との位置関係など、多数の要因が複雑に関係するので、これも理論的に厳密な解析ができるものではない。
よって振幅についても、あらかじめ実測により決定しておくことが好ましい。電動モーター40を回転速度を指定して、その回転速度に対して前述のように定められた基本周波数および位相に従い消音スピーカー7を駆動する。そして振幅のみを変化させるのである。騒音が最も小さくなったときの振幅が、指定した回転速度に対して最適な振幅である。この最適な振幅の決定を電動モーター40の各回転速度に対して行うことで、回転速度と打消音の振幅との関係を決定することができる。これをあらかじめ決定して記憶部85に記憶させておけばよい。記憶部85は振幅記憶部でもある。
実際の稼働時の動作を箇条書きすれば、次のようになる。車速情報および電池温度情報に基づき、電池ECU5がブロワー4の回転速度を決定し、その指令信号をインバータ42に対して出力する。これによりブロワー4の電動モーター40は指令された回転速度で回転し、送風ダクト3に風を起こして電池パック2を冷却する。それとともに打消音制御部8では、周波数決定部80が、電動モーター40の回転速度の情報に基づき、その回転速度に対して記憶部85に記憶されている周波数を打消音の基本周波数として指定する。
振幅決定部82が、電動モーター40の回転速度の情報に基づき、その回転速度に対して記憶部85に記憶されている振幅を、打消音の振幅として指定する。位相決定部81が、電動モーター40の回転の位相の情報に基づき、その逆位相となるように打消音の位相を決定する。周波数決定部80、振幅決定部82、位相決定部81の決定に従い、変調部84が、波形出力部83の基本波形を変調して消音スピーカー7の駆動波形を作成する。この駆動波形により消音スピーカー7を駆動することで、ブロワー4の騒音が軽減される。
ここまでの説明で登場した、打消音制御部8で利用する電動モーター40の回転速度および位相の情報は、ホール素子41の出力信号に基づくものである。ホール素子41の出力信号と回転速度との関係および位相との関係は公知であるが、概略を述べれば次のようなことである。ホール素子41は、電動モーター40のローターの回転によりハイ・ローの2レベルの出力を反復する(図5参照)。ローター1回転分の期間の間に現れるハイレベル期間とローレベル期間の個数の合計はローターの極数と同じである。このため、単位時間あたりのレベル切り替えの回数から回転速度が分かる。またレベル切り替えのタイミングから位相が分かる。図2に例示した電動モーター40は4極のものであったが図5は10極の場合のものである。このように極数は任意である。図5は、3つのホール素子41の1つのものである。3つのホール素子41の出力信号は電気角にして120°ずつずれている。図5中の「T」は電気角における360°に相当する。
以上詳細に説明したように第1の形態によれば、送風ダクト3に消音スピーカー7を設け、ブロワー4の騒音を打ち消す打消音を発生させるようにしている。これにより、簡易な構成でモーター騒音を軽減できるモーター騒音軽減装置が実現されている。
[第2の形態]
第2の形態に係る電池パックの冷却システムは、図6のように構成されている。図6の電池パックの冷却システム11の、図1のシステム1に対する相違点は、以下の通りである。まず大きく目につく相違点として、第1の送風ダクト3および第1のブロワー4に加えて第2の送風ダクト13および第2のブロワー14が設けられている点が挙げられる。ブロワー4は送風ダクト3に、ブロワー14は送風ダクト13に、それぞれ取り付けられている。ブロワー14はブロワー4と同様に、ファンとその駆動源である電動モーターとにより構成されるものである。ブロワー14の電動モーターにもホール素子41が備えられている。
しかしながら送風ダクト3にも送風ダクト13にも、消音スピーカー7は取り付けられていない。図6のシステム11にも打消音制御部18が備えられている。打消音制御部18は、消音スピーカー7を制御対象とするのではなく、ブロワー14を制御対象とする。つまり図6のシステム11では、ブロワー14の電動モーターに実質的に、打消音発生器としての機能を兼ねさせている。
図6のシステム11におけるブロワー4の制御は、図1のシステム1の場合のブロワー4の制御と同様である。すなわち、車速情報および電池温度情報に基づき、電池ECU5がブロワー4の回転速度を決定する。
図6のシステム11におけるブロワー14の制御は、図1のシステム1の場合の消音スピーカー7の制御とは異なる。ブロワー14の電動モーターは基本的に、ブロワー4の電動モーターと同一の回転速度で、ただし逆位相で回転するように制御される。このため打消音制御部18は、図3に示した打消音制御部8のような機能を全部必要とする訳ではない。打消音制御部18に必要な機能は、周波数決定部80に相当する機能および位相決定部81に相当する機能だけである。
具体的には、打消音制御部18における周波数の決定部とは、電池ECU5からブロワー4への回転速度指令と同一の指令をブロワー14に入力することである。もしくは、ブロワー4のホール素子41からの回転情報に基づきブロワー4の実際の回転速度を算出して、算出とされた回転速度での回転をブロワー14に指令することであってもよい。
打消音制御部18における位相の決定とは、ブロワー4のホール素子41からの回転情報と、ブロワー14のホール素子41からの回転情報との両方を参照してそれらの位相を検知して、それらの間の位相差を算出することである。位相差が180°でなかった場合、つまり逆位相になっていない場合には、逆位相に揃うまでブロワー14の回転速度を微調節する。逆位相に揃ったらその後はブロワー4の回転速度と同じ回転速度でブロワー14が駆動されることとなる。これによりブロワー14の電動モーターは、ブロワー4の電動モーターと同一の回転速度で、かつ逆位相で回転させられることとなる。
図6のシステム11で電池パック2を冷却する動作を実行すると上記のようにして、ブロワー4とブロワー14とがほぼ同一の、しかし逆位相の動作音を発することになる。これらが互いに打ち消し合うことで、ユーザーが感じる騒音が効果的に軽減されることになる。
上記よりブロワー4の電動モーターとブロワー14の電動モーターとは、同種のものであることが望ましい。送風ダクト3および送風ダクト13についても、それらの材質、サイズ、形状が同一であることが望ましい。送風ダクト3におけるブロワー4の取り付け位置および送風ダクト13におけるブロワー14の取り付け位置も同一(図6中でいえば左右対称)であることが望ましい。これにより、両ブロワーの動作音の同一性がより高いこととなり、動作音の打ち消し合いがより確実だからである。
図6のシステム11の場合の騒音軽減機能では、図1のシステム1の場合について図4で説明したような特定のピーク周波数に対する消音ではなく、基本的に全周波数帯に対する消音となる。その点では消音効果がより高い。また、図1のシステム1の場合に行う事前の各種関係の決定は不要である。
以上詳細に説明したように第2の形態によれば、送風ダクトおよびブロワーを2組設け、一方のブロワーに、他方のブロワーの騒音に帯する打消音発生器としての機能を兼ねさせるようにしている。これにより、簡易な構成でモーター騒音を軽減できるモーター騒音軽減装置が実現されている。
前記第1の形態および第2の形態は単なる例示にすぎず、本開示技術を何ら限定するものではない。したがって本開示技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、ブロワー4およびブロワー14は、電池パック2に風を送り込むものとしたが、電池パック2から風を吸い出すものであってもよい。つまり、吸気口9、19は排気口であってもよい。第2の形態の場合、一方が吸気で他方が排気であってもよい。また、電池パック2の冷却のためのものには限定されず、車載のものにも限定されない。
第1の形態の場合、送風ダクト3におけるブロワー4と消音スピーカー7との位置関係を逆にすることも可能である。ただし、第1の形態の中で述べたように消音スピーカー7を吸気口9により近く配置した方が有利である。吸気口9により近い位置で打消音を発生させた方がユーザーが感じる消音効果がより高いからである。第1の形態ではまた、振幅決定部82により決定される振幅を固定値としてしまうこともできる。これでもある程度の効果はある。
第1の形態の場合にさらに、図4のグラフ中における2つ以上のピークを同時に対象とするようにすることもできる。この場合には周波数決定部80では複数の基本周波数を決定し、変調部84でそれぞれの周波数の波形を作成してこれらを重畳することになる。位相についてはそれぞれの波形ごとに逆位相とする。重畳した波形で消音スピーカー7を駆動することで、複数のピーク周波数帯に対する消音を行うこととなる。
1、11 電池パックの冷却システム 40 電動モーター
2 電池パック 41 ホール素子
3、13 送風ダクト 80 周波数決定部
4、14 ブロワー 81 位相決定部
5 電池ECU 82 振幅決定部
7 消音スピーカー 83 波形出力部
8、18 打消音制御部 84 変調部
9、19 吸気口 85 記憶部

Claims (7)

  1. 電動モーターを用いるシステムにおける前記電動モーターの騒音を軽減するモーター騒音軽減装置であって、
    前記騒音を打ち消す打消音を発生する打消音発生器と、
    前記打消音発生器を制御する打消音制御部とを有し、
    前記打消音制御部は、
    前記電動モーターの回転速度に基づいて打消音の基本周波数を決定する周波数決定部と、
    前記電動モーターの回転の位相に基づいて打消音の位相を、前記電動モーターの騒音の位相に対して逆位相となるように決定する位相決定部とを有するモーター騒音軽減装置。
  2. 請求項1に記載のモーター騒音軽減装置であって、前記打消音制御部は、
    前記電動モーターの回転速度に基づいて打消音の振幅を決定する振幅決定部と、
    打消音の基本波形を出力する波形出力部と、
    前記周波数決定部が決定した基本周波数、前記位相決定部が決定した位相、および前記振幅決定部が決定した振幅に従い前記基本波形を変調する変調部とを有するモーター騒音軽減装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のモーター騒音軽減装置であって、
    前記電動モーターは、励磁コイルの相の数と同数のロータ位置センサを有するDCブラシレスモーターであり、
    前記位相決定部は、前記ロータ位置センサの出力信号に基づいて前記電動モーターの回転の位相を検知するものであるモーター騒音軽減装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載のモーター騒音軽減装置であって、
    前記電動モーターは、電池パックの送風ダクトに取り付けられ前記電池パックを冷却する冷却風を起こすブロワーの駆動源であり、
    前記打消音発生器は、前記送風ダクトにおける前記電池パックから見て前記ブロワーより遠い位置に取り付けられているモーター騒音軽減装置。
  5. 請求項4に記載のモーター騒音軽減装置であって、
    前記電池パックの温度に基づいて前記電動モーターの回転速度を指示するモーター制御部を有し、
    前記打消音制御部は、前記騒音の周波数分布におけるピークとなるピーク周波数を前記電動モーターの回転速度ごとに記憶するピーク周波数記憶部を有し、
    前記周波数決定部は、前記ピーク周波数記憶部に記憶されているピーク周波数のうち、前記電動モーターの回転速度に対応するものを基本周波数として決定するものであるモーター騒音軽減装置。
  6. 請求項1に記載のモーター騒音軽減装置であって、
    前記電動モーターは、電池パックの第1の送風ダクトに取り付けられ前記電池パックを冷却する冷却風を起こす第1ブロワーの駆動源であり、
    前記打消音発生器は、電池パックの第2の送風ダクトに取り付けられ前記電池パックを冷却する冷却風を起こす第2ブロワーの駆動源である電動モーターであり、
    前記周波数決定部は、前記第2ブロワーの電動モーターの回転速度を、前記第1ブロワーの電動モーターの回転速度と同一の回転速度とするものであり、
    前記位相決定部は、前記第2ブロワーの電動モーターの回転の位相を、前記第1ブロワーの電動モーターの回転の位相に対して逆位相とするものであるモーター騒音軽減装置。
  7. 請求項6に記載のモーター騒音軽減装置であって、
    前記第1ブロワーの電動モーターおよび前記第2ブロワーの電動モーターはいずれも、励磁コイルの相の数と同数のロータ位置センサを有するDCブラシレスモーターであり、 前記電池パックの温度に基づいて前記第1ブロワーの電動モーターの回転速度を指示するモーター制御部を有し、
    前記周波数決定部は、前記第2ブロワーの電動モーターの回転速度を、前記モーター制御部が指示する前記第1ブロワーの電動モーターの回転速度と同一の回転速度とするものであり、
    前記位相決定部は、前記第1ブロワーの電動モーターの前記ロータ位置センサの出力信号に基づいて、前記第1ブロワーの電動モーターの回転の位相を検知するものであるモーター騒音軽減装置。
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