JP2023039187A - 硬質窒化物含有スパッタリングターゲット - Google Patents

硬質窒化物含有スパッタリングターゲット Download PDF

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恭伸 渡邉
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Abstract

【課題】比較的粗大なジルコニア粒子の混入によるスパッタリング中のアーキングの発生を防止し、成膜時のパーティクル発生を抑制することができる硬質窒化物含有スパッタリングターゲット及びその製造方法を提供する。【解決手段】FeまたはCoを含む合金相と、AlN、BN、Cr2N、Si3N4、HfN、NbN、TaN、TiN、VNおよびこれらの任意の組み合わせから選択される硬質窒化物を含む非磁性相と、からなり、金属Zrとして測定した場合のZr不純物濃度が1000ppm以下に規制され、3kgfの荷重条件で測定したビッカース硬度Hvが200以上600以下であることを特徴とする、硬質窒化物含有スパッタリングターゲット。【選択図】図3

Description

本発明は、硬質窒化物含有スパッタリングターゲット及びその製造方法に関し、特にFe又はCoを含む合金相と、AlN、BN、CrN、Si、HfN、NbN、TaN、TiN、VNおよびこれらの任意の組み合わせから選択される硬質窒化物を含む非磁性相と、からなる硬質窒化物含有スパッタリングターゲット及びその製造方法に関する。
ハードディスクドライブなどの磁気記録媒体のグラニュラー構造磁性薄膜を製造するためのスパッタリングターゲットとして、強磁性金属であるFeまたはCoを主成分とする合金相と、酸化物、炭素、窒化ホウ素などの非磁性材とを含む焼結体が用いられている。
非磁性材として酸化物を含有するスパッタリングターゲットでは、合金相の間に酸化物を均一微細に分散させた非磁性材粒子分散型の組織にすることで、成膜時のパーティクル発生を低減できることが確認されている。酸化物を合金相の間に均一微細に分散させるためには、ジルコニアボールミルなどの媒体撹拌ミルを用いて強く撹拌して、酸化物と合金相を形成する原材料粉末を混合することが行われている(特許第4673448号公報、特許6728094号公報)。酸化物の代わりに窒化物を含有するスパッタリングターゲットも提案されているが、酸化物と同様にジルコニアボールミルを用いて強く撹拌して混合する方法が採用されている(特許5913620号公報、特許第6526837号公報)。
特許4673448号公報には、酸化物の非磁性粒子が均一に微細分散した相(A)と、相(A)の中に直径が50~200μmの球形の合金相(B)とを有し、球形の合金相(B)の中心付近にCrが25mol%以上濃縮し、外周部にかけてCrの含有量が中心部より低くなる組成を有する非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲットが開示されている。このスパッタリングターゲットは、最大粒径が20μm以下の金属粉末と、最大粒径が5μm以下の非磁性材粉末とをジルコニアボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、20時間回転させて粉砕を兼ねて混合し、この混合粉末と直径が50~200μmのCo-Cr球形粉末とを遊星運動型ミキサーで混合して、焼結することにより製造することが記載されている。
特許6728094号公報には、スパッタリング時におけるパーティクル発生を抑制するために、Co-Pt相とCo相と非磁性材料とを含み、Co-Pt合金相を微細化し、Co相を粗大化する発明が開示されている。具体的には、Co-Pt合金相の平均粒子径を0.1μm以上7μm以下とし、Co相の平均粒子径を30μm以上300μm以下とし、酸化物の非磁性材料の平均粒子径を0.05μm以上2μm以下とすること、原材料としてメジアン径が0.1μm以上7μm以下のCo-Pt合金粉末、メジアン径が0.05μm以上2μm以下の非磁性材料の粉末を用いること、が記載されている。また、原材料粉末の混合方法としては、原材料粉末をジルコニアボールと共に容量10リットルのボールミルに封入し、20時間回転させて混合させることが記載されている。
特許第5913620号公報には、非磁性材料として六方晶系BNを用いたFe-Pt系焼結体スパッタリングターゲットにおいて、六方晶系BNの配向性を改善することによりスパッタリング中の異常放電を抑制して、発生するパーティクル量を低減することが開示されている。具体的には、Fe-Pt合金粉末をジルコニアボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理し、平均粒子径10μmのFe-Pt合金粉末とした後、Fe-Pt合金粉末と六方晶系BN粉末とをV型混合機で混ぜ合わせ、さらに150μmの篩を用いて混合することが記載されている。しかし、六方晶系BNは硬度が低く、スパッタリングターゲットとしての硬度が不足し、スパッタリング時に割れが発生するという問題がある。
特許第6526837号公報には、六方晶系BNよりもBN粒子内にクラックが入りにくい立方晶系BNを用いるFe-Pt系スパッタリングターゲット及びCo-Pt系スパッタリングターゲットが開示されており、原材料粉末をジルコニアボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転(回転数300rpm)させて混合し、原料混合粉のメジアン径(D50)が0.3μm以上20μm以下、好ましくは5μm以下になるまで粉砕することが記載されている。
しかし、本発明者らの実験により、非磁性材として窒化物を用いる場合には、原材料粉末の混合時に、窒化物が硬質であるためにジルコニアボールや媒体撹拌ミル内壁が摩耗して比較的粗大なジルコニア粒子が混入し、粗大なジルコニア粒子は窒化物や炭化物より電気抵抗率が高いため、スパッタリング中にアーキングが起こりやすく、成膜時のパーティクル発生を生じやすいことがわかった。
特許第4673448号公報 特許6728094号公報 特許5913620号公報 特許第6526837号公報
本発明は、上記従来の課題を解決し、比較的粗大なジルコニア粒子の混入によるスパッタリング中のアーキングの発生を防止し、成膜時のパーティクル発生を抑制することができる硬質窒化物含有スパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、硬質窒化物含有スパッタリングターゲットのスパッタリング中のアーキングが、比較的粗大なジルコニア粒子の混在により引き起こされることを知見し、スパッタリングターゲットの製造過程の原材料粉の混合時に一般に使用されているジルコニアボールミルに由来するジルコニア不純物粒子の混入を防止することで、スパッタリング中のアーキングを抑制できると考え、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、FeまたはCoを含む合金相と、
AlN、BN、CrN、Si、HfN、NbN、TaN、TiN、VNおよびこれらの任意の組み合わせから選択される硬質窒化物を含む非磁性相と、からなり、
金属Zrとして測定した場合のZr不純物濃度が1000ppm以下に規制され、
3kgfの荷重条件で測定したビッカース硬度Hvが200以上600以下であることを特徴とする、硬質窒化物含有スパッタリングターゲットが提供される。
前記Zr不純物濃度が500ppm以下に規制されていることが好ましい。
前記非磁性相は、
倍率500のEPMA面分析の観察視野180μm×180μmを画像解析して求めた平均粒径が4μm以上20μm以下;
倍率1000のEPMA面分析の観察視野90μm×90μmを画像解析して求めた平均粒径が2μm以上20μm以下;および
倍率3000のEPMA面分析の観察視野30μm×30μmを画像解析して求めた平均粒径が1μm以上20μm以下;
の少なくとも1を満たすことが好ましい。
前記スパッタリングターゲット中の前記非磁性相の含有量は、5mol%以上50mol%以下であることが好ましい。
前記非磁性相は、C、B及びSiOから選択される1種以上をさらに含むことができる。
前記合金相は、Ptを0mol%以上60mol%以下含むことができる。
前記合金相は、Ag、Au、Cr、Cu、Ge、Ir、Ni、Pd、Rh、Ru及びBから選択される1種以上の元素をさらに含むことができる。
本発明によれば、上記硬質窒化物含有スパッタリングターゲットの製造方法も提供される。本発明の製造方法は、前記合金相及び前記非磁性相を構成する原料粉末を、ジルコニアボールミルを用いて50rpm以上150rpm以下の回転数で2時間以上6時間以下にわたり混合して混合粉末を調製し、前記混合粉末を焼結することを含む、ことを特徴とする。
前記合金相を構成する原料粉末は、各原料の金属粉末またはFe系もしくはCo系のアトマイズ合金粉末であることが好ましい。
前記非磁性相を構成する原料粉末は、平均粒径D50が1μm以上40μm以下の硬質窒化物粉末を含むことが好ましい。
本発明の硬質窒化物含有スパッタリングターゲットは、電気抵抗率が高く比較的粗大なジルコニア不純物粒子の混入を防止し、金属Zrとして測定した場合のZr不純物濃度を1000ppm以下に規制しているため、スパッタリング中のアーキングの発生を抑制し、成膜時のジルコニア粒子由来のパーティクルを低減することができる。
実施例及び比較例のスパッタリングターゲットにおけるZr濃度とパーティクル数との関係を示すグラフ。 実施例及び比較例のスパッタリングターゲットにおけるビッカース硬度とパーティクル数との関係を示すグラフ。 実施例1のスパッタリングターゲットの組織のSEM観察写真(倍率1000)。 実施例2のスパッタリングターゲットの組織のSEM観察写真(倍率1000)。 比較例2のスパッタリングターゲットの組織のSEM観察写真(倍率1000)。
好ましい実施形態
以下、添付図面を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の硬質窒化含有スパッタリングターゲットは、FeまたはCoを含む合金相と、AlN、BN、CrN、Si、HfN、NbN、TaN、TiN、VNおよびこれらの任意の組み合わせから選択される硬質窒化物を含む非磁性相と、からなり、金属Zrとして測定した場合のZr不純物濃度が1000ppm以下、好ましくは500ppm以下、より好ましくは300ppm以下に規制され、3kgfの荷重条件で測定したビッカース硬度Hvが200以上600以下、好ましくは250以上600以下であることを特徴とする。
本発明は、硬質窒化物を非磁性材粒子として含む硬質窒化物含有スパッタリングターゲットに関する。硬質窒化物としては、AlN、BN、CrN、Si、HfN、NbN、TaN、TiN、VNおよびこれらの任意の組み合わせを含む。各窒化物の硬さ(GPa)は、AlNが12.0、CrNが15.4、Siが19.4、HfNが15.7、NbNが14.3、TaNが23.7、TiNが20.1、VNが12.8、立方晶BNが46.1、六方晶BNが2.0である(データブック高融点化合物便覧、セラミックス加工ハンドブック:基礎から応用事例まで、Ceramic Hardness)。
スパッタリングターゲットに用いられるBNとしては、立方晶BN及び六方晶BNが知られているが、本発明においては、ダイヤモンドに次いで硬いといわれている立方晶BNを用いる。なお、立方晶BNが含まれていれば、六方晶BNが混在していてもよい。
非磁性相は、平均粒径が1μm以上、好ましくは2μm以上20μm以下の硬質窒化物を含む。非磁性相の平均粒径は、EPMA面分析結果を画像解析することにより測定することができる。EPMA面分析による画像解析は以下の手順で行う。
まず、スパッタリングターゲットのスパッタ面を研磨して、EPMA装置を用いて倍率100で、元素マッピング像を取得する。得られた元素マッピング像をEPMA装置付属の「面処理」機能で2値化処理する。2値化処理が完了した元素マッピング像を画像解析ソフト(ImageJ 1.53e)で解析し窒化物の平均粒径を測定する。窒化物を構成する元素がN(窒素)以外に1種類(例えば元素A)である場合には、元素マッピング像から元素Nと元素Aの両方が検出された箇所を計算する。窒化物を構成する元素がN(窒素)以外に2種類以上ある場合は、各元素のマッピング像から元素N以外のすべての元素マッピング像を合成し、元素N以外の元素と元素Nとの両方が検出された箇所を計算して、Average Sizeを求め、以下の式で平均粒径(μm)を計算する。
Figure 2023039187000002
得られた平均粒径が表1に示す各倍率の判定基準以下の場合は、判定基準より大きい値になるまで倍率を500、1000、3000、10000の順で1段階ずつ倍率をあげ、一連の操作を繰り返して各倍率での平均粒径を計算する。
Figure 2023039187000003
EPMA面分析時の観察倍率によっては微細な非磁性相を観察することができず、平均粒径の誤差が大きくなるため、下記のように観察倍率による平均粒径の範囲を分類する。本発明の硬質窒化物含有スパッタリングターゲットは、下記(A)~(C)の少なくとも1を満たすことが好ましい。
(A)倍率500のEPMA面分析の観察視野180μm×180μmを画像解析して求めた平均粒径が3.6μm以上20μm以下、好ましくは4μm以上15μm以下;
(B)倍率1000のEPMA面分析の観察視野90μm×90μmを画像解析して求めた平均粒径が1.8μm以上20μm以下、好ましくは1.8μm以上4μm以下、より好ましくは1.8μm以上3.6μm以下;
(C)倍率3000のEPMA面分析の観察視野30μm×30μmを画像解析して求めた平均粒径が1μm以上20μm以下、好ましくは1μm以上2μm以下、より好ましくは1μm以上1.8μm以下。
スパッタリングターゲット中の非磁性相の含有量は、スパッタリングターゲットを用いて成膜する堆積層に求められる物性によって異なるが、一般的には5mol%以上50mol%以下であることが好ましく、より好ましくは5mol%以上45mol%以下である。非磁性相の含有量が上記範囲内にあれば、成膜した堆積層の磁気特性を良好に維持することができ、堆積層における磁性材の間に微細分散して、隣接する磁性材同士を隔離する粒界材としての機能を発揮できる。
非磁性相は、スパッタリングターゲットに一般的に用いられるC、B及びSiOから選択される1種以上の非磁性材をさらに含むことができる。任意添加の非磁性材のスパッタリングターゲット中の含有量は、0mol%以上25mol%以下が好ましく、0mol%以上20mol%以下がより好ましい。任意添加の非磁性材の含有量が上記範囲内にあれば、成膜した堆積層の磁気特性を良好に維持することができ、堆積層における磁性材の間に微細分散して、隣接する磁性材同士を隔離する粒界材としての機能を発揮できる。
合金相は、強磁性材料であるFe又はCoを含む。Fe単独又はCo単独、あるいはFeとCoの合金、もしくはFeと他の元素との合金、Coと他の元素との合金又はFeとCoと他の元素との合金として含まれていてもよい。Fe又はCoはスパッタリングターゲットの主成分として含まれる。Coを含まずFeを含む場合の合金相中のFeの含有量は、35mol%以上100mol%以下が好ましく、40mol%以上100mol%以下がより好ましい。Feを含まずCoを含む場合の合金相中のCoの含有量は、50mol%以上100mol%以下が好ましく、55mol%以上100mol%以下がより好ましい。FeまたはCoを含む場合の合金相中のFeとCoの合計の含有量は、35mol%以上100mol%以下が好ましく、40mol%以上100mol%以下がより好ましい。FeおよびCoを含む場合の合金相中のFeとCoの合計量は50mol%以上100mol%以下が好ましく、60mol%以上100mol%以下がより好ましく、合金相中のFeの含有量は、30mol%以上70mol%以下が好ましく、35mol%以上65mol%以下がより好ましく、合金相中のCoの含有量は、20mol%以上50mol%以下が好ましく、25mol%以上45mol%以下がより好ましい。
合金相は、Ptを0mol%以上60mol%以下含むことが好ましく、より好ましくは0mol%超55mol%以下である。
合金相は、Ag、Au、Cr、Cu、Ge、Ir、Ni、Pd、Rh、Ru及びBから選択される1種以上の元素をさらに含むことができる。任意添加の元素の合金相中の含有量は、0mol%以上30mol%以下が好ましく、0mol%以上25mol%以下がより好ましい。任意添加の元素の合金相中の含有量が上記範囲内にあれば、成膜した堆積層の磁気特性を良好に維持することができる。
本発明のスパッタリングターゲットとしては、Fe合金-窒化物、Fe合金-C-窒化物、Fe合金-酸化物-窒化物、Fe合金-C-酸化物-窒化物、Co合金-窒化物、Co合金-C-窒化物、Co合金-酸化物-窒化物、Co合金-C-酸化物-窒化物、FePt合金-窒化物、FePt合金-C-窒化物、FePt合金-酸化物-窒化物、FePt合金-C-酸化物-窒化物、CoPt合金-窒化物、CoPt合金-C-窒化物、CoPt合金-酸化物-窒化物、CoPt合金-C-酸化物-窒化物、FeCo合金-窒化物、FeCo合金-C-窒化物、FeCo合金-酸化物-窒化物、FeCo合金-C-酸化物-窒化物、FeCoPt合金-窒化物、FeCoPt合金-C-窒化物、FeCoPt合金-酸化物-窒化物、FeCoPt合金-C-酸化物-窒化物を好適に挙げることができる。具体的な設計組成としては、Fe-51Pt-7Si、Fe-40Pt-20AlN、Fe-39Pt-25TaN、Fe-38Pt-15CrN、Fe-35Pt-25VN、Fe-40Pt-20NbN、Fe-40Pt-20HfN、Fe-28Pt-30BN、Fe-35Pt-25TiN、Fe-41Pt-5Cu-5BN-8Si、Fe-46Pt-3B-8Si、Fe-41Pt-4SiO-10AlN-3Si、Fe-21Pt-21Co-10C-20AlN、Fe-30Pt-5C-30AlN、Fe-30Pt-5Ag-6C-11BN-20AlN、Fe-32Pt-6B-6Rh-20HfN、Fe-34Pt-3Ge-5C-20TiN、Co-23Pt-7Si、Co-20Pt-19AlN、Co-19Pt-25TaN、Co-14Pt-30BN、Co-16Pt-4Cr-4SiO-15CrN、Co-13Pt-6Ru-8Cr-16C-22VN、Co-15TiN、Fe-20TaN、Co-48Fe-20AlNを好適に挙げることができる。
本発明のスパッタリングターゲットの設計組成は公知のスパッタリングターゲットの組成と重複することがあり得るが、金属Zrとして測定した場合のZr濃度が1000ppm以下、好ましくは500ppm以下、より好ましくは300ppm以下に規制されている点で公知のスパッタリングターゲットとは異なる。本発明のスパッタリングターゲットのZr不純物は、公知のスパッタリングターゲットの組成における不可避的不純物とは異なり、製造工程で規制値以下の含有量となるように制御したものである。後述する実施例及び比較例に示すように、同じ設計組成のスパッタリングターゲットであってもZr濃度を1000ppm以下に規制すると、パーティクルの発生が著しく抑制されることが確認された。
また、本発明のスパッタリングターゲットは、3kgfの荷重条件で測定したビッカース硬度Hvが200以上600以下、好ましくは250以上600以下であることも特徴とする。ビッカース硬度が高いほどパーティクルの発生が多くなると考えられていたが、Zr濃度を1000ppm以下に規制すると、後述する実施例及び比較例に示すように、同じ設計組成のスパッタリングターゲットであってもビッカース硬度Hvを200以上600以下の場合に、パーティクルの発生が著しく抑制されることが確認された。
本発明の硬質窒化物含有スパッタリングターゲットは、前記合金相及び前記非磁性相を構成する原料粉末を、ジルコニアボールミルを用いて50rpm以上150rpm以下の回転数で2時間以上6時間以下にわたり混合して混合粉末を調製し、前記混合粉末を焼結することを含むことを特徴とする方法により製造することができる。
本発明の製造方法において、原料粉末の撹拌混合条件を、ジルコニアボールミルを用いて50rpm以上150rpm以下、好ましくは50rpm以上100rpm以下、より好ましくは50rpm以上75rpm以下の回転数で2時間以上6時間以下、好ましくは3時間以上5時間以下とする。一般的にジルコニアボールミルを用いる撹拌混合は、ミルを高速回転することによってジルコニアボールと原料粉末とを高速で衝突させ、ジルコニアボールの間で原料粉末を磨り潰すことを長時間継続することにより、原料粉末に強い機械的エネルギーを付与して破砕し、微細化された原料粉末を練りこむことにより、均質な粉末混合物を形成する。本発明者らは、原料粉末が硬質粒子を含む場合には、ジルコニアボールが摩耗して微量のジルコニアが不純物として混入することを知見し、原料粉末の均質な混合を実現しつつジルコニアボールの摩耗を抑制する最適な混合条件を見出した。本発明においては、回転数を低速に抑えて比較的緩やかに衝突させ、撹拌時間を比較的短くすることで、硬い窒化物粒子を含む原料粉末であってもジルコニアボールの摩耗を防ぎ、原料粉末の混合物へのジルコニアの混入を抑制することができることを見出した。
合金相を構成する原料粉末は、金属粉末またはFe系又はCo系のアトマイズ合金粉末とすることができる。
Fe粉末としては、平均粒径D50が1μm以上10μm以下、好ましくは2μm以上8μm以下の粉末を用いることができる。平均粒径が小さすぎると発火の危険性や不可避的不純物濃度が高くなる可能性が生じ、平均粒径が大きすぎると非磁性材粒子を均一に分散することができない可能性がある。
Co粉末としては、平均粒径D50が1μm以上10μm以下、好ましくは2μm以上8μm以下の粉末を用いることができる。平均粒径が小さすぎると発火の危険性や不可避的不純物濃度が高くなる可能性が生じ、平均粒径が大きすぎると非磁性材粒子を均一に分散することができない可能性がある。
Pt粉末としては、平均粒径D50が0.1μm以上10μm以下、好ましくは0.3μm以上6μm以下の粉末を用いることができる。平均粒径が小さすぎると不可避的不純物濃度が高くなる可能性が生じ、平均粒径が大きすぎると非磁性材粒子を均一に分散することができない可能性がある。
任意追加の元素粉末としては、平均粒径D50が0.1μm以上30μm以下、好ましくは0.5μm以上20μm以下の粉末を用いることができる。平均粒径が小さすぎると不可避的不純物濃度が高くなる可能性が生じ、平均粒径が大きすぎると均一に分散することができない可能性がある。
Fe系又はCo系のアトマイズ合金粉末としては、平均粒径D50が1μm以上10μm以下、好ましくは2μm以上8μm以下のアトマイズ合金粉末を用いることができる。平均粒径が小さすぎると不可避的不純物濃度が高くなる可能性が生じ、平均粒径が大きすぎると非磁性材粒子を均一に分散することができない可能性がある。
非磁性相を構成する原料粉末は、平均粒径D50が1μm以上40μm以下、好ましくは2μm以上35μm以下の硬質窒化物粉末を含む。硬質窒化物粉末としては、AlN、BN、CrN、Si、HfN、NbN、TaN、TiN、VNおよびこれらの任意の組み合わせを用いる。BNとしては立方晶BNを用いる。硬質窒化物粉末の平均粒径が上記範囲外であると良好な分散状態を達成することができない。
非磁性相を構成する原料粉末として、さらに平均粒径D50は1μm以上10μm以下、好ましくは1μm以上8μm以下のC、B及びSiOから選択される1種以上の非磁性材を含むことができる。追加の非磁性材粉末の平均粒径が上記範囲外であると良好な分散状態を達成することができない。
混合粉末の焼結条件は、800℃以上1300℃以下、好ましくは900℃以上1250℃以下の焼結温度、及び30MPa以上120MPa以下、好ましくは50MPa以上100MPa以下の焼結圧力とすることが望ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例及び比較例におけるスパッタリングターゲットのZr濃度、ビッカース硬度、硬質窒化物非磁性相の平均粒径、相対密度及びパーティクル数の測定方法は以下のとおりである。
[Zr濃度]
スパッタリングターゲットから直径30mmの試験片を切り出しスパッタリングターゲットのスパッタ面に対する水平面を#80と#320と#1200のSiC研磨紙を用いて研磨し、RhのX線管を備えた蛍光X線分析装置(ZSX PrimusIV、株式会社リガク)を用いて、EZスキャンに表2の条件を入力しZr濃度を測定する。
Figure 2023039187000004
[ビッカース硬度]
JIS Z 2244に準じて測定する。具体的には、スパッタリングターゲットのスパッタ面に対する水平面を#80と#320と#1200のSiC研磨紙を用いて研磨した後に、粒径1μmのダイヤモンド砥粒を用いてバフ研磨し、ビッカース硬さ試験器(HV-115、株式会社ミツトヨ)を用いて、対面角136゜の正四角錐のダイヤモンド圧子で試験荷重3.00kgfを付与した際のくぼみの大きさを顕微鏡で観察し、4辺の対角線を結んだ直線の長さを測定し、くぼみの表面積(mm)を算出し、試験荷重(kgf)/くぼみの表面積(mm)を算出する。
[硬質窒化物非磁性相の平均粒径]
スパッタリングターゲットのスパッタ面に対する垂直面を#80と#320と#1200のSiC研磨紙を用いて研磨した後に、粒径1μmのダイヤモンドスプレーを用いてバフ研磨し、表3および表4に示すEPMA分析条件にて、EPMA装置(JXA-8500F、日本電子株式会社)を用いて、元素マッピング像を取得する。
Figure 2023039187000005
Figure 2023039187000006
得られた元素マッピング像をEPMA装置(JXA-8500F)付属の「面処理」機能で2値化処理する。具体的には、元素マッピング像を最大マップ数9で表示して2値化処理する画像を選択し「レベル変更」画面で上限と下限の値を確認する。「マップ計算」画面で「定数の減算」を選択し、「レベル変更」画面で確認した下限の値をKに入力して実行する。再度、「マップ計算」画面で「定数の除算」を選択し、「レベル変更」画面で確認した上限の値から下限の値を減算した値をKに入力して実行する。「表示モード」選択画面を表5の内容に変更し実行する。「レベル変更」画面を表6の内容に変更し実行する。
Figure 2023039187000007
Figure 2023039187000008
上述の2値化処理が完了した元素マッピング像のスクリーンショットをPNG形式で保存する。得られたPNG形式の元素マッピング像を画像解析ソフト(ImageJ 1.53e)で解析し窒化物の平均粒径を測定する。具体的には、以下の手順で窒化物の平均粒径を測定する。画像解析ソフト(ImageJ 1.53e)でPNG形式の元素マッピング像を開く。窒化物が元素AとN(窒素)で構成されるとき、元素Aと元素Nのマッピング像の領域を286×286pixelsでコピーしNew のImageとして保存する。画像解析ソフト(ImageJ 1.53e)のImage Calculatorに表7の内容を入力して実行し、元素Aと元素Nの両方が検出された箇所を計算したファイルを作成する。
Figure 2023039187000009
窒化物を構成する元素がN(窒素)以外に2種類以上ある場合は、各元素のマッピング像の領域を286×286pixelsでコピーしNew のImageとして保存したのち、表7のOperationをORにしてImage1およびImage2に窒化物を構成する元素N以外のマッピング像を選択し、Image Calculatorで窒化物を構成する元素N以外の全てのマッピング像を合成する。その画像を表7のImage CalculatorのImage1に選択すること以外は表7のImage Calculatorの内容を入力して実行し、窒化物を構成するN以外の元素と元素Nの両方が検出された箇所を計算したファイルを作成する。
得られたファイルをInvertして白黒反転させ、Set Scaleに表8の内容を入力して実行する。なお、Known distanceには各倍率の視野を入力する。即ち、100倍の時は900、500倍の時は180、1000倍の時は90、3000倍の時は30、10000倍の時は10を入力する。
Figure 2023039187000010
Analyze particlesに表9の内容を入力して実行する。なお、Size(μm)には観察倍率に応じて表10の値を入力する。
Figure 2023039187000011
Figure 2023039187000012
解析後に表示されるSummary画面のAverage Sizeを用いて以下の式で平均粒径(μm)を計算する。
Figure 2023039187000013
まず100倍の画像で上記一連の解析を行い、得られた平均粒径が表11に示す各倍率の判定基準以下の場合は、判定基準より大きい値になるまで500倍、1000倍、3000倍、10000倍の順で1段階ずつ倍率をあげる。
Figure 2023039187000014
[相対密度]
置換液として純水を用いてアルキメデス法で測定する。焼結体の質量を測定し、焼結体を置換液中に浮遊させた状態で浮力(=焼結体の体積)を測定する。焼結体の質量(g)を焼結体の体積(cm)で除して実測密度(g/cm)を求める。焼結体の組成に基づいて計算した理論密度との比率(実測密度/理論密度)が相対密度である。
[パーティクル数]
焼結体を直径153mm、厚さ2mmに加工し、直径161mm、厚さ4mmのCu製パキングプレートにインジウムでボンディングして、スパッタリングターゲットを得る。このスパッタリングターゲットをマグネトロンスパッタリング装置に取り付け、出力500W、ガス圧1PaのArガス雰囲気下で40秒間のスパッタリングの後、基板上に付着したパーティクル数をパーティクルカウンターで測定する。
[実施例1~26及び比較例1~15]
表12に示す設計組成のスパッタリングターゲットを製造し、Zr濃度、ビッカース硬度、硬質窒化物非磁性相の平均粒径、相対密度及びパーティクル数を測定した。
合金相の原料粉末として、平均粒径D50が7μmのFe粉末、平均粒径D50が3μmのCo粉末、平均粒径D50が1μmのPt粉末を用いた。合金相の追加の元素として、平均粒径D50が5μmのCu粉末、平均粒径D50が4μmのAg粉末、平均粒径D50が8μmのB粉末、平均粒径D50が10μmのGe粉末、平均粒径D50が15μmのCr粉末、平均粒径D50が13μmのRu粉末、平均粒径D50が13μmのRh粉末を用いた。
硬質窒化物粉末として、平均粒径D50が20μmのSi粉末、平均粒径D50が8μmのAlN粉末、平均粒径D50が4μmのTaN粉末、平均粒径D50が7μmのCrN粉末、平均粒径D50が10μmのNbN粉末、平均粒径D50が35μmのHfN粉末、平均粒径D50が3μmの立方晶BN粉末、平均粒径D50が9μmのTiN粉末、平均粒径D50が7μmのVN粉末を用いた。
追加の非磁性材粉末として、平均粒径D50が5μmの六方晶BN粉末、平均粒径D50が5μmのB粉末、平均粒径D50が5μmのC粉末、平均粒径D50が1μmのSiO粉末を用いた。
実施例1~26については、表12に示す設計組成となるように秤量した各原料粉末を4kgのジルコニアボールと一緒に撹拌ミルに投入し、100rpmの回転数で4時間撹拌混合して得た混合粉末を66MPaの焼結圧力で表12に示す焼結温度にて焼結した。表12中空欄は添加していないことを示す。
比較例1~15については、表13に示す設計組成となるように秤量した各原料粉末を4kgのジルコニアボールと一緒に撹拌ミルに投入し、表13に示す撹拌条件で撹拌混合して得た混合粉末を66MPaの焼結圧力で表13に示す焼結温度にて焼結した。表13中空欄は添加していないことを示す。
得られた焼結体の相対密度を測定後、スパッタリングターゲットに加工してZr濃度、硬質窒化物の平均粒径、ビッカース硬度及びパーティクル数を測定した。結果を表14及び15に示す。Zr濃度とパーティクル数との関係を図1に示し、ビッカース硬度とパーティクル数との関係を図2に示す。
Figure 2023039187000015
Figure 2023039187000016
Figure 2023039187000017
Figure 2023039187000018
表14~15及び図1から、Zr濃度が2000ppm以上ではパーティクル数が2000個以上と多いが、Zr濃度が1000ppm以下ではパーティクル数が少なく、特にZr濃度が300ppm以下ではパーティクル数が400個未満と少ないことがわかる。また、表14~15及び図2から、ビッカース硬度Hvが600以上ではパーティクル数が2000個以上と多いが、ビッカース硬度Hvが200~600の範囲ではパーティクル数が400個未満と少ないことがわかる。
実施例1~26のスパッタリングターゲットの硬質窒化物粒子の平均粒径の測定は倍率500~3000で行うことができたが、比較例1~15のスパッタリングターゲットの硬質窒化物粒子の平均粒径の測定は倍率10000まで上げることが必要であった。表14及び15から、実施例1~26の硬質窒化物の平均粒径は1.3μm~12.8μmの範囲にあり、比較例1~15の硬質窒化物の平均粒径は0.3~0.9μmの範囲の微細粒子であることがわかる。
図3は実施例1のスパッタリングターゲットの組織のSEM観察写真(倍率1000)、図4は実施例2のスパッタリングターゲットの組織のSEM観察写真(倍率1000)、図5は比較例2のスパッタリングターゲットの組織のSEM観察写真(倍率1000)である。EPMA分析により、図中、黒い粒子が硬質窒化物粒子であり、白~灰色が合金相であることを確認している。図3と図5を比較すると、比較例2(図5)は白い合金相及び黒い粒子が実施例1(図3)よりも微細に分散していることがわかる。図4から、比較的大きな硬質窒化物粒子と合金相とが均質に分散していることがわかる。
表14~15及び図3~5から、従来の方法で製造した比較例のスパッタリングターゲットよりも、本発明の製造方法で製造したスパッタリングターゲットは、硬質窒化物粒子が比較的大きいが、非磁性相と合金相とが均質に分散していることがわかる。

Claims (10)

  1. FeまたはCoを含む合金相と、
    AlN、BN、CrN、Si、HfN、NbN、TaN、TiN、VNおよびこれらの任意の組み合わせから選択される硬質窒化物を含む非磁性相と、からなり、
    金属Zrとして測定した場合のZr不純物濃度が1000ppm以下に規制され、
    3kgfの荷重条件で測定したビッカース硬度Hvが200以上600以下であることを特徴とする、硬質窒化物含有スパッタリングターゲット。
  2. 前記Zr不純物濃度が500ppm以下に規制されていることを特徴とする、請求項1に記載の硬質窒化物含有スパッタリングターゲット。
  3. 前記非磁性相は、
    倍率500のEPMA面分析の観察視野180μm×180μmを画像解析して求めた平均粒径が4μm以上20μm以下;
    倍率1000のEPMA面分析の観察視野90μm×90μmを画像解析して求めた平均粒径が2μm以上20μm以下;および
    倍率3000のEPMA面分析の観察視野30μm×30μmを画像解析して求めた平均粒径が1μm以上20μm以下;
    の少なくとも1を満たすことを特徴とする、請求項1又は2に記載の硬質窒化物含有スパッタリングターゲット。
  4. 前記スパッタリングターゲット中の前記非磁性相の含有量は、5mol%以上50mol%以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1に記載の硬質窒化物含有スパッタリングターゲット。
  5. 前記非磁性相は、C、B及びSiOから選択される1種以上をさらに含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1に記載の硬質窒化物含有スパッタリングターゲット。
  6. 前記合金相は、Ptを0mol%以上60mol%以下含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1に記載の硬質窒化物含有スパッタリングターゲット。
  7. 前記合金相は、Ag、Au、Cr、Cu、Ge、Ir、Ni、Pd、Rh、Ru及びBから選択される1種以上の元素をさらに含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1に記載の硬質窒化物含有スパッタリングターゲット。
  8. 請求項1~7のいずれか1に記載の硬質窒化物含有スパッタリングターゲットの製造方法であって、
    前記合金相及び前記非磁性相を構成する原料粉末を、ジルコニアボールミルを用いて50rpm以上150rpm以下の回転数で2時間以上6時間以下にわたり混合して混合粉末を調製し、
    前記混合粉末を焼結することを含む、
    ことを特徴とする硬質窒化物含有スパッタリングターゲットを製造する方法。
  9. 前記合金相を構成する原料粉末は、各原料の金属粉末またはFe系もしくはCo系のアトマイズ合金粉末であることを特徴とする請求項8に記載の硬質窒化物含有スパッタリングターゲットを製造する方法。
  10. 前記非磁性相を構成する原料粉末は、平均粒径D50が1μm以上40μm以下の硬質窒化物粉末を含むことを特徴とする、請求項8又は9に記載の製造方法。
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