JP2023035041A - コンパクト容器 - Google Patents

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千秋 神村
Chiaki Kamimura
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Abstract

【課題】衝撃吸収性能を向上でき、内容物の損傷等を抑制できるコンパクト容器を提供する。【解決手段】内容物が収容される有底筒状の中皿5と、中皿5が収容される収容凹部21を有する容器本体2と、収容凹部21と中皿5との間に介装され、弾性変形可能であり、収容凹部21及び中皿5よりも軟材質で形成された保持枠6と、を備え、収容凹部21の底面21bと、中皿5の底壁52とは、上下方向に互いに間隔をあけて配置され、保持枠6は、中皿5の周壁51の径方向外側に配置される側壁部61と、側壁部61と一体に形成され、中皿5の底壁52の下側に配置される下壁部62と、を有し、側壁部61は、側壁部61から径方向内側に突出し、周方向に互いに間隔をあけて配置される複数の衝撃吸収突起63を有し、各衝撃吸収突起63は、下壁部62から上側に離れて配置され、中皿5の周壁51に接触する。【選択図】図1

Description

本発明は、コンパクト容器に関する。
従来、固形状の化粧料等の内容物を収容するコンパクト容器が知られている。一般に、この種の化粧料等の内容物は衝撃に弱く、例えばコンパクト容器を落下させたときや輸送時の衝撃等によって、内容物が割れるなど損傷する場合がある。
例えば特許文献1に記載の化粧料容器は、化粧料が充填される中皿と、中皿を収容するための中皿収容凹部が形成された容器本体と、蓋体と、を備えており、中皿と中皿収容凹部との間には、カップ状の可撓性緩衝材が介装されている。そして、化粧料容器への衝撃を、可撓性緩衝材が弾性変形することにより吸収・緩和して、化粧料の割れ等を防止している。
特開2010-178898号公報
特許文献1では、可撓性緩衝材が中皿収容凹部の周壁及び底壁の両方に係合しており、落下や輸送時などの衝撃を受けたときに、横方向と上下方向から加わる衝撃の両方を吸収する必要がある。
この種のコンパクト容器では、様々な方向からの衝撃を安定して吸収できること、すなわち衝撃吸収性能をより向上させる点に改善の余地があった。
本発明は、衝撃吸収性能を向上でき、内容物の損傷等を抑制できるコンパクト容器を提供することを目的の一つとする。
本発明のコンパクト容器の一つの態様は、内容物が収容される有底筒状の中皿と、前記中皿が収容される収容凹部を有する容器本体と、前記収容凹部と前記中皿との間に介装され、弾性変形可能であり、前記収容凹部及び前記中皿よりも軟材質で形成された保持枠と、を備え、前記収容凹部は、内周面と底面とを有し、前記収容凹部の底面と、前記中皿の底壁とは、上下方向に互いに間隔をあけて配置され、前記保持枠は、前記中皿の周壁の径方向外側に配置される側壁部と、前記側壁部と一体に形成され、前記中皿の底壁の下側に配置される下壁部と、を有し、前記側壁部は、前記側壁部から径方向内側に突出し、周方向に互いに間隔をあけて配置される複数の衝撃吸収突起を有し、各前記衝撃吸収突起は、前記下壁部から上側に離れて配置され、前記中皿の周壁に接触する。
本発明のコンパクト容器では、複数の衝撃吸収突起が、保持枠の側壁部から径方向内側に突出して中皿の周壁と接触しており、各衝撃吸収突起は、下壁部とは直接的に接続されていない。このため、各衝撃吸収突起が個別に弾性変形しやすくされており、つまり柔軟に変形可能とされていて、弾性変形の自由度が高められている。
これにより、例えば落下や輸送時などにおけるコンパクト容器への様々な方向からの衝撃に対して、保持枠はフレキシブルに衝撃を吸収できる。例えば、コンパクト容器に対して上下方向からの衝撃が加えられた場合には、各衝撃吸収突起が上下方向に撓んで衝撃を吸収し、中皿への衝撃の伝播を抑制する。また、コンパクト容器に横方向からの衝撃が加えられた場合には、各衝撃吸収突起が径方向に撓んで衝撃を吸収し、中皿への衝撃の伝播を抑制する。
したがって本発明によれば、衝撃吸収性能を向上でき、中皿に収容された内容物の損傷等を抑制できる。
前記コンパクト容器において、前記下壁部は、前記下壁部から上側に突出し、前記中皿の底壁に接触する突出部を有することが好ましい。
この場合、弾性変形可能な突出部が中皿の底壁を下側から支持するため、コンパクト容器に上側からの衝撃が加わったときなどに、突出部によって衝撃を吸収できる。このため、内容物の損傷等をより安定して抑制できる。
前記コンパクト容器において、前記容器本体は、前記収容凹部の底面に開口する開口孔を有し、前記開口孔を通して、前記下壁部のうち前記突出部が配置される部分を上側に押圧することで、前記収容凹部から前記中皿を取り外し可能であることが好ましい。
上記構成によれば、使用により内容物の残量が少なくなったり無くなったりしたときなどに、中皿を新しいものに交換する作業が容易である。
本発明の前記態様のコンパクト容器によれば、衝撃吸収性能を向上でき、内容物の損傷等を抑制できる。
図1は、本実施形態のコンパクト容器を示す断面図である。 図2は、コンパクト容器を示す上面図であり、蓋体、塗布具、ヒンジ、中皿及びプッシュピースの図示は省略している。 図3は、コンパクト容器を示す下面図であり、蓋体、ヒンジ及びプッシュピースの図示は省略している。 図4は、図2のIV-IV断面図である。 図5は、コンパクト容器を示す断面図であり、コンパクト容器に中皿を取り付ける方法(手順)を説明する図である。 図6は、コンパクト容器を示す断面図であり、コンパクト容器に中皿を取り付ける方法を説明する図である。 図7は、コンパクト容器を示す断面図であり、コンパクト容器から中皿を取り外す方法を説明する図である。
本発明の一実施形態のコンパクト容器1について、図面を参照して説明する。
本実施形態のコンパクト容器1は、例えば固形状の化粧料などの内容物を収容する携帯用の蓋付容器であり、平面視で円形状の扁平容器である。
図1に示すように、コンパクト容器1は、内容物(図示省略)が収容される有底筒状の中皿5と、中皿5が収容される収容凹部21を有する容器本体2と、収容凹部21と中皿5との間に介装される弾性変形可能な保持枠6と、中枠7と、蓋体3と、塗布具8と、ヒンジ4と、を備える。容器本体2、蓋体3、中皿5、保持枠6及び中枠7は、コンパクト容器1の容器軸Oを共通軸(中心軸)として、互いに同軸に配置される。
本実施形態では、容器軸Oが延びる方向、つまり容器軸Oと平行な方向を上下方向と呼ぶ。上下方向のうち、容器本体2から蓋体3へ向かう方向を上側と呼び、蓋体3から容器本体2へ向かう方向を下側と呼ぶ。
上下方向から見た平面視で、容器軸Oと直交する方向を径方向と呼ぶ。径方向のうち、容器軸Oに近づく方向を径方向内側と呼び、容器軸Oから離れる方向を径方向外側と呼ぶ。
容器軸O回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。ヒンジ4は、容器本体2の外周部における周方向の一部と、蓋体3の外周部における周方向の一部とを連結する。
また径方向のうち、容器軸Oとヒンジ4とを結ぶ方向を、前後方向と呼ぶ。前後方向のうち、ヒンジ4から容器軸Oへ向かう方向を前側と呼び、容器軸Oからヒンジ4へ向かう方向を後側と呼ぶ。
また径方向のうち、前後方向と直交する方向を左右方向と呼ぶ。
容器本体2は、有底筒状である。本実施形態では図2及び図3に示すように、容器本体2が有底円筒状である。なお図2及び図3においては、蓋体3、塗布具8、ヒンジ4、中皿5及び後述するプッシュピース27の図示を省略している。
図1及び図4に示すように、容器本体2は、外壁部22と、底壁部23と、開口孔26と、内壁部24と、収容凹部21と、係合空間25と、プッシュピース27と、を有する。なお図4は、図2のIV-IV断面を表す。
外壁部22は、容器軸Oを中心とする筒状であり、上下方向に延びる。外壁部22は、容器本体2の周壁部を構成する。
底壁部23は、容器軸Oを中心とするリング板状である。底壁部23の外周部は、外壁部22の下端部と接続される。
開口孔26は、底壁部23を上下方向に貫通する。本実施形態では開口孔26が、容器軸Oを中心とする円孔状であり、底壁部23の中央部に配置される。
内壁部24は、底壁部23から上側へ向けて突出する。内壁部24は、外壁部22から径方向内側に離れて配置される。特に図示しないが、内壁部24は、上下方向から見て、容器軸Oを中心として円弧状に延びる湾曲した壁部である。内壁部24は、複数(例えば一対)設けられる。
収容凹部21は、内壁部24、底壁部23、及び外壁部22の一部によって画成される有底円穴状の凹部であり、上側に開口する。収容凹部21には、中皿5及び保持枠6が配置される。図1に示すように、収容凹部21は、径方向内側を向く内周面21aと、上側を向く底面21bと、を有する。収容凹部21の底面21bには、開口孔26が開口する。
係合空間25は、外壁部22の前端部に形成されている。図2に示すように、係合空間25は、上側及び前側に開口する凹状である。図1に示すように、係合空間25には、外壁部22の上端部から前側に向けて突出する係合凸部28が形成されている。
プッシュピース27は、外壁部22の前端部に配置される。プッシュピース27は、係合空間25内を前後動可能とされて、外壁部22に支持されている。
中皿5は、収容凹部21に着脱可能に配置される。中皿5は、例えば内容物を使い切った際などに、新しい別の中皿5に交換可能なレフィル容器である。
中皿5は、周壁51と、底壁52と、フランジ53と、を有する。
周壁51は、容器軸Oを中心とする円筒状であり、上下方向に延びる。収容凹部21の内周面21aと、中皿5の周壁51(の外周面)とは、径方向に互いに間隔をあけて配置される。
底壁52は、容器軸Oを中心とする円板状である。底壁52の外周部は、周壁51の下端部と接続される。収容凹部21の底面21bと、中皿5の底壁52(の下面)とは、上下方向に互いに間隔をあけて配置される。
フランジ53は、周壁51の上端部から径方向外側に広がる。フランジ53は、容器軸Oを中心とする円環板状である。
保持枠6は、容器軸Oを中心とする略有底円筒状である。保持枠6は、例えばシリコーンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、熱可塑性エラストマまたはウレタン等の弾性変形可能な軟材質により形成される。保持枠6は、収容凹部21及び中皿5よりも軟材質で形成される。保持枠6は、中皿5の周壁51の径方向外側に配置される側壁部61と、側壁部61と一体に形成され、中皿5の底壁52の下側に配置される下壁部62と、を有する。
側壁部61は、容器軸Oを中心とする円筒状であり、上下方向に延びる。側壁部61の外周面は、収容凹部21の内周面21aと接触し、または隙間をあけて対向する。図2及び図4に示すように、側壁部61は、側壁部61から径方向内側に突出し、周方向に互いに間隔をあけて配置される複数の衝撃吸収突起63と、側壁部61の内周面から径方向外側に窪み、各衝撃吸収突起63から下側に延びる複数の内周溝64と、を有する。
図2に示すように、本実施形態では複数の衝撃吸収突起63が、周方向に等間隔をあけて配列する。衝撃吸収突起63は、側壁部61に例えば20個程度設けられる。ただし衝撃吸収突起63の数は、本実施形態の20個に限らず、20個未満でもよく、20個より多くてもよい。
各衝撃吸収突起63は、側壁部61から径方向内側に突出する板状であり、本実施形態では四角形板状である。図4に示すように、各衝撃吸収突起63は、下壁部62から上側に離れて配置される。すなわち、衝撃吸収突起63は、下壁部62とは直接接続されていない。本実施形態では、各衝撃吸収突起63が、側壁部61の上側部分から径方向内側に突出する。
各衝撃吸収突起63は、個別に弾性変形可能であり、図2及び図4に示すように弾性変形していない状態においては、容器軸Oと垂直な方向に広がる板状であって、一対の板面が上下方向を向く。本実施形態では、衝撃吸収突起63の板厚が、側壁部61の板厚よりも小さくされている。
図1に示すように、保持枠6の内部には、中皿5が着脱可能に配置される。各衝撃吸収突起63は、中皿5の周壁51に接触する。中皿5が保持枠6内に配置された状態で、各衝撃吸収突起63は、周壁51との接触によって湾曲状に弾性変形させられる。
本実施形態では複数の内周溝64が、周方向に等間隔をあけて配列する。図4に示すように、各内周溝64は、各衝撃吸収突起63の直下に配置される。各内周溝64の下端部は、側壁部61と下壁部62との接続部分に位置する。内周溝64の数は、衝撃吸収突起63の数と同じである。
下壁部62は、容器軸Oを中心とする略円板状である。下壁部62は、リング板部65と、押出し部66と、突出部67と、貫通孔68と、を有する。
リング板部65は、容器軸Oを中心とする円環板状である。リング板部65の外周部は、側壁部61の下端部と接続される。
押出し部66は、容器軸Oを中心とする有底円筒状である。押出し部66は、下壁部62の中央部に配置される。押出し部66の周壁の上端部は、リング板部65の内周部と接続される。押出し部66は、リング板部65よりも下側に突出する。押出し部66は、開口孔26内に配置される。
図1に示すように、突出部67は、下壁部62から上側に突出する。具体的に、突出部67は、押出し部66の底壁から上側に突出し、突出部67の上端部は、リング板部65よりも上側に位置する。すなわち本実施形態では、突出部67が、押出し部66に配置される。突出部67は、容器軸Oを中心とする略円板状である。
突出部67の上端部は、中皿5の底壁52に対して下側から接触する。このため、中皿5の底壁52とリング板部65との間には、上下方向に隙間が設けられる。
このように本実施形態では、中皿5の底壁52に接触する突出部67が押出し部66に形成され、押出し部66が開口孔26内に配置されることで、突出部67は開口孔26内に設けられている。
図2に示すように、突出部67は、突出部67の上面に複数のリブ69を有する。複数のリブ69は、容器軸Oを中心として放射状に配置される。図1に示すように、各リブ69の上面は、中皿5の底壁52の下面と接触する。
貫通孔68は、リング板部65の外周部に配置され、リング板部65を上下方向に貫通する。貫通孔68は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では複数の貫通孔68が、周方向に等間隔をあけて配列する。貫通孔68の数は、衝撃吸収突起63の数、及び、内周溝64の数と同じである。各貫通孔68は、各衝撃吸収突起63の直下に配置され、各内周溝64の下端部と接続される。
貫通孔68及び内周溝64は、保持枠6を射出成形する際、衝撃吸収突起63を成形するための金型の一部によって形成される。
図4に示すように、中枠7は、容器本体2の上側の開口部に取り付けられる。中枠7は、リング枠部71と、垂下壁部72と、を有する。
リング枠部71は、容器軸Oを中心とするリング板状である。リング枠部71の外周部は、外壁部22の上端部に対して上側から接触する。リング枠部71の内周部は、内壁部24及び側壁部61の各上端部に対して、上側から接触し、または隙間をあけて対向する。このため、リング枠部71によって側壁部61の上側への移動が規制されており、これにより、保持枠6が収容凹部21から上側へ抜け出すことが抑えられる。図4に示すように、容器軸Oに沿う縦断面視において、本実施形態ではリング枠部71が、径方向内側へ向かうに従い下側に向けて傾斜して延びる。
垂下壁部72は、リング枠部71の下面から垂下設される。特に図示しないが、垂下壁部72は、上下方向から見て、容器軸Oを中心として円弧状に延びる湾曲した壁部である。垂下壁部72は、複数(例えば一対)設けられる。各垂下壁部72の内周面は、各内壁部24の外周面と接触し、または隙間をあけて対向する。
図1に示すように、蓋体3は、有頂筒状である。本実施形態では蓋体3が、有頂円筒状である。蓋体3は、容器本体2の上側開口部を、開閉可能に閉塞する。蓋体3は、蓋周壁部31と、蓋頂壁部32と、ミラー33と、係合片34と、を有する。
蓋周壁部31は、容器軸Oを中心とする筒状であり、上下方向に延びる。
蓋頂壁部32は、容器軸Oを中心とする円板状である。蓋頂壁部32の外周部は、蓋周壁部31の上端部と接続される。
ミラー33は、蓋頂壁部32の下面に取り付けられる。
係合片34は、蓋頂壁部32の前端部の下面から垂下設される。係合片34の下端部は、係合空間25に配置される。係合片34の下端部には、後側へ向けて突出する係合凸部35が形成されている。係合片34の係合凸部35は、係合空間25の係合凸部28に対して、下側から係止される。これにより、図1に示す蓋体3の閉状態が維持される。
また、図1に示す蓋体3の閉状態から、プッシュピース27を後側へ押し込むことにより、係合片34が上側に押し上げられる。これにより、係合片34の係合凸部35と、係合空間25の係合凸部28との係止状態が解除されて、蓋体3を開くことができる。
塗布具8は、例えばパフ等である。塗布具8は、中皿5の上側に配置され、蓋体3により上側から覆われる。塗布具8は、使用者が中皿5から内容物を適量取り出し、例えば顔等の図示しない塗布対象物に内容物を塗布するために用いられる。
ヒンジ4は、コンパクト容器1の後端部に配置され、左右方向に延びる軸状である。ヒンジ4は、容器本体2に対して蓋体3を開閉可能に連結する。具体的に、ヒンジ4は、外壁部22の後端部と、蓋周壁部31の後端部とを、相対回動自在に接続する。
次に、中皿5をコンパクト容器1に着脱する手順(方法)について、図4~図7を用いて説明する。
図4は、コンパクト容器1に中皿5が取り付けられていない状態を表す。この状態から、図5に示すように、中皿5を収容凹部21の保持枠6の内部に上側から挿入する。この挿入の際、各衝撃吸収突起63の径方向内端部(先端部)と中皿5の周壁51とが摺接しつつ、各衝撃吸収突起63は、湾曲状に弾性変形する。そして図6に示すように、中皿5の底壁52が突出部67に対して上側から接触することにより、中皿5の保持枠6内への挿入が完了し、つまり中皿5が収容凹部21に収容された状態となって、コンパクト容器1へ取り付けられる。図6に示すように、コンパクト容器1への中皿5の取り付けが完了した状態で、衝撃吸収突起63の先端部は、中皿5の周壁51のうち上下方向の中央部、すなわち上端部と下端部との間に接触する。またリング枠部71の内周部は、中皿5のフランジ53の外周部に、径方向外側から対向する。
また、中皿5の内容物が少なくなったり内容物を使い切った場合などには、中皿5を別の新しい中皿5に交換することができる。コンパクト容器1から中皿5を取り外すには、図7に示すように、開口孔26を通して、下壁部62のうち突出部67が配置される部分(つまり押出し部66)を上側に押圧する。これにより、中皿5を保持枠6から上側に取り出して、収容凹部21から中皿5を取り外し可能である。
以上説明した本実施形態のコンパクト容器1では、複数の衝撃吸収突起63が、保持枠6の側壁部61から径方向内側に突出して中皿5の周壁51と接触しており、各衝撃吸収突起63は、下壁部62とは直接的に接続されていない。このため、各衝撃吸収突起63が個別に弾性変形しやすくされており、つまり柔軟に変形可能とされていて、弾性変形の自由度が高められている。
これにより、例えば落下や輸送時などにおけるコンパクト容器1への様々な方向からの衝撃に対して、保持枠6はフレキシブルに衝撃を吸収できる。例えば、コンパクト容器1に対して上下方向からの衝撃が加えられた場合には、各衝撃吸収突起63が上下方向に撓んで衝撃を吸収し、中皿5への衝撃の伝播を抑制する。また、コンパクト容器1に横方向からの衝撃が加えられた場合には、各衝撃吸収突起63が径方向に撓んで衝撃を吸収し、中皿5への衝撃の伝播を抑制する。
したがって本実施形態によれば、衝撃吸収性能を向上でき、中皿5に収容された内容物の損傷等を抑制できる。
また本実施形態では、保持枠6の下壁部62が、中皿5の底壁52に接触する突出部67を有する。
この場合、弾性変形可能な突出部67が中皿5の底壁52を下側から支持するため、コンパクト容器1に上側からの衝撃が加わったときなどに、突出部67によって衝撃を吸収できる。このため、内容物の損傷等をより安定して抑制できる。
また本実施形態では、収容凹部21の底面21bに開口する開口孔26を通して、突出部67が配置される押出し部66を上側に押圧することで、収容凹部21から中皿5を取り外し可能である。
上記構成によれば、使用により内容物の残量が少なくなったり無くなったりしたときなどに、中皿5を新しいものに交換する作業が容易である。
また本実施形態では、突出部67の上面に複数のリブ69が形成されている。
この場合、複数のリブ69によって突出部67の上端部が柔軟に弾性変形しやすくなるため、より衝撃を吸収しやすい。
また本実施形態では、突出部67が押出し部66に配置される。
この場合、押出し部66も弾性変形可能であることから、押出し部66によっても突出部67が上下方向に弾性変位しやすくされていて、より衝撃を吸収しやすい。
また本実施形態では、突出部67が押出し部66とともに、開口孔26内に配置される。
この場合、中皿5に加わった上下方向の衝撃が突出部67に伝わった際に、突出部67が開口孔26の内部で上下動可能であるため、より安定して衝撃を吸収することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
前述の実施形態では、衝撃吸収突起63が、四角形板状である例を挙げたが、これに限らない。衝撃吸収突起63は、例えば、四角形以外の多角形板状や円板状、楕円板状等であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した実施形態及び変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…コンパクト容器、2…容器本体、5…中皿、6…保持枠、21…収容凹部、21a…内周面、21b…底面、26…開口孔、51…周壁、52…底壁、61…側壁部、62…下壁部、63…衝撃吸収突起、66…押出し部、67…突出部

Claims (3)

  1. 内容物が収容される有底筒状の中皿と、
    前記中皿が収容される収容凹部を有する容器本体と、
    前記収容凹部と前記中皿との間に介装され、弾性変形可能であり、前記収容凹部及び前記中皿よりも軟材質で形成された保持枠と、を備え、
    前記収容凹部は、内周面と底面とを有し、
    前記収容凹部の底面と、前記中皿の底壁とは、上下方向に互いに間隔をあけて配置され、
    前記保持枠は、
    前記中皿の周壁の径方向外側に配置される側壁部と、
    前記側壁部と一体に形成され、前記中皿の底壁の下側に配置される下壁部と、を有し、
    前記側壁部は、前記側壁部から径方向内側に突出し、周方向に互いに間隔をあけて配置される複数の衝撃吸収突起を有し、
    各前記衝撃吸収突起は、前記下壁部から上側に離れて配置され、前記中皿の周壁に接触する、
    コンパクト容器。
  2. 前記下壁部は、前記下壁部から上側に突出し、前記中皿の底壁に接触する突出部を有する、
    請求項1に記載のコンパクト容器。
  3. 前記容器本体は、前記収容凹部の底面に開口する開口孔を有し、
    前記開口孔を通して、前記下壁部のうち前記突出部が配置される部分を上側に押圧することで、前記収容凹部から前記中皿を取り外し可能である、
    請求項2に記載のコンパクト容器。
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