JP5165324B2 - 化粧料容器 - Google Patents

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本発明は、化粧料容器に関するものであり、化粧料が充填された容器としての中皿を、容器の本体部分に形成された区画凹所に確実に配置するとともに、容器の落下等により衝撃が加えられた場合にあってもその衝撃の中皿への影響を極力軽減しよとするものである。
コンパクトの如き化粧料容器は、一般にアイシャドーやアイライナー、ファンデーション等の内容物を塗布具(パフ等)とともに収納できる内部空間を有しており、とくに、内容物については容器の本体部分の継続的な使用を実現する観点から、それを使い切ったのちに新品の内容物を中皿ごと入れ替えすることができるようになっている。

通常、この種の容器に適用される中皿は、容器の本体部分に直接あるいは枠体を介してアンダーカットの如き係合手段にて連係保持されているのが普通であり、容器の本体部分の底壁に設けられた孔を通して中皿を押し上げることにより簡単に取り外すことができるようになっているが、落下等、容器そのものに衝撃が加えられた場合においてはその衝撃がそのまま中皿へも伝達されることとなり、内容物が割れてしまう等の不具合があった。
この点に関する先行技術としては、化粧皿に作用する縦方向及び横方向の衝撃を吸収すべく化粧皿と容器本体の相互間に縦方向弾性部材、横方向弾性部材をそれぞれ配置した化粧料容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004-283386号公報
ところで、上記従来の化粧料容器にあっても化粧皿に対する衝撃の吸収機能は未だ十分なものとは言い難く、さらなる改善が求められていた。
本発明の課題は、衝撃吸収性能のより改善された化粧料容器を提案するところにある。
本発明は、化粧料を充填、保持する凹部を備えた中皿と、この中皿を収納する区画凹所を備えた本体部分と、この本体部分に開閉可能に支持された蓋体とを備えた化粧料容器であって、
前記本体部分の区画凹所に、底壁との相互間で隙間を隔てて配置され、中皿の底部を載置する設置面を形成する衝撃吸収用のシートを設けるとともに、中皿の上端を押さえるパッキンを設け、当該パッキンと前記衝撃吸収用のシートとの間で前記中皿を挟持し、
更に、枠体の側壁に、当該側壁から湾曲しながら内側に向かって垂下することにより、中皿の周壁の複数箇所に弾性接触して該枠体との緩衝を回避するとともに中皿の位置決めを行う舌片を設けたことを特徴とする化粧料容器である。
また、本発明は、化粧料を充填、保持する凹部を備えた中皿と、この中皿の開口部に開閉可能に合わさりその内部を密封状態に保持する中蓋と、該中皿を中蓋とともに収納する区画凹所を備えた本体部分と、この本体部分に開閉可能に支持された蓋体とを備えた化粧料容器であって、
前記本体部分の区画凹所に、底壁との相互間で隙間を隔てて配置され、中皿の底部を載置する設置面を形成する衝撃吸収用のシートを設けるとともに、中蓋との間に中皿を押さえるパッキンを設け、当該パッキンと前記衝撃吸収用のシートとの間で前記中皿を挟持し、
更に、枠体の側壁に、当該側壁から湾曲しながら内側に向かって垂下することにより、中皿の周壁の複数箇所に弾性接触して該枠体との緩衝を回避するとともに中皿の位置決めを行う舌片を設けたことを特徴とする化粧料容器である。
上記の衝撃吸収用のシートは、伸縮性を有するメッシュ、フィルム又は発泡部材を適用することができる。
中皿は区画凹所でその底壁から浮き上がった状態で収納されており、しかも該中皿を載置するシートは適度に伸縮するので、落下等により容器に衝撃が加えられても中皿に伝達される衝撃は極めて軽減されたものとなる。
枠体の側壁に設けた舌片を中皿の周壁に弾性接触させることにより、中皿の区画凹所に対する正確な位置決めが行える。また、中皿を係止する係止片として作用するので区画凹所における「がたつき」を防止するとともに該区画凹所からの飛び出しを確実に防ぐことができる。
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1は本発明を説明するための参考技術としての化粧料容器を断面について示した物である。
図における1は化粧料を充填、保持する中皿である。この中皿1は底部1aと、この底部1aの縁部で一体連結してその内側に凹部Nを形成する周壁1bからなる。
また、2は中皿1の開口部に開閉可能に合わさりその内部を密閉状態に保持する中蓋である。この中蓋2は中皿1の開口部に開閉可能に合わさりその内部を密封状態に保持するものであって(容器の本体部分に枢軸Sを介して揺動可能に連結される。)、その合わせ面には中皿1を押さえるパッキン2aが設けられている。このパッキン2aは容器が衝撃を受けた際にその衝撃が中皿1に伝達するのを軽減するため衝撃吸収性能に優れた発泡シート等が適用される。
また、3は中皿1を中蓋2とともに収納する本体部分である。この本体部分3は底壁3aと、この底壁3aにつながる側壁3bと、側壁3bの上端部で嵌合保持され、その内側に区画凹所Mを形成する枠体3cからなっており、本体部分3には該区画凹所Mに隣接してパフ等の塗布具を収納する収納空間Mが合わせて設けられている。
4は本体部分3に枢軸(図示せず)を介して開閉可能に支持された蓋体であって、その内側面には鏡eが接着固定されている。
さらに、5は枠体3cの下端にインサート成形により一体的に設けられた衝撃吸収用のシートである。このシート5は本体部分3の底壁3aとの相互間で隙間tを隔てて配置されており、その上面が中皿1の設置面となっている。
かかる構成になる化粧料容器は、中皿1が本体部分3の底壁3aから離れた状態におかれており、シート5は伸縮性を有するメッシュやフィルムにて構成されているため容器に衝撃が加えられた場合においても該衝撃はシート5によって効果的に吸収され、中皿1に伝達される衝撃は非常に小さくなる。
中蓋2が中皿1に合わさった状態(収納状態)では、中蓋2を通して衝撃が伝達されるので、その合わせ面には衝撃吸収性能の良好なパッキンを適用するが、中皿1の周壁1bと枠体3cの側壁との間には隙間Kを設けておくのがよく、これによりシート5の伸縮を阻害することがない。
図2は本発明にしたがう化粧料容器の実施の形態を示した図であり、図における符号6は枠体3cの側壁に設けられた舌片である。この舌片6は中皿1の周壁1bに弾性接触して中皿1を区画凹所Mにおいて枠体3cとの緩衝を回避するとともにその位置決め(センタリング)を行うものであって、これによりがたつきの防止をも図ることができる。中皿1が円形のものにあっては少なくとも3つの舌片を、また、矩形状のものにあっては少なくとも4つの舌片を設けるのが好ましい。
図3は本発明にしたがう化粧料容器の他の実施の形態を要部について示した図である。シート5は枠体3cにインサート成形あるいは接着剤を用いて貼着するが、所望の強度(接着強度)が得られない場合やインサート成形が困難な場合、あるいは接着剤による貼着が困難な場合には、枠体3cの外側壁で嵌合する内側壁を有し、本体部分3の周壁3bに固定保持できる環状体7を別途に設け、この環状体7の内側壁と枠体3cの外側壁との間でシート5の縁部を挟持する。
中皿1につき高い気密性が要求されない場合にあっては中蓋2は省略することができ、この場合には中皿1を区画凹所M内に安定的に設置しておくために図4に示すような押え部材8を配置する。
図4に示したところの押え部材8は枢軸Sを介して揺動させることができるタイプのものであるが、枠体3c等に直接、装着、固定できる押え部材を適用することも可能(図示せず)であり、この点については限定されない。
中皿に付加される衝撃力の緩和を図り内容物の割れ等を回避し得る化粧料容器が提供できる。
本発明を説明するための参考技術としての化粧料容器を示した図である。 本発明にしたがう化粧料容器の実施の形態を示した図である。 本発明にしたがう化粧料容器の他の実施の形態の要部断面図である。 本発明にしたがう化粧料容器の更に他の実施の形態を示した図である。
符号の説明
1 中皿
2 中蓋
3 本体部分
4 蓋体
5 衝撃吸収用のシート
6 舌片
7 環状体
8 押え部材
M 区画凹所

Claims (4)

  1. 化粧料を充填、保持する凹部を備えた中皿と、この中皿を収納する区画凹所を形成する枠体を備えた本体部分と、この本体部分に開閉可能に支持された蓋体とを備えた化粧料容器であって、
    前記本体部分の区画凹所に、底壁との相互間で隙間を隔てて配置され、中皿の底部を載置する設置面を形成する衝撃吸収用のシートを設けるとともに、中皿の上端を押さえるパッキンを設け、当該パッキンと前記衝撃吸収用のシートとの間で前記中皿を挟持し、
    更に、枠体の側壁に、当該側壁から湾曲しながら内側に向かって垂下することにより、中皿の周壁の複数箇所に弾性接触して該枠体との緩衝を回避するとともに中皿の位置決めを行う舌片を設けたことを特徴とする化粧料容器。
  2. 化粧料を充填、保持する凹部を備えた中皿と、この中皿の開口部に開閉可能に合わさりその内部を密封状態に保持する中蓋と、該中皿を中蓋とともに収納する区画凹所を形成する枠体を備えた本体部分と、この本体部分に開閉可能に支持された蓋体とを備えた化粧料容器であって、
    前記本体部分の区画凹所に、底壁との相互間で隙間を隔てて配置され、中皿の底部を載置する設置面を形成する衝撃吸収用のシートを設けるとともに、中蓋との間に中皿を押さえるパッキンを設け、当該パッキンと前記衝撃吸収用のシートとの間で前記中皿を挟持し、
    更に、枠体の側壁に、当該側壁から湾曲しながら内側に向かって垂下することにより、中皿の周壁の複数箇所に弾性接触して該枠体との緩衝を回避するとともに中皿の位置決めを行う舌片を設けたことを特徴とする化粧料容器。
  3. 前記衝撃吸収用のシートは、伸縮性を有するメッシュ、フィルム又は発泡部材からなる、請求項1又は2記載の化粧料容器。
  4. 前記衝撃吸収用のシートは、インサート成形により枠体に一体成形されたものである、請求項1〜3の何れかに記載の化粧料容器。
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