JP2023028187A - ベースプレート、基板固定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電チャックが搭載される側の冷却効率を向上可能なベースプレートの提供。【解決手段】本ベースプレートは、一方の面、及び前記一方の面の反対面である他方の面を有し、前記一方の面側に静電チャックを搭載可能なベースプレートであって、内部に冷媒流路を有し、前記冷媒流路の内壁は、冷媒が流れる方向に対して交差する方向の縦断面視で、前記一方の面側に向かって凸となる上面を有し、前記上面に凹凸が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、ベースプレート、基板固定装置に関する。
従来、ICやLSI等の半導体装置を製造する際に使用される成膜装置(例えば、CVD装置やPVD装置等)やプラズマエッチング装置は、ウェハを真空の処理室内に精度良く保持するためのステージを有する。
このようなステージとして、例えば、ベースプレートに搭載された静電チャックにより、吸着対象物であるウェハを吸着保持する基板固定装置が提案されている。ベースプレートの内部には、例えば、ウェハを冷却するための冷媒流路が設けられている。例えば、ウェハの冷却効率を向上するため、冷媒流路の側面に凹凸を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-186856号公報
しかしながら、ベースプレートにおいて、静電チャックが搭載される側の冷却効率をさらに向上することが求められている。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、静電チャックが搭載される側の冷却効率を向上可能なベースプレートの提供を目的とする。
本ベースプレートは、一方の面、及び前記一方の面の反対面である他方の面を有し、前記一方の面側に静電チャックを搭載可能なベースプレートであって、内部に冷媒流路を有し、前記冷媒流路の内壁は、冷媒が流れる方向に対して交差する方向の縦断面視で、前記一方の面側に向かって凸となる上面を有し、前記上面に凹凸が形成されている。
開示の技術によれば、静電チャックが搭載される側の冷却効率を向上可能なベースプレートを提供できる。
本実施形態に係る基板固定装置を簡略化して例示する断面図である。 冷媒流路近傍の部分拡大図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
[基板固定装置1の全体構造]
図1は、本実施形態に係る基板固定装置を簡略化して例示する断面図である。図1を参照すると、基板固定装置1は、主要な構成要素として、ベースプレート10と、接着層20と、静電チャック30とを有している。
ベースプレート10は、一方の面10a、及び一方の面10aの反対面である他方の面10bを有し、一方の面10a側に静電チャック30を搭載可能である。ベースプレート10において、一方の面10aと他方の面10bは、略平行である。
ベースプレート10の厚さは、例えば、20~40mm程度である。ベースプレート10は、例えば、アルミニウムやチタンから形成され、プラズマを制御するための電極等として利用できる。ベースプレート10に所定の高周波電力を給電することで、発生したプラズマ状態にあるイオン等を静電チャック30上に吸着されたウェハに衝突させるためのエネルギーを制御し、エッチング処理を効果的に行うことができる。
ベースプレート10は、内部に冷媒流路15を有する。冷媒流路15は、一端に冷媒導入部15aを備え、他端に冷媒排出部15bを備えている。冷媒流路15は、基板固定装置1の外部に設けられた冷媒制御装置(図示せず)に接続できる。冷媒制御装置(図示せず)は、冷媒導入部15aから冷媒流路15に冷媒(例えば、冷却水やガルデン等)を導入し、冷媒排出部15bから冷媒を排出できる。冷媒流路15に冷媒を循環させベースプレート10を冷却することで、静電チャック30上に吸着されたウェハを冷却できる。
ベースプレート10の内部に、静電チャック30に吸着保持されるウェハを冷却するガスを供給するガス供給部が設けられていてもよい。ガス供給部は、例えば、ベースプレート10の内部に形成された孔である。ガス供給部に、例えば、基板固定装置1の外部から不活性ガス(例えば、HeやAr等)を導入することで、静電チャック30に吸着保持されるウェハを冷却できる。
静電チャック30は、吸着対象物であるウェハを吸着保持する部分である。静電チャック30の平面形状は、例えば、円形である。静電チャック30の吸着対象物であるウェハの直径は、例えば、8、12、又は18インチである。なお、平面視とは対象物を基体31の載置面31aの法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物を基体31の載置面31aの法線方向から視た形状を指すものとする。
静電チャック30は、接着層20を介して、ベースプレート10の一方の面10aに搭載されている。接着層20は、例えば、シリコーン系接着剤である。接着層20の厚さは、例えば、0.1~1.0mm程度である。接着層20は、ベースプレート10と静電チャック30を接着すると共に、セラミックス製の静電チャック30とアルミニウム製やチタン製のベースプレート10との熱膨張率の差から生じるストレスを低減させる効果を有する。
静電チャック30は、基体31と、静電電極32とを有している。基体31の上面は、吸着対象物の載置面31aである。静電チャック30は、例えば、ジョンセン・ラーベック型静電チャックである。但し、静電チャック30は、クーロン力型静電チャックであってもよい。
基体31は誘電体であり、基体31としては、例えば、酸化アルミニウム(Al)や窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックスを用いる。基体31は、助剤として、例えば、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)、及びイットリウム(Y)から選択される2種以上の元素の酸化物を含んでもよい。基体31の厚さは、例えば、5~10mm程度、基体31の比誘電率(1kHz)は、例えば、9~10程度である。
静電電極32は、薄膜電極であり、基体31に内蔵されている。静電電極32は、基板固定装置1の外部に設けられた電源に接続され、電源から所定の電圧が印加されると、ウェハとの間に静電気による吸着力を発生させる。これにより、静電チャック30の基体31の載置面31a上にウェハを吸着保持できる。吸着保持力は、静電電極32に印加される電圧が高いほど強くなる。静電電極32は、単極形状でも、双極形状でも構わない。静電電極32の材料としては、例えば、タングステン、モリブデン等を用いる。
基体31の内部に、基板固定装置1の外部から電圧を印加することで発熱し、基体31の載置面31aが所定の温度となるように加熱する発熱体を設けてもよい。
[冷媒流路15の内壁の形状]
図2は、冷媒流路近傍の部分拡大図であり、図2(a)は図1のA部の拡大図、図2(b)は図2(a)の上面近傍の拡大図である。
図1及び図2を参照すると、冷媒流路15の内壁は、冷媒が流れる方向に対して交差する方向の縦断面視で、例えば、五角形である。冷媒流路15の内壁の各角は、R状や面取り状等であってもよい。なお、冷媒が流れる方向に対して交差する方向の縦断面視とは、例えば、図1及び図2に示すような、冷媒が流れる方向に対して直交する方向の縦断面視である。
図1及び図2に示す縦断面視で、冷媒流路15の内壁は、ベースプレート10の一方の面10a側に向かって凸となる上面151と、上面151よりも他方の面10b側に位置する底面152と、上面151の両端と底面152の両端とを接続する一対の側面153及び154とを有している。冷媒流路15の幅、すなわち、対向する側面153と側面154との間隔は、例えば、1mm~3mm程度である。冷媒流路15の最大高さは、例えば、冷媒流路15の幅の2~3倍程度である。
上面151は、一方の側面153の端部と連続し、ベースプレート10の一方の面10a側かつ他方の側面154側に近づくように傾斜する第1傾斜面151aを有している。また、上面151は、他方の側面154の端部と連続し、ベースプレート10の一方の面10a側かつ一方の側面153側に近づくように傾斜する第2傾斜面151bを有している。
第2傾斜面151bは、第1傾斜面151aと交わり、稜151cを形成する。稜151cは、断面視では、頂点と言い換えてもよい。第1傾斜面151aと第2傾斜面151bとの交点を含む上面151の先端部は、例えば、尖鋭である。ただし、第1傾斜面151aと第2傾斜面151bとの交点を含む上面151の先端部は、稜151cのように尖鋭でなくてもよく、断面視でR状や面取り状等であってもよい。言い換えれば、断面視で、冷媒流路15には、明確な頂点が形成されていなくてもよい。
図2(b)に示すように、上面151には、凹凸15xが形成されている。上面151において、凹凸15xの高さは、例えば、0.05mm以上0.1mm以下である。ここで、凹凸15xの高さは、JIS B 0601 2013に規定されたRzに対応するものとする。
ベースプレート10は、3D金属プリンタで作製することが好ましい。従来は、金属バルクを機械加工で切削し、切削加工した金属同士をろう付け等で接着することにより、ベースプレートとなる金属内に冷媒流路を設けていた。しかし、この方法では、図2(b)のような形状の冷媒流路15の凸状の上面151に凹凸15xを形成することは困難である。ベースプレート10を3D金属プリンタで作製することにより、図2(b)のように、凸状の上面151に凹凸15xが形成された冷媒流路15を容易に形成できる。なお、3D金属プリンタで作製されたベースプレート10は一体成型品であり、内部に界面を有していない点で従来のベースプレートとは異なる。
ベースプレート10において、底面152並びに側面153及び154には凹凸は形成されていないが、製造上の精度の関係で、凹凸が形成される場合がある。その場合でも、底面152並びに側面153及び154に形成される凹凸の高さは、おおむね上面151に形成される凹凸の高さよりも低くなる。底面152並びに側面153及び154において、凹凸の高さは、例えば、0.04mm以下である。特に、底面152には凹凸が形成されにくいため、底面152に形成される凹凸の高さは、おおむね側面153及び154に形成される凹凸の高さよりも低くなる。言い換えれば、上面151の粗度は、底面152の粗度並びに側面153及び154の粗度よりも大きい。また、側面153及び154の粗度は、底面152の粗度よりも大きい。ここで、各面の粗度の大小は、JIS B 0601 2013に規定されたRaで比較するものとする。なお、底面152並びに側面153及び154は、凹凸を有していない平坦面であってもよい。
図2(a)に示すように、一方の側面153の端部と他方の側面154の端部とを接続する仮想線分L1を規定したときに、第1傾斜面151a、第2傾斜面151b、及び仮想線分L1で規定される図形は3つの内角を有する。仮想線分L1と第1傾斜面151aとのなす第1内角θ1の角度は20度以上50度以下であることが好ましく、25度以上45度以下であることがより好ましい。また、仮想線分L1と第2傾斜面151bとのなす第2内角θ2の角度は20度以上50度以下であることが好ましく、25度以上45度以下であることがより好ましい。第1内角θ1及び第2内角θ2をこのような角度に設定することで、ベースプレート10を3D金属プリンタで作製することが容易となる。第1内角θ1の角度と第2内角θ2の角度の差の絶対値は、例えば、0度以上10度以下である。また、第1傾斜面151aと第2傾斜面151bとのなす第3内角θ3は、例えば、鈍角である。このような角度に設定することで、ベースプレート10を3D金属プリンタで作製することが容易となる。
なお、第1傾斜面151a及び第2傾斜面151bは凹凸15xを有するため、第1傾斜面151a及び第2傾斜面151bの形状は、JIS B 0601 2013に規定されたRaの算出に使用する平均線で示すものとする。例えば、各内角の角度を算出する際には、この平均線を使用する。また、平均線が曲線の場合には、仮想線分L1の両端の接線を使用するものとする。
第1傾斜面151a及び第2傾斜面151bは、平面であってもよいし、曲面であってもよい。つまり、第1傾斜面151a及び第2傾斜面151bをJIS B 0601 2013に規定されたRaの算出に使用する平均線で示したときに、断面視で、平均線は直線であってもよいし、曲線であってもよい。第1傾斜面151a及び第2傾斜面151bが平面に近い方が、ベースプレート10を3D金属プリンタで作製することが容易となる。第1傾斜面151a及び第2傾斜面151bが平面である場合、第1傾斜面151a、第2傾斜面151b、及び仮想線分L1で規定される図形は、例えば、二等辺三角形である。
このように、基板固定装置1のベースプレート10では、冷媒流路15の内壁において、冷却対象となるウェハに最も近い面である上面151をベースプレート10の一方の面10a側に向かって凸の形状とし、さらに上面151に凹凸15xを設けている。これにより、冷却対象となるウェハに最も近い側において、冷媒流路15の内壁と冷媒との接触面積を増やすことが可能となり、ウェハの冷却効率を高めることができる。また、第1傾斜面151a及び第2傾斜面151bを所定の角度に傾斜させることで、ベースプレート10を3D金属プリンタで容易に作製することができる。
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本発明に係る基板固定装置の吸着対象物としては、半導体ウェハ(シリコンウェハ等)以外に、液晶パネル等の製造工程で使用されるガラス基板等を例示できる。
1 基板固定装置
10 ベースプレート
10a 一方の面
10b 他方の面
15 冷媒流路
15a 冷媒導入部
15b 冷媒排出部
15x 凹凸
20 接着層
30 静電チャック
31 基体
31a 載置面
32 静電電極
151 上面
151a 第1傾斜面
151b 第2傾斜面
151c 稜
152 底面
153,154 側面

Claims (10)

  1. 一方の面、及び前記一方の面の反対面である他方の面を有し、前記一方の面側に静電チャックを搭載可能なベースプレートであって、
    内部に冷媒流路を有し、
    前記冷媒流路の内壁は、冷媒が流れる方向に対して交差する方向の縦断面視で、前記一方の面側に向かって凸となる上面を有し、
    前記上面に凹凸が形成されている、ベースプレート。
  2. 前記縦断面視で、
    前記冷媒流路の内壁は、
    前記上面よりも前記他方の面側に位置する底面と、
    前記上面の両端と前記底面の両端とを接続する一対の側面と、を有し、
    前記上面の粗度は、前記底面の粗度及び前記側面の粗度よりも大きい、請求項1に記載のベースプレート。
  3. 前記側面の粗度は、前記底面の粗度よりも大きい、請求項2に記載のベースプレート。
  4. 前記縦断面視で、
    前記上面は、
    一方の前記側面の端部と連続し、前記一方の面側かつ他方の前記側面側に近づくように傾斜する第1傾斜面と、
    他方の前記側面の端部と連続し、前記一方の面側かつ一方の前記側面側に近づくように傾斜し、前記第1傾斜面と連続する第2傾斜面と、を有し、
    一方の前記側面の端部と他方の前記側面の端部とを接続する仮想線分を規定したときに、前記第1傾斜面、前記第2傾斜面、及び前記仮想線分で規定される図形は3つの内角を有し、
    前記仮想線分と前記第1傾斜面とのなす第1内角の角度は20度以上50度以下であり、
    前記仮想線分と前記第2傾斜面とのなす第2内角の角度は20度以上50度以下である、請求項2又は3に記載のベースプレート。
  5. 前記縦断面視で、
    前記第1内角の角度と前記第2内角の角度の差の絶対値は、0度以上10度以下である、請求項4に記載のベースプレート。
  6. 前記縦断面視で、
    前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とのなす第3内角は鈍角である、請求項4又は5に記載のベースプレート。
  7. 前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面は、平面である、請求項4乃至6の何れか一項に記載のベースプレート。
  8. 前記縦断面視で、
    前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との交点を含む前上面の先端部は、尖鋭である、請求項4乃至7の何れか一項に記載のベースプレート。
  9. 一体成型品であり、内部に界面を有していない、請求項1乃至8の何れか一項に記載のベースプレート。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載のベースプレートと、
    前記ベースプレートの前記一方の面側に搭載された静電チャックと、を有する、基板固定装置。
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