JP4662910B2 - 真空チャック - Google Patents

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本発明は、真空チャックに関する。
従来、半導体デバイスの製造工程のような、各種基板を用いた製造工程では、半導体基板等に成膜やエッチング等の各種処理をする際、また、処理装置間を運搬する際に、この半導体基板等を吸着し、保持するために真空チャックが使用されている。真空チャックは、一般に、板状の基体を有している。この基体の一方の平面は、吸着保持する半導体基板等が支持される支持面であって、この支持面には吸気孔が開口されている。この吸気孔に接続された排気装置を用いて吸引排気することにより、支持面に置かれた半導体基板等と吸気孔との間に負圧が生じる。この負圧により半導体基板等がこの支持面に吸着保持される。
真空チャックのなかでも、半導体基板の吸着保持に用いられる真空チャックは、半導体基板に加熱処理やプラズマ処理をする際に用いられることから、高温に耐え、また半導体基板を平面的に保持できることが求められる。したがって、その基体が耐熱性を有し剛性の高いセラミックスよりなる真空チャックが適用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開平08―271419号公報 特開2003−197725号公報
半導体基板に加熱処理やプラズマ処理を施すのに用いられる真空チャックに関して、基体の支持面に吸引支持された半導体基板を加熱したり半導体基板の周囲にプラズマ空間を形成させたりするために、セラミックスよりなる基体の内部に、抵抗発熱体や高周波電極が埋設された真空チャックがある。このような抵抗発熱体や高周波電極が埋設された電極を備える真空チャックは、この抵抗発熱体や高周波電極に電力を供給するために、この基体の支持面とは反対側の面、すなわち、基体の裏面から、抵抗発熱体や高周波電極と接続する端子穴が穿設され、この端子穴に端子が挿入されて上記抵抗発熱体や高周波電極にろう付けされることにより、この端子と抵抗発熱体又は高周波電極とが電気的に接続されている。
このような端子穴が穿設された真空チャックは、基体の厚さ方向において、端子穴が形成されている部分の厚さが他の部分よりも薄く、強度が相対的に弱い。
この真空チャックは、半導体基板を加熱する際は、基体が抵抗発熱体によりあらかじめ加熱され、次いで半導体基板がこの基体の支持面に配設されて吸着支持される。この半導体基板が吸着保持される時、基体の支持面は、半導体基板と接することにより抜熱され、一時的に温度が低下する。これに対して基体の内部は抜熱の影響を受けず、温度低下がない。したがって、支持面と内部とで基体の厚さ方向に一時的な温度勾配が生じる。この温度勾配は、熱膨張差による熱応力を招き、この熱応力が上記端子穴が形成されて厚さが薄くなっている部位の基体のセラミックスの強度よりも大きくなると、支持面の当該部位にクラックが生じるおそれがあった。
また、この基体における端子穴が形成されて厚さが薄くなっている部位は、端子穴の存在のために抵抗発熱体が近接して埋設されておらず、かつ、端子穴に挿入された金属製の端子を伝って抜熱され易い。したがって、基体における端子穴が形成されて厚さが薄くなっている部位は、他の部位よりも温度低下が、より大きくなり易く、熱応力が大きくなり易い。この点でも、支持面の当該部位にクラックが生じるおそれがあった。
このクラックが生じると、真空チャックの繰り返し使用により熱疲労を生じ、切り欠き効果と相俟ってクラックが基体の厚み方向に伝播し、最終的に基体を厚み方向に貫くクラックが生じることがある。こうなると、クラックを通じてガスリークが発生し、負圧が減少し、吸気孔による半導体基板の吸着力が低下することから、半導体基板を吸着することが十分にできなくなるおそれがあった。
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、抵抗発熱体又は高周波電極と接続する端子穴が設けられた真空チャックにおいて、基体の支持面にクラックが生じることを有利に防止することのできる真空チャックを提供することを目的とする。
本発明の真空チャックは、板状のセラミックスよりなり、一方の平面が被処理物の支持面である基体と、この基体の支持面に開口する吸気孔と、この基体の支持面近傍に埋設された導電体と、この基体の支持面とは反対の面からこの導電体に接続して配設された端子とを備え、かつ、この基体の支持面における、前記端子の延長線上の部位と、前記吸気孔の開口との間に、ガス流動溝よりなるガス流動手段を備えることを特徴とする。
本発明の真空チャックによれば、基体に埋設された端子近傍でクラックが発生することを防止することが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る真空チャックを、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の真空チャックの考え方を説明するための真空チャックの断面図である。図1に示す真空チャック10は、セラミックスよりなる板状の基体11を備える。この板状の基体11は、半導体ウエハWを吸着支持する支持面を有していて、図1に示した基体では、図示された半導体ウエハWに対向している平面が支持面である。この支持面に開口して吸気孔11aが基体11の厚さ方向に貫通して設けられている。
また、図1に示した真空チャック10では、基体11の支持面の近傍に導電体としての高周波電極12が埋設されている。この高周波電極12は、この真空チャックが取り付けられる処理室に設けられた、もう一つの高周波電極(図示せず)と併せて用いられて、半導体ウエハW近傍に高周波プラズマを形成させるためのものである。また、この図1に示した真空チャック10では、高周波電極12よりも基体の内部に、抵抗発熱体13が埋設されている。
上記高周波電極12に電力を供給するために、基体11の支持面とは反対側の面(裏面)から、高周波電極12に端子14の一方の端部が接続されている。この端子14と高周波電極12との接続は、端子14が、基体11の裏面から高周波電極12に向けて形成された端子穴に挿入され、当該高周波電極12とろう付けされることにより接続されているものである。端子14の他方の端部には導体15が接続され、この導体15と接続している高周波電源16から電力が供給される。
また、上記抵抗発熱体13に電極を供給するために、基体11の支持面とは反対側の面(裏面)から抵抗発熱体13に端子17の一方の端部が接続されている。この端子17と抵抗発熱体13との接続は、端子17が、基体11の裏面から抵抗発熱体13に向けて形成された端子穴に挿入され、当該高周波電極12とろう付けされることにより接続されているものである。端子17の他方の端部には導体18が接続され、この導体18と接続している電源19から電力が供給される。
基体11の裏面には円筒状のシャフト21の一方の端面が気密に固着されている。このシャフト21のもう一方の端面が、処理室の壁部22に気密に取り付け固定されることにより、基体11がシャフト21を介して壁部22に取り付けられている。円筒状のシャフト21の内周面と、処理室の壁部22の壁面と、基体11の裏面とで囲繞された空間には、排気装置23が接続されている。
図2は、図1に示した真空チャック10を用いて、半導体ウエハWを吸着し、支持したところを示す断面図である。図2において、図1に示したものと同一の部材には、同一の符号を付している。図2において、排気装置23を動作させることにより、円筒状のシャフト21の内周面と、処理室の壁部22の壁面と、基体11の裏面とで囲繞された空間が負圧になる。そして、この空間に連通する吸気孔11aを通じて、ガスの流動が矢印Aの方向に生じ、この吸気孔11aと半導体ウエハWとの間に負圧が生じることにより、半導体ウエハWが基体11の支持面に吸着保持される。この半導体ウエハWが基体11の支持面に吸着保持されているとき、半導体ウエハWと基体11の支持面との間には、基体11の支持面の表面粗さ、又は支持面に形成された凹凸等により微視的な空間が形成されていて、この空間でガスが吸気孔11aに向けて吸引することにより負圧が生じ、半導体ウエハWが基体11の支持面に吸着、保持されている。
図1及び図2に示した真空チャック10の基体11を支持面側から見た平面図を図3に示す。図3に示すように、真空チャック10においては、高周波電極12に接続する端子14が、中心点対称に2個が配設された吸気孔11aのそれぞれを結ぶ直線から外側に偏倚した位置に配設されている。このように、端子14が、各吸気孔11aを結ぶ直線上またはその近傍ではなく、外側に偏倚した位置に配設されていることにより、支持面における端子14が配設されている部位において、吸気孔に導かれるガスを流動させることができる。このことにより、基体11の支持面における端子14が配設されている部位におけるクラックの発生を防止することができる。
つまり、端子14を、基体11の支持面において、この支持面に複数個で設けられた吸気孔11aのそれぞれを結ぶ直線から外側に偏倚した位置に配設することは、真空チャック10にガス流動手段が設けられたことになる。
図1〜3に示した真空チャック10が、このガス流動手段により、基体11の支持面における端子14が配設されている部位のクラック発生を防止することができる作用について以下に説明する。
図4は、図3に示した真空チャックの基体11と同様の、2個の吸気孔11aが中心点対称に配設されている基体11における、半導体ウエハWが支持されているときの半導体ウエハWと支持面との間に生ずる微視的なガス流動の方向を示す説明図である。図4の半導体ウエハWと支持面との間に生ずる微視的なガスの流れは、図中の矢印Aで示されるような、吸気孔11a基体の支持面上における微視的なガス流動方向を示す説明図に向かう流れである。しかしながら、2個の吸気孔11aを結ぶ直線近傍の、図中に斜線で示す領域Zにおいては、2個の吸気孔11aのそれぞれに向かう吸引力が相殺する結果、ガスの流れがほとんど生じていない領域になっている。この領域に端子14が配設されていると、ガス流動による周囲からの熱移動が生じない。そのため、半導体ウエハWが支持面に吸着保持される時には、この端子が配設されている部位が、半導体ウエハWへの伝熱により瞬間的に抜熱され、熱応力が生じる結果、クラックが生じるおそれがある。このようなクラックの発生は、吸気孔が3個以上の場合であっても生じ得る。
図5は、3個の吸気孔11aが中心点対称に配設されている基体11における、半導体ウエハWが支持されているときの半導体ウエハWと支持面との間に生ずる微視的なガス流動の方向を示す説明図である。図5に示されるように、吸気孔11aが3個の場合であっても、3個の吸気孔をそれぞれ結ぶ直線から中心点側の、図中に斜線で示す領域Zにおいては、3個の吸気孔11aのそれぞれに向かう吸引力が相殺する結果、ガスの流れがほとんど生じていない領域になっている。この領域に端子14が配設されていると、ガス流動による周囲からの熱移動が生じない。そのため、図4に示した2個の吸気孔11aを有する場合と同様に、クラックが生じるおそれがある。
これに対して、図1〜図3に示した真空チャック10は、図3を用いて既に説明したように、高周波電極12に接続する端子14が、中心点対称に2個が配設された吸気孔11aのそれぞれを結ぶ直線から外側に偏倚した位置に配設されている。この端子14の平面位置は,図4に示したガスの流れがほとんど生じていない領域から外れた位置である。すなわち、吸気孔11aに向かうガス流が生じている位置である。この位置に端子14を配設することが、ガス流動手段が設けられたこととなる。
この真空チャック10は、端子14が、支持面で見てみて吸気孔11aに向かうガス流が生じている位置に配設されていることから、半導体ウエハWが支持面に吸着保持される時には、この端子が配設されている部位が、半導体ウエハWへの伝熱により瞬間的に抜熱されたとしても、このガス流により端子14周囲の高温のガスが、この端子14が位置する支持面上を流れる。したがって、この端子14が位置する支持面の部位では、ガス流により高熱が補償される結果、この部位における温度低下が効果的に抑制される。そのため、熱応力の発生も抑制されるから、クラックの発生を防止することができる。
ガス流動手段として、端子14を、基体11の支持面において、この支持面に複数個で設けられた吸気孔11aのそれぞれを結ぶ直線から外側に偏倚した位置に配設した真空チャックは、図3の平面図に示したものに限られず、種々の変形が考えられる。図6(a)〜(f)に示す基体11の平面図は、これらの変形例である。
図6(a)に示す真空チャック10は、2個の吸気孔11aを結ぶ同心円Lよりも外側で、この2個の吸気孔11aを結ぶ直線を二分する垂線CL上に端子14が位置する例である。なお、ガス流動の観点からは、この真空チャック10よりも、次に述べる図6(b)の例が、より好ましい。
図6(b)に示す真空チャック20は、2個の吸気孔11aを結ぶ同心円Lよりも外側で、2個の吸気孔11aを結ぶ直線を二分する垂線CL上から、いずれかの吸気孔11a寄りに偏倚した位置に端子14が位置する例である。垂線CLに沿った領域は、吸気孔11aに向かうガスの吸引力がバランスする領域であるから、この垂線CLから更に一方の吸気孔11aに偏倚することにより、ガスが端子14上をより流れ易くなる。したがって、この真空チャック20は、図6(a)に示す真空チャック10よりも好ましい。
図6(c)に示す真空チャック30は、2個の吸気孔11aを結ぶ同心円Lよりも外側で、2個の吸気孔11aを結ぶ直線を二分する垂線CL上から、いずれかの吸気孔11a寄りに偏倚した位置に端子14が位置するとともに、その偏倚した吸気孔11aの近傍に端子14が位置する例である。吸気孔11aの近傍では、ガス吸引力が大きいことから、端子14が吸気孔11aの近傍に配設されることにより、ガスが端子14上をより流れ易くなる。
図6(d)に示す真空チャック40は、2個の吸気孔11aを結ぶ同心円Lよりも外側で、2個の吸気孔11aを結ぶ直線上に端子14が位置する例である。
図6(e)に示す真空チャック50は、基体11に3個の吸気孔11aを有する例であって、この3個の吸気孔11aを結ぶ同心円Lよりも外側に端子14が位置する例である。
図6(f)に示す真空チャック60は、基体11に3個の吸気孔11aを有する例であって、この3個の吸気孔11aを結ぶ同心円Lよりも外側で、かつ、一つの吸気孔11aの近傍に端子14が位置する例である。端子14が吸気孔11aの近傍に配設されることにより、ガスが端子14上をより流れ易くなる。
以上説明した、図6(a)〜(f)の例のいずれも、ガスが端子14上を流れることから、基体11の支持面における端子14が位置する部位のクラックの発生を防止することができる。なお、端子14の位置は、図6(a)〜(f)に示した例に限定されるものではない。また、吸気孔11aの個数も、
2個又は3個に限定されるものではなく、吸気孔11aを4個以上で有する真空チャックであってもよい。
次に、ガス流動手段を備える真空チャックの別の例を、図7を用いて説明する。図7は、基体11の平面図である。図7(a)に示された真空チャック70は、直径の異なる2個の吸気孔11a及び11bを結ぶ同心円Lよりも内側に端子14が位置している。この同心円Lよりも内側の領域は、2個の吸気孔の直径が同じ場合であれば、吸引力が相殺してガスの流れがほとんど生じていない領域である。しかし、この真空チャック70のように、吸気孔11aの直径d1と、吸気孔11bの直径d2とが相違する場合には、吸引力のバランスが崩れていることから、同心円Lよりも内側の領域であっても、ガスの流れが生じている。特に、吸気孔11aよりも直径が大きい吸気孔11bの近傍に端子14を配設することにより、ガスが端子14上をより流れ易くなる。このように、直径の異なる吸気孔を配設することが、ガス流動手段が設けられたこととなる。
また、図7(b)に示された真空チャック80は、少なくとも一つが直径の異なる3個の吸気孔11a及び11bを結ぶ同心円Lよりも内側に端子14が位置している。この真空チャック80のように、少なくとも一つが直径の異なる11a及び11bを有する場合には、吸引力のバランスが崩れていることから、同心円Lよりも内側の領域であっても、ガスの流れが生じている。特に、吸気孔11aよりも直径が大きい吸気孔11bの近傍に端子14を配設することにより、ガスが端子14上をより流れ易くなる。
なお、図7に示した真空チャックでは、端子14が、直径の異なる2個又は3個の吸気孔11a及び11bを結ぶ同心円Lよりも内側に位置する例を示しているが、端子14は、この同心円Lよりも外側に位置するようにしても良い。
次に、ガス流動手段として、特に好適な構成を具備する本発明に係る真空チャックの実施形態を、図8を用いて説明する。図8(a)は、基体11の平面図、図8(b)は同図(a)のB−B線視断面図、図8(c)は同図(a)のB−B線視断面図の別の例である。図8(a)に示されるように、本実施形態の真空チャック90は、基体11の支持面上において、端子14と一つの吸気孔11aとの間に、ガス流動溝11cが形成されている。
このガス流動溝11cが形成されていることにより、本実施形態の真空チャックにおいては、端子14上を流れるガス流量が増大し、基体11の支持面における端子14の端部の延長線上に位置する部位では、ガス流により高熱が補償される。その結果、この部位における温度低下が効果的に抑制される。そのため、熱応力の発生も抑制されるから、クラックの発生を防止することができる。
このガス流動溝11cについて、溝深さは、基体11の支持面と高周波電極12との間の厚さ、換言すれば、誘電体厚みに対して1%〜20%であることが好ましく、より好ましい溝深さは5%〜10%である。この溝深さが浅過ぎると、端子14近傍へのガス流入効果が発揮されず、深すぎると誘電体が薄くなり、強度面でかえって弱くなってしまう。
図8(b)に示されるように、ガス流動溝11cの幅W1は、端子14の直径W2よりも20%以上大きいことが好ましい。ガス流動溝11cの幅W1が、端子14の直径W2よりも20%以上大きいことにより、端子14の部位における温度低下及び昇温の速度を効果的に緩和することができることから、熱衝撃を緩和することができる。
図8(c)は、ガス流動溝11dの断面が曲面である例である。セラミックスよりなる基体11に形成されることから、ガス流動溝11dの断面が曲面である場合には、角部に生じることのある割れ、欠けを防止することができる。また、パーティクルの発生を抑制することができるので好ましい。
ガス流動溝11cやガス流動溝11dの形成方法は、特に限定されず、例えば、表面研削加工等によって容易に作製することが可能である。
図8(a)に示したように、端子14の位置は、中心点対称に2個が配設された吸気孔11aのそれぞれを結ぶ直線から外側に偏倚した位置に配設されていることが、ガスが流れ易いことから、より好ましい。もっとも、本実施形態の真空チャック90は、図示した例に限定されるものではない。
次に、図9を用いて、ガス流動手段としてガス流動溝を設けた本発明に係る別の実施形態を説明する。図9(a)は、基体11の平面図、図9(b)は同図(a)のC−C線視断面図である。図9に示される本実施形態の真空チャック100は、基体11の支持面上において、吸気孔11aから端子14上を通り、更に延びるガス流動溝11eが形成されている。このガス流動溝11eは、端子14上では、この端子14を囲むように幅広になっている。
図9(a)に示すような、吸気孔11aが1個である場合には、吸気孔11aが複数個である場合のように、これらの吸気孔の間で吸引力が相殺してガスの流れがほとんど生じていない領域が生じることは、理論上はない。もっとも、本実施形態のように、吸気孔11aから端子14上を通るガス流動溝11eが形成されることにより、端子14上におけるガスの流量を増大させることができる。よって、この端子14が位置する支持面の部位では、ガス流により高熱が補償される結果、この部位における温度低下がより効果的に抑制される。そのため、熱応力の発生も抑制されるから、クラックの発生をいっそう防止することができる。
次に、図10を用いて、ガス流動手段としてガス流動溝を設けた本発明に係る別の実施形態を説明する。図10(a)は、基体11の平面図、図10(b)は同図(a)のD−D線視断面図である。図10(a)に示されるように、本実施形態の真空チャック110は、基体11の支持面上に、端子14と一つの吸気孔11aとの間に、ガス流動溝11fが形成されている。このガス流動溝11fは、同図(b)の断面図に示されるように、表面粗さを他の部分よりも粗くしたことにより形成されている。このガス流動溝11fは、例えば、表面粗さRaで0.7〜2μmとすることができる。これに対して、流動溝11f以外の支持面の表面は、通常、表面粗さRaで0.1〜0.7μm未満程度である。この流動溝11fは、支持面を表面仕上げした後、流動溝11f以外の部分の支持面をマスキングし、流動溝11fの部分を選択的にブラスト処理することによって形成することができる。
図10に示した本実施形態の真空チャック110は、基体11の支持面上において、端子14と一つの吸気孔11aとの間に、ガス流動溝11fが形成されていることにより、図8及び図9に示した実施形態と同様に、端子14上を流れるガス流量が増大する。このことにより、この端子14が位置する支持面の部位では、ガス流により高熱が補償される結果、この部位における温度低下が効果的に抑制される。そのため、熱応力の発生も抑制されるから、クラックの発生を防止することができる。
次に、比較のため、図11及び図12に従来の真空チャックの端子近傍の断面図を示し、従来の真空チャックにおけるクラックの発生を説明する。図11に示される従来の真空チャックは、2個の吸気孔(図示せず)を結ぶ直線の中点に、端子14が設けられているものである。この従来の真空チャックでは、、基体11の支持面に半導体ウエハWが吸着支持された時、基体11から半導体ウエハWへと図中矢印で熱の移動方向を示す熱伝導が瞬間的に生じ、支持面の熱が奪われる。この支持面と基体11の内部との熱膨張差により生じる熱応力が、基体11のなかで強度の低い領域である、端子14と支持面との間の領域Zに集中する。しかも、この領域Zは、端子14と干渉しないように抵抗発熱体13が近接して配設されない領域であるから、周囲との温度差、ひいては熱応力は大きい。そして、この端子14の位置は、2個の吸気孔を結ぶ直線の中点に位置するから、各吸気孔に向かう吸引力が相殺されて、ガス流がほとんど生じない位置である。そのため、周囲の高温ガスをこの位置に流入させて熱補償することができず、図12に示されるように、この領域ZにクラックCが発生することがあった。
これに対して、図1〜図10に示したように、ガス流動手段を備える真空チャックは、この領域Zに高温ガスを導いて温度低下を補償することができるから、クラックの発生は防止できる。特に、ガス流動手段としてガス流動溝が形成されている真空チャックかは、効果的にクラックの発生を防止できる。したがって、本発明の真空チャックが顕著な効果を具備することは明白である。
以上、図面を用いて本発明の真空チャックの実施形態を説明したが、本発明の真空チャックは、図面に示された実施形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、幾多の変形が可能である。例えば、図8及び図9に示した本発明の実施形態に係る真空チャック90及び真空チャック100について、ガス流動溝11c及びガス流動溝11dの表面粗さを、Raで0.7〜2μmの範囲とすることができる。
また、図1〜3に示した真空チャックでは、導電体として高周波電極12が基体11の支持面近傍に埋設している例を用いて説明したが、本発明における端子に接続する導電体は、高周波電極12に限られない。抵抗発熱体13も本発明における導電体であって、この抵抗発熱体13に接続する端子17近傍にクラックが発生するのを防止するために、この端子17が配設される部位で吸気孔11aに導かれるガスを流動させるガス流動手段を、端子14に設けられたガス流動手段と同様に設けることができる。また、高周波電極12が基体11内部に埋設されず、抵抗発熱体13のみが支持面近傍に埋設されている真空チャックでは、この抵抗発熱体13が本発明における導電体に該当する。この抵抗発熱体13に接続する端子17近傍にクラックが発生するのを防止するために、この端子17が配設される部位で吸気孔11aに導かれるガスを流動させるガス流動手段を設けることができる。
また、ガス流動手段は、複数の吸気孔11aのそれぞれに排気装置を個別に接続して、この排気装置を個別に調節することにより、各吸気孔11aの吸引圧力をそれぞれ異ならせ、これにより、各吸気孔11aの間の吸引力のバランスを異ならせて、よって端子14上でガスを流動させるものであってもよい。
本発明の真空チャックのコンセプトの説明図である。 図1に示した真空チャックを用いて、半導体ウエハを吸着し、支持したところを示す断面図である。 図1の真空チャックの基体を支持面側から見た平面図である。 基体の支持面上における微視的なガス流動方向を示す説明図である。 基体の支持面上における微視的なガス流動方向を示す説明図である。 別のガス流動手段が設けられた真空チャックの基体の平面図である。 別のガス流動手段が設けられた真空チャックの真空チャックの基体の平面図である。 本発明の実施形態の真空チャックの基体の平面図である。 本発明の他の実施形態の真空チャックの基体の平面図である。 本発明の他の実施形態の真空チャックの基体の平面図である。 従来の真空チャックの端子近傍の断面図である。 従来の真空チャックにおけるクラック発生の説明図である。
符号の説明
10…真空チャック
11…基体
12…高周波電極
13…抵抗発熱体
14…端子

Claims (3)

  1. 板状のセラミックスよりなり、一方の平面が被処理物の支持面である基体と、
    この基体の支持面に開口する吸気孔と、
    この基体の支持面近傍に埋設された導電体と、
    この基体の支持面とは反対の面からこの導電体に接続して配設された端子と
    を備え、かつ、
    この基体の支持面における、前記端子の延長線上の部位と、前記吸気孔の開口との間に、ガス流動溝よりなるガス流動手段を備え、前記ガス流動溝は、前記端子の延長線上の部位と前記吸気孔の開口とを結ぶ方向に形成されていることを特徴とする真空チャック。
  2. 前記ガス流動溝が、前記端子の延長線上を通って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空チャック。
  3. 前記ガス流動溝は、その表面の平均粗さが、中心線平均粗さRaで0.7〜2μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空チャック。
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