JP5936165B2 - 静電チャックおよびウェーハ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、一般的に、静電チャックおよびウェーハ処理装置に関する。
エッチング、CVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング、イオン注入、アッシング、露光、検査などを行う基板処理装置において、半導体ウェーハやガラス基板などの被吸着物(処理対象物)を吸着保持する手段として静電チャックが用いられている。
静電チャックは、アルミナ等のセラミック誘電体基板のあいだに電極を挟み込み、焼成することで作製される。静電チャックは、内蔵する電極に静電吸着用電力を印加し、シリコンウェーハ等の基板を静電力によって吸着するものである。
誘電体基板の温度が上昇すると、処理中の処理対象物の温度が上昇する。すると、基板処理に使用可能な材料が高耐熱性材料に制限される。静電チャックの冷却効率を上げ静電チャックの温度を下げるためにチラーを含む装置を大型化すると、装置を大型化しない場合と比較して、装置の費用およびランニングコストが増加する。
例えば、静電チャックのうちでクーロン力を用いる静電チャックにおいては、静電チャックの温度が上昇しても、比較的高い体積抵抗率を維持し、リーク電流を抑えることが望まれている。クーロン力を用いる静電チャックは、比較的高い印加電圧を必要とし、比較的高い絶縁性の素材や構造を必要とする。
クーロン力を用いる静電チャックに限定されず、冷却効率を向上させることができる静電チャックが望まれている。
特開2007−12795号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、冷却効率を向上させることができる静電チャックおよびウェーハ処理装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、処理対象物を載置する第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を有し、多結晶セラミック焼結体であるセラミック誘電体基板と、前記第1主面と前記第2主面との間に介設された電極と、を備え、前記セラミック誘電体基板は、前記第2主面から前記第1主面にかけて設けられ軸が前記第1主面と平行方向に延在する部分を有する流路を有し、前記部分は、前記軸に対して垂直な面において、前記平行方向の幅が前記第1主面から前記第2主面へ向かうと狭くなる第1の領域と、前記幅が前記第1主面から前記第2主面へ向かうと広くなる第2の領域と、を有するとともに、前記軸に対して垂直な面において、前記第1主面の側に位置する第1の面と、前記第2主面の側に位置する第2の面と、前記第1の面と前記第2の面とに接続された第3の面と、を有し、前記第3の面の上の点における接線と、前記第1の面と、の間の角度は、前記点が前記第1主面から前記第2主面へ向かうと大きくなり、前記第3の面の上の点における接線と、前記第2の面と、の間の角度は、前記点が前記第1主面から前記第2主面へ向かうと小さくなることを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、流路を流れる伝達ガスのコンダクタンスが低下することを抑えることができる。そのため、静電チャックの冷却性能を向上させることができる。また、流路を流れる伝達ガスの圧力損失が生ずることを抑えることができる。そのため、静電チャックの冷却性能を向上させることができる。
の発明は、第の発明おいて、前記第3の面は、前記軸に対して垂直な面において、前記第1の面と前記第2の面との間の中央部が前記流路の内部に向かって突出した凸形状を有することを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、流路を流れる伝達ガスの圧力損失が生ずることを抑えることができる。そのため、静電チャックの冷却性能を向上させることができる。
の発明は、第の発明において、前記凸形状の高さは、30マイクロメートル以上、50マイクロメートル以下であることを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、流路を流れる伝達ガスの圧力損失が生ずることを抑えることができる。そのため、静電チャックの冷却性能を向上させることができる。
の発明は、第1〜3のいずれか1つの発明において、前記第1の面の算術平均粗さRaは、前記第3の面の算術平均粗さRaよりも小さいことを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、流路を流れる伝達ガスの圧力損失が生ずることを抑えることができる。そのため、静電チャックの冷却性能を向上させることができる。
の発明は、第の発明において、前記第3の面の算術平均粗さRaは、1.0マイクロメートル以上、4.0マイクロメートル以下であることを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、流路を流れる伝達ガスの圧力損失が生ずることを抑えることができる。そのため、静電チャックの冷却性能を向上させることができる。
の発明は、第1〜5のいずれか1つの発明において、前記第1の面の前記平行方向の幅は、前記軸に対して垂直な面において、1.5ミリメートル以下であることを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、流路が断熱構造となることを抑えることができる。
の発明は、第1〜のいずれか1つの発明において、前記第1主面に対して垂直方向の前記部分の高さは、前記軸に対して垂直な面において、3ミリメートル以下であることを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、流路が断熱構造となることを抑えることができる。
の発明は、第1〜のいずれか1つの発明において、前記セラミック誘電体基板は、内部領域と、前記内部領域の外側に設けられ前記内部領域の厚さよりも薄い厚さを有する外周領域と、を有することを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、フォーカスリングが外周領域に設置された場合には、輻射もあり、処理対象物の温度を均一に保持することができる。
の発明は、第の発明において、前記内部領域の厚さは、1ミリメートル以上であることを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、フォーカスリングが外周領域に設置された場合には、輻射もあり、処理対象物の温度を均一に保持することができる。
10の発明は、第1〜のいずれか1つの発明の静電チャックと、前記静電チャックの外周部に設けられたフォーカスリングと、を備えたことを特徴とするウェーハ処理装置である。
このウェーハ処理装置によれば、フォーカスリングからの輻射もあり、処理対象物の温度を均一に保持することができる。
本発明の態様によれば、冷却効率を向上させることができる静電チャックおよびウェーハ処理装置が提供される。
本実施形態に係る静電チャックおよびウェーハ処理装置の構成を例示する模式的断面図である。 流路の断面形状を表す模式的断面図である。 本実施形態の流路(流路部)の幅を説明する模式的断面図である。 本実施形態の流路(流路部)の高さを説明する模式的断面図である。 静電チャックの外周領域を表す模式的断面図である。 本実施形態の流路のモデルを表す模式的斜視図である。 シミュレーションの結果の一例を例示する模式図である。 シミュレーションの結果の一例を例示する模式図である。 シミュレーションの結果の一例を例示する模式図である。 シミュレーションの結果の一例を例示する模式図である。 本実施形態の流路におけるシミュレーションの結果の一例を例示する表である。 本実施形態の流路(流路部)の変形例を表す模式的断面図である。 本実施形態の流路(流路部)の変形例を表す模式的断面図である。 本実施形態の流路の変形例を表す模式的斜視図である。 本実施形態に係るウェーハ処理装置の変形例を表す模式的断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
図1は、本実施形態に係る静電チャックおよびウェーハ処理装置の構成を例示する模式的断面図である。
図1に表したように、本実施形態に係るウェーハ処理装置120は、静電チャック110と、フォーカスリング19(図5(a)参照)と、ベースプレート50と、を備える。静電チャック110は、セラミック誘電体基板11と、電極12と、を備える。フォーカスリング19の詳細については、図5(a)に関して後述する。
セラミック誘電体基板11は、例えば焼結セラミックによる平板状の基材であり、シリコンウェーハなどの半導体基板等の吸着の対象物Wを載置する第1主面11aと、この第1主面11aとは反対側の第2主面11bと、を有する。
電極12は、セラミック誘電体基板11に設けられている。電極12は、セラミック誘電体基板11の第1主面11aと、第2主面11bと、のあいだに介設され、セラミック誘電体基板11に一体焼結されている。すなわち、電極12は、セラミック誘電体基板11の中に挿入されるように形成されている。静電チャック110は、この電極12に吸着保持用電圧80を印加することによって、電極12の第1主面11a側に電荷を発生させ、静電力によって対象物Wを吸着保持する。
ここで、本実施形態の説明においては、第1主面11aと第2主面11bとを結ぶ方向(第1方向)をZ方向、Z方向と直交する方向の1つ(第2方向)をY方向、Z方向及びY方向に直交する方向(第3方向)をX方向ということにする。
電極12は、セラミック誘電体基板11の第1主面11a及び第2主面11bに沿って薄膜状に設けられている。電極12は、対象物Wを吸着保持するための吸着電極である。電極12は、単極型でも双極型でもよい。図1に表した電極12は双極型であり、同一面上に2極の電極12が設けられている。
電極12には、セラミック誘電体基板11の第2主面11b側に延びる接続部20が設けられている。接続部20は、電極12と導通するビア(中実型)やビアホール(中空型)、もしくは金属端子をロウ付けなどの適切な方法で接続したものである。
セラミック誘電体基板11は、図示しない接合層を介してベースプレート50の上に固定される。ベースプレート50は、セラミック誘電体基板11を支持する部材である。
ベースプレート50は、例えば、アルミニウム製の上部50aと下部50bとに分けられており、上部50aと下部50bとのあいだに連通路55が設けられている。連通路55は、一端側が入力路51に接続され、他端側が出力路52に接続される。
ベースプレート50は、静電チャック110の温度調整を行う役目も果たす。例えば、静電チャック110を冷却する場合には、入力路51から冷却媒体を流入し、連通路55を通過させ、出力路52から流出させる。これにより、冷却媒体によってベースプレート50の熱を吸収し、その上に取り付けられた静電チャック110を冷却することができる。一方、静電チャック110を保温する場合には、連通路55内に保温媒体を入れることも可能である。または、静電チャック110やベースプレート50に発熱体を内蔵させることも可能である。このように、ベースプレート50を介して静電チャック110の温度が調整されると、静電チャック110で吸着保持される対象物Wの温度を調整することができる。
また、セラミック誘電体基板11の第1主面11a側には、必要に応じてドット13が設けられており、ドット13の間に溝14が設けられている。この溝14は連通していて、静電チャック110に搭載された対象物Wの裏面と溝14とのあいだに空間が形成される。
溝14には、セラミック誘電体基板11に設けられた流路15が接続される。流路15は、セラミック誘電体基板11の第2主面11bから第1主面11aにかけてセラミック誘電体基板11を貫通して設けられる。
流路15は、流路15の軸が水平方向(XY平面と平行方向)に延在する部分を有する。言い換えれば、流路15は、流路15の軸が第1主面11aと平行方向に延在する部分を有する。なお、図1に表した静電チャック110では、図1に表した3つの流路15のうちの1つの流路15が、流路15の軸が水平方向に延在する部分を有する。本実施形態では、複数の流路15が設けられている場合には、複数の流路15のうちの少なくともいずれかの流路15が、流路15の軸が水平方向に延在する部分を有する。
図1に表した流路15は、第1の流路部15aと、第2の流路部15bと、第3の流路部15cと、を有する。第1の流路部15aの軸および第3の流路部15cの軸は、鉛直方向(Z方向)に延在する。第2の流路部15bの軸は、水平方向に延在する。第2の流路部15bは、電極12と第1主面11aとの間、および電極12と第2主面11bとの間の少なくともいずれかに設けられている。図1に表した例では、第2の流路部15bは、電極12と第2主面11bとの間に設けられている。
第1の流路部15aの一端は、セラミック誘電体基板11の第2主面11bに接続されている。第3の流路部15cの一端は、溝14に接続されている。第2の流路部15bは、第1の流路部15aと第3の流路部15cとに接続されている。より具体的には、第2の流路部15bの一端は、第1の流路部15aの他端に接続されている。第2の流路部15bの他端は、第3の流路部15cの他端に接続されている。このように、流路15は、第1主面11aと第2主面11bとを物理的につなぐ空間を有する。
セラミック誘電体基板11の材料として、例えばクーロン素材が用いられる。クーロン素材の体積抵抗率は、例えば約1×1014オーム・センチメートル(Ω・cm)以上である。セラミック誘電体基板11に用いられるクーロン素材が可視光または赤外線に対して半透過性を有する場合には、セラミック誘電体基板11の表面から内部の空間を目視で確認することができる。そのため、図1に表したように、流路15の軸が水平方向に延在する部分(第2の流路部15b)を流路15が有する場合には、セラミック誘電体基板11の表面から第2の流路部15bの位置を確認することができ、精度が必要な加工をより容易に行うことができる。
ドット13の高さ(溝14の深さ)、ドット13及び溝14の面積比率、形状等を適宜選択することで、対象物Wの温度や対象物Wに付着するパーティクルを好ましい状態にコントロールすることができる。
一方、ベースプレート50には、ガス導入路53が設けられる。ガス導入路53は、ベースプレート50を例えば貫通するように設けられる。ガス導入路53は、ベースプレート50を貫通せず、他のガス導入路53の途中から分岐してセラミック誘電体基板11側まで設けられていてもよい。また、ガス導入路53は、ベースプレート50の複数箇所に設けられていてもよい。
ガス導入路53は、流路15と連通する。対象物Wを吸着保持した状態でガス導入路53からヘリウム(He)等の伝達ガスを導入すると、伝達ガスは、流路15を通り対象物Wと溝14との間に設けられた空間に流れる。これにより、対象物Wを伝達ガスによって直接冷却することができるようになる。
ガス導入路53のセラミック誘電体基板11側には、絶縁体プラグ70が設けられていてもよい。図1に表した静電チャック110では、絶縁体プラグ70は、ガス導入路53の内部のうちのセラミック誘電体基板11側の端部に設けられている。例えば、ガス導入路53のセラミック誘電体基板11側には、座ぐり部が設けられる。座ぐり部は、筒状に設けられる。座ぐり部の内径を適切に設計することで、絶縁体プラグ70は、座ぐり部に嵌合される。なお、本実施形態では、絶縁体プラグ70は、必ずしも設けられていなくともよい。
絶縁体プラグ70は、例えばセラミック多孔体を有する。セラミック多孔体は、筒状(例えば、円筒形)に設けられ、座ぐり部に嵌合される。絶縁体プラグ70の形状は、円筒形が望ましいが、円筒形に限定されるものではない。セラミック多孔体には、絶縁性を有する材料が用いられる。セラミック多孔体の材料としては、例えばAlやY、ZrO、MgO、SiC、AlN,SiであったりSiOなどのガラスでもよい。あるいは、セラミック多孔体71の材料は、Al−TiOやAl−MgO、Al−SiO、Al13Si、YAG、ZrSiOなどでもよい。
静電チャック110は、アルミナ粉末にバインダ、トルエン及び酢酸ブチルなどを加えたグリーンシートを形成し、複数のグリーンシートを積層した積層体を形成し、この積層体を焼成することで形成される。
グリーンシートには、電極12になるメタライズペーストが形成されたもの、及び接続部20になるメタライズペーストが形成されたものが含まれる。
グリーンシートには、流路15を形成する孔が設けられる。流路15を形成する孔は、例えばパンチングや研削などの機械加工により形成される。複数のグリーンシートを積層するときには、各グリーンシートに設けられた孔により流路15が形成されるように位置合わせを行い、複数のグリーンシートを順次積層する。
積層体は、例えば焼成工程を経て静電チャック110が完成する。
図2は、流路の断面形状を表す模式的断面図である。
図2(a)は、本実施形態の第2の流路部15bを表す模式的断面図であって、図1に表した切断面A−Aにおける模式的断面図である。図2(b)は、比較例の流路を表す模式的断面図であって、図1に表した切断面A−Aにおける模式的断面図に相当する。なお、図2(a)および図2(b)では、電極12を省略している。
図2(b)に表したように、流路35の軸に対して垂直な切断面における比較例の流路35の形状は、矩形である。比較例の流路35の軸は、水平方向に延在する。つまり、YZ平面と平行な切断面における比較例の流路35の形状は、矩形である。YZ平面と平行な切断面は、言い換えれば、XY平面に対して垂直な切断面である。比較例の流路35の角部では、伝達ガスの流れがあまり誘導されず、伝達ガスの流速が低下しやすい。また、比較例の流路35の角部の外周側では、圧力損失が生じ、伝達ガスの流量が低減しやすい。
本願明細書において「流路の角部」とは、流路15の軸が水平方向に延在する部分と、流路15の軸が鉛直方向に延在する部分と、が接続する部分をいう。図1に関して前述した静電チャック110においては、流路の角部は、第1の流路部15aが第2の流路部15bと接続する部分、および第2の流路部15bが第3の流路部15cと接続する部分をいう。
比較例の流路35の角部では、圧力損失が生じ、伝達ガスの流量が低減しやすいため、冷却効率を向上させる点においては改善の余地がある。
これに対して、図2(a)に表したように、第2の流路部15bの軸に対して垂直な切断面において、第2の流路部15bは、−Z方向(第1主面11aと第2主面11bへ向かう方向)に向かうと流路の幅15hが狭くなる第1の領域151と、−Z方向に向かうと流路の幅15hが広くなる第2の領域152と、を有する。つまり、YZ平面と平行な切断面において、第2の流路部15bは、−Z方向に向かうと流路の幅15hが狭くなる第1の領域151と、−Z方向に向かうと流路の幅15hが広くなる第2の領域152と、を有する。
これによれば、流路15を流れる伝達ガスのコンダクタンスが低下することを抑えることができる。そのため、静電チャック110の冷却性能を向上させることができる。
ここで、流路(流路部)の幅15hについて、図面を参照しつつ説明する。
図3は、本実施形態の流路(流路部)の幅を説明する模式的断面図である。
図3(a)は、第1の領域151が第2の領域152と対称な形状を有する場合の流路を表す模式的断面図である。図3(b)は、第1の領域151が第2の領域152と非対称な形状を有する場合の流路を表す模式的断面図である。
本願明細書において「流路(流路部)の幅15h」とは、流路15の軸に対して垂直な切断面において、上側の面(第1の面)16aと左側の面(第3の面)16dとの交点17aと、上側の面16aと右側の面(第3の面)16cとの交点17bと、の間の水平方向の距離、あるいは、下側の面(第2の面)16bと右側の面16dとの交点17cと、下側の面16bと右側の面16cとの交点17dと、の間の水平方向の距離をいう。図3(b)に表したように、第1の領域151が第2の領域152と非対称な形状を有する場合には、「流路(流路部)の幅15h」とは、流路15の軸に対して垂直な切断面において、交点17aと交点17bとの間の水平方向の距離h1、および交点17cと交点17dとの間の水平方向の距離h2のうちのいずれか短い方の距離をいう。図3(b)に表した例では、流路(流路部)の幅15hは、距離h1である。
図2(a)に戻って説明すると、本実施形態の第2の流路部15bの幅15hは、1.5ミリメートル(mm)以下である。本実施形態の第2の流路部15bの高さ15vは、3mm以下である。
これによれば、流路15が断熱構造となることを抑えることができる。
ここで、流路(流路部)の高さ15vについて、図面を参照しつつ説明する。
図4は、本実施形態の流路(流路部)の高さを説明する模式的断面図である。
図4(a)は、第1の領域151が第2の領域152と対称な形状を有する場合の流路を表す模式的断面図である。図4(b)は、第1の領域151が第2の領域152と非対称な形状を有する場合の流路を表す模式的断面図である。
本願明細書において「流路(流路部)の高さ15v」とは、流路15の軸に対して垂直な切断面において、交点17aと交点17bとを水平方向に結んだ直線S11と、交点17cと、の間の距離v1、直線S11と、交点17dと、の間の距離v3、交点17cと交点17dとを水平方向に結んだ直線S12と、交点17aと、の間の距離v4、および直線S12と、交点17bと、の間の距離v3のうちで最も短い距離をいう。図4(b)に表した例では、流路(流路部)の高さ15vは、距離v1、v2、v3、v4である。つまり、図4(b)に表した例では、距離v1と、距離v2と、距離v3と、距離v4と、は、互いに同じである。
図2(a)に戻って説明すると、第2の流路部15bの軸に対して垂直な切断面において、側面(右側の面16cおよび左側の面16d)上の点(接点)における接線と、上側の面16aと、の間の角度は、側面上の接点が−Z方向に向かうと大きくなる。
本願明細書において「側面上の点における接線と、上側の面16aと、の間の角度」とは、第2の流路部15bの軸に対して垂直な切断面において、側面上の点における接線と、上側の面16aと、の間の角度であって、接点が存在する一方の側面と対向する他方の側面の側で測定される角度をいう。例えば、右側の面16c上の点における接線と、上側の面16aと、の間の角度とは、第2の流路部15bの軸に対して垂直な切断面において、右側の面16c上の点における接線と、上側の面16aと、の間の角度であって、右側の面16cと対向する左側の面16dの側で測定される角度をいう。例えば、左側の面16d上の点における接線と、上側の面16aと、の間の角度とは、第2の流路部15bの軸に対して垂直な切断面において、左側の面16d上の点における接線と、上側の面16aと、の間の角度であって、左側の面16dと対向する右側の面16cの側で測定される角度をいう。
例えば図2(a)に表した例では、第2の流路部15bの軸に対して垂直な切断面において、右側の面16c上の第2の点18bにおける接線S2と、上側の面16aと、の間のなす角度A12は、右側の面16c上の第1の点18aにおける接線S1と、上側の面16aと、の間のなす角度A11よりも大きい。右側の面16c上の第3の点18cにおける接線S3と、上側の面16aと、の間のなす角度A13は、右側の面16c上の第2の点18bにおける接線S2と、上側の面16aと、の間のなす角度A12よりも大きい。右側の面16c上の第4の点18dにおける接線S4と、上側の面16aと、の間のなす角度A14は、右側の面16c上の第3の点18cにおける接線S3と、上側の面16aと、の間のなす角度A13よりも大きい。
第2の流路部15bの軸に対して垂直な切断面において、側面(右側の面16cおよび左側の面16d)上の点(接点)における接線と、下側の面16bと、の間の角度は、側面上の接点が−Z方向に向かうと小さくなる。
本願明細書において「側面上の点における接線と、下側の面16bと、の間の角度」とは、第2の流路部15bの軸に対して垂直な切断面において、側面上の点における接線と、下側の面16bと、の間の角度であって、接点が存在する一方の側面と対向する他方の側面の側で測定される角度をいう。例えば、右側の面16c上の点における接線と、下側の面16bと、の間の角度とは、第2の流路部15bの軸に対して垂直な切断面において、右側の面16c上の点における接線と、下側の面16bと、の間の角度であって、右側の面16cと対向する左側の面16dの側で測定される角度をいう。例えば、左側の面16d上の点における接線と、下側の面16bと、の間の角度とは、第2の流路部15bの軸に対して垂直な切断面において、左側の面16d上の点における接線と、下側の面16bと、の間の角度であって、左側の面16dと対向する右側の面16cの側で測定される角度をいう。
例えば図2(a)に表した例では、第2の流路部15bの軸に対して垂直な切断面において、右側の面16c上の第2の点18bにおける接線S2と、下側の面16bと、の間のなす角度A22は、右側の面16c上の第1の点18aにおける接線S1と、下側の面16bと、の間のなす角度A21よりも小さい。右側の面16c上の第3の点18cにおける接線S3と、下側の面16bと、の間のなす角度A23は、右側の面16c上の第2の点18bにおける接線S2と、下側の面16bと、の間のなす角度A22よりも小さい。右側の面16c上の第4の点18dにおける接線S4と、下側の面16bと、の間のなす角度A24は、右側の面16c上の第3の点18cにおける接線S3と、下側の面16bと、の間のなす角度A23よりも小さい。
図2(a)に表したように、本実施形態の第2の流路部15bでは、第2の流路部15bの軸に対して垂直な切断面において、側面は、中央部が第2の流路部15bの内部に向かって突出あるいは湾曲した凸形状を有する。凸形状の高さ16hは、30マイクロメートル(μm)以上、50μm以下である。本実施形態の流路15において、右側の面16cは、上側の面16a及び下側の面16bと連続する。同様に、左側の面16dは、上側の面16a及び下側の面16bと連続する。すなわち、第2の流路部15bは、軸周りに連続した管状である。第2の流路部15bの各面16a〜16dは、実質的に同一の材料からなる。第2の流路部15bは、垂直な切断面において、接合面などを有しない。
上側の面16aの算術平均粗さ(Ra)は、右側の面16cの算術平均粗さ(Ra)および左側の面16dの算術平均粗さ(Ra)よりも小さい。
下側の面16bの算術平均粗さ(Ra)は、右側の面16cの算術平均粗さ(Ra)および左側の面16dの算術平均粗さ(Ra)よりも小さい。
右側の面16cの算術平均粗さ(Ra)は、1.0μm以上、4.0μm以下である。左側の面16dの算術平均粗さ(Ra)は、1.0μm以上、4.0μm以下である。
本実施形態によれば、流路15を流れる伝達ガスの圧力損失が生ずることを抑えることができる。そのため、静電チャック110の冷却性能を向上させることができる。
図5は、静電チャックの外周領域を表す模式的断面図である。
図5(a)は、本実施形態にかかる静電チャックの外周領域を表す模式的断面図である。図5(b)は、比較例にかかる静電チャックの外周領域を表す模式的断面図である。
図5(b)に表したように、比較例にかかる静電チャック310を支持するベースプレート50は、外周領域50dと、内部領域50cと、を有する。外周領域50dの厚さD4は、内部領域50cの厚さD3よりも薄い。ベースプレート50の領域の厚さとは、その領域において、ベースプレート50の上面と、ベースプレート50の下面と、の間の距離をいう。ベースプレート50の外周領域50dの上には、フォーカスリング19が設けられている。
図1に関して前述したように、ベースプレート50の材料は、例えばアルミニウムなどの金属である。比較例のフォーカスリング19は、ベースプレート50の外周領域50dの上に設けられているため、連通路55内の冷却媒体や保温媒体の有無にかかわらず温度差を生じやすい。例えば、フォーカスリング19の温度は、冷却媒体や保温媒体の温度に比較的近い。これにより、対象物Wを載置し吸着する面(第1主面11a)の温度が均一であっても、フォーカスリング19による冷却あるいは放熱に基づいて対象物Wの温度が変化するおそれがある。
これに対して、図5(a)に表したように、本実施形態にかかる静電チャック110のセラミック誘電体基板11は、外周領域11dと、内部領域(他の領域)11cと、を有する。外周領域11dは、内部領域11cの外側に設けられている。外周領域11dの厚さD2は、内部領域11cの厚さD1よりも薄い。セラミック誘電体基板11の領域の厚さとは、その領域において、セラミック誘電体基板11の上面と、セラミック誘電体基板11の下面と、の間の距離をいう。内部領域11cの厚さD1は、1mm以上である。外周領域11dの上には、フォーカスリング19が設けられている。
これによれば、セラミック誘電体基板11の温度は均一であるため、フォーカスリング19の温度を均一に保持することができる。例えば、フォーカスリング19の温度は、セラミック誘電体基板11の温度に比較的近い。これにより、対象物Wを載置し吸着する面(第1主面11a)の温度が均一であり、フォーカスリング19による冷却あるいは放熱が抑制される。したがって、フォーカスリング19から均一な輻射も期待され、対象物Wの温度を均一に保持することができる。
次に、本発明者が行った検討の結果の一例について、図面を参照しつつ説明する。
図6は、本実施形態の流路のモデルを表す模式的斜視図である。
図6(a)は、本実施形態の流路のモデルの略全体を表す模式的斜視図である。図6(b)は、図6(a)に表した領域A31を矢印A33の方向にみたときの模式的斜視図である。
図6(a)に表した流路15のモデルは、2つの第2の流路部15bと、第4の流路部15dと、を有する。第4の流路部15dは、一方(下側)の第2の流路部15bと、他方(上側)の第2の流路部15bと、の間に設けられ、下側の第2の流路部15bおよび上側の第2の流路部15bに接続されている。図1に関して前述したように、第2の流路部15bの軸は、水平方向に延在する。第4の流路部15dの軸は、鉛直方向に延在する。第2の流路部15bの軸に対して垂直な切断面において、第2の流路部15bの形状は、図2(a)に関して前述した通りである。
本発明者は、図6(a)および図6(b)に表した流路15のモデルを用い、図6(a)に表した矢印A33のように、窒素、ヘリウム、アルゴンガスが温度25℃において例えば10sccm(standard cc(cubic centimeter)/ minute)の流速で下側の第2の流路部15bに進入したときの流速のシミュレーションを実行した。下側の第2の流路部15bに進入した空気は、図6(a)に表した矢印A37の方向に流れる。つまり、側の第2の流路部15bに進入した空気は、第4の流路部15dを通り、上側の第2の流路部15bへ流れる。本シミュレーションでは、上側の第2の流路部15bの出口における圧力を0(ゼロ)パスカル(Pa)に設定した。
本発明者は、流路の軸に対して垂直な切断面において、流路の形状が矩形である場合(図2(b)参照:比較例の流路35)についても、モデル化を行い、前述した条件と同じ条件により流速のシミュレーションを実行した。
図7〜図11は、シミュレーションの結果の一例を例示する模式図である。
図7(a)は、本実施形態の流路15におけるシミュレーションの結果の一例を例示する模式図である。図7(b)は、図7(a)に表した領域A41を矢印A43の方向にみたときの模式的斜視図である。図7(c)は、図7(a)に表した領域A41を矢印A45の方向にみたときの模式的斜視図である。図7(d)は、図7(a)に表した領域A41を矢印A47の方向にみたときの模式的斜視図である。
図8(a)は、比較例の流路35におけるシミュレーションの結果の一例を例示する模式図である。図8(b)は、図8(a)に表した領域A51を矢印A53の方向にみたときの模式的斜視図である。図8(c)は、図8(a)に表した領域A51を矢印A55の方向にみたときの模式的斜視図である。図8(d)は、図8(a)に表した領域A51を矢印A57の方向にみたときの模式的斜視図である。
図7(a)および図8(a)によれば、本実施形態の流路15の内部の領域B1における流速は、比較例の流路35の内部の領域B11における流速よりも速い。本実施形態の流路15の内部の領域B2における流速は、比較例の流路35の内部の領域B12における流速よりも速い。なお、領域B11は、領域B1と略同じ領域である。領域B12は、領域B2と略同じ位置である。
本実施形態の流路15によれば、第2の流路部15bの中央部が第2の流路部15bの内部に向かって湾曲した凸形状を第2の流路部15bの側面が有するため、流路15の角部においてガスの流れが誘導されている。これにより、比較例の流路35と比較すると、本実施形態の流路15におけるガスの流速は、流路の角部において低下しにくい。
図8(b)および図8(d)によれば、比較例の流路35の角部では、ガスの圧力損失が生じている。これにより、領域B13における流速および領域B15における流速が他の領域の流速よりも遅い。
これに対して、本実施形態の流路15によれば、第2の流路部15bの中央部が第2の流路部15bの内部に向かって湾曲した凸形状を第2の流路部15bの側面が有するため、図7(b)、図7(c)および図7(d)に表したように、流路15の角部の外周側において強大な圧力損失が生じ続ける。これにより、流路15の角部の外周側においてガスの流量が低下することが抑えられ、流路15の角部の外周側以外の領域において圧力損失が生ずることを抑えることができる。
図9(a)は、図7(a)に表した領域A41を矢印A43の方向にみたときの模式的斜視図であり、図7(b)に表した図と同じ図である。図9(b)は、図9(a)に表した切断面P1における流速をベクトル表示した模式的斜視図である。図9(c)は、図9(a)に表した切断面P2における流速をベクトル表示した模式的斜視図である。図9(d)は、図9(a)に表した切断面P1における流速分布を表示した模式的斜視図である。図9(e)は、図9(a)に表した切断面P2における流速分布を表示した模式的斜視図である。
図10(a)は、図8(a)に表した領域A51を矢印A53の方向にみたときの模式的斜視図であり、図8(b)に表した図と同じ図である。図10(b)は、図10(a)に表した切断面P3における流速をベクトル表示した模式的斜視図である。図10(c)は、図10(a)に表した切断面P4における流速をベクトル表示した模式的斜視図である。図10(d)は、図10(a)に表した切断面P3における流速分布を表示した模式的斜視図である。図10(e)は、図10(a)に表した切断面P4における流速分布を表示した模式的斜視図である。
図9(b)〜図9(e)および図10(b)〜図10(e)によれば、本実施形態の流路15の内部の中央部における流速は、比較例の流路35の内部の中央部における流速よりも速い。
本実施形態の流路15によれば、第2の流路部15bの中央部が第2の流路部15bの内部に向かって湾曲した凸形状を第2の流路部15bの側面が有するため、流路15の角部だけではなく、流路15の内部の中央部においても、圧力損失が生ずることを抑えることができる。
図11は、本実施形態の流路におけるシミュレーションの結果の一例を例示する表である。
図11は、流路15の各面の算術平均粗さ(Ra)に関するシミュレーションの結果の一例を模式的に表す。シミュレーションでは、上側の面16a及び下側の面16bの算術平均粗さ(Ra)を0.8μmとし、右側の面16c及び左側の面16dの算術平均粗さ(Ra)を変化させた時の、伝達ガスの流量について判定を行っている。算術平均粗さ(Ra)以外のシミュレーション条件は、上記と同様である。判定では、流路15に封入した伝達ガスの流量が80%以上の場合を「○」とし、80%未満の場合を「×」としている。
図11に表したように、右側の面16c及び左側の面16dの算術平均粗さ(Ra)を1.0μm以上4.0μm以下に設定した場合には、伝達ガスの流量が80%以上になる。そして、右側の面16c及び左側の面16dの算術平均粗さ(Ra)を1.0μm未満に設定した場合、及び4.0μmよりも大きく設定した場合には、伝達ガスの流量が80%未満になる。
このように、右側の面16c及び左側の面16dの算術平均粗さ(Ra)は、1.0μm以上4.0μm以下に設定する。これにより、例えば、図9(d)に矢線A61及び矢線A62で表した壁面近くの流量の低下する領域を狭くすることができる。例えば、図10(d)に矢線A63及び矢線A64で表した比較例の流路35の場合と比べて、右側の面16c及び左側の面16dの近傍における流量の低下を顕著に抑制することができる。
上側の面16a及び下側の面16bの算術平均粗さ(Ra)は、例えば、0.3μm以上0.8μm以下である。この場合に、上側の面16a及び下側の面16bの算術平均粗さ(Ra)を右側の面16c及び左側の面16dの算術平均粗さ(Ra)よりも小さくする。右側の面16c及び左側の面16dの算術平均粗さ(Ra)を、例えば、1.0μm以上4.0μm以下に設定する。これにより、流路15を流れる伝達ガスの圧力損失が生ずることを抑えることができる。例えば、静電チャック110の冷却性能を向上させることができる。
また、本実施形態の流路15では、第2の流路部15bが軸周りに連続した管状に形成され、各面16a〜16dが、実質的に同一の材料からなる。これにより、流路15では、各面16a〜16dの算術平均粗さ(Ra)を、上記のように設定し易くすることができる。
図12は、本実施形態の流路(流路部)の変形例を表す模式的断面図である。
図12(a)に表したように、この例において、流路15は、第3の領域153と、第4の領域154と、をさらに有する。第3の領域153は、第1の領域151と上側の面16aとの間に設けられる。第3の領域153における流路15の幅15hの変化は、第1の領域153における流路15の幅15hの変化よりも小さい。第4の領域154は、第2の領域152と下側の面16bとの間に設けられる。第4の領域154における流路15の幅15hの変化は、第2の領域152における流路15の幅15hの変化よりも小さい。第3の領域153及び第4の領域154において、流路15の幅15hは、−Z方向に向かって実質的に一定である。
このように、流路15は、幅15hが実質的に変化しない領域を有してもよい。第3の領域153のZ方向の長さは、第1の領域151のZ方向の長さよりも短いことが好ましい。第4の領域154のZ方向の長さは、第2の領域152のZ方向の長さよりも短いことが好ましい。すなわち、幅15hが実質的に変化しない領域のZ方向の長さは、幅15hが変化する領域のZ方向の長さよりも短いことが好ましい。幅15hが実質的に変化しない領域は、例えば、第1の領域151と第2の領域152との間に設けてもよい。
上記各実施形態では、第1の領域151と第2の領域152との間において、流路15の幅15hが連続的に変化する。これに限ることなく、図12(b)に表したように、右側の面16cと左側の面16dとは、第1の領域151と第2の領域152との間に変曲点IPを有してもよい。換言すれば、右側の面16cと左側の面16dとは、第1の領域151の部分と、第2の領域152の部分と、の2つの面で構成してもよい。
また、図12(c)に表したように、変曲点IPは、第1の領域151及び第2の領域152の途中に設けてもよい。右側の面16c及び左側の面16dに設けられる変曲点IPの数は、1つでもよいし、2つ以上でもよい。また、図2〜図4などに関して説明したように、右側の面16c及び左側の面16dは、変曲点IPを有しなくてもよい。さらに、右側の面16cに設けられる変曲点IPの数は、左側の面16dに設けられる変曲点IPの数と異なってもよい。右側の面16cの形状は、左側の面16dの形状と異なってもよい。
図12(d)に表したように、流路15は、第1の領域151のみを有してもよい。右側の面16c及び左側の面16dは、−Z方向に向かうと流路15の幅15hが狭くなる曲面状である。これとは反対に、右側の面16c及び左側の面16dは、−Z方向に向かうと流路15の幅15hが広くなる曲面状としてもよい。すなわち、流路15は、第1の領域151と第2領域152との少なくとも一方を有するものでもよい。この場合にも、上記各実施形態と同様に、流路15に流れる伝達ガスの圧力損失を抑え、静電チャック110の冷却性能を向上させることができる。
図13は、本実施形態の流路(流路部)の変形例を表す模式的断面図である。
上記各実施形態において、上側の面16aは、第1主面11aと略平行な平面状である。これに限ることなく、図13(a)及び図13(b)に表したように、上側の面16aは、流路15の外部に向かって突出した凹形状でもよい。この際、上側の面16aの形状は、図13(a)に表したように、頂点(変曲点)を有する多面状でもよいし、図13(b)に表したように、曲面状でもよい。
また、図13(c)に表したように、上側の面16aは、流路15の内部に向かって突出した凸形状でもよい。この場合も、凹状の場合と同様に、上側の面16aは、多面状でもよいし、曲面状でもよい。
さらには、図13(d)に表したように、下側の面16bを凹形状又は凸形状に形成してもよい。このように、上側の面16a及び下側の面16bは、平面状でもよいし、凹形状でもよいし、凸形状でもよい。上側の面16a及び下側の面16bを凹形状に形成する場合の深さ、及び、上側の面16a及び下側の面16bを凸形状に形成する場合の高さは、例えば、右側の面16c及び左側の面16dの高さと同程度である。すなわち、上側の面16a及び下側の面16bの深さ又は高さは、例えば、30μm以上200μm以下である。
図14は、本実施形態の流路の変形例を表す模式的斜視図である。
図14に表したように、流路15は、第2の流路部15bから分岐した分岐部15eをさらに有してもよい。分岐部15eは、第2の流路部15bから分岐し、第1主面11aと略平行な方向に延びる。分岐部15eの延びる軸の方向は、第2の流路部15bの延びる軸の方向と交差する。分岐部15eの形状は、第2の流路部15bの形状と実質的に同じである。換言すれば、この例において、流路15は、第1主面11aと平行な方向(水平方向)において互いに交差する複数の第2の流路部15bを有する。
このように、流路15が分岐部15eを有する場合に、分岐部15eの形状を第2の流路部15bの形状と実質的に同じにする。これにより、第2の流路部15bと分岐部15eとの分岐点JPにおいても、例えば、右側の面16c及び左側の面16dの凸形状によって、内側の伝達ガスの流れを誘導することができる。伝達ガスの流速の低下を抑制することができる。例えば、分岐点JPにおける圧力損失を抑制し、伝達ガスの流量の低下を抑制することができる。
図15は、本実施形態に係るウェーハ処理装置の変形例を表す模式的断面図である。
図15に表したように、ウェーハ処理装置200は、処理容器201と、上部電極210と、をさらに備えている。処理容器201の天井には、処理ガスを内部に導入するための処理ガス導入口202が設けられている。処理容器201の底板には、内部を減圧排気するための排気口203が設けられている。また、上部電極210および静電チャック110には高周波電源204が接続され、上部電極210と静電チャック110とを有する一対の電極が、互いに所定の間隔を隔てて平行に対峙するようになっている。
本実施形態にかかるウェーハ処理装置200において、上部電極210と静電チャック110との間に高周波電圧が印加されると、高周波放電が起こり処理容器201内に導入された処理ガスがプラズマにより励起、活性化されて、処理対象物Wが処理されることになる。尚、処理対象物Wとしては、半導体基板(ウェーハ)を例示することができる。但し、処理対象物Wは、半導体基板(ウェーハ)には限定されず、例えば、液晶表示装置に用いられるガラス基板等であってもよい。
高周波電源204は、ベースプレート50と電気的に接続される。ベースプレート50には、前述のように、アルミニウムなどの金属材料が用いられる。すなわち、ベースプレート50は、導電性を有する。これにより、高周波電圧は、上部電極210とベースプレート50との間に印加される。
ウェーハ処理装置200のような構成の装置は、一般に平行平板型RIE(Reactive Ion Etching)装置と呼ばれるが、本実施形態にかかる静電チャック110は、この装置への適用に限定されるわけではない。例えば、ECR(Electron Cyclotron Resonance) エッチング装置、誘電結合プラズマ処理装置、ヘリコン波プラズマ処理装置、プラズマ分離型プラズマ処理装置、表面波プラズマ処理装置、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition )装置などのいわゆる減圧処理装置に広く適応することができる。また、本実施形態にかかる静電チャック110は、露光装置や検査装置のように大気圧下で処理や検査が行われる基板処理装置に広く適用することもできる。ただし、本実施形態にかかる静電チャック110の有する高い耐プラズマ性を考慮すると、静電チャック110をプラズマ処理装置に適用させることが好ましい。尚、これらの装置の構成の内、本実施形態にかかる静電チャック110以外の部分には公知の構成を適用することができるので、その説明は省略する。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、静電チャック110などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや流路15およびフォーカスリング19の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
11 セラミック誘電体基板、 11a 第1主面、 11b 第2主面、 11c 内部領域、 11d 外周領域、 12 電極、 13 ドット、 14 溝、 15 流路、 15a 第1の流路部、 15b 第2の流路部、 15c 第3の流路部、 15d 第4の流路部、 15e 分岐部、 15h 幅、 15v 高さ、 16a、16b、16c、16d 面、 16h 高さ、 17a、17b、17c、17d 交点、 18a、18b、18c、18d 点、 19 フォーカスリング、 20 接続部、 35 流路、 50 ベースプレート、 50a 上部、 50b 下部、 50c 内部領域、 50d 外周領域、 51 入力路、 52 出力路、 53 ガス導入路、 55 連通路、 70 絶縁体プラグ、 71 セラミック多孔体、 80 吸着保持用電圧、 110 静電チャック、 120 ウェーハ処理装置、 151 第1の領域、 152 第2の領域、 200 ウェーハ処理装置、 201 処理容器、 202 処理ガス導入口、 203 排気口、 204 高周波電源、 210 上部電極、 310 静電チャック

Claims (10)

  1. 処理対象物を載置する第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を有し、多結晶セラミック焼結体であるセラミック誘電体基板と、
    前記第1主面と前記第2主面との間に介設された電極と、
    を備え、
    前記セラミック誘電体基板は、前記第2主面から前記第1主面にかけて設けられ軸が前記第1主面と平行方向に延在する部分を有する流路を有し、
    前記部分は、前記軸に対して垂直な面において、前記平行方向の幅が前記第1主面から前記第2主面へ向かうと狭くなる第1の領域と、前記幅が前記第1主面から前記第2主面へ向かうと広くなる第2の領域と、を有するとともに、前記軸に対して垂直な面において、前記第1主面の側に位置する第1の面と、前記第2主面の側に位置する第2の面と、前記第1の面と前記第2の面とに接続された第3の面と、を有し、
    前記第3の面の上の点における接線と、前記第1の面と、の間の角度は、前記点が前記第1主面から前記第2主面へ向かうと大きくなり、
    前記第3の面の上の点における接線と、前記第2の面と、の間の角度は、前記点が前記第1主面から前記第2主面へ向かうと小さくなることを特徴とする静電チャック。
  2. 前記第3の面は、前記軸に対して垂直な面において、前記第1の面と前記第2の面との間の中央部が前記流路の内部に向かって突出した凸形状を有することを特徴とする請求項記載の静電チャック。
  3. 前記凸形状の高さは、30マイクロメートル以上、50マイクロメートル以下であることを特徴とする請求項記載の静電チャック。
  4. 前記第1の面の算術平均粗さRaは、前記第3の面の算術平均粗さRaよりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電チャック。
  5. 前記第3の面の算術平均粗さRaは、1.0マイクロメートル以上、4.0マイクロメートル以下であることを特徴とする請求項記載の静電チャック。
  6. 前記第1の面の前記平行方向の幅は、前記軸に対して垂直な面において、1.5ミリメートル以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の静電チャック。
  7. 前記第1主面に対して垂直方向の前記部分の高さは、前記軸に対して垂直な面において、3ミリメートル以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の静電チャック。
  8. 前記セラミック誘電体基板は、内部領域と、前記内部領域の外側に設けられ前記内部領域の厚さよりも薄い厚さを有する外周領域と、を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の静電チャック。
  9. 前記内部領域の厚さは、1ミリメートル以上であることを特徴とする請求項記載の静電チャック。
  10. 請求項1〜のいずれか1つに記載の静電チャックと、
    前記静電チャックの外周部に設けられたフォーカスリングと、
    を備えたことを特徴とするウェーハ処理装置。
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