JP2023023811A - 建設機械におけるバケット制御装置 - Google Patents

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Naoki Sugano
英彰 細井
Hideaki Hosoi
嘉樹 加門
Yoshiki Kamon
泰輔 角尾
Taisuke Sumio
拓朗 岸
Takuro Kishi
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Abstract

【課題】建設機械において、開き下げの動作を簡単な操作で行うことができ、しかも、ブレーキ特性に関係するような条件の変化が生じた場合であっても、開き下げの動作中にバケット装置が閉じることを抑制できるバケット制御装置を提供する。【解決手段】バケット制御装置は、バケット装置10が開き状態であるか否かを判定する開閉状態判定部71と、制御モードが同調制御モードに設定され、第1のブレーキ力を小さくするような第1のブレーキ操作が第1のブレーキ操作装置52に与えられ、かつ、バケット装置10が開き状態であると開閉状態判定部71が判定した場合に、バケット装置10の開き状態が維持されながらバケット装置10がその自重によって下降するように第1のブレーキ力及び第2のブレーキ力を調節する制御である開き下げ制御を行うブレーキ力調節機構62,64,72と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、クレーンなどの建設機械において第1のウインチドラム及び第2のウインチドラムの動作をそれぞれ制御してバケット装置を開閉及び昇降させるためのバケット制御装置に関する。
従来の建設機械の中には、例えばクラムシェルバケットのように開閉可能で昇降可能なバケット装置を備えたものが知られている。このような建設機械は、当該バケット装置を開閉及び昇降させる第1のウインチドラム及び第2のウインチドラムと、第1のウインチドラムを動作させるための操作が与えられる第1のウインチ操作レバーと、第2のウインチドラムを動作させるための操作が与えられる第2のウインチ操作レバーと、第1のウインチドラムに対するブレーキ力を調節するための第1のブレーキ操作ペダルと、第2のウインチドラムに対するブレーキ力を調節するための第2のブレーキ操作ペダルと、を備える。
建設機械のオペレータは、例えばバケット装置が開いた状態を維持しながらバケット装置を下降させる動作である「開き下げ」の動作を含む種々の動作をバケット装置に行わせるために、第1のウインチ操作レバーの操作、第2のウインチ操作レバーの操作、第1のブレーキ操作ペダルの操作、及び第2のブレーキ操作ペダルの操作のうちの複数の操作を同時に行う必要がある。このような複数の操作を同時に行うことは、建設機械の操作に熟練していない非熟練オペレータにとって時間を要し、また、建設機械の操作に熟練している熟練オペレータにとっても疲労を伴う。
特許文献1は、上記のような問題を解決するために、支持ドラム及び開閉ドラムの駆動用モータの正逆転を行わせる操作レバーの前後への揺動と、別に設置されている押しボタンスイッチの動作とにより、パケットの各種の動作を行えるようにしたウインチの駆動制御装置を開示している。
特公昭55-24532号公報 特許第4198371号公報
ところで、バケット装置の前記種々の動作のうち開き下げの動作が行われるときには、この開き下げの動作中にバケット装置の姿勢が開き状態から閉じる方向に変化しやすいという問題がある。特許文献1のウインチの駆動制御装置では、このような問題については何ら考慮されていない。
特許文献2は、制動指令手段の操作量と第1 のウインチ装置および第2 のウインチ装置に作用するブレーキ力との関係を表す予め設定されたブレーキ特性に応じて第1のウインチ装置及び第2のウインチ装置に作用するブレーキ力を制御するウインチの駆動制御装置を開示している。しかしながら、例えば作動油の温度変化によるブレーキトルクの変化、ウインチロープに取り付けられるバケット装置の仕様の変更などの条件の変化が生じた場合には、予め設定された前記ブレーキ特性と実際に必要なブレーキ特性とが必ずしもマッチしない場合がある。従って、特許文献2の駆動制御装置では、上記のようにブレーキ特性に関係するような条件の変化が生じた場合には、開き下げの動作中にバケット装置が閉じてしまうことがある。
本開示は、上記の課題を解決することを目的とする。すなわち、本開示は、建設機械において、開き下げの動作を簡単な操作で行うことができ、しかも、ブレーキ特性に関係するような条件の変化が生じた場合であっても、開き下げの動作中にバケット装置が閉じることを抑制できるバケット制御装置を提供することを目的とする。
提供されるのは、第1のウインチロープの繰り出し及び巻き取りを行う第1のウインチドラムと、第2のウインチロープの繰り出し及び巻き取りを行う第2のウインチドラムと、前記第1のウインチロープ及び前記第2のウインチロープが接続され、前記第1のウインチドラムの回転及び前記第2のウインチドラムの回転に応じて開閉可能で昇降可能なバケット装置と、を備える建設機械におけるバケット制御装置であって、前記第1のウインチロープ及び前記第2のウインチロープを前記第1のウインチドラム及び前記第2のウインチドラムから前記バケット装置の重量によって繰り出すことが可能な状態であるフリー状態にすることが可能なクラッチブレーキ機構であって、前記第1のウインチドラム及び前記第2のウインチドラムに対して第1のブレーキ力及び第2のブレーキ力をそれぞれ与えることが可能なクラッチブレーキ機構と、前記第1のブレーキ力を調節するための第1のブレーキ操作が与えられる第1のブレーキ操作装置と、前記第2のブレーキ力を調節するための第2のブレーキ操作が与えられる第2のブレーキ操作装置と、前記第1のブレーキ力及び前記第2のブレーキ力を前記第1のブレーキ操作に基づいて調節することが可能な同調制御モードに制御モードを設定することが可能な制御モード設定部と、前記バケット装置が開き状態であるか否かを判定する開閉状態判定部と、前記制御モードが前記同調制御モードに設定され、前記第1のブレーキ力を小さくするような前記第1のブレーキ操作が前記第1のブレーキ操作装置に与えられ、かつ、前記バケット装置が前記開き状態であると前記開閉状態判定部が判定した場合に、前記バケット装置の前記開き状態が維持されながら前記バケット装置がその自重によって下降するように前記第1のブレーキ力及び前記第2のブレーキ力を調節する制御である開き下げ制御を行うブレーキ力調節機構と、を備える。
このバケット制御装置では、開閉状態判定部がバケット装置の開き状態を実際に判定し、この実際に判定された開き状態が維持されながらバケット装置がその自重によって下降するように第1及び第2のブレーキ力が調節される。これにより、例えば作動油の温度変化によるブレーキトルクの変化、第1及び第2のウインチロープに取り付けられるバケット装置の仕様の変更などのようにブレーキ特性に関係するような条件の変化が生じた場合であっても、そのときの実状に合うように第1及び第2のブレーキ力を調節することが可能になるので、開き下げの動作中にバケット装置が閉じることを抑制できる。しかも、このバケット制御装置では、オペレータは、開き下げの動作をバケット装置に行わせる場合には、制御モードを同調制御モードに設定することで、第1のブレーキ力と第2のブレーキ力を第1のブレーキ操作に基づいて調節することができ、第2のブレーキ操作を行う必要がない。そして、ブレーキ力調節機構は、制御モードが同調制御モードに設定されたこと、第1のブレーキ力を小さくするような第1のブレーキ操作が第1のブレーキ操作装置に与えられたこと(第1のブレーキ力が弱められたこと)、及びバケット装置が開き状態であると開閉状態判定部が判定したこと、という判定条件が満たされた場合には、前記開き下げ制御を自動的に実行する。これにより、オペレータは、バケット装置に開き下げの動作を簡単な操作で行わせることができる。
前記バケット制御装置において、前記開閉状態判定部は、前記バケット装置が閉じ状態であるか否かをさらに判定することが可能であり、前記ブレーキ力調節機構は、前記制御モードが前記同調制御モードに設定され、前記第1のブレーキ力を小さくするような前記第1のブレーキ操作が前記第1のブレーキ操作装置に与えられ、かつ、前記バケット装置が前記閉じ状態であると前記開閉状態判定部が判定した場合に、前記バケット装置の前記閉じ状態が維持されながら前記バケット装置がその自重によって下降するように前記第1のブレーキ力及び前記第2のブレーキ力を調節する制御である閉じ下げ制御を行うことが好ましい。この構成では、ブレーキ特性に関係するような条件の変化が生じた場合であっても、そのときの実状に合うように第1及び第2のブレーキ力を調節することが可能になるので、オペレータは、バケット装置に開き下げの動作を確実に行わせることができる。
具体的には、前記第1のウインチロープは、前記バケット装置の開閉を行うための開閉ロープであり、前記第2のウインチロープは、前記バケット装置を支持する支持ロープであり、前記第1のウインチドラムは、前記開閉ロープの繰り出し及び巻き取りを行う開閉ドラムであり、前記第2のウインチドラムは、前記支持ロープの繰り出し及び巻き取りを行う支持ドラムであり、前記クラッチブレーキ機構は、前記第1のウインチドラムに対して前記第1のブレーキ力を与えることが可能な第1のクラッチブレーキと、前記第2のウインチドラムに対して前記第2のブレーキ力を与えることが可能な第2のクラッチブレーキと、を含み、前記ブレーキ力調節機構は、前記第1のブレーキ力を調節するための第1のパイロット圧を前記第1のクラッチブレーキに出力する第1のブレーキ用比例弁と、前記第2のブレーキ力を調節するための第2のパイロット圧を前記第2のクラッチブレーキに出力する第2のブレーキ用比例弁と、前記開き下げ制御において、前記第2のブレーキ力が前記第1のブレーキ力よりも予め設定された比率以上高くなるように前記第1のブレーキ用比例弁及び前記第2のブレーキ用比例弁に指令を与えるブレーキ力調節部と、を含むことが好ましい。この構成では、支持ロープ(第2のウインチロープ)の繰り出し及び巻き取りを行う支持ドラム(第2のウインチドラム)に対する第2のブレーキ力が開閉ロープ(第1のウインチロープ)の繰り出し及び巻き取りを行う開閉ドラム(第1のウインチドラム)に対する第1のブレーキ力よりも予め設定された前記比率以上高くなるように第1及び第2のブレーキ力が調節される。これにより、バケット装置に開き下げの動作をより確実に行わせることができる。
前記バケット制御装置は、前記第1のウインチロープの繰り出し量である第1の繰り出し量を検出するための第1の検出器と、前記第2のウインチロープの繰り出し量である第2の繰り出し量を検出するための第2の検出器と、をさらに備え、前記開閉状態判定部は、前記第1の繰り出し量と前記第2の繰り出し量との差に基づいて前記バケット装置の開閉状態を判定するように構成されていてもよい。この構成では、前記第1の繰り出し量と前記第2の繰り出し量との差に基づいてバケット装置の開閉状態を判定するので、当該開閉状態を比較的正確に判定することができる。
前記バケット制御装置において、前記ブレーキ力調節機構は、前記開き下げ制御において、前記開閉状態判定部により判定された前記バケット装置の開閉状態に基づいて前記バケット装置の開度の目標値又は当該開度に対応する値の目標値を設定し、前記バケット装置の実際の開度又はこれに対応する値と前記目標値との偏差を演算し、前記偏差をフィードバックすることで前記偏差を減少させるような制御を行うことが好ましい。この構成では、前記偏差を減少させるようなフィードバック制御が行われるので、ブレーキ特性に関係するような条件の変化が生じた場合であっても、そのときの実状に合うように第1及び第2のブレーキ力をより適切に調節することが可能になるので、開き下げの動作中にバケット装置が閉じることをより確実に抑制できる。
前記バケット制御装置は、前記第1のウインチロープの繰り出しを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の繰り出し操作及び前記第1のウインチロープの巻き取りを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の巻き取り操作が与えられる第1のウインチ操作装置と、前記第2のウインチロープの繰り出しを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の繰り出し操作及び前記第2のウインチロープの巻き取りを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の巻き取り操作が与えられる第2のウインチ操作装置と、ドラム動作制御部と、をさらに備え、前記クラッチブレーキ機構は、前記フリー状態と、前記第1のウインチドラム及び前記第2のウインチドラムを駆動するための駆動力を前記第1のウインチドラム及び前記第2のウインチドラムに伝えることが可能な接続状態と、の間で切り換わることが可能なように構成され、前記同調制御モードでは、前記クラッチブレーキ機構が前記接続状態であるときに前記第1のウインチドラムの動作及び前記第2のウインチドラムの動作を前記第1の繰り出し操作及び前記第1の巻き取り操作の一方に基づいて制御することが可能であり、前記ドラム動作制御部は、前記制御モードが前記同調制御モードに設定され、前記第1のウインチ操作装置に対して前記第1の繰り出し操作が与えられた場合に、前記バケット装置の開閉状態が維持されながら前記バケット装置が下降するように前記第1のウインチドラムの動作及び前記第2のウインチドラムの動作を制御し、前記制御モードが前記同調制御モードに設定され、前記第1のウインチ操作装置に対して前記第1の巻き取り操作が与えられた場合に、前記バケット装置の開閉状態が維持されながら前記バケット装置が上昇するように前記第1のウインチドラムの動作及び前記第2のウインチドラムの動作を制御することが好ましい。この構成では、クラッチブレーキ機構が、例えばウインチモータなどの前記駆動力を第1及び第2のウインチドラムに伝えることが可能な前記接続状態に設定されている場合に、オペレータは、簡単な操作でバケットの開閉状態を維持しながらバケット装置を前記駆動力を用いて下降又は上昇させることができる。
前記バケット制御装置は、前記第1のウインチロープの繰り出しを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の繰り出し操作及び前記第1のウインチロープの巻き取りを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の巻き取り操作が与えられる第1のウインチ操作装置と、前記第2のウインチロープの繰り出しを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の繰り出し操作及び前記第2のウインチロープの巻き取りを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の巻き取り操作が与えられる第2のウインチ操作装置と、をさらに備え、前記制御モード設定部は、前記制御モードを、前記同調制御モードと非同調制御モードとを含む複数のモードのうちの何れかに設定することが可能なように構成され、前記ブレーキ力調節機構は、前記制御モードが前記非同調制御モードに設定され、前記第1のウインチ操作装置に対して前記第1の巻き取り操作が与えられた場合に、前記バケット装置の高さを維持しながら前記バケット装置を閉じる方向に動作させる制御であるバケット静止閉じ制御を行うことが好ましい。この構成では、オペレータは、簡単な操作でバケット装置の高さを空中で維持しながらバケット装置を閉じる方向に動作させることができる。
前記バケット制御装置は、前記第1のウインチロープの繰り出しを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の繰り出し操作及び前記第1のウインチロープの巻き取りを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の巻き取り操作が与えられる第1のウインチ操作装置と、前記第2のウインチロープの繰り出しを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の繰り出し操作及び前記第2のウインチロープの巻き取りを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の巻き取り操作が与えられる第2のウインチ操作装置と、をさらに備え、前記制御モード設定部は、前記制御モードを、前記同調制御モードと非同調制御モードとを含む複数のモードのうちの何れかに設定することが可能なように構成され、前記ブレーキ力調節機構は、前記制御モードが前記非同調制御モードに設定され、前記第1のウインチ操作装置に対して前記第1の巻き取り操作が与えられ、かつ、第1のブレーキ力を小さくするように第1のブレーキ操作装置が操作された場合に、前記バケット装置を閉じる方向に動作させ、かつ、第1のブレーキ操作装置に対する操作量の減少に応じて第2のブレーキ力を小さくする制御である掘削制御を行うことが好ましい。この構成では、オペレータは、簡単な操作でバケット装置を閉じる方向に動作させ、かつ、第1のブレーキ操作装置に対する操作量の減少に応じて第2のブレーキ力を小さくすることができる。この掘削制御では、掘削作業においてバケット装置が土砂を掘削する際に、バケット装置が掘削に応じて下に沈み込むように動作するので、前記バケット静止閉じ制御に比べてバケット装置がより多くの土砂をつかむことができる。
前記バケット制御装置は、前記第1のウインチロープの繰り出しを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の繰り出し操作及び前記第1のウインチロープの巻き取りを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の巻き取り操作が与えられる第1のウインチ操作装置と、前記第2のウインチロープの繰り出しを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の繰り出し操作及び前記第2のウインチロープの巻き取りを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の巻き取り操作が与えられる第2のウインチ操作装置と、をさらに備え、前記制御モード設定部は、前記制御モードを、前記同調制御モードと非同調制御モードとを含む複数のモードのうちの何れかに設定することが可能なように構成され、前記ブレーキ力調節機構は、前記制御モードが前記非同調制御モードに設定され、前記第1のウインチ操作装置に対して前記第1の繰り出し操作及び前記第1の巻き取り操作の何れも与えられられておらず、かつ、第1のブレーキ力を小さくするように第1のブレーキ操作装置が操作された場合に、前記バケット装置の高さを維持しながら前記バケット装置を開く方向に動作させる制御であるバケット静止開き制御を行うことが好ましい。この構成では、オペレータは、簡単な操作でバケット装置の高さを空中で維持しながらバケット装置を開く方向に動作させることができる。
以上のように、本開示によれば、建設機械においてバケット装置の開き下げの動作を簡単な操作で行うことができ、しかも、ブレーキ特性に関係するような条件の変化が生じた場合であっても、開き下げの動作中にバケット装置が閉じることを抑制できるバケット制御装置が提供される。
本開示の実施の形態に係るバケット制御装置を備えたクレーンを示す側面図である。 前記バケット制御装置の機能構成の概略を示すブロック図である。 前記クレーンが備える油圧回路を示す図である。 前記クレーンが備えるバケット装置の開閉動作を説明するための図である。 前記バケット装置に接続された第1のウインチロープ及び第2のウインチロープにかかる荷重について説明するための図である。 前記クレーンが備えるコントローラが行う演算制御動作を示すフローチャートである。 第1のウインチ操作レバーの操作量と回転速度の目標値との関係を規定したマップの一例を示すグラフである。 第1のウインチ操作ペダルの操作量とブレーキ力の目標値との関係を規定したマップの一例を示すグラフである。 第1のウインチ操作ペダルの操作量とブレーキ力の目標値との関係を規定したマップの一例を示すグラフである。 前記コントローラが行う演算制御動作を示すブロック図である。 前記コントローラが行う演算制御動作を示すフローチャートである。
本開示の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、前記実施形態に係る建設機械であるクレーン100を示す。このクレーン100は、下部体101と、この下部体101の上に旋回可能に支持される上部旋回体102と、この上部旋回体102に起伏可能に支持される起伏部材104と、この起伏部材104の先端部に取り付けられた第1のポイントシーブ105及び第2のポイントシーブ106と、下部体101又は上部旋回体102に配置された複数のウインチと、バケット装置10と、バケット制御装置と、を備える。
下部体101は、例えばクローラ走行装置などの走行装置を備え、自走可能なように構成される。ただし、下部体は、上部旋回体102を旋回可能に支持し、自走できない支持台のような構造体により構成されていてもよい。上部旋回体102は、下部体101に旋回可能に取り付けられた旋回フレーム103と、旋回フレーム103の前部に支持されたキャビンと、旋回フレーム103の後部に支持されたカウンタウエイトと、を備える。複数のウインチは、第1のウインチWC1、第2のウインチWC2及び起伏ウインチWC3を含む。
起伏部材104は、旋回フレーム103に起伏可能に支持されたブームにより構成される。ただし、起伏部材は、ブームと、このブームの先端部に回動可能に支持されたジブと、を含むものであってもよい。旋回フレーム103の上にはガントリ107が立設されている。ガントリ107の上端部には下部スプレッダ110が配置されている。起伏部材104の先端部にはガイライン108の一端が接続されており、ガイライン108の他端には上部スプレッダ109が接続されている。下部スプレッダ110と上部スプレッダ109とは互いに離間して配置されている。下部スプレッダ110及び上部スプレッダ109には、起伏ロープ111が掛け回されている。起伏ウインチWC3は、旋回フレーム103上に配置されており、起伏ロープ111が巻き付けられたウインチドラムDR3を有する。起伏ウインチWC3は、起伏ロープ111の巻き取り又は繰り出しを行うことにより下部スプレッダ110に対する上部スプレッダ109の離間距離を縮小又は拡大させる。当該離間距離の縮小又は拡大に伴って、起伏部材104が起伏される。
図2は、バケット制御装置の機能構成を示すブロック図である。図3は、クレーン100が備える油圧回路を示す図である。
第1のウインチWC1及び第2のウインチWC2は、バケット装置10を開閉及び昇降させるように駆動される。具体的には、図1~図3に示すように、第1のウインチWC1は、第1のウインチロープR1が巻き付けられた第1のウインチドラムDR1と、この第1のウインチドラムDR1に接続される第1のウインチモータ34と、第1のクラッチブレーキ40Aと、減速機47と、を有する。同様に、第2のウインチWC2は、第2のウインチロープR2が巻き付けられる第2のウインチドラムDR2と、この第2のウインチドラムDR2に接続される第2のウインチモータ35と、第2のクラッチブレーキ40Bと、減速機47と、を有する。第1のクラッチブレーキ40A及び第2のクラッチブレーキ40Bは、クラッチブレーキ機構40を構成する。第1のウインチロープR1は、バケット装置10の開閉を行うための開閉ロープであり、第2のウインチロープR2は、バケット装置10を支持する支持ロープである。第1のウインチドラムDR1は、前記開閉ロープの繰り出し及び巻き取りを行う開閉ドラムであり、第2のウインチドラムDR2は、前記支持ロープの繰り出し及び巻き取りを行う支持ドラムである。
第1のウインチドラムDR1は、第1のウインチロープR1の繰り出し及び巻き取りを行うことが可能なように水平軸回りに回動可能に図略の支持部材に支持されている。第2のウインチドラムDR2は、第2のウインチロープR2の繰り出し及び巻き取りを行うことが可能なように水平軸回りに回動可能に図略の支持部材に支持されている。
第1のポイントシーブ105及び第2のポイントシーブ106は、左右に並ぶように配置され、起伏部材104の先端部に取り付けられている。第1のウインチロープR1は、第1のポイントシーブ105に巻き掛けられた状態で当該第1のポイントシーブ105から垂下している。第2のウインチロープR2は、第2のポイントシーブ106に巻き掛けられた状態で当該第2のポイントシーブ106から垂下している。第1及び第2のウインチロープR1,R2の下端(先端)は、バケット装置10に接続されている。
バケット装置10は、いわゆるクラムシェルバケットと呼ばれる作業装置である。図4の右図は、バケット装置10が開いた状態である開き状態を示し、図4の左図は、バケット装置10が閉じた状態である閉じ状態を示している。バケット装置10は、上部材11と、当該上部材11の下方に配置された下部材16と、一対のリンク部材12,12と、一対のバケット13,13と、下シーブ14と、上シーブ15と、を備える。
一対のリンク部材12,12は、水平方向に互いに間隔をおいて配置されている。一対のリンク部材12,12の上端部は、水平軸回りに回動可能なように上部材11にそれぞれ接続されている。一対のリンク部材12,12の一方の下端部は、水平軸回りに回動可能なように一対のバケット13,13の一方に接続され、一対のリンク部材12,12の他方の下端部は、水平軸回りに回動可能なように一対のバケット13,13の他方に接続されている。
下シーブ14は、水平軸回りに回動可能なように下部材16に支持されている。一対のバケット13,13のそれぞれは、水平軸回りに回動可能なように下部材16に支持される被支持部を有する。上シーブ15は、水平軸回りに回動可能なように上部材11に支持されている。
一対のバケット13,13は、土砂などの運搬対象物を収容することが可能な収容空間を有する。一対のバケット13,13は、前記被支持部を中心として回動することにより、バケット13,13の下端同士が隣接した状態(前記閉じ状態)と、バケット13,13の下端が水平方向に離れた状態(前記開き状態)と、の間で変位することが可能である。一対のリンク部材12,12は、バケット13,13を支持しながらバケット13,13の変位に伴って上部材11に対して回動する。一対のバケット13,13は、閉じ状態が維持されることにより、前記収容空間に収容された前記運搬対象物を保持することが可能である。一対のバケット13,13は、閉じ状態から開き状態に切り換わることにより、前記運搬対象物を前記収容空間からバケット13,13の外に排出することが可能である。
第1のウインチロープR1は、下シーブ14及び上シーブ15にかけ回され、第1のウインチロープR1の先端は、上部材11及び下部材16の何れか一方に固定されている。第2のウインチロープR2の先端は、上部材11に固定されている。
第1及び第2のウインチモータ34,35は、油圧モータであり、油圧ポンプ31に接続されている。第1のウインチモータ34は、油圧ポンプ31から吐出される作動油の供給を受けることにより第1のウインチドラムDR1を正逆方向、すなわち、繰り出し方向及び巻き取り方向の何れか一方に回転させるように作動する。同様に、第2のウインチモータ35は、油圧ポンプ31から吐出される作動油の供給を受けることにより第2のウインチドラムDR2を正逆方向、すなわち、繰り出し方向及び巻き取り方向の何れか一方に回転させるように作動する。これにより、第1のウインチWC1及び第2のウインチWC2の協働によるバケット装置10の開閉及び昇降が達成される。油圧ポンプ31は、図示されないエンジンなどの駆動源によって駆動される。
第1のウインチWC1の減速機47は、第1のウインチモータ34の回転速度を減速し、第1のウインチモータ34から第1のウインチドラムDR1に駆動力(回転力)を伝える。第2のウインチWC2の減速機47は、第2のウインチモータ35の回転速度を減速し、第2のウインチモータ35から第2のウインチドラムDR2に駆動力(回転力)を伝える。これらの減速機47は、例えば遊星歯車機構をそれぞれ有する。
第1のクラッチブレーキ40Aは、第1のウインチモータ34の駆動力を第1のウインチドラムDR1に伝えることが可能な状態である接続状態と、第1のウインチロープR1を第1のウインチドラムDR1からバケット装置10の重量によって繰り出すことが可能な状態であるフリー状態と、の間で切り換わることが可能である。第1のクラッチブレーキ40Aは、前記接続状態と前記フリー状態との間で第1のウインチモータ34と第1のウインチドラムDR1との連結の度合いを調節することが可能である。
同様に、第2のクラッチブレーキ40Bは、第2のウインチモータ35の駆動力を第2のウインチドラムDR2に伝えることが可能な状態である接続状態と、第2のウインチロープR2を第2のウインチドラムDR2からバケット装置10の重量によって繰り出すことが可能な状態であるフリー状態と、の間で切り換わることが可能である。第2のクラッチブレーキ40Bは、前記接続状態と前記フリー状態との間で第2のウインチモータ35と第2のウインチドラムDR2との連結の度合いを調節することが可能である。
前記接続状態は、第1及び第2のウインチモータ34,35の駆動力により第1及び第2のウインチロープR1,R2の繰り出し及び巻き取りが可能な状態である。すなわち、前記接続状態で第1及び第2のウインチモータ34,35が駆動すると、第1及び第2のウインチモータ34,35の駆動力が減速機47,47を介して第1及び第2のウインチドラムDR1,DR2にそれぞれ伝わる。第1及び第2のウインチドラムDR1,DR2が回転すると、第1及び第2のウインチロープR1,R2の繰り出し又は巻き取りが行われる。
前記フリー状態は、第1及び第2のウインチロープR1,R2の張力によって第1及び第2のウインチドラムDR1,DR2から第1及び第2のウインチロープR1,R2を繰り出すことが可能な状態、つまりバケット装置10が自由落下可能な状態、である。すなわち、前記フリー状態は、第1及び第2のウインチロープR1,R2を繰り出す繰り出し方向に第1及び第2のウインチモータ34,35を回転させなくても、第1及び第2のウインチドラムDR1,DR2から第1及び第2のウインチロープR1,R2を繰り出すことが可能な状態である。
また、第1のクラッチブレーキ40Aは、第1のウインチドラムDR1に対して第1のブレーキ力を与えること、つまり第1のウインチドラムDR1にブレーキをかけること、が可能である。同様に、第2のクラッチブレーキ40Bは、第2のウインチドラムDR2に対して第2のブレーキ力を与えること、つまり第2のウインチドラムDR2にブレーキをかけることが可能である。
第1のウインチドラムDR1の回転に対する第1のブレーキ力が所定の大きさ以上になると、第1のウインチドラムDR1にブレーキがかかり、第1のウインチドラムDR1から第1のウインチロープR1を繰り出すことが不可能となる。同様に、第2のウインチドラムDR2の回転に対する第2のブレーキ力が所定の大きさ以上になると、第2のウインチドラムDR2にブレーキがかかり、第2のウインチドラムDR2から第2のウインチロープR2を繰り出すことが不可能となる。従って、第1のクラッチブレーキ40Aの第1のブレーキ力及び第2のクラッチブレーキ40Bの第2のブレーキ力は、バケット装置10が自由落下せずに静止した状態を維持することができ、また、自由落下しているバケット装置10を停止させることができる。
本実施形態では、第1のクラッチブレーキ40A及び第2のクラッチブレーキ40Bのそれぞれは、いわゆる湿式ブレーキであり、パイロット油圧源Pから加えられる油圧により駆動されるピストン42と、複数のブレーキディスク41(複数のクラッチプレート)と、を備える。複数のブレーキディスク41のそれぞれは、例えば作動油に浸された摩擦板である。
複数のブレーキディスク41は、ピストン42の作動により、複数のブレーキディスク41が互いに接触した状態と、複数のブレーキディスク41が互いに離れた状態と、の間で切り換わることが可能である。第1のクラッチブレーキ40A及び第2のクラッチブレーキ40Bのそれぞれは、複数のブレーキディスク41が互いに離れた状態であるときには前記フリー状態となり、これにより、バケット装置10は自重により下降(フリーフォール)することが可能である。また、第1のクラッチブレーキ40A及び第2のクラッチブレーキ40Bのそれぞれは、複数のブレーキディスク41が互いに接触した状態になることにより、前記接続状態となる。
より具体的には、第1のクラッチブレーキ40A及び第2のクラッチブレーキ40Bのそれぞれは、バネ46を備え、第1のクラッチブレーキ40A及び第2のクラッチブレーキ40Bのそれぞれには一対の油室43,44が形成されており、ピストン42は、一対の油室43,44を仕切るフランジ45を有する。パイロット油圧源Pから一対の油室43,44に加えられる油圧が同じである場合には、バネ46は、複数のブレーキディスク41が互いに接触した状態となるようにピストン42を付勢する。パイロット油圧源Pから一方の油室44に加えられる油圧が他方の油室43に加えられる油圧よりも所定の大きさ以上に大きくなると、複数のブレーキディスク41は、互いに離れた状態となる。
前記バケット制御装置は、第1のウインチドラムDR1及び第2のウインチドラムDR2の駆動を制御することによりバケット装置10を開閉及び昇降させるための装置である。このバケット制御装置は、第1のコントロールバルブ32と、第2のコントロールバルブ33と、第1の繰り出し用比例弁61Aと、第1の巻き取り用比例弁61Bと、第2の繰り出し用比例弁63Aと、第2の巻き取り用比例弁63Bと、第1のブレーキ用比例弁62と、第2のブレーキ用比例弁64と、複数の操作装置と、コントローラ70と、を備える。本実施形態では、比例弁61A,61B,62,63A,63B,64のそれぞれは、電磁比例減圧弁である。
第1のコントロールバルブ32は、油圧ポンプ31と第1のウインチモータ34との間に介在し、第2のコントロールバルブ33は、油圧ポンプ31と第2のウインチモータ35との間に介在する。第1及び第2のコントロールバルブ32,33のそれぞれは、一対のパイロットポートを有する油圧パイロット切換弁により構成される。
一対のパイロットポートは、繰り出し用パイロットポートと巻き取り用パイロットポートである。第1及び第2のコントロールバルブ32,33のそれぞれは、両パイロットポートにパイロット圧が加えられていないときには、中立位置に保持されて第1及び第2のウインチモータ34,35のうち当該コントロールバルブに対応するウインチモータ(以下「対応ウインチモータ」と称する)を油圧ポンプ31から遮断する。第1及び第2のコントロールバルブ32,33のそれぞれは、繰り出し用パイロットポートにパイロット圧が加えられたときには、対応ウインチモータを繰り出し方向に回転させるための油路、つまり油圧ポンプ31から対応ウインチモータに繰り出し方向に作動油を供給するための油路、を形成するように開弁する。第1及び第2のコントロールバルブ32,33のそれぞれは、巻き取り用パイロットポートにパイロット圧が加えられたときには、対応ウインチモータを巻き取り方向に回転させるための油路、つまり油圧ポンプ31から対応ウインチモータに巻き取り方向に作動油を供給するための油路、を形成するように開弁する。第1及び第2のコントロールバルブ32,33のそれぞれの開度は、当該コントロールバルブに入力されるパイロット圧に対応した流量で作動油が流れるのを許容するように、当該パイロット圧の増大に伴って増大する。
第1の繰り出し用比例弁61Aは、図示されないパイロット油圧源と第1のコントロールバルブ32の繰り出し用パイロットポートとの間に介在し、当該比例弁61Aに電気信号である第1の繰り出し指令がコントローラ70から入力されるのに伴い、当該第1の繰り出し指令に比例したパイロット圧が前記繰り出し用パイロットポートに入力されるのを許容するように開弁する。第1の巻き取り用比例弁61Bは、前記パイロット油圧源と第1のコントロールバルブ32の巻き取り用パイロットポートとの間に介在し、当該比例弁61Bに電気信号である第1の巻き取り指令がコントローラ70から入力されるのに伴い、当該第1の巻き取り指令に比例したパイロット圧が前記巻き取り用パイロットポートに入力されるのを許容するように開弁する。
同様に、第2の繰り出し用比例弁63Aは、図示されないパイロット油圧源と第2のコントロールバルブ33の繰り出し用パイロットポートとの間に介在し、当該比例弁63Aに電気信号である第2の繰り出し指令がコントローラ70から入力されるのに伴い、当該第2の繰り出し指令に比例したパイロット圧が前記繰り出し用パイロットポートに入力されるのを許容するように開弁する。第2の巻き取り用比例弁63Bは、前記パイロット油圧源と第2のコントロールバルブ33の巻き取り用パイロットポートとの間に介在し、当該比例弁63Bに電気信号である第2の巻き取り指令がコントローラ70から入力されるのに伴い、当該第2の巻き取り指令に比例したパイロット圧が前記巻き取り用パイロットポートに入力されるのを許容するように開弁する。
上記のように、第1のコントロールバルブ32、第1の繰り出し用比例弁61A及び第1の巻き取り用比例弁61Bは、比例弁61A,61Bに入力される指令に応じて第1のウインチモータ34に流入する作動油の流量及び方向を変化させる第1の速度調節器を構成する。つまり、第1の速度調節器は、第1のウインチモータ34が第1のウインチドラムDR1を回転駆動する速度を変化させる。同様に、第2のコントロールバルブ33、第2の繰り出し用比例弁63A及び第2の巻き取り用比例弁63Bは、比例弁63A,63Bに入力される指令に応じて第2のウインチモータ35に流入する作動油の流量及び方向を変化させる第2の速度調節器を構成する。つまり、第2の速度調節器は、第2のウインチモータ35が第2のウインチドラムDR2を回転駆動する速度を変化させる。
第1のブレーキ用比例弁62は、パイロット油圧源Pと第1のクラッチブレーキ40Aとの間に介在し、当該比例弁62に電気信号である第1のブレーキ指令がコントローラ70から入力されるのに伴い、当該第1のブレーキ指令に比例した油圧(第1のパイロット圧)が第1のクラッチブレーキ40Aの油室43に入力されるのを許容するように開弁する。これにより、第1のブレーキ用比例弁62は、第1のクラッチブレーキ40Aの状態を前記フリー状態と前記接続状態との間で切り換えることができる。
同様に、第2のブレーキ用比例弁64は、パイロット油圧源Pと第2のクラッチブレーキ40Bとの間に介在し、当該比例弁64に電気信号である第2のブレーキ指令がコントローラ70から入力されるのに伴い、当該第2のブレーキ指令に比例した油圧(第2のパイロット圧)が第2のクラッチブレーキ40Bの油室43に入力されるのを許容するように開弁する。これにより、第2のブレーキ用比例弁64は、第2のクラッチブレーキ40Bの状態を前記フリー状態と前記接続状態との間で切り換えることができる。
複数の操作装置は、第1のウインチ操作装置51と、第2のウインチ操作装置53と、第1のブレーキ操作装置52と、第2のブレーキ操作装置54と、を含む。第1のウインチ操作装置51は、第1のウインチ操作レバー51Aと、第1のウインチ操作装置本体51Bと、を有する。第2のウインチ操作装置53は、第2のウインチ操作レバー53Aと、第2のウインチ操作装置本体53Bと、を有する。第1のブレーキ操作装置52は、第1のブレーキ操作ペダル52Aと、第1のブレーキ操作装置本体52Bと、を有する。第2のブレーキ操作装置54は、第2のブレーキ操作ペダル54Aと、第2のブレーキ操作装置本体54Bと、を有する。
以下の説明において、第1のウインチドラムDR1は主巻ドラムと称されることがあり、第2のウインチドラムDR2は補巻ドラムと称されることがある。また、第1のウインチ操作レバー51Aは、主巻レバーと称されることがあり、第2のウインチ操作レバー53Aは、補巻レバーと称されることがある。また、第1のブレーキ操作ペダル52Aは、主巻ペダルと称されることがあり、第2のブレーキ操作ペダル54Aは、補巻ペダルと称されることがある。クレーン100では、バケット装置10に代えて、第1のウインチロープR1(主巻ロープ)の先端に図示されない主巻フックが取り付けられ、第2のウインチロープR2(補巻ロープ)の先端に図示されない補巻フックが取り付けられることがある。「主巻」は、主に、重い荷を吊るための重荷重用のものに用いられ、「補巻」は、主に、軽い荷を吊る補助用のものに用いられる。
第1のウインチ操作レバー51Aは、第1のウインチドラムDR1の駆動速度(回転速度)を指定するためのオペレータによる第1の回動操作が与えられる操作部材である。具体的に、第1のウインチ操作レバー51Aには、第1のウインチロープR1の繰り出しを行うように第1のウインチドラムDR1を繰り出し方向に回転させるための第1の繰り出し操作及び第1のウインチロープR1の巻き取りを行うように第1のウインチドラムDR1を巻き取り方向に回転させるための第1の巻き取り操作の何れかが前記第1の回動操作として与えられる。
第1のウインチ操作装置本体51Bは、第1のウインチ操作レバー51Aに与えられる第1の回動操作(第1の繰り出し操作又は第1の巻き取り操作)の操作量(レバー操作量)に対応した回転速度を指令するための指令信号をコントローラ70に入力する。
同様に、第2のウインチ操作レバー53Aは、第2のウインチドラムDR2の駆動速度(回転速度)を指定するためのオペレータによる第2の回動操作が与えられる操作部材である。具体的に、第2のウインチ操作レバー53Aには、第2のウインチロープR2の繰り出しを行うように第2のウインチドラムDR2を繰り出し方向に回転させるための第2の繰り出し操作及び第2のウインチロープR2の巻き取りを行うように第2のウインチドラムDR2を巻き取り方向に回転させるための第2の巻き取り操作の何れかが前記第2の回動操作として与えられる。
第2のウインチ操作装置本体53Bは、第2のウインチ操作レバー53Aに与えられる第2の回動操作(第2の繰り出し操作又は第2の巻き取り操作)の操作量(レバー操作量)に対応した回転速度を指令するための指令信号をコントローラ70に入力する。
第1のブレーキ操作ペダル52Aは、第1のウインチドラムDR1に対する第1のブレーキ力を指定するためのオペレータによるペダル操作(第1のブレーキ操作の一例)が与えられる操作部材である。第1のブレーキ操作装置本体52Bは、第1のブレーキ操作ペダル52Aに与えられる第1のペダル操作の操作量(ペダル操作量)に対応した大きさのブレーキ力を指令するための指令信号をコントローラ70に入力する。
第2のブレーキ操作ペダル54Aは、第2のウインチドラムDR2に対する第2のブレーキ力を指定するためのオペレータによるペダル操作(第2のブレーキ操作の一例)が与えられる操作部材である。第2のブレーキ操作装置本体54Bは、第2のブレーキ操作ペダル54Aに与えられる第2のペダル操作の操作量(ペダル操作量)に対応した大きさのブレーキ力を指令するための指令信号をコントローラ70に入力する。
前記バケット制御装置は、その他、図2に示されるように、第1の回転センサ81と、第2の回転センサ82と、制御モード設定部と、をさらに備える。本実施形態では、制御モード設定部は、非同調制御モードスイッチ90(片側開閉スイッチ90)と、バケットアシストモードスイッチ91と、を含む。第1の回転センサ81は、第1の検出器の一例であり、第2の回転センサ82は、第2の検出器の一例である。
第1の回転センサ81は、第1のウインチドラムDR1の回転量である第1の回転量ωmについての第1の検出信号を生成し、コントローラ70に入力する。第2の回転センサ82は、第2のウインチドラムDR2の回転量である第2の回転量ωaについての第2の検出信号を生成し、コントローラ70に入力する。なお、第1の回転センサ81は、第1のウインチドラムDR1の回転量ではなく第1のポイントシーブ105の回転量についての検出信号を生成するセンサであってもよく、第2の回転センサ82は、第2のウインチドラムDR2の回転量ではなく第2のポイントシーブ106の回転量についての検出信号を生成するセンサであってもよい。
本実施形態では、コントローラ70は、前記制御モード設定部から入力される指令信号に基づいて、当該コントローラ70による制御モードを、予め定められた複数の制御モードの何れかに設定する。本実施形態では、複数の制御モードは、バケットアシストモードと、非アシストモードと、を含み、前記バケットアシストモードは、同調制御モードと、非同調制御モードと、を含む。前記複数の制御モードは、さらに他の制御モードを含んでいてもよい。
バケットアシストモードは、オペレータが簡単な操作でバケット装置10に開閉及び昇降の少なくとも一方の動作を行わせることが可能なようにコントローラ70がオペレータをアシストするアシスト制御を実行するための制御モードである。非アシストモードは、上記のようなアシスト制御が実行されない制御モードである。アシスト制御は、図6に示す主補同調制御及びフリー同調制御と、図11に示すバケット静止閉じ制御、掘削制御及びバケット静止開き制御と、を含む。これらの制御については後述する。
本実施形態では、バケットアシストモードスイッチ91がオンの状態である場合に制御モードがバケットアシストモードに設定され、バケットアシストモードスイッチ91がオフの状態である場合に制御モードが非アシストモードに設定される。バケットアシストモードにおいて非同調制御モードスイッチ90がオンの状態である場合に制御モードが非同調制御モードに設定され、バケットアシストモードにおいて非同調制御モードスイッチ90がオフの状態である場合に制御モードが同調制御モードに設定される。具体的には以下の通りである。
バケットアシストモードスイッチ91は、コントローラ70による制御モードを、バケットアシストモードに設定することが可能である。バケットアシストモードスイッチ91は、バケットアシストモードのオン操作がオペレータによってバケットアシストモードスイッチ91に与えられた場合、当該オン操作に応じたオン指令信号をコントローラ70に入力し、コントローラ70は、制御モードをバケットアシストモードに設定する。バケットアシストモードスイッチ91に前記オン操作が与えられない場合には、コントローラ70は、制御モードをバケットアシストモードに設定せず、制御モードを予め定められた他の制御モード(例えば非アシストモード)に設定する。バケットアシストモードスイッチ91は、例えば、キャビン内に配置されたタッチパネルなどのモニタ上に設けられた入力機器であってもよく、キャビン内に配置された押しボタンを有する入力機器であってもよい。前記押しボタンは、例えば第1のウインチ操作レバー51Aなどの操作部材に配置されていてもよい。
非同調制御モードスイッチ90は、コントローラ70による制御モードを、前記非同調制御モードに設定することが可能である。非同調制御モードスイッチ90は、制御モードがバケットアシストモードに設定されている状態で、非同調制御モードのオン操作がオペレータによって非同調制御モードスイッチ90に与えられた場合、当該オン操作に応じたオン指令信号をコントローラ70に入力し、コントローラ70は、制御モードを非同調制御モードに設定する。制御モードがバケットアシストモードに設定されている状態で、非同調制御モードスイッチ90に前記オン操作が与えられない場合には、コントローラ70は、制御モードを同調制御モードに設定する。非同調制御モードスイッチ90は、例えば、キャビン内に配置された押しボタンを有する入力機器であってもよく、キャビン内に配置されたタッチパネルなどのモニタ上に設けられた入力機器であってもよい。前記押しボタンは、例えば第1のウインチ操作レバー51Aなどの操作部材に配置されていてもよい。
本実施形態では、前記同調制御モードでは、後述する主補同調制御、フリー同調制御などの同調制御が行われる。これらの主補同調制御及びフリー同調制御については後述する。
また、前記制御モード設定部は、前記フリー同調制御におけるバケット装置10の動作をより具体的に指定するためのオペレータによる操作が与えられる図略の複数のスイッチを含んでいてもよく、複数のスイッチのそれぞれは、その操作に応じた指令信号をコントローラ70に入力するように構成されていてもよい。前記同調制御モードにおけるバケット装置10の動作として、バケット装置10を開いた状態で下降させる動作である「開き下げ」の動作、及びバケット装置10を閉じた状態で下降させる動作である「閉じ下げ」の動作が挙げられる。
同調制御モードにおけるフリー同調制御では、第1及び第2のクラッチブレーキ40A,40Bにおける第1及び第2のブレーキ力は、第1のブレーキ操作ペダル52Aに与えられる第1のペダル操作の操作量(ペダル操作量)に基づいて調節される。
コントローラ70は、第1のウインチWC1及び第2のウインチWC2の駆動を制御してバケット装置10を開閉及び昇降させるためのものであって、図2に示すように、開閉状態判定部71と、ブレーキ力調節部72と、ドラム動作制御部73と、を有する。ブレーキ力調節部72、第1のブレーキ用比例弁62及び第2のブレーキ用比例弁64は、ブレーキ力調節機構を構成する。
開閉状態判定部71は、バケット装置10の開閉状態を判定する。すなわち、開閉状態判定部71は、バケット装置10が開き状態であるか閉じ状態であるかを判定する。本実施形態における開閉状態判定部71は、第1の回転量ωm及び第2の回転量ωaに基づいてバケット装置10の開閉状態を判定する。具体的には次の通りである。
まず、開閉状態判定部71は、第1の回転量ωmに基づいて、第1のウインチドラムDR1から繰り出された第1のウインチロープR1の繰り出し量である第1の繰り出し量Lmを推定し、第2の回転量ωaに基づいて、第2のウインチドラムDR2から繰り出された第2のウインチロープR2の繰り出し量である第2の繰り出し量Laを推定する。第1の繰り出し量Lmは、例えば下記の式(1)を用いて演算され、第2の繰り出し量Laは、例えば下記の式(2)を用いて演算される。式(1)におけるRmは、第1のウインチドラムDR1の有効半径であり、式(2)におけるRaは、第2のウインチドラムDR2の有効半径である。
Lm=Rm×ωm ・・・式(1)
La=Ra×ωa ・・・式(2)
なお、以下では、バケット装置10の巻き下げ時(つまりバケット装置10の下降時)における第1及び第2の繰り出し量Lm,Laの符号を正とし、バケット装置10の巻き上げ時(つまりバケット装置10の上昇時)における第1及び第2の繰り出し量Lm,Laの符号を負として説明する。
次に、開閉状態判定部71は、第1及び第2の繰り出し量Lm,Laの相対差(ΔL=Lm-La)を演算する。例えば、図4の左図のようにバケット装置10が閉じた状態を初期状態とし、この初期状態におけるΔLがゼロにセットされる。バケット装置10を閉じた状態でバケット装置10の巻き下げ及び巻き上げが行われているときに、第1及び第2の繰り出し量Lm,Laはそれぞれ増減するが、バケット装置10が閉じた状態が維持されている場合には、「ΔL≦0」の関係が維持される。
一方、バケット装置10が開いた状態となる場合には、第1の繰り出し量Lmが第2の繰り出し量Laに対して相対的に増加する。開閉状態判定部71は、バケット装置10の開度を例えば次のように判定することができる。
図4の左図のようにバケット装置10が閉じた状態(閉じ状態)であるときの上シーブ15と下シーブ14との間隔をL1とし、図4の右図のようにバケット装置10が開いた状態(開き状態)であるときの上シーブ15と下シーブ14との間隔をL2とし、上シーブ15と下シーブ14にかけ回された第1のウインチロープR1のかけ回し数(ロープかけ本数)をNとする。この場合、相対差ΔLは、下記の式(3)のように表される。
ΔL=(L2-L1)×N ・・・(3)
バケット装置10が完全に開放された状態である場合、つまりバケット装置10が最も開いた状態である場合の上シーブ15と下シーブ14との間隔をL2maxとし、このときの第1及び第2の繰り出し量Lm,Laの相対差をΔLmaxとする。この場合、ΔLmaxは、下記の式(4)のように表され、バケット装置10の開度は、下記の式(5)により表される。
ΔLmax=(L2max-L1)×N ・・・(4)
バケット装置10の開度=ΔL/ΔLmax ・・・(5)
従って、開閉状態判定部71は、上記のように演算されるバケット装置10の開度に基づいて、バケット装置10の開閉状態を判定することができる。
ブレーキ力調節部72は、前記第1のブレーキ力及び前記第2のブレーキ力を調節する。ブレーキ力調節部72は、制御モードが同調制御モードに設定され、第1のブレーキ力を小さくするような第1のブレーキ操作が第1のブレーキ操作ペダル52Aに与えられ、かつ、バケット装置10が開き状態であると開閉状態判定部71が判定した場合に、次のような開き下げ制御を行う。開き下げ制御は、フリー同調制御の一例である。この開き下げ制御では、バケット装置10の開き状態が維持されながらバケット装置10がその自重によって下降するように第1のブレーキ力及び第2のブレーキ力を調節する。また、ブレーキ力調節部72は、制御モードが同調制御モードに設定され、第1のブレーキ力を小さくするような第1のブレーキ操作が第1のブレーキ操作ペダル52Aに与えられ、かつ、バケット装置10が閉じ状態であると開閉状態判定部71が判定した場合に、次のような閉じ下げ制御を行う。閉じ下げ制御は、フリー同調制御の一例である。この閉じ下げ制御では、ブレーキ力調節部72は、バケット装置10の閉じ状態が維持されながらバケット装置10が下降するように第1のブレーキ力及び第2のブレーキ力を調節する。第1のブレーキ力を小さくするような第1のブレーキ操作は、例えば、第1のブレーキ操作ペダル52Aに与えられるペダル操作量(踏み込み量)が小さくなるような操作である。
ドラム動作制御部73は、第1のウインチドラムDR1の動作及び第2のウインチドラムDR2の動作を制御する。同調制御モードにおける主補同調制御では、第1のウインチドラムDR1の動作及び第2のウインチドラムDR2の動作は、第1のウインチ操作装置51に与えられる第1の回動操作に基づいて制御される。
具体的には、ドラム動作制御部73は、制御モードが同調制御モードに設定され、第1のウインチ操作装置51の第1のウインチ操作レバー51Aに対して第1の繰り出し操作が与えられた場合に、バケット装置10の開閉状態が維持されながらバケット装置10が下降するように第1のウインチドラムDR1の動作及び第2のウインチドラムDR2の動作を制御する。また、ドラム動作制御部73は、制御モードが同調制御モードに設定され、第1のウインチ操作装置51の第1のウインチ操作レバー51Aに対して第1の巻き取り操作が与えられた場合に、バケット装置10の開閉状態が維持されながらバケット装置10が上昇するように第1のウインチドラムDR1の動作及び第2のウインチドラムDR2の動作を制御する。維持される前記開閉状態は、前記開き状態又は前記閉じ状態である。
図5は、バケット装置10に接続された第1のウインチロープR1及び第2のウインチロープR2にかかる荷重について説明するための図である。図5の左図は、第1及び第2のウインチドラムDR1,DR2と、これらのウインチドラムDR1,DR2に巻き付けられた第1及び第2のウインチロープR1,R2と、これらのウインチロープR1,R2の先端が接続されたバケット装置10と、を示している。図5の右図は、図5の左図における力のつり合いの関係を説明するための概略図である。
第1のウインチロープR1の張力をT1(T開閉)とし、第2のウインチロープR2の張力をT2(T支持)とする。また、図5の右図では、上シーブ15と下シーブ14にかけ回された第1のウインチロープR1のかけ回し数(ロープかけ本数)が4である場合(4本掛けの場合)を例示している。図5の右図より、張力T1は、左右一対のリンク部材12,12に対する作用力(左右合計)とT1の3倍(T1×3)とを合計した力と釣り合っている(式(6))。
T2=T1×3+リンクに対する作用力(左右合計) ・・・(6)
ここで、バケット装置10の重量をリンク部材12,12と下シーブ14がおおむね均等に支えていると仮定すると、次の式(7)が成立する。
リンクに対する作用力(左右合計)=T1×4 ・・・(7)
式(7)を式(6)に代入すると、次の式(8)で示される関係が得られる。
T2=T1×3+T1×4=T1×7 ・・・(8)
従って、下記の式(9)の関係が満たされる場合には、バケット装置10は開き、下記の式(10)の関係が満たされる場合には、バケット装置10は閉じる。
T2>T1×7 ・・・(9)
T2<T1×7 ・・・(10)
なお、式(9)及び式(10)の右辺「T1×7」は、上記のような4本掛けの場合における計算例であり、ロープかけ本数が変わると、右辺はそれに応じて変えればよい。また、バケット装置10の形状が変われば、右辺はそれに応じて変えればよい。
また、第1のウインチロープR1の張力T1及び第2のウインチロープR2の張力T2と、第1のブレーキ力及び第2のブレーキ力とは、次のような関係にある。
張力T1=第1のブレーキ力(開閉側ブレーキ力)
張力T2=第2のブレーキ力(支持側ブレーキ力)
以上より、バケット装置10の開き下げの動作時において、第1のブレーキ力と第2のブレーキ力は下記の式(11)及び式(12)のように設定される。第1の設定値及び第2の設定値は、予め設定された値であり、第2の設定値は、例えば第1の設定値の7倍の値に設定される。
第1のブレーキ力(開閉側ブレーキ力)<第1の設定値 ・・・(11)
第2のブレーキ力(支持側ブレーキ力)>第2の設定値 ・・・(12)
また、バケット装置10の閉じ下げの動作時において、第1のブレーキ力と第2のブレーキ力は下記の式(13)及び式(14)のように設定される。
第1のブレーキ力(開閉側ブレーキ力)>第1の設定値 ・・・(13)
第2のブレーキ力(支持側ブレーキ力)<第2の設定値 ・・・(14)
次に、このコントローラ70が行う演算制御動作を、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
コントローラ70は、バケットアシストモードのオンを指定するための前記オン指令信号がバケットアシストモードスイッチ91から入力されると(ステップS10においてYES)、制御モードをバケットアシストモードに設定する。コントローラ70は、非同調制御モードのオンを指定するための前記オン指令信号が非同調制御モードスイッチ90から入力されると(ステップS11においてYES)、制御モードを非同調制御モードに設定する(ステップS12)。非同調制御モードについては後述する。
また、コントローラ70は、バケットアシストモードのオンを指定するための前記オン指令信号がバケットアシストモードスイッチ91から入力されない場合には(ステップS10においてNO)、制御モードをバケットアシストモードに設定しない(ステップS19)。この場合、コントローラ70は、ステップS19において制御モードを非アシストモードに設定してもよい。
コントローラ70は、バケットアシストモードにおいて非同調制御モードスイッチ90から前記オン指令信号が入力されない場合(ステップS11においてNO)、制御モードを同調制御モードに設定し、ステップS14~S15に示す主補同調制御を行うか、ステップS17~S18に示すフリー同調制御を行うか、あるいは主補同調制御及びフリー同調制御の何れも行わない(ステップS19)。
バケットアシストモードスイッチ91がオンの状態であり(ステップS10においてYES)、かつ、非同調制御モードスイッチ90がオフの状態である場合であって(ステップS11においてNO)、第1のウインチ操作レバー51A及び第1のブレーキ操作ペダル52Aの少なくとも一方にオペレータによる操作が与えられた場合(ステップS13においてYES,又はステップS16においてYES)、コントローラ70は、当該操作が入力される前のバケット装置10の開閉状態を維持しながら(すなわち、操作が入力された時点でのバケット装置10の開閉状態を維持しながら)、バケット装置10の巻き上げ又は巻き下げが行われるように第1のウインチドラムDR1及び第2のウインチドラムDR2の動作を制御する(ステップS15,S18)。なお、第1のウインチ操作レバー51A及び第1のブレーキ操作ペダル52Aにオペレータの操作が同時に与えられた場合には、第1のウインチ操作レバー51Aに与えられる操作が優先される(ステップS13においてYES)。
具体的には、コントローラ70は、バケット装置10が開いた状態又は閉じた状態で第1のウインチ操作レバー51Aに巻き取り操作又は繰り出し操作が与えられた場合(ステップS13においてYES)、バケット装置10の開き状態又は閉じ状態を維持しながら、第1のウインチモータ34及び第2のウインチモータ35の駆動力によりバケット装置10の巻き上げ又は巻き下げが行われるように第1のウインチドラムDR1及び第2のウインチドラムDR2の動作を制御する主補同調制御を行う(ステップS14,S15)。
コントローラ70は、バケット装置10が開いた状態又は閉じた状態で第1のウインチ操作レバー51Aに操作が与えられずに第1のブレーキ操作ペダル52Aに操作が与えられた場合(ステップS13においてNO、ステップS16においてYES)、バケット装置10の開き状態又は閉じ状態を維持しながらバケット装置10がその自重により下降するように第1のウインチドラムDR1及び第2のウインチドラムDR2の動作を制御するフリー同調制御を行う(ステップS17,S18)。
コントローラ70が行う演算制御動作の概要は以上の通りであるが、以下では、当該演算制御動作をより具体的に説明する。
[主補同調制御]
図6に示すように、コントローラ70は、バケットアシストモードにおいて非同調制御モードスイッチ90から前記オン指令信号が入力されない場合(ステップS11においてNO)、第1のウインチ操作レバー51Aに前記第1の回動操作が与えられたか否かを判定する(ステップS13)。コントローラ70は、第1のウインチ操作レバー51Aに第1の回動操作が与えられたことを示す指令信号が第1のウインチ操作装置本体51Bから入力されると(ステップS13においてYES)、次のような主補同調制御を行う(ステップS14,S15)。
この主補同調制御では、コントローラ70は、第2のウインチ操作レバー53Aに第2の回動操作が与えられているか否かにかかわらず、第1のウインチドラムDR1及び第2のウインチドラムDR2の動作を第1のウインチ操作レバー51Aに与えられる第1の回動操作に基づいて制御する。主補同調制御では、コントローラ70は、第1のウインチドラムDR1(主巻ドラム)と第2のウインチドラムDR2(補巻ドラム)が互いに同調するように第1のウインチドラムDR1及び第2のウインチドラムDR2の動作を第1の回動操作に基づいて制御する。これにより、バケット装置10の開度を維持しながら、バケット装置10の巻き上げ又は巻き下げを行うことができる。具体的には以下の通りである。
主補同調制御では、まず、コントローラ70は、第1のウインチドラムDR1及び第2のウインチドラムDR2を動作させる目標値の設定を行う(ステップS14)。当該目標値は、例えば、第1及び第2のウインチドラムDR1,DR2の回転速度に関する目標値であってもよく、主補繰り出し量に関する目標値であってもよく、これら以外の他の目標値であってもよい。
まず、前記目標値が第1及び第2のウインチドラムDR1,DR2の回転速度に関する目標値である場合について説明する。コントローラ70は、例えば図7に示すような予め設定されたマップと、第1のウインチ操作装置本体51Bから入力される前記指令信号と、に基づいて、第1のウインチ操作レバー51Aに与えられる第1の回動操作(第1の繰り出し操作又は第1の巻き取り操作)の操作量に対応した回転速度の目標値を設定する(ステップS14)。設定された目標値は、第1のウインチドラムDR1(主巻ドラム)及び第2のウインチドラムDR2(補巻ドラム)の両方に共通する目標値である。なお、前記目標値の設定は、図6のフローチャートにおける制御周期ごとに行われなくてもよく、ステップS14の1回目の処理において行われ、ステップS14の2回目以降の処理では、1回目の処理で設定された目標値が維持されてもよい。
次に、コントローラ70のブレーキ力調節部72は、第1のクラッチブレーキ40Aが前記接続状態となるように第1のブレーキ用比例弁62に指令信号を入力し、第2のクラッチブレーキ40Bが前記接続状態となるように第2のブレーキ用比例弁64に指令信号を入力する。具体的には、例えば、ブレーキ力調節部72は、パイロット油圧源Pから第1のクラッチブレーキ40Aにおける一対の油室43,44に加えられる油圧が同じになり、パイロット油圧源Pから第2のクラッチブレーキ40Bにおける一対の油室43,44に加えられる油圧が同じになるように、第1のブレーキ用比例弁62及び第2のブレーキ用比例弁64の開度を調節する。これにより、第1のクラッチブレーキ40Aは、第1のウインチモータ34の駆動力を第1のウインチドラムDR1に伝えることが可能な前記接続状態となり、第2のクラッチブレーキ40Bは、第2のウインチモータ35の駆動力を第2のウインチドラムDR2に伝えることが可能な前記接続状態となる。
次に、コントローラ70のドラム動作制御部73は、第1のウインチドラムDR1(主巻ドラム)及び第2のウインチドラムDR2(補巻ドラム)が、第1の回動操作の方向に対応した方向(繰り出し方向又は巻き取り方向)に、設定された目標値(回転速度)で回転するように、第1の繰り出し用比例弁61A又は第1の巻き取り用比例弁61Bに指令を入力し、第2の繰り出し用比例弁63A又は第2の巻き取り用比例弁63Bに指令を入力する(ステップS15)。これにより、第1の繰り出し用比例弁61A又は第1の巻き取り用比例弁61Bの開度と、第2の繰り出し用比例弁63A又は第2の巻き取り用比例弁63Bの開度と、が調節され、バケット装置10の開いた状態又は閉じた状態を維持しながら、第1のウインチモータ34及び第2のウインチモータ35の駆動力によりバケット装置10の巻き上げ又は巻き下げが行われる。
次に、前記目標値が主補繰り出し量に関する目標値である場合について説明する。コントローラ70は、第1の回転センサ81から入力される前記第1の検出信号及び第2の回転センサ82から入力される前記第2の検出信号に基づいて、上述した手順で第1の繰り出し量Lm及び第2の繰り出し量Laをそれぞれ演算する。そして、コントローラ70は、演算された第1の繰り出し量Lmと第2の繰り出し量Laの相対差である主補繰り出し量相対差ΔLを演算し、演算された主補繰り出し量相対差ΔLを目標値ΔL1(制御目標値)として設定する(ステップS14)。この目標値の設定は、図6のフローチャートにおける制御周期ごとに行われなくてもよく、ステップS14の1回目の処理において行われ、ステップS14の2回目以降の処理では、1回目の処理で設定された目標値が維持される。
第1のウインチ操作レバー51Aに与えられる第1の回動操作が第1の繰り出し操作である場合、コントローラ70は、第1の繰り出し操作のレバー操作量に対応する指令を、比例弁61Aと比例弁63Aとに入力する。第1のウインチ操作レバー51Aに与えられる第1の回動操作が第1の巻き取り操作である場合、コントローラ70は、第1の巻き取り操作のレバー操作量に対応する指令を、比例弁61Bと比例弁63Bとに入力する。これにより、第1のウインチドラムDR1(主巻ドラム)と第2のウインチドラムDR2(補巻ドラム)は、同じ回転方向に、ほぼ同じ回転速度で回転する。
上記のように比例弁61Aと比例弁63Aに同じ指令を与え、又は比例弁61Bと比例弁63Bに同じ指令を与えても、油圧回路において生じ得るばらつきに起因して、第1のウインチドラムDR1の回転速度と第2のウインチドラムDR2の回転速度に差が生じる場合がある。このように回転速度に差が生じた場合、主補繰り出し量相対差ΔLが前記目標値ΔL1に対して変化する。コントローラ70は、その時点における主補繰り出し量相対差ΔL(現在値ΔL)と上記の目標値ΔL1との偏差(ΔL1-ΔL)を演算し、当該偏差がゼロに近づくように比例弁に対する指令を補正して、補正された指令を比例弁61A,63A又は比例弁61B,63Bに出力するフィードバック制御(例えばPID制御)を行う。これにより、主補同調制御において、バケット装置10の開度がさらに精度よく維持されながら、バケット装置10の巻き上げ又は巻き下げが行われる。
[フリー同調制御]
図6に示すように、コントローラ70は、非同調制御モードスイッチ90から前記オン指令信号が入力されず(ステップS11においてNO)、かつ、第1のウインチ操作レバー51Aに前記第1の回動操作が与えられない場合(ステップS13においてNO)、第1のブレーキ操作ペダル52Aに第1のペダル操作(主巻ペダル操作)が与えられたか否かを判定する(ステップS16)。具体的には、コントローラ70は、ステップS16において、第1のブレーキ力を小さくするような第1のブレーキ操作が第1のブレーキ操作ペダル52Aに与えられた否かを判定する。コントローラ70は、第1のブレーキ操作ペダル52Aに第1のブレーキ力を小さくするような第1のブレーキ操作が与えられたことを示す指令信号が第1のブレーキ操作装置本体52Bから入力されると(ステップS16においてYES)、次のようなフリー同調制御を行う(ステップS17,S18)。
このフリー同調制御では、第2のブレーキ操作ペダル54Aに第2のペダル操作(補巻ペダル操作)が与えられているか否かにかかわらず、第1のウインチドラムDR1に対する第1のブレーキ力及び第2のウインチドラムDR2に対する第2のブレーキ力を、第1のブレーキ操作ペダル52Aに与えられる第1のペダル操作(主巻ペダル操作)に基づいて制御する。これにより、フリー同調制御において、バケット装置10の適切な開き下げの動作及び適切な閉じ下げの動作が行われる。このフリー同調制御では、第1及び第2のコントロールバルブ32,33のそれぞれは、両パイロットポートにパイロット圧が加えられず、中立位置に保持される。従って、第1及び第2のウインチモータ34,35は駆動されない。フリー同調制御では、コントローラ70は、第1のブレーキ操作ペダル52Aに与えられる第1のペダル操作に基づいて比例弁62,64を制御することにより、第1のブレーキ力及び第2のブレーキ力を制御する。以下、フリー同調制御について具体的に説明する。
フリー同調制御では、まず、コントローラ70は、バケット装置10の開閉状態を判定する(ステップS17)。この判定処理は、ステップS16の処理において第1のブレーキ操作ペダル52Aに第1のペダル操作が与えられたと判定されると、自動的に実行される。
具体的には、コントローラ70の開閉状態判定部71は、第1及び第2の回転センサ81,82から入力される第1及び第2の検出信号に基づいて、上述した手順でバケット装置10の開度(ΔL/ΔLmax)を演算する。開閉状態判定部71は、演算された開度がゼロである場合には、バケット装置10が閉じ状態であると判定する(ステップS17)。また、開閉状態判定部71は、演算された開度が予め設定された閾値である閉状態判定閾値以下である場合に、バケット装置10が閉じ状態であると判定してもよい。また、オペレータがバケット装置10の開閉状態を入力することが可能なスイッチである開閉状態入力スイッチがキャビン内に備えつけられている場合には、開閉状態判定部71は、オペレータが開閉状態入力スイッチを介して入力する情報に基づいて、バケット装置10が開き状態であるか閉じ状態であるかを判定してもよい。
なお、バケット装置10の開閉状態の判定(開度の判定)は、図6のフローチャートにおけるステップS17の制御周期ごとに行われなくてもよく、ステップS17の1回目の処理において行われ、ステップS17の2回目以降の処理では、1回目の処理で判定された判定結果が維持されてもよい。
図8は、バケット装置10の開き下げの動作時において、第1のブレーキ操作ペダル52A(主巻ペダル)に与えられる操作量(横軸)と第1のブレーキ力及び第2のブレーキ力の目標値(縦軸)との関係を予め規定したマップの一例を示すグラフである。
バケット装置10が開き状態であると開閉状態判定部71が判定した場合(ステップS17)、コントローラ70のブレーキ力調節部72は、図8に示すマップと、第1のブレーキ操作装置本体52Bから入力される前記指令信号と、に基づいて、第1のブレーキ力の目標値及び第2のブレーキ力の目標値をそれぞれ設定する。バケット装置10の開き下げの動作時に用いられる図8に示すマップでは、第1のブレーキ操作ペダル52A(主巻ペダル)に与えられる操作量にかかわらず、第1のブレーキ力の目標値と第2のブレーキ力の目標値は、下記の式(15)及び式(16)を満たすような値に設定されている。
第1のブレーキ力(開閉側ブレーキ力)の目標値<第1の設定値 ・・・(15)
第2のブレーキ力(支持側ブレーキ力)の目標値>第2の設定値 ・・・(16)
次に、コントローラ70のブレーキ力調節部72は、第1のブレーキ力の目標値に対応する指令信号を第1のブレーキ用比例弁62に入力し、第2のブレーキ力の目標値に対応する指令信号を第2のブレーキ用比例弁64に入力する。すなわち、ブレーキ力調節部72は、前記開き下げ制御において、第2のブレーキ力(支持側ブレーキ力)の下限に制限を与えるとともに、第2のブレーキ力が第1のブレーキ力よりも予め設定された比率(上記の具体例では7倍)以上高くなるように第1のブレーキ用比例弁62及び第2のブレーキ用比例弁64に指令を与える。これにより、第1のブレーキ操作ペダル52Aの操作だけで第1のブレーキ力及び第2のブレーキ力のそれぞれを前記目標値に近づけることができ、バケット装置10の開き状態を維持しながらバケット装置10を下降させる開き下げの動作が適切に行われる。
図8に示すように、第1のブレーキ操作ペダル52A(主巻ペダル)に与えられる操作量が小さくなるにつれて前記目標値も小さくなるので、それに伴って、第1のブレーキ力及び第2のブレーキ力が次第に小さくなる。第1のブレーキ操作ペダル52Aの操作量が図8の横軸において「バケット動き出し」と記載されているある操作量に到達すると、バケット装置10は降下し始める。
図9は、バケット装置10の閉じ下げの動作時において、第1のブレーキ操作ペダル52A(主巻ペダル)に与えられる操作量(横軸)と第1のブレーキ力及び第2のブレーキ力の目標値(縦軸)との関係を予め規定したマップの一例を示すグラフである。
バケット装置10が閉じ状態であると開閉状態判定部71が判定した場合(ステップS17)、コントローラ70のブレーキ力調節部72は、図9に示すマップと、第1のブレーキ操作装置本体52Bから入力される前記指令信号と、に基づいて、第1のブレーキ力の目標値及び第2のブレーキ力の目標値をそれぞれ設定する。バケット装置10の閉じ下げの動作時に用いられる図9に示すマップでは、第1のブレーキ操作ペダル52A(主巻ペダル)に与えられる操作量にかかわらず、第1のブレーキ力の目標値と第2のブレーキ力の目標値は、下記の式(17)及び式(18)を満たすような値に設定されている。
第1のブレーキ力(開閉側ブレーキ力)の目標値>第1の設定値 ・・・(17)
第2のブレーキ力(支持側ブレーキ力)の目標値<第2の設定値 ・・・(18)
次に、コントローラ70のブレーキ力調節部72は、第1のブレーキ力の目標値に対応する指令信号を第1のブレーキ用比例弁62に入力し、第2のブレーキ力の目標値に対応する指令信号を第2のブレーキ用比例弁64に入力する。これにより、第1のブレーキ操作ペダル52Aの操作だけで第1のブレーキ力及び第2のブレーキ力のそれぞれを前記目標値に近づけることができ、バケット装置10の閉じ状態を維持しながらバケット装置10を下降させる閉じ下げの動作が適切に行われる。なお、ブレーキ力調節部72は、閉じ下げ制御では、前記開き下げ制御における第2のブレーキ力(支持側ブレーキ力)の下限の制限を解除している。
なお、図9に示す具体例では、実線で示される第1のブレーキ力及び実線で示される第2のブレーキ力は、ほぼ同程度に設定されるが、例えば、図9において破線で示されるように第2のブレーキ力(支持側ブレーキ力)の目標値は、第1のブレーキ力の目標値との差が大きくなるように設定されていてもよい。この場合であっても、上記の式(17)及び式(18)の関係を満たしていれば、バケット装置10の閉じ状態を維持しながらバケット装置10を下降させる閉じ下げの動作が適切に行われる。
コントローラ70のブレーキ力調節部72は、第1及び第2のブレーキ用比例弁62,64に対する指令値を、例えば次のように演算してもよい。図8及び図9に示すようなブレーキ力と、第1及び第2のクラッチブレーキ40A,40Bにおいて発生するブレーキトルクと、の間には以下の関係がある。
ブレーキ力=ドラム有効半径×ブレーキトルク
ブレーキ力調節部72は、図8及び図9のマップと上記の関係式とを用いてブレーキトルクの制御目標値を決定してもよい。また、比例弁62,64に入力される電流値とブレーキトルクには一般にほぼ比例的な関係が成り立つため、ブレーキ力調節部72は、この比例関係(もしくは両者の関係のマップを用いてもよい)により比例弁への指令値を決定し制御することができる。
コントローラ70のブレーキ力調節部72は、図6のフローチャートにおけるステップS18のフリー同調制御を、図10に示すようなフィードバック制御を用いて行うことが好ましい。具体的には以下の通りである。
図10に示すように、ブレーキ力調節部72は、バケット装置10の開閉状態の判定結果と、第1のブレーキ操作ペダル52Aに与えられる第1のペダル操作の操作量と、図8又は図9に示すマップと、に基づいて、第1のブレーキ用比例弁62に入力する指令の目標値である主巻フリー比例弁目標値(フィードフォワード、以下「FF」と記載する。)と、第2のブレーキ用比例弁64に入力する指令の目標値である補巻フリー比例弁目標値(FF)と、を演算する。
ブレーキ力調節部72は、開閉状態判定部71により判定されたバケット装置10の開閉状態に基づいてバケット装置10の開度の目標値又は当該開度に対応する値の目標値ΔL2を設定する。具体的には、本実施形態では、ブレーキ力調節部72は、第1及び第2の回転センサ81,82から入力される検出信号に基づいて、主補繰り出し量相対差の目標値である主補繰り出し量相対差目標値ΔL2を演算する。主補繰り出し量相対差目標値ΔL2は、バケット装置10の開度に対応する値の目標値の一例である。ブレーキ力調節部72は、このフリー同調制御が開始されてから1回目に推定された(1回目に演算された)第1の繰り出し量Lmと第2の繰り出し量Laとの差(Lm-La)を、主補繰り出し量相対差目標値ΔL2として設定する。以下では、主補繰り出し量相対差目標値ΔL2を単に相対差目標値ΔL2と称することがある。
ブレーキ力調節部72は、第1及び第2の回転センサ81,82から入力される検出信号に基づいて、第1のウインチロープR1の第1の繰り出し量Lm及び第2のウインチロープR2の第2の繰り出し量Laを演算し、これらの相対差である実相対差ΔL(ΔL=Lm-La)を演算する。
ブレーキ力調節部72は、相対差目標値ΔL2と実相対差ΔLとの偏差(ΔL2-ΔL)を演算し、この偏差(ΔL2-ΔL)に基づいたフィードバック制御(例えばPID制御)をかけることにより、主巻フリー比例弁目標値(フィードバック、以下「FB」と記載する。)と、補巻フリー比例弁目標値(FB)と、を演算する。
ブレーキ力調節部72は、前記偏差(ΔL2-ΔL)と例えば下記の式(19)及び式(20)とを用いて、主巻フリー比例弁目標値(FB)及び補巻フリー比例弁目標値(FB)をそれぞれ演算することができる。
主巻フリー比例弁目標値(FB)=比例ゲイン×偏差+積分ゲイン×偏差積分値+微分ゲイン×偏差微分値 ・・・(19)
補巻フリー比例弁目標値(FB)=-(比例ゲイン×偏差+積分ゲイン×偏差積分値+微分ゲイン×偏差微分値) ・・・(20)
ブレーキ力調節部72は、主巻フリー比例弁目標値(FF)に主巻フリー比例弁目標値(FB)を加えることで主巻フリー比例弁目標値(最終)を演算し、補巻フリー比例弁目標値(FF)に補巻フリー比例弁目標値(FB)を加えることで補巻フリー比例弁目標値(最終)を演算する。ブレーキ力調節部72は、演算された主巻フリー比例弁目標値(最終)を第1のブレーキ用比例弁62に入力し、演算された補巻フリー比例弁目標値(最終)を第2のブレーキ用比例弁64に入力する。なお、図10に示す「主補フリー装置」は、比例弁62,64を含む。
前記偏差(ΔL2-ΔL)が例えば正の値である場合、フリー同調制御が開始された時点の姿勢である初期姿勢に比べて第1の繰り出し量(主巻の繰り出し量)と第2の繰り出し量(補巻の繰り出し量)との差が小さくなっており、これは、バケット装置10の姿勢が初期姿勢に比べて閉じる方向に変位していること(閉じ勝手になっていること)を意味する。この場合、第1のブレーキ力(主巻のブレーキ力)を弱めることで第1の繰り出し量を増加させるか、第2のブレーキ力(補巻のブレーキ力)を強めることで第2の繰り出し量を減少させて、実相対差ΔLを増加させて相対差目標値ΔL2に近づける必要がある。このための方法として、例えばP制御では、ΔLに比例ゲインを掛けてP制御による比例弁目標値の補正量を演算し、この補正量を補巻の比例弁目標値に加算値として与えるか、あるいは主巻の比例弁目標値に減算値として与えることで、上記のような補正制御を行うことができる。比例ゲインは、上記主巻の補正値の演算と補巻の補正値の演算毎に異なる値としてもよい。また偏差の積分値を演算し、これに積分ゲインをかけることで積分制御を行ってもよい。また、偏差の微分を演算し、これに微分ゲインをかけることで微分制御を行ってもよい。
[非同調制御モード]
次に、非同調制御モードについて説明する。上述したように、コントローラ70は、非同調制御モードのオンを指定するための前記オン指令信号が非同調制御モードスイッチ90から入力されると(ステップS11においてYES)、制御モードを非同調制御モードに設定する(ステップS12)。
図11は、コントローラ70が行う非同調制御モードにかかる演算制御動作を示すフローチャートである。バケットアシストモードスイッチ91がオンの状態で、非同調制御モードスイッチ90がオンの状態である場合において、第1のウインチ操作レバー51Aに対して巻き取り操作が与えられ(ステップS31においてYES)、かつ、第1のブレーキ操作ペダル52Aが踏まれた状態が維持されている場合(ステップS32においてYES)、コントローラ70は、バケット装置10の高さを維持しながらバケット装置10を閉じる方向に動作させるバケット静止閉じ制御を行う。このバケット静止閉じ制御では、ブレーキ力調節部72は、バケット支持側である第2のブレーキ力を大きくしてブレーキをかけた状態となるように比例弁64を制御し、ドラム動作制御部73は、バケット開閉側である第1のウインチドラムDR1が第1のウインチ操作レバー51Aに与えられる巻き取り操作の操作量に応じて巻き取り方向に回転するように比例弁61Bを制御する。
なお、第1のブレーキ操作ペダル52Aが踏まれた状態が維持されている場合とは、第1のブレーキ操作ペダル52Aが踏まれた状態で、かつ、第1のブレーキ力を小さくするように第1のブレーキ操作ペダル52Aが操作されていない場合のことをいう。
また、バケットアシストモードスイッチ91がオンの状態で、非同調制御モードスイッチ90がオンの状態である場合において、第1のウインチ操作レバー51Aに対して巻き取り操作が与えられ(ステップS31においてYES)、かつ、第1のブレーキ力を小さくする(弱める)ように第1のブレーキ操作ペダル52Aが操作された場合(ステップS32においてNO)、コントローラ70は、バケット装置10を閉じる方向に動作させ、かつ、第1のブレーキ操作ペダル52Aに対する操作量の減少に応じて第2のブレーキ力(第2のウインチロープR2の張力)を小さくするような掘削制御を行う(ステップS34)。この掘削制御では、土をバケット装置10で掘削する際に、掘削しながらバケット装置10が下に沈むようにバケット装置10を動作させることができる。この制御は、バケット装置10の高さを変えずにバケット装置10を閉じる上述したバケット静止閉じ制御に比べて、より多くの土を掴むことが可能となる。この掘削制御では、ブレーキ力調節部72は、バケット支持側である第2のブレーキ力が第1のブレーキ操作ペダル52Aに対する操作量の減少に応じてを小さくなるように比例弁64を制御し、ドラム動作制御部73は、バケット開閉側である第1のウインチドラムDR1が第1のウインチ操作レバー51Aに与えられる巻き取り操作の操作量に応じて巻き取り方向に回転するように比例弁61Bを制御する。
また、バケットアシストモードスイッチ91がオンの状態で、非同調制御モードスイッチ90がオンの状態である場合において、第1のウインチ操作レバー51Aに対して巻き取り操作及び繰り出し操作の何れもが与えられず第1のウインチ操作レバー51Aが中立位置にあり(ステップS31においてNO)、かつ、第1のブレーキ力を小さくする(弱める)ように第1のブレーキ操作ペダル52Aが操作された場合(ステップS35においてYES)、コントローラ70は、バケット装置10の高さを維持しながらバケット装置10が開くようなバケット静止開き制御を行う。このバケット静止開き制御では、バケット装置10は、第2のウインチロープR2(補巻ロープ)で支持される一方で、第1のウインチロープR1をフリーの状態にして第1のウインチロープR1の張力を減少させることにより、空中でバケット装置10が開く動作が実行される。このバケット静止開き制御では、ブレーキ力調節部72は、バケット支持側である第2のブレーキ力を大きくしてブレーキをかけた状態でバケット開閉側である第1のブレーキ力が第1のブレーキ操作ペダルのペダル操作量に応じて変化するように第1のブレーキ用比例弁62及び第2のブレーキ用比例弁64をそれぞれ制御する。
本開示は、以上説明した実施形態に限定されない。本開示は、例えば次のような形態を含む。
(A)クレーンの仕様について
図1に示す前記実施形態に係るクレーンは、ジブ及びストラットを備えていないが、クレーンの仕様は、図1に示すものに限定されない。本開示に係るクレーンは、ジブ、フロントストラット及びリヤストラットを備えるラッフィングクレーンであってもよく、ジブ及び1つのストラットを備える固定ジブ仕様のクレーンであってもよい。また、本開示に係るクレーンは、ガントリではなくマストを備えるクレーン(例えば大型のクレーン)であってもよい。
(B)ウインチロープ及びウインチドラムについて
前記実施形態では、第1のウインチロープR1が開閉ロープであり、第2のウインチロープR2が支持ロープであり、第1のウインチドラムDR1が開閉ドラムであり、第2のウインチドラムDR2が支持ドラムであるが、これらは逆の構成であってもよい。すなわち、第1のウインチロープR1が支持ロープであり、第2のウインチロープR2が開閉ロープであり、第1のウインチドラムDR1が支持ドラムであり、第2のウインチドラムが開閉ドラムであってもよい。
(C)開閉状態判定部は、一対のバケット13,13の下端部同士の相対位置に基づいてバケット装置10の開閉状態を判定するように構成されていてもよい。この場合、バケット制御装置は、一対のバケット13,13の下端部同士の相対位置を検出する検出センサを備える。当該検出センサは、例えば、一対のバケット13,13の下端部同士が接触しているか否かを検出するセンサであってもよく、一対のバケット13,13の下端部同士の距離を検出するセンサであってもよい。
(D)開度の目標値について
前記実施形態では、バケット装置10の開度に対応する値の目標値として、主補繰り出し量相対差目標値ΔL2が用いられたが、当該目標値としては、バケット装置10の開度が用いられてもよい。
(E)操作装置について
本開示に係る操作装置は、第1及び第2のウインチの種類及びその駆動装置によって適宜選定すればよい。例えば、図2及び図3に示される第1のウインチ操作装置51、第2のウインチ操作装置53、第1のブレーキ操作装置52及び第2のブレーキ操作装置54の操作装置本体51B,53B,52B,54Bのそれぞれが、操作に応じたパイロット圧を出力するリモコン弁に置換されてもよい。この場合、比例弁61A,61Bが第1のウインチ操作装置51の前記リモコン弁と第1のコントロールバルブの一対のパイロットポートとの間にそれぞれ介在し、比例弁63A,63Bが第2のウインチ操作装置53の前記リモコン弁と第2のコントロールバルブ33の一対のパイロットポートとの間にそれぞれ介在する。また、比例弁62が第1のブレーキ操作装置52の前記リモコン弁と第1のクラッチブレーキ40Aとの間に介在し、比例弁64が第2のブレーキ操作装置54の前記リモコン弁と第2のクラッチブレーキ40Bとの間に介在する。
(F)ウインチについて
本開示に係る第1及び第2のウインチは、例えば電動ウインチであってもよい。この場合、図3に示す油圧回路は、当該電動ウインチを駆動する電気回路(例えばインバータを含む回路)に置換されることが可能である。
10 :バケット装置
34 :第1のウインチモータ
35 :第2のウインチモータ
40 :クラッチブレーキ機構
40A :第1のクラッチブレーキ
40B :第2のクラッチブレーキ
51 :第1のウインチ操作装置
52 :第1のブレーキ操作装置
53 :第2のウインチ操作装置
54 :第2のブレーキ操作装置
61A :第1の繰り出し用比例弁
61B :第1の巻き取り用比例弁
62 :第1のブレーキ用比例弁
63A :第2の繰り出し用比例弁
63B :第2の巻き取り用比例弁
64 :第2のブレーキ用比例弁
70 :コントローラ
71 :開閉状態判定部
72 :ブレーキ力調節部
73 :ドラム動作制御部
90 :非同調制御モードスイッチ(片側開閉スイッチ)
91 :バケットアシストモードスイッチ
100 :クレーン
DR1 :第1のウインチドラム(開閉ドラムの一例)
DR2 :第2のウインチドラム(支持ドラムの一例)
La :第2の繰り出し量
Lm :第1の繰り出し量
R1 :第1のウインチロープ(開閉ロープの一例)
R2 :第2のウインチロープ(支持ロープの一例)
ΔL2 :目標値

Claims (9)

  1. 第1のウインチロープの繰り出し及び巻き取りを行う第1のウインチドラムと、
    第2のウインチロープの繰り出し及び巻き取りを行う第2のウインチドラムと、
    前記第1のウインチロープ及び前記第2のウインチロープが接続され、前記第1のウインチドラムの回転及び前記第2のウインチドラムの回転に応じて開閉可能で昇降可能なバケット装置と、を備える建設機械におけるバケット制御装置であって、
    前記第1のウインチロープ及び前記第2のウインチロープを前記第1のウインチドラム及び前記第2のウインチドラムから前記バケット装置の重量によって繰り出すことが可能な状態であるフリー状態にすることが可能なクラッチブレーキ機構であって、前記第1のウインチドラム及び前記第2のウインチドラムに対して第1のブレーキ力及び第2のブレーキ力をそれぞれ与えることが可能なクラッチブレーキ機構と、
    前記第1のブレーキ力を調節するための第1のブレーキ操作が与えられる第1のブレーキ操作装置と、
    前記第2のブレーキ力を調節するための第2のブレーキ操作が与えられる第2のブレーキ操作装置と、
    前記第1のブレーキ力及び前記第2のブレーキ力を前記第1のブレーキ操作に基づいて調節することが可能な同調制御モードに制御モードを設定することが可能な制御モード設定部と、
    前記バケット装置が開き状態であるか否かを判定する開閉状態判定部と、
    前記制御モードが前記同調制御モードに設定され、前記第1のブレーキ力を小さくするような前記第1のブレーキ操作が前記第1のブレーキ操作装置に与えられ、かつ、前記バケット装置が前記開き状態であると前記開閉状態判定部が判定した場合に、前記バケット装置の前記開き状態が維持されながら前記バケット装置がその自重によって下降するように前記第1のブレーキ力及び前記第2のブレーキ力を調節する制御である開き下げ制御を行うブレーキ力調節機構と、を備える、建設機械におけるバケット制御装置。
  2. 請求項1に記載の建設機械におけるバケット制御装置であって、
    前記開閉状態判定部は、前記バケット装置が閉じ状態であるか否かをさらに判定することが可能であり、
    前記ブレーキ力調節機構は、前記制御モードが前記同調制御モードに設定され、前記第1のブレーキ力を小さくするような前記第1のブレーキ操作が前記第1のブレーキ操作装置に与えられ、かつ、前記バケット装置が前記閉じ状態であると前記開閉状態判定部が判定した場合に、前記バケット装置の前記閉じ状態が維持されながら前記バケット装置がその自重によって下降するように前記第1のブレーキ力及び前記第2のブレーキ力を調節する制御である閉じ下げ制御を行う、建設機械におけるバケット制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の建設機械におけるバケット制御装置であって、
    前記第1のウインチロープは、前記バケット装置の開閉を行うための開閉ロープであり、前記第2のウインチロープは、前記バケット装置を支持する支持ロープであり、
    前記第1のウインチドラムは、前記開閉ロープの繰り出し及び巻き取りを行う開閉ドラムであり、前記第2のウインチドラムは、前記支持ロープの繰り出し及び巻き取りを行う支持ドラムであり、
    前記クラッチブレーキ機構は、
    前記第1のウインチドラムに対して前記第1のブレーキ力を与えることが可能な第1のクラッチブレーキと、
    前記第2のウインチドラムに対して前記第2のブレーキ力を与えることが可能な第2のクラッチブレーキと、を含み、
    前記ブレーキ力調節機構は、
    前記第1のブレーキ力を調節するための第1のパイロット圧を前記第1のクラッチブレーキに出力する第1のブレーキ用比例弁と、
    前記第2のブレーキ力を調節するための第2のパイロット圧を前記第2のクラッチブレーキに出力する第2のブレーキ用比例弁と、
    前記開き下げ制御において、前記第2のブレーキ力が前記第1のブレーキ力よりも予め設定された比率以上高くなるように前記第1のブレーキ用比例弁及び前記第2のブレーキ用比例弁に指令を与えるブレーキ力調節部と、を含む、建設機械におけるバケット制御装置。
  4. 請求項1~3の何れか1項に記載の建設機械におけるバケット制御装置であって、
    前記第1のウインチロープの繰り出し量である第1の繰り出し量を検出するための第1の検出器と、
    前記第2のウインチロープの繰り出し量である第2の繰り出し量を検出するための第2の検出器と、をさらに備え、
    前記開閉状態判定部は、前記第1の繰り出し量と前記第2の繰り出し量との差に基づいて前記バケット装置の開閉状態を判定する、建設機械におけるバケット制御装置。
  5. 請求項4に記載の建設機械におけるバケット制御装置であって、
    前記ブレーキ力調節機構は、前記開き下げ制御において、前記開閉状態判定部により判定された前記バケット装置の開閉状態に基づいて前記バケット装置の開度の目標値又は当該開度に対応する値の目標値を設定し、前記バケット装置の実際の開度又はこれに対応する値と前記目標値との偏差を演算し、前記偏差をフィードバックすることで前記偏差を減少させるような制御を行う、建設機械におけるバケット制御装置。
  6. 請求項1~5の何れか1項に記載の建設機械におけるバケット制御装置であって、
    前記第1のウインチロープの繰り出しを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の繰り出し操作及び前記第1のウインチロープの巻き取りを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の巻き取り操作が与えられる第1のウインチ操作装置と、
    前記第2のウインチロープの繰り出しを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の繰り出し操作及び前記第2のウインチロープの巻き取りを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の巻き取り操作が与えられる第2のウインチ操作装置と、
    ドラム動作制御部と、をさらに備え、
    前記クラッチブレーキ機構は、前記フリー状態と、前記第1のウインチドラム及び前記第2のウインチドラムを駆動するための駆動力を前記第1のウインチドラム及び前記第2のウインチドラムに伝えることが可能な接続状態と、の間で切り換わることが可能なように構成され、
    前記同調制御モードでは、前記クラッチブレーキ機構が前記接続状態であるときに前記第1のウインチドラムの動作及び前記第2のウインチドラムの動作を前記第1の繰り出し操作及び前記第1の巻き取り操作の一方に基づいて制御することが可能であり、
    前記ドラム動作制御部は、
    前記制御モードが前記同調制御モードに設定され、前記第1のウインチ操作装置に対して前記第1の繰り出し操作が与えられた場合に、前記バケット装置の開閉状態が維持されながら前記バケット装置が下降するように前記第1のウインチドラムの動作及び前記第2のウインチドラムの動作を制御し、
    前記制御モードが前記同調制御モードに設定され、前記第1のウインチ操作装置に対して前記第1の巻き取り操作が与えられた場合に、前記バケット装置の開閉状態が維持されながら前記バケット装置が上昇するように前記第1のウインチドラムの動作及び前記第2のウインチドラムの動作を制御する、建設機械におけるバケット制御装置。
  7. 請求項1~5の何れか1項に記載の建設機械におけるバケット制御装置であって、
    前記第1のウインチロープの繰り出しを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の繰り出し操作及び前記第1のウインチロープの巻き取りを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の巻き取り操作が与えられる第1のウインチ操作装置と、
    前記第2のウインチロープの繰り出しを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の繰り出し操作及び前記第2のウインチロープの巻き取りを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の巻き取り操作が与えられる第2のウインチ操作装置と、をさらに備え、
    前記制御モード設定部は、前記制御モードを、前記同調制御モードと非同調制御モードとを含む複数のモードのうちの何れかに設定することが可能なように構成され、
    前記ブレーキ力調節機構は、前記制御モードが前記非同調制御モードに設定され、前記第1のウインチ操作装置に対して前記第1の巻き取り操作が与えられた場合に、前記バケット装置の高さを維持しながら前記バケット装置を閉じる方向に動作させる制御であるバケット静止閉じ制御を行う、建設機械におけるバケット制御装置。
  8. 請求項1~5の何れか1項に記載の建設機械におけるバケット制御装置であって、
    前記第1のウインチロープの繰り出しを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の繰り出し操作及び前記第1のウインチロープの巻き取りを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の巻き取り操作が与えられる第1のウインチ操作装置と、
    前記第2のウインチロープの繰り出しを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の繰り出し操作及び前記第2のウインチロープの巻き取りを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の巻き取り操作が与えられる第2のウインチ操作装置と、をさらに備え、
    前記制御モード設定部は、前記制御モードを、前記同調制御モードと非同調制御モードとを含む複数のモードのうちの何れかに設定することが可能なように構成され、
    前記ブレーキ力調節機構は、前記制御モードが前記非同調制御モードに設定され、前記第1のウインチ操作装置に対して前記第1の巻き取り操作が与えられ、かつ、第1のブレーキ力を小さくするように第1のブレーキ操作装置が操作された場合に、前記バケット装置を閉じる方向に動作させ、かつ、第1のブレーキ操作装置に対する操作量の減少に応じて第2のブレーキ力を小さくする制御である掘削制御を行う、建設機械におけるバケット制御装置。
  9. 請求項1~5の何れか1項に記載の建設機械におけるバケット制御装置であって、
    前記第1のウインチロープの繰り出しを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の繰り出し操作及び前記第1のウインチロープの巻き取りを行うように前記第1のウインチドラムを回転させるための第1の巻き取り操作が与えられる第1のウインチ操作装置と、
    前記第2のウインチロープの繰り出しを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の繰り出し操作及び前記第2のウインチロープの巻き取りを行うように前記第2のウインチドラムを回転させるための第2の巻き取り操作が与えられる第2のウインチ操作装置と、をさらに備え、
    前記制御モード設定部は、前記制御モードを、前記同調制御モードと非同調制御モードとを含む複数のモードのうちの何れかに設定することが可能なように構成され、
    前記ブレーキ力調節機構は、前記制御モードが前記非同調制御モードに設定され、前記第1のウインチ操作装置に対して前記第1の繰り出し操作及び前記第1の巻き取り操作の何れも与えられられておらず、かつ、第1のブレーキ力を小さくするように第1のブレーキ操作装置が操作された場合に、前記バケット装置の高さを維持しながら前記バケット装置を開く方向に動作させる制御であるバケット静止開き制御を行う、建設機械におけるバケット制御装置。
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