JP2023022745A - 押出ラミネートフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 ガスバリア性、接着性、フィルム外観、生産性に優れた積層体を得ることができる押出ラミネートフィルムを提供する。【解決手段】 少なくとも隣接してなる基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、(A)層及び(E)層がそれぞれ(i)~(iii)を満たすポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)、(B)層及び(D)層がそれぞれ接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)、(C)層が(iv)~(v)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)から構成されることを特徴とする押出ラミネートフィルムを用いる。(i)JIS K6922-1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(MFRPO)が1.0g/10分以上10.0g/10分以下(ii)温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(MSPO)が3mN以上50mN以下(iii)MFRPO(g/10分)とMSPO(mN)の積MFRPO×MSPOが70以上250以下(iv)エチレン含量C2が50mol%以下(v)ISO1133により測定した190℃におけるMFREVOHが1.0g/10分以上8.0g/10分以下【選択図】なし
Description
本発明は、ガスバリア性、接着性、フィルム外観、生産性に優れる押出ラミネートフィルムに関するものである。
食品や飲料、医薬品などの熱可塑性樹脂を素材とした包装材料として、内容物劣化の防止を目的に、ガスバリア性、保香性、耐溶剤性などに優れるエチレン・ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略すことがある)が、種々の用途で使用されている。しかしながらEVOHはラミネート成形性、防湿性に劣るため、押出ラミネートフィルムへの適用は実用的ではなかった。
このような中、ラミネート成形性、防湿性の改良として、ポリエチレン、接着性樹脂、EVOHからなる多層フィルムをポリエチレン系樹脂でサンドラミする手法(例えば、特許文献1参照)やポリエチレン系樹脂、酸変性ポリオレフィン、EVOHを共押出ラミネート成形する手法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
しかし、前者ではEVOHを含む多層フィルムを別の工程で成形する必要があり、製造コストが高く生産性に劣っていた。また、後者では使用するポリエチレンに従来の押出ラミネート用ポリエチレンを使用しており、延伸性が低く高速成形ができないため生産性に劣っていた。
また、EVOHを共押出ラミネート成形する時の延伸性を改善する手法には、ポリエチレンのメルトマスフローレートを上げる手法、もしくはポリエチレンの成形温度を上げる手法があるが、いずれの手法もラミネートフィルム端部にポリエチレンが回り込むマイグレーションが発生したり、ネックインが大きくなったりするため、端部のロスが多く生産性に劣っていた。
このような背景から、従来よりガスバリア性、接着性、フィルム外観に優れ、且つ生産性の高い押出ラミネートフィルムが望まれていた。
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、優れたガスバリア性、接着性、フィルム外観、生産性を示す押出ラミネートフィルムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の押出ラミネートフィルムが優れたガスバリア性、接着性、フィルム外観、生産性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は少なくとも隣接してなる基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、(A)層及び(E)層が(i)~(iii)を満たすポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)、(B)層及び(D)層が接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)、(C)層が(iv)~(v)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)から構成されることを特徴とする押出ラミネートフィルムに関するものである。
(i)JIS K6922-1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(MFRPO)が1.0g/10分以上10.0g/10分以下
(ii)温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(MSPO)が3mN以上50mN以下
(iii)MFRPO(g/10分)とMSPO(mN)の積MFRPO×MSPOが70以上250以下
(iv)エチレン含量C2が50mol%以下
(v)ISO1133により測定した190℃におけるMFREVOHが1.0g/10分以上8.0g/10分以下
(i)JIS K6922-1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(MFRPO)が1.0g/10分以上10.0g/10分以下
(ii)温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(MSPO)が3mN以上50mN以下
(iii)MFRPO(g/10分)とMSPO(mN)の積MFRPO×MSPOが70以上250以下
(iv)エチレン含量C2が50mol%以下
(v)ISO1133により測定した190℃におけるMFREVOHが1.0g/10分以上8.0g/10分以下
本発明によれば、接着性、フィルム外観、生産性に優れた積層体を提供することができる。
以下、本発明の一態様である押出ラミネートフィルムを詳細に説明する。
本発明は少なくとも隣接してなる基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、(A)層及び(E)層が(i)~(iii)を満たすポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)、(B)層及び(D)層が接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)、(C)層が(iv)~(v)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)から構成されることを特徴とする押出ラミネートフィルムに関するものである。
(i)JIS K6922-1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(MFRPO)が1.0g/10分以上10.0g/10分以下
(ii)温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(MSPO)が3mN以上50mN以下
(iii)MFRPO(g/10分)とMSPO(mN)の積MFRPO×MSPOが70以上250以下
(iv)エチレン含量C2が50mol%以下
(v)ISO1133により測定した190℃におけるMFREVOHが1.0g/10分以上8.0g/10分以下
(i)JIS K6922-1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(MFRPO)が1.0g/10分以上10.0g/10分以下
(ii)温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(MSPO)が3mN以上50mN以下
(iii)MFRPO(g/10分)とMSPO(mN)の積MFRPO×MSPOが70以上250以下
(iv)エチレン含量C2が50mol%以下
(v)ISO1133により測定した190℃におけるMFREVOHが1.0g/10分以上8.0g/10分以下
本発明の押出ラミネートフィルムにおいて、(A)層及び(E)層はそれぞれポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)により構成される。ここで、(A)層を構成するポリオレフィン(a)及び(E)層を構成するポリオレフィン(e)はそれぞれ独立して同一であってもよく、相異なってもよい。
ポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)としては、特に限定はなく、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどの炭素数2~12のα-オレフィンの単独重合体若しくはこれらの共重合体、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体などが挙げられる。より具体的には、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのエチレン単独重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、ポリ1-ブテン、ポリ1-ヘキセン、ポリ4-メチル-1-ペンテン等が挙げられる。ポリオレフィン(a)は、1種単独又は2種以上の組成物で用いてもよい。中でも、成形性の観点から低密度ポリエチレンを含むことが好ましい。
このような低密度ポリエチレンは、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又はこれらの組成物から構成される。
高圧法低密度ポリエチレンの製造方法は、高圧ラジカル重合を例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えば東ソー株式会社からペトロセンの商品名で市販されている。
直鎖状低密度ポリエチレンは、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法により、エチレンとα-オレフィンを共重合することで得ることができる。
直鎖状低密度ポリエチレンに用いるα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上が用いられる。
このような直鎖状低密度ポリエチレンは、市販品の中から便宜選択することができる。例えば東ソー株式会社からニポロン-L、ニポロン-Z、ルミタックの商品名で各々市販されている。
本発明を構成するポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)のJIS K6922-1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(以下、「MFRPO」と略す)は、生産性に優れることから、1.0g/10分以上10.0g/10分以下の範囲であり、より好ましくは1.0g/10分以上6.0g/10分以下、最も好ましくは3.0g/10分以上5.0g/10分以下の範囲である。MFRPOが1.0g/10分未満の範囲では延伸性に劣るため好ましくなく、10.0g/分を超える範囲ではマイグレーションが大きくなるため好ましくない。
また、本発明を構成するポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)の温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(以下、「MSPO」と略す)は、生産性に優れるため、3mN以上50mN以下の範囲であり、より好ましくは10mN以上45mN以下、最も好ましくは15mN以上40mN以下の範囲である。ポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)のMSPOが3mN未満ではラミネート加工性に劣るため好ましくなく、50mNを超える範囲では、延伸性に劣るため好ましくない。
本発明におけるMSPOは、バレル直径9.55mmの毛管粘度計に長さが8mm、直径が2.095mm、流入角が90°であるダイス、及び、保温チャンバーを装着した条件で、押出速度10m/分、引取速度10m/分、設定温度190℃で測定した値である。
本発明を構成するポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)のMFRPO(g/10分)とMSPO(mN)の積MFRPO×MSPOは、生産性に優れることから、70以上250以下の範囲であり、より好ましくは70以上200以下の範囲であり、最も好ましくは90以上160以下の範囲である。MFRPO×MSPOが70未満の範囲ではラミネート加工性に劣るため好ましくなく、250を超える範囲では延伸性に劣るため好ましくない。
ポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)のJIS K6922-1(1997年)により測定された密度(以下、単に密度と略す)は特に限定はなく、成形性に優れるため、910~930kg/m3の範囲が好ましく、より好ましくは914~925kg/m3の範囲である。
本発明におけるポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)には、本目的が達成される限りにおいて、その他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。
本発明の積層体を構成するポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)に熱可塑性樹脂を混合する時は、ポリオレフィンのペレットと熱可塑性樹脂のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリオレフィンの融点~300℃程度が好ましい。
また、本発明の積層体を構成するポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
本発明の押出ラミネートフィルムにおいて、(B)層及び(D)層はそれぞれ接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)により構成される。ここで、(B)層を構成する接着性樹脂(b)及び(D)層を構成する接着性樹脂(d)はそれぞれ独立して同一であってもよく、相異なってもよい。
接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)としては、本目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、例えば、成形用途で使用されるような公知のものを挙げることができる。このような接着性樹脂としては、マレイン酸や無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸もしくはその無水物やボロン酸などで変性した酸変性ポリオレフィン、ポリアミドグラフト化ポリオレフィンなどのエチレン、プロピレン、1-ブテンなどの炭素数2~12のα-オレフィンの単独重合体若しくはこれらの共重合体の変性物、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、エチレン・ビニルエステル共重合体ケン化物、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸との共重合体などが例示される。これらの中で、接着性、コストの観点から、少なくとも無水マレイン酸変性ポリオレフィン(以下、「MAH-PE」と略すことがある)を含むことが好ましい。
このような無水マレイン酸変性ポリオレフィンは特に限定はなく、オレフィン成分と無水マレイン酸との共重合体でもよく、無水マレイン酸でグラフト変性されたポリオレフィンでもよい。また、このような樹脂の製造方法も特に限定はない。
無水マレイン酸変性ポリオレフィンを構成するオレフィン成分としては特に限定はなく、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1ーヘキセン、1-オクテン、酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸グリシジルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸などが例示でき、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
このような無水マレイン酸変性ポリオレフィンの無水マレイン酸含有量は、接着性、フィルム外観に優れることから、0.10~1.2重量%が好ましく、より好ましくは0.40~1.0重量%、最も好ましくは0.40~0.80重量%である。
このような樹脂は市販品の中から便宜選択することができ、例えばオレフィン成分と無水マレイン酸との共重合体として、ダウ・ケミカル日本(株)からアンプリファイの商品名で、SK綜合化學ジャパン(株)からRotader、Bondine、OREVAC Tの商品名で各々市販されている。また、無水マレイン酸でグラフト変性されたポリオレフィンとして、例えば三井化学(株)からアドマー、モディックの商品名で、ダウ・ケミカル日本(株)からフサボンドの商品名で、SK綜合化學ジャパン(株)からOREVAC Gの商品名で、Addivant Japan合同会社からポリボンドの商品名で各々市販されている。
接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)としては、接着性、フィルム外観の観点から、少なくともポリオレフィンと無水マレイン酸変性ポリオレフィンを含むポリオレフィン組成物であることが好ましい。
ポリオレフィン組成物は、接着性、フィルム外観の観点から、ポリオレフィンを50~90重量部、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを10~50重量部(ポリオレフィンと無水マレイン酸変性ポリオレフィンの合計は100重量部)含むものであり、より好ましくはポリオレフィンを65~85重量部、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを15~35重量部(ポリオレフィンと無水マレイン酸変性ポリオレフィンの合計は100重量部)含むものである。
ポリオレフィンとしては、特に限定はなく、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどの炭素数2~12のα-オレフィンの単独重合体若しくはこれらの共重合体、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体などが挙げられる。
例えば、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのエチレン単独重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、ポリ1-ブテン、ポリ1-ヘキセン、ポリ4-メチル-1-ペンテン等が挙げられる。ポリオレフィンは、1種単独又は2種以上の組成物で用いてもよい。中でも、成形性の観点から高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、ポリプロピレンからなる群の少なくとも1種が好ましく、これらの組成物が成形性にも優れるため最も好ましい。
高圧法低密度ポリエチレンの製造方法は、高圧ラジカル重合を例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えば東ソー株式会社からペトロセンの商品名で市販されている。高密度ポリエチレン、エチレン・1-ブテン共重合体及びエチレン・1-へキセン共重合体の製造方法は特に限定するものではないが、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができる。例えば東ソー株式会社からニポロンハード、ニポロン-L、ニポロン-Z、ルミタックの商品名で各々市販されている。
エチレン・酢酸ビニル共重合体の製造方法は特に限定されないが、高圧法ラジカル重合、溶液重合やラテックス重合等の公知の製造方法が挙げられ、このような樹脂は市販品の中から便宜選択することができ、エチレン・酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社からウルトラセンの商品名で市販されている。
このようなポリオレフィン組成物の混合方法は特に限定はなく、ポリオレフィンのペレットと無水マレイン酸変性ポリオレフィンのペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、品質の安定性の観点から溶融混練した混合物の方が好ましい。
このような溶融混練の方法は、各成分を均一に分散しうる溶融混練装置であれば特に制限はなく、通常用いられる樹脂の混合装置により製造することができる。例えば、単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、回転ロール、ラボプラストミルなどの溶融混練装置が挙げられる。溶融温度はポリオレフィンの融点~260℃程度が好ましい。
本発明を構成する接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)のJIS K6922-1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(以下、「MFRADD」と略す)は、生産性に優れることから、1.0g/10分以上10.0g/10分以下の範囲が好ましく、より好ましくは1.0g/10分以上6.0g/10分以下、最も好ましくは3.0g/10分以上5.0g/10分以下の範囲である。
また、本発明を構成する接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)の温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(以下、「MSADD」と略す)は、生産性に優れるため、3mN以上50mN以下の範囲が好ましく、より好ましくは10mN以上45mN以下、最も好ましくは15mN以上40mN以下の範囲である。
本発明におけるMSADDは、バレル直径9.55mmの毛管粘度計に長さが8mm、直径が2.095mm、流入角が90°であるダイス、及び、保温チャンバーを装着した条件で、押出速度10m/分、引取速度10m/分、設定温度190℃で測定した値である。
本発明を構成する接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)のMFRADD(g/10分)とMSADD(mN)の積MFRADD×MSADDは、生産性に優れることから、70以上250以下の範囲が好ましく、より好ましくは70以上200以下の範囲であり、最も好ましくは90以上160以下の範囲である。
本発明を構成する接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)には、本目的が達成される限りにおいて、その他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。本発明を構成する接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)に熱可塑性樹脂を混合する時は、ポリオレフィン組成物のペレットと熱可塑性樹脂のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリオレフィン組成物の融点~300℃程度が好ましい。
また、本発明を構成する接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
本発明を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のエチレン含有量C2は、ガスバリア性に優れることから、50mol%以下であり、好ましくは20~35mol%である。これにより、ガスバリア性がより向上する。ここで、C2(mol%)はエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)に含まれるモノマー単位におけるエチレン成分の含有率のことである。
エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)の製造方法としては、特に限定はなく、例えば、公知の方法にしたがって、エチレンと脂肪酸ビニルエステルとの共重合体を製造し、次いで、これを加水分解することによってEVOHを製造することができる。
また、EVOHはエチレン単位及びビニルアルコール単位に加えて、少量であれば他の構成単位を有していてもよい。
このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えばクラレ(株)からエバール、三菱ケミカル(株)からソアノール、Gソアノールの商品名で各々市販されている。
このようなエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のISO1133に準拠して測定した190℃におけるメルトマスフローレート(温度190℃、荷重2.16kg、以下、「MFREVOH」と略す)は、成形性及びフィルム外観の観点から、1.0g/10分以上8.0g/10分以下の範囲であり、1.0g/10分以上6.0g/10分以下であることがより好ましく、1.0g/10分以上3.0g/10分以下であることが最も好ましい。MFREVOHが1.0g/10分未満の範囲では延伸性に劣るため好ましくなく、8.0g/分を超える範囲ではフィルム外観に劣るため好ましくない。
また、エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のISO1133に準拠して測定した210℃におけるメルトマスフローレート(温度210℃、荷重2.16kg)は、成形性及びフィルム外観の観点から、2.5~20.0g/10分の範囲が好ましく、2.5~15.0g/10分であることがより好ましく、2.5~7.5g/10分であることが最も好ましい。
エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のISO1183-3に準拠して測定した20℃における密度(以下、「DEVOH」と略す)は、フィルム外観及び接着性の観点から、1190kg/m3未満が好ましく、1100~1180kg/m3であることがより好ましく、1140~1180kg/m3であることが最も好ましい。
また、フィルム外観及び接着性に優れることから、エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のエチレン含有量C2(mol%)と密度DEVOH(kg/m3)が下式(1)を満たすことが好ましく、下式(2)を満たすことがより好ましい。
DEVOH<-4.265×C2+1325 (1)
DEVOH<-4.265×C2+1315 (2)
DEVOH<-4.265×C2+1325 (1)
DEVOH<-4.265×C2+1315 (2)
本発明の押出ラミネートフィルムでは、マイグレーションの観点から、エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のMFREVOH(g/10分)に対するポリオレフィン(a)のMFRPO(g/10分)と接着性樹脂(b)のMFRADD(g/10分)の二乗平均[(MFRPO
2+MFRADD
2)/2]0.5の比RTMFRが0.20以上5.0以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.25以上4.0以下の範囲であり、最も好ましくは0.4以上2.5以下の範囲である。これにより、マイグレーションを小さくすることができ生産性に優れる。
本発明を構成する基材層は特に限定はなく、用途に応じ適時選択され、合成高分子重合体から形成される層や織布、不織布、金属箔、紙類、セロファン等が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、アイオノマー等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロース系樹脂など合成高分子重合体から形成される層等が挙げられる。ここで、基材層を構成する合成高分子重合体は、ポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)と同じであってもよく、異なっていてもよい。更に、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着、アクリル処理されたものでもよい。また、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにウレタン系インキ等を用い印刷されたものでもよい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが例示でき、また、紙類としてはクラフト紙、上質紙、伸張紙、グラシン紙、カップ原紙や印画紙原紙等の板紙などが挙げられる。これらの基材を1種単独、もしくは2種以上積層したものを用いてもよい。
本発明の積層体は、少なくとも隣接してなる基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含むことを特徴とするものであり、これらの6層のみからなるものだけでなく他の層、例えば(F)層を含んでいてもよい。具体的には、基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層、(F)層/基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層、基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層/(F)層などが例示される。なお、層の間の記号/は、隣接する層であることを表している。
(F)層としては、合成高分子重合体から形成される層や織布、不織布、金属箔、紙類、セロファン等が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、アイオノマー等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロース系樹脂など合成高分子重合体から形成される層等が挙げられる。更に、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着、アクリル処理されたものでもよい。また、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにウレタン系インキ等を用い印刷されたものでもよい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが例示でき、また、紙類としてはクラフト紙、上質紙、伸張紙、グラシン紙、カップ原紙や印画紙原紙等の板紙などが挙げられる。
本発明の押出ラミネートフィルムにおいて、(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)が同一の成分であり、かつ、(B)層および(D)層を構成する接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)が同一の成分であることが好ましい。
本発明の積層体を得る押出ラミネート加工法としては特に限定はなく、各層を順に積層するタンデムラミネート加工法、いくつかの層を同時に積層する共押出ラミネート加工法などの各種押出ラミネート加工法を例示することができる。これらの中で、コストの観点から(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層が共押出ラミネート加工法により同時に形成されていることが好ましい。また、最も好ましくは(A)層と(E)層が同一の成分であり、かつ(B)層と(D)層が同一の成分となる3種5層押出ラミネート加工法である。このような押出ラミネート加工法における樹脂の温度は180~280℃の範囲が好ましく、冷却ロールの表面温度は10~50℃の範囲が好ましい。
また、押出ラミネート加工において、基材層と隣接する(A)層を構成するポリオレフィン(a)を溶融状態で押出し層とした直後に、該層の基材接着面を含酸素気体又は含オゾン気体に曝し、基材と貼り合わせる手法を用いると、基材層との接着性に優れることから好ましい。含オゾン気体により熱可塑製樹脂と基材との接着性を向上させる場合は、オゾンガスの処理量としては、ダイより押出された熱可塑製樹脂よりなるフィルム1m2当たり0.5mg以上のオゾンを吹き付けることが好ましい。
本発明の積層体を得る手法における押出ラミネート加工法は、熱可塑製樹脂層と基材層との接着性をさらに向上させるため、各層の樹脂が発泡しない程度の温度、例えば30℃~60℃の温度で10時間以上熱処理することができる。また必要に応じて、基材層の接着面に対してコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。また、必要であれば基材層にアンカーコート剤を塗布しても良い。
本発明の押出ラミネートフィルムは、フィルム外観、接着性及び酸素等に対するガスバリア性が高いものとなり、これらの性質が要求される食品や飲料、医薬品などの熱可塑性樹脂を素材とした包装材や容器などに好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)メルトマスフローレート(MFR)
MFRは、JIS K6922-1(1997年)若しくはISO1133に準拠して測定した。
(2)密度
密度は、JIS K6922-1(1997年)若しくはISO1183-3に準拠して測定した。
MFRは、JIS K6922-1(1997年)若しくはISO1133に準拠して測定した。
(2)密度
密度は、JIS K6922-1(1997年)若しくはISO1183-3に準拠して測定した。
(3)溶融張力(MS)
23℃に設定した恒温室内において、温度を190℃に設定し、長さが8mm、直径が2.095mm、流入角が90°のダイス及び保温チャンバーを装着したバレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、ポリオレフィン若しくは接着性樹脂18gを充填し、ピストン降下速度を10mm/分、引取速度10m/分に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力(MS)として測定した。
23℃に設定した恒温室内において、温度を190℃に設定し、長さが8mm、直径が2.095mm、流入角が90°のダイス及び保温チャンバーを装着したバレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、ポリオレフィン若しくは接着性樹脂18gを充填し、ピストン降下速度を10mm/分、引取速度10m/分に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力(MS)として測定した。
(4)フィルム外観
フィルム外観は、加工速度50m/分で実施例に記載の厚み(10/5/5/5/10μm)となるように各押出機の回転数を設定し、Tダイから押し出された溶融膜を目視で判定した。EVOHとポリオレフィン組成物との界面のゲル化に起因する外観ムラが発生した場合は×、ゲル化に起因する外観ムラは発生していないものの不透明な場合は△、外観ムラもなく透明なフィルムであるがフィッシュアイが多い場合は〇、外観ムラもなく透明なフィルムでありフィッシュアイも少ない場合は◎とし、△~◎の判定でフィルム外観は良好とした。
フィルム外観は、加工速度50m/分で実施例に記載の厚み(10/5/5/5/10μm)となるように各押出機の回転数を設定し、Tダイから押し出された溶融膜を目視で判定した。EVOHとポリオレフィン組成物との界面のゲル化に起因する外観ムラが発生した場合は×、ゲル化に起因する外観ムラは発生していないものの不透明な場合は△、外観ムラもなく透明なフィルムであるがフィッシュアイが多い場合は〇、外観ムラもなく透明なフィルムでありフィッシュアイも少ない場合は◎とし、△~◎の判定でフィルム外観は良好とした。
(5)マイグレーション
マイグレーションは、加工速度50m/分で実施例に記載の厚み(10/5/5/5/10μm)となるように各押出機の回転数を設定し、Tダイから押し出された溶融膜を目視で測定した。ダイ直下の溶融膜を観察し、溶融膜の両端に発生しているEVOH層が回り込んでいない幅を測定し、溶融膜両端での総和をマイグレーション(mm)とした。マイグレーションが小さいほど生産性に優れ、70未満で良好とした。
マイグレーションは、加工速度50m/分で実施例に記載の厚み(10/5/5/5/10μm)となるように各押出機の回転数を設定し、Tダイから押し出された溶融膜を目視で測定した。ダイ直下の溶融膜を観察し、溶融膜の両端に発生しているEVOH層が回り込んでいない幅を測定し、溶融膜両端での総和をマイグレーション(mm)とした。マイグレーションが小さいほど生産性に優れ、70未満で良好とした。
(6)最高加工速度/延伸性
最高加工速度は、押出ラミネートフィルムの厚みが実施例記載の厚み(10/5/5/5/10μm)になるように、各押出機の回転数と加工速度を連動して上昇させ、フィルム破断が発生した加工速度を最高加工速度(m/分)とした。最高加工速度が大きいほど延伸性及び生産性に優れ、最高加工速度が50未満で×、50以上75未満で△、75以上100未満で〇、100以上で◎とし、△~◎の判定で延伸性は良好とした。また、レゾナンスが発生しラミネート加工ができなかった場合も延伸性は×と判定した。
最高加工速度は、押出ラミネートフィルムの厚みが実施例記載の厚み(10/5/5/5/10μm)になるように、各押出機の回転数と加工速度を連動して上昇させ、フィルム破断が発生した加工速度を最高加工速度(m/分)とした。最高加工速度が大きいほど延伸性及び生産性に優れ、最高加工速度が50未満で×、50以上75未満で△、75以上100未満で〇、100以上で◎とし、△~◎の判定で延伸性は良好とした。また、レゾナンスが発生しラミネート加工ができなかった場合も延伸性は×と判定した。
(7)ネックイン
押出ラミネート成形機のTダイ開口幅と実施例により得られた押出ラミネートフィルムのコート幅との差をネックインとし、その値(mm)を測定した。ネックインが小さいほど生産性に優れる。
押出ラミネート成形機のTダイ開口幅と実施例により得られた押出ラミネートフィルムのコート幅との差をネックインとし、その値(mm)を測定した。ネックインが小さいほど生産性に優れる。
(8)シール強度/層間接着性
実施例により得られた押出ラミネートフィルムを幅100mm、長さ100mmに2枚切り出し、ラミネートフィルムの(E)層同士を重ね、ヒートシール試験機TP-701B(テスター産業(株)製)を用いて設定温度160℃、両面加熱、エアー圧力0.2MPa、シール時間1秒間で幅10mm、長さ300mmのシールバーでヒートシールを行った。この試験片を15mm幅に切り出し、引張試験機テンシロンRTE-1210((株)オリエンテック製)を用いて引張速度300mm/分、T型剥離の条件で剥離試験を行い、シール強度(N/15mm)を測定した。シール強度が高いほど、層間接着性に優れる。
実施例により得られた押出ラミネートフィルムを幅100mm、長さ100mmに2枚切り出し、ラミネートフィルムの(E)層同士を重ね、ヒートシール試験機TP-701B(テスター産業(株)製)を用いて設定温度160℃、両面加熱、エアー圧力0.2MPa、シール時間1秒間で幅10mm、長さ300mmのシールバーでヒートシールを行った。この試験片を15mm幅に切り出し、引張試験機テンシロンRTE-1210((株)オリエンテック製)を用いて引張速度300mm/分、T型剥離の条件で剥離試験を行い、シール強度(N/15mm)を測定した。シール強度が高いほど、層間接着性に優れる。
実施例1
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRPOが8.0g/10分、密度が925kg/m3、MSPOが30mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン222)(A1)を、(B)層及び(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A1)を80重量部、MFRが7.0g/10分、密度が930kg/m3、MAH含量が0.60重量%である無水マレイン酸変性ポリエチレン(SK綜合化學ジャパン(株)製 商品名OREVAC G OE850、M1)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRADD 7.8g/10分、密度 926kg/m3、MSADD 31mN、MAH含量 0.12重量%)(B1)を、(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFREVOHが2.0g/10分、エチレン含量が32mol%、密度が1160kg/m3、210℃におけるMFRが4.1g/10分であるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールSP482B)(C1)、基材層として坪量が50g/m2であるクラフト紙(中越パッケージ(株)製、未晒クラフト紙)を使用した。
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRPOが8.0g/10分、密度が925kg/m3、MSPOが30mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン222)(A1)を、(B)層及び(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A1)を80重量部、MFRが7.0g/10分、密度が930kg/m3、MAH含量が0.60重量%である無水マレイン酸変性ポリエチレン(SK綜合化學ジャパン(株)製 商品名OREVAC G OE850、M1)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRADD 7.8g/10分、密度 926kg/m3、MSADD 31mN、MAH含量 0.12重量%)(B1)を、(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFREVOHが2.0g/10分、エチレン含量が32mol%、密度が1160kg/m3、210℃におけるMFRが4.1g/10分であるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールSP482B)(C1)、基材層として坪量が50g/m2であるクラフト紙(中越パッケージ(株)製、未晒クラフト紙)を使用した。
まず、(A1)を260℃に設定した直径40mmφのスクリューを有する単軸押出機(住友重機械モダン(株)製)へ供給し、(B1)を260℃に設定した直径40mmφのスクリューを有する単軸押出機(住友重機械モダン(株)製)へ供給し、(C1)を260℃に設定した直径40mmφのスクリューを有する単軸押出機(住友重機械モダン(株)製)へ供給し、260℃の温度でTダイより押し出し、加工速度50m/分で(A1)、(B1)、(C1)、(B1)、(A1)がそれぞれ10μm、5μm、5μm、5μm、10μmの厚さとなる押出回転数に設定し、その溶融膜からマイグレーション及びフィルム外観を評価した。次に、クラフト紙上に加工速度20m/分、エアギャップ長さが110mmで(A1)、(B1)、(C1)、(B1)、(A1)がそれぞれ10μm、5μm、5μm、5μm、10μmの厚さになるよう3種5層押出ラミネート成形を開始し、押出回転数と加工速度を連動して上昇させ最高加工速度を評価した。そして、クラフト紙上に加工速度50m/分、エアギャップ長さが110mmで(A1)、(B1)、(C1)、(B1)、(A1)がそれぞれ10μm、5μm、5μm、5μm、10μmの厚さになるよう3種5層押出ラミネート成形を行い、クラフト紙、ポリオレフィン(A1)((A)層)、接着性樹脂(B1)((B)層)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(C1)((C)層)、接着性樹脂(B1)((D)層)、ポリオレフィン(A1)((E)層)の順に積層されてなる押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、マイグレーション、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例2
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRが3.7g/10分、密度が923kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン225)を30重量部、MFRが4.0g/10分、密度が922kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン190)を70重量部になるように配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練した低密度ポリエチレン組成物(MFRPO 3.9g/10分、密度 922kg/m3、MSPO 33mN)(A2)を、(B)層及び(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A2)を80重量部、無水マレイン酸変性ポリエチレン(M1)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRADD 4.4g/10分、密度 924kg/m3、MSADD 33mN、MAH含量 0.12重量%)(B2)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRが3.7g/10分、密度が923kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン225)を30重量部、MFRが4.0g/10分、密度が922kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン190)を70重量部になるように配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練した低密度ポリエチレン組成物(MFRPO 3.9g/10分、密度 922kg/m3、MSPO 33mN)(A2)を、(B)層及び(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A2)を80重量部、無水マレイン酸変性ポリエチレン(M1)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRADD 4.4g/10分、密度 924kg/m3、MSADD 33mN、MAH含量 0.12重量%)(B2)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例3
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRが1.6g/10分、密度が919kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン360)を50重量部、MFRが4.0g/10分、密度が905kg/m3である直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロン-Z HF310R)を50重量部になるように配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRPO 2.5g/10分、密度 912kg/m3、MSPO 43mN)(A3)を、(B)層及び(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A3)を80重量部、無水マレイン酸変性ポリエチレン(M1)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRADD 3.1g/10分、密度 916kg/m3、MSADD 41mN、MAH含量 0.12重量%)(B3)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRが1.6g/10分、密度が919kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン360)を50重量部、MFRが4.0g/10分、密度が905kg/m3である直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロン-Z HF310R)を50重量部になるように配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRPO 2.5g/10分、密度 912kg/m3、MSPO 43mN)(A3)を、(B)層及び(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A3)を80重量部、無水マレイン酸変性ポリエチレン(M1)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRADD 3.1g/10分、密度 916kg/m3、MSADD 41mN、MAH含量 0.12重量%)(B3)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例4
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRが3.7g/10分、密度が923kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン225)を70重量部、MFRが4.0g/10分、密度が922kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン190)を30重量部になるように配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練した低密度ポリエチレン組成物(MFRPO 3.8g/10分、密度 923kg/m3、MSPO 46mN)(A4)を、(B)層及び(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A4)を80重量部、無水マレイン酸変性ポリエチレン(M1)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRADD 4.3g/10分、密度 924kg/m3、MSADD 43mN、MAH含量 0.12重量%)(B4)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRが3.7g/10分、密度が923kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン225)を70重量部、MFRが4.0g/10分、密度が922kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン190)を30重量部になるように配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練した低密度ポリエチレン組成物(MFRPO 3.8g/10分、密度 923kg/m3、MSPO 46mN)(A4)を、(B)層及び(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A4)を80重量部、無水マレイン酸変性ポリエチレン(M1)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRADD 4.3g/10分、密度 924kg/m3、MSADD 43mN、MAH含量 0.12重量%)(B4)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例5
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRPOが4.0g/10分、密度が922kg/m3、MSPOが20mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン190)(A5)を、(B)層及び(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A5)を80重量部、無水マレイン酸変性ポリエチレン(M1)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRADD 4.5g/10分、密度 924kg/m3、MSADD 22mN、MAH含量 0.12重量%)(B5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRPOが4.0g/10分、密度が922kg/m3、MSPOが20mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン190)(A5)を、(B)層及び(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A5)を80重量部、無水マレイン酸変性ポリエチレン(M1)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRADD 4.5g/10分、密度 924kg/m3、MSADD 22mN、MAH含量 0.12重量%)(B5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例6
(B)層および(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてMFRが13.0g/10分、密度が919kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン212)を80重量部、無水マレイン酸変性ポリエチレン(M1)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRADD 11.5g/10分、密度 921kg/m3、MSADD 16mN、MAH含量 0.12重量%)(B6)を使用したこと以外は、実施例2と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
(B)層および(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてMFRが13.0g/10分、密度が919kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン212)を80重量部、無水マレイン酸変性ポリエチレン(M1)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRADD 11.5g/10分、密度 921kg/m3、MSADD 16mN、MAH含量 0.12重量%)(B6)を使用したこと以外は、実施例2と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例7
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFREVOHが5.5g/10分、エチレン含量が44mol%、密度が1140kg/m3、210℃におけるMFRが13.0g/10分であるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールE105B)(C2)を使用したこと以外は、実施例2と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFREVOHが5.5g/10分、エチレン含量が44mol%、密度が1140kg/m3、210℃におけるMFRが13.0g/10分であるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールE105B)(C2)を使用したこと以外は、実施例2と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例8
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFREVOHが1.9g/10分、エチレン含量が33mol%、密度が1180kg/m3、210℃におけるMFRが4.0g/10分であるエチレン・ビニルアルコール共重合体(三菱ケミカル(株)製 商品名ソアノールG GC3304B)(C3)を使用したこと以外は、実施例2と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFREVOHが1.9g/10分、エチレン含量が33mol%、密度が1180kg/m3、210℃におけるMFRが4.0g/10分であるエチレン・ビニルアルコール共重合体(三菱ケミカル(株)製 商品名ソアノールG GC3304B)(C3)を使用したこと以外は、実施例2と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例9
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFREVOHが1.7g/10分、エチレン含量が32mol%、密度が1190kg/m3、210℃におけるMFRが4.1g/10分であるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールF171B)(C4)を使用したこと以外は、実施例2と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFREVOHが1.7g/10分、エチレン含量が32mol%、密度が1190kg/m3、210℃におけるMFRが4.1g/10分であるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールF171B)(C4)を使用したこと以外は、実施例2と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRPOが13.0g/10分、密度が919kg/m3、MSPOが13mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン212)(A6)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。マイグレーションが大きく、生産性に劣っていた。
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRPOが13.0g/10分、密度が919kg/m3、MSPOが13mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン212)(A6)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。マイグレーションが大きく、生産性に劣っていた。
比較例2
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRPOが2.0g/10分、密度が922kg/m3、MSPOが54mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン180)(A7)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法により実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価した。一方、加工速度50m/分でのラミネート成形ができなかったため、ネックインの評価はできず、押出ラミネートフィルムも得ることができなかった。結果を表2に示す。延伸性が不良であり、生産性に劣っていた。
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRPOが2.0g/10分、密度が922kg/m3、MSPOが54mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン180)(A7)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法により実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価した。一方、加工速度50m/分でのラミネート成形ができなかったため、ネックインの評価はできず、押出ラミネートフィルムも得ることができなかった。結果を表2に示す。延伸性が不良であり、生産性に劣っていた。
比較例3
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRPOが4.0g/10分、密度が905kg/m3、MSPOが5mNである直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロン-Z HF310R)(A8)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観を評価した。一方、レゾナンスが発生しラミネート成形ができなかったため、最高加工速度及びネックインの評価はできず、押出ラミネートフィルムも得ることができなかった。結果を表2に示す。延伸性が不良であり、生産性に劣っていた。
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRPOが4.0g/10分、密度が905kg/m3、MSPOが5mNである直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロン-Z HF310R)(A8)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観を評価した。一方、レゾナンスが発生しラミネート成形ができなかったため、最高加工速度及びネックインの評価はできず、押出ラミネートフィルムも得ることができなかった。結果を表2に示す。延伸性が不良であり、生産性に劣っていた。
比較例4
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRPOが8.0g/10分、密度が919kg/m3、MSPOが36mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン203)(A9)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法により実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価した。一方、加工速度50m/分でのラミネート成形ができなかったため、ネックインの評価はできず、押出ラミネートフィルムも得ることができなかった。結果を表2に示す。延伸性が不良であり、生産性に劣っていた。
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRPOが8.0g/10分、密度が919kg/m3、MSPOが36mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン203)(A9)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法により実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価した。一方、加工速度50m/分でのラミネート成形ができなかったため、ネックインの評価はできず、押出ラミネートフィルムも得ることができなかった。結果を表2に示す。延伸性が不良であり、生産性に劣っていた。
比較例5
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRPOが3.7g/10分、密度が923kg/m3、MSPOが105mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン225)(A10)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法により実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価した。一方、加工速度50m/分でのラミネート成形ができなかったため、ネックインの評価はできず、押出ラミネートフィルムも得ることができなかった。結果を表2に示す。延伸性が不良であり、生産性に劣っていた。
(A)層及び(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRPOが3.7g/10分、密度が923kg/m3、MSPOが105mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン225)(A10)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法により実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価した。一方、加工速度50m/分でのラミネート成形ができなかったため、ネックインの評価はできず、押出ラミネートフィルムも得ることができなかった。結果を表2に示す。延伸性が不良であり、生産性に劣っていた。
比較例6
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFREVOHが8.5g/10分、エチレン含量が35mol%、密度が1180kg/m3、210℃におけるMFRが21.0g/10分であるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールC109B)(C5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。フィルム外観に劣っていた。
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFREVOHが8.5g/10分、エチレン含量が35mol%、密度が1180kg/m3、210℃におけるMFRが21.0g/10分であるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールC109B)(C5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーション、フィルム外観、最高加工速度を評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、ネックイン及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。フィルム外観に劣っていた。
実施例記載のエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のエチレン含量C2(mol%)と密度DEVOH(kg/m3)の関係を図1に示す。この図の通り、明細書記載の式(1)を満たす実施例8は、式(1)を満たさない実施例7及び9よりも層間接着性及びフィルム外観に優れる。更に、式(2)を満たす実施例2はより層間接着性及びフィルム外観に優れる。
なお、式(1)~式(2)の傾きについては、C2が27mol%、DEVOHが1210kg/m3であるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールL171B)、C2が32mol%、DEVOHが1190kg/m3であるエチレン・ビニルアルコール共重合体(C4)、C2が35mol%、DEVOHが1180kg/m3であるエチレン・ビニルアルコール共重合体(C5)、C2が38mol%、DEVOHが1170kg/m3であるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールH171B)、C2が44mol%、DEVOHが1140kg/m3であるエチレン・ビニルアルコール共重合体(C2)、C2が48mol%、DEVOHが1120kg/m3であるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールG156B)のC2とDEVOHの相関から算出した。
本発明の押出ラミネートフィルムは、フィルム外観、接着性やガスバリア性が要求される積層体に用いることができ、特に、食品や飲料、医薬品などの包装材料に用いられる積層体に好適に使用することができる。
Claims (8)
- 少なくとも隣接してなる基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、(A)層及び(E)層がそれぞれ(i)~(iii)を満たすポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)、(B)層及び(D)層がそれぞれ接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)、(C)層が(iv)~(v)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)から構成されることを特徴とする押出ラミネートフィルム。
(i)JIS K6922-1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(MFRPO)が1.0g/10分以上10.0g/10分以下
(ii)温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(MSPO)が3mN以上、50mN以下
(iii)MFRPO(g/10分)とMSPO(mN)の積MFRPO×MSPOが70以上250以下
(iv)エチレン含量C2が50mol%以下
(v)ISO1133により測定した190℃におけるMFREVOHが1.0g/10分以上8.0g/10分以下 - ポリオレフィン(a)及び/又はポリオレフィン(e)のMFRPOが1.0g/10分以上6.0g/10分以下であることを特徴とする請求項1に記載の押出ラミネートフィルム。
- ポリオレフィン(a)及び/又はポリオレフィン(e)が低密度ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の押出ラミネートフィルム。
- 接着性樹脂(b)及び/又は接着性樹脂(d)が(vi)~(viii)を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の押出ラミネートフィルム。
(vi)JIS K6922-1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(MFRADD)が1.0g/10分以上10.0g/10分以下
(vii)温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(MSADD)が3mN以上、50mN以下
(viii)MFRADD(g/10分)とMSADD(mN)の積MFRADD×MSADDが70以上250以下 - エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のMFREVOH(g/10分)に対するポリオレフィン(a)及び/又はポリオレフィン(e)のMFRPO(g/10分)と接着性樹脂(b)及び/又は接着性樹脂(d)のMFRADD(g/10分)の二乗平均[(MFRPO 2+MFRADD 2)/2]0.5の比RTMFRが0.20以上5.0以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の押出ラミネートフィルム。
- 接着性樹脂(b)及び/又は接着性樹脂(d)が無水マレイン酸変性ポリオレフィンを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の押出ラミネートフィルム。
- エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のC2(mol%)とISO1183-3により測定した20℃における密度DEVOH(kg/m3)が下式(1)を満たすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の押出ラミネートフィルム。
DEVOH<-4.265×C2+1325 (1) - (A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層が共押出ラミネート成形により同時に形成されたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の押出ラミネートフィルムの製造方法。
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