JP2022114677A - 押出ラミネートフィルム - Google Patents

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JP2022114677A JP2021011063A JP2021011063A JP2022114677A JP 2022114677 A JP2022114677 A JP 2022114677A JP 2021011063 A JP2021011063 A JP 2021011063A JP 2021011063 A JP2021011063 A JP 2021011063A JP 2022114677 A JP2022114677 A JP 2022114677A
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淳 増田
Atsushi Masuda
真吾 幸田
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Abstract

【課題】 フィルム外観、ガスバリア性、接着性に優れた積層体を得ることができる押出ラミネートフィルムを提供する。【解決手段】 少なくとも基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、(A)層がポリオレフィン系樹脂(a)、(B)層が接着性樹脂(b)、(C)層が(i)~(ii)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)、(D)層が接着性樹脂(d)、(E)層がポリオレフィン系樹脂(e)から構成されることを特徴とする押出ラミネートフィルムを用いる。(i)エチレン含量が40mol%以下(ii)DSCにより測定された融解熱量が70J/g未満【選択図】 なし

Description

本発明は、フィルム外観、ガスバリア性、接着性に優れる押出ラミネートフィルムに関するものである。
食品や飲料、医薬品などの熱可塑性樹脂を素材とした包装材料として、内容物劣化の防止を目的に、ガスバリア性、保香性、耐溶剤性などに優れるエチレン・ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略すことがある)が、種々の用途で使用されている。しかしながらEVOHはラミネート成形性、防湿性に劣るため、押出ラミネートフィルムへの適用は実用的ではなかった。
このような中、ラミネート成形性、防湿性の改良として、ポリエチレン系樹脂、酸変性ポリオレフィン、EVOHを共押出ラミネート成形する手法(例えば、特許文献1参照)やポリエチレン、接着性樹脂、EVOHからなる多層フィルムをポリエチレン系樹脂でサンドラミする手法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
しかし、前者ではEVOHと酸変性ポリオレフィンの界面でゲル化が発生するため、フィルム外観が不良であった。また、後者ではEVOHを含む多層フィルムを別の工程で成形する必要があり、製造コストが高く生産性に劣っていた。
また、EVOHと隣接するポリオレフィン層にエポキシ化合物を添加する方法(例えば、特許文献3参照)やEVOHと隣接するポリオレフィン層に分子内不飽和結合を有する化合物を添加する方法(例えば、特許文献4参照)が提案されている。
しかし、これらの手法ではEVOHとの接着性が低く、ヒートシール性が不十分であった。
このような背景から、従来より生産性に優れ、且つ優れたフィルム外観、接着性とガスバリア性を示す押出ラミネートフィルムが望まれていた。
特開2001-322624号公報 特開1992-234645号公報 特開2000-37832号公報 特開2000-108277号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、優れたフィルム外観、ガスバリア性、接着性を示す押出ラミネートフィルムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の押出ラミネートフィルムが優れたフィルム外観、ガスバリア性、接着性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は少なくとも基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、(A)層がポリオレフィン系樹脂(a)、(B)層が接着性樹脂(b)、(C)層が(i)~(ii)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)、(D)層が接着性樹脂(d)、(E)層がポリオレフィン系樹脂(e)から構成されることを特徴とする押出ラミネートフィルムに関するものである。
(i)エチレン含量が40mol%以下
(ii)DSCにより測定される融解熱量が70J/g未満
また本発明は、少なくとも基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、(E)層がポリオレフィン系樹脂(a)、(B)層が接着性樹脂(b)、(C)層が下記(iii)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)、(D)層が接着性樹脂(d)、(E)層がポリオレフィン系樹脂(e)から構成されることを特徴とする押出ラミネートフィルムに関するものである。
(iii)エチレン含有量C(mol%)とISO1183-3に準拠して測定した密度DEVOH(kg/m)が下式(1)を満たす
EVOH<-4.265×C+1325 (1)
本発明によれば、フィルム外観、ガスバリア性、接着性に優れた積層体を提供することができる。
式(1)および式(2)を表す図である。
以下、本発明の一態様である押出ラミネートフィルムを詳細に説明する。
本発明は、少なくとも基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、(A)層がポリオレフィン系樹脂(a)、(B)層が接着性樹脂(b)、(C)層が(i)~(ii)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)、(D)層が接着性樹脂(d)、(E)層がポリオレフィン系樹脂(e)から構成されることを特徴とする押出ラミネートフィルムに関するものである。
(i)エチレン含量が40mol%以下
(ii)DSCにより測定される融解熱量が70J/g未満
なお、本押出ラミネートフィルムを、後述する第二のラミネートフィルムに対して、第一のラミネートフィルムと呼称することもできる。
本発明の押出ラミネートフィルムにおいて、(A)層はポリオレフィン(a)により構成される。また、(E)層もポリオレフィン(e)により構成される。ここで、ポリオレフィン(a)およびポリオレフィン(e)はそれぞれ独立して同一であってもよく、相異なってもよい。
ポリオレフィン(a)および(e)としては、特に限定はなく、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどの炭素数2~12のα-オレフィンの単独重合体若しくはこれらの共重合体、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体などが挙げられる。より具体的には、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのエチレン単独重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、ポリ1-ブテン、ポリ1-ヘキセン、ポリ4-メチル-1-ペンテン等が挙げられる。ポリオレフィン(a)および(e)は、1種単独又は2種以上の組成物で用いてもよい。中でも、成形性の観点から高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、ポリプロピレンからなる群の少なくとも一種が好ましい。
高圧法低密度ポリエチレンの製造方法は、高圧ラジカル重合を例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えば東ソー株式会社からペトロセンの商品名で市販されている。高密度ポリエチレン、エチレン・1-ブテン共重合体及びエチレン・1-へキセン共重合体の製造方法は特に限定するものではないが、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができる。例えば東ソー株式会社からニポロンハード、ニポロン-L、ニポロン-Z、ルミタックの商品名で各々市販されている。
エチレン・酢酸ビニル共重合体の製造方法は特に限定されないが、高圧法ラジカル重合、溶液重合やラテックス重合等の公知の製造方法が挙げられ、このような樹脂は市販品の中から便宜選択することができ、エチレン・酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社からウルトラセンの商品名で市販されている。
本発明におけるポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)には、本目的が達成される限りにおいて、その他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。
本発明の積層体を構成するポリオレフィン(a)及びポリオレフィン(e)に熱可塑性樹脂を混合する時は、ポリオレフィンのペレットと熱可塑性樹脂のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリオレフィンの融点~300℃程度が好ましい。
また、本発明の積層体を構成するポリオレフィン(a)及び(e)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
本発明の押出ラミネートフィルムにおいて、(B)層は接着性樹脂(b)により構成される。また、(D)層も接着性樹脂(d)により構成される、ここで、また、接着性樹脂(a)および接着性樹脂(e)はそれぞれ独立して同一であってもよく、相異なってもよい。
接着性樹脂(b)および(d)としては、本目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、例えば、成形用途で使用されるような公知のものを挙げることができる。このような接着性樹脂としては、マレイン酸や無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸もしくはその無水物やボロン酸などで変性した酸変性ポリオレフィン、ポリアミドグラフト化ポリオレフィンなどのエチレン、プロピレン、1-ブテンなどの炭素数2~12のα-オレフィンの単独重合体若しくはこれらの共重合体の変性物、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、エチレン・ビニルエステル共重合体ケン化物、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸との共重合体などが例示される。これらの中で、接着性、コストの観点から、少なくとも無水マレイン酸変性ポリオレフィン(f)(以下、MAH-PEと略すことがある)を含むことが好ましい。
このような無水マレイン酸変性ポリオレフィン(f)は特に限定はなく、オレフィン成分と無水マレイン酸との共重合体でもよく、無水マレイン酸でグラフト変性されたポリオレフィンでもよい。また、このような樹脂の製造方法も特に限定はない。
無水マレイン酸変性ポリオレフィン(f)を構成するオレフィン成分としては特に限定はなく、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1ーヘキセン、1-オクテン、酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸グリシジルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸などが例示でき、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
このような無水マレイン酸変性ポリオレフィン(f)の無水マレイン酸含有量は、接着性、フィルム外観に優れることから、0.10~1.20重量%が好ましく、より好ましくは0.4~1.0重量%、最も好ましくは0.4~0.8重量%である。
このような樹脂は市販品の中から便宜選択することができ、例えばオレフィン成分と無水マレイン酸との共重合体として、ダウ・ケミカル日本(株)からアンプリファイの商品名で、SK綜合化學ジャパン(株)からRotader、Bondine、OREVAC Tの商品名で各々市販されている。また、無水マレイン酸でグラフト変性されたポリオレフィンとして、例えば三井化学(株)からアドマー、モディックの商品名で、ダウ・ケミカル日本(株)からフサボンドの商品名で、SK綜合化學ジャパン(株)からOREVAC Gの商品名で、Addivant Japan合同会社からポリボンドの商品名で各々市販されている。
接着性樹脂(b)および(d)としては、接着性、フィルム外観の観点から、少なくともポリオレフィン(g)と無水マレイン酸変性ポリオレフィン(f)を含むポリオレフィン組成物(h)であることが好ましい。
ポリオレフィン組成物(h)は、接着性、フィルム外観の観点から、ポリオレフィン(g)を50重量部以上90重量部以下、無水マレイン酸変性ポリオレフィン(f)を10重量部以上50重量部以下((g)と(f)の合計は100重量部)含むものであり、より好ましくはポリオレフィン(g)を65重量部以上85重量部以下、無水マレイン酸変性ポリオレフィン(f)を15重量部以上35重量部以下((g)と(f)の合計は100重量部)含むものである。
ポリオレフィン(g)としては、特に限定はなく、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどの炭素数2~12のα-オレフィンの単独重合体若しくはこれらの共重合体、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体などが挙げられる。
例えば、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのエチレン単独重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、ポリ1-ブテン、ポリ1-ヘキセン、ポリ4-メチル-1-ペンテン等が挙げられる。ポリオレフィン(g)は、1種単独又は2種以上の組成物で用いてもよい。中でも、成形性の観点から高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、ポリプロピレンからなる群の少なくとも1種が好ましく、これらの組成物が成形性にも優れるため最も好ましい。
高圧法低密度ポリエチレンの製造方法は、高圧ラジカル重合を例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えば東ソー株式会社からペトロセンの商品名で市販されている。高密度ポリエチレン、エチレン・1-ブテン共重合体及びエチレン・1-へキセン共重合体の製造方法は特に限定するものではないが、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができる。例えば東ソー株式会社からニポロンハード、ニポロン-L、ニポロン-Z、ルミタックの商品名で各々市販されている。
エチレン・酢酸ビニル共重合体の製造方法は特に限定されないが、高圧法ラジカル重合、溶液重合やラテックス重合等の公知の製造方法が挙げられ、このような樹脂は市販品の中から便宜選択することができ、エチレン・酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社からウルトラセンの商品名で市販されている。
このようなポリオレフィン組成物(h)の混合方法は特に限定はなく、ポリオレフィン(g)のペレットと無水マレイン酸変性ポリオレフィン(f)のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、品質の安定性の観点から溶融混練した混合物の方が好ましい。
このような溶融混練の方法は、各成分を均一に分散しうる溶融混練装置であれば特に制限はなく、通常用いられる樹脂の混合装置により製造することができる。例えば、単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダ-、回転ロール、ラボプラストミルなどの溶融混練装置が挙げられる。溶融温度はポリオレフィン(g)の融点~260℃程度が好ましい。
本発明を構成する接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)には、本目的が達成される限りにおいて、その他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。本発明を構成する接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)に熱可塑性樹脂を混合する時は、ポリオレフィン組成物のペレットと熱可塑性樹脂のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリオレフィン組成物の融点~300℃程度が好ましい。
また、本発明を構成する接着性樹脂(b)及び接着性樹脂(d)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
本発明におけるエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のエチレン含有量は、ガスバリア性に優れることから、40mol%以下であり、好ましくは20~35mol%である。これにより、ガスバリア性がより向上する。
また、エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)の融解熱量は、接着性、フィルム外観の観点から、70J/g未満であり、好ましくは20~65J/gであり、より好ましくは30~50J/gである。これにより、接着性、フィルム外観がより向上する。
ここで、融解熱量は、示差走査熱量測定法(以下、DSC法)により測定した。具体的にはEVOHを10mg封入した測定パンを測定試料として、DSC Q2000(TA Instruments製)を用いて、窒素雰囲気(流量50mL/分)でDSC測定を実施した。まず、常温から昇温速度80℃/分で250℃まで昇温し、250℃で5分間保持した。次に、降温速度10℃/分で-30℃まで降温し、-30℃で5分間保持した。その後、-30℃から250℃まで昇温速度10℃/分で昇温し目的のDSCチャートを得た。
得られたDSCチャートを用いて、90℃からJIS K6922-2(2018年)に準拠した手法で解析して得られた補外融解終了温度までの温度範囲における吸熱ピークから融解熱量を算出した。
エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のISO1133に準拠して測定したメルトマスフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)は、成形性の点から、0.1~100g/10分であることが好ましく、0.5~50g/10分であることがより好ましく、1~20g/10分であることが最も好ましい。
また、エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のISO1183-3に準拠して測定した密度は、接着性の観点から、1190kg/m未満が好ましく、1100~1180kg/mであることがより好ましく、1140~1180kg/mであることが最も好ましい。
エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)の製造方法としては、特に限定はなく、例えば、公知の方法にしたがって、エチレンと脂肪酸ビニルエステルとの共重合体を製造し、次いで、これを加水分解することによってEVOHを製造することができる。
また、EVOHはエチレン単位及びビニルアルコール単位に加えて、少量であれば他の構成単位を有していてもよい。
このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えばクラレ(株)からエバール、三菱ケミカル(株)からソアノール、Gソアノールの商品名で各々市販されている。
本発明を構成する基材層は特に限定はなく、用途に応じ適時選択され、合成高分子重合体から形成される層や織布、不織布、金属箔、紙類、セロファン等が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、アイオノマー等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロース系樹脂など合成高分子重合体から形成される層等が挙げられる。ここで、基材層を構成する合成高分子重合体は、ポリオレフィン(a)および(b)と同じであってもよく、異なっていてもよい。更に、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着、アクリル処理されたものでもよい。また、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにウレタン系インキ等を用い印刷されたものでもよい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが例示でき、また、紙類としてはクラフト紙、上質紙、伸張紙、グラシン紙、カップ原紙や印画紙原紙等の板紙などが挙げられる。これらの基材を1種単独、もしくは2種以上積層したものを用いてもよい。
本発明の積層体は、少なくとも基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含むことを特徴とするものであり、これらの6成分のみからなるものだけでなく他の成分、例えば(F)層を含んでいてもよい。具体的には、基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層、(F)層/基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層、基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層/(F)層などが例示される。なお、層の間の記号/は、隣接する層であることを表している。
(F)層としては、合成高分子重合体から形成される層や織布、不織布、金属箔、紙類、セロファン等が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、アイオノマー等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロース系樹脂など合成高分子重合体から形成される層等が挙げられる。更に、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着、アクリル処理されたものでもよい。また、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにウレタン系インキ等を用い印刷されたものでもよい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが例示でき、また、紙類としてはクラフト紙、上質紙、伸張紙、グラシン紙、カップ原紙や印画紙原紙等の板紙などが挙げられる。
本発明の押出ラミネートフィルムにおいて、(A)層および(E)層を構成するポリオレフィン樹脂が同一の成分であり、かつ、(B)層および(D)層を構成する接着性樹脂が同一の成分であることが好ましい。
本発明の積層体を得る押出ラミネート加工法としては特に限定はなく、各層を順に積層するタンデムラミネート加工法、いくつかの層を同時に積層する共押出ラミネート加工法などの各種押出ラミネート加工法を例示することができる。これらの中で、コストの観点から(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層が共押出ラミネート成形加工法により同時に形成されていることが好ましい。また、最も好ましくは(A)層と(E)層が同一の成分であり、かつ(B)層と(D)層が同一の成分となる3種5層押出ラミネート加工法である。このような押出ラミネート加工法における樹脂の温度は180~280℃の範囲が好ましく、冷却ロールの表面温度は10~50℃の範囲が好ましい。
また、押出ラミネート加工において、基材層と隣接する(A)層を構成するポリオレフィン(a)を溶融状態で押出し層とした直後に、該層の基材接着面を含酸素気体又は含オゾン気体に曝し、基材と貼り合わせる手法を用いると、基材層との接着性に優れることから好ましい。含オゾン気体により熱可塑製樹脂と基材との接着性を向上させる場合は、オゾンガスの処理量としては、ダイより押出された熱可塑製樹脂よりなるフィルム1m当たり0.5mg以上のオゾンを吹き付けることが好ましい。
本発明の積層体を得る手法における押出ラミネート加工法は、熱可塑製樹脂層と基材層との接着性をさらに向上させるため、各層の樹脂が発泡しない程度の温度、例えば30℃~60℃の温度で10時間以上熱処理することができる。また必要に応じて、基材層の接着面に対してコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。また、必要であれば基材層にアンカーコート剤を塗布しても良い。
本発明の押出ラミネートフィルムは、フィルム外観、接着性及び酸素等に対するガスバリア性が高いものとなり、これらの性質が要求される食品や飲料、医薬品などの熱可塑性樹脂を素材とした包装材や容器などに好適に使用することができる。
以下、本発明の一態様である第二の押出ラミネートフィルムを詳細に説明する。
本発明は、少なくとも基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、(A)層がポリオレフィン系樹脂(a)、(B)層が接着性樹脂(b)、(C)層が下記(iii)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)、(D)層が接着性樹脂(d)、(E)層がポリオレフィン系樹脂(e)から構成されることを特徴とする押出ラミネートフィルムに関するものである。
(iii)エチレン含有量C(mol%)とISO1183-3に準拠して測定した密度DEVOH(kg/m)が下式(1)を満たす
EVOH<-4.265×C+1325 (1)
ここで、基材層、(A)層、(B)層、(C)層、(D)層、(E)層、積層体、ポリオレフィン系樹脂(a)、接着性樹脂(b)、接着性樹脂(d)、ポリオレフィン系樹脂(e)は、第一の押出ラミネートフィルムと同意義である。
エチレン含有量C(mol%)とはエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)に含まれるモノマー単位におけるエチレン成分の含有率である。
密度DEVOH(kg/m)とは、エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)の20℃における密度であり、ISO1183-3に準拠して測定することができる。
式(1)は好ましくは、以下の式(2)で表される。これにより、フィルム外観、接着性に優れる。
EVOH<-4.265×C+1315 (2)
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)メルトマスフローレート(MFR)
MFRは、JIS K6922-1(1997年)若しくはISO1133に準拠して測定した。
(2)密度
密度は、JIS K6922-1(1997年)若しくはISO1183-3に準拠して測定した。
(3)無水マレイン酸含量
無水マレイン酸含量(以下、MAH含量)は、H-NMRを用いて測定した。オルトジクロロベンゼンを85重量%、ベンゼンーdを15重量%からなる溶媒2.5mLに、130℃で各MAH-PE250mgを溶解し測定試料とした。これらの測定試料を AVANCE NEO 700(Bruker製)を用いて、積算回数128回、測定温度130℃、観測核H(700.23MHz)の条件でH-NMR測定を実施した。得られたスペクトルをポリエチレン(PE)主鎖であるメチレン基CHのシグナル(1.25ppm)を基準として解析した。
まず、PE主鎖のCHに由来する1.0~2.2ppmのシグナルの積分値IPEと無水マレイン酸のCHおよびCHに由来する2.2~3.2ppmのシグナルの積分値IMAHを用いて、下式(3)からPE主鎖CH1000個当たりのMAHの数NMAHを算出した。
MAH=1000×(IMAH÷3)/(IPE÷2) (3)
次に、求めたNMAHとPE主鎖CHの分子量である14.03(g/mol)およびMAHの分子量である99.06(g/mol)を用いて、下式(4)からMAH含量(重量%)を算出した。
MAH含量=100×(99.06×NMAH)/(14.03×1000+
99.06×NMAH) (4)
(4)融解熱量
融解熱量は、示差走査熱量測定法(DSC法)により測定した。各EVOH10mgを測定用パンに封入し測定試料とした。これらの測定試料をDSC Q2000(TA Instruments製)を用いて、窒素雰囲気(流量50mL/分)でDSC測定を実施した。まず、常温から昇温速度80℃/分で250℃まで昇温し、250℃で5分間保持した。次に、降温速度10℃/分で-30℃まで降温し、-30℃で5分間保持した。その後、-30℃から250℃まで昇温速度10℃/分で昇温し目的のDSCチャートを得た。
得られたDSCチャートを用いて、90℃からJIS K6922-2(2018年)に準拠した手法で解析して得られた補外融解終了温度までの温度範囲における吸熱ピークから融解熱量を算出した。
(5)フィルム外観
フィルム外観は、実施例により得られた押出ラミネートフィルムを目視で判定した。EVOHとポリオレフィン組成物との界面のゲル化に起因する外観ムラが発生した場合は×、ゲル化に起因する外観ムラは発生していないものの不透明な場合は△、外観ムラもなく透明なフィルムの場合は〇とし、△若しくは〇の判定でフィルム外観は良好とした。
(6)酸素透過度
酸素透過度は、実施例により得られた押出ラミネートフィルムを用いて、JIS K7126-2(2006年)に準拠して酸素透過度(cc/m・24時間・atm)を測定した。酸素透過度(cc/m・24時間・atm)が5以上で×、5未満で○とし、酸素透過度(cc/m・24時間・atm)が5未満でガスバリア性が良好とした。
(7)シール強度/層間接着性
基材層がPET/PE若しくはクラフト紙の場合のシール強度は、実施例により得られた押出ラミネートフィルムを幅100mm、長さ100mmに2枚切り出し、ラミネートフィルムの(E)層同士を重ね、ヒートシール試験機TP-701B(テスター産業(株)製)を用いて設定温度160℃、両面加熱、エアー圧力0.2MPa、シール時間1秒間で幅10mm、長さ300mmのシールバーでヒートシールを行った。この試験片を15mm幅に切り出し、引張試験機テンシロンRTE-1210((株)オリエンテック製)を用いて引張速度300mm/分、T型剥離の条件で剥離試験を行い、シール強度(N/15mm)を測定した。
基材層が板紙の場合のシール強度は、実施例により得られたラミネートフィルム及びPET12μm、アンカーコート剤、PE25μmの順に積層してなるPET/PE基材(朋和産業(株)製)をそれぞれ幅100mm、長さ100mmに切り出し、ラミネートフィルムの(E)層とPET/PE基材のPE面を重ね、ヒートシール試験機TP-701B(テスター産業(株)製)を用いて設定温度160℃、片面加熱(PET/PE基材側)、エアー圧力0.2MPa、シール時間1秒間で幅10mm、長さ300mmのシールバーでヒートシールを行った。この試験片を15mm幅に切り出し、引張試験機テンシロンRTE-1210((株)オリエンテック製)を用いて引張速度300mm/分、剥離角度180°で剥離試験を行いシール強度(N/15mm)を測定した。
層間接着性に関しては、基材層がPET/PEの時のシール強度(N/15mm)が15未満で×、15以上20未満で△、20以上25未満で〇、25以上で◎とした。次に、基材層がクラフト紙、若しくは板紙の時のシール強度(N/15mm)が11未満で×、11以上13未満で△、13以上15未満で〇、15以上で◎とした。そして、いずれの場合もシール強度(N/15mm)が△と判定した強度以上で層間接着性が良好と判断した。
実施例1
(A)層および(E)層を構成するポリオレフィン(A)としてMFRが13.0g/10分、密度が913g/mである低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン212)(A1)を、(B)層および(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてMFRが2.9g/10分、密度が911kg/m、MAH含量が0.10重量%である無水マレイン酸変性ポリエチレン(B1及びF1)を、(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFRが2.0g/10分、エチレン含量が32mol%、密度が1160kg/m、融解熱量が42J/gであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールSP482B)(C1)、基材層としてPET12μm、アンカーコート剤、PE25μmの順に積層してなるPET/PE基材(朋和産業(株)製、S1)を使用した。
まず、(A1)を260℃に設定した直径40mmφのスクリューを有する単軸押出機(住友重機械モダン(株)製)へ供給し、(B1)を260℃に設定した直径40mmφのスクリューを有する単軸押出機(住友重機械モダン(株)製)へ供給し、(C1)を260℃に設定した直径40mmφのスクリューを有する単軸押出機(住友重機械モダン(株)製)へ供給し、260℃の温度でTダイより押し出し、PET/PE基材のPE上に引き取り速度が100m/分、エアギャップ長さが110mmで(A1)、(B1)、(C1)、(B1)、(A1)がそれぞれ10μm、5μm、5μm、5μm、10μmの厚さになるよう3種5層押出ラミネート成形を行い、PET/PE基材、ポリオレフィン(A1)((A)層)、接着性樹脂(B1)((B)層)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(C1)((C)層)、接着性樹脂(B1)((D)層)、ポリオレフィン(A1)((E)層)の順に積層されてなる押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例2
(B)層および(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A1)を95重量部、MFRが7.0g/10分、密度が909kg/m、MAH含量が0.60重量%である無水マレイン酸変性ポリエチレン(F2)を5重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(B2、MFR 12.6g/10分、密度 919kg/m、MAH含量 0.03重量%)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例3
(B)層および(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A1)を80重量部、無水マレイン酸変性ポリエチレン(F2)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(B3、MFR 11.6g/10分、密度 917kg/m、MAH含量 0.12重量%)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例4
(B)層および(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A1)を70重量部、無水マレイン酸変性ポリエチレン(F2)を30重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(B4、MFR 11.0g/10分、密度 916kg/m、MAH含量 0.18重量%)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例5
(B)層および(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A1)を55重量部、無水マレイン酸変性ポリエチレン(F2)を45重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度200℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(B5、MFR 10.1g/10分、密度 915kg/m、MAH含量 0.27重量%)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例6
(B)層および(D)層を構成する接着性樹脂(B)としてポリオレフィン(A1)を80重量部、MFRが3.2g/10分、密度が910kg/m、MAH含量が0.90重量%である無水マレイン酸変性ポリエチレン(F3)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(B6、MFR 9.7g/10分、密度 917kg/m、MAH含量 0.18重量%)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例7
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFRが1.9g/10分、エチレン含量が33mol%、密度が1180kg/m、融解熱量が62J/gであるエチレン・ビニルアルコール共重合体(三菱ケミカル(株)製 商品名ソアノールG GC3304B)(C2)を使用したこと以外は、実施例2と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例8
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFRが1.7g/10分、エチレン含量が32mol%、密度が1180kg/m、融解熱量が68J/gであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールJ171B)(C3)を使用したこと以外は、実施例2と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFRが1.7g/10分、エチレン含量が32mol%、密度が1190kg/m、融解熱量が70J/gであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールF171B)(C4)を使用したこと以外は、実施例3と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。フィルム外観及び接着性に劣っていた。
比較例2
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてMFRが1.7g/10分、エチレン含量が44mol%、密度が1140kg/m、融解熱量が64J/gであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールE171B)(C5)を使用したこと以外は、実施例3と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表1に示す。フィルム外観、ガスバリア性に劣っていた。
Figure 2022114677000001
実施例記載のエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のエチレン含量C(mol%)と密度DEVOH(kg/m)の関係を図1に示す。この図の通り、明細書記載の式(1)を満たす実施例8は、式(1)を満たさない比較例1および2よりもフィルム外観に優れる。更に、式(2)を満たす実施例2はより層間接着性に優れる。
なお、式(1)~式(3)の傾きについては、Cが27mol%、DEVOHが1210kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールL171B)、Cが32mol%、DEVOHが1190kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体(C4)、Cが35mol%、DEVOHが1180kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールC109B)、Cが38mol%、DEVOHが1170kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールH171B)、Cが44mol%、DEVOHが1140kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体(C5)、Cが48mol%、DEVOHが1120kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールG156B)のCとDEVOHの相関から算出した。
実施例9
基材層に坪量が50g/mであるクラフト紙(中越パッケージ(株)製、未晒クラフト紙、S2)を使用し、3種5層ラミネート成形の際に引取速度を50m/分とし、クラフト紙の(A)層との接着面に31W・分/mの処理強度でコロナ処理を施し、更にTダイから押し出した直後の溶融状態である3種5層フィルムの(A)層表面に78mg/mの処理強度でオゾン処理を施したこと以外は、実施例3と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。
比較例3
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてエチレン・ビニルアルコール共重合体(C4)を使用したこと以外は、実施例9と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。フィルム外観及び接着性に劣っていた。
比較例4
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてエチレン・ビニルアルコール共重合体(C5)を使用したこと以外は、実施例9と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。フィルム外観、ガスバリア性に劣っていた。
実施例10
基材層に坪量が300g/mである板紙(日本製紙(株)製、コップ原紙、ノーコート品、S3)を使用したこと以外は、実施例9と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びヒートシール強度を評価した。結果を表2に示す。
比較例5
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてエチレン・ビニルアルコール共重合体(C4)を使用したこと以外は、実施例10と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びヒートシール強度を評価した。結果を表2に示す。フィルム外観及び接着性に劣っていた。
比較例6
(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体(C)としてエチレン・ビニルアルコール共重合体(C5)を使用したこと以外は、実施例10と同様の手法により押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、フィルム外観、酸素透過度及びヒートシール強度を評価した。結果を表2に示す。ガスバリア性に劣っていた。
Figure 2022114677000002
本発明の押出ラミネートフィルムは、フィルム外観、接着性やガスバリア性が要求される積層体に用いることができ、特に、食品や飲料、医薬品などの包装材料に用いられる積層体に好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 少なくとも基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、(A)層がポリオレフィン系樹脂(a)、(B)層が接着性樹脂(b)、(C)層が下記(i)~(ii)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)、(D)層が接着性樹脂(d)、(E)層がポリオレフィン系樹脂(e)から構成されることを特徴とする押出ラミネートフィルム。
    (i)エチレン含量が40mol%以下
    (ii)DSCにより測定される融解熱量が70J/g未満
  2. 少なくとも基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、(A)層がポリオレフィン系樹脂(a)、(B)層が接着性樹脂(b)、(C)層が下記(iii)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)、(D)層が接着性樹脂(d)、(E)層がポリオレフィン系樹脂(e)から構成されることを特徴とする押出ラミネートフィルム。
    (iii)エチレン含有量C(mol%)とISO1183-3に準拠して測定した密度DEVOH(kg/m)が下式(1)を満たす
    EVOH<-4.265×C+1325 (1)
  3. エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)における融解熱量が50J/g以下である請求項1に記載の押出ラミネートフィルム。
  4. 接着性樹脂(b)または接着性樹脂(d)の少なくともいずれかが無水マレイン酸変性ポリオレフィン(f)を含む請求項1乃至3いずれか記載の押出ラミネートフィルム。
  5. 接着性樹脂(b)または接着性樹脂(d)の少なくともいずれかが下記(iv)を満たすポリオレフィン組成物(h)である請求項4に記載の押出ラミネートフィルム。
    (iv)ポリオレフィン系樹脂(g)を50重量部以上90重量部以下、無水マレイン酸変性ポリオレフィン(f)を10重量部以上50重量部以下((g)、(f)の合計は100重量部)を含む
  6. 無水マレイン酸変性ポリオレフィン(f)における無水マレイン酸の含量が0.40重量%以上1.00重量%以下である請求項4又は5に記載の押出ラミネートフィルム。
  7. (A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層が共押出ラミネート成形加工法により同時に形成されている請求項1乃至6いずれか一項に記載の押出ラミネートフィルム。
  8. (A)層および(E)層を構成するポリオレフィン樹脂が同一の成分であり、かつ、(B)層および(D)層を構成する接着性樹脂が同一の成分である請求項7に記載の押出ラミネートフィルム。
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