JP2020050726A - 接着性樹脂組成物および易剥離性フィルム - Google Patents

接着性樹脂組成物および易剥離性フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 低温シール性に優れ剥離時の紙製容器の紙剥けが少なく剥離中の剥離強度の振れ幅が小さく高温高湿環境下での保管後も接着強度の変化が小さい接着性樹脂組成物及びそれを用いた易剥離性フィルムを提供する。【解決手段】 JIS K6924−1で測定した酢酸ビニル含有率が3重量%以上15重量%以下、JIS K6924−1で測定したメルトマスフローレイトが1g/10分以上40g/10分以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)を50重量部以上90重量部以下、ガラス転移温度が60℃以上120℃以下である結晶性若しくは非晶性樹脂、又は60℃以上120℃以下のガラス転移温度を有するブロックセグメントを分子構造中に含む共重合体の少なくともいずれかの樹脂(B)を3重量部以上30重量部以下、及び粘着付与剤(C)を5重量部以上20重量部以下((A)、(B)及び(C)の合計は100重量部)である接着性樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む接着性樹脂組成物に関するものであり、より詳細には紙との接着性、高温高湿環境下での接着強度安定性に優れ、剥離時の紙の毛羽立ちが無い接着性樹脂組成物及びその樹脂組成物を用いた易剥離性フィルムに関するものである。
従来から、食品包装や工業用部品の包装にはポリエチレンやポリプロピレン、ポリスチレンなどのプラスチック容器や紙を主体とした紙製容器が使用されており、その蓋材には適度なヒートシール強度を持ち、且つ剥離時にはスムーズな剥離性能を持つ易剥離性フィルムが使用されている。
その中で紙製食品容器の蓋材や電子部品搬送用キャリアテープ(以下「紙キャリア」という)のカバーテープには、ヒートシール強度や易剥離性に加え、剥離時に容器の紙が剥けて毛羽立つ、いわゆる紙剥けが発生しないことが要求される。また、近年では内容物充填の高速化に伴い、短いシール時間で十分な接着強度を得る必要があるため低温シール性を要求されるケースが増加している。
さらに、電子部品搬送工程では、蓋材であるカバーテープを剥離する際に、剥離強度のハンチングや紙剥けを原因とする剥離振動の発生により、紙キャリア中の電子部品やICチップが飛び出すといった部品の取り出し不良が発生してしまうことが課題となっている。
特に近年では、電子部品を使用する工場が東南アジアなどの高温多湿地域に移っており、輸送・保管中に高温高湿環境下に晒されることから、接着強度の大きな変化や、剥離時の紙剥けなどに起因する部品の取り出し不良問題が増加している。
そのためカバーテープ用シール材には、剥離強度の振れ幅が小さく(剥離強度安定性)、高温高湿下の長期保管でも接着強度が大きく変化しないこと(接着強度維持性)などの要求が高度化してきている。
カバーテープ用シール材としては、ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体に粘着付与剤を添加した混合物(例えば特許文献1参照。)、エチレン−酢酸ビニル共重合体および粘着付与剤に低分子量のエチレン−酢酸ビニル共重合体を添加した混合物(例えば特許文献2参照。)、無水マレイン酸で変性したエチレン−アクリル酸共重合体および粘着付与剤にポリスチレン系樹脂やアクリル酸エステル共重合体を添加した混合物(例えば特許文献3参照。)等が使用されている。
しかしながら、これらでは低温シール性、優れた剥離外観(紙剥けが少ない)、剥離強度安定性、高温高湿下での接着強度維持性など全てを満足できるものではなかった。
特公平03−037760号公報 特開2009−035645号公報 WO2018−061442号公報
本発明は、低温シール性に優れ、剥離中の剥離強度の振れ幅が小さく、高温高湿環境下での保管後も接着強度の変化が小さく、剥離時の紙製容器の紙剥けが少ない接着性樹脂組成物、及びその樹脂組成物を用いた易剥離性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の配合の樹脂組成物が低温シール性に優れ、剥離中の剥離強度の振れ幅が小さく、高温高湿環境下での保管後も接着強度の変化が小さく、剥離時の紙製容器の紙剥けが少ないことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係る接着性樹脂組成物の実施形態としては、以下の特徴を有する。すなわち、
JIS K6924−1で測定した酢酸ビニル含有率が3重量%以上15重量%以下であり、JIS K6924−1で測定したメルトマスフローレイトが1g/10分以上40g/10分以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)を50重量部以上90重量部以下、ガラス転移温度が60℃以上120℃以下である結晶性若しくは非晶性樹脂、又は60℃以上120℃以下のガラス転移温度を有するブロックセグメントを分子構造中に含む共重合体の少なくともいずれか一つの樹脂(B)を3重量部以上30重量部以下、及び粘着付与剤(C)を5重量部以上20重量部以下(ここで(A)、(B)及び(C)の合計は100重量部とする)を含むことを特徴とする接着性樹脂組成物。
また、上記接着性樹脂組成物からなる接着剤層及び支持基材層を含むことを特徴とする易剥離性フィルム、及び該易剥離性フィルムからなることを特徴とする紙製容器の蓋材に関するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の接着性樹脂組成物は、JIS K6924−1で測定した酢酸ビニル含有率が3重量%以上15重量%以下であり、JIS K6924−1で測定したメルトマスフローレイトが1g/10分以上40g/10分以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)を50重量部以上90重量部以下、ガラス転移温度が60℃以上120℃以下である結晶性若しくは非晶性樹脂、又は60℃以上120℃以下のガラス転移温度を有するブロックセグメントを分子構造中に含む共重合体の少なくともいずれか一つの樹脂(B)を3重量部以上30重量部以下、及び粘着付与剤(C)を5重量部以上20重量部以下(ここで(A)、(B)及び(C)の合計は100重量部とする)を含むことを特徴とするものである。
本発明の接着性樹脂組成物を構成するエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、例えば公知の製造方法により得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を挙げることができる。低温シール性や高温高湿環境下での接着強度維持性、紙剥け防止に優れたものとなることから、JIS K6924−1に準拠して測定した酢酸ビニル含有率が3重量%以上15重量%以下であり、好ましくは、5重量%以上10重量%以下である。ここで、酢酸ビニル含有率が3重量%以上の場合、得られる接着性樹脂組成物は低温シール性がより優れる。また、酢酸ビニル含有率が15重量%以下の場合、得られる接着性樹脂組成物は高温高湿環境下での接着強度が適度になり、紙剥け性が良好となる。
また、該エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)のJIS K6924−1に準拠して測定したメルトマスフローレイトは、押出ラミネート加工性、低温シール性や紙剥け防止に優れたシーラント用接着剤となることから、1.0g/10分以上40g/10分以下の範囲にあるものであり、好ましくは3.0g/10分以上30g/10分以下である。メルトマスフローレイトが1.0g/10分以上の場合、押出ラミネート加工時のドローダウン性や低温シール性がより向上する。メルトマスフローレイトが40g/10分以下である場合、押出ラミネート時の溶融膜が安定となり、かつ、冷却ロールに貼付きにくくなる。
本発明を構成するエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)の配合割合は、50重量部以上90重量部以下であり、好ましくは50重量部以上85重量部以下である。これにより、本発明の組成物の低温シール性、剥離強度安定性、押出ラミネート加工性がより優れたものになる。エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)の配合割合が50重量部以上の場合、得られる接着性樹脂組成物は、押出ラミネート加工性により優れたものとなる。一方、90重量部以下の場合、得られる接着性樹脂組成物の低温シール性がより向上する。
該エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)の具体的例示としては、例えば(商品名)ウルトラセン(東ソー株式会社製)等を挙げることができる。
また、該エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は単独で使用しても、2種類以上併用して使用してもよい。2種類以上併用する場合も、接着性樹脂組成物におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計配合割合は50重量部以上90重量部以下である。
本発明の接着性樹脂組成物を構成する樹脂(B)は、ガラス転移温度が60℃以上120℃以下である結晶性若しくは非晶性樹脂、又は60℃以上120℃以下のガラス転移温度を有するブロックセグメントを分子構造中に含む共重合体の少なくともいずれか一つの樹脂である。ここで、樹脂又は共重合体のセグメントにおけるガラス転移温度は60℃以上120℃以下の範囲であり、より好ましくは60℃以上90℃以下の範囲である。
本発明における(B)は、換言すると、所定のガラス転移温度を有する樹脂そのもの、又は所定のガラス転移温度を有するブロックセグメントを分子構造中に含む共重合体のいずれかである。
ガラス転移温度が60℃以上であることにより、高温高湿環境下での接着強度が適度になり、また剥離した際の紙剥け性が良好となる。一方、ガラス転移温度が120℃以下であることにより、低温シール性がより優れたものとなる。
ガラス転移温度が60℃以上120℃以下の範囲にある結晶性又は非晶性樹脂(B)としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコールまたはポリ塩化ビニルからなる群の少なくとも一種を挙げることができる。
本発明を構成する樹脂(B)は、60℃以上120℃以下のガラス転移温度を有するブロックセグメントを分子構造中に含む共重合体でもよく、当該共重合体は、結晶性又は非晶性の少なくともいずれかであってもよい。
また、上記樹脂(B)は、キャリアテープとの接着性を高めるため、カルボン酸基や無水マレイン酸基、エポキシ基などを分子構造中に含んでもよい。
ガラス転移温度が60℃以上120℃以下の範囲にあるブロックセグメントを分子構造中に含む共重合(B)は、好ましくはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレンブロック共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸ノルマルブチル−メタクリル酸メチルブロック共重合体、アクリル−エポキシ共重合体からなる群の少なくとも一種である。
すなわち、樹脂(B)は、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレンブロック共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸ノルマルブチル−メタクリル酸メチルブロック共重合体、又はアクリル−エポキシ共重合体からなる群の少なくとも一種であることが好ましく、さらに好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、又はアクリル−エポキシ共重合体からなる群の少なくとも一種である。これにより、本発明の接着性組成物の接着強度がより向上する。
本発明を構成する樹脂(B)の配合割合は3重量部以上30重量部以下であり、より好ましくは押出ラミネート加工性優れることから4重量部以上20重量部以下、更に好ましくは5重量部以上15重量部以下である。ここで、3重量部以上の場合、得られる接着性樹脂組成物は高温高湿環境下での接着強度維持性がより優れたものとなる。一方、30重量部以下である場合、得られる接着性樹脂組成物は、溶融膜割れが発生しにくく、押出ラミネート加工性がより優れたものとなる。
本発明の接着性樹脂組成物を構成する粘着付与剤(C)は、例えば合成石油樹脂系粘着付与剤である石油樹脂系、クマロン樹脂系、スチレン系などや、天然樹脂系粘着付与剤であるロジン系樹脂、メチルエステル系樹脂、グリセリンエステル系樹脂、ペンタエリストールエステル系樹脂、テルペン系樹脂及びそれらの変性物、などが挙げられる。これらの粘着付与剤のうち、合成石油樹脂系粘着付与剤には脂肪族系石油樹脂、脂肪族系水添石油樹脂、芳香族系石油樹脂、芳香族系水添石油樹脂、脂環族系石油樹脂、脂環族系水添石油樹脂、共重合系水添石油樹脂などがある。これらのうち、得られる接着性樹脂組成物の低温シール性に優れ、かつ紙剥けが少ないことから、脂環族系石油樹脂および脂環族系水添石油樹脂が好ましく、より好ましくは脂環族系水添石油樹脂である。
該粘着付与剤(C)は、環球法で測定した軟化点が100℃以上140℃以下の範囲にあるものが好ましく、より好ましくは110℃以上140℃以下、更に好ましくは120℃以上135℃以下である。軟化点が100℃以上の場合、得られる接着性樹脂組成物は高温高湿環境下での接着強度維持性により優れる。また、軟化点が140℃以下の場合、得られる接着性樹脂組成物は、押出ラミネート加工性により優れる。
本発明で用いることが出来る粘着付与剤(C)の市販品としては、例えば(商品名) アルコン(荒川化学工業株式会社製)、アイマーブ(出光興産株式会社製)等を挙げることができる。
本発明を構成する粘着付与剤(C)の配合割合は5重量部以上20重量部以下であり、より好ましくは7重量部以上15重量部以下、更に好ましくは9重量部以上11重量部以下である。ここで、5重量部以上の場合、得られる接着性樹脂組成物は低温シール性により優れる。また、20重量部以下の場合、得られる接着性樹脂組成物は紙剥けがより少ないものとなる。
本発明の接着性樹脂組成物には、剥離特性改良のためエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)中5重量部以上20重量部以下をエチレン系樹脂(D)に代えることが好ましい。ここでエチレン系樹脂(D)としては、エチレン単独重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体又はこれらの組成物であり、その分子鎖の形態は直鎖状でもよく、分岐を有していてもよい。
このようなエチレン系樹脂(D)は、特に限定されるものではなく、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、またそれらの低分子量ワックス等を挙げることができる。特に、押出ラミネート加工性に優れることから低密度ポリエチレンまたは低密度ポリエチレンの低分子量ワックスの少なくともいずれかが好ましい。
高密度ポリエチレンは、従来公知の中圧イオン重合法や低圧イオン重合法により得ることができる。
低密度ポリエチレンは、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる。
直鎖状低密度ポリエチレンは、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などにより得ることができる。
直鎖状低密度ポリエチレンに用いるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンからなる群の少なくとも1種を用いることができる。
エチレン系樹脂(D)の数平均分子量(Mn)は1000以上13000以下の範囲が好ましく、1500以上12000以下の範囲がより好ましい。ここで、数平均分子量が1000以上の場合、得られる接着性樹脂組成物は高温高湿環境下での接着強度維持性に優れるため好ましい。また、数平均分子量が13000以下の場合、得られる接着性樹脂組成物は剥離強度の振れ幅が小さく、紙剥けが少ないため好ましい。
数平均分子量の測定方法としてはGPC法やNMR法、蒸気圧浸透法などが挙げられる。
該エチレン系樹脂(D)の具体的例示としては、例えば(商品名)ペトロセン(東ソー株式会社製)、サンワックス(三洋化成工業株式会社製)、ハイワックス(三井化学株式会社製)等を挙げることができる。
本発明を構成するエチレン系樹脂(D)の配合割合は5重量部以上20重量部以下であることが好ましく、より好ましくは5重量部以上15重量部以下、更に好ましくは5重量部以上10重量部以下である。ここで、5重量部以上の場合、得られる接着性樹脂組成物は剥離強度の安定性に優れる(剥離強度の振れ幅が小さい)一方、20重量部以下の場合、得られる接着性樹脂組成物は低温シール性に優れるものとなる。
エチレン系樹脂(D)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)の一部をエチレン系樹脂(D)に代えるものであり、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)とエチレン系樹脂(D)の合計は50重量部以上90重量部以下であることが好ましく、より好ましくは50重量部以上85重量部以下である。
本発明の接着性樹脂組成物は、特に押出ラミネート加工性に優れるものとなることからJIS K6924−1により測定しメルトマスフローレイトが5.0g/10分以上100g/10分以下であることが好ましく、より好ましくは5.0g/10分以上50g/10分以下である。
本発明の接着性樹脂組成物を混練する時は、各種配合材料を同時にヘンシェルミキサー又はタンブラー等の混合機により予備ブレンドしておき、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練する方法が挙げられる。
また、本発明の接着性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂やゴム、及び帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、滑剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、流動性改良剤、離型剤、難燃剤、着色剤、無機系中和剤、塩酸吸収剤、充填剤導電剤からなる群の少なくとも1種を含んでも良い。
本発明の接着性樹脂組成物は、紙製容器の蓋材として使用する易剥離性フィルムのシーラント接着剤層として使用される。
本発明の易剥離性フィルムは、上記接着性樹脂組成物からなる接着剤層(以下「シーラント接着剤層」ということがある)及び支持基材層を含むものである。支持基材層を構成する支持基材としては、自己支持性を有するものであれば良く、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酸共重合樹脂などのオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂で構成されたプラスチックフィルム、和紙、複合紙などの紙、アルミニウムなどの金属で構成された金属箔、これらの単独又は積層体などが挙げられる。支持基材層の厚みは、機械的強度、作業性などが損なわれない範囲で用途に応じて選択できるが、一般的には5μm以上100μm以下、好ましくは10μm以上50μm以下である。
シーラント接着剤層の厚みは、接着性、作業性などが損なわれない範囲で用途に応じて選択できるが、一般的には5μm以上50μm以下、好ましくは10μm以上30μm以下である。
本発明の易剥離性フィルムでは、前記支持基材層とシーラント接着剤層との間に、両層の密着性を高めるため、中間層を設けることもできる。この中間層は、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーなどで構成でき、これらの成分は単独又は2種以上混合して使用できる。例えば、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレンやエチレン共重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体など)やその変性物などが挙げられる。中間層には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、導電剤、アンチブロッキング剤、粘着付与剤からなる群の少なくとも1種が用いられても良い。
中間層の厚みは、作業性などが損なわれない範囲で用途に応じて選択できるが、一般的には5μm以上30μm以下である。
本発明の易剥離性フィルムでは、前記支持基材層とシーラント接着剤層との間、又は前記支持基材層と中間層との間に、両層の密着性を高めるためアンカーコート層を設けることもできる。
本発明の易剥離性フィルムは、主な材質が紙製である容器、例えば、クレープ紙、和紙、合成紙、複合紙などからなる容器や、葦、サトウキビなどからなるパルプモールド容器などの紙製容器の蓋材として好適である。
本発明の易剥離性フィルムは、主な材質が紙製である電子部品搬送用の紙製容器、例えば、広葉樹パルプや針葉樹パルプなどの木材パルプを主体とした多層抄板紙や、それらの表面に表面サイズ剤として澱粉やポリビニルアルコールなどを塗布した多層抄板紙などからなる電気部品搬送用紙製容器(キャリアテープ)の蓋材(カバーテープ)に好適である。
電気部品搬送用の蓋材に用いる場合、支持基材層にはポリエチレンテレフタレート樹脂が耐熱性に優れるために好ましく、支持基材層厚みは15μm以上25μm以下、シーラント接着剤層厚みは10μm以上25μm以下が好ましい。
紙製容器の中で、特に電子部品搬送用キャリアテープでは、蓋材となるカバーテープのシーラント接着剤層に、電子部品の静電気的な付着を抑える目的で帯電防止剤が添加もしくは塗布される。
帯電防止剤をシーラント接着剤層中に添加する方法は特に限定されないが、シーラント接着剤層となる接着性樹脂組成物を溶融混練する際に添加する方法や、溶融混練した後のペレットにまぶす方法等があり、帯電防止剤を添加した樹脂をラミネート成形することで帯電防止性能を有するシーラント接着剤層となる。
帯電防止剤をシーラント接着剤層に塗布する方法は特に限定されないが、シーラント接着剤層表面に帯電防止剤を含む溶液をスプレーあるいはロールコーター等により均一に塗布し、その後乾燥する方法などがある。
帯電防止剤としては、易剥離性フィルムの帯電を防止するものであれば如何なるものでも良く、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール粗暴酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド等の非イオン界面活性剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が挙げられる。
本発明の易剥離性フィルムの製造方法としては、特に限定はしないが、シーラント接着剤を支持基材フィルムに押出ラミネートする方法、予めシーラント接着剤層を少なくとも1層含む多層フィルムを成形し、支持基材フィルムと積層する方法からなる群の少なくとも1種の方法を挙げることができる。例えば、(1)支持基材フィルムにアンカーコート剤を塗布し、接着剤層を溶融押出する押出ラミネート方法、(2)支持基材フィルムにアンカーコート剤を塗布し、中間層を溶融押出した後、その上に接着剤層を溶融押出する押出ラミネート方法、(3)支持基材フィルムに、支持基材との接着性に優れた中間層を溶融押出した後、その上に接着剤層を溶融押出する押出ラミネート方法、(4)支持基材フィルムにアンカーコート剤を塗布し、中間層と接着剤層を同時に溶融押出する共押出ラミネート方法、(5)予めインフレーション成形法やキャスト成形法によりシーラント接着剤を少なくとも1層含む多層フィルムを成形し、アンカーコート剤を塗布した支持基材フィルムに貼り合わせる方法。(6)アンカーコート剤を塗布した支持基材フィルムとシーラント接着剤を少なくとも1層含む多層フィルムを押出ラミネートを用いて中間層を溶融押出すことにより積層する押出ラミネート方法などが挙げられる。
本発明の接着性樹脂組成物は、紙製容器用蓋材のシーラント層の樹脂として用いられ、得られた積層体は食品や電子部品などの紙製包装容器の蓋材として用いられ、特に電気部品搬送用紙製容器(キャリアテープ)の蓋材(カバーテープ)に好的に用いられる。
本発明の接着性樹脂組成物は紙製容器に適した蓋材接着用の接着剤であり、低温シール性に優れ、剥離中の剥離強度の振れ幅が小さく、高温高湿環境下での保管後も接着強度の変化が小さく、剥離時の紙製容器の紙剥けが少ない容器蓋材シーラント用接着剤、及び易剥離性フィルムとして有用である。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)メルトマスフローレート(MFR)
エチレン−酢酸ビニル共重合体、およびエチレン−ビニルアルコール共重合体のMFRは、JIS K6924−1に準拠して測定した。
(2)数平均分子量(Mn)
エチレン系樹脂の数平均分子量はGPC法により測定した。GPC法は、測定装置として東ソー(株)製HLC−8121GPC/HTを用い、分離カラムとしてTSKgelGMHHR−H(20)HT(東ソー(株)製、内径7.8mm、長さ30cm)を3本連結して使用した。移動層にはHPLC級1,2,4−トリクロロベンゼン(和光純薬工業(株)製)に酸化防止剤としてBHT(和光純薬工業(株)製)を0.05%添加したものを使用し、140℃に保持した分離カラム中を流速1.0mL/分で移動させた。これに1.0mg/mLに濃度を調整した試料溶液を0.3mL注入し、示差屈折計で分離された試料成分を検出した。標準ポリスチレン(東ソー(株)製)を使用して作成した5次近似曲線を検量線として使用し、数平均分子量(Mn)を算出した。
(3)ガラス転移温度
ガラス転移温度は、JISK7121に準拠して測定した。
(4)酢酸ビニル含有率
酢酸ビニル含有率は、JISK6924−1に準拠して測定した。
(5)接着強度
易剥離性フィルムの接着剤面とキャリアテープとなる紙基材とを重ね合わせテーピング試験機(株式会社バンガードシステムズ製 VS−120型)、コの字型シールバー(0.5mm幅×2本型、シールバー長さ8.2mm)を用いて160℃、0.1MPa、0.1秒の条件で加圧加熱接着した。放冷後に、180度剥離、剥離速度300mm/分の条件にて接着強度を測定した、その平均値を求めた。接着強度0.20N/mm以上で低温シール性良好とした。
(6)剥離時の接着強度安定性(振れ幅)
易剥離性フィルムの接着剤面とキャリアテープとなる紙基材とを重ね合わせテーピング試験機(株式会社バンガードシステムズ製 VS−120型)、コの字型シールバー(0.5mm幅×2本型、シールバー長さ8.2mm)を用いてヒートシール条件を0.1MPa、0.1秒とし、ヒートシール強度が約0.25N/mmとなるようにヒートシール設定温度を変更し加圧加熱接着した。放冷後に、180度剥離、剥離速度300mm/分の条件にて接着強度を測定し、その測定値の最大値と最小値の差を計算し接着強度安定性とした接着強度安定性(振れ幅)は、0.15N/mm以下を良好とした。
(7)高温恒湿環境保管後の接着強度変化量 上記(6)同様の条件で易剥離性フィルムとキャリアテープ加圧加熱接着した。貼り合わせた試料を60℃、常圧下および60℃、 95%RH(湿度)のオーブン中に10日保管し、10日後に試料を取り出して放冷した後に、剥離角度180度、剥離速度300mm/分の条件にて接着強度を測定し、その平均値を求めた。剥離強度の維持性として、初期強度平均値(オーブン保管前)から10日後の剥離強度平均値(オーブン保管後)を引いた値(経時変化量)を用いた。経時変化量が0から0.1N/mm未満の範囲で良好とした。
(8)剥離外観
上記(6)同様の条件で易剥離性フィルムとキャリアテープ加圧加熱接着した。貼り合わせた試料を60℃,95%RH(湿度)のオーブン中に10日保管し、10日後に試料を取り出して放冷した後に、引張試験機(ORIENTEC製 テンシロンRTE−1210)にて、剥離角度60度、剥離速度300mm/分の条件にて剥離した。剥離した易剥離性フィルムの接着性樹脂組成物層面の目視確認を行ない、剥離状態を評価した。紙剥けが少ないものから○>△>×と評価し、○を良好とした。
実施例1
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)として、酢酸ビニル含有率6重量%、メルトマスフローレイトが8.5g/10分である樹脂(A1)(東ソー(株)製 商品名ウルトラセン537)80重量部、樹脂(B)としてガラス転移温度が110℃、メルトマスフローレイトが0.2g/10分であるポリ(メタ)アクリル酸メチル(B1)((株)クラレ社製、商品名パラペットG−1000)10重量部、粘着付与剤樹脂(C)として水添石油樹脂(C1)(荒川化学(株)社製 商品名アルコンP125;軟化温度125℃)を10重量部をタンブラー混合機で予備ブレンドしておき、二軸押出機を用い200℃で溶融混練し、接着性樹脂組成物のペレットを得た。
上記接着性樹脂組成物のペレットを直径25mmφのスクリューを有する単軸押出ラミネーター(プラコー(株)製)へ供給し、Tダイ直下の樹脂温度が220℃となるようにTダイより押出し、あらかじめ押出ラミネートで作成しておいた二軸延伸されたポリエステルフィルム(25μm厚み)と低密度ポリエチレン(15μm厚み、東ソー(株)社製 商品名ペトロセン203)からなる貼合わせ基材の低密度ポリエチレン側に引取り速度が20m/分、エアギャップ長さが130mmで接着性樹脂組成物層が15μmの厚さになるよう押出ラミネート成形を行い、支持基材層がポリエステルフィルム、中間層が低密度ポリエチレン、シーラント層が接着性樹脂組成物である易剥離性フィルムを得た。
得られた易剥離性フィルムを用いて前記評価方法で測定した。評価の結果を表1に示す。
実施例2
ポリ(メタ)アクリル酸メチル(B1)の代わりに、ガラス転移温度が100℃、メルトマスフローレイトが20g/10分であるポリスチレン(B2)(DIC(株)社製、商品名ディックスチレンCR−2500)10重量部を使用し、二軸押出機の混練温度を160℃として接着性樹脂組成物を得た以外は実施例1と同様の手法により易剥離性フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムを用いて前記評価方法で測定した。評価の結果を表1に示す。
実施例3
ポリスチレン(B2)の代わりに、ガラス転移温度が70℃、メルトマスフローレイトが3g/10分である非晶性ポリエチレンテレフタレート(B3)(イーストマンケミカル(株)社製、商品名Eastar5011)10重量部を使用して接着性樹脂組成物を得た以外は実施例2と同様の手法により易剥離性フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムを用いて前記評価方法で測定した。評価の結果を表1に示す。
実施例4
ポリスチレン(B2)の代わりに、共重合体中のスチレンブロックセグメントのガラス転移温度が75℃、メルトマスフローレイトが1g/10分であるスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)(B4)(旭化成(株)社製、商品名アサフレックス830)10重量部を使用して接着性樹脂組成物を得た以外は実施例2と同様の手法により易剥離性フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムを用いて前記評価方法で測定した。評価の結果を表1に示す。
実施例5
ポリスチレン(B2)の代わりに、ガラス転移温度が71℃であるアクリル−エポキシ共重合体(B5)(日油(株)社製、商品名マープルーフG−0150M)10重量部を使用して接着性樹脂組成物を得た以外は実施例2と同様の手法により易剥離性フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムを用いて前記評価方法で測定した。評価の結果を表1に示す。
実施例6
酢酸ビニル含有率6重量%、メルトマスフローレイトが8.5g/10分である樹脂(A1)(東ソー(株)製 商品名ウルトラセン537)74重量部、共重合体中のブロックセグメントのガラス転移温度が75℃、メルトマスフローレイトが1g/10分であるスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)(B4)(旭化成(株)社製、商品名アサフレックス830)10重量部、粘着付与剤樹脂(C)として水添石油樹脂(C1)(荒川化学(株)社製 商品名アルコンP125;軟化温度125℃)10重量部、エチレン系樹脂(D)として数平均分子量(Mn)が2000である樹脂(D1)(三洋化工業(株)製 商品名サンワックス151P)6重量部を使用して接着性樹脂組成物を得た以外は実施例2と同様の手法により易剥離性フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムを用いて前記評価方法で測定した。評価の結果を表1に示す。
実施例7
酢酸ビニル含有率6重量%、メルトマスフローレイトが8.5g/10分である樹脂(A1)(東ソー(株)製 商品名ウルトラセン537)74重量部、ガラス転移温度が71℃であるアクリル−エポキシ共重合体(B5)(日油(株)社製、商品名マープルーフG−0150M)10重量部、粘着付与剤樹脂(C)として水添石油樹脂(C1)(荒川化学(株)社製 商品名アルコンP125;軟化温度125℃)10重量部、エチレン系樹脂(D)として数平均分子量(Mn)が2000である樹脂(D1)(三洋化工業(株)製 商品名サンワックス151P)6重量部を使用して接着性樹脂組成物を得た以外は実施例2と同様の手法により易剥離性フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムを用いて前記評価方法で測定した。評価の結果を表1に示す。
Figure 2020050726
比較例1
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)として、酢酸ビニル含有率6重量%、メルトマスフローレイトが8.5g/10分である樹脂(A1)(東ソー(株)製 商品名ウルトラセン537)90重量部、粘着付与剤樹脂(C)として水添石油樹脂(C1)(荒川化学(株)社製 商品名アルコンP125;軟化温度125℃)10重量部を使用して接着性樹脂組成物を得た以外は実施例2と同様の手法により易剥離性フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムを用いて前記評価方法で測定した。評価の結果を表2に示す。接着強度、剥離時の接着強度安定性(振れ幅)、高温恒湿保管後の接着強度変化、剥離外観に劣っていた。
比較例2
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)として、酢酸ビニル含有率6重量%、メルトマスフローレイトが8.5g/10分である樹脂(A1)(東ソー(株)製 商品名ウルトラセン537)84重量部、粘着付与剤樹脂(C)として水添石油樹脂(C1)(荒川化学(株)社製 商品名アルコンP125;軟化温度125℃)を10重量部、エチレン系樹脂(D)として数平均分子量(Mn)が2000である樹脂(D1)(三洋化成工業(株)製 商品名サンワックス151P)6重量部を使用して接着性樹脂組成物を得た以外は実施例2と同様の手法により易剥離性フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムを用いて前記評価方法で測定した。評価の結果を表2に示す。接着強度に劣っていた。
比較例3
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)として、酢酸ビニル含有率6重量%、メルトマスフローレイトが8.5g/10分である樹脂(A1)(東ソー(株)製 商品名ウルトラセン537)85重量部、粘着付与剤樹脂(C)として水添石油樹脂(C1)(荒川化学(株)社製 商品名アルコンP125;軟化温度125℃)15重量部を使用して接着性樹脂組成物を得た以外は実施例1と同様の手法により易剥離性フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムを用いて前記評価方法で測定した。評価の結果を表2に示す。剥離時の接着強度安定性(振れ幅)、高温恒湿保管後の接着強度変化、剥離外観に劣っていた。
比較例4
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)として、酢酸ビニル含有率10重量%、メルトマスフローレイトが9g/10分である樹脂(A2)(東ソー(株)製 商品名ウルトラセン541)84重量部、粘着付与剤樹脂(C)として水添石油樹脂(C1)(荒川化学(株)社製 商品名アルコンP125;軟化温度125℃)を10重量部、エチレン系樹脂(D)として数平均分子量(Mn)が2000である樹脂(D1)(三洋化成工業(株)製 商品名サンワックス151P)6重量部を使用して接着性樹脂組成物を得た以外は実施例1と同様の手法により易剥離性フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムを用いて前記評価方法で測定した。評価の結果を表2に示す。高温恒湿保管後の接着強度変化、剥離外観に劣っていた。
Figure 2020050726
本発明の接着性樹脂組成物は、紙製容器用蓋材のシーラント層の樹脂として用いられ、得られた積層体は食品や電子部品などの紙製包装容器の蓋材として用いられ、特に電気部品搬送用キャリアテープの蓋材(カバーテープ)に好的に用いられる。

Claims (9)

  1. JIS K6924−1で測定した酢酸ビニル含有率が3重量%以上15重量%以下であり、JIS K6924−1で測定したメルトマスフローレイトが1g/10分以上40g/10分以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)を50重量部以上90重量部以下、ガラス転移温度が60℃以上120℃以下である結晶性若しくは非晶性樹脂、又は60℃以上120℃以下のガラス転移温度を有するブロックセグメントを分子構造中に含む共重合体の少なくともいずれか一つの樹脂(B)を3重量部以上30重量部以下、及び粘着付与剤(C)を5重量部以上20重量部以下(ここで、(A)、(B)及び(C)の合計は100重量部とする)を含むことを特徴とする接着性樹脂組成物。
  2. 樹脂(B)が、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレンブロック共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸ノルマルブチル−メタクリル酸メチルブロック共重合体、又はアクリル−エポキシ共重合体からなる群の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の接着性樹脂組成物。
  3. 樹脂(B)が、60℃以上90℃以下のガラス転移温度を有する樹脂又は60℃以上90℃以下のガラス転移温度を有するブロックセグメントを分子構造中に含む共重合体の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の接着性樹脂組成物。
  4. エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)中5重量部以上20重量部以下をエチレン系樹脂(D)に代えたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の接着性樹脂組成物。
  5. エチレン系樹脂(D)の数平均分子量(Mn)が1000以上13000以下であることを特徴とする請求項4に記載の接着性樹脂組成物。
  6. エチレン系樹脂(D)が低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項4又は5に記載の接着性樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載の接着性樹脂組成物からなる接着剤層及び支持基材層を含むことを特徴とする易剥離性フィルム。
  8. 請求項7に記載の易剥離性フィルムからなることを特徴とする紙製容器の蓋材。
  9. 電子部品搬送用であることを特徴とする請求項8に記載の紙製容器の蓋材。
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