JP2023146177A - 熱可塑性樹脂フィルム、粘着フィルム、および半導体製造工程用粘着フィルム - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルム、粘着フィルム、および半導体製造工程用粘着フィルム Download PDF

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Abstract

【解決課題】十分な耐熱性と透明性、取扱い性および柔軟性を有し、且つフィルム同士のブロッキングの抑制された熱可塑性樹脂フィルムを提供すること。【解決手段】表層、裏層および中間層の少なくとも3層からなる熱可塑性樹脂フィルムであって、表層および裏層にランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを含有し、中間層にランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、熱可塑性エラストマーを含有し、以下を満たすことを特徴とする、該熱可塑性樹脂フィルム。(1)表層および裏層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量に対する、ランダムポリプロピレンの含有量が20~75質量%、ホモポリプロピレンの含有量が25~55質量%である。(2)中間層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量に対する、ランダムポリプロピレンの含有量が5~50質量%、ホモポリプロピレンの含有量が30~60質量%、熱可塑性エラストマーの含有量が10~60質量%である。(3)表層および裏層の表面粗さ(Ra)が0.5μm以下、且つ最大高さ(Rz)が3.0μm以下である。

Description

本発明は、半導体製造工程で使用される粘着フィルム(テープ)、看板、自動車等へ意匠性を付与するために貼り付けされるステッカー、ラベル及びマーキングフィルム等の化粧用粘着フィルム(テープ)、又は化粧シート等の基材として好適に用いられる熱可塑性樹脂フィルム、当該フィルムに粘着剤層を設けた粘着フィルム、及び当該フィルムに印刷層を設けた化粧フィルム等に関する。
従来、半導体製造工程で使用される粘着フィルム(テープ)、看板、自動車等へ意匠性を付与するために貼り付けされるステッカー、ラベル及びマーキングフィルム等の化粧用粘着フィルム(テープ)、化粧シート等には、着色性、加工性、耐傷付き性、耐候性等が優れるポリ塩化ビニル樹脂製のフィルム(以下、「PVC系フィルム」ともいう。)が基材として多用されてきた。
上記PVC系フィルムは、それ自体剛性を有しているが、粘着フィルムとして機能し得るよう、柔軟性付与の目的で可塑剤が添加される。しかしながら、用いる可塑剤によっては、粘着剤との相溶性が悪く、粘着フィルムとした場合に安定性が悪く、可塑剤のブリードアウトが著しくなるという問題がある。また、可塑剤の使用自体に規制が強まる傾向もある。
そこで、PVC系フィルムに代わる材料として、ポリオレフィン系樹脂フィルムが広く用いられてきている。
また、半導体を製造する工程においても、半導体ウエハやパッケージ等を切断する際に半導体ウエハ加工用の粘着フィルムが用いられており、上記のような問題からポリオレフィン系樹脂フィルムが用いられるケースが増加している(例えば特許文献1)。
近年、半導体素子の小型化・薄型化が進み、フィルムに取扱い性やエキスパンド時に求められる柔軟性だけでなく、チップの破損やエキスパンド時のチップの紛失を抑制するために、ウエハと粘着フィルムを加熱して貼り合わせより強固に密着させる、ダイシング後のエキスパンド工程を加熱して行うといった、加熱する工程が想定されることから、半導体製造工程用フィルムに耐熱性も求められるケースがある。
また、回転するブレードを用いたブレードダイシング以外にも、レーザー光を照射することで半導体ウエハの一部を改質し、半導体ウエハを引き延ばすことでウエハを分割するレーザーダイシング、ステルスダイシングといった工程への適用も求められるケースがある。このようなレーザー光を用いる工程では、半導体製造工程用フィルムやテープ越しにレーザー光を照射するケースがあり、そのような場合にレーザー光の散乱を防ぎ、精度よくウエハに集光させるために、透明性の高いフィルムが求められる傾向にある。
特許文献2には、低温でもエキスパンド性を維持するためにポリエチレン系樹脂を用いたダイシング用基体フィルムが開示されている。
特許文献3には、帯電防止性能の付与および柔軟性と耐熱性に優れた半導体製造工程用基材フィルムが開示されている。
特許文献4には、表面粗さが小さく、透明性に優れるダイシングシートが開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載のフィルムには比較的融点の低いポリエチレン系樹脂のみが使用されており、低温のエキスパンド性には優れると思われるものの、耐熱性には改善の余地があると考えられる。また、特許文献3に記載されているフィルムでは、帯電防止性能や耐熱性には優れるものの、表面粗さの小さい透明性の高いフィルムを得る際の、フィルム同士のブロッキングによる不具合の抑制の観点から改善の余地があった。
特許文献4に記載のシートには、表面粗さが小さく、透明性に優れるフィルムの記載があるもの、こちらも特許文献3に記載のものと同様にブロッキングによる不具合の抑制の観点と、それに加えて樹脂の耐熱性の観点からも改善の余地があるものと推測される。
特開平09-008111号公報 特開2018-125521号公報 特開2020-84143号公報 特許6980684号公報
本発明は、上記の問題に鑑みて、半導体製造工程において加熱を行う工程やレーザー光の散乱の抑制を求められる場合でも、十分な耐熱性を有し、且つ表面粗さの小さく透明性の高いフィルムを提供し、さらに、当該フィルムを取り扱う際のフィルム同士のブロッキングを抑制でき、取扱い性や柔軟性にも優れる熱可塑性樹脂フィルムを提供することを目的とする。
また、本発明は、該熱可塑性樹脂フィルムに粘着剤層を設けることで、半導体製造工程用に好適に用いることができる粘着フィルムを提供することも目的とする。
本発明者は、各層に特定の樹脂組成物を用いることで、耐熱性、取扱い性、柔軟性に加え、表面粗さの小さく透明性の高いフィルムにおいてもフィルム同士のブロッキングの抑制された熱可塑性樹脂フィルムを鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]
表層、裏層および中間層の少なくとも3層からなる熱可塑性樹脂フィルムであって、表層および裏層にランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを含有し、中間層にランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、熱可塑性エラストマーを含有し、以下の要件を満たすことを特徴とする、該熱可塑性樹脂フィルム。
(1)表層および裏層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量に対する、ランダムポリプロピレンの含有量が20~75質量%、ホモポリプロピレンの含有量が25~55質量%である。
(2)中間層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量に対する、ランダムポリプロピレンの含有量が5~50質量%、ホモポリプロピレンの含有量が30~60質量%、熱可塑性エラストマーの含有量が10~60質量%である。
(3)表層および裏層の表面粗さ(Ra)が0.5μm以下、且つ最大高さ(Rz)が3.0μm以下である。
[2]
前記熱可塑性エラストマーが、スチレン系エラストマーおよび/又はオレフィン系エラストマーである[1]に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[3]
前記熱可塑性樹脂フィルムのヘイズが10%以下である[1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[4]
前記熱可塑性樹脂フィルムの引張弾性率が100~600MPaの範囲内である[1]~[3]のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[5]
[1]~[4]のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片方の面に粘着層を設けてなる粘着フィルム。
[6]
半導体製造工程に用いられる[5]に記載の半導体製造工程用粘着フィルム。
本発明に記載の樹脂組成物を用いた熱可塑性樹脂フィルムとすることで、半導体製造工程に加熱を行う工程やレーザー光の散乱の抑制を求められる場合でも、十分な耐熱性を有し、且つ表面粗さの小さく透明性の高いフィルムを提供し、さらに、当該フィルムを取り扱う際のフィルム同士のブロッキングを抑制でき、取扱い性や柔軟性にも優れる熱可塑性樹脂フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、該熱可塑性樹脂フィルムに粘着剤層を設けることで、半導体製造工程用に好適に用いることができる粘着フィルムを提供することも目的とする。
半導体製造工程に加熱を行う工程が想定される場合でも十分な耐熱性を有し、取扱い性や柔軟性にも優れ、且つ表面粗さの小さく透明性の高いフィルムであってもフィルム同士のブロッキングの抑制された熱可塑性樹脂フィルムを得ることが可能となり、該熱可塑性樹脂フィルムを半導体製造工程用に好適に用いることができる。
以下に本発明について詳述するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。尚、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、表層、裏層および中間層の少なくとも3層からなるフィルムであって、表層および裏層にランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを含有し、中間層にランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、熱可塑性エラストマーを含有し、後述する以下の要件を満たすフィルムである。
(1)表層および裏層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量に対する、ランダムポリプロピレンの含有量が20~75質量%、ホモポリプロピレンの含有量が25~55質量%である。
(2)中間層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量に対する、ランダムポリプロピレンの含有量が5~50質量%、ホモポリプロピレンの含有量が30~60質量%、熱可塑性エラストマーの含有量が10~60質量%である。
(3)表層および裏層の表面粗さ(Ra)が0.5μm以下、且つ最大高さ(Rz)が3.0μm以下である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを構成する樹脂等について以下に詳述する。
<ランダムポリプロピレン及びホモポリプロピレン>
ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを本発明の熱可塑性樹脂フィルムの各層に所定の量含有させることにより、耐熱性と柔軟性を付与することが可能となり、さらにフィルム表裏の表面粗さが小さい場合でも、フィルム同士のブロッキングを抑制することが可能となる。
ホモポリプロピレンとは、プロピレンの単独重合体であり、ランダムポリプロピレンとは、プロピレンを主成分とするプロピレンと共重合可能な他の単量体との共重合体である。
前記プロピレンと共重合可能な他の単量体として用いられるα-オレフィンとしては、炭素原子数が4~12のものが好ましく、例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン、1-デセン等が挙げられ、その1種または2種以上の混合物が用いられる。
ランダムポリプロピレンの市販品としては、例えば、ノバテックPP「FW4BA」、ノバテックPP「FX3B」(以上、日本ポリプロ社製)、PC630A、PC630S(以上、サンアロマー社製)、F-730NV、F-744NP(以上、プライムポリプロ社製)、住友ノーブレン「FL6737」、住友ノーブレン「S131」(以上、住友化学社製)等が挙げられる。
ランダムポリプロピレンは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用して用いてもよい。熱可塑性樹脂フィルムを得る際の製膜性や、得られるフィルムの耐熱性や柔軟性、フィルム同士のブロッキング等を考慮し、必要に応じて適宜選択することができる。
ランダムポリプロピレンの結晶融解ピークとしては、120℃以上を示すことが好ましい。120℃以上の結晶融解ピークを有することで、得られる熱可塑性樹脂フィルムに十分な耐熱性を付与することが可能となる。より好ましくは125℃以上、さらに好ましくは130℃以上である。
ランダムポリプロピレンの強度については、それらの樹脂単独で得られるフィルムの引張弾性率が200~800MPaの範囲内であることが好ましい。引張弾性率が200~800MPaの範囲内であれば、本発明の熱可塑性樹脂フィルムに適度な強度と柔軟性を付与することが可能となる。より好ましくは200~700MPaの範囲内、さらに好ましくは200~600MPaの範囲内である。
ホモポリプロピレンの市販品としては、例えば、ノバテックPP「MA3U」、ノバテックPP「FY6HA」(以上、日本ポリプロ社製)、PC412A、PC600A、PC600S(以上、サンアロマー社製)、F-730NV、F-744NP(以上、プライムポリプロ社製)、住友ノーブレン「WF836DG3」、住友ノーブレン「FLX80H5」(以上、住友化学社製)等が挙げられる。
ホモポリプロピレンは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用して用いてもよい。熱可塑性樹脂フィルムを得る際の製膜性や、得られるフィルムの耐熱性や柔軟性、フィルム同士のブロッキング等を考慮し、必要に応じて適宜選択することができる。
ホモポリプロピレンの結晶融解ピークとしては、140℃以上を示すことが好ましい。140℃以上の結晶融解ピークを有することで、得られる複層フィルムに十分な耐熱性を付与することが可能となる。より好ましくは145℃以上、さらに好ましくは150℃以上である。
ランダムポリプロピレンの強度については、それらの樹脂単独で得られるフィルムの引張弾性率が700~1800MPaの範囲内であることが好ましい。引張弾性率が700~1800MPaの範囲内であれば、本発明のフィルムに適度な強度を付与することが可能となる。より好ましくは700~1700MPaの範囲内、さらに好ましくは700~1600MPaの範囲内である。
また、前述のランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン以外のポリプロピレン系樹脂として、前記プロピレンを主成分とするプロピレンと共重合可能な他の単量体との共重合体としてブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)、ゴム成分を含むブロック共重合体あるいはグラフト共重合体等を用いることもできる。
ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンのメルトフローレートは、その適用する成形方法や用途により適宜選択されるものの、230℃の温度条件下、荷重2.16kgで測定した値が0.1~50g/10分であることが好ましい。0.1g/10分以上であればフィルムの成形性が良好となり、50g/10分以下であればフィルムの厚み精度を良好に保つことが可能となる。より好ましくは0.5~40g/10分、さらに好ましくは1.0~30g/10分である。
<熱可塑性エラストマー>
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの中間層には、前述したランダムポリプロピレン、ホモプロピレンに加えて、熱可塑性エラストマーが含まれる。熱可塑性エラストマーを含有させることにより、得られるフィルムに柔軟性やエキスパンド性を適切な範囲に調整することが可能となる。
熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーン系エラストマー等が挙げられる。
上記熱可塑性エラストマーの中でも、前述したランダムポリプロピレン、ホモポリプロプロピレンとの相溶性や得られるフィルムへの柔軟性の付与、透明性の観点から、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーを用いることが好ましい。中でも柔軟性付与の観点から、スチレン系エラストマーを用いることがより好ましい。
オレフィン系エラストマーとは、ポリオレフィン系樹脂とゴム成分とを含んでなる軟質樹脂であり、ポリオレフィン系樹脂にゴム成分が分散しているものでもよいし、互いが共重合されているものでもよい。
オレフィン系エラストマーの具体例としては、例えば、エチレン-プロピレン共重合体エラストマー、エチレン-1-ブテン共重合体エラストマー、エチレン-プロピレン-1-ブテン共重合体エラストマー、エチレン-1-ヘキセン共重合体エラストマー、エチレン-1-オクテン共重合体エラストマー、エチレン-スチレン共重合体エラストマー、エチレン-ノルボルネン共重合体エラストマー、プロピレン-1-ブテン共重合体エラストマー、エチレン-プロピレン-非共役ジエン共重合体エラストマー、エチレン-1-ブテン-非共役ジエン共重合体エラストマー、及びエチレン-プロピレン-1-ブテン-非共役ジエン共重合体エラストマー等のオレフィンを主成分とする無定型の弾性共重合体、その誘導体及び酸変性誘導体等を挙げることができる。
オレフィン系エラストマーの市販品としては、例えば、ウェルネクス「RFG4VM」ウェルネクス「RFX4V」、ウェルネクス「RMG02」(以上、日本ポリプロ社製)、タフマー「A-4070S」、タフマー「A-4085S」、タフマー「BL2481M」、タフマー「BL3450M」、タフマー「XM7070」、タフマー「XM7080」、ミラストマー(以上、三井化学社製)、ENGAGE、AFFINITY、VERSIFY(以上、ダウケミカル社製)等を挙げることができる。
オレフィン系エラストマーは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用して用いてもよい。熱可塑性樹脂フィルムを得る際の製膜性や、得られるフィルムの柔軟性、フィルム同士のブロッキング等を考慮し、必要に応じて適宜選択することができる。
オレフィン系エラストマーの強度については、それらの樹脂単独で得られるフィルムの引張弾性率が30~400MPaの範囲内であることが好ましい。引張弾性率が30~400MPaの範囲内であれば、本発明のフィルムに適度な柔軟性を付与することが可能となる。より好ましくは30~300MPaの範囲内、さらに好ましくは30~200MPaの範囲内である。
オレフィン系エラストマーのメルトフローレートは、その適用する成形方法や用途により適宜選択されるものの、190℃もしくは230℃の温度条件下、荷重2.16kgで測定した値が0.1~50g/10分であることが好ましい。0.1g/10分以上であればフィルムの成形性が良好となり、50g/10分以下であればフィルムの厚み精度を良好に保つことが可能となる。より好ましくは0.5~40g/10分、さらに好ましくは1.0~30g/10分である。
スチレン系エラストマーとしては、下記式(I)または(II)で表されるブロック共重合体であることが好ましい。
X-(Y-X)n …(I)
(X-Y)n …(II)
一般式(I)および(II)におけるXはスチレンに代表される芳香族ビニル重合体ブロック(以下、スチレン成分)で、式(I)においては分子鎖両末端で重合度が同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、Yとしてはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、ブタジエン/イソプレン共重合体ブロック、水添されたブタジエン重合体ブロック、水添されたイソプレン重合体ブロック、水添されたブタジエン/イソプレン共重合体ブロック、部分水添されたブタジエン重合体ブロック、部分水添されたイソプレン重合体ブロックおよび部分水添されたブタジエン/イソプレン共重合体ブロックの中から選ばれた少なくとも1種である。また、nは1以上の整数である。
スチレン系エラストマーの具体例としては、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレン共重合体、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレン共重合体、スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレン共重合体、スチレン-ブタジエン-ブテン-スチレン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体、スチレン-水添ブタジエンジブロック共重合体、スチレン-水添イソプレンジブロック共重合体、スチレン-ブタジエンジブロック共重合体、スチレン-イソプレンジブロック共重合体等が挙げられ、その中でもスチレン-エチレン・ブチレン-スチレン共重合体、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレン共重合体、スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレン共重合体、スチレン-ブタジエン-ブテン-スチレン共重合体が好適である。また、スチレン-エチレン・ブチレン-結晶性オレフィン共重合体であるブロック共重合体を用いることもできる。
スチレン系エラストマーのメルトフローレート(230℃の温度条件下、荷重2.16kgで測定した値)は、0.1~20g/10分であることが好ましく、0.15~15g/10分であることがより好ましく、0.2~10g/10分であることが特に好ましい。スチレン系エラストマーのメルトフローレートが0.1g/10分以上、20g/10分以下であれば、他樹脂との相溶性がよく、製膜性の点で好ましい。
スチレン系エラストマーにおけるスチレン成分の含有量は40質量%以下であることが好ましい。スチレン成分の含有量が40質量%以下であれば、得られるフィルムに柔軟性を付与することが可能となる。好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
スチレン成分の含有量およびそれ以外の成分の含有量は、H-NMRや13C-NMRを用いることにより測定することができる。ここで、「スチレン成分の含有量」とは、スチレン系エラストマーの質量を基準としてスチレンに代表される芳香族ビニル重合体ブロックの含有割合(質量%)をいう。
スチレン成分の含有量が40質量%以下であるスチレン系エラストマーの市販品としては、例えば、タフテックH1221、タフテックH1062、タフテックH1521、タフテックH1052、タフテックH1041、タフテックP1083、タフテックP1913(以上、旭化成社製)、セプトン2004F、セプトン2063、ハイブラー7311、ハイブラー7311F、ハイブラー7125F、ハイブラー5127、ハイブラー5125(以上、クラレ社製)、ダイナロン1320P、ダイナロン4600P、ダイナロン8300P、ダイナロン8903P(以上、JSR社製)等が挙げられる。
上記スチレン系エラストマーは、1種類のエラストマーを単独で用いてもよいし、2種類以上を併用して用いてもよい。熱可塑性樹脂フィルムを得る際の製膜性や、得られるフィルムの柔軟性や取扱い性、エキスパンド性を考慮し、必要に応じて適宜選択することができる。
また、得られる熱可塑性樹脂フィルムの柔軟性や製膜性を損なうことが無ければ、オレフィン系エラストマーとスチレン系エラストマーを併用して用いても良い。
<その他の樹脂>
本発明の熱可塑性樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、熱可塑性エラストマー以外にも耐熱性や柔軟性を損なわない範囲でその他の樹脂を添加することができる。その他の樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンを主成分とするエチレンと共重合可能な他の単量体との共重合体(低密度ポリエチレン(LDPE)、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン系触媒を用いて重合して得られるエチレン系共重合体(メタロセン系ポリエチレン)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレンー(メタ)アクリル酸共重合体の金属イオン架橋樹脂(アイオノマー)等が挙げられる。
中でも入手のし易さや樹脂の取り扱い性、得られるフィルムへの柔軟性と耐熱性の調整が容易であるとの観点から、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いることが好ましい。
環状オレフィン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体とエチレン等のα-オレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体等が挙げられる。また、これらの水素添加物も用いることができる。
ポリメチルペンテン系樹脂としては、メチルペンテンをモノマーとする単独重合体またはその他のモノマーとの共重合体を用いることが好ましい。具体例としては、ポリプロピレン系樹脂についてプロピレンと共重合可能な他の単量体として例示したα-オレフィンと4-メチルペンテン-1との共重合体を挙げることができる。
ポリメチルペンテン系樹脂が、共重合体である場合は、共重合に用いられるα-オレフィン成分の含有量が20質量%以下であることが好ましい。20質量%以下とすることで、結晶融解ピークの低下を抑制することが可能となる。より好ましくは10質量%以下である。
<その他の成分>
本発明の熱可塑性樹脂フィルムには帯電防止性や耐熱性、耐候性等を付与するために各種添加剤を配合することができる。
具体例としては、例えば、帯電防止剤、酸化防止剤、中和剤、滑剤、アンチブロッキング剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、染顔料、結晶核剤、紫外線吸収剤、充填剤、剛性を付与する無機フィラー、及び柔軟性を付与するために前述したもの以外のエラストマー等を、本発明の効果を阻害しない範囲において用いてもよい。
高分子型帯電防止剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、疎水性ブロックと親水性ブロックとのブロック共重合体を用いることができる。高分子型帯電防止剤は、疎水性ブロックと親水性ブロックとが、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合及びウレア結合等によってブロック共重合体を形成している。
紫外線吸収剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等を挙げることができる。
光安定剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤等を挙げることができる。
滑剤やアンチブロッキング剤としては、前述したポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等との相溶性に優れ、得られるフィルムの表面へのブリードアウトによる不具合や長期的な耐傷付き性や滑り性の付与を可能にすることから、シリコーン-オレフィン共重合体を用いることが好ましい。
<熱可塑性樹脂フィルム>
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、表層、裏層および中間層の少なくとも3層からなるフィルムであって、表層および裏層にランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを含有し、中間層にランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、熱可塑性エラストマーを含有し、以下の要件を満たすことを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムである。
(1)表層および裏層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量に対する、ランダムポリプロピレンの含有量が20~75質量%、ホモポリプロピレンの含有量が25~50質量%である。
(2)中間層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量に対する、ランダムポリプロピレンの含有量が5~50質量%、ホモポリプロピレンの含有量が30~60質量%、熱可塑性エラストマーの含有量が10~60質量%である。
(3)表層、裏層の表面粗さ(Ra)が0.5μm以下、且つ最大高さ(Rz)が3.0μm以下である。
表層および裏層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量は、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、及び任意に含まれ得る前述した熱可塑性エラストマーやその他の樹脂(以下「その他の熱可塑性樹脂」とも言う)の質量を合わせた総質量を意味し、当該熱可塑性樹脂全体の質量を100質量%として、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、その他の熱可塑性樹脂の含有量が規定される。
ここで、表層および裏層を構成する樹脂組成物中のランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、その他の熱可塑性樹脂の含有量としては、ランダムポリプロピレンの含有量が20~75質量%、ホモポリプロピレンの含有量が25~55質量%、その他の熱可塑性樹脂が0~55質量%であるとも規定できる(ランダムポリプロピレンとホモポリプロピレンとその他の熱可塑性樹脂の合計質量を100質量%とする)。
また、中間層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量は、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、熱可塑性エラストマー、及び任意に含まれ得る前述したその他の熱可塑性樹脂の質量を合わせた総質量を意味し、当該熱可塑性樹脂全体の質量を100質量%として、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、熱可塑性エラストマー、及びその他の熱可塑性樹脂の含有量が規定される。
ここで、中間層を構成する樹脂組成物中のランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、熱可塑性エラストマーやその他の熱可塑性樹脂の含有量としては、ランダムポリプロピレンの含有量が5~50質量%、ホモポリプロピレンの含有量が30~60質量%、熱可塑性エラストマーの含有量が10~60質量%、その他の熱可塑性樹脂の含有量が0~55質量%であるとも規定できる(ランダムポリプロピレンとホモポリプロピレンと熱可塑性エラストマーとその他の熱可塑性樹脂の合計量を100質量%とする)。
表層および裏層には、前述したランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを所定量含有させることで、得られるフィルムの耐熱性や柔軟性の調整が可能となり、さらにフィルム同士のブロッキングを抑制することが可能となる。
ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンの含有量としては、フィルムの表層および裏層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量に対して、ランダムポリプロピレンが20~80質量%、ホモポリプロピレンが25~55質量%である。
ランダムポリプロピレンの含有量が20~75質量%の範囲内であることで、フィルムの耐熱性を損なうことなく柔軟性の付与が可能となり、さらにフィルム同士のブロッキング性を良好なものとすることが可能となる。ランダムポリプロピレンの含有量の好ましい範囲としては、25~73質量%の範囲内がより好ましく、30~70質量%の範囲内がさらに好ましい。
ホモポリプロピレンの含有量が25~55質量%の範囲内であることでフィルムに耐熱性を付与しつつ柔軟性も損なうことがなく、フィルム同士のブロッキング性を良好なものとすることが可能となる。ホモポリプロピレンの含有量の好ましい範囲としては、27~53質量%の範囲内がより好ましく、29~51質量%の範囲内がさらに好ましい。
表層および裏層に用いられる樹脂組成物には、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンの他にも前述した熱可塑性エラストマーやその他の樹脂、その他の成分を含有させることも可能である。
表層および裏層に熱可塑性エラストマーを添加する場合は、フィルム同士のブロッキングが発生しやすくなる傾向にあるため、表裏層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量に対して、0~50質量%の範囲内となるよう用いることが好ましい。より好ましくは0~40質量%の範囲内、さらに好ましくは0~30質量%の範囲内である。
用いられる熱可塑性エラストマーの種類としては、前述した通り、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーを用いることが好ましい。中でもフィルム同士のブロッキングの抑制の観点から、オレフィン系エラストマーを用いることがより好ましい。
また、表層および裏層に用いられるランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを含有する樹脂組成物は、表層および裏層を同一の樹脂組成物としてもよいし、異なる樹脂組成物としてもよい。得られるフィルムの耐熱性や柔軟性、フィルム同士のブロッキング性を損なうことがなければ、ランダムポリプロピレンおよびホモポリプロピレンを所定の量の範囲内で異なるものとすることが可能である。表裏で異なる性能が必要となった場合は、異なる樹脂組成物とすることが可能であるが、フィルムの生産性や経済性の観点から、同一の樹脂組成物とすることが好ましい。
中間層に用いられる樹脂組成物には、前述したランダムポリプロピレン、ホモプロピレン、熱可塑性エラストマーを所定量含有させることで、耐熱性を維持しつつ、得られるフィルムの柔軟性を調整することが可能となる。
ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、熱可塑性エラストマーの含有量としては、フィルムの中間層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量に対して、ランダムポリプロピレンが5~50質量%、ホモポリプロピレンが30~60質量%、熱可塑性エラストマーが10~60質量%である。
ランダムポリプロピレンの含有量が5~50質量%の範囲内であることで、フィルムの耐熱性を損なうことなく柔軟性の付与が可能となる。ランダムポリプロピレンの含有量の好ましい範囲としては、7~45質量%の範囲内がより好ましく、9~40質量%の範囲内がさらに好ましい。
ホモポリプロピレンの含有量が30~60質量%の範囲内であることでフィルムに耐熱性を付与することが可能となる。ホモポリプロピレンの含有量の好ましい範囲としては、32~58質量%の範囲内がより好ましく、34~56質量%の範囲内がさらに好ましい。
熱可塑性エラストマーの含有量が10~60質量%の範囲内であることでフィルムにさらなる柔軟性を付与することが可能となる。熱可塑性エラストマーの含有量の好ましい範囲としては、15~55質量%の範囲内がより好ましく、20~50質量%の範囲内がさらに好ましい。
中間層に用いられる樹脂組成物には、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、熱可塑性エラストマーの他にも前述したその他の樹脂、その他の成分を含有させることも可能である。その他の樹脂の含有量としては0~55質量%である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの基本的な構成としては、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを含有する層(表層)、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、熱可塑性エラストマーを含有する層(中間層)、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを含有する層(裏層)を備える3層フィルムの構成である。
表層および裏層をランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを含有する層とすることにより、耐熱性や柔軟性、フィルム同士のブロッキングを抑制することが容易となる。また、中間層にランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、熱可塑性エラストマーを含有する層とすることにより、耐熱性と柔軟性を調整することが容易となる。
ここで、この3層フィルムの構成において、表層と裏層を構成する樹脂組成物は、同じ組成であっても、異なる組成であってもよい。
また、中間層が2以上の多層から構成されていてもよい。その場合には、3層以上からなるフィルム構成も包含する。その際、2以上の多層からなる中間層の全ての層が、前述したランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、熱可塑性エラストマーを所定量含む層となることが必要となるが、各層を構成する樹脂組成物は同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
フィルムの生産性や経済性の観点から、表層および裏層、1層の中間層で構成される3層のフィルムであることが好ましい。その際、表層および裏層が同一の樹脂組成物から構成される2種3層のフィルム、表層および裏層が異なる樹脂組成物から構成される3種3層のフィルムのいずれとするかは、求められるフィルムの表裏それぞれの層の性能や用途、後述する粘着層や印刷層を設ける際の加工性を考慮し、適宜必要に応じて選択することができる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの総厚みは、30~250μmであることが好ましい。30μm以上であればフィルムを生産する際の製膜性や得られるフィルムの取り扱い性が良好であり、且つ柔軟性や耐熱性を良好に保つことができ、250μm以下であれば該フィルムに印刷層や粘着層を積層する工程におけるフィルムの取り扱い性や工程通過性を良好に保つことが可能となる。本発明の熱可塑性樹脂フィルムの総厚みは、より好ましくは40~230μm、さらに好ましくは50~210μmである。
表層および裏層のそれぞれの厚みは、熱可塑性樹脂フィルムの総厚みの1~30%の範囲内であることが好ましい。総厚みの1%以上とすることで、フィルム同士のブロッキングを抑制する効果を付与することが可能となり、30%以下とすることで、得られるフィルムの柔軟性を損なうことがなく好ましい。より好ましくは3~25%の範囲内、さらに好ましくは5~20%の範囲内である。表層と裏層のそれぞれの厚みは、得られる熱可塑性樹脂フィルムの表層および裏層のそれぞれに求められる性能や、フィルム同士のブロッキングを抑制できるものであれば、同一の厚みでも良く、異なるものとしてもよい。フィルムの生産性や経済性の観点から、表層および裏層の厚みは同一とすることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、表面の凹凸が小さく透明性の高いものであり、フィルムの表層および裏層の表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であり、且つ最大高さ(Rz)が3.0μm以下であることを特徴とするフィルムである。ここで、表面粗さ(Ra)は、算術平均表面粗さ(Ra)とも言われる。
表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であり、且つ最大高さ(Rz)が3.0μm以下であることにより、表面が平滑に近く、透明性の高いフィルムとすることが可能となる。
表面粗さ(Ra)と最大高さ(Rz)のより好ましい値としては、表面粗さ(Ra)が0.4μm以下であり、且つ最大高さ(Rz)が2.5μm以下、さらに好ましい値としては、表面粗さ(Ra)が0.3μm以下であり、且つ最大高さ(Rz)が2.0μm以下である。
表層および裏層の表面粗さ(Ra)、最大高さ(Rz)は、それぞれの層が同等程度となるよう調整してもよいし、上記の値の中で表層と裏層で異なる数値となるよう調整してもよい。異なる数値となるよう調整する場合は、表裏のどちら層の数値を高く(低く)するかは用途や後述する粘着層や印刷層を設ける際の加工性を考慮し、適宜必要に応じて調整することができる。
表面粗さ(Ra)や最大高さ(Rz)の測定方法としては、特に制限は無く公知の方法を用いることができる。例えば、JISB0601等に規定されている方法により、一般的に用いられている触針式や接触式、もしくは非接触式による表面粗さ計を使用することができる。
熱可塑性樹脂フィルムの透明性としては、フィルムのヘイズが10%以下であることが好ましい。ヘイズが10%以下であれば、光源から照射されるレーザー光等の散乱が抑制でき、精度よくウエハに集光させることが可能となる。より好ましくは9%以下、さらに好ましくは8%以下である。さらに、全光線透過率が70%以上であることが好ましい。全光線透過率が70%以上であることで、フィルムを透過する際のレーザー光の減衰が抑制されるため好ましい。より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上である。
全光線透過率はヘイズの測定方法としては、特に制限は無く公知の方法を用いることができる。例えば、JISK7361、JISK7136等に規定されている方法により、一般的に用いられている透過率測定装置、ヘイズメーター等を使用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの引張弾性率は、100~600MPaの範囲内であることが好ましい。100MPa以上であればフィルムが柔軟すぎず、取扱い性を良好に保つことが可能となり、600MPa以下であればフィルムの柔軟性が損なわれず、該フィルムに印刷層や粘着層を積層する工程におけるフィルムの取り扱い性や工程通過性を良好に保つことが可能となる。より好ましくは120~550MPaの範囲内、さらに好ましくは140~500MPaの範囲内である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの引張破断伸度は、300%MPa以上を示すものであることが好ましい。300%以上を示すものであればフィルムを取り扱う際の破断が抑制されることから、粘着加工等を施す場合においても破断による不具合が抑制され、半導体製造工程におけるエキスパンド工程においても、エキスパンド時の破断が起きにくくなり好ましい。より好ましくは400%以上、さらに好ましくは500%以上である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの成形方法としては、公知の方法を用いることができるが、溶融押出成形法を用いることが好ましい。溶融押出成形法の中でも、Tダイを有する押出機より溶融状態の樹脂を押出し、冷却固化させてフィルムを得るTダイ成形法がより好ましい。
フィルムを得るためには、複数の押出機を利用した共押出Tダイ成形法とすることが好ましい。複数の押出機を利用した共押出Tダイ成形法を用いることで、複層のフィルムを得ることが可能となり、本発明の表層、裏層および中間層からなるフィルムとすることが可能となる。また、2以上の多層からなる中間層とすることも可能となる。
共押出Tダイ成形法としては、マルチマニホールドダイを用いて、複数の樹脂層をフィルム状としたのち、Tダイ内で接触させて複層化させフィルムを得る方法と、フィードブロックと称する溶融状態の樹脂を合流させる装置を用い、複数の樹脂を合流させ密着した後、複層のフィルムを得る方法が挙げられる。
Tダイから溶融状態で押出された樹脂の冷却固化については、所定の温度に設定した冷却ロールに接触させて固化させる方法が挙げられる。冷却ロールの設定温度は特に制限されないが、80℃以下に設定することが好ましい。80℃以下であれば溶融された樹脂が冷却ロールに貼り付いたまま剥離できないといった現象を抑制することが可能となる。より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは60℃以下である。さらに、冷却ロールの表面温度は、同様のフィルムの貼りつきによる不具合の抑制の観点から、100℃以下が好ましい。後述するゴムロールや金属ロールとニップによる成形方法を用いる場合は、それらのロールについても、冷却ロールと同等程度の温度設定や表面温度となるように調整することが好ましい。
上記冷却ロールへのフィルムの密着方法としては、特に制限はなく、エアナイフ、エアチャンバー、静電ピンニング、ゴムロールや金属ロールといったロールによるニップ等が挙げられる。
ゴムロールや金属ロールを用いたニップによる成形方法を用いる場合、フィルムの表面粗さ(Ra)、最大高さ(Rz)を前述したものとなるように調整するには、それらのロールの表面粗さ(Ra)や最大高さ(Rz)も求められるフィルムと同等程度のものを用いることが好ましい。
前述の成形方法の中でも、表面粗さ(Ra)と最大高さ(Rz)の調整やフィルムの生産性観点から、エアナイフ、エアチャンバーを用いた成形方法、タッチロールを用いたゴムロールや金属ロールを用いたニップによる成形方法を用いることがより好ましい。
フィルムには必要に応じて、片面または両方の面にプラズマ処理やコロナ処理、オゾン処理および火炎処理等の方法による表面処理を行ってもよい。得られるフィルムの用途やフィルム同士のブロッキングの抑制の観点から、片面または両方の面に表面処理を行うか、またはいずれの面にもコロナ処理を行わないかを選択することができる。
<粘着フィルム>
本発明の熱可塑性樹脂フィルムには、表裏の少なくとも片方の面に粘着剤層を設けることで、粘着フィルムとすることができる(以下「本発明の粘着フィルム」ともいう)。
粘着剤層に用いられる粘着剤は特に限定されないが、例えば、天然ゴム系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂等の各種粘着剤が用いられる。また粘着剤層の上にさらに接着剤層や熱硬化性樹脂層等の機能層を設けてもよい。
粘着剤層を設けるには、本発明の熱可塑性樹脂フィルム上に粘着剤を直接コーティングすることにより設けることもできる。また、離型層を有するセパレータ等に粘着剤層を積層し、その粘着剤層側を本発明のフィルムの表層に貼り合わせ、粘着剤層を転写することにより設けることもできる。
本発明の粘着フィルムにおいて、粘着剤層を設ける前のフィルムの片面もしくは両方の面に、前述した表面処理を行ってもよい。また、フィルムと粘着剤層の間には、必要に応じて、プライマー層を設けてもよい。
粘着剤層やプライマー層の厚さは、必要に応じて適宜決めることができる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、各層に特定の樹脂組成物を用いることで、耐熱性、取扱い性、柔軟性に優れることに加え、表面粗さが小さく透明性が高いフィルムにおいても、フィルム同士のブロッキングが抑制された熱可塑性樹脂フィルムである。
さらに、該フィルムに粘着剤層を積層することで粘着フィルムを得ることも可能であり、該粘着フィルムを半導体製造工程用にも好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して、具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例で使用した材料、評価した特性の測定方法等は、次の通りである。
[使用材料]
熱可塑性樹脂としてポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、スチレン系エラストマーを以下に示す通り用いた。
<ランダムポリプロピレン>
サンアロマー社製、「PC630A」(ランダムポリプロピレン、230℃、2.16kgにおけるメルトフローレート:7.5g/10分、結晶融解ピーク:135℃、単独フィルムの引張弾性率:600MPa)
<ホモポリプロピレン>
住友化学社製、「FLX80H5」(ホモポリプロピレン、230℃、2.16kgにおけるメルトフローレート:8.0g/10分、結晶融解ピーク:162℃、単独フィルムの引張弾性率:600MPa)
<オレフィン系エラストマー>
日本ポリプロ社製、「RFG4VM」(オレフィン系エラストマー、230℃、2.16kgにおけるメルトフローレート:6.0g/10分、結晶融解ピーク:129℃、単独フィルムの引張弾性率:250MPa)
<スチレン系エラストマー>
スチレン系エラストマー(α)
旭化成社製、「タフテックH1041」(230℃、2.16kgにおけるメルトフローレート:5.0g/10分、スチレン成分含有量:30質量%、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレン共重合体)
スチレン系エラストマー(β)
旭化成社製、「タフテックH1221」(230℃、2.16kgにおけるメルトフローレート:4.5g/10分、スチレン成分含有量:12質量%、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレン共重合体)
<樹脂組成物の調製>
上記の熱可塑性樹脂を合計で100質量部となるように配合を行った。また、2種類以上を用いる際はドライブレンドにより混合し、目視にて均一に混合できていることを確認した。
<フィルムの製膜方法>
3台の東芝機械製単軸押出機(表層用:35φmm,L/D=25mm、中間層用:50φmm,L/D=32、裏層用:35φmm,L/D=25mm)のそれぞれのホッパーに各樹脂組成物を投入し、各押出機の押出機温度を190~230℃に設定し、フィードブロック部にて、表層/中間層/裏層の3層構成に合流させ、650mm幅Tダイ(温度設定210~230℃、リップ開度0.5mm)から押し出した。厚み構成は、表1に記載の厚みとなるよう各押出機回転数を設定した。
押出された溶融樹脂は、30℃に設定された冷却水を通した鏡面状(表面粗さRaが約0.1μm)もしくはマット状(表面粗さRaが約0.8μm)の金属製冷却ロール(金属製冷却ロール700mm幅×φ350mm)と鏡面状(表面粗さRaが約0.1μm)もしくはマット状(表面粗さRaが約1.0μm)のゴム製ロール(ゴム製冷却ロール700mm幅×φ200mm)とでニップ成形を行いフィルム状に冷却固化後、巻き取り機にて巻取り、厚みが約80μmの1種3層もしくは2種3層となる複層のフィルムを得た。
また、本発明では、得られたフィルムの鏡面上の金属製冷却ロール側の面を表層と表現している。
[各層の厚み]
各押出機から押し出される樹脂の吐出量から計算し、各層の厚みを設定した。
[フィルムの総厚み]
接触式厚み計を用いてフィルムの中央部、両端部の厚みの測定を行い、所定の厚みになっていることを確認した。
[ブロッキング評価]
得られたフィルムをロール状に50m巻き取り、1日保管後のロールからフィルムを引き出した際のフィルム同士のブロッキングの有無を以下の基準により評価した。
◎:ブロッキングが無く、容易に巻き出し可能
〇:僅かにブロッキングは見られるものの、容易に巻き出し可能
△:ブロッキングが見られるもの、巻き出しは可能
×:顕著なブロッキングが確認され、巻き出し不可
[表面粗さ(Ra)、最大高さ(Rz)]
得られたフィルムの表層および裏層側の表面粗さ、最大高さは、東京精密社製SURFCOM FLEX-50Aを使用し、JISB0601(2001)に準じて、先端半径2μm、円錐のテーパ角度60°の触針先端を用いて、測定力0.7mNで測定した。
[全光線透過率、ヘイズ]
フィルムの全光線透過率およびヘイズは以下の条件で測定を行った。
全光線透過率はJISK7361-1に準拠し、ヘイズはJISK7136に準拠して、日本電色工業社製のNDH2000を用いて測定した。
[引張弾性率]
得られた熱可塑性樹脂フィルムから、JISK6732に準じて作製されたダンベル「SDK-600」を使用して試験片を採取し、JISK7127を参照した次の条件、23℃、50%RHの雰囲気下、オートグラフ(島津製作所製AGS-X)を用いて、引張速度50mm/分にて引張弾性率(MPa)を測定した。
引張弾性率の測定は、フィルムの押出方向(MD)で測定を行った。
[引張破断伸度]
得られたフィルムから、JISK6732に準じて作製されたダンベル「SDK-600」を使用して試験片を採取し、23℃、50%RHの雰囲気下、小型卓上試験機(島津製作所製EZ-L)を用いて、引張速度300mm/分にて引張破断伸度(%)を測定した。
引張破断伸度の測定は、フィルムの押出方向(MD)で測定を行った。
[結晶融解ピーク]
示差走査熱量測定装置(メトラー・トレド社製 DSC823e)を用い、実施例、比較例に用いた各原料単独の約5mgを、昇温速度10℃/分で25℃から230℃まで昇温した後、冷却速度10℃/分で25℃まで降温し、再度、昇温速度10℃/分で230℃まで昇温した際に測定されたチャートから結晶融解ピークを算出した。
[実施例1]
表層および裏層の熱可塑性樹脂として、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンおよびオレフィン系エラストマーを用いた。中間層の熱可塑性樹脂として、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、オレフィン系エラストマーおよびスチレン系エラストマー(α)を表1に記載の配合量とし、樹脂組成物を調製した。
上記の表層および裏層用の樹脂組成物と、中間層用の樹脂組成物を用い、前述した鏡面状の金属製冷却ロールと鏡面状のシリコーンゴム製ロールを用いたニップ成形による製造方法にて、2種3層からなる総厚みが80μmのフィルムを得た。各層の厚みは、表層が4μm、中間層が72μm、裏層が4μmとなるよう製膜の条件の調整を行った。
得られたフィルムの表層側の表面粗さ(Ra)は0.10μm、最大高さ(Rz)は0.72μmであり、裏層側の表面粗さ(Ra)は0.08μm、最大高さ(Rz)は0.62μmであり、表裏面が共に表面粗さ(Ra)が0.5μm以下、最大高さ(Rz)が3.0μm以下であることが確認され、ほぼ鏡面からなるフィルムが得られた。さらに全光線透過率は91.0%、ヘイズは2.5%を示し、表裏面がほぼ鏡面であり、且つ透明性に優れるフィルムであった。
本フィルムの表層および裏層はランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを所定量含んでいることから、巻き取って得られたロールからフィルムを巻き出す際にも、僅かにブロッキングは見られたものの、容易に巻き出すことが可能であった。よって、本フィルムを続く粘着層や印刷層を設ける際の加工時にも容易に取り扱うことが可能であると推察される。
フィルムの引張弾性率は510MPa、引張破断伸度は710%を示し、十分な柔軟性と破断特性を備えており、さらにフィルムを構成する樹脂の結晶融解ピークは129℃(オレフィン系エラストマー)、135℃(ランダムポリプロピレン)、162℃(ホモポリプロピレン)を示し、良好な耐熱性を示すことも確認された。
よって、本フィルムは、十分な耐熱性を有し、取扱い性や柔軟性にも優れ、且つ表面粗さの小さく透明性の高いフィルムでありながら、フィルム同士のブロッキングの抑制されたものであることが確認された。
[実施例2]
表層および裏層の熱可塑性樹脂として、ランダムポリプロピレンおよびホモポリプロピレンを用いた。中間層の熱可塑性樹脂として、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、オレフィン系エラストマーおよびスチレン系エラストマー(β)を表1に記載の配合量とし、樹脂組成物を調製した。
上記の表層および裏層用の樹脂組成物と、中間層用の樹脂組成物を用い、前述した鏡面状の金属製冷却ロールと鏡面状のフッ素樹脂で被覆されたゴム製ロールを用いたニップ成形による製造方法にて、2種3層からなる総厚みが80μmのフィルムを得た。各層の厚みは、表層が4μm、中間層が72μm、裏層が4μmとなるよう製膜の条件の調整を行った。
得られたフィルムの表層側の表面粗さ(Ra)は0.11μm、最大高さ(Rz)は0.89μmであり、裏層側の表面粗さ(Ra)は0.13μm、最大高さ(Rz)は1.02μmであり、表裏面が共に表面粗さ(Ra)が0.5μm以下、最大高さ(Rz)が3.0μm以下であることが確認され、ほぼ鏡面からなるフィルムが得られた。さらに全光線透過率は92.4%、ヘイズは4.6%を示し、表裏面がほぼ鏡面であり、且つ透明性に優れるフィルムであった。
本フィルムの表層および裏層はランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを所定量含んでいることから、巻き取って得られたロールからフィルムを巻き出す際にも、ブロッキングは見られず、容易に巻き出すことが可能であった。よって、本フィルムを続く粘着層や印刷層を設ける際の加工時にも容易に取り扱うことが可能であると推察される。
フィルムの引張弾性率は340MPa、引張破断伸度は790%を示し、十分な柔軟性と破断特性を備えており、さらにフィルムを構成する樹脂の結晶融解ピークは129℃、135℃、162℃を示し、良好な耐熱性を示すことも確認された。
よって、本フィルムは、十分な耐熱性を有し、取扱い性や柔軟性にも優れ、且つ表面粗さの小さく透明性の高いフィルムでありながら、フィルム同士のブロッキングの抑制されたものであることが確認された。
[実施例3]
表層および裏層の熱可塑性樹脂として、ランダムポリプロピレンおよびホモポリプロピレンを用いた。中間層の熱可塑性樹脂として、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、オレフィン系エラストマーおよびスチレン系エラストマー(β)を表1に記載の配合量とし、樹脂組成物を調製した。
上記の表層および裏層用の樹脂組成物と、中間層用の樹脂組成物を用い、前述した鏡面状の金属製冷却ロールと鏡面状のシリコーンゴム製ロールを用いたニップ成形による製造方法にて、2種3層からなる総厚みが80μmのフィルムを得た。各層の厚みは、表層が4μm、中間層が72μm、裏層が4μmとなるよう製膜の条件の調整を行った。
得られたフィルムの表層側の表面粗さ(Ra)は0.11μm、最大高さ(Rz)は0.85μmであり、裏層側の表面粗さ(Ra)は0.12μm、最大高さ(Rz)は0.80μmであり、表裏面が共に表面粗さ(Ra)が0.5μm以下、最大高さ(Rz)が3.0μm以下であることが確認され、ほぼ鏡面からなるフィルムが得られた。さらに全光線透過率は92.0%、ヘイズは5.1%を示し、表裏面がほぼ鏡面であり、且つ透明性に優れるフィルムであった。
本フィルムの表層および裏層はランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを所定量含んでいることから、巻き取って得られたロールからフィルムを巻き出す際にも、ブロッキングは見られず、容易に巻き出すことが可能であった。よって、本フィルムを続く粘着層や印刷層を設ける際の加工時にも容易に取り扱うことが可能であると推察される。
フィルムの引張弾性率は330MPa、引張破断伸度は750%を示し、十分な柔軟性と破断特性を備えており、さらにフィルムを構成する樹脂の結晶融解ピークは135℃、162℃を示し、良好な耐熱性を示すことも確認された。
よって、本フィルムは、十分な耐熱性を有し、取扱い性や柔軟性にも優れ、且つ表面粗さの小さく透明性の高いフィルムでありながら、フィルム同士のブロッキングの抑制されたものであることが確認された。
[実施例4]
表層および裏層の熱可塑性樹脂として、ランダムポリプロピレンおよびホモポリプロピレンを用いた。中間層の熱可塑性樹脂として、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、オレフィン系エラストマーおよびスチレン系エラストマー(β)を表1に記載の配合量とし、樹脂組成物を調製した。
上記の表層および裏層用の樹脂組成物と、中間層用の樹脂組成物を用い、前述した鏡面状の金属製冷却ロールと鏡面状のシリコーンゴム製ロールを用いたニップ成形による製造方法にて、2種3層からなる総厚みが80μmのフィルムを得た。各層の厚みは、表層が4μm、中間層が72μm、裏層が4μmとなるよう製膜の条件の調整を行った。
得られたフィルムの表層側の表面粗さ(Ra)は0.13μm、最大高さ(Rz)は0.82μmであり、裏層側の表面粗さ(Ra)は0.14μm、最大高さ(Rz)は0.90μmであり、表裏面が共に表面粗さ(Ra)が0.5μm以下、最大高さ(Rz)が3.0μm以下であることが確認され、ほぼ鏡面からなるフィルムが得られた。さらに全光線透過率は92.0%、ヘイズは5.0%を示し、表裏面がほぼ鏡面であり、且つ透明性に優れるフィルムであった。
本フィルムの表層および裏層はランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを所定量含んでいることから、巻き取って得られたロールからフィルムを巻き出す際にも、ブロッキングは見られず、容易に巻き出すことが可能であった。よって、本フィルムを続く粘着層や印刷層を設ける際の加工時にも容易に取り扱うことが可能であると推察される。
フィルムの引張弾性率は240MPa、引張破断伸度は770%を示し、十分な柔軟性と破断特性を備えており、さらにフィルムを構成する樹脂の結晶融解ピークは135℃、162℃を示し、良好な耐熱性を示すことも確認された。
よって、本フィルムは、十分な耐熱性を有し、取扱い性や柔軟性にも優れ、且つ表面粗さの小さく透明性の高いフィルムでありながら、フィルム同士のブロッキングの抑制されたものであることが確認された。
[実施例5]
表層および裏層の熱可塑性樹脂として、ランダムポリプロピレンおよびホモポリプロピレンを用いた。中間層の熱可塑性樹脂として、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、オレフィン系エラストマーおよびスチレン系エラストマー(β)を表1に記載の配合量とし、樹脂組成物を調製した。
上記の表層および裏層用の樹脂組成物と、中間層用の樹脂組成物を用い、前述した鏡面状の金属製冷却ロールと鏡面状のシリコーンゴム製ロールを用いたニップ成形による製造方法にて、2種3層からなる総厚みが80μmのフィルムを得た。各層の厚みは、表層が4μm、中間層が72μm、裏層が4μmとなるよう製膜の条件の調整を行った。
得られたフィルムの表層側の表面粗さ(Ra)は0.13μm、最大高さ(Rz)は0.82μmであり、裏層側の表面粗さ(Ra)は0.14μm、最大高さ(Rz)は0.88μmであり、表裏面が共に表面粗さ(Ra)が0.5μm以下、最大高さ(Rz)が3.0μm以下であることが確認され、ほぼ鏡面からなるフィルムが得られた。さらに全光線透過率は92.4%、ヘイズは6.0%を示し、表裏面がほぼ鏡面であり、且つ透明性に優れるフィルムであった。
本フィルムの表層および裏層はランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを所定量含んでいることから、巻き取って得られたロールからフィルムを巻き出す際にも、ブロッキングは見られず、容易に巻き出すことが可能であった。よって、本フィルムを続く粘着層や印刷層を設ける際の加工時にも容易に取り扱うことが可能であると推察される。
フィルムの引張弾性率は550MPa、引張破断伸度は790%を示し、十分な柔軟性と破断特性を備えており、さらにフィルムを構成する樹脂の結晶融解ピークは129℃、135℃、162℃を示し、良好な耐熱性を示すことも確認された。
よって、本フィルムは、十分な耐熱性を有し、取扱い性や柔軟性にも優れ、且つ表面粗さの小さく透明性の高いフィルムでありながら、フィルム同士のブロッキングの抑制されたものであることが確認された。
[比較例1]
実施例1に記載の樹脂組成物を用い、前述した鏡面状の金属製冷却ロールとマット状のシリコーンゴム製ロールを用いたニップ成形による製造方法にて、2種3層からなる総厚みが80μmのフィルムを得た。各層の厚みは、表層が4μm、中間層が72μm、裏層が4μmとなるよう製膜の条件の調整を行った。
得られたフィルムの表層側の表面粗さ(Ra)は0.10μm、最大高さ(Rz)は0.72μmであり、裏層側の表面粗さ(Ra)は1.06μm、最大高さ(Rz)は7.74μmであり、片面がマット状であるフィルムが得られた。
本フィルムの全光線透過率は89.4%、ヘイズは94.0%を示し、片面がマット状である透明性に劣るフィルムであった。
本フィルムは片面がマット状であり、フィルム同士のブロッキングには優れ、表1に示す通り柔軟性や破断特性、耐熱性にも優れるものであるが、片面の表面粗さが粗く透明性に劣るものであるため、透明性の要求される用途には用いることが困難であると推察される。
[比較例2]
実施例1に記載の樹脂組成物を用い、前述したマット状の金属製冷却ロールとマット状のシリコーンゴム製ロールを用いたニップ成形による製造方法にて、2種3層からなる総厚みが80μmのフィルムを得た。各層の厚みは、表層が4μm、中間層が72μm、裏層が4μmとなるよう製膜の条件の調整を行った。
得られたフィルムの表層側の表面粗さ(Ra)は0.82μm、最大高さ(Rz)は5.48μmであり、裏層側の表面粗さ(Ra)は1.01μm、最大高さ(Rz)は7.20μmであり、両面がマット状であるフィルムが得られた。
本フィルムの全光線透過率は89.3%、ヘイズは94.4%を示し、両面がマット状である透明性に劣るフィルムであった。
本フィルムは両面がマット状であり、フィルム同士のブロッキングには優れ、表1に示す通り柔軟性や破断特性、耐熱性にも優れるものであるが、片面の表面粗さが粗く透明性に劣るものであるため、透明性の要求される用途には用いることが困難であると推察される。
[比較例3]
表層、裏層および中間層の熱可塑性樹脂として、ホモポリプロピレンを用い、樹脂組成物を調製した。
上記の樹脂組成物を用い、前述した鏡面状の金属製冷却ロールと鏡面状のシリコーンゴム製ロールを用いたニップ成形による製造方法にて、1種3層からなる総厚みが80μmのフィルムを得た。各層の厚みは、表層が4μm、中間層が72μm、裏層が4μmとなるよう製膜の条件の調整を行った。
得られたフィルムの表層側の表面粗さ(Ra)は0.10μm、最大高さ(Rz)は0.71μmであり、裏層側の表面粗さ(Ra)は0.11μm、最大高さ(Rz)は0.81μmであり、表裏面が共に表面粗さ(Ra)が0.5μm以下、最大高さ(Rz)が3.0μm以下であることが確認され、ほぼ鏡面からなるフィルムが得られた。さらに全光線透過率は92.4%、ヘイズは6.0%を示し、表裏面がほぼ鏡面であり、且つ透明性に優れるフィルムであった。
本フィルムの表層および裏層はホモポリプロピレンのみであり、巻き取って得られたロールからフィルムを巻き出す際にも、ブロッキングは見られず、容易に巻き出すことが可能であった。
しかしながら、ホモポリプロピレンのみから構成されるフィルムであるため、引張弾性率は900MPaを示すことから、十分な柔軟性を有しておらず、続く粘着層や印刷層を設ける際の加工時の取扱いが困難であると推察される。
よって、本フィルムは、十分な耐熱性を有し、且つ表面粗さの小さく透明性の高いフィルムであり、フィルム同士のブロッキングが抑制されているものの、取扱い性に劣るフィルムであることが確認された。
[比較例4]
表層、裏層および中間層の熱可塑性樹脂として、ランダムポリプロピレンを用い、樹脂組成物を調製した。
上記の樹脂組成物を用い、前述した鏡面状の金属製冷却ロールと鏡面状のシリコーンゴム製ロールを用いたニップ成形による製造方法にて、1種3層からなる総厚みが80μmのフィルムを得た。各層の厚みは、表層が4μm、中間層が72μm、裏層が4μmとなるよう製膜の条件の調整を行った。
得られたフィルムの表層側の表面粗さ(Ra)は0.11μm、最大高さ(Rz)は0.72μmであり、裏層側の表面粗さ(Ra)は0.08μm、最大高さ(Rz)は0.70μmであり、表裏面が共に表面粗さ(Ra)が0.5μm以下、最大高さ(Rz)が3.0μm以下であることが確認され、ほぼ鏡面からなるフィルムが得られた。さらに全光線透過率は92.4%、ヘイズは4.5%を示し、表裏面がほぼ鏡面であり、且つ透明性に優れるフィルムであった。
本フィルムの表層および裏層はランダムポリプロピレンのみであることから、巻き取って得られたロールからフィルムを巻き出すことは可能であったものの、ブロッキングは確認された。
フィルムの引張弾性率は600MPa、引張破断伸度は750%を示し、十分な柔軟性と破断特性を備えているものの、フィルムを構成する樹脂がランダムポリプロピレンのみであることから、結晶融解ピークも135℃のみであることから、耐熱性にも劣ることが確認された。
よって、本フィルムは、取扱い性や柔軟性は十分であり、表面粗さの小さく透明性の高いフィルムであるものの、フィルム同士のブロッキング性や耐熱性に劣るフィルムであることが確認された。
[比較例5]
表層、裏層および中間層の熱可塑性樹脂として、ホモポリプロピレンおよびオレフィン系エラストマーを用い、樹脂組成物を調製した。
上記の樹脂組成物を用い、前述した鏡面状の金属製冷却ロールと鏡面状のシリコーンゴム製ロールを用いたニップ成形による製造方法にて、1種3層からなる総厚みが80μmのフィルムを得た。各層の厚みは、表層が4μm、中間層が72μm、裏層が4μmとなるよう製膜の条件の調整を行った。
得られたフィルムの外観は透明性に優れるものであったものの、巻き取って得られたロールのフィルム同士のブロッキングは顕著であり、フィルムを巻き出すことが困難であった。
本フィルムは、表1に示す通り、柔軟性、表面粗さや透明性、耐熱性には優れるものであったものの、表層および裏層がホモポリプロピレンとオレフィン系エラストマーから構成され、顕著なブロッキングの発生するものであり、続く粘着層や印刷層を設ける際の加工時に用いることが困難なものであると推察される。
Figure 2023146177000001
[実施例6]
アクリル系粘着剤(綜研化学(株)製SKダイン1502C)をセパレータ上にコンマコート法にて、乾燥後の粘着剤層の厚みが25μmになるように塗工し、80℃の熱風乾燥機にて5分間乾燥させた後、粘着剤層を形成した。
作製したセパレータの粘着剤層側の面を、実施例1で得られたフィルムの表層側の面にコロナ処理を施した後に貼り合わせることで本発明のフィルムと粘着剤層とが十分に密着し、積層された粘着フィルムを得た。
十分な耐熱性を有し、取扱い性や柔軟性にも優れ、且つ表面粗さの小さく透明性の高い粘着フィルムが得られたことから、透明性の高いフィルムが求められるレーザーダイシング等のレーザー光を用いる工程を有する半導体製造工程においても、好適に用いることが可能な粘着フィルムが得られたと推察される。
[産業上の利用可能性]
本発明により、半導体製造工程に加熱を行う工程への適性やレーザー光の散乱の抑制を求められる場合でも、十分な耐熱性を有し、且つ表面粗さの小さく透明性の高いフィルムを提供し、さらに、当該フィルムを取り扱う際のフィルム同士のブロッキングを抑制でき、取扱い性や柔軟性にも優れる熱可塑性樹脂フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、該熱可塑性樹脂フィルムに粘着剤層を設けることで、半導体製造工程用に好適に用いることができる粘着フィルムを提供することも目的とする。

Claims (6)

  1. 表層、裏層及び中間層の少なくとも3層からなる熱可塑性樹脂フィルムであって、表層および裏層にランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンを含有し、中間層にランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、熱可塑性エラストマーを含有し、以下の要件を満たすことを特徴とする、該熱可塑性樹脂フィルム。
    (1)表層および裏層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量に対する、ランダムポリプロピレンの含有量が20~75質量%、ホモポリプロピレンの含有量が25~55質量%である。
    (2)中間層を構成する樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体の質量に対する、ランダムポリプロピレンの含有量が5~50質量%、ホモポリプロピレンの含有量が30~60質量%、熱可塑性エラストマーの含有量が10~60質量%である。
    (3)表層および裏層の表面粗さ(Ra)が0.5μm以下、且つ最大高さ(Rz)が3.0μm以下である。
  2. 前記熱可塑性エラストマーが、スチレン系エラストマーおよび/又はオレフィン系エラストマーである請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  3. 前記熱可塑性樹脂フィルムのヘイズが10%以下である請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  4. 前記熱可塑性樹脂フィルムの引張弾性率が100~600MPaの範囲内である請求項1~3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片方の面に粘着層を設けてなる粘着フィルム。
  6. 半導体製造工程に用いられる請求項5に記載の半導体製造工程用粘着フィルム。
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