JP2019123170A - 高落袋強度積層体及び該積層体を用いた包装材料、包装袋 - Google Patents

高落袋強度積層体及び該積層体を用いた包装材料、包装袋 Download PDF

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Abstract

【課題】高落袋強度の包装袋用の積層体、及び該積層体を用いた包装材料、包装袋の提供。更に、包装袋を開封する際の手切れ性もよく、積層体を製造する際の有機溶剤の排出量も少なくできる包装袋の提供。【解決手段】基材層2と、ドライラミネーション接着剤層3と、金属元素含有バリア層5と、アンカーコート層6と、ポリオレフィン系接着剤層7と、シーラント層8とを少なくとも含み、ポリオレフィン系接着剤層7は、シーラント層8と隣接しており、アンカーコート層6はポリオレフィン系接着剤層7と隣接しており、シーラント層8は、溶融押し出しされたポリオレフィン系接着剤層7を介した押し出しラミネーションによって、フィルムまたはシートが積層されて形成された層であり、積層終了後に、35℃以上、80℃以下の環境下で、2〜7日間のエージング処理されたものである、高落袋強度積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、包装袋用の高落袋強度な積層体、及び該積層体を用いた包装材料、包装袋に関する。
従来、押し出しラミネートによってシーラント層が積層された積層体は、シーラント層の接着強度が弱い為にシーラント層が剥離を生じ易く、該積層体を用いて作製した包装袋は十分な落袋強度を有しておらず、包装袋に内容物を充填して落下させた際には包装袋が破損する問題や、包装袋を開封する際に、手で袋を引き裂くと、引き裂き端部にシーラント層の剥がれに伴うシーラント層の伸び破断が発生し、引き裂きラインが乱れ、引き裂き性、即ち、手切れ性がよくないという問題があった。
特許文献1〜3参照には、不飽和カルボン酸またはその無水物を0.01〜5質量%含むポリオレフィン共重合樹脂をその数平均粒子径が1μm以下のように小さくなるように分散した水性分散液であって、且つその水性分散体中には不揮発性水性化助剤を含まないように形成した水性分散液の塗膜を有する積層体が接着性と手切り開封性に優れていることが記載されている。
しかし、これらに記載された積体の耐落下衝撃性(高落袋強度)は充分では無かった。
特許第3699935号公報 特許第5029007号公報 特許第5415670号公報
本発明は、前述のような問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、高落袋強度の、包装袋用の積層体、及び該積層体を用いた包装材料、包装袋を提供することである。
高落袋強度とは、内容物を充填した包装袋を落下させた際に、包装袋が破損し難いこと、耐落下衝撃性を指す。
また、包装袋を開封する際の手切れ性もよく、更に、積層体を製造する際の有機溶剤の排出量も少なくできるという、性能、使用適性に優れると共に、環境に対しても悪影響の少ない包装袋を提供することを課題とする。
本発明者らは、種々研究の結果、特定の素材による特定の層構成を有し、特定のエージング処理を施された積層体、及び該積層体を用いた包装材料、包装袋が、上記課題を解決し得ることを見出したものである。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.少なくとも、基材層(A)と、ドライラミネーション接着剤層(C)と、金属元素含有バリア層(D)と、アンカーコート層(E)と、ポリオレフィン系接着剤層(F)と、シーラント層(G)とを含む高落袋強度積層体であって、
ポリオレフィン系接着剤層(F)は、シーラント層(G)と隣接しており、
アンカーコート層(E)は、ポリオレフィン系接着剤層(F)と隣接しており、
シーラント層(G)は、溶融押し出しされたポリオレフィン系接着層(F)を介した押し出しラミネーションによって、フィルムまたはシートが積層されて形成された層であり、前記高落袋強度積層体は、積層終了後に、35℃以上、80℃以下の環境下で、2〜7日間のエージング処理されたものである、高落袋強度積層体。
2.更に、補強層(B)を含む、上記1に記載の、高落袋強度積層体。
3.アンカーコート層(E)は、ポリオレフィン系樹脂が分散した水性分散液から形成された層であり、
前記水性分散液は、不揮発性水性化助剤を実質的に含んでおらず、
前記水性分散液中の前記ポリオレフィン系樹脂の数平均粒子径は、1μm以下である、
上記1または2に記載の、高落袋強度積層体。
4.前記ポリオレフィン系樹脂が、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂である、上記3に記載の、高落袋強度積層体。
5.前記不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂が、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物に由来する構造を、全不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂中に、0.01質量%以上、5質量%以下の割合で含む、上記4に記載の、高落袋強度積層体。
6.アンカーコート層(E)の厚さが、0.05μm以上、2μm以下である、上記1〜5の何れかに記載の、高落袋強度積層体。
7.金属元素含有バリア層(D)が、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着膜、酸化アルミニウム蒸着膜、酸化珪素蒸着膜、なる群から選ばれる1種または2種以上である、上記1〜6の何れかに記載の、高落袋強度積層体。
8.ポリオレフィン系接着層(F)がLDPEまたはLLDPEを含み、
シーラント層(G)が、LDPEまたはLLDPEを含む、
上記1〜7の何れかに記載の、高落袋強度積層体。
9.上記1〜8の何れかに記載の高落袋強度積層体からなる、高落袋強度包装材料。
10.上記9に記載の高落袋強度包装材料から作製された、高落袋強度包装袋。
本発明によれば、包装袋用の高落袋強度な積層体、及び該積層体を用いた包装材料、包装袋を得ることが出来る。
また、包装袋を開封する際の手切れ性もよく、更に、積層体を製造する際の有機溶剤の排出量も少なくすることが可能であり、性能、使用適性に優れると共に、環境に対しても悪影響の少ない積層体、包装材料、包装袋を得ることが出来る。
本発明に係る積層体の一例を示す断面図である。 本発明に係る包装袋の一例を示す外観図である。
<積層体>
本発明の高落袋強度積層体は、少なくとも、基材層(A)と、ドライラミネーション接着剤層(C)と、金属元素含有バリア層(D)と、アンカーコート層(E)と、ポリオレフィン樹脂接着層(F)と、シーラント層(G)とを含む。そして、更には、必要に応じて、補強層(B)を含むこともできる。
ここで、アンカーコート層(E)とポリオレフィン樹脂接着層(F)とシーラント層(G)は、隣接していることが好ましい。
そして、本発明の高落袋強度積層体は、積層終了後に、エージング処理が施されていることが好ましい。
本発明の高落袋強度積層体は、必要に応じて、上記以外にも、上記と同種または異種の層を、上記積層順を阻害しない範囲内で含むことも出来る。
本発明の高落袋強度積層体が含む各層、各層の積層順等について、以下に説明する。
[基材層(A)]
基材層(A)には、一般的に包袋用包装材料に用いられる樹脂フィルムまたはシートや、合成紙や、紙基材等のフィルムまたはシートを用いることが出来、引張強度、屈曲強度、衝撃強度などの機械的強度に優れると共に、印刷適性に優れるものが好ましい。
基材層(A)は、1層であっても、2層以上から構成されていてもよい。2層以上の場合には、同組成の層であっても、異なる組成の層であってもよい。
また、一軸または二軸延伸された樹脂フィルムまたはシートであることが好ましい。
具体的な樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)等のポリアミド系樹脂;セロファン;ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリウレタン系樹脂;アセタール系樹脂;EVOH等が挙げられる。
包装する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無等の使用条件に応じて、適するものを自由に選択して使用することが出来るが、上記の中でも、ポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂が好ましい。
特に、一軸または二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはシートや、二軸延伸ポリプロピレンフィルムまたはシート等が好適である。
基材層(A)に用いる樹脂フィルム又はシートは、必要に応じて、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、他の性能に悪影響を与えない範囲で目的に応じて、任意に添加することができる。
具体的な紙基材としては、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは純白ロ−ル紙、クラフト紙、板紙、コート紙、キャストコート紙、加工紙、上質紙、等を使用することができる。
基材層(A)に用いられる樹脂フィルムまたはシートは、金属または金属酸化物が蒸着されていてもよい。
また、基材層(A)及び基材層(A)を構成するフィルム又はシートは、密着性を向上させるために、積層前に、予め、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的な処理や、化学薬品を用いた酸化処理などの化学的な処理を施しておいてもよい。
基材層(A)の厚さは、10μm以上、50μm以下が好ましく、15μm以上、40μm以下がより好ましい。
上記範囲よりも薄いと、積層体の剛性が低すぎる為に高落袋強度を発揮し難い傾向になり、上記範囲よりも厚いと、積層体の剛性が高くなりすぎて、積層体の加工が困難になり易く、内容物充填性も悪化し易い。
[補強層(B)]
補強層(B)は、必要に応じて積層体に含まれる層であり、引張り強度、屈曲強度、衝撃強度、突き刺し強度、破断強度、靭性、剛性等の補強を担う層である。補強層(B)を含むことによって、基材層(A)やシーラント層(G)等の他層の構成の選択肢を広げることが出来る。
補強層(B)には、基材層(A)と同様な、公知又は市販の樹脂の一軸または二軸延伸フィルムまたはシートを用いることが出来、包装する内容物の種類や使用条件に応じて、適するものを自由に選択して使用することが出来る。
上記の中でも、ポリブチレンテレフタレートや、ポリアミド系樹脂特にナイロン系樹脂の、一軸または二軸延伸フィルムまたはシートが好適である。
補強層(B)は、1層であっても、2層以上から構成されていてもよい。2層以上の場合には、同組成の層であっても、異なる組成の層であってもよい。
更に、基材層(A)と同様に、金属または金属酸化物が蒸着されていてもよく、密着性を向上させる為の前処理がされていてもよい。
[ドライラミネーション接着剤層(C)]
ドライラミネーション接着剤層(C)は、積層体中の層間接着性を付与する層である。
ドライラミネーション接着剤層(C)は、公知又は市販のドライラミネーション(DL)接着剤を用いて形成することが出来る。
ドライラミネーション接着剤の具体例としては、二液硬化型ポリウレタン系接着剤、二液硬化型ポリエステル系接着剤、ポリオレフィン系(低密度ポリエチレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン、アイオノマー等)の熱接着性樹脂等が挙げられる。
ドライラミネーション接着剤層(C)は、ドライラミネーションによって形成されていることで、ドライラミネーション接着剤層(C)中のピンホールボイド発生による接着性の低下を防止出来る。また、積層体製造時の有機溶剤の排出量を低減することができ、環境に対する悪影響を少なくすることができる。
ドライラミネーション接着剤層(C)は、1層であっても、2層以上から構成されていてもよい。2層以上の場合には、同組成の層であっても、異なる組成の層であってもよい。
また、積層体中の2箇所以上に、同組成または異なる組成のドライラミネーション接着剤層(C)が積層されていてもよい。
[金属元素含有バリア層(D)]
金属元素含有バリア層(D)は、バリア性を有する層であり、金属箔、または金属元素を含有する無機物または無機酸化物からなる蒸着膜を用いることが出来、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着膜、酸化アルミニウム蒸着膜、酸化珪素蒸着膜、なる群から選ばれる1種または2種以上が好ましく、特にアルミニウム箔またはアルミニウム蒸着膜が好ましい。
また、金属元素含有バリア層(D)は1層または2層以上で構成されていてもよい。2層以上で構成される場合は、それぞれの層は同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよく、隣接して積層されていなくてもよい。
ここで、バリア性は、内容物の外部への透過遮断性、ガスバリア性、遮光性等を指すものであり、必要に応じて選ばれるものである。
内容物の外部への透過遮断性によって、内容物の保存性を高めることができる。
ガスバリア性は、具体的には、酸素バリア性、水蒸気バリア性等が挙げられ、酸素や水蒸気が外部から包装袋に浸入して内容物を劣化させたり、包装袋内部の水分が包装袋外部
へと散逸したりすることを防止出来、内容物の保存性を高めることができる。
遮光性は、具体的には、可視光遮光性、紫外線遮光性等が挙げられ、光による内容物の劣化を防止出来、内容物の保存性を高めることができる。
金属元素含有バリア層(D)の厚さは、15nm〜20μmが好ましい。金属箔の場合は、5μm〜20μmが好ましく、1nm〜20μmがより好ましい。蒸着膜の場合は、15〜200nmが好ましく、より好ましい厚みは蒸着種によって異なるが、アルミニウム蒸着膜の場合には、1〜100nmがより好ましく、15〜60nmがより好ましく、10〜40nmが特に好ましい。酸化珪素蒸着膜または酸化アルミニウム蒸着膜の場合には、1〜100nmがより好ましく、10〜50nmが更に好ましく、20〜30nmが特に好ましい。
金属元素含有バリア層(D)が金属箔である場合には、金属元素含有バリア層(D)は、ドライラミネーション接着剤層(C)やアンカーコート層(E)を介して他層に接着することが出来る。
金属元素含有バリア層(D)が蒸着膜である場合には、金属元素含有バリア層(D)は、従来公知の無機物または無機酸化物を用いて、従来公知の方法により形成することができ、その組成および形成方法は特に限定されない。
形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレーティング法等の物理気相成長法(PhysicalVaporDeposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(ChemicalVaporDeposition法、CVD法)等を挙げることができる。
蒸着膜を形成する際に、蒸着対象表面には必要に応じて前処理が可能であり、具体的には、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的な処理や、化学薬品などを用いて処理する酸化処理などの化学的な処理を施してもよい。
金属元素含有バリア層(D)は、蒸着膜である場合には、基材層(A)や補強層(B)を構成するフィルムまたはシート上に形成されていてもよく、または、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなるフィルムまたはシート上に形成されていてもよい。
[アンカーコート層(E)]
アンカーコート層(E)は、積層体中の層間接着性を付与する層であり、ポリオレフィン系接着剤層(F)と隣接して積層されていることが好ましい。
尚、アンカーコート層(E)と同組成の接着剤を、ポリオレフィン系接着剤層(F)と隣接しない層に用いることも可能であるが、その場合は、アンカーコート層(E)でない、普通のアンカーコート層に分類される。
上記構成を有することによって、積層体内は、良好な接着性が得られている。
アンカーコート層(E)の厚さは、0.05μm以上、2μm以下が好ましい。上記範囲よりも薄いと、アンカーコート層(E)が不均質になり易く、上記範囲よりも厚いと、アンカーコート層(E)内にピンホールボイド等が発生し易くなり、接着性が低下し易くなる。
アンカーコート層(E)の成分には特に制限は無く、一般的に用いられているウレタン系、ポリエステル系、イソシアネート系、ポリオレフィン系のアンカーコート剤を用いて、グラビアコート法、リバースロールコート法、ナイフコート法、キスコート法などの公
知方法によって塗布、乾燥等することで形成することができる。
上記の中でも、アンカーコート層(E)は、ポリオレフィン系樹脂が分散した水性分散液から形成された層であることが好ましい。
アンカーコート層(E)をポリオレフィン系樹脂が分散した水性分散液から形成する場合には、例えば、該水性分散液を塗布した後に80〜120℃で乾燥したり、270〜330℃で溶融押出ししたりして形成することができる。
アンカーコート層(E)に該水性分散液を用いたことによって、通常のウレタン系アンカーコート剤等を用いた場合よりも、層間接着強度を向上し、層間剥離を低減して、落袋強度を向上することが出来る。
更に、該ポリオレフィン系樹脂は、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂であることがより好ましい。
該水性分散液中のポリオレフィン系樹脂の含有率は、1〜60質量%が好ましく、3〜55質量%がより好ましく、5〜50質量%がさらに好ましく、10〜45質量%が特に好ましい。含有率を上記範囲にすることで、良好な成膜性を得られる。
ここで、前記水性分散液は、不揮発性水性化助剤を実質的に含んでいないことが好ましい。これにより、アンカーコート層(E)の可塑化を防止出来、アンカーコート層(E)界面の接着強度を高めることが出来る。
「不揮発性水性化助剤を実質的に含有しない」とは、不揮発性水性化助剤を積極的には系に添加しないことにより、結果的にこれらを含有しないことを意味する。こうした不揮発性水性化助剤は、含有量がゼロであることが特に好ましいが、本発明の効果を損ねない範囲で、ポリオレフィン樹脂成分に対して、例えば0.1質量%未満程度含まれていても差し支えない。
水性分散液の主たる溶剤は水であるが、水溶性のアルコール類やエーテル類等は含有されていてもよく、樹脂成分に可塑剤等として添加されていた少量の有機溶剤成分を含んでいてもよい。
更に、揮発性の水性化助剤ならば少量を含有してもよく、例えば、アンモニアや揮発性の有機アミン化合物のような塩基性化合物を含むことで、分散した不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂の微粒子の凝集を防止して、安定性を付与できる。
また、水性分散液を用いることによって、積層体製造時の有害な有機溶剤の排出量を低減することができるので、環境に対する悪影響を少なくすることもできる。
また、ポリオレフィン系樹脂は、前記水性分散液中で、微粒子状態で分散しており、該微粒子の数平均粒子径は、1μm以下であることが好ましく、0.01μm以上、1μm以下であることがより好ましい。また、重量平均粒子径も、1μm以下であることが好ましく、0.01μm以上、1μm以下であることがより好ましい。上記範囲よりも小さいと水性分散液を作製することが困難になって工程が複雑化する為にコストが上昇してしまう傾向になり、上記範囲よりも大きいと、アンカーコート層(E)が不均質になり易く、接着性を低下させる虞がある。
(ポリオレフィン系樹脂)
ポリオレフィン系樹脂とは、1種または2種以上のα−オレフィンを原料モノマーとして用いた単独重合体または共重合体である。
α−オレフィンの具体例としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ヘキセンのような炭素原子数2〜8、好ましくは2〜6のα−オレフィンが挙げられる。好ましいα−オレフィンは、エチレン、プロピレンである。
また、ポリオレフィンはモノマーとしてα−オレフィン以外の他のモノマーを併用した共重合体であってもよい。そのような他のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマーが挙げられる。
アンカーコート層(E)に好ましく用いられるポリオレフィン系樹脂の具体例としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、シングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、低密度ポリエチレン(LDPE)、アイオノマー等のポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン系樹脂;ポリブタジエン系樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体;不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、等が挙げられる。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、5,000〜200,000であることが好ましく、10,000〜150,000であることがより好ましく、20,000〜120,000であることがさらに好ましく、30,000〜100,000であることが特に好ましく、35,000〜80,000であることが最も好ましい。
重量平均分子量が上記範囲未満であると、基材との接着性が低下したり、得られる塗膜が硬くてもろくなったりする傾向があり、一方、重量平均分子量が上記範囲を超えると、樹脂の水性化が困難になる傾向がある。
(不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂)
不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂とは、不飽和カルボン酸またはその誘導体とα−オレフィンとの共重合体や、ポリオレフィンに不飽和カルボン酸またはその誘導体を反応させて得られる樹脂であり、ポリオレフィン系樹脂の主鎖または側鎖に不飽和カルボン酸が組み込まれ、ポリオレフィン系樹脂と不飽和カルボン酸との間に化学的結合が形成されてなる形態を有した樹脂である。
共重合の形態は限定されるものではなく、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。また、2元共重合であっても、3元以上の共重合であってもよい。
不飽和カルボン酸とは、1分子中に1個または2個以上の不飽和結合と、1個または2個以上のカルボキシル基とを有する化合物である。
不飽和カルボン酸の具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸等の不飽和ジカルボン酸;ならびにそれらの誘導体が挙げられる。
不飽和カルボン酸の誘導体としては、上記した酸の塩化物、アミド、エステルおよび無水物が挙げられ、不飽和ジカルボン酸の場合には、ハーフエステル、ハーフアミド等のハーフ誘導体も挙げられる。
上記酸のエステルとしては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ジメチルアミノエチルエステル等が挙げられる。
前記不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂は、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物由来の構造を、全不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂中に、0.01質量%以上、5質量%以下の割合で含むものであることが好ましい。上記範囲よりも少ないと、樹脂の水性化(液状化)が困難になり易く、良好な水性分散体を得ることが困難になり易い。上記範囲よりも多いと、水性分散液の安定性が低下して、水性分散液中における不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂の数平均粒子径を上記範囲に調整することが困難になり易く、接着性を低下させる虞がある。
(不揮発性水性化助剤)
本発明において、不揮発性水性化助剤は、水性分散体の製造において、水性化促進や水性分散体の安定化の目的で添加される、不揮発性の薬剤や化合物である。
ここで、不揮発性とは、常圧での沸点を有さないか、もしくは、常圧で高沸点(例えば300℃以上)であることを指す。
不揮発性水性化助剤としては、例えば、乳化剤、界面活性剤等の保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子などが挙げられる。
乳化剤としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられ、ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられ、両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
界面活性剤等の保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの数平均分子量が通常は5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の不飽和カルボン酸含有量が10質量%以上のカルボキシル基含有ポリマーおよびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物が挙げられる。
[ポリオレフィン系接着剤層(F)]
ポリオレフィン系接着剤層(F)は、シーラント層(G)とアンカーコート層(E)に隣接した層であり、シーラント層(G)を積層体内に接着する役割を担う層であって、ポリオレフィン系樹脂を含む層である。
ポリオレフィン系接着剤層(F)に用いられるポリオレフィン系樹脂の具体例としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、シングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、低密度ポリエチレン(LDPE)、アイオノマー等のポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン系樹脂;ポリブタジエン系樹脂;エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等の不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、等が挙げられる。
ポリオレフィン系接着剤層(F)には、上記の樹脂の1種または2種以上を含むことが出来、更には必要に応じて、公知の耐屈曲性改良剤、無機又は有機添加剤等を配合することができる。
ポリオレフィン系接着剤層(F)は、上記の中でも、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)または低密度ポリエチレン(LDPE)を含むことが好適であり、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含むことが特に好適である。
ポリオレフィン系接着剤層(F)は、アンカーコート層(E)上に、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を押し出しコートするか、シーラント層(G)とともに押し出しラネート(所謂、サンドイッチラミネート)する方法で形成することができる。
ポリオレフィン系接着剤層(F)の厚さは、5μm以上、30μm以下が好ましく、10μm以上、20μm以下がより好ましい。上記範囲よりも薄いと接着効果が充分に発現され難くなる傾向に成り、上記範囲よりも厚いと、積層体全体への剛性に影響を与えてしまうことがあり、好ましくない。
[シーラント層(G)]
シーラント層(G)は、積層体にヒートシール性と耐屈曲性、耐衝撃性等の機能を付与する層であり、積層体中で、ポリオレフィン系接着剤層(F)と隣接しており、積層体の最外層に積層された層である。
シーラント層(G)は、1層であっても、2層以上から構成されていてもよい。2層以上の場合には、同組成の層であっても、異なる組成の層であってもよい。但し、積層体の表面層を構成する層は、ヒートシール性に優れた樹脂を含むことが好ましい。
具体的な樹脂としては、例えば、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸その他等の不飽和カルボン酸で変性したポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)などが挙げられる。
シーラント層(G)には、上記の樹脂の1種または2種以上を用いた樹脂フィルムまたはシート、あるいは樹脂塗布膜等を用いることができる。
上記の樹脂には、必要に応じて、公知の耐屈曲性改良剤、無機又は有機添加剤等を配合することができる。
上記の樹脂層を形成するフィルムないしシートとしては、未延伸フィルムないしシート、あるいは1軸方向または2軸方向に延伸した延伸フィルムないしシート等のいずれのものでも使用することができる。
上記の中でも、シーラント層(G)は、ヒートシール性の観点から、ポリオレフィン系樹脂を含むことが好ましく、特に、低密度ポリエチレン(LDPE)または直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含むことが好ましく、特に、LLDPEを含むことが好ましい。
シーラント層(G)を積層する方法としては、アンカーコート層(E)上に、押し出されたポリオレフィン系接着剤層(F)用のポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物とともに、シーラント層(G)用の樹脂フィルムまたはシートを押し出しラミネート(所謂、サンドイッチラミネート)する方法、若しくは、アンカーコート層(E)上に、ポリオレフィン系接着剤層(F)用のポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を押し出して、更にその上に、シーラント層(G)用の樹脂組成物を押し出して、共押し出しラネート(所謂、サンドイッチラミネート)する方法、更に若しくは、予めアンカーコート層(E)上に形
成されているポリオレフィン系接着剤層(F)上に、シーラント層(G)用の樹脂フィルムまたはシートを熱圧着する方法等が挙げられる。
上記の中で、アンカーコート層(E)上に、溶融押し出されたポリオレフィン系接着剤層(F)用のポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物とともに、シーラント層(G)用の樹脂組成物を押し出しラミネートする方法が好ましく、シーラント層(G)用の樹脂フィルムまたはシートを熱圧着する方法がより好ましい。
上記によって、シーラント層(G)は、ポリオレフィン系接着剤層(F)を介して、アンカーコート層(E)面に強固に熱接着される。
シーラント層(G)の厚さは、5〜500μmが好ましく、10〜250μmがより好ましく、15〜100μmが更に好ましい。上記範囲よりも薄いと、十分なヒートシール強度を得難くなり易く、上記範囲よりも厚いと、コスト上昇を招くと共にフィルムが硬くなり作業性が悪化し易い傾向になる。
<エージング処理>
本発明の高落袋強度積層体は、積層終了後に、エージング処理が施されたものである。
エージング処理によって、高落袋強度積層体中の各層界面のラミネート強度が、押し出しラミネートによって積層された層の界面であっても向上し、特に、アンカーコート層(E)界面、及びポリオレフィン樹脂接着層(F)/シーラント層(G)間界面のラミネート強度が向上して、包装袋は内容物が高重量であっても十分に耐え得る。
そして、ラミネート強度が向上していることによって、包装袋充填物の落袋強度(耐落下衝撃性)が向上している。
また、これによって、手切り開封時にシーラント層(G)が剥離して、手切り開封性が低下することを防止出来ている。
エージング処理の方法としては、例えば、作製されたロール巻状態の積層体を、一定温度に保たれた保管庫に保管する方法が挙げられる。
エージング温度は、35℃以上、80℃以下が好ましい。上記範囲よりも低温の場合は、エージング処理の効果が充分に発現され難い傾向になり、上記範囲よりも高温の場合は、エージング処理による各種変化が急激に進行し易い為に、積層体内の添加剤等のブリードアウトやシーラント層(G)の緩み、巻かれた積層体にブロッキング等が発生する虞があり、コントロールが煩雑になり易く、生産性に劣る傾向になり易い。
エージング時間は、2〜7日間が好ましい。上記範囲よりも短いと、エージング処理の効果が充分に発現され難い傾向になり、上記範囲よりも長いと、長時間を要する割にはエージング処理の効果はそれほど変わらず、生産性に劣る傾向になり易い。
<包装材料>
本発明の高落袋強度包装材料は、上記の高落袋強度積層体からなるものである。
<包装袋>
本発明の高落袋強度包装袋は、上記の高落袋強度包装材料を袋状にヒートシールして製造することができる。
本発明に係る包装袋の態様は、特に限定はされず、例えば、三方シール形式や四方シール形式の袋、或いは、ピロー形式の袋などの平袋のほか、スタンディングパウチなどの自立袋、ガゼット袋、或いは、これらの応用形態などいずれの態様の包装袋でもよい。
実施例に用いた原材料は下記の通りである。
PETフィルム1:東洋紡(株)社製二軸延伸PETフィルム、T−4102。片面コロナ処理。12μm厚。
PBTフィルム1:興人フィルム&ケミカルズ(株)社製二軸延伸PBTフィルム、ボブレットST。片面コロナ処理。15μm厚。
ナイロンフィルム1:東洋紡(株)社製二軸延伸ナイロンフィルム、ハーデンフィルムN1200。両面コロナ処理。厚さ15μm。
ナイロンフィルム2:東洋紡(株)社製二軸延伸ナイロンフィルム、ハーデンフィルムN7476。15μm厚。片面アルミニウム蒸着。
LLDPE1:(株)プライムポリマー社製直鎖状低密度ポリエチレン、SP1071C。MFR10g/10分。
LLDPEフィルム1:三井化学東セロ(株)社製T.U.X−HC。100μm厚。
アルミニウム箔1:東洋アルミニウム(株)社製1N30。7μm厚。
DL接着剤1:東洋モートン社製2液硬化型ポリウレタン系接着剤、TM−570/CAT−RT37=重量比18/1。
アンカーコート剤1:ユニチカ(株)社製アローベース。不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂の水性分散液。
アンカーコート剤2:三井化学(株)社製A−3210/A−3075。ウレタン系。
[実施例1]
基材層(A)としてのPETフィルム1と、補強層(B)としてのナイロンフィルム1とを、ドライラミネーション接着剤層(C)としてのDL接着剤1を介してドライラミネーションによって積層して、更に、該ナイロンフィルム1面と、金属元素含有バリア層(D)としてのアルミニウム箔1とを、DL接着剤1を介してドライラミネーションによって積層した。そして、アルミニウム箔1面にアンカーコート層(E)としてのアンカーコート剤1を、乾燥後の重量が0.5g/m2になる分量を塗布して、乾燥し、積層体Aを得た。
積層体Aの層構成:PETフィルム1(12μm)/DL接着剤1(3μm)/ナイロンフィルム1(15μm)/DL接着剤1(3μm)/アルミニウム箔1(7μm)/アンカーコート剤1(0.5g/m2
次いで、積層体Aのアンカーコート剤1面に、ポリオレフィン系接着剤層(F)としてのLLDPE1を溶融押し出しして、更にシーラント層(G)としてのLLDPEフィルム1をLLDPE1上に重ねて、押し出しラミネーションによって、積層体Bを得た。
そして、積層体Bに35℃8日間のエージング処理を行って、積層体を得た。
積層体の層構成:PETフィルム1(12μm)/DL接着剤1(3μm)/ナイロンフィルム1(15μm)/DL接着剤1(3μm)/アルミニウム箔1(7μm)/アンカーコート剤1(0.5g/m2)/LLDPE1(15μm)/LLDPEフィルム1(100μm)
得られた積層体を用いて、各種評価を実施した。結果を表1に示す。
[実施例2]
エージング処理条件を、40℃3日間に変えた以外は、実施例1と同様に操作して、積層体を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
エージング処理条件を、80℃2日間に変えた以外は、実施例1と同様に操作して、積層体を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
アンカーコート剤1をアンカーコート剤2に変えた以外は、実施例2と同様に操作して、積層体を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
ナイロンフィルム1とアルミニウム箔1を、アルミニウム蒸着膜含有ナイロンフィルム2に変えた以外は、実施例2と同様に操作して、積層体を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例6、7]
アンカーコート層(E)の厚みを、表1に示した厚さに変更した以外は、実施例2と同様に操作して、積層体を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例8]
基材層(A)としてのPETフィルム1をPBTフィルム1に変えて、補強層(B)と該補強層(B)を積層する為のドライラミネーション接着剤層(C)とを設けなかったこと以外は、実施例2と同様に操作して、積層体を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
エージング処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に操作して、積層体を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
エージング処理を行わなかった以外は、実施例2と同様に操作して、積層体を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
<評価方法>
[ラミネート強度]
積層体から幅15mmの短冊状の試験片を切り出し、試験片の末端短辺部の略10mmを、シーラント層(G)隣接の接着剤層を挟んで剥離させ、テンシロン引張試験機((株)オリエンテック製RTC−1310A)を用いて、25℃雰囲気下、T字剥離方式(引張速度50mm/分)により剥離した際の最大荷重を測定し、ラミネート強度(N/15mm幅)とした。更には、剥離界面部位を確認した。表1内の表記は下記の意味である。ラミネート強度は、3N/15mm以上を合格とした。
表中、「剥離不可」はラミネート強度が強すぎて剥離不可能だったことを、「既剥離」は剥離試験前に既に剥離していたことを示す。
[耐落下衝撃性]
積層体を用いて、図2に示されたガゼット袋を下記寸法で作製して、水500mlを充填し、脱気シールして密封して試験片を作製した。
そして、3℃で24時間保存後に、1.2mの高さから、試験片を水平に寝かせた向きで10回落下させ、次いで、垂直に立てた向きで10回落下させて、水漏れの有無によって不良を検出した。
袋の全幅:135mm
袋の全長:225mm
底部のガセット部14の折り込み長さ:37mm
注出口部シール部17の最大部の幅:40mm
注出口部シール部17の最大部の長さ:55mm
ハーフカット線21を設けた位置の全幅:24mm
注出口部20の先細り角度:略36°
ハーフカット線21の作製方法:レーザー光照射
ハーフカット線間隔:0.7mm
ハーフカット線深さ:約30μm
[評価結果まとめ]
エージング処理が施された実施例1〜8の積層体は、強いラミネート強度を示し、該積層体から作製された包装袋は強い耐落下衝撃性を示した。
しかしながら、同じ層構成でありながらエージング処理が施されていない比較例は、劣った結果を示した。
Figure 2019123170
1 高落袋強度積層体
2 基材層(A)
3 ドライラミネーション接着剤層(C)
4 補強層(B)
5 金属元素含有バリア層(D)
6 アンカーコート層(E)
7 ポリオレフィン系接着剤層(F)
8 シーラント層(G)
10 ガゼット袋
11、11′ 壁面フィルム
12 底面フィルム折り返し部
13a 、13b 底面フィルム切り欠き部
14 ガセット部
15 底部シール部
16a 、16b 側部シール部
17 注出口部シール部
18 上部シール部
19a 、19b 切り欠き部
20 注出口部
21 ハーフカット線
22 ノッチ

Claims (10)

  1. 少なくとも、基材層(A)と、ドライラミネーション接着剤層(C)と、金属元素含有バリア層(D)と、アンカーコート層(E)と、ポリオレフィン系接着剤層(F)と、シーラント層(G)とを含む高落袋強度積層体であって、
    ポリオレフィン系接着剤層(F)は、シーラント層(G)と隣接しており、
    アンカーコート層(E)は、ポリオレフィン系接着剤層(F)と隣接しており、
    シーラント層(G)は、溶融押し出しされたポリオレフィン系接着層(F)を介した押し出しラミネーションによって、フィルムまたはシートが積層されて形成された層であり、
    前記高落袋強度積層体は、積層終了後に、35℃以上、80℃以下の環境下で、2〜7日間のエージング処理されたものである、高落袋強度積層体。
  2. 更に、補強層(B)を含む、請求項1に記載の、高落袋強度積層体。
  3. アンカーコート層(E)は、ポリオレフィン系樹脂が分散した水性分散液から形成された層であり、
    前記水性分散液は、不揮発性水性化助剤を実質的に含んでおらず、
    前記水性分散液中の前記ポリオレフィン系樹脂の数平均粒子径は、1μm以下である、請求項1または2に記載の、高落袋強度積層体。
  4. 前記ポリオレフィン系樹脂が、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂である、請求項3に記載の、高落袋強度積層体。
  5. 前記不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂が、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物に由来する構造を、全不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂中に、0.01質量%以上、5質量%以下の割合で含む、請求項4に記載の、高落袋強度積層体。
  6. アンカーコート層(E)の厚さが、0.05μm以上、2μm以下である、請求項1〜5の何れか1項に記載の、高落袋強度積層体。
  7. 金属元素含有バリア層(D)が、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着膜、酸化アルミニウム蒸着膜、酸化珪素蒸着膜、なる群から選ばれる1種または2種以上である、請求項1〜6の何れか1項に記載の、高落袋強度積層体。
  8. ポリオレフィン系接着層(F)がLDPEまたはLLDPEを含み、
    シーラント層(G)が、LDPEまたはLLDPEを含む、
    請求項1〜7の何れか1項に記載の、高落袋強度積層体。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の高落袋強度積層体からなる、高落袋強度包装材料。
  10. 請求項9に記載の高落袋強度包装材料から作製された、高落袋強度包装袋。
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