JP2023146407A - 押出ラミネートフィルム - Google Patents

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淳 増田
Atsushi Masuda
真吾 幸田
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Abstract

【課題】 優れたガスバリア性、封緘性、リサイクル性を示す押出ラミネートフィルムを提供する。【解決手段】 少なくとも隣接してなる基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、基材層がポリエチレン系延伸フィルム(f)、(A)層及び(E)層がポリエチレン(a)、(B)層及び(D)層がそれぞれ接着性樹脂(b)、(C)層が(i)~(ii)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)から構成され、(iii)を満たす押出ラミネートフィルムを用いる。(i)エチレン含量C2が50mol%以下(ii)ケン化度が80重量%以上(iii)エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)の含有率が1重量%以上5重量%以下【選択図】 なし

Description

本発明は、押出ラミネートフィルムに関するものである。
食品や飲料、医薬品などの熱可塑性樹脂を素材とした包装材料は、近年、環境負荷低減の観点から優れたリサイクル性が求められている。そのため、単一の熱可塑性樹脂からなる包装材料(モノマテリアル包材)が求められている。しかし、ポリオレフィンからなるモノマテリアル包材では酸素バリア性が低く、内容物の品質保持が困難であった。
このような中、ポリオレフィン系基材同士をバリア性接着剤で積層する手法(例えば、特許文献1参照)やポリエチレンとエチレン・ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略すことがある)を含む延伸フィルムとポリエチレンを積層する手法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
しかし、前者ではバリア性接着剤の酸素透過度が大きく、ガスバリア性に劣っていた。また、後者では延伸する際にEVOH層に厚みムラが生じるため、ガスバリア性に劣っていた。
このような背景から、従来よりガスバリア性、封緘性に優れ、且つリサイクル性の高い押出ラミネートフィルムが望まれていた。
特開2020-529935号公報 特開2022-500274号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、優れたガスバリア性、封緘性、リサイクル性を示す押出ラミネートフィルムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の押出ラミネートフィルムが優れたガスバリア性、封緘性、リサイクル性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
各態様は、以下に示す[1]~[6]である。
[1] 少なくとも隣接してなる基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、基材層がポリエチレン系延伸フィルム(f)、(A)層及び(E)層がポリエチレン(a)、(B)層及び(D)層が接着性樹脂(b)、(C)層が(i)~(ii)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)から構成され、(iii)を満たす、押出ラミネートフィルム。
(i)エチレン含量Cが50mol%以下
(ii)ケン化度が80重量%以上
(iii)押出ラミネートフィルムに含まれる、エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)の含有率が1重量%以上5重量%以下
[2] (C)層の厚みが2μm以上6μm以下である、上記[1]に記載の押出ラミネートフィルム。
[3] ポリエチレン(a)が(iv)~(vi)を満たす、上記[1]又は[2]のいずれか一項に記載の押出ラミネートフィルム。
(iv)JIS K6922-1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(MFRPE)が1.0g/10分以上10.0g/10分以下
(v)温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(MSPE)が3mN以上50mN以下
(vi)MFRPE(g/10分)とMSPE(mN)の積MFRPE×MSPEが70以上250以下
[4] ポリエチレン(a)がエチレン・α-オレフィン共重合体及び/又は高圧法低密度ポリエチレンである、上記[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の押出ラミネートフィルム。
[5] エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)が下式(1)を満たす、上記[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の押出ラミネートフィルム。
EVOH<-4.265×C+1325 (1)
[6] (A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層が共押出ラミネート成形により同時に形成する、上記[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の押出ラミネートフィルムの製造方法。
本発明によれば、ガスバリア性、封緘性、リサイクル性に優れた積層体を提供することができる。
以下、各態様を詳細に説明する。
一態様である押出ラミネートフィルムは、少なくとも隣接してなる基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、基材層がポリエチレン系延伸フィルム(f)、(A)層及び(E)層がポリエチレン(a)、(B)層及び(D)層がそれぞれ接着性樹脂(b)、(C)層が(i)~(ii)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)から構成され、(iii)を満たす、押出ラミネートフィルムに関するものである。
(i)エチレン含量Cが50mol%以下
(ii)ケン化度が80重量%以上
(iii)押出ラミネートフィルムに含まれる、エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)の含有率が1重量%以上5重量%以下
押出ラミネートフィルムにおいて、(A)層及び(E)層はそれぞれポリエチレン(a)により構成される。ここで、(A)層及び(E)層を構成するポリエチレン(a)は同一であってもよく、相異なってもよい。
ポリエチレン(a)としては、特に限定はなく、エチレン単独共重合体、エチレンとプロピレン、1-ブテンなどの炭素数2~12のα-オレフィンとの共重合体、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体などが挙げられる。より具体的には、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのエチレン単独重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体等のエチレン・α-オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体が挙げられる。ポリエチレン(a)は、1種単独又は2種以上の組成物で用いてもよい。中でも、エチレン単独重合体、エチレン・α-オレフィン共重合体が成形性、封緘性に優れるため好ましく、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・α-オレフィン共重合体がさらに好ましい。また成形性の観点から、エチレン・α-オレフィン共重合体には高圧法低密度ポリエチレンを含むことが好ましい。
高圧法低密度ポリエチレンの製造方法は、高圧ラジカル重合を例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えば東ソー株式会社からペトロセンの商品名で市販されている。
エチレン・α-オレフィン共重合体は、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法により、エチレンとα-オレフィンを共重合することで得ることができる。
エチレン・α-オレフィン共重合体を構成するα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上が用いられる。これらのαーオレフィンの中で、封緘性に優れることから、炭素数6以上のα-オレフィンであることが好ましい。
このようなエチレン・α-オレフィン共重合体は、市販品の中から便宜選択することができる。例えば東ソー株式会社からニポロン-L、ニポロン-Z、ルミタックの商品名で各々市販されている。
ポリエチレン(a)のJIS K6922-1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(以下、「MFRPE」と略す)は、接着性樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体との共押出ラミネート加工性(マイグレーション)に優れることから、1.0g/10分以上10.0g/10分以下の範囲が好ましく、より好ましくは1.0g/10分以上6.0g/10分以下、最も好ましくは3.0g/10分以上5.0g/10分以下の範囲である。
また、ポリエチレン(a)の温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(以下、「MSPE」と略す)は、生産性に優れるため、3mN以上50mN以下の範囲が好ましく、より好ましくは10mN以上45mN以下、最も好ましくは15mN以上40mN以下の範囲である。
本発明におけるMSPEは、バレル直径9.55mmの毛管粘度計に長さが8mm、直径が2.095mm、流入角が90°であるダイス、及び、保温チャンバーを装着した条件で、押出速度10m/分、引取速度10m/分、設定温度190℃で測定した値である。
ポリエチレン(a)のMFRPE(g/10分)とMSPE(mN)の積MFRPE×MSPEは、生産性に優れることから、70以上250以下が好ましく、より好ましくは70以上200以下の範囲が好ましく、最も好ましくは90以上160以下の範囲である。このようなMFRPO×MSPOは、ポリエチレンの溶融粘度に対する溶融弾性の比、つまりポリエチレンの溶融変形時の非線形性と相関する値となる。
ポリエチレン(a)のJIS K6922-1(1997年)により測定された密度(以下、単に密度と略す)は特に限定はなく、成形性に優れるため、910~930kg/mの範囲が好ましく、より好ましくは914~925kg/mの範囲である。
本発明におけるポリエチレン(a)には、本目的が達成される限りにおいて、その他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。
ポリエチレン(a)に熱可塑性樹脂を混合する時は、ポリエチレンのペレットと熱可塑性樹脂のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリエチレンの融点~300℃程度が好ましい。
また、ポリエチレン(a)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
押出ラミネートフィルムにおいて、(B)層及び(D)層はそれぞれ接着性樹脂(b)により構成される。ここで、(B)層及び(D)層を構成する接着性樹脂(b)は同一であってもよく、相異なってもよい。
接着性樹脂(b)としては、本目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、例えば、成形用途で使用されるような公知のものを挙げることができる。このような接着性樹脂としては、マレイン酸や無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸もしくはその無水物やボロン酸などで変性した酸変性ポリオレフィン、ポリアミドグラフト化ポリオレフィンなどのエチレン、プロピレン、1-ブテンなどの炭素数2~12のα-オレフィンの単独重合体若しくはこれらの共重合体の変性物、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、エチレン・ビニルエステル共重合体ケン化物、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸との共重合体とそのアイオノマーなどが例示される。これらの中で、接着性、コストの観点から、少なくとも無水マレイン酸変性ポリオレフィンを含むことが好ましく、より好ましくは無水マレイン酸変性ポリエチレン(以下、MAH-PEと略す)を含むことである。
このような無水マレイン酸変性ポリオレフィンは特に限定はなく、オレフィン成分と無水マレイン酸との共重合体でもよく、無水マレイン酸でグラフト変性されたポリオレフィンでもよい。また、このような樹脂の製造方法も特に限定はない。
無水マレイン酸変性ポリオレフィンを構成するオレフィン成分としては特に限定はなく、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1ーヘキセン、1-オクテン、酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸グリシジルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸などが例示でき、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
このような無水マレイン酸変性ポリオレフィンの無水マレイン酸含有量は、接着性、フィルム外観に優れることから、0.10~1.2重量%が好ましく、より好ましくは0.40~1.0重量%、最も好ましくは0.40~0.80重量%である。
このような樹脂は市販品の中から便宜選択することができ、例えばオレフィン成分と無水マレイン酸との共重合体として、ダウ・ケミカル日本(株)からアンプリファイの商品名で、SK Geo Centric Japan(株)からRotader、Bondine、OREVAC Tの商品名で各々市販されている。また、無水マレイン酸でグラフト変性されたポリオレフィンとして、例えば三井化学(株)からアドマーの商品名で、三菱ケミカル(株)からモディックの商品名で、ダウ・ケミカル日本(株)からフサボンドの商品名で、SK Geo Centric Japan(株)からOREVAC Gの商品名で、Addivant Japan合同会社からポリボンドの商品名で各々市販されている。
接着性樹脂(b)としては、接着性、フィルム外観の観点から、少なくともポリオレフィンと無水マレイン酸変性ポリオレフィンを含むポリオレフィン組成物であることが好ましい。
ポリオレフィン組成物は、接着性、フィルム外観の観点から、ポリオレフィンを50~90重量部、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを10~50重量部(ポリオレフィンと無水マレイン酸変性ポリオレフィンの合計は100重量部)含むものであり、より好ましくはポリオレフィンを65~85重量部、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを15~35重量部(ポリオレフィンと無水マレイン酸変性ポリオレフィンの合計は100重量部)含むものである。
ポリオレフィンとしては、特に限定はなく、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどの炭素数2~12のα-オレフィンの単独重合体若しくはこれらの共重合体、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体などが挙げられる。
例えば、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのエチレン単独重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、ポリ1-ブテン、ポリ1-ヘキセン、ポリ4-メチル-1-ペンテン等が挙げられる。ポリオレフィンは、1種単独又は2種以上の組成物で用いてもよい。中でも、成形性の観点から高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、ポリプロピレンからなる群の少なくとも1種が好ましく、これらの組成物が成形性にも優れるため最も好ましい。
高圧法低密度ポリエチレンの製造方法は、高圧ラジカル重合を例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えば東ソー株式会社からペトロセンの商品名で市販されている。高密度ポリエチレン、エチレン・1-ブテン共重合体及びエチレン・1-へキセン共重合体の製造方法は特に限定するものではないが、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができる。例えば東ソー株式会社からニポロンハード、ニポロン-L、ニポロン-Z、ルミタックの商品名で各々市販されている。
エチレン・酢酸ビニル共重合体の製造方法は特に限定されないが、高圧法ラジカル重合、溶液重合やラテックス重合等の公知の製造方法が挙げられ、このような樹脂は市販品の中から便宜選択することができ、エチレン・酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社からウルトラセンの商品名で市販されている。
このようなポリオレフィン組成物の混合方法は特に限定はなく、ポリオレフィンのペレットと無水マレイン酸変性ポリオレフィンのペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、品質の安定性の観点から溶融混練した混合物の方が好ましい。
このような溶融混練の方法は、各成分を均一に分散しうる溶融混練装置であれば特に制限はなく、通常用いられる樹脂の混合装置により製造することができる。例えば、単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、回転ロール、ラボプラストミルなどの溶融混練装置が挙げられる。溶融温度はポリオレフィンの融点~260℃程度が好ましい。
接着性樹脂(b)のJIS K6922-1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(以下、「MFRADD」と略す)は、ポリエチレン、エチレン・ビニルアルコール共重合体との共押出ラミネート加工性(マイグレーション)に優れることから、1.0g/10分以上10.0g/10分以下の範囲が好ましく、より好ましくは1.0g/10分以上6.0g/10分以下、最も好ましくは3.0g/10分以上5.0g/10分以下の範囲である。
接着性樹脂(b)には、本目的が達成される限りにおいて、その他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。接着性樹脂(b)に熱可塑性樹脂を混合する時は、ポリオレフィン組成物のペレットと熱可塑性樹脂のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリオレフィン組成物の融点~300℃程度が好ましい。
また、接着性樹脂(b)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のエチレン含有量(以下、Cと略す)は、ガスバリア性に優れることから、50mol%以下であり、好ましくは20~35mol%である。これにより、ガスバリア性がより向上する。ここで、C(mol%)はエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)に含まれるモノマー単位におけるエチレン成分の含有率のことである。
エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)の製造方法としては、特に限定はなく、例えば、公知の方法にしたがって、エチレンと脂肪酸ビニルエステルとの共重合体を製造し、次いで、これを加水分解(ケン化)することによってEVOHを製造することができる。
このようなエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のケン化度は、ガスバリア性に優れることから、80重量%以上の範囲である。エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のケン化度が80重量%未満の範囲ではガスバリア性に劣るため好ましくない。
また、EVOHはエチレン単位及びビニルアルコール単位に加えて、少量であれば他の構成単位を有していてもよい。
このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えばクラレ(株)からエバール、三菱ケミカル(株)からソアノール、Gソアノールの商品名で各々市販されている。
このようなエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のISO1133に準拠して測定した190℃におけるメルトマスフローレート(温度190℃、荷重2.16kg、以下、「MFREVOH」と略す)は、成形性及びフィルム外観の観点から、1.0g/10分以上10.0g/10分以下の範囲が好ましく、1.0g/10分以上8.0g/10分以下であることがより好ましく、1.0g/10分以上5.0g/10分以下であることが最も好ましい。
また、エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のISO1133に準拠して測定した210℃におけるメルトマスフローレート(温度210℃、荷重2.16kg)は、成形性及びフィルム外観の観点から、2.5~25.0g/10分の範囲が好ましく、2.5~20.0g/10分であることがより好ましく、2.5~12.5g/10分であることが最も好ましい。
エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のISO1183-3に準拠して測定した20℃における密度(以下、「DEVOH」と略す)は、フィルム外観及び接着性の観点から、1190kg/m未満が好ましく、1100~1180kg/mであることがより好ましく、1140~1180kg/mであることが最も好ましい。
また、フィルム外観及び接着性に優れることから、エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)のC(mol%)とDEVOH(kg/m)が下式(1)を満たすことが好ましく、下式(2)を満たすことがより好ましい。
EVOH<-4.265×C+1325 (1)
EVOH<-4.265×C+1315 (2)
なお、式(1)~式(2)の傾きについては、クラレ製エチレン・ビニルアルコール共重合体の内、標準グレードおよび準標準グレードのC及びDEVOHを用いて算出した。具体的には、Cが27mol%、DEVOHが1210kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールL171B)、Cが32mol%、DEVOHが1190kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールF171B)、Cが35mol%、DEVOHが1180kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールC109B)、Cが38mol%、DEVOHが1170kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールH171B)、Cが44mol%、DEVOHが1140kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールE105B)、Cが48mol%、DEVOHが1120kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールG156B)のCとDEVOHの相関から算出した。
ポリエチレン系延伸フィルム(f)は特に限定はなく、用途に応じ適時選択される。このようなポリエチレン系延伸フィルム(f)の延伸方向は特に限定はなく、MD方向の一軸延伸、TD方向の一軸延伸、MD及びTD方向の二軸延伸が例示される。また、延伸方法についても特に限定はなく、テンター延伸やチューブラー延伸、ロール延伸などが例示される。また、ポリエチレンからなる単層フィルムでもよく、ポリエチレンからなる多層フィルムでもよい。多層フィルムの場合、構成するポリエチレンは同一であってもよく、相異なってもよい。
このようなポリエチレン系延伸フィルム(f)を構成するポリエチレンについても特に限定はないが、熱シール時の耐熱性に優れることから、JIS K6922-1(1997年)により測定された密度が940~980kg/mであるポリエチレンが好ましい。
また、ポリエチレン系延伸フィルム(f)を構成するポリエチレンのJIS K6922-2(1997年)により測定した溶融温度は、熱シール時の耐熱性に優れることから、130~160℃の範囲が好ましい。
このようなポリエチレン系延伸フィルム(f)は市販品の中から便宜選択することができ、例えば東京インキ(株)からハイブロンの商品名で、フタムラ化学(株)からPE3Kの商品名で、電気化学工業(株)からカラリヤンの商品名で各々市販されている。
積層体は、少なくとも隣接してなる基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含むことを特徴とするものであり、これらの6層のみからなるものだけでなく他の層、例えば(F)層を含んでいてもよい。具体的には、基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層、(F)層/基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層、基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層/(F)層などが例示される。なお、層の間の記号/は、隣接する層であることを表している。
(F)層としては、ポリオレフィンから形成される層が挙げられる。例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、アイオノマー等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン等が挙げられる。更に、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着、アクリル処理、ウレタン系インキ等を用い印刷されたものでもよいが、リサイクル性の観点から、これらのアルミ蒸着などは含まないことが好ましい。
押出ラミネートフィルムにおいて、(A)層及び(E)層を構成するポリエチレン(a)が同一の成分であり、かつ、(B)層および(D)層を構成する接着性樹脂(b)が同一の成分であることが好ましい。
押出ラミネートフィルム中に含まれるエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)の含有率は、リサイクル性及び経済性に優れることから、1重量%以上5重量%以下の範囲であり、より好ましくは3重量%以上5重量%以下の範囲である。エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)の含有率が1重量%未満の範囲では経済性に劣るため好ましくなく、5重量%を超える範囲ではリサイクル性に劣るため好ましくない。
また、エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)で構成される(C)層の厚みとしては、ガスバリア性及び経済性の観点から、2μm以上6μm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは3μm以上5μm以下の範囲である。
積層体を得る押出ラミネート加工法としては特に限定はなく、各層を順に積層するタンデムラミネート加工法、いくつかの層を同時に積層する共押出ラミネート加工法などの各種押出ラミネート加工法を例示することができる。これらの中で、コストの観点から(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層が共押出ラミネート加工法により同時に形成されていることが好ましい。また、最も好ましくは(A)層と(E)層が同一の成分であり、かつ(B)層と(D)層が同一の成分となる3種5層押出ラミネート加工法である。このような押出ラミネート加工法における樹脂の温度は180~280℃の範囲が好ましく、冷却ロールの表面温度は10~50℃の範囲が好ましい。
また、押出ラミネート加工において、基材層と隣接する(A)層を構成するポリエチレン(a)を溶融状態で押出し層とした直後に、該層の基材接着面を含酸素気体又は含オゾン気体に曝し、基材と貼り合わせる手法を用いると、基材層との接着性に優れることから好ましい。含オゾン気体により熱可塑製樹脂と基材との接着性を向上させる場合は、オゾンガスの処理量としては、ダイより押出された熱可塑製樹脂よりなるフィルム1m当たり0.5mg以上のオゾンを吹き付けることが好ましい。
積層体を得る手法における押出ラミネート加工法は、熱可塑製樹脂層と基材層との接着性をさらに向上させるため、各層の樹脂が発泡しない程度の温度、例えば30℃~60℃の温度で10時間以上熱処理することができる。また必要に応じて、基材層の接着面に対してコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。また、必要であれば基材層にアンカーコート剤を塗布しても良い。
押出ラミネートフィルムは、封緘性及び酸素等に対するガスバリア性が高いものとなり、これらの性質に加えリサイクル性も要求される食品や飲料、医薬品などの熱可塑性樹脂を素材とした包装材や容器などに好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)メルトマスフローレート(MFR)
MFRは、JIS K6922-1(1997年)若しくはISO1133に準拠して測定した。
(2)密度
密度は、JIS K6922-1(1997年)若しくはISO1183-3に準拠して測定した。
(3)溶融張力(MS)
23℃に設定した恒温室内において、温度を190℃に設定し、長さが8mm、直径が2.095mm、流入角が90°のダイス及び保温チャンバーを装着したバレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、ポリオレフィン若しくは接着性樹脂18gを充填し、ピストン降下速度を10mm/分、引取速度10m/分に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力(MS)として測定した。
(4)マイグレーション
マイグレーションは、各押出機の回転数を実施例に記載の押出ラミネートフィルムを作成する際と同じ値に設定し、Tダイから押し出された溶融膜を目視で測定した。ダイ直下の溶融膜を観察し、溶融膜の両端に発生しているEVOH層が回り込んでいない幅を測定し、溶融膜両端での総和をマイグレーション(mm)とした。マイグレーションが小さいほど共押出ラミネート成形性に優れる。
(5)生産性
生産性は、押出ラミネートフィルムを実施した際のフィルム端部の安定性で評価した。生産性の評価は、端部が揺れず安定していた場合は〇、端部が破断しないものの揺れて不安定であった場合は△、端部が破断した場合は×とした。
(6)最大シール強度/封緘性
実施例により得られた押出ラミネートフィルムを幅100mm、長さ100mmに2枚切り出し、ラミネートフィルムの(E)層同士を重ね、ヒートシール試験機TP-701B(テスター産業(株)製)を用いて設定温度100~180℃、両面加熱、エアー圧力0.2MPa、シール時間1秒間で幅10mm、長さ300mmのシールバーでヒートシールを行った。シール部が収縮しなかった最大シール温度の試験片を15mm幅に切り出し、引張試験機テンシロンRTE-1210((株)オリエンテック製)を用いて引張速度300mm/分、T型剥離の条件で剥離試験を行い、最大シール強度(N/15mm)を測定した。シール強度が高いほど封緘性に優れることから、封緘性の評価は最大シール強度が30未満で×、30以上40未満で△、40以上45未満で〇、45以上で◎とした。
(7)酸素透過度/ガスバリア性
実施例により得られた押出ラミネートフィルムを幅100mm、長さ100mmに切り出したサンプルを用いて、JIS K7126-2(2006年)に準拠して酸素透過度(cc/m・24時間・atm)を測定した。酸素透過度が高いほどガスバリア性に優れることから、ガスバリア性の評価は酸素透過度が1000以上で×、100以上1000未満で△、10以上100未満で〇、10未満で◎とした。
(8)リサイクル性
実施例により得られた押出ラミネートフィルムを幅20mm、長さ20mmに切り出したサンプル40gを60ccのミキサーを装着した流動性試験機((株)東洋精機製作所製ラボプラストミル4C-150)へ供給し、250℃の温度で2分間余熱後、温度250℃、回転数60rpmで10分間、加熱混練しリサイクル樹脂を得た。得られたリサイクル樹脂を圧縮成形機AWFA.50((株)神藤金属工業所製)および15cm×15cm×0.1mmの金型を用いて、加熱温度200℃、冷却温度30℃、一次加圧10MPa×3分、二次加圧100MPa×1分、冷却加圧100MPa×5分の条件でリサイクルフィルムを得た。得られたリサイクルフィルムを目視で観察しリサイクル性を評価した。リサイクルフィルムにフィッシュアイや未溶融物などの異物やムラが多い場合は×、異物やムラが少ない場合は〇、異物やムラがほぼ確認できない場合は◎とした。
実施例1
(A)層及び(E)層を構成するポリエチレンとしてMFRが3.7g/10分、密度が923kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン225)を30重量部、MFRが4.0g/10分、密度が922kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン190)を70重量部になるように配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練した低密度ポリエチレン組成物(MFRPE 3.9g/10分、密度 922kg/m、MSPE 33mN)(A1)を、(B)層及び(D)層を構成する接着性樹脂としてポリエチレン(A1)を80重量部、MFRが7.0g/10分、密度が930kg/m、MAH含量が0.60重量%である無水マレイン酸変性ポリエチレン(SK Geo Centric Japan(株)製 商品名OREVAC G OE850、M1)を20重量部になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径40mm)にて樹脂温度160℃で溶融混練したポリオレフィン樹脂組成物(MFRADD 4.4g/10分、密度 926kg/m、MAH含量 0.12重量%)(B1)を、(C)層を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体としてMFREVOHが2.0g/10分、エチレン含量が32mol%、ケン化度が100重量%、密度が1160kg/m、210℃におけるMFRが4.1g/10分であるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールSP482B)(C1)、基材層であるポリエチレン系延伸フィルム(F)として高密度ポリエチレン一軸延伸フィルム(東京インキ(株)製、商品名 ハイブロンP、厚み 25μm 密度 950kg/m 溶融温度 133℃ 片面コロナ処理)(F1)を使用した。
まず、(A1)を260℃に設定した直径40mmφのスクリューを有する単軸押出機(住友重機械モダン(株)製)へ供給し、(B1)を260℃に設定した直径40mmφのスクリューを有する単軸押出機(住友重機械モダン(株)製)へ供給し、(C1)を260℃に設定した直径40mmφのスクリューを有する単軸押出機(住友重機械モダン(株)製)へ供給し、260℃の温度でTダイより押し出し、以下に示す押出ラミネートフィルムを作成する時の押出回転数に設定し、その溶融膜からマイグレーションを評価した。そして、コロナ処理面に以下に示す比率で配合したポリウレタン系接着剤を塗布し溶剤を乾燥したポリエチレン系延伸フィルム(F1)に加工速度50m/分、エアギャップ長さが110mmで(A1)、(B1)、(C1)、(B1)、(A1)がそれぞれ10μm、5μm、2μm、5μm、10μmの厚さになるよう3種5層押出ラミネート成形を行い、ポリエチレン系延伸フィルム、ポリエチレン(A1)((A)層)、接着性樹脂(B1)((B)層)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(C1)((C)層)、接着性樹脂(B1)((D)層)、ポリエチレン(A1)((E)層)の順に積層されてなる押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、最大シール強度、酸素透過度、リサイクル性を評価した。結果を表1に示す。
ポリウレタン系接着剤の配合:タケラックA3210(15部)+タケネートA3072(5部)+酢酸エチル(140部)
タケラックA3210、タケネートA3072はいずれも三井化学ポリウレタン(株)製
接着剤厚み:0.2μm
実施例2
加工速度50m/分、エアギャップ長さが110mmで(A1)、(B1)、(C1)、(B1)、(A1)がそれぞれ20μm、10μm、3μm、10μm、20μmの厚さになるよう3種5層押出ラミネート成形を行ったこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーションを評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、最大シール強度、酸素透過度、リサイクル性を評価した。結果を表1に示す。
実施例3
加工速度33m/分、エアギャップ長さが110mmで(A1)、(B1)、(C1)、(B1)、(A1)がそれぞれ30μm、15μm、4μm、15μm、30μmの厚さになるよう3種5層押出ラミネート成形を行ったこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーションを評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、最大シール強度、酸素透過度、リサイクル性を評価した。結果を表1に示す。
実施例4
加工速度25m/分、エアギャップ長さが110mmで(A1)、(B1)、(C1)、(B1)、(A1)がそれぞれ40μm、20μm、5μm、20μm、40μmの厚さになるよう3種5層押出ラミネート成形を行ったこと以外は、実施例1と同様の手法によりマイグレーションを評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、最大シール強度、酸素透過度、リサイクル性を評価した。結果を表1に示す。
実施例5
(A)層及び(E)層を構成するポリエチレンとしてMFRPEが3.7g/10分、密度が923kg/m、MSPEが105mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン225)(A2)を使用したこと以外は、実施例3と同様の手法によりマイグレーションを評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、最大シール強度、酸素透過度、リサイクル性を評価した。結果を表1に示す。
実施例6
(A)層及び(E)層を構成するポリエチレンとしてMFRPEが13g/10分、密度が919kg/m、MSPEが13mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン212)(A3)を使用したこと以外は、実施例3と同様の手法によりマイグレーションを評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、最大シール強度、酸素透過度、リサイクル性を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
(C)層にポリエチレン(A1)を使用したこと以外は、実施例3と同様の手法によりマイグレーションを評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、最大シール強度、酸素透過度、リサイクル性を評価した。結果を表1に示す。酸素透過度が大きく、ガスバリア性に劣っていた。
比較例2
基材層として二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製 商品名東洋紡エステルフィルムE5100 厚み25μm、密度1400kg/m、片面コロナ処理)(F2)を使用したこと以外は、実施例3と同様の手法によりマイグレーションを評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、最大シール強度、酸素透過度、リサイクル性を評価した。結果を表1に示す。リサイクル性に劣っていた。
比較例3
(C)層の厚みを8μmとしたこと以外は、実施例3と同様の手法によりマイグレーションを評価したのち、押出ラミネートフィルムを得た。得られた押出ラミネートフィルムを用いて、最大シール強度、酸素透過度、リサイクル性を評価した。結果を表1に示す。リサイクル性に劣っていた。
押出ラミネートフィルムは、フィルム外観、接着性やガスバリア性が要求される積層体に用いることができ、特に、食品や飲料、医薬品などの包装材料に用いられる積層体に好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも隣接してなる基材層/(A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層を含む積層体であって、基材層がポリエチレン系延伸フィルム(f)、(A)層及び(E)層がポリエチレン(a)、(B)層及び(D)層が接着性樹脂(b)、(C)層が(i)~(ii)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(c)から構成され、(iii)を満たす、押出ラミネートフィルム。
    (i)エチレン含量Cが50mol%以下
    (ii)ケン化度が80重量%以上
    (iii)押出ラミネートフィルムに含まれる、エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)の含有率が1重量%以上5重量%以下
  2. (C)層の厚みが2μm以上6μm以下である、請求項1に記載の押出ラミネートフィルム。
  3. ポリエチレン(a)が(iv)~(vi)を満たす、請求項1又は2のいずれか一項に記載の押出ラミネートフィルム。
    (iv)JIS K6922-1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(MFRPE)が1.0g/10分以上10.0g/10分以下
    (v)温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(MSPE)が3mN以上50mN以下
    (vi)MFRPE(g/10分)とMSPE(mN)の積MFRPE×MSPEが70以上250以下
  4. ポリエチレン(a)がエチレン・α-オレフィン共重合体及び/又は高圧法低密度ポリエチレンである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の押出ラミネートフィルム。
  5. エチレン・ビニルアルコール共重合体(c)が下式(1)を満たす、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の押出ラミネートフィルム。
    EVOH<-4.265×C+1325 (1)
  6. (A)層/(B)層/(C)層/(D)層/(E)層が共押出ラミネート成形により同時に形成する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の押出ラミネートフィルムの製造方法。
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