JP2023002447A - クロスフローファン - Google Patents
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Abstract
Description
まず、特許文献1に記載されたクロスフローファンは、概略、次のような構成になっている。まず、短尺の羽根車があり、この羽根車は円板部材とリング状部材を備えていて、これら円板部材とリング状部材の間であって外周部には複数枚の羽根が周方向等間隔に配置されている。上記クロスフローファンはこのような構成の羽根車を軸方向に複数連結した構成になっている。
又、特許文献2に記載されたクロスフローファンは、一つの支持板に複数枚の翼を樹脂の射出成形で一体成形したものが軸方向に複数連結されている。
又、特許文献3に記載されたクロスフローファンは、複数枚の支持板を設け、それら複数枚の支持板の外周部に複数個のスリットを周方向等間隔に設け、一方、軸方向に延長された複数枚の羽根を設け、それら複数枚の羽根を上記複数枚の支持板のスリット内に挿入して固定している。その際、スリット入口にかしめ用突起を突設しておき、羽根に設けられた貫通孔に上記かしめ用突起を挿し込んでかしめることにより固定している。
尚、特許文献3は本件特許出願人によるものである。
まず、特許文献1に記載されたクロスフローファンは、短尺の羽根車を複数個成形しそれらを軸方向に連結して構成されている。その際、軸芯が真っ直ぐになるように連結されているとは限らず、軸芯が真っ直ぐになっていない場合には、回転時に振動や騒音が発生してしまうという問題があった。
次に、特許文献2に記載されたクロスフローファンも一つの支持板に複数枚の翼を樹脂の射出成形で一体成形したものが複数連結されているので、特許文献1に記載された発明の場合と同様に、軸芯が真っ直ぐになるように連結されているとは限らず、真っ直ぐになっていない場合には、回転時に振動や騒音が発生してしまうという問題があった。
又、特許文献2に記載されたクロスフローファンでは、支持板と翼を樹脂の射出成形によって一体成形する関係で、翼に金型から抜くための抜き勾配が設けられている。その為、翼の厚みは均一ではなく、回転させた際に空気抵抗の差から上記翼に不均一な力が作用する。それによっても振動や騒音が発生してしまうという問題があった。
又、一つの支持板に翼を樹脂の射出成形によって一体成形したものを超音波溶着で連結しているため、超音波溶着時の圧力によって溶着部分が変形してしまうことがあり、これによっても振動や騒音が発生してしまうという問題もあった。
尚、特許文献3に記載された発明は、特許文献1、特許文献2に記載された発明の課題を解決するものとして提案されたが、支持板のスリットにおける羽根の取付状態が安定せず、振動や騒音の発生に対する懸念を払拭するには至らなかった。
又、羽根を複数枚の支持板のスリット内に挿し込んでかしめ用突起をかしめる作業が必要であり面倒であった。
又、請求項2によるクロスフローファンは、請求項1記載のクロスフローファンにおいて、上記スリット内には弾性変形アームが突設されていて、上記係合突起は上記弾性変形アームの先端に設けられていて、上記羽根の係合部は上記係合突起に係合される貫通孔であり、上記羽根が上記スリットに挿し込まれる際、上記弾性変形アームが弾性変形することにより上記係合突起が退避されることを特徴とするものである。
又、請求項3によるクロスフローファンは、請求項1記載のクロスフローファンにおいて、上記羽根の係合部は上記係合突起に係合される係合凸部であり、上記羽根が上記スリット内に挿入される際、上記羽根の係合凸部が弾性変形して退避されることを特徴とするものである。
又、請求項4によるクロスフローファンは、請求項1~請求項3の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、上記羽根のクロスフローファン中心側の端部には上記支持板と係合される係合凹部が形成されていることを特徴とするものである。
又、請求項5によるクロスフローファンは、請求項1~請求項4の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、上記スリットは放射方向に直線的に設けられていて、上記羽根はその横断面形状が略円弧形状をなしているとともに上記スリットに挿入される部分は直線的に設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項6によるクロスフローファンは、請求項1~請求項5の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、上記クロスフローファンの両端側には上記支持板から外側に突出された上記羽根の両端を覆うカバーが設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項7によるクロスフローファンは、請求項1~請求項6の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、上記羽根の表面には複数個のディンプルが形成されていることを特徴とするものである。
又、請求項8によるクロスフローファンは、請求項1~請求項7の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、上記羽根は樹脂製であることを特徴とするものである。
又、請求項9によるクロスフローファンは、請求項1~請求項8の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、上記支持板は樹脂製であることを特徴とするものである。
又、請求項2によるクロスフローファンによると、請求項1記載のクロスフローファンにおいて、上記スリット内には弾性変形アームが突設されていて、上記係合突起は上記弾性変形アームの先端に設けられていて、上記羽根の係合部は上記係合突起に係合される貫通孔であり、上記羽根が上記スリットに挿し込まれる際、上記弾性変形アームが弾性変形することにより上記係合突起が退避される構成になっているので、比較的簡単な構成により上記効果を確実に得ることができる。
又、請求項3によるクロスフローファンによると、請求項1記載のクロスフローファンにおいて、上記羽根の係合部は上記係合突起に係合される係合凸部であり、上記羽根が上記スリット内に挿入される際、上記羽根の係合凸部が弾性変形して退避される構成になっているので、さらに簡単な構成により上記効果を確実に得ることができる。
又、請求項4によるクロスフローファンによると、請求項1~請求項3の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、上記羽根のクロスフローファン中心側の端部には上記支持板と係合される係合凹部が形成されているので、上記羽根を上記支持板に確実に固定でき、上記羽根の軸方向のズレを防止し、強度を向上できる。
又、請求項5によるクロスフローファンによると、請求項1~請求項4の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、上記スリットは放射方向に直線的に設けられていて、上記羽根はその横断面形状が略円弧形状をなしているとともに上記スリットに挿入される部分は直線的に設けられているので、スリットを設ける作業、羽根のスリットへの取付作業の容易化を図ることができる。
又、請求項6によるクロスフローファンによると、請求項1~請求項5の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、上記クロスフローファンの両端側には上記支持板から外側に突出された上記羽根の両端を覆うカバーが設置されているので、羽根の軸方向長さにバラツキがあってもそれを吸収することができる。
又、請求項7によるクロスフローファンによると、請求項1~請求項6の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、上記羽根の表面には複数個のディンプルが形成されているので、渦の発生を抑制して振動や騒音を低減できるなど、性能の向上を図ることができる。
又、請求項8によるクロスフローファンによると、請求項1~請求項7の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、上記羽根は樹脂製であるので、軽量化、製造の容易化を図ることができる。又、請求項9によるクロスフローファンによると、請求項1~請求項8の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、上記支持板は樹脂製であるので、軽量化、製造の容易化を図ることができる。
尚、図3(a)では外径(R1)に対する厚み(t1)の比率を実際よりも大きくしている。
又、上記支持板3には、図3(b)に示すように、中央に図示しないシャフトが通る貫通孔5が形成されている。上記貫通孔5の図3(b)中上側には第1キー溝6aが形成されていて、上記貫通孔5の図3(b)中下側には第2キー溝6bが形成されていて、上記貫通孔5の図3(b)中右側には第3キー溝6cが形成されていて、上記貫通孔5の図3(b)中左側には、第4キー溝6dが形成されている。
尚、クロスフローファンとして機能する場合には図示しないシャフトに設けられたキーが上記第1キー溝6aに係合されることで事足りるが、製造上の理由から第2キー溝6b、第3キー溝6c、第4キー溝6dを設けている。
尚、図ではその一部のみ示している。
クロスフローファン1は複数枚の軸方向に延長された羽根21が複数の支持板3のスリット7に挿入されて固定される構成になっているので、基本的に全長にわたって軸芯は真っ直ぐであり、短尺の羽根車を軸方向に連結したものに比べて振動や騒音の発生は抑制される。
又、上記羽根21を上記スリット7内に挿入することにより、上記羽根21の貫通孔25に係合突起13が自動的に係合され、かしめ用突起をかしめるといった作業は不要であるので、上記羽根21の各支持板3に対する位置決めと固定作業も容易である。
又、上記スリット7の最奥端から係合突起13の先端までの距離(L2)に対して、上記羽根21の溝23の最奥端から貫通孔25の端までの距離(L3)は僅かに大きく設定されているので、上記係合突起13の上記貫通孔25に対する係合を隙間のないものとすることができ、それによって、羽根21のスリット7に対する取付をより強固なものとすることができる。
又、上記羽根21の溝23には拡開部23aが設けられているため、上記羽根21の上記スリット7内への挿入も容易である。
又、上記羽根21と支持板3は共に樹脂製であるので、軽量化、製造の容易化を図ることができる。
図18及び図20に示すように、上記羽根205には、長さ方向に複数の支持板係合部221が設けられている。上記支持板係合部221には、既に説明した直線状のスリット207に対応するべく、表側(図18(b)中上側)には直線状に延長された係合凹部223が形成され、裏側(図18(b)中下側)にも直線状に延長された係合凸部224が形成されている。すなわち、上記係合凹部223の底面225及び上記係合凸部224の図18(b)中下側の面は平面状であって羽根205の幅方向に直線状に延長されている。上記羽根205の表面や裏面の上記支持板係合部221以外の部分は前記第1の実施の形態の場合と同様に曲面形状となっている。上記係合凹部223の底面225には貫通孔25が形成されている。図18(b)に示すように、上記係合凹部223の側面227、227は、外側(図18(b)中上側)に向かうほど互いに離間するように傾斜されている。また、上記係合凹部223の図20(c)中上側には溝23が形成されている。
なお、前記した第1の実施の形態と共通する構成要素は同じ符号を付し、説明を省略する。
と効果を奏する。
例えば、羽根や支持板のスリット及び支持板の数や設置する間隔、羽根の横断面形状等については、様々な場合が考えられる。
又、前記第1の実施の形態において、羽根の係合部の構成としては、貫通孔の代わりに凹部にしてもよい。
又、羽根や支持板の材質も樹脂に限定されるものではなく、ステンレス、アルミニウム、等様々な材料が考えられる。
その他、本願発明は図示した構成に限定されるものではなく、様々な変形が考えられる。
3 支持板
7 スリット
11 弾性変形アーム
13 係合突起
21 羽根
23 溝(係合凹部)
25 貫通孔(係合部)
27 ディンプル
101 羽根
103 支持板
121 スリット
201 クロスフローファン
203 支持板
205 羽根
207 スリット
211 弾性変形アーム
213 係合突起
Claims (9)
- 間隔を存した状態で同軸上に配置され外周部に複数個のスリットを備えた複数枚の支持板と、
上記複数枚の支持板のスリットに挿入され軸方向に延長された複数枚の羽根と、
を具備し、
上記スリットの内部であって上記羽根の表側又は裏側が配置される側には係合突起が設けられていて、
上記羽根には上記係合突起に係合する係合部が設けられていて、
上記羽根を上記スリット内に挿入していくと上記係合突起又は上記係合部が弾性変形することにより退避され、
上記羽根を上記スリット内にさらに挿入していくと上記係合突起又は上記係合部の弾性変形による退避が解放され、
上記係合突起に上記係合部が係合することにより上記羽根が上記複数枚の支持板に取り付けられることを特徴とするクロスフローファン。 - 請求項1記載のクロスフローファンにおいて、
上記スリット内には弾性変形アームが突設されていて、
上記係合突起は上記弾性変形アームの先端に設けられていて、
上記羽根の係合部は上記係合突起に係合される貫通孔であり、
上記羽根が上記スリットに挿し込まれる際、上記弾性変形アームが弾性変形することにより上記係合突起が退避されることを特徴とするクロスフローファン。 - 請求項1記載のクロスフローファンにおいて、
上記羽根の係合部は上記係合突起に係合される係合凸部であり、
上記羽根が上記スリット内に挿入される際、上記羽根の係合凸部が弾性変形して退避されることを特徴とするクロスフローファン。 - 請求項1~請求項3の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、
上記羽根のクロスフローファン中心側の端部には上記支持板と係合される係合凹部が形成されていることを特徴とするクロスフローファン。 - 請求項1~請求項4の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、
上記スリットは放射方向に直線的に設けられていて、
上記羽根はその横断面形状が略円弧形状をなしているとともに上記スリットに挿入される部分は直線的に設けられていることを特徴とするクロスフローファン。 - 請求項1~請求項5の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、
上記クロスフローファンの両端側には上記支持板から外側に突出された上記羽根の両端を覆うカバーが設置されていることを特徴とするクロスフローファン。 - 請求項1~請求項6の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、
上記羽根の表面には複数個のディンプルが形成されていることを特徴とするクロスフローファン。 - 請求項1~請求項7の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、
上記羽根は樹脂製であることを特徴とするクロスフローファン。 - 請求項1~請求項8の何れかに記載のクロスフローファンにおいて、
上記支持板は樹脂製であることを特徴とするクロスフローファン。
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