JP2022531959A - 高強度の銅-ベリリウム合金 - Google Patents

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Abstract

銅-ベリリウム合金製品を製造するための方法。方法は、0.15wt%~4.0wt%のベリリウムを有し、粒及び初期断面積を有するベース合金を調製する工程を含む。方法は、ベース合金を、初期断面積に対して40%超の面積冷間縮小(CRA)パーセンテージまで冷間加工する工程と、冷間加工した合金を熱処理して銅-ベリリウム合金製品を製造する工程と、を更に含む。銅-ベリリウム合金製品の粒状構造は、冷間加工の方向に沿って見たときに45°未満の配向角を有する。銅-ベリリウム合金製品は、106試験サイクル後に少なくとも385MPaの疲労強度を実証する。【選択図】なし

Description

[0001]本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年5月10日出願の米国仮特許出願第62/846,261号の優先権を主張するものとする。
[0002]本開示は、銅-ベリリウム合金の強度特性を強化するための方法、及び超高強度を有する銅-ベリリウム合金に関する。
[0003]銅-ベリリウム合金は、その強度、弾性、及び疲労抵抗により、様々な産業及び商業用途において使用される。例えば、従来の銅-ベリリウム合金から作製される製品は、様々な機械的及び電気的設計がモバイル電子デバイスの高解像度自動焦点式光学ズーミングカメラ機能を実現するために使用される、ボイスコイルモータ(VCM)及び/又は光学手ぶれ補正(OIS)技術において使用される。これらの技術のために使用されるとき、合金製品は、典型的には、モバイル電子デバイスの携帯性及び機能性を高めるために限定空間内に収まることができるように極度に小型且つ極薄の細片に切断される。小型の細片は、使用される合金製品中で非常に高い強度を必要とする。電子デバイスが更にコンパクトになるに従い、合金製品に必要とされる強度は高くなり続ける。しかしながら、従来の方法を用いて製造される従来の銅-ベリリウム合金製品は、これらの増し続ける強度要件を満たすことができないことが明らかになっている。
[0004]同様に、銅-ニッケル-スズ合金も、これらの用途に使用されうる。しかしながら、これらの銅-ニッケル-スズ合金は、一部のモバイル電子技術応用が要求する高強度要件を満たすことが困難である。
[0005]更に、従来の方法を用いて製造される銅-ベリリウム合金製品及び/又は銅-ニッケル-スズ合金は、多くの場合、加工の方向に応じて、強度特性に著しい変動を示し、様々な方向における強度特性は互いに競合することが多い。例えば、ある特定の方法は、冷間加工の方向に沿って、強度特性、例えば、極限引張強度を改善することができるが、方法は、典型的には、合金製品を、他の方向、例えば、冷間加工の方向に対して横方向において低減された又は劣化された強度特性を示す要因となる。そのような強度特性における異方性は、合金を後続して加工し且つ/又は最終製品へ組み込むことができる方法に対して制限を課す。
[0006]従来の方法を用いて製造される従来の銅-ベリリウム合金の一例として、米国特許第5,354,388号は、1.00~2.00重量%のBe、0.18~0.35重量%のCo、及び残りはCuで本質的に構成されるベリリウム-銅合金を鋳造する工程と、鋳造ベリリウム-銅合金を圧延する工程と、合金を500~800℃で2~10時間焼鈍し、次いで焼鈍合金を40%以上の還元率で冷間圧延する工程と、冷間圧延した合金を再度、500~800℃で2~10時間焼鈍し、その後、合金を所望の厚さまで冷間圧延する工程と、焼鈍合金を最終固溶体処理に供する工程と、を含む、ベリリウム-銅合金を製造する方法を考察している。この方法で得られたベリリウム-銅合金も開示するが、ここで、平均粒度は20pm以下であり、粒度の変動係数の自然対数は0.25以下である。
[0007]別の例として、特許出願第JP22850084A号は、Be-Cu合金を固溶化熱処理、一次時効硬化、冷間圧延及び二次時効硬化に供することによる最終時効硬化のために長時間を必要としない、優れた機械的強度及び電気伝導率を有する高強度Be-Cu合金の製造に関する。0.2~0.7重量%のBe、1.4~2.2重量%のNi、2.4~2.7重量%のCo及び残りのCuからなるBe-Cu合金を、930℃で3分間加熱することにより固溶化熱処理に供する。必要に応じて合金を予め冷間圧延し、350~450℃で一次時効硬化に供し、N20%圧延率で冷間圧延し、350~500℃で二次時効硬化に供する。二次時効硬化を短時間で終了させ、優れた機械的強度及び電気伝導率を有するBe-Cu合金が得られる。
[0008]加えて、特許出願第JP63125647A号は、Co、Ni等を含有するCu-Be合金を、特定の条件下で熱処理に供することによる、優れた電気伝導率、強度及び加工性を有するCu-Be合金の開発を考察している。0.05~2.0wt%のBe並びに0.1~10.0%のCo及びNiのうちの少なくとも1つを含有するCu合金の鋳塊を、800~1000℃での固溶化熱処理に供して、粗く且つ鋳型に溶体化されていない沈降粒子を溶体化する。次いで、析出核が容易に発生するように合金を冷間圧延し、その後、合金を750~950℃の溶体化温度より低い温度で、より好ましくはその温度間の差が20~200℃である温度で焼鈍に供し、次いで通常の時効硬化処理に供する。溶質の部分が粒度が0.3pm以下の微細状態で分散され、高い電気伝導率並びに優れた強度及び加工性を有するCu-Be合金が得られる。
[0009]更に、米国特許第5,131,958号は、加工温度、加工速度、及び加工歪みの量という特定の条件下、1.60~2.00重量%のBe、0.2~0.35重量%のCo及び残りは本質的にCuを含むベリリウム-銅合金を熱間成形して、均一な安定性粒度を有する等軸粒構造の熱間成形製品を製造する方法を考察している。
[0010]更に、米国特許第4,425,168A号は、銅-ベリリウム合金を製造するための方法を考察している。方法は、銅-ベリリウム溶融体を調製する工程と、溶融体を鋳造する工程と、鋳造銅-ベリリウムを熱間加工する工程と、銅-ベリリウムを焼鈍する工程と、焼鈍銅-ベリリウムを冷間加工する工程と、銅-ベリリウムを硬化する工程と、を含み、冷間加工した銅-ベリリウムを691℃(1275°F)~746℃(1375°F)の温度で溶体化焼鈍する工程と、焼鈍銅-ベリリウムを204℃(400°F)~304℃(580°F)の温度で硬化する工程と、硬化銅-ベリリウムを冷間圧延する工程と、冷間加工した銅-ベリリウムを204℃(400°F)~371℃(700°F)の温度で応力除去焼鈍する工程と、を含む改善によって特徴付けられる。合金は、0.4~2.5重量%のベリリウム、最大3.5重量%のコバルト及びニッケルからなる群からの材料、最大0.5重量%のチタン及びジルコニウムからなる群からの材料、最大0.3重量%の鉄、最大0.7重量%のケイ素、最大0.3重量%のアルミニウム、最大1.0重量%のスズ、最大3.0重量%の亜鉛、最大1.0重量%の鉛、残りは本質的に銅から本質的になる。合金は、等軸粒によって特徴付けられる。粒は、9ミクロン未満の平均粒度を有する。実質的に全ての粒は、サイズが12ミクロン未満である。
[0011]参考文献を考慮しても、改善された強度特性、例えば、疲労強度、引張強度、及び/又は降伏強度(複数の方向の)を有する銅-ベリリウム合金製品、並びにこれらの合金製品を製造するための改善された方法の必要性が存在する。
[0012]一実施形態において、本開示は、銅-ベリリウム合金製品を製造するための方法であって、0.5wt%~4.0wt%のベリリウムを有し、粒(粒子)(grain)及び初期断面積を有するベース合金を調製する工程と、ベース合金を、初期断面積に対して40%超、例えば70%~80%の面積冷間縮小(CRA:cold reduction of area)のパーセンテージまで冷間加工する工程と、冷間加工した合金を熱処理して銅-ベリリウム合金製品を製造する工程と、を含む、方法に関する。銅-ベリリウム合金製品の粒状構造は、冷間加工の方向に沿って見たとき、冷間加工面に対して45°未満、例えば15°未満の配向角を有する。銅-ベリリウム合金製品は、10サイクルの試験後に少なくとも385MPaの疲労強度、及び/又は冷間加工の方向に沿って少なくとも200ksiの極限引張強度、及び/又は冷間加工の方向に沿って少なくとも200ksiのオフセット降伏強度を実証する。冷間加工の方向に対して横方向で測定した場合の銅-ベリリウム合金製品の極限引張強度は、冷間加工の方向で測定した場合の極限引張強度より5%~10%大きい。熱処理は、316℃~371℃(600°F~700°F)の温度で1分から5分の間、実施してもよい。ベース合金の調製は、予め合金シートを0.0254cm(0.01インチ)未満の厚さまで冷間加工すること、予め冷間加工した合金を熱処理してベース合金を製造すること、及び/又は、例えば732℃~788℃(1350°F~1450°F)の温度で0.5分から5分の間、溶体化焼鈍すること、例えば232℃~343℃(450°F~650°F)の温度で2時間から4時間の間、時効させることを含んでもよい。冷間加工の方向に対して横方向で測定した場合の銅-ベリリウム合金製品の0.2%オフセット降伏強度は、冷間加工の方向で測定した場合の0.2%オフセット降伏強度より5%~10%大きいことがあり、且つ/又は冷間加工した合金の極限引張強度は、ベース合金の極限引張強度より10%~30%大きいことがあり、且つ/又は銅-ベリリウム合金製品の極限引張強度は、ベース合金の極限引張強度より15%~50%大きいことがあり、且つ/又は冷間加工した合金製品の0.2%オフセット降伏強度は、ベース合金の0.2%オフセット降伏強度より20%~40%大きいことがあり、且つ/又は銅-ベリリウム合金製品の0.2%オフセット降伏強度は、ベース合金の0.2%オフセット降伏強度より25%~70%大きいことがある。銅-ベリリウム合金製品の粒は、冷間加工の方向に伸長され得、且つ/又は1:1超の長さの厚さに対するアスペクト比を有しうる。銅-ベリリウム合金製品の疲労開始部位の量は、ベース合金の疲労開始部位の量より1%~35%の量だけ少ない。
[0013]一実施形態において、本開示は、銅-ベリリウム合金製品に関する。銅-ベリリウム合金製品の粒は、1:1~9:1の範囲の長さの厚さに対するアスペクト比を有し得、且つ/又は粒状構造の配向角は15°未満である。銅-ベリリウム合金製品は、粒伸長の方向に対して横に少なくとも200ksiの極限引張強度を有しうる。銅-ベリリウム合金製品は、粒伸長の方向に沿って少なくとも200ksiの0.2%オフセット降伏強度及び/又は粒伸長の方向に対して横に少なくとも200ksiの0.2%オフセット降伏強度を有しうる。粒伸長の方向に対して横方向の0.2%オフセット降伏強度は、粒伸長の方向における0.2%オフセット降伏強度より5%~10%大きいことがある。銅-ベリリウム合金製品は、0.2wt%未満のチタン、0.2wt%未満のスズ、及び/又は1.8~2.0%のベリリウムを含んでもよい。
[0014]開示される技術の性質及び利点の更なる理解が、本明細書の残りの部分及び図面を参照することによって実現されるであろう。
[0015]銅-ベリリウム合金製品を加工又は処理するための例示的方法の選択操作を示すフローチャートである。 [0016]例示的な加工済み銅-ベリリウム合金製品の微細構造を示す図である。 例示的な加工済み銅-ベリリウム合金製品の微細構造を示す図である。 例示的な加工済み銅-ベリリウム合金製品の微細構造を示す図である。 例示的な加工済み銅-ベリリウム合金製品の微細構造を示す図である。 [0017]例示的な銅-ベリリウム合金製品の疲労試験結果を示すグラフである。 例示的な銅-ベリリウム合金製品の疲労試験結果を示すグラフである。 例示的な銅-ベリリウム合金製品の疲労試験結果を示すグラフである。 例示的な銅-ベリリウム合金製品の疲労試験結果を示すグラフである。 [0018]例示的な銅-ベリリウム合金製品の追加の疲労試験結果を示すグラフである。 例示的な銅-ベリリウム合金製品の追加の疲労試験結果を示すグラフである。 例示的な銅-ベリリウム合金製品の追加の疲労試験結果を示すグラフである。 例示的な銅-ベリリウム合金製品の追加の疲労試験結果を示すグラフである。 [0019]追加の銅-ベリリウム合金製品の微細構造を示す。 追加の銅-ベリリウム合金製品の微細構造を示す図である。 追加の銅-ベリリウム合金製品の微細構造を示す図である。 追加の銅-ベリリウム合金製品の微細構造を示す図である。 追加の銅-ベリリウム合金製品の微細構造を示す図である。 追加の銅-ベリリウム合金製品の微細構造を示す図である。 追加の銅-ベリリウム合金製品の微細構造を示す図である。 [0020]例示的な加工済み銅-ニッケル-スズ合金製品の微細構造を示す図である。 例示的な加工済み銅-ニッケル-スズ合金製品の微細構造を示す図である。
[0021]上で考察するように、従来の銅-ベリリウム合金製品及び/又は銅-ニッケル-スズ合金製品は、絶え間なく進化するモバイルデバイス技術が要求する向上した強度要件を満たさない。幾つかの実施形態によれば、ベース銅-ベリリウム合金等のベリリウム含有ベース合金を、(最終)冷間加工の操作において特定のパーセンテージの面積冷間縮小(CRA)まで冷間加工することによって、改善されたベリリウム含有合金製品、例えば銅-ベリリウム合金製品を得ることができる。ベリリウム含有合金製品は、伸長された且つ/又は不均一な粒状微細構造を有し得、優れた強度特性、例えば、超高疲労強度、引張強度、及び/又は降伏強度を実証することができる。これらの強度特性は、従来のベリリウム含有合金製品(例えば、銅-ベリリウム合金製品)及び/又は他のベリリウムを含有しない合金製品(例えば、銅-ニッケル-スズ合金製品)では実現されなかった。
[0022]幾つかの従来の方法は、種々の冷間加工工程と(例えば、過時効による)最終焼鈍工程とを用い、構造の均一性を有するという所望の結果をもたらす。したがって、結果として得られる生成物は、均一(且つ等軸であることが多い)、非伸長粒状構造を有し、粒は、一般的に、より低いアスペクト比(厚さに対する長さ)を有し、例えば、およそ1:1に等しい。これらの合金の粒状構造の配向は不明である。しかしながら、この均一な粒状構造は、(細片の表面上の)粒界のより高い存在率をもたらすことが発見された。また、これらの粒界は、特に細片の端に接すると、多量の疲労亀裂発生部位をもたらす。これらの発生部位は、ひいては、強度特性の低下につながる。対照的に、開示する合金製品において、粒状構造は(より高いアスペクト比を有する)伸長である。また、伸長した粒は、著しく少ない粒界面をもたらし、したがって潜在的な亀裂発生部位の数が減少する。更に、主要剪断応力の面(表面に対して45°)に沿って配向される粒界は、疲労亀裂発生に容易な滑り面を提供する。そのような構成は、等軸粒(従来の合金中のもの等)において優勢であるが、伸長した粒(開示する合金製品中のもの等)中には事実上存在しない。
[0023]重要なことには、本明細書で開示される銅-ベリリウム合金製品は、全方向において改善された強度特性を更に実証する。意外なことに、本明細書に記載の銅-ベリリウム合金製品は、冷間加工の方向に沿って改善された強度特性を実証するだけでなく、他の方向、例えば、冷間加工の方向に対して横方向においても改善された又は更に良好な強度特性も実証する。これは、有益なことに、合金板等の合金製品の後続する加工及び他の製品又はデバイス中への適合のための可撓性をもたらす。典型的には、冷間加工の方向における性能の改善は、他の方向における性能と競合する。
[0024]加えて、開示される方法は、より少ない工程、例えば、より少ない冷間加工及び/又は熱処理工程を用い、それによって、有益なことには、より多くの方法工程を要する従来の方法を上回る効率の利益がもたらされる。
組成物
[0025]本明細書に記載の銅-ベリリウム合金製品は、一般的に、銅及びベリリウムを含む。場合によっては、ベリリウムは、銅より(著しく)少ない量で存在する。一部の実施形態では、合金製品は、0.15wt%~4.0wt%、例えば、0.15wt%~3wt%、0.15wt%~2.0wt%、0.5wt%~4.0wt%、0.8wt%~3.0wt%、1.0wt%~3.0wt%、1.2wt%~2.6wt%、1.5wt%~2.5wt%、1.8wt%~2.0wt%、又は1.85wt%~1.95wt%のベリリウムを含む。下限に関しては、合金製品は、0.15wt%超、例えば、0.5wt%超、0.8wt%超、1.0wt%超、1.2wt%超、1.5wt%超、1.6wt%超、1.7wt%超、1.8wt%超、1.85wt%超、1.9wt%超、又は1.95wt%超のベリリウムを含んでもよい。上限に関しては、合金製品は、4.0wt%未満、例えば、3.0wt%未満、2.6wt%未満、2.5wt%未満、又は2.0wt%未満のベリリウムを含んでもよい。
[0026]一部の実施形態では、合金製品は、96wt%~99.5wt%、例えば、97wt%~99.5wt%、98wt%~99.5wt%、99wt%~99.5wt%、96wt%~99wt%、97wt%~99wt%、98wt%~99wt%、96wt%~98wt%、97wt%~98wt%、又は96wt%~97wt%の銅を含む。下限に関しては、合金製品は、96wt%超、例えば、97wt%超、98wt%超、又は99wt%超の銅を含んでもよい。上限に関しては、合金製品は、99.5wt%未満、例えば、99wt%未満、98wt%未満、又は97wt%未満の銅を含んでもよい。
[0027]一部の実施形態では、合金製品は、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、又はこれらの組合せ等の追加の合金化元素を含む。例えば、本明細書に記載の銅-ベリリウム合金製品は、0wt%~3wt%、例えば、0wt%~2.7wt%、0wt%~2.5wt%、0.1wt%~2.5wt%、0.1wt%~2wt%、0.2wt%~1.5wt%、0.2wt%~1wt%、0.3wt%~0.8wt%、又は0.3wt%~0.6wt%の追加の合金化元素を含んでもよい。下限に関しては、銅-ベリリウム合金製品は、0.01wt%超、例えば、0.05wt%超、0.1wt%超、0.2wt%超、0.3wt%超、0.4wt%超、0.5wt%超、0.6wt%超、0.8wt%超、1wt%超、1.5wt%超、2wt%超、又は2.5wt%超の追加の合金化元素を含んでもよい。上限に関しては、銅-ベリリウム合金製品は、3wt%未満、例えば、2.7wt%未満、2.5wt%未満、2wt%未満、1.5wt%未満、1wt%未満、0.8wt%未満、0.6wt%未満、0.5wt%未満、0.4wt%未満、0.3wt%未満、0.2wt%未満、0.1wt%未満、又は0.05wt%未満の追加の合金化元素を含んでもよい。前述の範囲及び上下限は、個々の「追加の合金化元素」又は「追加の合金化元素」の組合せに適用されうる。
[0028]一部の実施形態では、本明細書に記載の合金製品は、1.8wt%~2.0wt%のベリリウム、0.2wt%以下の合わせたコバルト及びニッケル、0.6wt%以下の合わせた鉄、ニッケル及びコバルト、0.2wt%以下のケイ素、0.2wt%以下のアルミニウム、並びに0.5wt%以下の他の不純物を含んでもよく、残りは銅である。一部の例では、合金製品又はベース合金は、意図的に添加されたコバルトを少量含むか、又は含有しない。
[0029]場合によっては、本明細書に記載の銅-ベリリウム合金製品は、存在する場合、微量の他の元素、例えばチタン、スズ、鉛、若しくは亜鉛、又はこれらの組合せを含んでもよい。例えば、本明細書に記載の銅-ベリリウム合金製品は、0.5wt%未満、例えば0.4wt%未満、0.3wt%未満、0.2wt%未満、0.1wt%未満、0.05wt%未満、0.03wt%未満、0.01wt%未満、又は0.005wt%未満の他の元素、例えばチタン、スズ、鉛、亜鉛等を含んでもよい。範囲に関しては、銅-ベリリウム合金は、0.005wt%~0.5wt%、例えば0.01wt%~0.5wt%、0.05wt%~0.5wt%、0.1wt%~0.5wt%、0.2wt%~0.5wt%、又は0.2wt%~0.4wt%の他の元素を含んでもよい。前述の範囲及び上下限は、個々の「他の元素」又は「他の元素」の組合せに適用されうる。
[0030]そのようなものとして、合金製品は、有利には、加工効率、例えば、合金の形成しやすさをもたらす所望の性能特性を達成するために少数の、例えば2つのみ、3つのみ、4つのみ、5つのみ、6つのみ、7つのみ、又は8つのみの成分を必要とする。より多数の成分を有する従来の合金は、合金の形成に不要な複雑さを加え、重要なことには、金属間化合物の可能性を増やし、ひいては、還元的性質を形成する。これらの混合物は、再利用の能力に関する問題も生じさせる。金属の数を限定することにより、開示される合金製品は、有利には、これらの問題を回避する。
[0031]合金製品の性質及び特性を以下で考察する。
方法
[0032]銅-ベリリウム合金製品を製造するための方法を開示する。この方法は、粒を有し初期断面積を有するベース合金を調製する工程を含む。ベース合金は、上で考察した元素組成を有しうるが、場合によっては、ベース合金の他の材料特性は、方法で得られる銅-ベリリウム合金製品の材料特性と異なる。方法は、ベース合金を冷間加工して、かなりの割合の面積冷間縮小(CRA)、例えば初期断面積に対して40%超を達成し、したがって冷間加工合金を製造する工程を更に含んでもよい。CRAの追加の考察を本明細書中に記載する。(冷間加工合金及び結果として得られる銅-ベリリウム合金製品の)粒の粒状構造は、冷間加工の方向に沿って見たとき、45°未満の配向角を有しうる。方法は、冷間加工合金を熱処理して、銅-ベリリウム合金製品を製造する工程を更に含む。結果として、銅-ベリリウム合金製品は、10サイクルの試験後、改善された性能特性、例えば、少なくとも385MPa、例えば少なくとも400MPa、少なくとも450MPaの疲労強度を実証する。追加の性能特性を本明細書中に記載する。
[0033]図1は、銅-ベリリウム合金を加工するための例示的方法100の選択操作を示すフローチャートである。方法100は、操作110でベース合金を調製することによって開始されうる。次いで、操作120で、(40%超のCRAパーセンテージを達成するように)ベース合金を冷間加工することができる。操作130で、(銅-ベリリウム合金製品を製造するために)冷間加工合金を熱処理することができる。
[0034]一部の実施形態では、ベース合金の調製は、例えば、本明細書に記載の組成物を有する、銅-ベリリウム合金のビレットを鋳造することを含んでもよい。調製は、ビレットを所望の厚さまで又は単純にベース合金の厚さまで薄くするために1つ又は複数の圧延操作を更に含みうる。ベース合金の調製は、また、1つ又は複数の圧延操作の間に及び/又は後に実施される焼鈍操作、時効操作等の1つ又は複数の熱処理操作も含みうる。ベース合金の調製の詳細は、以下でより詳しく考察される。
[0035]場合によっては、冷間加工は、塑性変形により金属の形状又はサイズを機械的に変化させる方法と考えることができる。これは、金属又は合金の圧延、引抜き、圧縮、スピニング、押出し又は頭部すえ込みにより行うことができる。理論に束縛されるものではないが、金属が塑性変形されるとき、原子の転位が材料中で生じる。特に、転位は、金属の粒全体又はその内部で生じる。塑性変形は互いに重なり、材料中の転位密度が増加する。重複転位の増加は、更なる転位の動きをより困難にする。これは、結果として得られる合金の硬度及び引張強度を増加させる。また、冷間加工は、合金の表面仕上げも改善する。機械的冷間加工は、一般的に、合金の再結晶化温度より低い温度で実施され、通常、室温で行う。
[0036]変形度又は冷間加工のパーセンテージは、冷間加工の前後に合金の断面積における変化を測定することによって決定することができる。したがって、冷間加工のパーセンテージは、上述の面積冷間縮小(CRA)のパーセンテージとも呼ばれる。CRAのパーセンテージは、以下の式:
%CRA=100×(A-A)/A
(式中、Aは、冷間加工前の初期又は本来の断面積であり、Aは、冷間加工後の最終断面積である)に従って決定することができる。断面積における変化は、通常、もっぱら合金の厚さにおける変化に起因し、したがってCRAも同様に、初期及び最終厚さを用いて算出することができることに留意されたい。更には、冷間加工操作により実施されるCRAを決定するために使用される初期又は本来の断面積は、本冷間加工の直前に測定される断面積又は厚さである。同様に、冷間加工操作により実施さえるCRAを決定するために使用される最終断面積又は厚さは、本冷間加工操作の完了時に測定される断面積又は厚さである。言い換えると、CRAは、各冷間工程操作に特有であり、別段に指定されない限り、複数の冷間加工操作の合わせた測定を指さない。
[0037]上で述べたように、ベース合金を、かなりの割合のCRAに達するように冷間加工して、従来の銅-ベリリウム合金では実現できない優れた強度特性を実現することができる。
[0038]例えば、少なくとも40%のCRAパーセンテージまでベース合金を冷間加工することによって、従来の方法を用いて製造される銅-ベリリウム合金製品より優れた強度特性を得ることができる。最終合金製品に所望される強度特性に応じて、冷間加工により実現されるCRAパーセンテージは、40%超、例えば45%超、50%超、55%超、60%、65%超、70%超、75%超、80%超、又は85%超でありうる。範囲に関しては、冷間加工により実現されるCRAパーセンテージは、40%~85%、例えば40%~80%、40%~75%、40%~70%、40%~65%、40%~60%、40%~50%、50%~85%、50%~80%、50%~75%、50%~70%、50%~65%、50%~60%、60%~85%、60%~80%、60%~75%、60%~70%、60%~65%、65%~85%、65%~80%、65%~75%、65%~70%、70%~85%、70%~80%、70%~75%、75%~85%、又は75%~80%を範囲とすることができる。上限に関しては、冷間加工により実現されるCRAのパーセンテージは、85%未満、例えば80%未満、75%未満、70%未満、又は65%未満でありうる。下で考察するように、実施されるCRAのパーセンテージに応じて、最終銅-ベリリウム合金製品の特性は異なりうる。
[0039]更に、ベース合金を冷間加工して本明細書に記載のCRAのパーセンテージを選択することにより、異なる最終厚さを有しうる合金製品に対して優れた強度特性を達成することができる。言い換えると、ベース合金を冷間加工して本明細書に記載のCRAのパーセンテージを選択することにより、最終合金製品の所望の厚さは様々であっても、優れた強度特性を一貫して得ることができる。したがって、一部の実施形態では、冷間加工操作は、最終合金製品の厚さが様々でありうるが、所定のCRAパーセンテージを達成するために実施される点で、CRA主導の操作として考えることができる。本明細書の目的のためには、所定のCRAパーセンテージを達成するためのこの冷間加工操作は、CRA主導の操作とも呼ぶことができる。更に、場合によっては追加の熱処理が後続して行われうるが、この冷間加工操作は、銅-ベリリウム合金製品を製造するために実行される最終冷間加工操作である。したがって、この冷間加工操作は、最終冷間加工操作とも呼ぶことができる。冷間加工工程は、所望のCRAが達成される限り、幅広く変動しうる。圧延又は引抜き操作を用いてもよい。場合によっては、例えば、細片を形成するために、冷間圧延を利用してもよい。
[0040]一部の実施形態では、方法は、多くの冷間加工工程を要する従来の方法とは反対に、より少ない冷間加工工程を用いる。追加の冷間加工工程は、不利益に、方法全体に複雑さ及び資源を加える。例えば、方法は、4つ未満、例えば3つ未満、又は2つ未満の冷間加工工程を用いてもよい。場合によっては、方法は単一の冷間加工工程を要する。
[0041]冷間加工が完了したら、冷間加工した合金を熱処理して、冷間加工した合金の強度特性の少なくとも幾つかを更に改善することができる。金属又は合金の熱処理は、金属又は合金を加熱及び冷却して、製品の形状を変えずに、それらの物理的及び機械的性質を変化させるための制御された方法と呼ばれる。熱処理は、材料の強度の増強と関連するが、特定の製造性の目的を変更するため、例えば機械加工を改善するため、成形性を改善するため、又は冷間加工操作後に延性を回復するために用いることもできる。場合によっては、熱処理は、複数の熱処理操作を含みうる。一部の実施形態では、熱処理は、単一の熱処理操作を含む。場合によっては、熱処理は、ストランド式時効処理を含む。
[0042]熱処理は、例えば、時効又は析出硬化により冷感加工合金の強度特性の少なくとも一部を更に改善するために実行することに留意すべきである。したがって、熱処理は、比較的低い温度で、比較的短期間(下で考察)実施してよく、粒状構造は、実質的に熱処理によっては変化しない。すなわち、粒状構造は、CRA主導の冷間加工の完了時に得られる粒状構造と同様に、伸長、平坦、又は圧縮されたままでありうる。これは、冷間加工の直後に従来の方法で行われる典型的な熱処理である焼鈍による熱処理とは対照をなす。こうした焼鈍は、典型的には538℃(1000°F)超で長期間、例えば数時間行われ、冷間加工によって生じた全ての不均一性を取り除き、それによって合金製品の強度を犠牲にして成形性が増加された均一な等軸の粒状構造を得るように実施される。
[0043]冷間加工合金の強度特性の少なくとも幾つかを更に改善するために、熱処理は、冷間加工合金を炉内又は他の同様のアセンブリ内に置き、ベース合金を316℃~371℃(600°F~700°F)の範囲の昇温に1分~5分の期間曝露することにより行われる時効操作を含んでもよい。一部の実施形態では、時効操作は、例えば、細片形態のベース合金をコンベヤー炉装置、例えば、ストランド式時効炉で実施し、合金板を適当な速度でコンベヤー炉に通して運転することによって実施することができる。
[0044]一部の実施形態では、時効温度、例えば、時効操作中に冷間加工合金が曝露されうる昇温は、260℃~427℃(500°F~800°F)、例えば316℃~371℃(600°F~700°F)、316℃~360℃(600°F~680°F)、316℃~349℃(600°F~660°F)、316℃~338℃(600°F~640°F)、316℃~327℃(600°F~620°F)、327℃~371℃(620°F~700°F)、327℃~360℃(620°F~680°F)、327℃~349℃(620°F~660°F)、327℃~338℃(620°F~640°F)、338℃~371℃(640°F~700°F)、338℃~360℃(640°F~680°F)、338℃~349℃(640°F~660°F)、349℃~371℃(660°F~700°F)、349℃~360℃(660°F~680°F)、又は360℃~371℃(680°F~700°F)の範囲であってもよい。別段に指定されない限り、本明細書に記載の様々な熱処理に関して考察される温度は、ベース合金が曝露されうる又は炉が設定されうる雰囲気の温度を指し、ベース合金それ自体が、これらの温度に必ずしも達しなくてもよい。
[0045]上限に関しては、時効温度は、427℃(800°F)未満、例えば371℃(700°F)未満、360℃(680°F)未満、349℃(660°F)未満、338℃(640°F)未満、又は327℃(620°F)未満であってもよい。本発明者らは、冷間加工合金が316℃(600°F)未満で時効される場合、冷間加工合金における応力が幾分か緩和されうるが、所望の強度を得ることができないことを発見した。したがって、下限に関しては、時効温度は、少なくとも260℃(500°F)、例えば少なくとも288℃(550°F)、少なくとも316℃(600°F)、少なくとも327℃(620°F)、少なくとも338℃(640°F)、少なくとも349℃(660°F)、又は少なくとも360℃(680°F)であってもよい。
[0046]一部の実施形態では、時効時間、例えば、冷間加工合金が上記の昇温のいずれかに曝露されうる期間は、1分~10分、例えば、1分~5分、1分~4分、1分~3.5分、1分~3分、1分~2.5分、1分~2分、2分~5分、2分~4分、2分~3.5分、2分~3分、2分~2.5分、2.5分~5分、2.5分~4分、2.5分~3.5分、2.5分~3分、3分~5分、3分~4分、3~3.5分、3.5分~5分、又は3.5分~4分の範囲であってもよい。上限に関しては、時効時間は、10分未満、例えば、8分未満、5分未満、4分未満、3.5分未満、3分未満、2.5分未満、又は2分未満であってもよい。下限に関しては、時効時間は、少なくとも1分、例えば、少なくとも2分、少なくとも2.5分、少なくとも3分、少なくとも3.5分、又は少なくとも4分であってもよい。
[0047]一部の実施形態では、方法は、有利には、多くの熱処理工程を必要とする従来の方法とは反対に、より少ない熱処理工程を用いる。追加の熱処理工程は、不利益に、方法全体に複雑さ及び資源を加える。例えば、方法は、5つ未満、例えば4つ未満、3つ未満、又は2つ未満の熱処理工程を用いてもよい。場合によっては、方法は単一の熱処理工程を要する。
[0048]意外なことに、本明細書に記載の特定の条件下で冷間加工及び熱処理操作を実施することによって、結果として得られる銅-ベリリウム合金製品は、以下で詳細に考察するように、冷間加工の方向に沿って改善された強度特性を実証するだけでなく、冷間加工の方向以外の方向における改善された及び/又は更に良好な強度特性も実証する。
[0049]上述したように、ベース合金の冷間加工は、最終合金製品の厚さが様々でありうるが、所定のCRAパーセンテージを達成するために行われる点で、CRA主導の操作と考えられうる。所望の最終合金製品の厚さを、この最終CRA主導の冷間加工操作のCRAパーセンテージを維持しながら達成するために、ベース合金の調製は、所望のベース合金の厚さを得るために予備冷間加工操作を含んでもよい。したがって、予備冷間加工は、所定の厚さ、例えば、所望のベース合金の厚さを達成するために実施される点で、主に厚さ主導の操作と考えることができる。入手する合金の厚さが既に所望のベース合金の厚さである場合、予備冷間加工を省いてもよい。場合によっては、ベース合金厚さは、以下の式:
Figure 2022531959000001
(式中、TBAは、ベース合金の厚さであり、TFAは、処理した合金お最終厚さであり、%CRAは、最終CRA主導冷間加工によって達成されるCRAの所定のパーセンテージである)に従って算出することができる。
[0050]用途に応じて、処理した銅-ベリリウム合金製品の所望の最終厚さは、0.01mm~0.10mm、例えば、0.01mm~0.08mm、0.01mm~0.06mm、0.01mm~0.04mm、0.01mm~0.02mm、0.02mm~0.10mm、0.02mm~0.08mm、0.02mm~0.06mm、0.02mm~0.04mm、0.04mm~0.10mm、0.04mm~0.08mm、0.04mm~0.06mm、0.06mm~0.10mm、0.06mm~0.08mm、又は0.08mm~0.10mmの範囲であってもよい。上限に関しては、加工した銅-ベリリウム合金製品の所望の最終厚さは、0.10mm未満、0.08mm未満、0.06mm未満、0.04mm未満、又は0.02mm未満であってもよい。下限に関しては、加工した銅-ベリリウム合金製品の所望の最終厚さは、0.01mm超、0.02mm超、0.04mm超、0.06mm超、又は0.08mm超であってもよい。
ベース合金の調製
[0051]加工済み銅-ベリリウム合金製品の所望の最終厚さ及び最終のCRA主導冷間加工操作により達成されるCRAの所定のパーセンテージに応じて、調製されるベース合金の厚さは、0.05mm~0.25mm、例えば、0.05mm~0.20mm、0.05mm~0.15mm、0.05mm~0.10mm、0.10mm~0.25mm、0.10mm~0.20mm、0.10mm~0.15mm、0.15mm~0.25mm、例えば、0.15mm~0.20mm、又は0.20mm~0.25mmの範囲であってもよい。上限に関しては、ベース合金の厚さは、0.25mm未満、例えば、0.20mm未満、0.15mm未満、又は0.10mm未満であってもよい。下限に関しては、ベース合金の厚さは、0.05mm超、例えば、0.10mm超、0.15mm超、又は0.20mm超であってもよい。
[0052]場合によっては、予備冷間加工は厚さ主導であるため、予備冷間加工は、銅-ベリリウム合金シート又は合金板でありうる入手する合金の厚さに応じてCRAの様々なパーセンテージに実施されうる。場合によっては、入手する合金は、銅-ベリリウム合金シートであってもよく、0.1mm~2.0mm、例えば0.1mm~1.5mm、0.1mm~1.0mm、0.1mm~0.5mm、0.5mm~2.0mm、0.5mm~1.5mm、0.5mm~1.0mm、1.0mm~2.0mm、1.0mm~1.5mm、又は1.5mm~2.0mmの範囲の厚さを有してもよい。上限に関しては、入手する合金は、2.0mm未満、1.5mm未満、1.0mm未満、又は0.5mm未満の厚さを有してもよい。下限に関しては、入手する合金は、少なくとも0.1mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1.0mm、少なくとも1.5mm、又は少なくとも2.0mmの厚さを有してもよい。
[0053]入手する合金の厚さに応じて、予備冷間加工により実施されるCRAのパーセンテージは、5%~95%、例えば、5%~75%、5%~55%、5%~35%、5%~15%、15%~95%、15%~75%、15%~55%、15%~35%、35%~95%、35%~75%、35%~55%、55%~95%、55%~75%、又は75%~95%の範囲であってもよい。上限に関しては、予備冷間加工により実施されるCRAのパーセンテージは、95%未満、例えば、75%未満、55%未満、35%未満、又は15%未満であってもよい。下限に関しては、予備冷間加工により実施されるCRAのパーセンテージは、少なくとも5%、例えば少なくとも15%、少なくとも35%、少なくとも55%、又は少なくとも75%であってもよい。
[0054]場合によっては、ベース合金の調製は、予備冷間加工の後に1つ又は複数の予備熱処理操作を更に含んでもよい。例えば、1つ又は複数の予備熱処理操作は、溶体化焼鈍に後続する失活又は急冷を含んでもよい。溶体化焼鈍は、ベース合金を炉内又は他の同様のアセンブリ内に置いて、ベース合金を732℃~788℃(1350°F~1450°F)の範囲の昇温に0.5分から5分の間、曝露することによって実施することができる。一部の実施形態では、溶体化焼鈍は、例えば、細片の形態のベース合金をコンベヤー炉装置に置き、合金板を適当な速度でコンベヤー炉に通して運転することによって実施されうる。失活又は急冷は、空気急冷によって達成することができ、空気又は不活性ガス等のガス流を焼鈍ベース合金に向かって誘導させることによって実施されうる。
[0055]一部の実施形態では、焼鈍温度、すなわち、溶体化焼鈍操作中に予備冷間加工した合金が曝露されうる昇温は、732℃~788℃(1350°F~1450°F)、例えば732℃~774℃(1350°F~1425°F)、732℃~760℃(1350°F~1400°F)、732℃~746℃(1350°F~1375°F)、746℃~788℃(1375°F~1450°F)、746℃~774℃(1375°F~1425°F)、746℃~760℃(1375°F~1400°F)、760℃~788℃(1400°F~1450°F)、760℃~774℃(1400°F~1425°F)、又は774℃~788℃(1425°F~1450°F)の範囲であってもよい。上限に関しては、焼鈍温度は、後続する冷間加工を妨害しうる粒のずっと大きいサイズへの成長を制限するために788℃(1450°F)未満であってもよい。例えば、焼鈍温度は、774℃(1425°F)未満、760℃(1400°F)未満、又は746℃(1375°F)未満であってもよい。下限に関しては、焼鈍温度は、予備冷間加工した合金を溶体化して、ベリリウムが銅マトリクス全体に拡散するのを可能にするように、少なくとも732℃(1350°F)であってもよい。例えば、焼鈍温度は、少なくとも746℃(1375°F)、少なくとも760℃(1400°F)、又は少なくとも774℃(1425°F)であってもよい。
[0056]一部の実施形態では、焼鈍時間、すなわち、予備冷間加工した合金が本明細書に記載の昇温のいずれかに曝露されうる時間は、0.5分~5分、例えば、0.5分~4分、0.5分~3分、0.5分~2分、0.5分~1.5分、0.5分~1分、1分~5分、1分~4分、1分~3分、1分~2分、1分~1.5分、2分~5分、2分~4分、2分~3分、3分~5分、3分~4分、又は4分~5分の範囲であってもよい。上限に関しては、焼鈍期間は、5分未満、例えば、4分未満、3分未満、2分未満、1.5分未満、又は1分未満であってもよい。下限に関しては、焼鈍期間は、少なくとも0.5分、例えば、少なくとも1分、少なくとも1.5分、少なくとも2分、少なくとも3分、又は少なくとも4分であってもよい。
[0057]一部の実施形態では、1つ又は複数の予備熱処理操作は、焼鈍及び失活した合金の強度の少なくとも幾つかを回復するために時効操作を更に含んでもよい。一部の実施形態では、焼鈍及び失活した合金の時効は、焼鈍及び失活した合金を炉内又は他の同様のアセンブリ内に入れ、焼鈍及び失活した合金を246℃~316℃(475°F~600°F)の範囲の昇温に1時間~5時間の期間、曝露することによって実施することができる。時効操作の間、銅マトリクス中にベリリウム含有化合物が侵入型成分又は沈降物として形成され、合金が強化される。
[0058]一部の実施形態では、時効温度、すなわち、時効操作中に焼鈍及び失活した合金が曝露されうる昇温は、246℃~316℃(475°F~600°F)、例えば、246℃~302℃(475°F~575°F)、246℃~288℃(475°F~550°F)、246℃~274℃(475°F~525°F)、246℃~260℃(475°F~500°F)、260℃~316℃(500°F~600°F)、260℃~302℃(500°F~575°F)、260℃~288℃(500°F~550°F)、260℃~274℃(500°F~525°F)、274℃~316℃(525°F~600°F)、274℃~302℃(525°F~575°F)、274℃~288℃(525°F~550°F)、288℃~316℃(550°F~600°F)、288℃~302℃(550°F~575°F)、又は302℃~316℃(575°F~600°F)の範囲であってもよい。上限に関しては、時効温度は、316℃(600°F)未満、例えば、302℃(575°F)未満、288℃(550°F)未満、274℃(525°F)未満、又は260℃(500°F)未満であってもよい。下限に関しては、時効温度は、少なくとも246℃(475°F)、例えば、少なくとも260℃(500°F)、少なくとも274℃(525°F)、少なくとも288℃(550°F)、又は少なくとも302℃(575°F)であってもよい。
[0059]一部の実施形態では、時効時間、すなわち、焼鈍及び失活した合金が上記の昇温のいずれかに曝露されうる期間は、1時間~5時間、例えば、1時間~4時間、1時間~3.5時間、1時間~3時間、1時間~2.5時間、1時間~2時間、2時間~5時間、2時間~4時間、2時間~3.5時間、2時間~3時間、2時間~2.5時間、2.5時間~5時間、2.5時間~4時間、2.5時間~3.5時間、2.5時間~3時間、3時間~5時間、3時間~4時間、3時間~3.5時間、3.5時間~5時間、3.5時間~4時間、又は4時間~5時間の範囲であってもよい。上限に関しては、時効時間は、5時間未満、例えば、4時間未満、3.5時間未満、3時間未満、2.5時間未満、又は2時間未満であってもよい。下限に関しては、時効時間は、少なくとも1時間、例えば、少なくとも2時間、少なくとも2.5時間、少なくとも3時間、少なくとも3.5時間、少なくとも4時間、又は少なくとも5時間であってもよい。
[0060]一部の実施形態では、時効操作後、最終CRA主導冷間加工の前に、酸洗いを実施して表面の不純物又は汚染物質を除去してもよく、場合によってはエッジトリミングも実施してよい。
性能特性
[0061]記載する合金製品は、改善された強度特性、例えば、疲労強度、引張強度、及び降伏強度を実証する。疲労強度は、ASTM E796-94(2004)に従って試験し、引張強度及び降伏強度は、ASTM E8(2016)に従って試験する。具体的に記載しないが、本明細書に記載の方法は、当業者には理解されると考えられるように、銅-ベリリウム合金製品の他の強度特性及び/又は他の機械的性質を改善することができる。
疲労強度
[0062]銅-ベリリウム合金製品は、様々な量の試験サイクルで、冷間加工の方向に沿って測定した場合、改善された疲労強度を実証することができる。
[0063]具体的には、本明細書に記載の操作によって加工された銅-ベリリウム合金製品は、10試験サイクル後に、385MPa~1000MPa、例えば、385MPa~750MPa、400MPa~750MPa、400MPa~650MPa、450MPa~650MPa、450MPa~600MPa、450MPa~550MPa、450MPa~500MPa、500MPa~650MPa、500MPa~600MPa、500MPa~550MPa、550MPa~650MPa、550MPa~600MPa、又は600MPa~650MPaの疲労強度を実証することができる。下限に関しては、加工された銅-ベリリウム合金製品は、10試験サイクル後に、少なくとも385MPa、例えば、少なくとも400MPa、少なくとも450MPa、少なくとも500MPa、少なくとも550MPa、少なくとも600MPa、又は少なくとも650MPaの疲労強度を実証することができる。
[0064]具体的には、本明細書に記載の操作によって加工された銅-ベリリウム合金製品は、10試験サイクル後に、500MPa~1000MPa、例えば、500MPa~750MPa、550MPa~750MPa、550MPa~700MPa、500MPa~750MPa、575MPa~725MPa、600MPa~700MPa、又は625MPa~675MPaの疲労強度を実証することができる。下限に関しては、加工された銅-ベリリウム合金製品は、10試験サイクル後に、少なくとも500MPa、例えば、少なくとも550MPa、少なくとも575MPa、少なくとも600MPa、又は少なくとも625MPaの疲労強度を実証することができる。
[0065]具体的には、本明細書に記載の操作によって加工された銅-ベリリウム合金製品は、10試験サイクル後に、700MPa~1100MPa、例えば、900MPa~1100MPa、925MPa~1075MPa、950MPa~1050MPa、又は975MPa~1025MPaの疲労強度を実証することができる。下限に関しては、加工された銅-ベリリウム合金製品は、10試験サイクル後に、少なくとも700MPa、例えば、少なくとも750MPa、少なくとも800MPa、少なくとも850MPa、少なくとも900MPa、少なくとも925MPa、少なくとも950MPa、少なくとも975MPa、又は少なくとも990MPaの疲労強度を実証することができる。
[0066]加工された合金製品の疲労強度は、加工条件によって変動しうるが、それにもかかわらず、従来の合金製品を上回る著しい改善を実証する。例えば、疲労強度は、最終CRA主導冷間加工によって得られる種々のCRAパーセンテージに応じて変動しうる。具体的には、冷間加工によって達成されるCRAパーセンテージが漸進的に増加するに従い、疲労強度も改善しうる。例えば、銅-ベリリウム合金を冷間加工して40%~60%のCRAを達成するとき、後続する熱処理の完了時に、結果として得られる合金製品は、10試験サイクル後、385MPa~650MPaの範囲の疲労強度を実証しうる。銅-ベリリウム合金を冷間加工して60%~70%のCRAを達成するとき、後続する熱処理の完了時に、結果として得られる合金製品は、10試験サイクル後、450MPa~650MPaの範囲の疲労強度を実証しうる。銅-ベリリウム合金を冷間加工して70%~80%のCRAを達成するとき、後続する熱処理の完了時に、結果として得られる合金製品は、10試験サイクル後、500MPa~650MPaの範囲の疲労強度を実証しうる。本明細書に列挙する他の範囲を使用して、より狭い範囲又はより高い下限を特徴付けることができる。
[0067]理論に束縛されるものではないが、改善された疲労強度は、冷間加工した合金の微細構造における変化に起因しうると考えられる。また、開示する合金製品には、そのような変化があり、それは従来の合金製品には存在しない。
[0068]CRAパーセンテージが漸進的に増加するに従い、合金製品の微細構造は、疲労亀裂発生部位を最小限に抑えるように有利に変化され得、したがって銅-ベリリウム合金製品の疲労性能が改善される。疲労亀裂発生部位は、一般的に、疲労亀裂が開始しうる部位を指す。理論に束縛されるものではないが、開示する合成製品において、粒状構造が伸長のものであると仮定する。また、伸長粒は、著しく少ない粒界面をもたらし、潜在的な(疲労)亀裂発生部位の数を有益に減らす。更に、主要剪断応力の面に沿って配向される粒界(表面に対して45°)は、疲労亀裂発生に容易な滑り面をもたらす。そのような配向は、等軸粒(開示する合金製品中のもの等)において優勢であるが、伸長粒(開示する合金製品中のもの等)中には目視的には存在しない。これらの微細構造(単体又は互いと組み合わせたもの)の違いは、前述の疲労強度における改善(及び他の強度特性における改善)に有利に貢献することが発見された。
[0069]開示する合金製品は、例えば、前述の加工工程及び微細構造へのその効果により、改善された(疲労)亀裂伝播に対する耐性を有することが想定される。場合によっては、冷間加工工程は、疲労亀裂発生部位の数を減らすと考えられる。すなわち、実現されたCRAパーセンテージに応じて、冷間加工した合金における疲労開始部位は、最終冷間加工の完了時に、最終冷間加工の直前の疲労開始部位より1%~35%、例えば、2%~30%、3%~25%、5%~25%、5%~20%、5%~15%、又は5%~10%少ないことがある。
[0070]図2A~2Dは、本明細書に記載の方法を用いて製造された様々な銅-ベリリウム合金製品の、冷間加工の方向に沿った微細構造を示す。合金製品を種々のCRAパーセンテージに冷間加工する。具体的には、図2Aに示す合金製品は、40%のCRAに冷間加工され、図2Bに示す合金製品は、58%のCRAに冷間加工され、図2Cに示す合金製品は、70%のCRAに冷間加工され、図2Dに示す合金製品は、75%のCRAに冷間加工された。
[0071]合金を40%以下のCRAに冷間加工したとき、粒状構造は、(不利益に)全体が均一且つ等軸になり得、図2Aに示すような、約±45°の又は約±45°に近い(又は合金の圧延された上下面に対して単純に45°の)共通又は均一の配向角を全体的に有しうる。CRAパーセンテージが漸進的に増加するに従い、粒状構造は、非等軸になり、且つより均一性が低下する又は不均一性が増す。結果として、伸長粒状構造及び/又は非等軸粒の前述の利益が有利に達成される。例えば、粒が伸長、平坦、及び/又は圧縮になり、粒状構造の配向角は漸進的に小さくなる。場合によっては、CRAパーセンテージが漸進的に増加するに従い、粒状構造の配向角は、合金お圧延面に対して40°未満、35°未満、30°未満、25°未満、20°未満、15°未満、10°未満、又は0°近くまで小さくなりうる。追加的には、CRAパーセンテージが漸進的に増加するに従い、粒状構造の共通性又は粒状構造中の均一性(粒状構造の配向等)は目立ちにくくなる。例えば、図2Aに示す粒状構造の配向(40%のCRAに加工したもの)と図2Bに示す粒状構造の配向(58%のCRAに加工したもの)とを比較することにより、狭まった粒状構造の配向角に加えて、図2Bに示す粒状構造の配向も、均一性が低下する又は不均一になる。CRAパーセンテージが増加し続けるに従い、図2C及び2Dに示すように、共通又は均一な粒状構造の配向(45°の粒状構造の配向等)はもはや観察されない。これらの微細構造の改善は、性能特性における前述の改善に少なくとも部分的に貢献することが発見された。
[0072]重要なことには、粒の配向は、強度特性における前述の改善に大きく貢献しうることが発見された。したがって、開示する合金製品の予測されない粒の配向が特に有益であることが発見された。
[0073]上述したように、粒状構造の共通又は均一な配向角(図2Aに示す45°の配向など)は、疲労破損のリスク又は機会を不利益に高める傾向にあり、その理由は、疲労亀裂発生に容易な滑り面をもたらすからである。本発明者らは、CRAパーセンテージを増加して、粒状構造の配向を45°からより狭い角度に少なくとも狭めることによって、疲労破損のリスク又は機会を減らすことができることを発見した。CRAパーセンテージを更に減少させて、粒状構造の配向における共通性又は均一性を低下することにより、簡易滑り面及び疲労破損のリスク又は機会を更に減少又は排除することができ、従来の銅-ベリリウム合金製品に勝る優れた疲労強度を得ることができる。
[0074]上述したように、CRAパーセンテージが漸進的に増加するに従い、粒は、冷間加工の方向に沿って更に伸長になり、粒の厚さは、合金の厚さが冷間加工により薄くなるに従って薄くなる。
[0075]一部の実施形態では、冷間加工した合金の粒は、一般的に高いアスペクト比を有する。粒のアスペクト比は、粒の長さと粒の厚さとの比として定義されうる。長さは、冷間加工の方向に沿って測定することができ、幅は、冷間加工した合金の厚さ寸法に沿って測定することができる。したがって、冷間加工した合金の粒の長さは一般的に、粒の厚さより大きい。冷間加工した合金、並びに後続して熱処理した合金、例えば銅-ベリリウム合金製品は、一般的に、1:1超、例えば、2:1超、3:1超、4:1超、5:1超、6:1超、7:1超、8:1超、又は9:1超のアスペクト比を有しうる。範囲に関しては、本明細書で開示される合金製品の伸長粒の長さ対厚さのアスペクト比は、1:1~11:1、例えば、2:1~10:1、2:1~9:1、4:1~9:1、5:1~8:1、6:1~9:1、6:1~8:1、又は7:1~8:1の範囲であってもよい。
[0076]例えば、合金を40%超、例えば、40%~60%のCRAに冷間加工するとき、粒のアスペクト比は4:1~6:1の範囲であってもよく、4超:1又は5超:1であってもよい。合金を60%超、例えば、60%~70%のCRAに冷間加工するとき、粒のアスペクト比は6:1~7:1の範囲であってもよく、6超:1であってもよい。合金を70%超、例えば、70%~80%のCRAに冷間加工するとき、粒のアスペクト比は7:1~9:1、例えば、7:1~8:1又は8:1~9:1の範囲であってもよく、7超:1又は8超:1であってもよい。
[0077]CRAパーセンテージが漸進的に増加し、粒がより伸長、平坦且つ/又は圧縮になるに従い、疲労強度は全体的に増加する。しかしながら、所望の量のCRAにより上限がありうる。理論に束縛されるものではないが、過度のCRAは、結果として脆性がありうる銅-ベリリウム合金製品をもたらし得、望ましくない合金製品が生成されうることが想定される。
[0078]更に、CRA主導の冷間加工を実施して高レベルの、例えば70%超又は70%~80%のCRA低下を達成するとき、疲労強度における大きな改善を一貫して得ることができる。例えば、冷間加工を実施して少なくとも70%のCRAを達成するとき、10試験サイクル後に、500MPa~650MPa、例えば、500MPa~600MPa、500MPa~550MPa、550MPa~650MPa、550MPa~600MPa、又は600MPa~650MPの範囲の疲労強度を実証する銅-ベリリウム合金製品を一貫して製造することができる。下限に関しては、冷間加工を実施して少なくとも70%又は70%~80%のCRAを達成するとき、本明細書に記載の銅-ベリリウム合金製品の疲労強度は、少なくとも500MPa、少なくとも550MPa、少なくとも600MPa、又は少なくとも650MPaであってもよい。
[0079]本明細書で考察される疲労強度の値は、冷間加工に後続する更なる熱処理の後の合金製品が持つ疲労強度の値を指すことに留意されたい。疲労強度は、冷間加工に後続する熱処理によって若干低下されうる。それにもかかわらず、冷間加工に後続する熱処理は、依然として要望があり、その理由は、熱処理が、以下に考察する引張強度及び降伏強度を更に増加し、冷延合金の脆性を低減するからである。したがって、本明細書に記載の冷間加工及び熱処理操作は、合金製品の全体的な最適強度特性を達成するように、疲労強度、引張強度、及び/又は降伏強度における改善のバランスを取る。
[0080]更に、本明細書で考察される疲労強度の値が、冷間加工の方向に沿って測定されることも留意されたい。本明細書に記載の銅-ベリリウム合金製品はまた、意外なことに、他の方向、例えば、冷間加工に対して横方向で、又は冷間加工の方向と冷間加工に対して横方向との間の任意の方向で測定するとき、改善された疲労強度を有することが想定される。
引張強度及び降伏強度
[0081]疲労強度における改善に加えて本明細書に記載の方法は、銅-ベリリウム合金製品の(極限)引張強度及び降伏強度を更に改善する。
[0082]一般的に、調製工程、例えば、結果として40%超のCRAパーセンテージをもたらすCRA主導冷間加工の前の予備冷間加工及び/又は予備熱処理は、ベース合金を生成するものである。CRA主導冷間加工及び後続する熱処理操作は、ベース合金を加工して、従来の銅-ベリリウム合金に勝る優れた強度特性を実証する最終銅-ベリリウム合金製品を生成する。引張強度及び降伏強度は、ベース合金の強度特性と、冷間加工及び熱処理工程を完了させて得られる更に処理された合金製品の強度特性とを比較することによって考察される。
[0083]引張強度に関しては、ベース合金は、165ksi~185ksi、例えば、165ksi~180ksi、165ksi~175ksi、165ksi~170ksi、170ksi~185ksi、170ksi~180ksi、170ksi~175ksi、175ksi~185ksi、175ksi~180ksi、又は180ksi~185ksiの範囲の極限引張強度を実証することができる。下限に関しては、ベース合金は、少なくとも165ksi、例えば、少なくとも170ksi、少なくとも175ksi、又は少なくとも180ksiの極限引張強度を実証することができる。上限に関しては、ベース合金は、185ksi未満、例えば、180ksi未満、175ksi未満、又は170ksi未満の極限引張強度を実証することができる。
[0084]降伏強度に関しては、ベース合金は、135ksi~160ksi、例えば、135ksi~155ksi、135ksi~150ksi、135ksi~145ksi、135ksi~140ksi、140ksi~160ksi、140ksi~155ksi、140ksi~150ksi、145ksi~160ksi、145ksi~155ksi、145ksi~150ksi、150ksi~160ksi、150ksi~155ksi、又は155ksi~160ksiの範囲の0.2%オフセット降伏強度を実証することができる。下限に関しては、ベース合金は、少なくとも135ksi、例えば、少なくとも140ksi、少なくとも145ksi、少なくとも150ksi、又は少なくとも155ksiの0.2%オフセット降伏強度を実証することができる。上限に関しては、ベース合金は、160ksi未満、例えば、155ksi未満、150ksi未満、145ksi未満、又は140ksi未満の0.2%オフセット降伏強度を実証することができる。
[0085]CRA主導冷間加工の完了時に、冷間加工した合金は、200ksi~215ksi、例えば、200ksi~210ksi、200ksi~205ksi、205ksi~215ksi、205ksi~210ksi、又は210ksi~215ksiの範囲の極限引張強度を達成することができる。下限に関しては、CRA主導冷間加工の完了時に、冷間加工した合金は、少なくとも200ksi、例えば、少なくとも205ksi、又は少なくとも210ksiの極限引張強度を達成することができる。
[0086]CRA主導冷間加工の完了時に、冷間加工した合金は、180ksi~200ksi、例えば、180ksi~195ksi、180ksi~190ksi、180ksi~185ksi、185ksi~200ksi、185ksi~195ksi、185ksi~190ksi、190ksi~200ksi、190ksi~195ksi、又は195ksi~200ksiの範囲の0.2%オフセット降伏強度を達成することができる。下限に関しては、CRA主導冷間加工の完了時に、冷間加工した合金は、少なくとも180ksi、例えば、少なくとも185ksi、少なくとも190ksi、又は少なくとも195ksiの0.2%オフセット降伏強度を達成することができる。
[0087]CRA主導冷間加工の直前の極限引張強度(すなわち、ベース合金の極限引張強度)とCRA主導冷間加工の完了時に達成された極限引張強度(すなわち、冷間加工した合金の極限引張強度)とを比較することによって、CRA主導冷間加工による引張強度の増加を算出することができる。場合によっては、引張強度は、CRA主導冷間加工により、少なくとも10%、例えば、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、又は少なくとも30%増加しうる。範囲に関しては、引張強度は、CRA主導冷間加工により、10%~30%、例えば、10%~25%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、15%~25%、15%~20%、20%~30%、20%~25%、又は25%~30%増加しうる。
[0088]CRA主導冷間加工の直前の0.2%オフセット降伏強度(すなわち、ベース合金の0.2%オフセット降伏強度)とCRA主導冷間加工の完了時に達成された0.2%オフセット降伏強度(すなわち、冷間加工した合金の0.2%オフセット降伏強度)とを比較することによって、CRA主導冷間加工により増加した降伏強度を算出することができる。場合によっては、降伏強度は、CRA主導冷間加工によって少なくとも20%、例えば、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、又は少なくとも40%増加しうる。範囲に関しては、降伏強度は、CRA主導冷間加工によって20%~40%、例えば、20%~35%、20%~30%、20%~25%、25%~40%、25%~35%、25%~30%、30%~40%、30%~35%、又は35%~40%増加しうる。
[0089]引張強度及び/又は降伏強度は、後続する熱処理の完了時に更に改善され得、従来の銅-ベリリウム合金より優れた強度特性を実証する銅-ベリリウム合金製品が生成される。例えば、熱処理の完了時に、冷間加工及び熱処理を施した合金、すなわち銅-ベリリウム合金製品は、205ksi~245ksi、例えば、210ksi~245ksi、215ksi~245ksi、215ksi~240ksi、215ksi~235ksi、215ksi~230ksi、215ksi~225ksi、215ksi~220ksi、220ksi~245ksi、220ksi~240ksi、220ksi~235ksi、220ksi~230ksi、220ksi~225ksi、225ksi~245ksi、225ksi~240ksi、225ksi~235ksi、225ksi~230ksi、230ksi~245ksi、230ksi~240ksi、230ksi~235ksi、235ksi~245ksi、235ksi~240ksi、又は240ksi~245ksiの範囲の極限引張強度(冷間加工の方向又は縦方向に沿って測定した場合)を達成することができる。下限に関しては、熱処理の完了時に、銅-ベリリウム合金製品は、少なくとも205ksi、例えば、少なくとも210ksi、少なくとも215ksi、少なくとも220ksi、少なくとも225ksi、少なくとも230ksi、少なくとも235ksi、少なくとも240ksi、又は少なくとも245ksiの極限引張強度を達成することができる。
[0090]熱処理の完了時に、銅-ベリリウム合金製品は、200ksi~230ksi、例えば、205ksi~230ksi、205ksi~225ksi、205ksi~220ksi、205ksi~215ksi、205ksi~210ksi、210ksi~230ksi、210ksi~225ksi、210ksi~220ksi、210ksi~215ksi、215ksi~230ksi、215ksi~225ksi、215ksi~220ksi、220ksi~230ksi、220ksi~225ksi、又は225ksi~230ksiの範囲の0.2%オフセット降伏強度(縦方向の)を達成することができる。下限に関しては、熱処理の完了時に、銅-ベリリウム合金製品は、少なくとも200ksi、例えば、少なくとも205ksi、少なくとも210ksi、少なくとも215ksi、少なくとも220ksi、少なくとも225ksi、又は少なくとも230ksiの0.2%オフセット降伏強度を達成することができる。
[0091]熱処理の直前の極限引張強度(すなわち、冷間加工した合金の極限引張強度)と熱処理の完了時に達成された極限引張強度(すなわち、銅-ベリリウム合金製品の極限引張強度)とを比較することによって、熱処理による引張強度の増加を算出することができる。場合によっては、引張強度は、熱処理によって、少なくとも5%、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、又は少なくとも20%増加しうる。範囲に関しては、引張強度は、熱処理によって、5%~20%、例えば、5%~15%、5%~10%、10%~20%、10%~15%、又は15%~20%増加しうる。
[0092]熱処理の直前の0.2%オフセット降伏強度(すなわち、冷間処理した合金の0.2%オフセット降伏強度)と熱処理の完了時に達成された0.2%オフセット降伏強度(すなわち、銅-ベリリウム合金製品の0.2%オフセット降伏強度)とを比較することによって、熱処理による降伏強度の増加を算出することができる。一部の実施形態では、降伏強度は、熱処理により、少なくとも5%、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、又は少なくとも20%増加しうる。範囲に関しては、降伏強度は、熱処理によって、5%~20%、例えば、5%~15%、5%~10%、10%~20%、10%~15%、又は15%~20%増加しうる。
[0093]CRA主導冷間加工の直前の極限引張強度(すなわち、ベース合金の極限引張強度)と熱処理の完了時に達成された極限引張強度(すなわち、銅-ベリリウム合金製品の極限引張強度)とを比較することによって、冷間加工及び熱処理の両方の操作を行うことによる引張強度の増加を算出することができる。場合によっては、冷間加工及び熱処理操作の両方を行うことによって、ベース合金の引張強度は、少なくとも15%、例えば、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%増加しうる。範囲に関しては、ベース合金の引張強度は、冷間加工及び熱処理操作の両方を実施することによって、15%~50%、例えば、15%~45%、15%~40%、15%~35%、15%~30%、15%~25%、15%~20%、20%~50%、20%~45%、20%~40%、20%~35%、20%~30%、20%~25%、25%~50%、25%~45%、25%~40%、25%~35%、25%~30%、30%~50%、30%~45%、30%~40%、30%~35%、35%~50%、35%~45%、35%~40%、40%~50%、40%~45%、又は45%~50%増加しうる。
[0094]CRA主導冷間加工の直前の0.2%オフセット降伏強度(すなわち、ベース合金の0.2%オフセット降伏強度)と熱処理の完了時に達成された0.2%オフセット降伏強度(すなわち、銅-ベリリウム合金製品の0.2%オフセット降伏強度)とを比較することによって、冷間加工及び熱処理操作の両方を実施することによる降伏強度の増加を算出することができる。場合によっては、冷間加工及び熱処理操作の両方を実施することによって、ベース合金の降伏強度は、少なくとも25%、例えば、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、又は少なくとも70%増加しうる。範囲に関しては、ベース合金の降伏強度は、冷間加工及び熱処理操作の両方を実施することによって、25%~70%、例えば、25%~65%、25%~60%、25%~55%、25%~50%、25%~45%、25%~40%、25%~35%、25%~30%、30%~70%、30%~65%、30%~60%、30%~55%、30%~50%、30%~45%、30%~40%、30%~35%、35%~70%、35%~65%、35%~60%、35%~55%、35%~50%、35%~45%、35%~40%、40%~70%、40%~65%、40%~60%、40%~55%、40%~50%、40%~45%、45%~70%、45%~65%、45%~60%、45%~55%、45%~50%、50%~70%、50%~65%、50%~60%、50%~55%、55%~70%、55%~65%、55%~60%、60%~70%、60%~65%、又は65%~70%増加しうる。
[0095]更に、本明細書に記載の方法を用いて製造される合金製品は、冷間加工の方向に沿って改善された強度特性を達成するだけでなく、意外にも、他の方向において改善された且つ/又はより良好な強度特性も実証する。冷間加工の方向とは、ベース合金が、例えば圧延によって冷間加工される方向、又は粒が伸長される方向を指す。冷間加工の方向は、冷間加工された合金の長さ及び製造された銅-ベリリウム合金製品の長さに対応する。したがって、冷間加工の方向は、縦方向と呼ぶこともできる。横方向は、本明細書において、冷間加工された合金の幅及び製造された銅-ベリリウム合金製品の幅に対応する方向を説明するために用いられ、横方向は、縦方向又は冷間加工の方向に対して横又は垂直である。横方向と縦方向との間の他の方向は、縦方向からの角度を用いて言及されうる。例えば、30°方向は、縦方向から30°回転した方向(したがって、横方向から60°回転した方向)を指し、45°方向は、縦又は横方向から45°回転した方向を指す。
[0096]本明細書に記載の方法は、冷間加工の方向に沿って、200ksi超、例えば、205ksi超、210ksi超、215ksi超、220ksi超、225ksi超、230ksi超、235ksi超、240ksi超、又はそれ以上の極限引張強度を有する銅-ベリリウム合金製品を一貫して製造することが発見された。本明細書に記載の方法はまた、冷間加工の方向に沿って、200ksi超、例えば、205ksi超、210ksi超、215ksi超、220ksi超、225ksi超、又はそれ以上の0.2%オフセット降伏強度を有する銅-ベリリウム合金製品も一貫して製造する。
[0097]驚くべきことに、本明細書に記載の方法はまた、冷間加工の方向以外の方向で改善された又は更に良好な強度特性を有する銅-ベリリウム合金製品も一貫して製造する。これは、上述したように、従来の方法を用いて製造された従来の銅-ベリリウム合金製品が、一般的には、冷間加工の方向以外の方向で低下した又は劣る強度特性を有するため、意外なことである。例えば、多くの従来の方法を用いて加工された銅-ベリリウム合金製品では、横方向の引張強度は、典型的には、冷間加工の方向における引張強度より5%~10%低く、同様に、横方向の降伏強度は、典型的には、冷間加工の方向の降伏強度より5%~10%低い。
[0098]対照的に、本明細書に記載の方法は、冷間加工の方向以外の方向で対等の又は更に改善された強度特性を有する銅-ベリリウム合金製品を一貫して製造する。例えば、本明細書に記載の方法を用いて製造された銅-ベリリウム合金製品は、冷間加工の方向に沿って同等又は同様の45°方法に沿った強度特性を有し、冷間加工の方向に沿った強度特性より良好な横方向に沿った強度特性を有する。
[0099]例えば、本明細書に記載の方法は、45°方向に沿って、200ksi超、例えば、205ksi超、210ksi超、215ksi超、220ksi超、225ksi超、230ksi超、235ksi超、240ksi超、又はそれ以上の極限引張強度を有する銅-ベリリウム合金製品を一貫して製造することが発見された。本明細書に記載の方法はまた、45°方向に沿って、200ksi超、例えば、205ksi超、210ksi超、215ksi超、220ksi超、225ksi超、又はそれ以上の0.2%オフセット降伏強度を有する銅-ベリリウム合金製品も一貫して製造する。
[0100]更に、本明細書に記載の方法は、横方向に沿って、215ksi超、例えば、220ksi超、225ksi超、230ksi超、235ksi超、240ksi超、245ksi超、又はそれ以上の極限引張強度を有する銅-ベリリウム合金製品を一貫して製造することが発見された。本明細書に記載の方法はまた、横方向に沿って、200ksi超、例えば、205ksi超、210ksi超、215ksi超、220ksi超、225ksi超、230ksi超、又はそれ以上の0.2%オフセット降伏強度を有する銅-ベリリウム合金製品も一貫して製造する。
[0101]加工条件に応じて、冷間加工の方向の極限引張強度に対して横方向の極限引張強度を比較することによって算出した場合、横方向の引張強度は、冷間加工の方向の引張強度より少なくとも5%、例えば、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、又は少なくとも10%大きいことがある。範囲に関しては、横方向の引張強度は、冷間加工の方向の引張強度より5%~10%、例えば、5%~9%、5%~8%、5%~7%、5%~6%、6%~10%、6%~9%、6%~8%、6%~7%、7%~10%、7%~9%、7%~8%、8%~10%、8%~9%、又は9%~10%大きいことがある。上限に関しては、横方向の引張強度は、冷間加工の方向の引張強度より10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、又は6%未満、大きいことがある。
[0102]同様に、横方向の降伏強度は、冷間加工の方向の0.2%オフセット降伏強度に対して横方向の0.2%オフセット降伏強度を比較することによって算出した場合、冷間加工の方向の降伏強度より少なくとも5%、例えば、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、又は少なくとも10%大きいことがある。範囲に関しては、横方向の降伏強度は、冷間加工の方向の降伏強度より5%~10%、例えば、5%~9%、5%~8%、5%~7%、5%~6%、6%~10%、6%~9%、6%~8%、6%~7%、7%~10%、7%~9%、7%~8%、8%~10%、8%~9%、又は9%~10%大きいことがある。上限に関しては、横方向の降伏強度は、冷間加工の方向の降伏強度より10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、又は6%未満大きいことがある。
[0103]理論に束縛されるものではないが、冷間加工の方向以外の方向の同等の又は改善された強度特性は、前述の伸長粒状構造及び配向角に起因しうる。
[0104]冷間加工の方向以外の方向の同等の又は更に改善された強度特性を有する銅-ベリリウム合金製品を製造することによって、本明細書に記載の方法及び方法により製造された銅-ベリリウム合金製品は、下流加工、例えば他の機器、例えば消費者モバイル機器の内部での細片形態の銅-ベリリウム合金製品の取り付け又は配向において、より高い可撓性を可能にする。
[0105]本明細書に記載の銅-ベリリウム合金製品は、一般的に、ASTMインターナショナル、SAE(ソサエティ・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ)インターナショナル、RWMA(局所壁運動異常)、欧州規格EN、日本工業規格及び軍用規格等により設定される以下の規格(ASTM B194、AMS 4530、AMS 4532、SAE J461、SAE J463、EN 1654、EN 13148、EN 14436、JIS H3130、QQC-533等を含むが、これらに限定されない)のうちの1つ又は複数を満たす細片に加工される。
[0106]以下の実施例は、本開示の合金及び方法を例示するために提供される。実施例は、単に例示を目的とするものであり、本開示をここに記載する材料、条件、又は方法のパラメータに限定されることを意図しない。
実施例1~4及び比較例A~C
[0107]実施例1~4を、本明細書に記載の方法を用いて調製した。以下の成分:96.3wt%~99.5wt%の銅、0.15wt%~2wt%のベリリウム、0wt%~2.7wt%のコバルト、0wt%~2.2wt%のニッケル、及び0wt%~0.5wt%のジルコニウムを含む銅-ベリリウム合金シートを利用した。
[0108]工程1:(i)合金シートを、所望の最終厚さの約4倍の厚さに予備冷間加工し、(ii)予備冷間加工した合金を熱処理することによって銅-ベリリウムベース合金を調製した。熱処理は、(a)755℃(1390°F)で0.83分間の溶体化焼鈍に後続する空気急冷と、(b)285℃(545°F)で3時間のバルク時効と、を含んでいた。銅-ベリリウムベース合金は、均一な等軸の粒を含んでおり、粒の配向角(例えば、粒界の配向)は、予備冷間加工した表面に対して約45°だった。
[0109]工程2:銅-ベリリウムベース合金を冷間圧延により冷間加工して74%~75%のCRAを達成し、したがって冷間加工した合金が得られた。冷間加工した合金は、平坦な伸長粒を含んでいた。粒の配向角は、冷間加工した表面に対して0°に近かった。
[0110]工程3:次いで、冷間加工した合金を熱処理して銅-ベリリウム合金製品(実施例1~4)を製造した。熱処理は、316℃(600°F)で2.88分間のストランド時効を介して実施し、したがって冷間加工した合金の強度特性を析出硬化により更に改善した。平坦な伸長粒状構造及び粒の約0°の配向角は、ストランド時効後、実質的に維持されていた。実施例1~4の代表的な粒状構造を図2Dに示す。
[0111]比較例A、B、及びCを以下のように調製した。以下の成分:14.5wt%~15.5wt%のニッケル、7.5wt%~8.5wt%のスズ、0.5wt%以下の鉄、0.5wt%以下の亜鉛、及び残りは銅を含む銅-ニッケル-スズ合金シートを利用して、比較例A~Cを製造した。
[0112]比較例の調製は、実施例1~4の調製と比較して、より多くの方法工程、例えば、より多くの冷間加工及び/又は熱処理を要した。
[0113]工程1:銅-ニッケル-スズベース合金は、(i)合金シートを予備冷間加工し、(ii)802℃(1475°F)で0.65分間、溶体化焼鈍した後、空気急冷することによって調製した。銅-ニッケル-スズベース合金は、均一な等軸粒を含んでおり、粒の配向角(例えば、粒界の配向)は、予備冷間加工された表面に対して約45°だった。
[0114]工程2:銅-ニッケル-スズベース合金を冷間圧延により冷間加工して約40%~45%のCRAを達成し、したがって冷間加工した合金が得られた。
[0115]工程3:冷間加工した合金を341℃~349℃(645°F~660°F)で2時間バルク時効して、バルク時効した合金を製造した。
[0116]工程4:次いで、バルク時効した合金を更に冷間加工して、約40%~45%のCRAを達成し、更に冷間加工した合金を製造した。したがって、2つの冷間加工工程を通して、銅-ニッケル-スズベース合金から更に冷間加工した合金まで合計で約65%~70%のCRAを達成した。更に冷間加工した合金は、平坦又は伸長粒を含んでいなかった。むしろ、粒は粗く、平坦でなかった。粒の配向角は、冷間加工された表面に対して30°超であり、一部の粒は、45°配向角近くを維持していた。
[0117]工程5:次いで、更に冷間加工した合金を熱処理して、銅-ニッケル-スズ合金製品(比較例A~C)を製造した。熱処理は、357℃(675°F)で2.9~3.6分間のストランド時効を介して実行した。更に冷間加工した合金の粒状構造及び粒の配向角は、ストランド時効後、実質的に維持されていた。
[0118]実施例1~4及び比較例A~Cを、ASTM E8(2016)に従い、極限引張強度(UTS)、0.2%オフセット降伏強度(YS)、及び破断時の伸長パーセンテージ(%E)について試験した。
[0119]以下の表1~3は、実施例1~4の極限引張強度(UTS)、0.2%オフセット降伏強度(YS)、及び破断時の伸長パーセンテージ(%E)を列挙したものである。
Figure 2022531959000002
Figure 2022531959000003
Figure 2022531959000004
[0120]下の表4~6は、比較例A~Cの極限引張強度(UTS)、0.2%オフセット降伏強度(YS)、及び破断時の伸長パーセンテージ(%E)を列挙したものである。上で述べたように、比較例A~Cは、より多くの冷間加工及び/又は熱処理工程を要する従来方法によって調製した。
Figure 2022531959000005
Figure 2022531959000006
Figure 2022531959000007
[0121]表1~3に示すように、本明細書に記載の方法は、縦方向の驚くべき強度特性、例えば、約1500MPa以上の極限引張強度、約1470MPa以上の0.2%オフセット降伏強度、及び/又は約1.8%以上の破断時の伸長パーセンテージを実証する銅-ベリリウム合金製品を一貫して製造する。
[0122]対照的に、表4~6に示すように、銅-ニッケル-スズ合金製品は、縦方向で、約1400MPaの極限引張強度、約1370MPaの0.2%オフセット降伏強度、及び/又は約1.6%又は1.7%の破断時の伸長パーセンテージを実証する。
[0123]したがって、銅-ニッケル-スズ合金製品と比較したとき、本明細書に記載の方法を用いて製造された銅-ベリリウム合金製品は、縦方向で、100MPa又は7.1%を上回る極限引張強度における改善、及び/又は100MPa又は7.3%を上回る0.2%オフセット降伏強度における改善を実証する。追加的には、銅-ベリリウム合金製品は、改善された破断時の伸長パーセンテージを更に実証する。
[0124]意外なことに、表1~3にも示すように、銅-ベリリウム合金製品は、縦方向に沿った場合と比較して、横方向及び45°方向で同等の又は更に良好な強度特性も一貫して実証する。
[0125]対照的に、表4~6に示すように、銅-ニッケル-スズ合金製品は、縦方向に沿った場合と比較して、横方向及び45°方向で低下した0.2%オフセット降伏強度を実証する。したがって、横方向及び45°方向で低下した強度特性に起因して、銅-ニッケル-スズ合金製品は、どのようにして合金製品を後続して加工できるか且つ/又は最終製品に取り入れられるかに制限を課しうる。
[0126]本明細書に記載の方法を用いて製造された銅-ベリリウム合金製品を、疲労強度性能について試験し、試験は、ASTM E796-94(2000)に従って実施した。図3A~3Dは、実施例1~4それぞれのサイクルの関数としての疲労強度をグラフ化したものである。比較として、図3A~3Dは、比較例A~Cの疲労強度の平均を示す線も示す(同じ線が、図3A~3Dに現れる)。開示する銅-ベリリウム合金製品は、銅-ニッケル-スズ合金製品より性能が優れている。図3A~3Dは、比較例A~C(下の線)に勝る実施例1~4(上の線)により実証される疲労試験における驚くべき改善を示す。
[0127]特に、実施例1~4は、10試験サイクル後、10試験サイクル後、又は更には10試験サイクル後、並外れて高い疲労強度を実証する。これらの疲労強度値は、比較例A~Cのものより顕著に高い。例えば、図3Aに示すように、10サイクルで、実施例1は、約600MPa又はそれを超える疲労応力を実証し、一方で、比較例の平均は約450MPaの疲労応力を実証する。実施例1は、比較例の平均と比較したとき、疲労強度において顕著な改善、例えば、少なくとも30%を実証する。
[0128]実施例1~4及び比較例A~Cによって示すように、本明細書に記載の方法を用いて製造された銅-ベリリウム合金製品は、銅-ニッケル-スズ合金製品より優れた強度特性を一貫して実証する。追加的としては、本明細書に記載の方法を用いて製造された銅-ベリリウム合金製品は、縦方向に沿った場合と比較して、横方向及び45°方向で同等の又はより良好な強度特性を実証する。銅-ニッケル-スズ合金製品は、縦方向と比較して、横方向及び45°方向で、より低い強度、例えば、より低い0.2%オフセット降伏強度を実証する。したがって、銅-ベリリウム合金製品は、より広範な用途、特に高い強度性能を必要とする用途が可能なだけでなく、後続する加工及び合金製品の最終製品への取り込みのために可撓性も提供する。
[0129]その上、銅-ベリリウム合金製品は、銅-ベリリウムベース合金を一回冷間加工して75%のCRAを達成することによって、より効率的に製造することができる。対照的に、銅-ニッケル-スズ合金製品の製造は、2つの冷間加工工程を要し、それぞれ、40%~45%のCRAを達成し、それにより、銅-ニッケル-スズ合金製品にとって最高の強度値が得られる。したがって、本明細書に記載の加工を用いて製造された銅-ベリリウム合金製品は、既存の合金製品及び方法を上回る性能及び製造の利点の両方をもたらす。
実施例5~7
[0130]実施例5~7は、種々の実施例のために工程2で種々のCRAパーセンテージが適用されること以外は、実施例1~4の調製に類似する方法を用いて調製した。具体的には、実施例5、6及び7は、冷間圧延によって冷間加工して約(又は若干それを上回る)40%のCRA、58%のCRA、及び70%のCRAをそれぞれ達成した。実施例5、6及び7の粒状構造を、それぞれ、図2A、2B及び2Cに示す。実施例5、6及び7の粒の配向は、それぞれ40°から45°、10°及び0°だった。
[0131]実施例5~7を、上述の疲労強度について試験した。図4A~4Cは、それぞれ、実施例5~7の疲労試験結果データ点を示す。図4Dは、上記の実施例1~4(-75%のCRA)の組み合わせた疲労試験結果データ点を示す。実施例5~7の疲労強度は、10試験サイクルで、それぞれ、およそ400MPa、450MPa、及び500MPaだった。
[0132]比較として、図4A~4Dは、65%~70%のCRAでの銅-ニッケル-スズ合金製品の疲労強度の平均を示す線も示す(同じ線が図4A~4Dに現れる)。
[0133]図4A~4Dに示すように、CRAパーセンテージが増加するに従い、銅-ベリリウム合金製品の疲労強度性能は増加し、データ点は、CRAが増加するに従い、比較例の平均の線と比較して、より良好な性能を示す。
[0134]特に、実施例1~7の全ての疲労強度は、10試験サイクルで、銅-ニッケル-スズ合金製品より性能が優れており、全てではないが、データ点の大部分は、比較平均の線より顕著に高い。実際、実施例のデータ点の多くは、10試験サイクル後でも破損なし又は破綻なし(「ランアウト」)を示す。
[0135]追加的には、CRAパーセンテージが増加するに従い、銅-ベリリウム合金製品は、より広範な試験サイクルの範囲で、より良好な疲労強度性能を実証した。例えば、図4Bに示すように、58%のCRAで、実施例6は、10以上の試験サイクル数に供したとき、銅-ニッケル-スズ合金製品と同等の又はそれより大きいピーク応力を実証した。図4Cに示すように、70%のCRAで、実施例7は、10以上の試験サイクル数に供したとき、銅-ニッケル-スズ合金製品より大きいピーク応力を実証した。図4Dに示すように、75%のCRAで、実施例1~4は全て、実質的に全ての試験サイクルで、銅-ニッケル-スズ合金製品より大きなピーク応力を実証した。
実施例8~13及び比較例D
[0136]実施例8~13は、種々の実施例のために工程2で種々のCRAパーセンテージ(全て、40%超のCRA)が適用されること以外は、実施例1~4の調製に類似する方法を用いて調製した。工程3は、この時点では実施しなかった。この時点で得られる粒状構造は、工程3の完了時に維持されていると考えられることに留意されたい。比較例Dは、より低いCRAパーセンテージ(40%未満)を工程2に適用すること以外は、実施例8~13の調製に類似する方法を用いて調製した。
[0137]以下の表7は、実施例8~13及び比較例Dの、CRAパーセンテージ、粒状構造の配向角、極限引張強度(UTS)、0.2%オフセット降伏強度(YS)、及び10試験サイクルでの疲労強度(FS)(縦方向での)を列挙する。以下の表7に示すように、10試験サイクルで(縦方向での)、実施例13の疲労強度値は試験値であるのに対し、実施例8~12及び比較例Dの疲労強度値は、実施例1~4の試験した疲労強度値に基づく推測値である。
Figure 2022531959000008
[0138]表7に示すように、CRAパーセンテージが増加するに従い実施例8~13の疲労強度は増加し続けた。重要なことには、比較例Dの場合のようにCRAパーセンテージが40%未満、例えば32%だったとき、同等の極限引張強度及び/又は降伏強度が達成されうるが、疲労強度は、著しく低下した(例えば、400MPa未満、例えば、385MPa未満)。更に、実施例8~13の極限引張強度及び降伏強度は維持され、CRAパーセンテージが高レベルまで増加し続けるとともに妥協しなかった。
[0139]図5A~5Gは、比較例D及び実施例8~13それぞれの微細構造を示す。図示するように、比較例Dの場合など、CRAパーセンテージが40%未満だったとき、かなりの量の粒が等軸のままであり、45°の粒配向角が優勢だった。実施例8~13の場合など、CRAパーセンテージが40%超まで増加するに従い、実施例11~13の場合のように、粒は伸長且つ平坦になり、粒配向角は45°から0°近くに狭まった。伸長且つ平坦な粒状構造及び狭まった粒配向角(例えば、45°未満又は更には0°近く)は、工程3の熱処理が完了する時点で維持されると考えられる。
[0140]上述したように本明細書に記載の銅-ベリリウム合金製品の優れた疲労強度は、伸長且つ平坦な粒状構造及び/又は粒状構造の狭まった配向に起因しうる。CRAパーセンテージが増加する(例えば、40%超まで)に従い、粒は、より伸長且つ/又は平坦になり、粒の配向角は狭まり、粒界面の減少及び亀裂発生部位の減少及び強化特性の改善につながった。
[0141]表7に示す実施例8~13の極限引張強度及び降伏強度の各値は、実施例1~4の極限引張強度及び降伏強度より低かったことに留意されたい。更なる熱処理を含むことにより、伸長且つ平坦な粒状構造及び狭まった粒配向角を維持しながら、実施例8~13の強度性能を、実施例1~4の強度性能と同様のレベルまで更に改善すると考えられる。
[0142]それにもかかわらず、実施例8~13の極限引張強度及び降伏強度は、良好であり、且つ銅-ニッケル-スズ合金製品又は表4に示す比較例A~Cの極限引張強度及び降伏強度と同等だった。しかしながら、銅-ニッケル-スズ合金製品は、性能レベルを達成するために、顕著により多くの加工、例えば、より多くの熱処理及び/又は冷間加工工程を要した。したがって、更なる熱処理(例えば、最終ストランド時効)を有する又は有さない本明細書に記載の方法を用いて、より少ない方法工程(例えば、より少ない冷間加工及び/又は熱処理工程)で、改善された疲労強度を、同等の又はより良好な極限引張強度及び降伏強度と合わせて達成することができる。したがって、方法工程を減らして、製造効率を改善できるだけでなく、同等の又は優れた強度特性も達成することができる。
比較例E
[0143]銅-ニッケル-スズ製品の追加の比較例Eを、比較例A~Cを調製したものと同様の方法を用いて調製した。したがって、銅-ニッケル-スズ合金製品を加工して、合計65%~70%のCRAを達成した。図6A及び6Bは、加工した銅-ニッケル-スズ合金製品の比較例Eの微細構造を示す。図6Aは縦方向における微細構造を示し、図6Bは横方向における微細構造を示す。図6A及び6Bに示すように、縦方向及び横方向の両方における粒は、合計で70%近くのCRAでも、粗く、平坦でなかった。粒は、縦方向で6:1~8:1の範囲のアスペクト比、及び横方向で約2:1のアスペクト比を実証した。一部の残留粒は、横方向で、1:1近くのアスペクト比又は等軸粒状構造を更に維持していた。更に、かなりの数の粒は依然として、横方向で45°近くの配向角を維持していながら、一部の粒(又は粒界)は、縦方向で30°~45°の配向角を有していた。
[0144]図2A~2D及び図5B~5Gに示す粒状構造と、図6A及び6Bに示す粒状構造(比較用)とを比較することによって、本明細書に記載の方法を用いて製造された銅-ベリリウム合金製品(図2A~2D及び図5B~5G)が、銅-ニッケル-スズ合金製品(図6A及び6B)と比較したとき、非常に異なる粒状構造を実証することが分かる。非常の高いCRAパーセンテージ(例えば、約70%)でも、同様のCRAパーセンテージで銅-ベリリウム合金製品中において得られる伸長且つ平坦な粒状構造は、銅-ニッケル-スズ合金製品中で得ることができない。
[0145]銅-ベリリウムの伸長且つ平坦な粒は、銅-ベリリウム合金製品が優れた強度特性を達成することを可能にしたと想定され、これは、等軸、非伸長、且つ/又は粗い粒を有する銅-ニッケル-スズ合金製品では達成できなかったものである。銅-ニッケル-スズ合金製品中の粒状構造の残りの高い配向角(例えば、45°近く)は、疲労亀裂発生のための滑りやすい面を不利益にもたらしたのに対し、図2C及び2D、図5E~5G、及び表7、実施例11~13に示すものなど、銅-ベリリウム合金では、これらの製品を、高いCRAパーセンテージまで冷間加工したとき、粒配向角は0°近くだった。
実施形態
[0146]以下の実施形態が企図される。全ての特徴及び実施形態の組合せが企図される。
[0147]実施形態1:銅-ベリリウム合金製品を製造するための方法であって、0.15wt%~4.0wt%のベリリウムを有し、粒及び初期断面積を有するベース合金を調製する工程と、ベース合金を、初期断面積に対して40%超の面積冷間縮小(CRA)のパーセンテージまで冷間加工する工程と、冷間加工した合金を熱処理して、銅-ベリリウム合金製品を製造する工程と、を含み、銅-ベリリウム合金製品の粒状構造が、冷間加工の方向に沿って見たとき、冷間加工面に対して45°未満の配向角を有し、銅-ベリリウム合金製品が、10試験サイクル後に、少なくとも385MPaの疲労強度を実証する、方法。
[0148]実施形態2:ベース合金が、70%~80%の範囲のCRAパーセンテージまで冷間加工される、実施形態1に記載の実施形態。
[0149]実施形態3:冷間加工した合金の熱処理を、316℃~371℃(600°F~700°F)の温度で1分~5分間実施する、実施形態1又は2に記載の実施形態。
[0150]実施形態4:ベース合金の調製が、合金シートを0.0254cm(0.01インチ)未満の厚さまで予備冷間加工することを含む、実施形態1~3のいずれかに記載の実施形態。
[0151]実施形態5:ベース合金の調製が、予備冷間加工した合金を熱処理して、ベース合金を製造することを更に含む、実施形態1~4のいずれかに記載の実施形態。
[0152]実施形態6:予備冷間加工した合金の熱処理が、溶体化焼鈍及び時効を含む、実施形態1~5のいずれかに記載の実施形態。
[0153]実施形態7:溶体化焼鈍が、732℃~788℃(1350°F~1450°F)の温度で0.5分~5分間実施する、実施形態1~6のいずれかに記載の実施形態。
[0154]実施形態8:時効が、232℃~343℃(450°F~650°F)の温度で2時間~4時間実施される、実施形態1~7のいずれかに記載の実施形態。
[0155]実施形態9:銅-ベリリウム合金製品が、冷間加工の方向に沿って少なくとも200ksiの極限引張強度を実証する、実施形態1~8のいずれかに記載の実施形態。
[0156]実施形態10:冷間加工の方向に対して横方向で測定した場合の銅-ベリリウム合金製品の極限引張強度が、冷間加工の方向で測定した場合の極限引張強度より5%~10%大きい、実施形態1~9のいずれかに記載の実施形態。
[0157]実施形態11:銅-ベリリウム合金製品が、冷間加工の方向に沿って少なくとも200ksiの0.2%オフセット降伏強度を実証する、実施形態1~10のいずれかに記載の実施形態。
[0158]実施形態12:冷間加工の方向に対して横方向で測定した場合の銅-ベリリウム合金製品の0.2%オフセット降伏強度が、冷間加工の方向で測定した場合の0.2%オフセット降伏強度より5%~10%大きい、実施形態1~11のいずれかに記載の実施形態。
[0159]実施形態13:冷間加工した合金の極限引張強度が、ベース合金の極限引張強度より10%~30%大きい、実施形態1~12のいずれかに記載の実施形態。
[0160]実施形態14:銅-ベリリウム合金製品の極限引張強度が、ベース合金の極限引張強度より15%~50%大きい、実施形態1~13のいずれかに記載の実施形態。
[0161]実施形態15:冷間加工した合金製品の0.2%オフセット降伏強度が、ベース合金の0.2%オフセット降伏強度より20%~40%大きい実施形態1~14のいずれかに記載の実施形態。
[0162]実施形態16:銅-ベリリウム合金製品の0.2%オフセット降伏強度が、ベース合金の0.2%オフセット降伏強度より25%~70%大きい、実施形態1~15のいずれかに記載の実施形態。
[0163]実施形態17:銅-ベリリウム合金製品の粒が、冷間加工の方向で伸長される、実施形態1~16のいずれかに記載の実施形態。
[0164]実施形態18:銅-ベリリウム合金製品の粒が、1:1超の長さと厚さとのアスペクト比を有する、実施形態1~17のいずれかに記載の実施形態。
[0165]実施形態19:銅-ベリリウム合金製品の粒状構造の配向角が、15°未満である、実施形態1~18のいずれかに記載の実施形態。
[0166]実施形態20:銅-ベリリウム合金製品中の疲労発生部位の量が、ベース合金中の疲労発生部位の量より1%~35%少ない、実施形態1~19のいずれかに記載の実施形態。
[0167]実施形態21:0.5~4.0wt%のベリリウム及び銅を含み、粒を有する銅-ベリリウム合金製品であって、銅-ベリリウム合金製品の粒が、共通の方向において全体的に伸長であり、粒状構造が、粒の伸長方向に沿って見たときに45°未満の配向角を有し、10試験サイクル後に少なくとも385MPaの疲労強度を有する、銅-ベリリウム合金製品。
[0168]実施形態22:粒が、1;1~9:1の範囲の長さと厚さとのアスペクト比を有する、実施形態21に記載の実施形態。
[0169]実施形態23:粒状構造の配向角が、15°未満である、実施形態21又は22に記載の実施形態。
[0170]実施形態24:銅-ベリリウム合金製品が、粒の伸長方向に沿って少なくとも200ksiの極限引張強度を有する、実施形態21~23のいずれかに記載の実施形態。
[0171]実施形態25:銅-ベリリウム合金製品が、粒の伸長方向に対して横方向で少なくとも200ksiの極限引張強度を有する、実施形態21~24のいずれかに記載の実施形態。
[0172]実施形態26:粒の伸長方向に対して横方向の極限引張強度が、粒の伸長方向の極限引張強度より5%~10%大きい、実施形態21~25のいずれかに記載の実施形態。
[0173]実施形態27:銅-ベリリウム合金製品が、粒の伸長方向に沿って少なくとも200ksiの0.2%オフセット降伏強度を有する、実施形態21~26のいずれかに記載の実施形態。
[0174]実施形態28:銅-ベリリウム合金製品が、粒の伸長方向に対して横方向に少なくとも200ksiの0.2%オフセット降伏強度を有する、実施形態21~27のいずれかに記載の実施形態。
[0175]実施形態29:粒の伸長方向に対して横方向における0.2%オフセット降伏強度が、粒の伸長方向における0.2%オフセット降伏強度より5%~10%大きい、実施形態21~28のいずれかに記載の実施形態。
[0176]実施形態30:冷間加工されて、ベース合金の初期断面積に対して40%超の面積冷間縮小(CRA)パーセンテージが達成された、実施形態21~29のいずれかに記載の実施形態。
[0177]実施形態31:冷間加工されて、ベース合金の初期断面積に対して70%~80%の面積冷間縮小(CRA)パーセンテージが達成された、実施形態21~30のいずれかに記載の実施形態。
[0178]実施形態32:銅-ベリリウム合金製品が、0.2wt%未満のチタンを含む、実施形態21~31のいずれかに記載の実施形態。
[0179]実施形態33:銅-ベリリウム合金製品が、0.2wt%未満のスズを含む、実施形態21~32のいずれかに記載の実施形態。
[0180]実施形態34:銅-ベリリウム合金製品が、1.8~2.0%のベリリウムを含む、実施形態21~33のいずれかに記載の実施形態。
[0181]本発明を詳細に記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲内における変更は、当業者にとって容易に理解されよう。前述の考察を考慮して、当該技術分野の関連知識及び参考文献(これらの開示内容は、参照により本明細書中に全て組み込まれる)を、背景技術及び発明を実施するための形態に関連して上述した。加えて、本発明の態様並びに様々な実施形態の一部並びに下記の及び/又は添付の特許請求の範囲における様々な特徴は、全体的に又は部分的に組み合わせてもよく、又は入れ替えてもよい。様々な実施形態の前述の説明の中で、当業者が理解するように、別の実施形態を指す実施形態を、適切に、他の実施形態と組み合わせてもよい。更に、当業者は、前述の説明が例に過ぎず、制限をかけることを意図しないことを理解するであろう。

Claims (20)

  1. 銅-ベリリウム合金製品を製造するための方法であって、
    0.15wt%~4.0wt%のベリリウムを有し、粒及び初期断面積を有するベース合金を調製する工程と、
    前記ベース合金を、前記初期断面積に対して40%超の面積冷間縮小(CRA)のパーセンテージまで冷間加工する工程と、
    冷間加工した合金を熱処理して、前記銅-ベリリウム合金製品を製造する工程と、を含み、
    前記銅-ベリリウム合金製品の粒状構造が、冷間加工の方向に沿って見たとき、冷間加工面に対して45°未満の配向角を有し、
    前記銅-ベリリウム合金製品が、10試験サイクル後に、少なくとも385MPaの疲労強度を実証する、方法。
  2. 前記ベース合金が、70%~80%の範囲のCRAパーセンテージまで冷間加工される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記冷間加工した合金の熱処理が、316℃~371℃(600°F~700°F)の温度で1分~5分間実施される請求項1に記載の方法。
  4. 前記ベース合金の調製が、合金シートを、0.0254cm(0.01インチ)未満の厚さまで予備冷間加工することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ベース合金の調製が、予備冷間加工した合金を熱処理して前記ベース合金を製造することを更に含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記予備冷間加工した合金の熱処理が、溶体化焼鈍及び時効を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記溶体化焼鈍が、732℃~788℃(1350°F~1450°F)の温度で0.5分~5分間実施される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記時効が、232℃~343℃(450°F~650°F)の温度で2時間~4時間実施される、請求項6に記載の方法。
  9. 前記銅-ベリリウム合金製品が、冷間加工の方向に沿って少なくとも200ksiの極限引張強度を実証する、請求項1に記載の方法。
  10. 冷間加工の方向に対して横方向で測定した場合の前記銅-ベリリウム合金製品の極限引張強度が、冷間加工の方向で測定した場合の極限引張強度より5%~10%大きい、請求項1に記載の方法。
  11. 前記銅-ベリリウム合金製品が、冷間加工の方向に沿って少なくとも200ksiの0.2%オフセット降伏強度を実証する、請求項1に記載の方法。
  12. 冷間加工の方向に対して横方向で測定した場合の前記銅-ベリリウム合金製品の0.2%オフセット降伏強度が、冷間加工の方向で測定した場合の0.2%オフセット降伏強度より5%~10%大きい、請求項1に記載の方法。
  13. 前記銅-ベリリウム合金製品の粒が、冷間加工の方向に伸長又は平坦にされる、請求項1に記載の方法。
  14. 前記銅-ベリリウム合金製品の粒状構造の配向角が、15°未満である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記銅-ベリリウム合金製品中の疲労発生部位の量が、前記ベース合金中の疲労発生部位の量より1%~35%少ない、請求項1に記載の方法。
  16. 銅-ベリリウム合金製品であって、
    0.15~4.0wt%のベリリウム、及び
    銅を含み、
    粒を有し、
    前記銅-ベリリウム合金製品の粒が、共通の方向において全体的に伸長又は平坦であり、粒状構造が、粒の伸長方向に沿って見たときに45°未満の配向角を有し、
    前記銅-ベリリウム合金製品が、10試験サイクル後に少なくとも385MPaの疲労強度を有する、銅-ベリリウム合金製品。
  17. 前記粒状構造の配向角が15°未満である、請求項16に記載の銅-ベリリウム合金製品。
  18. 粒の伸長方向に対して横方向における極限引張強度が、粒の伸長方向における極限引張強度より5%~10%大きく、且つ/又は粒の伸長方向に対して横方向における0.2%オフセット降伏強度が、粒の伸長方向における0.2%オフセット降伏強度より5%~10%大きい、請求項16に記載の銅-ベリリウム合金製品。
  19. 冷間加工されて、ベース合金の初期断面積に対して40%超の面積冷間縮小(CRA)パーセンテージが達成された、請求項16に記載の銅-ベリリウム合金製品。
  20. 冷間加工されて、ベース合金の初期断面積に対して70%~80%の面積冷間縮小(CRA)パーセンテージが達成された、請求項16に記載の銅-ベリリウム合金製品。
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