JP6154996B2 - 高強度銅合金材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
コネクタのばね接点部では、薄い板材(ばね材)を撓ませて、その反力で電気的接続に必要な接触圧を得ている。しかし、板材の厚さがより薄くなると同じ接触圧を得るためには撓み量を大きくする必要があり、そのため、板材が弾性限度を超えて塑性変形してしまうことがある。こうして、板材には弾性限度の一層の向上が要求されることになる。
さらに、上記銅合金材料を端子材等にプレス加工しようとする場合に次のような問題を生ずる。NiおよびSiの高濃度に起因して、Ni−Si系化合物(析出物)の粒子の大きさと分布が変動しやすいためか、銅合金材料の強度が、全体に均一でなく不均一になりやすく、局部的に強度に強弱ができる。すなわち、局所的に強度の高低ができ、端子材に加工するときに局所的な強度の変動が顕在化する。この、局所的な強度変動はプレス加工時にプレス精度の低下や、成型した端子のばね力の均一度を大きく損なう等の問題を生じる。そのため、薄化、小型化した端子材やリードフレーム材に根本的に要求される、機能の高度の信頼性を損なう恐れがあり、重要な解決すべき課題となる。
本発明はこれらの従来の銅合金材の問題を解決した銅合金材およびその製造方法を提供することを課題とする。
<1>Niを5.2〜8.0質量%、Siを1.0〜2.3質量%、並びにTi0.2質量%以下、Fe0.3質量%以下、Cr0.3質量%以下、Co0.1質量%以下、Zr0.05質量%以下、およびHf0.05質量%以下からなる群(A)より選択される1種または2種以上を合計で0.05〜2.0質量%、および/または、Mg0.2質量%以下、Mn0.3質量%以下、Ag0.15質量%以下からなる群(B)より選択される1種または2種以上を合計で0.05〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金材であって、
母相の結晶粒界に存在する粒径0.050〜3μmの粒子の数をNMO、前記母相の結晶粒内に存在する粒径0.050〜3μmの粒子の数をNMIとしたとき、
NMOが、5.0×103〜3.0×106個/mm2、NMIとNMOの比NMI/NMOが、1/10〜1/2であることを特徴とする銅合金材。
<2>前記銅合金材に対し、Sn0.4質量%以下および/またはZn0.3質量%以下を合計で、0.05〜0.8質量%さらに含有することを特徴とする<1>に記載の銅合金材。
<3>Niを5.2〜8.0質量%、Siを1.0〜2.3質量%、並びにTi0.2質量%以下、Fe0.3質量%以下、Cr0.3質量%以下、Co0.1質量%以下、Zr0.05質量%以下、およびHf0.05質量%以下からなる群(A)より選択される1種または2種以上を合計で0.05〜2.0質量%、および/または、Mg0.2質量%以下、Mn0.3質量%以下、Ag0.15質量%以下からなる群(B)より選択される1種または2種以上を合計で0.05〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなり、母相の結晶粒界に存在する粒径0.050〜3μmの粒子の数をNMO、前記母相の結晶粒内に存在する粒径0.050〜3μmの粒子の数をNMIとしたとき、NMOが、5.0×103〜3.0×106個/mm2、NMIとNMOの比NMI/NMOが、1/10〜1/2である銅合金材の製造方法であって、
(a)前記銅合金材の合金組成を有した銅合金を溶解し、鋳造する溶解・鋳造工程、
(b)この鋳塊を1000〜1055℃の温度にて30分〜1時間加熱保持した後、1000℃未満の温度に一旦冷却し、800℃以上1000℃未満で1〜4時間保持する均質化処理工程、
(c)熱間加工処理し、600℃以下に冷却する熱間加工工程、
(d)冷間加工する工程、
(e)930〜1055℃で5秒〜2分の保持する熱処理をした後、2段目の熱処理を850℃超930℃未満で5秒〜20分保持し、急速に冷却する溶体化処理工程、
(f)350〜600℃で30分〜12時間加熱処理する時効処理工程、
(g)300〜550℃で5秒〜10分焼鈍する低温焼鈍工程、
をこの順で行うことを特徴とする銅合金材の製造方法。
<4>前記(a)の工程において、前記銅合金材の合金組成に対し、Sn0.4質量%以下および/またはZn0.3質量%以下を合計で、0.05〜0.8質量%さらに含有する銅合金を溶解し、鋳造する溶解・鋳造工程を行うことを特徴とする<3>に記載の銅合金材の製造方法。
本発明において、粒子の粒径とは圧延面をフィールドエミッション電子銃を搭載した走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した場合に得られた粒子の断面積を粒子の観察視野からの断面積を画像解析より算出して、円相当径として算出したものと定義する。本発明において銅合金材とは、その形状を制限するものではなく、板、条などを包含する意味である。
本発明の銅合金の合金元素について説明する。
本発明において、Niの含有量を5.2〜8.0質量%、Siの含有量を1.0〜2.3質量%に規定する。いずれの含有量おいても、下限値未満ではJIS C 1720と同等以上の強度が得られず、何れかが上限値を超えると鋳造時で形成される晶出物が多くなり、熱間圧延前の均質化処理により未固溶の化合物が多くなり、熱間加工性が劣る。また、添加量を増してもそれに見合う強度が得られない。強度向上の点からは望ましい含有量はNiが5.4〜6.5質量%、Si含有量が1.1〜2.0質量%である。
Mgは、銅合金の母相に固溶する形態で存在し、粒界反応型析出の形成を抑制すると共に、耐応力緩和特性の改善効果がある。ただし、添加量により導電率を低下させることがある。Mgの添加量は0.05〜1.0質量%である。0.05質量%未満ではその改善効果が期待できず、1.0質量%を超えて添加した場合は導電率を著しく低下させる。Mg、MnおよびAgを併せて、総量で1.0質量%未満に制限する。
Snは、母相に固溶する形態で存在し、粒界反応型析出の形成を抑制すると共に、耐応力緩和特性を改善する。ただし、添加量により導電率の低下、また特に熱間加工性の低下を引起すので、改善効果に見合うだけの添加量を考慮し添加しても良い。Ni−Si系の化合物で十分に目的の耐応力緩和特性が満たせるのであれば、添加しなくてもよい。Snの添加量が0.05質量%未満ではその改善効果が弱く、0.8質量%を越えて添加した場合は熱間加工性を著しく低下させる。
銅合金中の化合物はサイズの違いにて、強度を向上させる、粒径0.01μm以上0.05μm未満の小粒子、強度にはあまり寄与しないが結晶粒微細化に寄与する粒径0.05μm以上3μm未満の中粒子、強度特性に寄与せずにめっき性等の特性に悪影響及ぼす粒径3μm以上の大粒子にて分類できる。
本発明の銅合金は、例えば、上記の成分組成の鋳塊を鋳造後、均質化処理、熱間加工(熱間圧延など)、冷間加工(冷間圧延など)、溶体化熱処理、時効熱処理、仕上げ冷間圧延、低温焼鈍等の一般的な銅合金材の製造工程を適宜に組み合わせて製造することが可能である。ただし、各工程において、以下に述べるように焼鈍条件で厳密な制御を実施することで初めて、上述の組織形態を達成し良好な特性を具備した銅合金を製造することができる。
均質化処理工程は、各粒子の制御をする熱処理の1つめのポイントとなる。まず、約1000℃以上1055℃以下の温度にて30分以上1時間以下の保持を実施した後、1000℃未満の温度に一旦冷却してから800以上1000℃未満で1時間超4時間以下の温度に保持する2段階の均質化処理を行う。2段階の均質化処理の1段目と2段目および熱間加工は連続で実施できる。1段目において1000〜1055℃の温度での保持をしないと、鋳塊時の偏析や、晶出で形成した大粒子が固溶されずに残存するため、後の工程での中粒子の制御が困難になる。1段目の温度が1055℃を超えると、粒界から溶融が開始するため、偏析が助長されてしまう。2段目の1000℃未満の温度に一旦冷却してからの熱処理は、800℃以上1000℃未満で1時間を越えて4時間以内の保持を実施することにより、粒界の中粒子の制御を行う。温度が800℃を下回ると、後に制御しきれない中粒子が残存してしまう。1000℃以上で、熱間加工を実施すると粒界が脆化しており、熱間加工割れを引起す。保持時間は、この温度域で長時間の実施ほど、粒界上の粒子の形成量が多くなる傾向にあるが、4時間を越えると粒子の形成量が多すぎ強度低下をもたらす。
表1に示す本発明規定の銅合金(本発明例1−21)組成になるよう、所定の原料を高周波溶解炉にて溶解後、1300℃にて5分間保持した。次いで、0.1〜100℃/秒の冷却速度で鋳造して室温まで冷却し、鋳塊を得た。これを1035℃×1時間の保持後、860℃まで冷却して2時間の保持を実施した後、連続で熱間圧延により板厚t=12mmの熱間圧延板を作製した。この熱間圧延は、600℃以上で完了して、速やかに水冷を行った。この両面を各1mm面削してt=10mmとし、次いで冷間圧延によりt=0.214mmに仕上げた。この板材を990℃にて30秒間保持した後、速やかに880℃に60秒間保持して、冷却速度100℃/秒以上で水冷を実施した。次いで、全ての合金は時効熱処理を450〜500℃にて2時間実施した後、加工率30%で冷間圧延を行ってt=0.15mmの板を得た。その後400℃にて15秒間の熱処理を実施して速やかに水冷して供試材とした。この供試材について以下の特性評価を行った。また、表1に示す比較例の銅合金(比較例1〜7)も、所定の原料を高周波溶解炉にて溶解後、1300℃にて5分間保持を実施した。得られた鋳塊を上述の本発明例1〜21と同様の工程にて製造し、比較供試材として以下の特性評価を行った。ただし、比較例3および5の材料に関しては、熱間圧延時に割れが発生したため、次工程以降の製造および評価は不可であった。
a.導電率:
20℃(±0.5℃)に保たれた恒温漕中で四端子法により比抵抗を計測して導電率を算出した。なお、端子間距離は100mmとした。
圧延平行方向から切り出したJIS Z 2201−13B号の試験片をJIS Z 2241に準じて3本測定しその平均値を示した。
母相の結晶粒界上および結晶粒内の粒子数は、めっき性を評価するために、めっきを施す圧延面にて実施するのがよい。バフ研磨にて鏡面仕上げの後、電解研磨にて表層を研磨して圧延面を観察した。観察には、フィールドエミッション電子銃を搭載した走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を使用した。観察倍率は化合物の大きさが0.05μm以上0.1μm未満の場合は10万倍、0.1〜3μmの場合には3万倍にて観察が可能である。各試料につき粒界を含む視野を10視野、粒内の視野を10視野観察して、サイズが0.05〜3μmの粒界上および粒内の化合物粒子数を数え、平均として観察視野面積で除した粒子密度として算出した。この際に分類した粒子径は、粒子の観察視野からの断面積を画像解析より算出して、円相当径として算出した。
局所強度変動は得られた材料の任意の10箇所より、20mm×20mmのサイズをサンプリングして、そのサンプリング板にて圧延面10点のマイクロビッカース硬さを測定して評価した。1材料につき100点の硬さの標準偏差σが4Hv以内で変動が少ないものを「○」、4Hvを超えて大きく変動が大きいものを「×」として評価した。硬さの変動は強度の変動に相関する。
試験結果を表1に示した。
比較例1ではNiの量が規定量よりも下回ったため強度が出なかった。比較例2ではSiの量が規定量よりも下回ったため強度が出なかった。比較例3ではNiおよびSiがともに規定量を超えたため、熱間圧延で割れが発生した。比較例4では、副成分の添加元素を含まないため、時効過程において粒界反応型析出によるノジュール領域が広がり、粒子状の化合物が断定できず、また、強度が低下した。比較例5は添加元素にPを含有したため、熱間圧延で割れが発生した。比較例6および7では各々ZnとSnが規定量を超えて含有したため、導電率が低下した。
Niを5.8質量%、Siを1.32質量%、Crを0.3質量%含有し、残部がCuである銅合金を不純物の混入をなるべく少なくするように、原料を高周波溶解炉にて溶解後、1300℃にて5分間保持を実施した。これを0.1〜100℃/秒の冷却速度で鋳造して鋳塊を得た。これら成分を共通として、次工程の製造条件を変化させることで、粒界上および粒内の粒子を制御した。
その実験条件を表2に示した。
発明例2−1は表1の発明例1と同じものである。
発明例2−2は鋳塊を1035℃×1時間の保持後、820℃まで冷却して2時間の保持を実施した。それ以外の工程は発明例2−1と同様である。
発明例2−3は、鋳塊を1035℃×1時間の保持後、800℃まで冷却して3時間の保持を実施した。連続して熱延は、600℃以上で完了して、速やかに水冷を行った。その両面を各1mm面削してt=10mmとし、次いで冷間圧延によりt=0.214mmに仕上げた。その板材を990℃にて30秒間保持した後、速やかに855℃にて15秒間保持して、冷却速度100℃/秒以上で水冷を実施した。それ以外の工程は発明例2−1と同様である。
発明例2−4は、鋳塊を1035℃×1時間の保持後、830℃まで冷却して2時間の保持を実施した。連続して熱延は、600℃以上で完了して、速やかに水冷を行った。その両面を各1mm面削してt=10mmとし、次いで冷間圧延によりt=0.214mmに仕上げた。その板材を990℃にて30秒間保持した後、速やかに880℃にて120秒間保持して、冷却速度100℃/秒以上で水冷を実施した。それ以外の工程は発明例2−1と同様である。
発明例2−5は、鋳塊を1035℃×1時間の保持後、900℃まで冷却して4時間の保持を実施した。連続して熱延は、600℃以上で完了して、速やかに水冷を行った。その両面を各1mm面削してt=10mmとし、次いで冷間圧延によりt=0.214mmに仕上げた。その板材を990℃にて30秒間保持した後、速やかに895にて10分間保持して、冷却速度100℃/秒以上で水冷を実施した。それ以外の工程は発明例2−1と同様である。
比較例も鋳塊成分、および鋳造までの製造方法は共通である。比較例2−1は、得られた鋳塊を1060℃×1時間の保持後、そのまま熱間圧延を実施したが、割れが発生したので、次工程以降の製造および評価を中止した。
比較例2−2は、鋳塊を1035℃×1時間の保持後、995℃まで冷却して保持しないで、連続して熱間圧延を実施し600℃以上で完了して、速やかに水冷を行った。その両面を各1mm面削してt=10mmとし、次いで冷間圧延によりt=0.214mmに仕上げた。その板材を990℃にて30秒間保持した後、速やかに610℃にて40分間保持して、冷却速度100℃/秒以上で水冷を実施した。それ以外の工程は発明例2−1と同様である。
比較例2−3は鋳塊を1035℃×1時間の保持後、760℃まで冷却して2時間の保持を実施した。連続して熱延は、600℃以上で完了して、速やかに水冷を行った。その両面を各1mm面削してt=10mmとし、次いで冷間圧延によりt=0.214mmに仕上げた。その板材を990℃にて30秒間保持した後、速やかに670℃にて2分間保持して、冷却速度100℃/秒以上で水冷を実施した。それ以外の工程は発明例2−1と同様である。
比較例2−4は鋳塊を1035℃×1時間の保持後、900℃まで冷却して30分間の保持を実施した後、熱間圧延により板厚t=12mmの熱延板を作製した。熱延は、600℃以上で完了して、速やかに水冷を行った。その両面を各1mm面削してt=10mmとし、次いで冷間圧延によりt=0.214mmに仕上げた。これをその板材を1060℃にて30秒間保持した後、速やかに冷却速度100℃/秒以上で水冷を実施した。次いで、全ての合金は時効熱処理を450〜500℃にて2hr実施した後、冷間圧延を行ったところ、冷間圧延で割れが発生した。
比較例2−5は鋳塊を1035℃×1時間の保持後、900℃まで冷却して30分間の保持を実施した後、熱間圧延により板厚t=12mmの熱延板を作製した。熱延は、600℃以上で完了して、速やかに水冷を行った。その両面を各1mm面削してt=10mmとし、次いで冷間圧延によりt=0.214mmに仕上げた。これをその板材を830℃にて30秒間保持した後、速やかに冷却速度100℃/秒以上で水冷を実施した。それ以外の工程は発明例2−1と同様である。
比較例2−1では熱間圧延温度を1060℃で実施したため、熱間圧延割れが発生した。比較例2−2では、粒内と粒界の中粒子の数密度の比が規定よりも大きかったので局所的に強度が変動した。比較例2−3および2−5は中粒子の数密度および比が規定の値よりを外れているので、局所強度変動が発生したり、強度が足りなかった。比較例2−4は溶体化の最高到達温度が1060℃であったため、次々工程の冷間圧延にて割れが生じた。
Claims (4)
- Niを5.2〜8.0質量%、Siを1.0〜2.3質量%、並びにTi0.2質量%以下、Fe0.3質量%以下、Cr0.3質量%以下、Co0.1質量%以下、Zr0.05質量%以下、およびHf0.05質量%以下からなる群(A)より選択される1種または2種以上を合計で0.05〜2.0質量%、および/または、Mg0.2質量%以下、Mn0.3質量%以下、Ag0.15質量%以下からなる群(B)より選択される1種または2種以上を合計で0.05〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金材であって、
母相の結晶粒界に存在する粒径0.050〜3μmの粒子の数をNMO、前記母相の結晶粒内に存在する粒径0.050〜3μmの粒子の数をNMIとしたとき、
NMOが、5.0×103〜3.0×106個/mm2、NMIとNMOの比NMI/NMOが、1/10〜1/2であることを特徴とする銅合金材。 - 前記銅合金材に対し、Sn0.4質量%以下および/またはZn0.3質量%以下を合計で、0.05〜0.8質量%さらに含有することを特徴とする請求項1記載の銅合金材。
- Niを5.2〜8.0質量%、Siを1.0〜2.3質量%、並びにTi0.2質量%以下、Fe0.3質量%以下、Cr0.3質量%以下、Co0.1質量%以下、Zr0.05質量%以下、およびHf0.05質量%以下からなる群(A)より選択される1種または2種以上を合計で0.05〜2.0質量%、および/または、Mg0.2質量%以下、Mn0.3質量%以下、Ag0.15質量%以下からなる群(B)より選択される1種または2種以上を合計で0.05〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなり、母相の結晶粒界に存在する粒径0.050〜3μmの粒子の数をNMO、前記母相の結晶粒内に存在する粒径0.050〜3μmの粒子の数をNMIとしたとき、NMOが、5.0×103〜3.0×106個/mm2、NMIとNMOの比NMI/NMOが、1/10〜1/2である銅合金材の製造方法であって、
(a)前記銅合金材の合金組成を有した銅合金を溶解し、鋳造する溶解・鋳造工程、
(b)この鋳塊を1000〜1055℃の温度にて30分〜1時間加熱保持した後、1000℃未満の温度に一旦冷却し、800℃以上1000℃未満で1〜4時間保持する均質化処理工程、
(c)熱間加工処理し、600℃以下に冷却する熱間加工工程、
(d)冷間加工する工程、
(e)930〜1055℃で5秒〜2分の保持する熱処理をした後、2段目の熱処理を850℃超930℃未満で5秒〜20分保持し、急速に冷却する溶体化処理工程、
(f)350〜600℃で30分〜12時間加熱処理する時効処理工程、
(g)300〜550℃で5秒〜10分焼鈍する低温焼鈍工程、
をこの順で行うことを特徴とする銅合金材の製造方法。 - 前記(a)の工程において、前記銅合金材の合金組成に対し、Sn0.4質量%以下および/またはZn0.3質量%以下を合計で、0.05〜0.8質量%さらに含有する銅合金を溶解し、鋳造する溶解・鋳造工程を行うことを特徴とする請求項3に記載の銅合金材の製造方法。
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