JP2005017284A - 金属材料の曲げ加工性とばね性の評価方法及び金属材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 りん青銅、チタン銅合金、コルソン合金について、曲げ加工性やコネクタ端子に加工した際のコンタクト部の接圧に対して、相関の強い材料特性を見出す。
【解決手段】 圧延平行方向の圧縮耐力と引張耐力との差及び圧延直角方向の圧縮耐力と引張耐力との差に基づいた金属材料の曲げ加工性とばね性の評価方法である。
【選択図】 図2

Description

コネクタ端子等電子部品用にプレス加工される金属材料の曲げ加工性とばね性を評価する方法、及びそれを基にして製造された金属材料に関する。
各種銅合金は、機械的強度、導電性、曲げ加工性のバランスについて特徴を有している。
りん青銅は、優れた曲げ加工性と機械的強度を有し、チタン銅は、特に機械的強度に優れ、また、コルソン合金は、機械的強度、導電性、曲げ加工性のバランスに優れており、それぞれ、必要な特性に合致した範囲で、電子部品の分野において、コネクタ端子の用途で広く用いられている。
一方、近年の電子機器の小型化、高密度化に伴って、電子部品の軽薄短小化が著しく進展しており、コネクタ端子の信頼性の観点からコンタクト部の接圧を十分に得ることが重要視されている。

特開2001−279347
こうした現状のなか、コネクタ端子用の材料を選択する際、材料の圧延方向に対して平行方向からサンプルを採取し引張試験を行ない、得られた材料特性である耐力、引張強さ、伸びが高い材料を選択することがある。例えば特開2001−279347では、曲げ加工性および耐熱性に優れた高強度銅合金を得る条件の一つを、圧延方向に対して平行方向から試験片を採取した引張試験により得られた耐力が480N/mm2以上としている。
特開2001−294957 特開2001−303158 特開2002−266042 平成12年度塑性加工春季講演会論文集(2000)P209−P210
特許文献2では、材料の圧延方向に対して平行方向のみでなく、直角方向の特性にも注目し、コストが安く、強度が高く、導電率に優れプレス性も良好なコネクタ用銅合金を得る条件の一つを、圧延方向に対して平行方向および直角方向から試験片を採取した引張試験により得られた0.2%耐力が600N/mm2以上、引張強さが650N/mm2以上としている。また特許文献3では、異方性が少なく曲げ加工性が優れた銅合金展伸材を得る条件の一つを時効処理後800N/mm2以上の引張強さを有し、圧延平行方向と圧延直角方向の引張強さの差で表される異方性が30N/mm2以下としている。さらに特許文献4では、曲げ加工性が優れた銅合金板を得る条件の一つを、圧延方向に対して平行および直角方向から試験片を採取した引張試験により得られた耐力が450N/mm2以上、耐力と引張強さの比が0.95以下としている。
以上、従来技術の例を示してきたが、いずれも材料の引張特性のみに注目していることが共通点である。
しかしながら材料をコネクタ端子に加工する際の曲げ加工部は、板厚方向に着目した場合、最表面に近い部分の一方の片側には引張変形が加わり、これとは反対の最表層には圧縮変形が加わっている。従って、材料に曲げ加工を加えた場合、曲げ部分には引張と圧縮両方の変形が起こっていることから、材料の引張特性のみでコネクタ端子への曲げ加工性やコンタクト部の接圧を正確に予測できているとは言えない。
このような状況のなかで、プレス加工、コンタクト部の接圧試験等により最適な材料と加工条件を決めようとすると、従来は多くの試行錯誤が必要であった。
従って本発明の目的は、機械的強度に優れた銅合金であるりん青銅、チタン銅、あるいはコルソン合金について、曲げ加工性やコネクタ端子に加工した際のコンタクト部の接圧と密接に相関を有する材料特性を明らかにしたうえで、金属材料の曲げ加工性とばね性の評価方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、曲げ加工性やコネクタ端子に加工した際のコンタクト部の接圧と密接に相関を有する材料特性を明らかにしたうえで、曲げ加工性やコネクタ端子に加工した際のコンタクト部の接圧安定性に優れたりん青銅、チタン銅、あるいはコルソン合金を提供することである。
本発明者等は既存のりん青銅、チタン合金、およびコルソン合金について、曲げ加工性やコネクタ端子に加工した際のコンタクト部の接圧に対して、従来より相関の強い材料特性がないか鋭意研究を行なった結果、材料の圧延方向に対して平行方向と直角方向の引張特性と圧縮特性が、コネクタ端子への曲げ加工性およびコンタクト部の接圧に大きな影響を与えることを見出した。これは、圧延平行方向の引張耐力と圧縮耐力の差、並びに圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力の差が一定範囲を超えた場合、コネクタ端子への曲げ加工時に“曲げ圧縮側で塑性変形が起こる”あるいは、“曲げ引張り側で割れが発生する”ため、曲げ部の内側曲げ半径が小さくなる、あるいはコンタクト部で所定の接圧が得られないという不具合が生じる。これらを防止するために、圧延平行方向の引張耐力と圧縮耐力の差、並びに圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力の差を一定範囲に抑えればよい。
こうした知見にもとづいて、発明者は次の発明を創造した。
(1)圧延平行方向の圧縮耐力と引張耐力との差及び圧延直角方向の圧縮耐力と引張耐力との差に基づいた金属材料の曲げ加工性とばね性の評価方法。
(2)Sn:3.5〜11.0質量%、P:0.03〜0.35質量%、残部がCuおよび不可避的不純物よりなり最終冷間圧延後、圧延平行方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が0〜200MPaであり且つ圧延直角方向の圧縮耐力と引張耐力との差が50MPa以下であることを特徴とする曲げ加工性に優れたりん青銅。
(3)Sn:3.5〜11.0質量%、P:0.03〜0.35質量%、残部がCuおよび不可避的不純物よりなり最終焼鈍後、圧延平行方向の圧縮耐力と引張耐力との差が50MPa以下であり且つ圧延直角方向の圧縮耐力と引張耐力との差が100MPa以下であることを特徴とするばね性に優れたりん青銅。
(4)Ti:2.0〜3.5質量%、残部がCuおよび不可避的不純物よりなり、最終焼鈍後、圧延平行方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値が50MPa以下であり且つ圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値が200MPa以下であることを特徴とするばね性に優れたチタン銅系銅合金。
(5)Ni:1.0〜4.0質量%、Si:0.30〜1.0質量%、残部がCuおよび不可避的不純物よりなり、最終焼鈍後、圧延平行方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値が250MPa以下であり且つ圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値が50MPa以下であることを特徴とするばね性に優れたコルソン系銅合金。
ここで、最終冷間圧延条件と最終焼鈍条件は、本発明を満たす引張耐力と圧縮耐力の範囲にするのであれば、任意に設定して構わない。
本発明は、りん青銅、チタン銅、あるいはコルソン合金において、コネクタ端子に用いるに好適な曲げ加工性とコンタクト部の接圧を得ることを目的として、その引張耐力と圧縮耐力を適正な範囲に定めたことが特徴である。また、この適正範囲は、銅合金の種類によって異なることを見出した。
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、従来に比べて曲げ加工性に優れた電子材料用りん青銅、電子材料用チタン銅合金、および電子材料用コルソン合金をコネクタ端子に加工することなく判定することができ、さらにコネクタ端子に加工した際、コンタクト部に安定した接圧を提供できる電子材料用りん青銅、電子材料用チタン銅合金、および電子材料用コルソン合金が得られる。
各種銅合金について、圧延平行方向の引張耐力と圧縮耐力の差、並びに圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力の差を一定範囲に抑える。各種銅合金での最適範囲は、上記値の測定結果とコネクタ加工時の曲げ加工性およびコネクタ加工後のコンタクト部の接圧を対比させることで判定した。
(りん青銅)
本発明に係るりん青銅についての限定理由は、以下の通りである。
(1)化学組成
JIS規格に準ずる。
(2)引張耐力と圧縮耐力の範囲について
a)最終冷間圧延後のりん青銅について
圧延材は、圧延方向の引張応力を含む変形応力により成形されるため、材料特性における圧延平行−直角方向の差が大きい。さらに材料特性における引張−圧縮の差も大きい。
最終冷間圧延後のりん青銅で圧延平行方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が200MPa以上、あるいは圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力の差が50MPaを超えると、コネクタ端子への曲げ加工の際、“曲げ圧縮側で塑性変形が起こる”または“曲げ引張側で割れが発生する”ため、曲げ部の内側曲げ半径が小さくなる、あるいはコンタクト部で所定の接圧が得られないという不具合が生じる。そこで、圧延平行方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差は0〜200MPaであり且つ圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力の差が50MPa以下とした。
b)最終焼鈍後のりん青銅について
最終焼鈍後のりん青銅で圧延平行方向の引張耐力と圧縮耐力との差が50MPa以上、あるいは圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力との差が100MPa以上では、コネクタ端子への曲げ加工の際、“曲げ圧縮側で塑性変形が起こる”または“曲げ引張側で割れが発生する”ため曲げ部の内側曲げ半径が小さくなる、あるいはコンタクト部で所定の接圧が得られないという不具合が生じる。そこで、圧延平行方向の引張耐力と圧縮耐力との差は50MPa以下であり且つ圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力との差が100MPa以下とした。
(チタン銅)
本発明係るチタン銅についての限定理由は、以下の通りである。
(1)化学組成
a)Ti濃度
TiにはCu−Ti合金を時効処理した際にスピノーダル分解を起こして母材中に濃度の変調構造を生成し、これにより非常に高い強度をもたらすが、その含有率が2.0%未満では所望の強化が期待できず、一方3.5%を越えてTiを含有させると粒界反応型の析出を起こし易くなって逆に強度低下を招いたり、加工性を劣化させたりする。よって、Ti含有量は2.0〜3.5質量%とした。
(2)引張耐力と圧縮耐力の範囲について
最終焼鈍後のチタン銅合金で圧延平行方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値が50MPa以上、あるいは圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値が200MPa以上では、コネクタ端子への曲げ加工の際、"曲げ圧縮側あるいは引張側で塑性変形が起こる"または"曲げ引張側で割れが発生する"ため曲げ部の内側曲げ半径が小さくなる、あるいはコンタクト部で所定の接圧が得られないという不具合が生じる。そこで、圧延平行方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値は50MPa以下であり且つ圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値が200MPa以下とした。
(コルソン合金)
本発明に係るコルソン合金についての限定理由は、以下の通りである。
(1)化学組成
a)Ni,Si濃度
NiおよびSiは、適当な時効処理を行うことによりNi2Si組成の析出物を形成し、合金の強度を著しく増加させる。従って,これらの元素の含有量が少なくなると,合金の強度が低下し,コネクタ用材料として十分な接圧が得られなくなる。よって,その下限値は,Niが1.0%,Siが0.3%とした。一方,これら元素の含有量が一定値を超えると,熱間加工性が悪くなるため,その上限値をNiが4.0%,Siが1.0%とした。
b)Mn濃度
Mnは溶湯内の酸素を除去し,溶湯品質を向上させると共に,合金に固溶することで,合金の強度を増加させる作用がある。ただし,固溶量増加と共に合金の導電率を下げるため,必要な特性に応じて添加することが可能である。含有量限定の理由は,0.03%未満では上記効果が少なく,0.5%を超えると,導電率の低下が顕著となるためである。
c)Mg濃度
Mgは高温時の延性の低下を低減し,鍛造性を向上させると共に,応力緩和特性を改善する効果があるため,必要に応じて添加することが可能である。含有量限定の理由は,0.03%未満では上記効果が少なく,0.3%を超えると効果が飽和するためである。
(2)引張耐力と圧縮耐力の範囲について
最終焼鈍後のコルソン合金で圧延平行方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値が250MPa以上、あるいは圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値が50MPa以上では、コネクタ端子への曲げ加工の際、“曲げ圧縮側で塑性変形が起こる”または“曲げ引張側で割れが発生する”ため曲げ部の内側曲げ半径が小さくなる、あるいはコンタクト部で所定の接圧が得られないという不具合が生じる。そこで、圧延平行方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値は250MPa以下であり且つ圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値が50MPa以下とした。
以下、本発明の種々の実施形態について説明する。
(引張耐力・圧縮耐力の評価)
引張耐力・圧縮耐力は、5号試験片(JIS Z 2201)を圧延方向に対して平行方向と直角方向から採取し、引張・圧縮試験を行ない評価した。図1は引張・圧縮試験の概要を示す説明図である。
くし歯状ダイス1、2は、部品2a、2b及び部品1a、1bとからなる。
部品2a、2bは、くし歯状部2g、2hを有し、互いに摺動可能に嵌合しており、引張・圧縮力の作用方向5へわずかに直線移動することができる。また、部品2a、2bには引張・圧縮力の作用方向5に直角方向へ突出するピン2c、2d、2e、2fを有している。
部品1a、1bは、くし歯状部1g、1hを有し、互い摺動可能に嵌合しており、引張・圧縮力の作用方向5へわずかに直線移動することができる。部品1a、1bには、それぞれ、係合孔1c、1d、1e、1fを有している。
部品2a、2bと部品1a、1bとの間にテフロン(登録商標)シート4bと引張試験片3とテフロン(登録商標)シート4aとを順に重ねたものを、はさみ、ピン2c、2d、2e、2fを、それぞれ、係合孔1c、1d、1e、1fに挿入して係合する。そして、組付け力6を作用させて部品2a、2bと部品1a、1bとを結合させる。
このような状態で油圧シリンダーに取り付けて、引張・圧縮試験を行った。
そして、下記に示す第1実施例から第3実施例の一連の加工処理及び熱処理を施すことにより得られた板材から各種試験片を採取し以下に示す評価を行なった。
(曲げ加工性の評価)
曲げ加工性の評価は、圧延方向に対して平行方向および直角方向から短冊状試験片を採取した後、曲げ半径/板厚=2の条件でW曲げ試験(JIS H 3130)を行ない、その曲げ部を光学顕微鏡観察することにより肌荒れの程度および割れの有無を調査して評価した。なお評価結果は、◎:非常に優れている(割れの発生なく、しかも表面の光沢あり)、○:優れている(割れの発生なし)、△:やや劣る(顕著な肌荒れが発生)、×:劣る(割れが発生)、で表示した。
(コンタクト部の接圧評価)
コンタクト部の接圧評価は、圧延方向に対して平行方向および直角方向から幅0.8mm×20mmの短冊状試験片を採取した後、図2に示す形状にプレス曲げ加工を行ない、図に示すコンタクト部7aを1.0mm押し下げた時の圧力で評価した。なお評価結果は、◎:非常に優れている(コンタクト部を1.0mm押し下げた時の圧力が55g以上)、○:優れている(コンタクト部を1.0mm押し下げた時の圧力が50g以上)、×:劣る(コンタクト部を1.0mm押し下げた時の圧力が50g未満)、で表示した。
第1実施例(りん青銅)
表1及び表2に示した組成のりん青銅を大気中にて木炭被覆し溶解後、鋳造し、幅100mm×厚さ40mm×長さ150mmの寸法の鋳塊を作製した。この鋳塊を75%N2+25%H2雰囲気中にて973K(700℃)で1時間均質化焼鈍した後、表面の錫偏析層をグラインダーで研摩除去した。その後、冷間圧延と焼鈍を必要に応じて数回繰り返し、最終冷間圧延後に0.2mm厚さの板材を得た。得られた板材の一部に対しては最後に歪取り焼鈍を行なった。表1が最終圧延後のりん青銅であり、表2が最終焼鈍後(歪取り焼鈍)のりん青銅である。
Figure 2005017284
Figure 2005017284
表1において、実施例No.1〜8は請求項2に記載の本発明に係る実施例のりん青銅であり、No.9〜11は比較例のりん青銅である。表2において、実施例No.12〜19は請求項3に記載の本発明に係る実施例のりん青銅であり、No.20〜22は比較例のりん青銅である。
実施例1〜8については、圧延平行方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が、それぞれ、127、108、115、153、134、117、135、122MPaであり、いずれも請求項2の本発明で限定している0〜200MPaの第1範囲に入っているとともに、圧延直角方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が、それぞれ、−16、−4、−16、−18、−30、−25、−16、−17MPaであり、いずれも請求項2の本発明で限定している−50〜0MPaの第2範囲に入っている。一方、比較例9、11については圧延平行方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が、それぞれ、217、206MPaであり、請求項2の本発明で限定している0〜200MPaの第1範囲から外れている。また、比較例No.10については、圧延直角方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が−70MPaであり、請求項2の本発明で限定している−50〜0MPaの第2範囲を外れている。実施例No.1〜8については、W曲げ試験の結果として、圧延平行方向、直角方向ともに◎:非常に優れている、あるいは○:優れているとの評価が得られており、曲げ加工性が良好であることを実験によって確認した。一方、比較例No.9〜11については、W曲げ試験の結果として、圧延平行方向あるいは直角方向のいずれかに関して顕著な肌荒れが確認されており、曲げ加工性が不良であることを実験によって確認した。
実施例No.12〜19については、圧延平行方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が、それぞれ、27、44、23、32、15、28、32、12MPaであり、いずれも請求項3の本発明で限定している0〜50MPaの第3範囲に入っているとともに、圧延直角方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が、それぞれ、−43、−82、−57、−60、−55、−72、−79、−48MPaであり、いずれも請求項3の本発明で限定している−100〜0MPaの第4範囲に入っている。一方、比較例No.20、22については、圧延平行方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が、それぞれ、75、79MPaであり、請求項3の本発明で限定している0〜50MPaの第3範囲から外れている。また、比較例No.21については、圧延直角方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が−110MPaであり、請求項3の本発明で限定している−100〜0MPaの第4範囲から外れている。実施例No.12〜19については、コンタクト部の接圧評価の結果として、圧延平行方向及び直角方向ともに、◎:非常に優れている、あるいは、○:優れているとの評価が得られており、ばね性に優れていることを実験によって確認した。一方、比較例No.20〜22については、コンタクト部の接圧評価の結果として、圧延平行方向あるいは直角方向のいずれかに関して、×:劣るとの評価が得られており、ばね性が劣っていることを実験によって確認した。
第2実施例(チタン銅合金)
次に、本発明の第2実施例について説明する。
表3に示した組成のチタン銅合金を真空溶解炉内で溶製、鋳造し、幅100mm×厚さ40mm×長さ150mmの寸法の鋳塊を作製した。この鋳塊を大気中にて850℃で1時間均質化焼鈍した後、熱間圧延を行う。熱間圧延中は2色式輻射温度計で材料表面温度を測定し、所定の温度になったところで水冷する。更に、1173K(900℃)で1時間溶体化処理をした後に、表面皮削りを行い、その後、冷間圧延と焼鈍を必要に応じて数回繰り返し、最終冷間圧延後に歪取り焼鈍を行い、0.2mm厚さの板材を得た。
Figure 2005017284
表3において、実施例No.31〜35は請求項4に記載の本発明に係る第2実施例のチタン銅合金であり、No.36〜39は比較例のチタン銅合金である。
実施例No.31〜35については、圧延平行方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が、それぞれ、−40、−48、−24、−14、−19MPaであり、いずれも絶対値としては、請求項4の本発明で限定している差が50MPa以下という範囲に入っているとともに、圧延直角方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が、それぞれ、−68、−94、−79、−69、−147MPaであり、いずれも絶対値としては、請求項4の本発明で限定している差が200MPa以下の範囲に入っている。
一方、比較例No.36については圧延平行方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が、−9MPa、圧延直角方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が、−54MPaであり、請求項4の本発明で限定している範囲であるが、Ti濃度が1.8%で請求項4の本発明で限定している2.0〜3.5%から外れており、十分な強度が得られないため、コンタクト部の接圧が不十分である。
また、比較例No.37については、圧延平行方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が−55MPaであり、絶対値の55MPaは、請求項4の本発明で限定している差が50MPa以下の範囲を外れているため、圧延平行方向の曲げ加工性が悪い。
比較例No.38については、圧延直角方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が−210MPaであり、絶対値の210MPaは請求項4の本発明で限定している200MPa以下の範囲を外れているため、圧延直角方向の曲げ加工性が悪い。
比較例No.39については、Ti濃度が3.8%で請求項4の本発明で限定している2.0〜3.5%から外れており、熱間加工性が悪く、評価できなかった。
第3実施例(コルソン合金)
次に、本発明の第3実施例について説明する。
高周波溶解炉にて表4の各組成のコルソン合金を溶製、鋳造し、幅100mm×厚さ40mm×長さ150mmの寸法の鋳塊を作製した。その後熱間圧延、冷間圧延、溶体化処理、冷間圧延、時効処理、最終の冷間圧延、歪取焼鈍を施した。具体的に溶体化処理温度は700℃から900℃の範囲で1分以上の保持を行い、その後直ちに水冷した。続いて種々の加工度で冷間圧延および、400〜600℃の範囲で時効処理を行ない,さらに最終の冷間圧延を施した後、歪取焼鈍を行い、0.2mm厚さの板材を得た。
Figure 2005017284
表4において、実施例No.41〜45は請求項5に記載の本発明に係る実施例のコルソン合金であり、No.46〜50は比較例のコルソン合金である。
実施例No.41〜45については、圧延平行方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が、それぞれ、138、157、197、236、238MPaであり、いずれも絶対値としては、請求項5の本発明で限定している差が250MPa以下という範囲に入っているとともに、圧延直角方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が、それぞれ、48、33、9、4、6MPaであり、いずれも絶対値としては、請求項5の本発明で限定している差が50MPa以下の範囲に入っている。
一方、比較例No.46についてはNi濃度が0.8%で,請求項5の本発明で限定している1.0〜4.0%から外れており,また,比較例No.47は,Si濃度が0.27%で,請求項5の本発明で限定している0.3〜1.0%から外れており,いずれも十分な強度が得られないため,コンタクト部の接圧が不十分である。
比較例No.48については、圧延直角方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差の絶対値が54MPaであり、請求項5の本発明で限定している50MPa以下の範囲を外れているため、圧延直角方向の曲げ加工性が悪い。
比較例49については、Si濃度が1.14%で,請求項5の本発明で限定している0.3〜1.0%から外れており、また,比較例50はNi濃度が4.2%で,請求項5の本発明で限定している0.3〜1.0%から外れており,いずれも熱間加工性が悪く,熱間圧延で割れが発生したため,評価することができなかった。
引張・圧縮試験の概要を示す説明図である。 コンタクト部の接圧評価の概要を示す図である。
符号の説明
1 くし歯状ダイス
1a 部品
1b 部品
1c 係合孔
1d 係合孔
1e 係合孔
1f 係合孔
1g くし歯状部
1h くし歯状部
2 くし歯状ダイス
2a 部品
2b 部品
2c ピン
2d ピン
2e ピン
2f ピン
2g くし歯状部
2h くし歯状部
3 引張試験片
4a テフロン(登録商標)シート
4b テフロン(登録商標)シート
5 引張・圧縮力の作用方向
6 組付け力
7a コンタクト部

Claims (5)

  1. 圧延平行方向の圧縮耐力と引張耐力との差及び圧延直角方向の圧縮耐力と引張耐力との差に基づいた金属材料の曲げ加工性とばね性の評価方法。
  2. Sn:3.5〜11.0質量%、P:0.03〜0.35質量%、残部がCuおよび不可避的不純物よりなり、最終冷間圧延後、圧延平行方向の引張耐力から圧縮耐力を引いた差が0〜200MPaであり且つ圧延直角方向の圧縮耐力と引張耐力との差が50MPa以下であることを特徴とする曲げ加工性に優れたりん青銅。
  3. Sn:3.5〜11.0質量%、P:0.03〜0.35質量%、残部がCuおよび不可避的不純物よりなり、最終焼鈍後、圧延平行方向の圧縮耐力と引張耐力との差が50MPa以下であり且つ圧延直角方向の圧縮耐力と引張耐力との差が100MPa以下であることを特徴とするばね性に優れたりん青銅。
  4. Ti:2.0〜3.5質量%、残部がCuおよび不可避的不純物よりなり、最終焼鈍後、圧延平行方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値が50MPa以下であり且つ圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値が200MPa以下であることを特徴とするばね性に優れたチタン銅系銅合金。
  5. Ni:1.0〜4.0質量%、Si:0.30〜1.0質量%、残部がCuおよび不可避的不純物よりなり、最終焼鈍後、圧延平行方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値が50MPa以下であり且つ圧延直角方向の引張耐力と圧縮耐力との差の絶対値が250MPa以下であることを特徴とするばね性に優れたコルソン系銅合金。
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