JP7195054B2 - 銅合金板材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
一般的な黄銅の溶製方法と同様の方法により、銅合金の原料を溶解した後、連続鋳造や半連続鋳造などにより鋳片を製造する。なお、原料を溶解する際の雰囲気は、大気雰囲気で十分である。
通常、Cu-Zn系銅合金の熱間圧延は、650℃以上または700℃以上の高温域で圧延し、圧延中および圧延パス間の再結晶により、鋳造組織の破壊および材料の軟化のために行われる。しかし、このような一般的な熱間圧延条件では、本発明による銅合金板材の実施の形態のように特異な集合組織を有する銅合金板材を製造することは困難である。すなわち、このような一般的な熱間圧延条件では、後工程の条件を広範囲に変化させても、銅合金板材の板面における{220}結晶面のX線回折強度をI{220}とし、{420}結晶面のX線回折強度をI{420}とすると、I{220}/I{420}≦2.0を満たす結晶配向を有する銅合金板材を製造するのが困難である。そのため、本発明による銅合金板材の製造方法の実施の形態では、熱間圧延工程において、650℃以下(好ましくは650℃~300℃)の温度における圧延パスの加工率を10%以上(好ましくは10~35%、さらに好ましくは10~20%)として、900℃~300℃において加工率90%以上の圧延を行う。なお、鋳片を熱間圧延する際に、再結晶が発生し易い600℃より高温域で最初の圧延パスを行うことによって、鋳造組織を破壊し、成分と組織の均一化を図ることができる。しかし、900℃を超える高温で圧延を行うと、合金成分の偏析部分など、融点が低下している部分で割れを生じるおそれがあるので好ましくない。
この冷間圧延工程では、加工率を50%以上にするのが好ましく、60%以上にするのがさらに好ましく、70%以上にするのが最も好ましい。
この中間焼鈍工程では、400~800℃(好ましくは400~700℃)で焼鈍を行う。また、この中間焼鈍工程では、焼鈍後の平均結晶粒径が20μm以下(好ましくは18μm以下、さらに好ましくは17μm以下)で3μm以上(好ましくは4μm以上)になるように400~800℃(好ましくは400~700℃、さらに好ましくは450~650℃)における保持時間および到達温度を設定して、熱処理を行うのが好ましい。なお、この焼鈍による再結晶粒の粒径は、焼鈍前の冷間圧延の加工率や化学組成によって変動するが、各々の合金について予め実験により焼鈍ヒートパターンと平均結晶粒径との関係を求めておけば、400~800℃で保持時間および到達温度を設定することができる。具体的には、本発明による銅合金板材の化学組成では、400~800℃で数秒~数時間保持する加熱条件において適正な条件を設定することができる。
仕上げ冷間圧延は、強度レベルを向上させるために行われる。仕上げ冷間圧延の加工率が低過ぎると強度が低いが、仕上げ冷間圧延の加工率の増大に伴って{220}を主方位成分とする圧延集合組織が発達していく。一方、仕上げ冷間圧延の加工率が高過ぎると、{220}方位の圧延集合組織が相対的に優勢になり過ぎて、強度と曲げ加工性の両方を向上させた結晶配向を実現することができない。そのため、仕上げ冷間圧延は、加工率30%以下で圧延する必要があり、加工率5~29%で圧延するのがさらに好ましく、加工率10~28%で圧延するのが最も好ましい。このような仕上げ冷間圧延を行うことによって、I{220}/I{420}≦2.0を満たす結晶配向を維持することができる。なお、最終的な板厚は、0.02~1.0mm程度にするのが好ましく、0.05~0.5mmにするのがさらに好ましく、0.05~0.3mmにするのが最も好ましい。
仕上げ冷間圧延後には、銅合金板材の残留応力の低減による耐応力腐食割れ特性や曲げ加工性を向上させ、空孔やすべり面上の転位の低減による耐応力緩和特性を向上させるために、低温焼鈍を行ってもよい。特に、Cu-Zn系銅合金の場合、450℃以下の温度で低温焼鈍を行う必要があり、好ましくは150~400℃(さらに好ましくは300~400℃)の加熱温度(好ましくは中間焼鈍工程における焼鈍温度より低い温度)で低温焼鈍を行う。この低温焼鈍により、強度、耐応力腐食割れ特性、曲げ加工性および耐応力緩和特性を同時に向上させることができ、また、導電率を上昇させることができる。この加熱温度が高過ぎると、短時間で軟化し、バッチ式でも連続式でも特性のバラツキが生じ易くなる。一方、加熱温度が低過ぎると、上記の特性を向上させる効果を十分に得ることができない。また、この加熱温度における保持時間は、5秒間以上であるのが好ましく、通常1時間以内で良好な結果を得ることができる。
20質量%のZnと0.79質量%のSnと1.9質量%のSiと0.05質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例1)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと1.9質量%のSiと0.10質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例2)、20質量%のZnと0.79質量%のSnと1.9質量%のSiと0.20質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例3)、20質量%のZnと0.78質量%のSnと1.1質量%のSiと0.05質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例4)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと1.0質量%のSiと0.10質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例5)、20質量%のZnと0.79質量%のSnと1.0質量%のSiと0.20質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例6)、20質量%のZnと0.79質量%のSnと0.5質量%のSiと0.10質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例7)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと0.5質量%のSiと0.20質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例8)、20質量%のZnと0.78質量%のSnと1.0質量%のSiと0.02質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例9)、30質量%のZnと0.20質量%のSnと1.8質量%のSiと0.10質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例10)、20質量%のZnと2.10質量%のSnと1.7質量%のSiと0.10質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例11)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと1.7質量%のSiと0.10質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例12)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと1.8質量%のSiと0.10質量%のPと0.5質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例13)、19質量%のZnと0.78質量%のSnと1.8質量%のSiと0.10質量%のPと0.5質量%のCoを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例14)、20質量%のZnと0.77質量%のSnと1.9質量%のSiと0.10質量%のPと0.15質量%のFeと0.07質量%のCrと0.08質量%のMnを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例15)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと1.7質量%のSiと0.10質量%のPと0.08質量%のMgと0.08質量%のAlと0.1質量%のZrと0.1質量%のTiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例16)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと1.7質量%のSiと0.10質量%のPと0.05質量%のBと0.05質量%のPbと0.1質量%のBeを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例17)、21質量%のZnと0.79質量%のSnと1.9質量%のSiと0.10質量%のPと0.05質量%のAuと0.08質量%のAgと0.08質量%のPbと0.07質量%のCdを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例18)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと0.20質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例1)、20質量%のZnと0.80質量%のSnを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例2)、20質量%のZnと0.79質量%のSnと0.5質量%のSiを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例3)、19質量%のZnと0.77質量%のSnと1.0質量%のSiを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例4)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと1.9質量%のSiと0.10質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例5)をそれぞれ溶解して鋳造することにより得られた鋳塊から、それぞれ100mm×100mm×100mmの鋳片を切り出した。なお、それぞれの銅合金中のP含有量の6倍とSi含有量の和(6P+Si)は、それぞれ2.2質量%(実施例1)、2.5質量%(実施例2、15、18、比較例5)、3.1質量%(実施例3)、1.4質量%(実施例4)、1.6質量%(実施例5)、2.2質量%(実施例6)、1.1質量%(実施例7、9)、1.7質量%(実施例8)、2.4質量%(実施例10、13、14)、2.3質量%(実施例11、12、16、17)、1.2質量%(比較例1)、0質量%(比較例2)、0.5質量%(比較例3)、1.0質量%(比較例4)であった。
Claims (15)
- 17~32質量%のZnと0.1~4.5質量%のSnと0.5~2.0質量%のSiと0.01~0.3質量%のPを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金板材において、Pの含有量の6倍とSiの含有量との和が1質量%以上であり、銅合金板材の板面における{220}結晶面のX線回折強度をI{220}とし、{420}結晶面のX線回折強度をI{420}とすると、I{220}/I{420}≦2.0を満たす結晶配向を有することを特徴とする、銅合金板材。
- 前記銅合金板材が、0.7質量%以下のNiまたはCoをさらに含む組成を有し、前記銅合金板材の引張強さが550MPa以上、0.2%耐力が500MPa以上、導電率が8%IACS以上であり、前記銅合金板材の耐応力緩和特性の評価として、日本電子材料工業会標準規格EMAS-1011に規定された片持ち梁ねじ式の応力緩和試験に準拠して、前記銅合金板材から長手方向がLD(圧延方向)で幅方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の試験片(長さ60mm×幅10mm)を採取し、この試験片の長手方向一端側の部分を固定し、その板厚方向がたわみ変位の方向になるように長手方向他端側の部分のスパン長さ30mmの位置に0.2%耐力の80%に相当する負荷応力を加えた状態で固定し、この試験片を150℃で500時間保持した後のたわみ変位を測定し、その変位の変化率から応力緩和率(%)を算出したときに、応力緩和率が25%以下であり、前記銅合金板材の耐応力腐食割れ性の評価として、前記銅合金板材から切り出した試験片に0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加え、この試験片を3質量%のアンモニア水を入れたデシケ-タ内に25℃で保持し、1時間毎に取り出した試験片について、光学顕微鏡により100倍の倍率で割れを観察したときに、割れが観察されるまでの時間が、100時間以上であり、前記銅合金板材の曲げ加工性の評価として、前記銅合金板材から長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)になるように切り出した曲げ加工試験片を使用して、LD(圧延方向)を曲げ軸にしてJIS H3130に準拠した90°W曲げ試験を行った場合に、90°W曲げ試験における最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが、0.7以下であることを特徴とする、請求項1に記載の銅合金板材。
- 前記銅合金板材が、0.5質量%以下のNiまたはCoをさらに含む組成を有することを特徴とする、請求項1に記載の銅合金板材。
- 前記銅合金板材が、Fe、Cr、Mg、Al、B、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計1質量%以下の範囲でさらに含む組成を有し、前記銅合金板材の引張強さが550MPa以上、0.2%耐力が500MPa以上、導電率が8%IACS以上であり、前記銅合金板材の耐応力緩和特性の評価として、日本電子材料工業会標準規格EMAS-1011に規定された片持ち梁ねじ式の応力緩和試験に準拠して、前記銅合金板材から長手方向がLD(圧延方向)で幅方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の試験片(長さ60mm×幅10mm)を採取し、この試験片の長手方向一端側の部分を固定し、その板厚方向がたわみ変位の方向になるように長手方向他端側の部分のスパン長さ30mmの位置に0.2%耐力の80%に相当する負荷応力を加えた状態で固定し、この試験片を150℃で500時間保持した後のたわみ変位を測定し、その変位の変化率から応力緩和率(%)を算出したときに、応力緩和率が25%以下であり、前記銅合金板材の耐応力腐食割れ性の評価として、前記銅合金板材から切り出した試験片に0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加え、この試験片を3質量%のアンモニア水を入れたデシケ-タ内に25℃で保持し、1時間毎に取り出した試験片について、光学顕微鏡により100倍の倍率で割れを観察したときに、割れが観察されるまでの時間が、100時間以上であり、前記銅合金板材の曲げ加工性の評価として、前記銅合金板材から長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)になるように切り出した曲げ加工試験片を使用して、LD(圧延方向)を曲げ軸にしてJIS H3130に準拠した90°W曲げ試験を行った場合に、90°W曲げ試験における最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが、0.7以下であることを特徴とする、請求項1または3に記載の銅合金板材。
- 前記銅合金板材が、Fe、Cr、Mg、Al、B、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計0.36質量%以下の範囲でさらに含む組成を有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の銅合金板材。
- 前記銅合金板材の平均結晶粒径が3~20μmであることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の銅合金板材。
- 17~32質量%のZnと0.1~4.5質量%のSnと0.5~2.0質量%のSiと0.01~0.3質量%のPを含み、残部がCuおよび不可避不純物であり且つPの含有量の6倍とSiの含有量との和が1質量%以上である組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造した後、650℃以下の温度における圧延パスの加工率を10%以上として900℃~300℃において加工率90%以上の熱間圧延を行い、次いで、中間冷間圧延を行った後に400~800℃で中間焼鈍を行い、次いで、加工率30%以下で仕上げ冷間圧延を行った後に450℃以下の温度で低温焼鈍を行うことにより、板面における{220}結晶面のX線回折強度をI{220}とし、{420}結晶面のX線回折強度をI{420}とすると、I{220}/I{420}≦2.0を満たす結晶配向を有する銅合金板材を製造することを特徴とする、銅合金板材の製造方法。
- 前記熱間圧延において650℃以下の温度における圧延パスの加工率を35%以下とすることを特徴とする、請求項7に記載の銅合金板材の製造方法。
- 前記中間焼鈍において、焼鈍後の平均結晶粒径が3~20μmになるように400~800℃における保持時間および到達温度を設定して、熱処理を行うことを特徴とする、請求項7または8に記載の銅合金板材の製造方法。
- 前記銅合金板材が、0.7質量%以下のNiまたはCoをさらに含む組成を有し、前記銅合金板材の引張強さが550MPa以上、0.2%耐力が500MPa以上、導電率が8%IACS以上であり、前記銅合金板材の耐応力緩和特性の評価として、日本電子材料工業会標準規格EMAS-1011に規定された片持ち梁ねじ式の応力緩和試験に準拠して、前記銅合金板材から長手方向がLD(圧延方向)で幅方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の試験片(長さ60mm×幅10mm)を採取し、この試験片の長手方向一端側の部分を固定し、その板厚方向がたわみ変位の方向になるように長手方向他端側の部分のスパン長さ30mmの位置に0.2%耐力の80%に相当する負荷応力を加えた状態で固定し、この試験片を150℃で500時間保持した後のたわみ変位を測定し、その変位の変化率から応力緩和率(%)を算出したときに、応力緩和率が25%以下であり、前記銅合金板材の耐応力腐食割れ性の評価として、前記銅合金板材から切り出した試験片に0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加え、この試験片を3質量%のアンモニア水を入れたデシケ-タ内に25℃で保持し、1時間毎に取り出した試験片について、光学顕微鏡により100倍の倍率で割れを観察したときに、割れが観察されるまでの時間が、100時間以上であり、前記銅合金板材の曲げ加工性の評価として、前記銅合金板材から長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)になるように切り出した曲げ加工試験片を使用して、LD(圧延方向)を曲げ軸にしてJIS H3130に準拠した90°W曲げ試験を行った場合に、90°W曲げ試験における最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが、0.7以下であることを特徴とする、請求項7乃至9のいずれかに記載の銅合金板材の製造方法。
- 前記銅合金板材が、0.5質量%以下のNiまたはCoをさらに含む組成を有することを特徴とする、請求項7乃至10のいずれかに記載の銅合金板材の製造方法。
- 前記銅合金板材が、Fe、Cr、Mg、Al、B、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計1質量%以下の範囲でさらに含む組成を有し、前記銅合金板材の引張強さが550MPa以上、0.2%耐力が500MPa以上、導電率が8%IACS以上であり、前記銅合金板材の耐応力緩和特性の評価として、日本電子材料工業会標準規格EMAS-1011に規定された片持ち梁ねじ式の応力緩和試験に準拠して、前記銅合金板材から長手方向がLD(圧延方向)で幅方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の試験片(長さ60mm×幅10mm)を採取し、この試験片の長手方向一端側の部分を固定し、その板厚方向がたわみ変位の方向になるように長手方向他端側の部分のスパン長さ30mmの位置に0.2%耐力の80%に相当する負荷応力を加えた状態で固定し、この試験片を150℃で500時間保持した後のたわみ変位を測定し、その変位の変化率から応力緩和率(%)を算出したときに、応力緩和率が25%以下であり、前記銅合金板材の耐応力腐食割れ性の評価として、前記銅合金板材から切り出した試験片に0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加え、この試験片を3質量%のアンモニア水を入れたデシケ-タ内に25℃で保持し、1時間毎に取り出した試験片について、光学顕微鏡により100倍の倍率で割れを観察したときに、割れが観察されるまでの時間が、100時間以上であり、前記銅合金板材の曲げ加工性の評価として、前記銅合金板材から長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)になるように切り出した曲げ加工試験片を使用して、LD(圧延方向)を曲げ軸にしてJIS H3130に準拠した90°W曲げ試験を行った場合に、90°W曲げ試験における最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが、0.7以下であることを特徴とする、請求項7、8、9または11に記載の銅合金板材の製造方法。
- 前記銅合金板材が、Fe、Cr、Mg、Al、B、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計0.36質量%以下の範囲でさらに含む組成を有することを特徴とする、請求項7乃至11のいずれかに記載の銅合金板材の製造方法。
- 前記中間冷間圧延と前記中間焼鈍を交互に複数回繰り返すことを特徴とする、請求項7乃至13のいずれかに記載の銅合金板材の製造方法。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の銅合金板材を材料として用いたことを特徴とする、コネクタ端子。
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