JP7195054B2 - 銅合金板材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、銅合金板材およびその製造方法に関し、特に、コネクタ、リードフレーム、リレー、スイッチなどの電気電子部品に使用するCu-Zn-Sn系銅合金板材およびその製造方法に関する。
コネクタ、リードフレーム、リレー、スイッチなどの電気電子部品に使用される材料には、通電によるジュール熱の発生を抑制するために良好な導電性が要求されるとともに、電気電子機器の組立時や作動時に付与される応力に耐えることができる高い強度が要求されている。また、コネクタなどの電気電子部品は、一般に曲げ加工により成形されることから、優れた曲げ加工性も要求されている。さらに、コネクタなどの電気電子部品間の接触信頼性を確保するために、接触圧力が時間とともに低下する現象(応力緩和)に対する耐久性、すなわち、耐応力緩和特性に優れていることも要求されている。
近年、コネクタなどの電気電子部品は、高集積化、小型化および軽量化が進む傾向にあり、それに伴って、素材である銅や銅合金の板材には、薄肉化の要求が高まっている。そのため、素材に要求される強度レベルは一層厳しくなっている。また、コネクタなどの電気電子部品の小型化や形状の複雑化に対応するために、曲げ加工品の形状や寸法精度を向上させることが求められている。また、近年、環境負荷の低減や、省資源・省エネルギー化が進む傾向にあり、それに伴って、素材である銅や銅合金の板材では、原料コストや製造コストの低減や、製品のリサイクル性などの要求がますます高まっている。
しかし、板材の強度と導電性の間、強度と曲げ加工性の間、曲げ加工性と耐応力緩和特性の間には、それぞれトレードオフの関係があるので、従来、このようなコネクタなどの電気電子部品の板材として、用途に応じて、導電性、強度、曲げ加工性または耐応力緩和特性が良好で比較的コストの低い板材が適宜選択されて使用されている。
また、従来、コネクタなどの電気電子部品用の汎用材料として、黄銅やりん青銅などが使用されている。りん青銅は、強度、耐食性、耐応力腐食割れ性および耐応力緩和特性のバランスが比較的に優れているが、例えば、りん青銅2種(C5191)の場合、熱間加工することができず、高価なSnを約6%含有し、コスト的にも不利である。
一方、黄銅(Cu-Zn系銅合金)は、原料および製造コストが低く且つ製品のリサイクル性の優れた材料として、広範囲に使用されている。しかし、黄銅の強度は、りん青銅より低く、強度が最も高い黄銅の質別はEH(H06)であり、例えば、黄銅1種(C2600-SH)の板条製品では、一般に引張強さが550MPa程度であり、この引張強さはりん青銅2種の質別H(H04)の引張強さに相当する。また、黄銅1種(C2600-SH)の板条製品では、耐応力腐食割れ性も劣っている。
また、黄銅の強度を向上させるためには、仕上げ圧延率の増大(質別増大)が必要であり、それに伴って、圧延方向に対して垂直な方向の曲げ加工性(すなわち、曲げ軸が圧延方向に対して平行な方向である曲げ加工性)が著しく悪化してしまう。そのため、強度レベルが高い黄銅でも、コネクタなどの電気電子部品に加工できなくなる場合がある。例えば、黄銅1種の仕上げ圧延率を上げて引張強さを570MPaより高くすると、小型部品にプレス成形することが困難になる。
特に、CuとZnからなる単純な合金系の黄銅では、強度を維持しながら曲げ加工性を向上させることは容易ではない。そのため、黄銅に種々の元素を添加して強度レベルを引き上げる工夫がなされている。例えば、Sn、Si、Niなどの第3元素を添加したCu-Zn系銅合金が提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
特開2001-164328号公報(段落番号0013) 特開2002-88428号公報(段落番号0014) 特開2009-62610号公報(段落番号0019)
しかし、黄銅(Cu-Zn系銅合金)にSn、Si、Niなどを添加しても、曲げ加工性を十分に向上させることができない場合もある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、高強度を維持しながら、曲げ加工性に優れ、且つ耐応力腐食割れ性および耐応力緩和特性に優れた安価な銅合金板材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、17~32質量%のZnと0.1~4.5質量%のSnと0.5~2.0質量%のSiと0.01~0.3質量%のPを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金板材において、Pの含有量の6倍とSiの含有量との和を1質量%以上にし、銅合金板材の板面における{220}結晶面のX線回折強度をI{220}とし、{420}結晶面のX線回折強度をI{420}とすると、I{220}/I{420}≦2.0を満たす結晶配向を有するようにすれば、高強度を維持しながら、曲げ加工性に優れ、且つ耐応力腐食割れ性および耐応力緩和特性に優れた安価な銅合金板材を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による銅合金板材は、17~32質量%のZnと0.1~4.5質量%のSnと0.5~2.0質量%のSiと0.01~0.3質量%のPを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金板材において、Pの含有量の6倍とSiの含有量との和が1質量%以上であり、銅合金板材の板面における{220}結晶面のX線回折強度をI{220}とし、{420}結晶面のX線回折強度をI{420}とすると、I{220}/I{420}≦2.0を満たす結晶配向を有することを特徴とする。
この銅合金板材は、1質量%以下のNiまたはCoをさらに含む組成を有してもよく、Fe、Cr、Mg、Al、B、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計3質量%以下の範囲でさらに含む組成を有してもよい。また、この銅合金板材において、平均結晶粒径が3~20μmであるのが好ましい。また、銅合金板材の引張強さが550MPa以上であるのが好ましく、0.2%耐力が500MPa以上であるのが好ましい。また、銅合金板材の導電率が8%IACS以上であるのが好ましい。
また、本発明による銅合金板材の製造方法は、17~32質量%のZnと0.1~4.5質量%のSnと0.5~2.0質量%のSiと0.01~0.3質量%のPを含み、残部がCuおよび不可避不純物であり且つPの含有量の6倍とSiの含有量との和が1質量%以上である組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造した後、650℃以下の温度における圧延パスの加工率を10%以上として900℃~300℃において加工率90%以上の熱間圧延を行い、次いで、中間冷間圧延を行った後に400~800℃で中間焼鈍を行い、次いで、加工率30%以下で仕上げ冷間圧延を行った後に450℃以下の温度で低温焼鈍を行うことにより、銅合金板材を製造することを特徴とする。
この銅合金板材の製造方法では、熱間圧延において650℃以下の温度における圧延パスの加工率を35%以下とするのが好ましい。また、中間焼鈍において、焼鈍後の平均結晶粒径が3~20μmになるように400~800℃における保持時間および到達温度を設定して、熱処理を行うのが好ましい。
また、この銅合金板材の製造方法において、銅合金板材が、1質量%以下のNiまたはCoをさらに含む組成を有してもよく、Fe、Cr、Mg、Al、B、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計3質量%以下の範囲でさらに含む組成を有してもよい。また、中間冷間圧延と中間焼鈍を交互に複数回繰り返してもよい。
さらに、本発明によるコネクタ端子は、上記の銅合金板材を材料として用いたことを特徴とする。
本発明によれば、高強度を維持しながら、曲げ加工性に優れ、且つ耐応力腐食割れ性および耐応力緩和特性に優れた安価な銅合金板材を製造することができる。
本発明による銅合金板材の実施の形態は、17~32質量%のZnと0.1~4.5質量%のSnと0.5~2.0質量%のSiと0.01~0.3質量%のPを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金板材において、Pの含有量の6倍とSiの含有量との和が1質量%以上であり、銅合金板材の板面における{220}結晶面のX線回折強度をI{220}とし、{420}結晶面のX線回折強度をI{420}とすると、I{220}/I{420}≦2.0を満たす結晶配向を有する。
本発明による銅合金板材の実施の形態は、CuとZnを含むCu-Zn系合金にSnとSiとPが添加されたCu-Zn-Sn-Si-P合金からなる板材である。
銅合金板材の板面における{220}結晶面のX線回折強度をI{220}とし、{420}結晶面のX線回折強度をI{420}とすると、銅合金板材の結晶配向は、I{220}/I{420}≦2.0(好ましくは、I{220}/I{420}≦1.8))を満たす。銅合金板材のI{220}/I{420}が大き過ぎると、曲げ加工性が悪くなる。
Znは、銅合金板材の強度やばね性を向上させる効果を有する。ZnはCuより安価であるため、Znを多量に添加するのが好ましい。しかし、Zn含有量が32質量%を超えると、β相の生成により、銅合金板材の冷間加工性が著しく低下するとともに、耐応力腐食割れ性も低下し、また、湿気や加熱によるめっき性やはんだ付け性も低下する。一方、Zn含有量が17質量%より少ないと、銅合金板材の0.2%耐力や引張強さなどの強度やばね性が不足し、ヤング率が大きくなり、また、銅合金板材の溶解時の水素ガス吸蔵量が多くなり、インゴットのブローホールが発生し易くなり、さらに、安価なZnの量が少なくて経済的にも不利になる。したがって、Zn含有量は、17~32質量%であるのが好ましく、17~27質量%であるのがさらに好ましく、18~23質量%であるのが最も好ましい。
Snは、銅合金板材の強度、耐応力緩和特性および耐応力腐食割れ特性を向上させる効果を有する。SnめっきなどのSnで表面処理した材料を再利用するためにも、銅合金板材がSnを含有するのが好ましい。しかし、Sn含有量が4.5質量%を超えると、銅合金板材の導電率が急激に低下し、また、Znとの共存下で粒界偏析が激しくなり、熱間加工性が著しく低下する。一方、Sn含有量が0.1質量%より少ないと、銅合金板材の機械的特性を向上させる効果が少なくなり、また、Snめっきなどを施したプレス屑などを原料として利用し難くなる。したがって、Sn含有量は、0.1~4.5質量%であるのが好ましく、0.2~2.5質量%であるのがさらに好ましい。
Siは、少量でも銅合金板材の耐応力腐食割れ性を向上させる効果がある。この効果を十分に得るためには、Si含有量は、0.5質量%以上であるのが好ましい。しかし、Si含有量が2.0質量%を超えると、導電性が低下し易く、また、Siは酸化し易い元素であり、鋳造性を低下させ易いので、Si含有量は多過ぎない方がよい。したがって、Si含有量は、0.5~2.0質量%であるのが好ましく、0.5~1.9質量%であるのがさらに好ましい。
Pは、少量でも銅合金板材の耐応力腐食割れ性を向上させる効果がある。この効果を十分に得るためには、P含有量は、0.01質量%より多いのが好ましい。しかし、P含有量が0.3質量%を超えると、導電性が低下し易いので、P含有量は多過ぎない方がよい。したがって、P含有量は、0.01~0.3質量%であるのが好ましく、0.01~0.25質量%であるのがさらに好ましい。
なお、Pの含有量の6倍とSiの含有量との和が1質量%より低いと、銅合金板材の耐応力腐食割れ性を向上させる効果を十分に得ることができない場合がある。
また、銅合金板材は、1質量%以下(好ましくは0.7質量%以下)のNiまたはCoをさらに含む組成を有してもよい。また、銅合金板材は、Fe、Cr、Mg、Al、B、P、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計3質量%以下(好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下)の範囲でさらに含む組成を有してもよい。
銅合金板材の平均結晶粒径は、小さいほど曲げ加工性の向上に有利であるため、20μm以下であるのが好ましく、18μm以下であるのがさらに好ましく、17μm以下であるのが最も好ましい。一方、銅合金板材の平均結晶粒径は、小さ過ぎると耐応力緩和特性が劣化する場合があるため、3μm以上であるのが好ましく、4μm以上であるのがさらに好ましい。
銅合金板材の引張強さは、コネクタなどの電気電子部品を小型化および薄肉化するために、550MPa以上であるのが好ましく、580MPa以上であるのがさらに好ましい。また、銅合金板材の0.2%耐力は、500MPa以上であるのが好ましく、520MPa以上であるのがさらに好ましい。
銅合金板材の導電率は、コネクタなどの電気電子部品の高集積化に伴って通電によるジュ-ル熱の発生を抑えるために、8%IACS以上であるのが好ましく、8.5%IACS以上であるのがさらに好ましい。
銅合金板材の耐応力緩和特性の評価として、日本電子材料工業会標準規格EMAS-1011に規定された片持ち梁ねじ式の応力緩和試験に準拠して、銅合金板材から長手方向がLD(圧延方向)で幅方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の試験片(長さ60mm×幅10mm)を採取し、この試験片の長手方向一端側の部分を固定し、その板厚方向がたわみ変位の方向になるように長手方向他端側の部分のスパン長さ30mmの位置に0.2%耐力の80%に相当する負荷応力を加えた状態で固定し、この試験片を150℃で500時間保持した後のたわみ変位を測定し、その変位の変化率から応力緩和率(%)を算出したときに、応力緩和率が25%以下であるのが好ましく、23%以下であるのがさらに好ましく、22%以下であるのが最も好ましい。
銅合金板材の耐応力腐食割れ性の評価として、銅合金板材から切り出した試験片に0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加え、この試験片を3質量%のアンモニア水を入れたデシケ-タ内に25℃で保持し、1時間毎に取り出した試験片について、光学顕微鏡により100倍の倍率で割れを観察したときに、割れが観察されるまでの時間が、100時間以上であるのが好ましく、110時間以上であるのがさらに好ましく、120時間以上であるのが最も好ましい。また、この時間が、市販の黄銅1種(C2600-SH)の板材の時間(5時間)と比べて、20倍以上であるのが好ましく、22倍以上であるのがさらに好ましく、24倍以上であるのが最も好ましい。
また、銅合金板材の曲げ加工性の評価として、銅合金板材から長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)になるように切り出した曲げ加工試験片を使用して、LD(圧延方向)を曲げ軸にしてJIS H3130に準拠した90°W曲げ試験を行った場合に、90°W曲げ試験における最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが、0.7以下であるのが好ましく、0.6以下であるのがさらに好ましい。
上述したような銅合金板材は、本発明による銅合金板材の製造方法の実施の形態によって製造することができる。本発明による銅合金板材の製造方法の実施の形態は、上述した組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造する溶解・鋳造工程と、この溶解・鋳造工程の後に650℃以下(好ましくは650℃~300℃)の温度における圧延パスの加工率を10%以上(好ましくは10~35%)として900℃~300℃において加工率90%以上の熱間圧延を行う熱間圧延工程と、この熱間圧延工程の後に冷間圧延を行う中間冷間圧延工程と、この中間冷間圧延工程の後に400~800℃で焼鈍を行う中間焼鈍工程と、この中間焼鈍工程の後に加工率30%以下で仕上げ冷間圧延を行う仕上げ冷間圧延工程と、この仕上げ冷間圧延工程の後に450℃以下の温度で焼鈍を行う低温焼鈍工程とを備えている。以下、これらの工程について詳細に説明する。なお、熱間圧延後には、必要に応じて面削を行い、各熱処理後には、必要に応じて酸洗、研磨、脱脂を行ってもよい。
(溶解・鋳造工程)
一般的な黄銅の溶製方法と同様の方法により、銅合金の原料を溶解した後、連続鋳造や半連続鋳造などにより鋳片を製造する。なお、原料を溶解する際の雰囲気は、大気雰囲気で十分である。
(熱間圧延工程)
通常、Cu-Zn系銅合金の熱間圧延は、650℃以上または700℃以上の高温域で圧延し、圧延中および圧延パス間の再結晶により、鋳造組織の破壊および材料の軟化のために行われる。しかし、このような一般的な熱間圧延条件では、本発明による銅合金板材の実施の形態のように特異な集合組織を有する銅合金板材を製造することは困難である。すなわち、このような一般的な熱間圧延条件では、後工程の条件を広範囲に変化させても、銅合金板材の板面における{220}結晶面のX線回折強度をI{220}とし、{420}結晶面のX線回折強度をI{420}とすると、I{220}/I{420}≦2.0を満たす結晶配向を有する銅合金板材を製造するのが困難である。そのため、本発明による銅合金板材の製造方法の実施の形態では、熱間圧延工程において、650℃以下(好ましくは650℃~300℃)の温度における圧延パスの加工率を10%以上(好ましくは10~35%、さらに好ましくは10~20%)として、900℃~300℃において加工率90%以上の圧延を行う。なお、鋳片を熱間圧延する際に、再結晶が発生し易い600℃より高温域で最初の圧延パスを行うことによって、鋳造組織を破壊し、成分と組織の均一化を図ることができる。しかし、900℃を超える高温で圧延を行うと、合金成分の偏析部分など、融点が低下している部分で割れを生じるおそれがあるので好ましくない。
(中間冷間圧延工程)
この冷間圧延工程では、加工率を50%以上にするのが好ましく、60%以上にするのがさらに好ましく、70%以上にするのが最も好ましい。
(中間焼鈍工程)
この中間焼鈍工程では、400~800℃(好ましくは400~700℃)で焼鈍を行う。また、この中間焼鈍工程では、焼鈍後の平均結晶粒径が20μm以下(好ましくは18μm以下、さらに好ましくは17μm以下)で3μm以上(好ましくは4μm以上)になるように400~800℃(好ましくは400~700℃、さらに好ましくは450~650℃)における保持時間および到達温度を設定して、熱処理を行うのが好ましい。なお、この焼鈍による再結晶粒の粒径は、焼鈍前の冷間圧延の加工率や化学組成によって変動するが、各々の合金について予め実験により焼鈍ヒートパターンと平均結晶粒径との関係を求めておけば、400~800℃で保持時間および到達温度を設定することができる。具体的には、本発明による銅合金板材の化学組成では、400~800℃で数秒~数時間保持する加熱条件において適正な条件を設定することができる。
なお、中間冷間圧延工程と中間焼鈍工程は、この順で繰り返し行ってもよい。中間冷間圧延工程と中間焼鈍工程を繰り返す場合、最後の中間焼鈍(再結晶焼鈍)工程において、他の中間焼鈍温度以上の温度で熱処理を行うのが好ましく、最後の中間焼鈍後の平均結晶粒径が20μm以下(好ましくは18μm以下、さらに好ましくは17μm以下)で3μm以上(好ましくは4μm以上)になるように400~800℃(好ましくは400~700℃、さらに好ましくは450~650℃)における保持時間および到達温度を設定して、熱処理を行うのが好ましい。
(仕上げ冷間圧延工程)
仕上げ冷間圧延は、強度レベルを向上させるために行われる。仕上げ冷間圧延の加工率が低過ぎると強度が低いが、仕上げ冷間圧延の加工率の増大に伴って{220}を主方位成分とする圧延集合組織が発達していく。一方、仕上げ冷間圧延の加工率が高過ぎると、{220}方位の圧延集合組織が相対的に優勢になり過ぎて、強度と曲げ加工性の両方を向上させた結晶配向を実現することができない。そのため、仕上げ冷間圧延は、加工率30%以下で圧延する必要があり、加工率5~29%で圧延するのがさらに好ましく、加工率10~28%で圧延するのが最も好ましい。このような仕上げ冷間圧延を行うことによって、I{220}/I{420}≦2.0を満たす結晶配向を維持することができる。なお、最終的な板厚は、0.02~1.0mm程度にするのが好ましく、0.05~0.5mmにするのがさらに好ましく、0.05~0.3mmにするのが最も好ましい。
(低温焼鈍工程)
仕上げ冷間圧延後には、銅合金板材の残留応力の低減による耐応力腐食割れ特性や曲げ加工性を向上させ、空孔やすべり面上の転位の低減による耐応力緩和特性を向上させるために、低温焼鈍を行ってもよい。特に、Cu-Zn系銅合金の場合、450℃以下の温度で低温焼鈍を行う必要があり、好ましくは150~400℃(さらに好ましくは300~400℃)の加熱温度(好ましくは中間焼鈍工程における焼鈍温度より低い温度)で低温焼鈍を行う。この低温焼鈍により、強度、耐応力腐食割れ特性、曲げ加工性および耐応力緩和特性を同時に向上させることができ、また、導電率を上昇させることができる。この加熱温度が高過ぎると、短時間で軟化し、バッチ式でも連続式でも特性のバラツキが生じ易くなる。一方、加熱温度が低過ぎると、上記の特性を向上させる効果を十分に得ることができない。また、この加熱温度における保持時間は、5秒間以上であるのが好ましく、通常1時間以内で良好な結果を得ることができる。
以下、本発明による銅合金板材およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1~18、比較例1~5]
20質量%のZnと0.79質量%のSnと1.9質量%のSiと0.05質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例1)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと1.9質量%のSiと0.10質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例2)、20質量%のZnと0.79質量%のSnと1.9質量%のSiと0.20質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例3)、20質量%のZnと0.78質量%のSnと1.1質量%のSiと0.05質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例4)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと1.0質量%のSiと0.10質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例5)、20質量%のZnと0.79質量%のSnと1.0質量%のSiと0.20質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例6)、20質量%のZnと0.79質量%のSnと0.5質量%のSiと0.10質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例7)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと0.5質量%のSiと0.20質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例8)、20質量%のZnと0.78質量%のSnと1.0質量%のSiと0.02質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例9)、30質量%のZnと0.20質量%のSnと1.8質量%のSiと0.10質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例10)、20質量%のZnと2.10質量%のSnと1.7質量%のSiと0.10質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例11)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと1.7質量%のSiと0.10質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例12)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと1.8質量%のSiと0.10質量%のPと0.5質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例13)、19質量%のZnと0.78質量%のSnと1.8質量%のSiと0.10質量%のPと0.5質量%のCoを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例14)、20質量%のZnと0.77質量%のSnと1.9質量%のSiと0.10質量%のPと0.15質量%のFeと0.07質量%のCrと0.08質量%のMnを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例15)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと1.7質量%のSiと0.10質量%のPと0.08質量%のMgと0.08質量%のAlと0.1質量%のZrと0.1質量%のTiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例16)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと1.7質量%のSiと0.10質量%のPと0.05質量%のBと0.05質量%のPbと0.1質量%のBeを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例17)、21質量%のZnと0.79質量%のSnと1.9質量%のSiと0.10質量%のPと0.05質量%のAuと0.08質量%のAgと0.08質量%のPbと0.07質量%のCdを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例18)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと0.20質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例1)、20質量%のZnと0.80質量%のSnを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例2)、20質量%のZnと0.79質量%のSnと0.5質量%のSiを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例3)、19質量%のZnと0.77質量%のSnと1.0質量%のSiを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例4)、20質量%のZnと0.80質量%のSnと1.9質量%のSiと0.10質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例5)をそれぞれ溶解して鋳造することにより得られた鋳塊から、それぞれ100mm×100mm×100mmの鋳片を切り出した。なお、それぞれの銅合金中のP含有量の6倍とSi含有量の和(6P+Si)は、それぞれ2.2質量%(実施例1)、2.5質量%(実施例2、15、18、比較例5)、3.1質量%(実施例3)、1.4質量%(実施例4)、1.6質量%(実施例5)、2.2質量%(実施例6)、1.1質量%(実施例7、9)、1.7質量%(実施例8)、2.4質量%(実施例10、13、14)、2.3質量%(実施例11、12、16、17)、1.2質量%(比較例1)、0質量%(比較例2)、0.5質量%(比較例3)、1.0質量%(比較例4)であった。
それぞれの鋳片を750℃で30分間加熱した後、900℃~300℃の温度域で熱間圧延を行って厚さ10mmにした(加工率90%)。この熱間圧延において、900℃~300℃の温度域のうち、650℃~300℃の温度域では、それぞれ加工率を15%(実施例1~18)、5%(比較例1~5)とした。
次に、加工率84%で厚さ1.60mmまで冷間圧延を行った後、500℃で1時間保持する中間焼鈍を行った。
次に、それぞれ加工率76%で厚さ0.38mm(実施例1~3、10、13~18)、加工率75%で厚さ0.40mm(実施例4~6、比較例4)、加工率74%で厚さ0.42mm(実施例7~9、12、比較例3)、加工率78%で厚さ0.35mm(実施例11)、加工率72%で厚さ0.45mm(比較例1~2)、加工率77%で厚さ0.37mm(比較例5)まで冷間圧延を行った後、それぞれ500℃(実施例1~3、5~10、15~18、比較例1、3~4)、550℃(実施例4、11)、600℃(実施例12~14)、525℃(比較例2)、350℃(比較例5)で10分間保持する(最後の)中間焼鈍(再結晶焼鈍)を行った。
次に、それぞれ加工率21%で厚さ0.30mm(実施例1~3、10、13~18)、加工率25%で厚さ0.30mm(実施例4~6、比較例4)、加工率27%で厚さ0.30mm(実施例7~9、12、比較例3)、加工率15%で厚さ0.30mm(実施例11)、加工率33%で厚さ0.30mm(比較例1~2)、加工率15%で厚さ0.31mm(比較例5)まで仕上げ冷間圧延を行った後、それぞれ350℃(実施例1~3、7~8、10~18、比較例3)、300℃(実施例4、9、比較例1~2、5)、325℃(実施例5~6、比較例4)で30分間保持する低温焼鈍を行った。
このようにして得られた実施例1~18、比較例1~5の銅合金板材から試料を採取し、結晶粒組織の平均結晶粒径、X線回折強度、導電率、引張強さ(0.2%耐力と引張強さ)、耐応力緩和特性、耐応力腐食割れ性、曲げ加工性を以下のように調べた。
結晶粒組織の平均結晶粒径は、銅合金板材の板面(圧延面)を研磨した後にエッチングし、その面を光学顕微鏡で観察して、JIS H0501の切断法により測定した。その結果、平均結晶粒径は、それぞれ5μm(実施例1~10、13~18、比較例1~4)、6μm(実施例11)、15μm(実施例12)、2μm(比較例5)であった。
X線回折強度(X線回折積分強度)の測定は、X線回折装置(XRD)(株式会社リガク製のRINT2000)を用いて、Cu管球を用いて、管電圧40kV、管電流20mAの条件で、試料の板面(圧延面)について{220}面の回折ピークの積分強度I{220}と{420}面の回折ピークの積分強度I{420}を測定することによって行った。これらの測定値を用いて、X線回折強度比I{220}/I{420}を求めたところ、それぞれ1.6(実施例1~4、6、10~11、13~14、17)、1.7(実施例5、8、12)、1.8(実施例7、9)、1.5(実施例15~16、18)、2.6(比較例1)、2.7(比較例2)、2.5(比較例3~4)、2.4(比較例5)であった。
銅合金板材の導電率は、JIS H0505の導電率測定方法に従って測定した。その結果、導電率は、それぞれ10.1%IACS(実施例1)、9.6%IACS(実施例2)、9.3%IACS(実施例3)、14.2%IACS(実施例4)、13.4%IACS(実施例5)、13.0%IACS(実施例6)、16.0%IACS(実施例7)、15.8%IACS(実施例8)、14.2%IACS(実施例9)、14.0%IACS(実施例10)、8.9%IACS(実施例11)、9.6%IACS(実施例12)、10.4%IACS(実施例13)、10.1%IACS(実施例14)、9.6%IACS(実施例15)、9.8%IACS(実施例16)、9.5%IACS(実施例17)、9.6%IACS(実施例18)、24.1%IACS(比較例1)、25.5%IACS(比較例2)、16.0%IACS(比較例3)、13.0%IACS(比較例4)、9.0%IACS(比較例5)であった。
銅合金板材の機械的特性としての引張強さとして、銅合金板材のLD(圧延方向)の引張試験用の試験片(JIS Z2201の5号試験片)をそれぞれ3個ずつ採取し、それぞれの試験片についてJIS Z2241に準拠した引張試験を行い、平均値によってLDの0.2%耐力と引張強さを求めた。その結果、LDの0.2%耐力と引張強さは、それぞれ524MPaと639MPa(実施例1)、531MPaと640MPa(実施例2)、535MPaと645MPa(実施例3)、526MPaと585MPa(実施例4)、532MPaと616MPa(実施例5)、530MPaと600MPa(実施例6)、545MPaと620MPa(実施例7)、549MPaと612MPa(実施例8)、576MPaと620MPa(実施例9)、550MPaと650MPa(実施例10)、620MPaと714MPa(実施例11)、535MPaと610MPa(実施例12)、534MPaと638MPa(実施例13)、535MPaと640MPa(実施例14)、532MPaと641MPa(実施例15)、530MPaと635MPa(実施例16)、530MPaと632MPa(実施例17)、538MPaと640MPa(実施例18)、533MPaと587MPa(比較例1)、515MPaと600MPa(比較例2)、570MPaと621MPa(比較例3)、591MPaと645MPa(比較例4)、520MPaと639MPa(比較例5)であった。
銅合金板材の耐応力緩和特性は、日本電子材料工業会標準規格EMAS-1011に規定された片持ち梁ねじ式の応力緩和試験により評価した。具体的には、銅合金板材から長手方向がLD(圧延方向)で幅方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の試験片(長さ60mm×幅10mm)を採取し、この試験片の長手方向一端側の部分を片持梁ねじ式のたわみ変位負荷用試験ジグに固定し、その板厚方向がたわみ変位の方向になるように長手方向他端側の部分のスパン長さ30mmの位置に(たわみ変位負荷用ボルトにより)0.2%耐力の80%に相当する負荷応力を加えた状態で固定し、この試験片を150℃で500時間保持した後のたわみ変位を測定し、その変位の変化率から応力緩和率(%)を算出することにより評価した。その結果、応力緩和率は、それぞれ20%(実施例1~2、5~6、10、14)、19%(実施例3、15~16)、21%(実施例4、7)、18%(実施例8~9、12、17)、16%(実施例11)、17%(実施例13、18)、40%(比較例1、5)、45%(比較例2)であった。
銅合金板材の耐応力腐食割れ性は、銅合金板材から採取した幅10mmの試験片を、その長手方向中央部の表面応力が0.2%耐力の80%の大きさになるようにアーチ状に曲げた状態で、3質量%のアンモニア水を入れたデシケ-タ内に25℃で保持し、1時間毎に取り出した幅10mmの試験片について、光学顕微鏡により100倍の倍率で割れを観察することによって評価した。その結果、それぞれ160時間(実施例1)、199時間(実施例2)、324時間(実施例3)、135時間(実施例4)、165時間(実施例5)、250時間(実施例6)、124時間(実施例7)、150時間(実施例8)、135時間(実施例9)、185時間(実施例10)、201時間(実施例11)、189時間(実施例12)、190時間(実施例13)、200時間(実施例14)、190時間(実施例15)、205時間(実施例16)、192時間(実施例17)、199時間(実施例18)、40時間(比較例1)、30時間(比較例2)、92時間(比較例3)、95時間(比較例4)、180時間(比較例5)後に割れが観察され、市販の黄銅1種(C2600-SH)の板材の時間(5時間)と比べて、割れが観察されるまでの時間は、それぞれ32倍(実施例1)、40倍(実施例2)、65倍(実施例3)、27倍(実施例4)、33倍(実施例5)、50倍(実施例6)、25倍(実施例7)、30倍(実施例8)、27倍(実施例9)、37倍(実施例10)、40倍(実施例11)、38倍(実施例12)、38倍(実施例13)、40倍(実施例14)、38倍(実施例15)、41倍(実施例16)、38倍(実施例17)、40倍(実施例18)、8倍(比較例1)、6倍(比較例2)、18倍(比較例3)、19倍(比較例4)、35倍(比較例5)であった。
銅合金板材の曲げ加工性を評価するために、銅合金板材から長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)になるように曲げ加工試験片(幅10mm)を切り出し、LD(圧延方向)を曲げ軸(BadWay曲げ(B.W.曲げ))にしてJIS H3130に準拠した90°W曲げ試験を行った。この試験後の試験片について、曲げ加工部の表面および断面を光学顕微鏡によって100倍の倍率で観察して、割れが発生しない最小曲げ半径Rを求め、この最小曲げ半径Rを銅合金板材の板厚tで除することによって、それぞれのR/t値を求めた。その結果、R/tは、それぞれ0.3以下(実施例1、9)、0.6(実施例2~3、5~6、8、11~12、14、18、比較例5)、0.3(実施例4、7、10、13、15~17)、1.0(比較例1~2)、0.8(比較例3~4)であった。
これらの実施例および比較例の銅合金板材の製造条件および特性を表1~表4に示す。
Figure 0007195054000001
Figure 0007195054000002
Figure 0007195054000003
Figure 0007195054000004
表1~表4から、実施例1~18の銅合金板材のように、17~32質量%のZnと0.1~4.5質量%のSnと0.5~2.0質量%のSiと0.01~0.3質量%のPを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金板材において、Pの含有量の6倍とSiの含有量との和が1質量%以上であり、銅合金板材の板面における{220}結晶面のX線回折強度をI{220}とし、{420}結晶面のX線回折強度をI{420}とすると、I{220}/I{420}≦2.0を満たす結晶配向を有すると、高強度を維持しながら、曲げ加工性に優れ、且つ耐応力腐食割れ性および耐応力緩和特性に優れた銅合金板材であることがわかる。
また、比較例1および2の銅合金板材のように、Siを含まず、650℃以下の温度における熱間圧延の圧延パスの加工率を10%より低くして、I{220}/I{420}>2.0になると、耐応力腐食割れ性、耐応力緩和特性および曲げ加工性が悪くなることがわかる。
また、比較例3および4の銅合金板材のように、Pを含まず、650℃以下の温度における熱間圧延の圧延パスの加工率を10%より低くして、I{220}/I{420}>2.0になると、耐応力腐食割れ性および曲げ加工性が悪くなることがわかる。
さらに、比較例5の銅合金板材のように、650℃以下の温度における熱間圧延の圧延パスの加工率を10%より低くして、I{220}/I{420}>2.0になり、最後の中間焼鈍の温度を400℃より低くして、平均結晶粒径が2μmになると、耐応力緩和特性が悪くなることがわかる。

Claims (15)

  1. 17~32質量%のZnと0.1~4.5質量%のSnと0.5~2.0質量%のSiと0.01~0.3質量%のPを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金板材において、Pの含有量の6倍とSiの含有量との和が1質量%以上であり、銅合金板材の板面における{220}結晶面のX線回折強度をI{220}とし、{420}結晶面のX線回折強度をI{420}とすると、I{220}/I{420}≦2.0を満たす結晶配向を有することを特徴とする、銅合金板材。
  2. 前記銅合金板材が、0.7質量%以下のNiまたはCoをさらに含む組成を有し、前記銅合金板材の引張強さが550MPa以上、0.2%耐力が500MPa以上、導電率が8%IACS以上であり、前記銅合金板材の耐応力緩和特性の評価として、日本電子材料工業会標準規格EMAS-1011に規定された片持ち梁ねじ式の応力緩和試験に準拠して、前記銅合金板材から長手方向がLD(圧延方向)で幅方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の試験片(長さ60mm×幅10mm)を採取し、この試験片の長手方向一端側の部分を固定し、その板厚方向がたわみ変位の方向になるように長手方向他端側の部分のスパン長さ30mmの位置に0.2%耐力の80%に相当する負荷応力を加えた状態で固定し、この試験片を150℃で500時間保持した後のたわみ変位を測定し、その変位の変化率から応力緩和率(%)を算出したときに、応力緩和率が25%以下であり、前記銅合金板材の耐応力腐食割れ性の評価として、前記銅合金板材から切り出した試験片に0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加え、この試験片を3質量%のアンモニア水を入れたデシケ-タ内に25℃で保持し、1時間毎に取り出した試験片について、光学顕微鏡により100倍の倍率で割れを観察したときに、割れが観察されるまでの時間が、100時間以上であり、前記銅合金板材の曲げ加工性の評価として、前記銅合金板材から長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)になるように切り出した曲げ加工試験片を使用して、LD(圧延方向)を曲げ軸にしてJIS H3130に準拠した90°W曲げ試験を行った場合に、90°W曲げ試験における最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが、0.7以下であることを特徴とする、請求項1に記載の銅合金板材。
  3. 前記銅合金板材が、0.5質量%以下のNiまたはCoをさらに含む組成を有することを特徴とする、請求項1に記載の銅合金板材。
  4. 前記銅合金板材が、Fe、Cr、Mg、Al、B、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計1質量%以下の範囲でさらに含む組成を有し、前記銅合金板材の引張強さが550MPa以上、0.2%耐力が500MPa以上、導電率が8%IACS以上であり、前記銅合金板材の耐応力緩和特性の評価として、日本電子材料工業会標準規格EMAS-1011に規定された片持ち梁ねじ式の応力緩和試験に準拠して、前記銅合金板材から長手方向がLD(圧延方向)で幅方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の試験片(長さ60mm×幅10mm)を採取し、この試験片の長手方向一端側の部分を固定し、その板厚方向がたわみ変位の方向になるように長手方向他端側の部分のスパン長さ30mmの位置に0.2%耐力の80%に相当する負荷応力を加えた状態で固定し、この試験片を150℃で500時間保持した後のたわみ変位を測定し、その変位の変化率から応力緩和率(%)を算出したときに、応力緩和率が25%以下であり、前記銅合金板材の耐応力腐食割れ性の評価として、前記銅合金板材から切り出した試験片に0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加え、この試験片を3質量%のアンモニア水を入れたデシケ-タ内に25℃で保持し、1時間毎に取り出した試験片について、光学顕微鏡により100倍の倍率で割れを観察したときに、割れが観察されるまでの時間が、100時間以上であり、前記銅合金板材の曲げ加工性の評価として、前記銅合金板材から長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)になるように切り出した曲げ加工試験片を使用して、LD(圧延方向)を曲げ軸にしてJIS H3130に準拠した90°W曲げ試験を行った場合に、90°W曲げ試験における最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが、0.7以下であることを特徴とする、請求項1または3に記載の銅合金板材。
  5. 前記銅合金板材が、Fe、Cr、Mg、Al、B、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計0.36質量%以下の範囲でさらに含む組成を有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の銅合金板材。
  6. 前記銅合金板材の平均結晶粒径が3~20μmであることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の銅合金板材。
  7. 17~32質量%のZnと0.1~4.5質量%のSnと0.5~2.0質量%のSiと0.01~0.3質量%のPを含み、残部がCuおよび不可避不純物であり且つPの含有量の6倍とSiの含有量との和が1質量%以上である組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造した後、650℃以下の温度における圧延パスの加工率を10%以上として900℃~300℃において加工率90%以上の熱間圧延を行い、次いで、中間冷間圧延を行った後に400~800℃で中間焼鈍を行い、次いで、加工率30%以下で仕上げ冷間圧延を行った後に450℃以下の温度で低温焼鈍を行うことにより、板面における{220}結晶面のX線回折強度をI{220}とし、{420}結晶面のX線回折強度をI{420}とすると、I{220}/I{420}≦2.0を満たす結晶配向を有する銅合金板材を製造することを特徴とする、銅合金板材の製造方法。
  8. 前記熱間圧延において650℃以下の温度における圧延パスの加工率を35%以下とすることを特徴とする、請求項に記載の銅合金板材の製造方法。
  9. 前記中間焼鈍において、焼鈍後の平均結晶粒径が3~20μmになるように400~800℃における保持時間および到達温度を設定して、熱処理を行うことを特徴とする、請求項またはに記載の銅合金板材の製造方法。
  10. 前記銅合金板材が、0.7質量%以下のNiまたはCoをさらに含む組成を有し、前記銅合金板材の引張強さが550MPa以上、0.2%耐力が500MPa以上、導電率が8%IACS以上であり、前記銅合金板材の耐応力緩和特性の評価として、日本電子材料工業会標準規格EMAS-1011に規定された片持ち梁ねじ式の応力緩和試験に準拠して、前記銅合金板材から長手方向がLD(圧延方向)で幅方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の試験片(長さ60mm×幅10mm)を採取し、この試験片の長手方向一端側の部分を固定し、その板厚方向がたわみ変位の方向になるように長手方向他端側の部分のスパン長さ30mmの位置に0.2%耐力の80%に相当する負荷応力を加えた状態で固定し、この試験片を150℃で500時間保持した後のたわみ変位を測定し、その変位の変化率から応力緩和率(%)を算出したときに、応力緩和率が25%以下であり、前記銅合金板材の耐応力腐食割れ性の評価として、前記銅合金板材から切り出した試験片に0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加え、この試験片を3質量%のアンモニア水を入れたデシケ-タ内に25℃で保持し、1時間毎に取り出した試験片について、光学顕微鏡により100倍の倍率で割れを観察したときに、割れが観察されるまでの時間が、100時間以上であり、前記銅合金板材の曲げ加工性の評価として、前記銅合金板材から長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)になるように切り出した曲げ加工試験片を使用して、LD(圧延方向)を曲げ軸にしてJIS H3130に準拠した90°W曲げ試験を行った場合に、90°W曲げ試験における最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが、0.7以下であることを特徴とする、請求項乃至のいずれかに記載の銅合金板材の製造方法。
  11. 前記銅合金板材が、0.5質量%以下のNiまたはCoをさらに含む組成を有することを特徴とする、請求項乃至10のいずれかに記載の銅合金板材の製造方法。
  12. 前記銅合金板材が、Fe、Cr、Mg、Al、B、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計1質量%以下の範囲でさらに含む組成を有し、前記銅合金板材の引張強さが550MPa以上、0.2%耐力が500MPa以上、導電率が8%IACS以上であり、前記銅合金板材の耐応力緩和特性の評価として、日本電子材料工業会標準規格EMAS-1011に規定された片持ち梁ねじ式の応力緩和試験に準拠して、前記銅合金板材から長手方向がLD(圧延方向)で幅方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の試験片(長さ60mm×幅10mm)を採取し、この試験片の長手方向一端側の部分を固定し、その板厚方向がたわみ変位の方向になるように長手方向他端側の部分のスパン長さ30mmの位置に0.2%耐力の80%に相当する負荷応力を加えた状態で固定し、この試験片を150℃で500時間保持した後のたわみ変位を測定し、その変位の変化率から応力緩和率(%)を算出したときに、応力緩和率が25%以下であり、前記銅合金板材の耐応力腐食割れ性の評価として、前記銅合金板材から切り出した試験片に0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加え、この試験片を3質量%のアンモニア水を入れたデシケ-タ内に25℃で保持し、1時間毎に取り出した試験片について、光学顕微鏡により100倍の倍率で割れを観察したときに、割れが観察されるまでの時間が、100時間以上であり、前記銅合金板材の曲げ加工性の評価として、前記銅合金板材から長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)になるように切り出した曲げ加工試験片を使用して、LD(圧延方向)を曲げ軸にしてJIS H3130に準拠した90°W曲げ試験を行った場合に、90°W曲げ試験における最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが、0.7以下であることを特徴とする、請求項7、8、9または11に記載の銅合金板材の製造方法。
  13. 前記銅合金板材が、Fe、Cr、Mg、Al、B、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計0.36質量%以下の範囲でさらに含む組成を有することを特徴とする、請求項乃至11のいずれかに記載の銅合金板材の製造方法。
  14. 前記中間冷間圧延と前記中間焼鈍を交互に複数回繰り返すことを特徴とする、請求項乃至13のいずれかに記載の銅合金板材の製造方法。
  15. 請求項1乃至のいずれかに記載の銅合金板材を材料として用いたことを特徴とする、コネクタ端子。
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