JP4930527B2 - 銅合金材及び銅合金材の製造方法 - Google Patents

銅合金材及び銅合金材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、銅合金材及び銅合金材の製造方法に関する。特に、本発明は、曲げ加工性に優れた銅合金材及び銅合金材の製造方法に関する。
近年、各種の電気・電子機器の小型化、薄型化、及び軽量化に伴い、電気・電子機器に用いられる部品も小型化している。そして、部品の小型化に伴い、部品の端子又はコネクタ部品についても、小型化及び電極間ピッチの狭小化が望まれている。このような部品の小型化により、各種部品に用いられる電極等の材料が従来に比べて薄肉になっている。ここで、薄肉の電極であっても電気的な接続の信頼性を保つべく、電極等の材料にばね性の高い材料を用いることが要求されており、高いばね性の確保には、材料の強度、及び耐力を十分に高めることを要する。
更に、部品の小型化に伴い、従来より小型で、かつ複雑な形状の部品を一体成形で製作する要求もあり、より厳しい条件の曲げ加工に適用できる材料が強く求められている。また、電気・電子機器の高機能化に伴う電極数の増加、及び通電する電流の増加によって、電極等において発生するジュール熱も増加しており、従来より導電性の良い材料を用いることに対する要求も強まっている。すなわち、電気・電子機器に用いられる端子又はコネクタ部品を構成する材料は、高強度、高耐力、及び良好な曲げ加工性を有すると共に、良好な導電性を有することが求められている。
従来、高強度、良好な導電性を有すると共に低コストである材料として、Cu−Ni−Si系等の銅合金が用いられている。例えば、Ni、Siを含有すると共に、必要に応じてSn、Mgを更に含有して、残部がCuである銅合金板材であって、X線回折による2θ/θ測定で得られる純銅標準粉末における{220}面の回折強度に対する当該銅合金板材の{220}面の回折強度の比と、純銅標準粉末における{200}面の回折強度に対する当該銅合金板材の{200}面の回折強度の比とをそれぞれ所定の範囲内になるように規定した銅合金板材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の銅合金板材は、引っ張り強さ及び曲げ加工性についての異方性を改善した銅合金板材を提供することができる。
特開2008−13836号公報
しかし、特許文献1に記載の銅合金板材は、X線回折による2θ/θ測定で特定の結晶面の回折強度を用いているので、銅合金板材の表面に平行な複数の結晶面の情報のうち一部の情報しか得られず、銅合金板材の曲げ加工性を適切に制御できない場合がある。
したがって、本発明の目的は、高強度、高耐力、高導電率、及び良好な曲げ加工性を有する銅合金材を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、2.0重量%以上3.5重量%以下のNiと、0.35重量%以上0.85重量%以下のSiとを含み、残部がCu及び不可避的不純物から形成される銅合金材であり、圧延面を備え、圧延面は、圧延面に平行な複数の結晶面を有し、複数の結晶面は、{011}面と、{1nn}面(但し、nは1以上の整数)と、{11m}面(但し、mは1以上の整数)と、{023}面、{012}面、及び{135}面からなる群から選択される少なくとも1つの結晶面とを含み、圧延面は、圧延面を基準とした圧延面の結晶回折測定により得られる逆極点図形において、複数の結晶面の逆極点図形における回折強度が、{011}面>{155}面>{133}面かつ{011}面>{023}面>{012}面かつ{011}面>{135}面>{112}面の関係を満たす銅合金材が提供される。
また、上記銅合金材は、Zn、Sn、及びPからなる群から選択される少なくとも1つの元素と、Niと、Siとを含み、残部がCu及び不可避的不純物から形成することもできる。
また、本発明は、上記目的を達成するため、銅合金から成るインゴットを熱間圧延加工して銅合金の板材を製造する熱間圧延工程と、板材を冷間圧延する冷間圧延工程と、冷間圧延工程を経た板材に溶体化処理を施す溶体化処理工程と、溶体化処理工程を経た板材を冷間圧延する仕上げ冷間圧延工程とを備え、冷間圧延工程は、複数回の冷間圧延パスを有し、複数回の冷間圧延パスのうち、初回の冷間圧延パスにおける板材の減面率が他の冷間圧延パスにおける板材の減面率のいずれよりも大きい銅合金材の製造方法が提供される。
また、上記銅合金材の製造方法は、仕上げ冷間圧延工程を経た板材に時効処理を施す時効処理工程を更に備えてもよい。
また、上記銅合金材の製造方法は、溶体化処理工程を経た板材に時効処理を施す時効処理工程を更に備えてもよい。
本発明に係る銅合金材によれば、高強度、高耐力、高導電率、及び良好な曲げ加工性を有する銅合金材を提供できる。
本発明の実施の形態に係る銅合金材の製造工程の流れを示す図である。 本発明の実施の形態の変形例に係る銅合金材の製造工程の流れを示す図である。 実施例1に係る銅合金材の逆極点図形である。 実施例2に係る銅合金材の逆極点図形である。 実施例3に係る銅合金材の逆極点図形である。 実施例4に係る銅合金材の逆極点図形である。 比較例1に係る銅合金材の逆極点図形である。 比較例2に係る銅合金材の逆極点図形である。 比較例3に係る銅合金材の逆極点図形である。 比較例4に係る銅合金材の逆極点図形である。 (a)は、実施例1に係る銅合金材の逆極点図形であり、(b)は、実施例1に係る銅合金材に曲げ加工を施した後の逆極点図形である。 (a)は、比較例1に係る銅合金材の逆極点図形であり、(b)は、比較例1に係る銅合金材に曲げ加工を施した後の逆極点図形である。
本発明の実施の形態に係る銅合金材は、本発明者が得た以下の知見に基づく。すなわち、本発明者は、良好な曲げ加工性を発揮する合金材料について、合金材料の結晶方位制御の観点に基づいて鋭意研究した結果に基づく。具体的に、圧延工程を経て製造される合金材は、圧延面に複数の結晶面を有する。そして、合金材の圧延面に平行な複数の結晶面それぞれの結晶回折測定における回折強度を所定の順に制御することにより、高い強度、高い耐力、及び高い導電率を有するだけではなく、良好な曲げ加工性を有する合金材が得られるという知見を本発明者が得たことに基づく。以下の実施の形態では、合金材である銅合金材のうち、Cu−Ni−Si系銅合金材を一例として説明する。
[実施の形態]
(銅合金材の概要)
本発明の実施の形態に係るCu−Ni−Si系銅合金材は、圧延工程を経て製造される銅合金材であって、圧延工程によって形成される圧延面を備え、圧延面は、圧延面に平行な複数の結晶面を有しており、複数の結晶面は、{011}面と、{1nn}面(但し、nは1以上の整数)と、{11m}面(但し、mは1以上の整数)と、{023}面、{012}面、及び{135}面からなる群から選択される少なくとも1つの結晶面とを含んで形成される。
ここで、{hkl}面は、(hkl)面に等価な対称性を持つ結晶面のすべてを表す。具体的に、本実施の形態に係るCu−Ni−Si系銅合金材を構成する銅、銅合金等の結晶構造は立方晶系であるので、{hkl}と{khl}と{klh}とは互いに等価な結晶面である。例えば{100}面と表現した場合、(100)面、(010)面、(001)面、(−100)面、(0−10)面、及び(00−1)面のすべてを{100}面は含む。また、{001}面、及び{010}面もすべて{100}面と等価である。
また、結晶面{hkl}において、その整数倍(n=整数)の結晶面{h×n k×n l×n}はそれぞれ互いに平行になる。例えば、{011}面と{022}面とは互いに平行であり、{012}面と{024}面とは互いに平行である。本実施の形態では、結晶面の表記を最小の整数で示している。更に、本実施の形態においては、{hkl}面の指数hklの表記順序は、h≦k≦l、かつ、最小の整数に統一している。
本実施の形態に係るCu−Ni−Si系銅合金材の圧延面は、圧延面を基準とした圧延面の結晶回折測定により得られる逆極点図形において、複数の結晶面の回折強度が、{011}面>{155}面>{133}面、かつ、{011}面>{023}面>{012}面、かつ、{011}面>{135}面>{112}面の関係を満たす。
また、本実施の形態に係るCu−Ni−Si系銅合金材は、Niと、Siとを含み、残部がCu及び不可避的不純物から形成される。具体的に銅合金材は、2.0重量%以上3.5重量%以下のNiを含み、0.35重量%以上0.85重量%以下のSiを含み、残部がCuと不可避的不純物とからなる。
なお、Cu−Ni−Si系銅合金材は上記例に限られず、Zn、Sn、及びPからなる群から選択される少なくとも1つの元素と、Niと、Siとを含み、残部がCu及び不可避的不純物から形成することもできる。具体的に、当該銅合金材は、2.0重量%以上3.5重量%以下のNiを含み、0.35重量%以上0.85重量%以下のSiを含み、Zn、Sn、及びPからなる群から選択される少なくとも1つの元素を合計3.0重量%以下含むと共に、残部がCu及び不可避的不純物から形成される。
(結晶回折測定について)
ここで、結晶回折測定は、測定対象物である測定試料の圧延面を基準にX線又は電子線を用いて実施する。結晶回折測定においてX線と電子線との相違は、測定試料に入射した場合における侵入深さである。すなわち、X線と電子線との相違は、用いた測定試料について得られる情報において、深さ方向の情報量が相違する点である。結晶回折測定にX線を用いた場合、深さ方向において数μm〜数十μmの深さまでの情報を得ることができる。一方、結晶回折測定に電子線を用いた場合、深さ方向において得られる情報は測定目的に応じて変化する。例えば、後方散乱電子線回折(Electron Backscatter Diffraction Pattern:EBSD、又はEBSP)では、30nm〜50nm程度の深さまでの情報を得ることができる。
なお、本実施の形態において「圧延面を基準」にするとは、電子線を用いた結晶回折測定を実施した場合には、圧延面を直接に測定することを意味する。また、X線を用いた結晶回折測定を実施した場合には、あおり角度(測定対象物を傾ける角度)で規定される角度だけ測定対象物を傾け、この状態でX線を測定対象物に照射して結晶回折測定を実施するので、圧延面に平行にある結晶面に対して特定のあおり角度で発生したX線回折を測定することを意味する。
また、測定試料が測定試料の全体にわたって略均一の結晶状態であれば、X線及び電子線のいずれを用いた場合でも、同一の結晶回折測定の結果が得られる。本実施の形態に係るCu−Ni−Si系銅合金材は、その全体にわたって略均一の結晶状態を有する。したがって、本実施の形態に係るCu−Ni−Si系銅合金材(例えば、量産製品)においては、X線及び電子線のいずれを用いた結晶回折測定であっても、圧延面の結晶回折測定の結果は略同一となる。なお、本実施の形態の変形例に係る銅合金材(例えば、試作用の銅合金材、研究用の銅合金材)においては、銅合金材の厚さ方向に沿って結晶状態が変化する場合があるので、斯かる場合にはX線を用いた結晶回折測定の結果と電子線を用いた結晶回折測定の結果とが異なる場合がある。更に、銅合金材の圧延面の表面における結晶状態と銅合金材の内部の結晶状態とを相違させた場合には、X線を用いた結晶回折測定の結果と電子線を用いた結晶回折測定の結果とが異なることになる。
本実施の形態に係るCu−Ni−Si系銅合金材は、その全体にわたって略均一の結晶状態を有するので、X線を用いた結晶回折測定の測定結果と、電子線を用いた結晶回折測定の測定結果とは、略同一となる。したがって、本実施の形態では、電子線回折による結晶回折測定を主として説明する。具体的には、銅合金材の圧延面についてEBSD測定を実施して、回折パターン(一般的に、「菊池パターン」と呼ばれる)を得ることによって、圧延面の各結晶粒の結晶面の情報を得ることができる。なお、測定制御ソフトは、OIM Data Collection Ver.5(株式会社TSLソリューションズ製)を用いることができる。そして、圧延面の各結晶粒の結晶面の情報に基づいて、逆極点図を作成することができる(逆極点図を作成するソフトは、OIM Analysis Ver.5(株式会社TSLソリューションズ製)を用いることができる)。なお、測定装置の構成は、例えば、SEM(型式:SU−70、日立製)、EBSD(株式会社TSLソリューションズ製)を用いることができる。
(逆極点図形について)
また、ある測定対象物の結晶面の分布等を表示する方法としては、正極点図形と逆極点図形とがある。正極点図形は、測定試料の試料軸を固定した平面図形表示であり、結晶面の3次元的な状態を読み取ることができる。一方、逆極点図形は、測定試料の結晶軸を固定した平面図形表示である。本実施の形態では、逆極点図形を用いた。そして、本実施の形態に係るCu−Ni−Si系銅合金材は、複数の結晶面のうち、{011}面、{155}面、{133}面、{023}面、{012}面、{112}面、及び{135}面それぞれの回折強度が上述した関係になるように制御された銅合金材である。
(銅合金材の製造工程)
図1Aは、本発明の実施の形態に係る銅合金材の製造工程の流れの一例を示す。
まず、製造する銅合金材に含まれるべき元素の原料と、無酸素銅とを準備する。準備する原料の量は、製造する銅合金材に含まれる元素の組成比に応じた量である。そして、高周波溶解炉において準備した原料及び無酸素銅を溶解させ、銅合金のインゴットを鋳造する(鋳造工程:ステップ10、以下、ステップを「S」と称する)。次に、インゴットを熱間圧延加工することにより、銅合金の板材を製造する(熱間圧延工程:S20)。続いて、銅合金の板材を冷間圧延する。本実施の形態においては、複数回、銅合金の板材に冷間圧延を施す(冷間圧延工程:S30)。
本実施の形態において、冷間圧延工程は、複数の冷間圧延パスを含む複数の冷間圧延加工工程を有する。具体的に、冷間圧延工程は、冷間圧延工程を経る前の銅合金の板材の厚さをtとした場合に、t厚の銅合金の板材をt厚(但し、t>t)の銅合金の板材に加工する第1の冷間圧延加工工程を有する。そして、第1の冷間圧延加工工程は、t厚の銅合金の板材を、段階的にt厚の銅合金の板材まで冷間圧延加工する複数の冷間圧延パスを含む。
そして、本実施の形態においては、第1の冷間圧延工程に続いて、t厚の銅合金の板材をt厚(但し、t>t)の銅合金の板材に加工する第2の冷間圧延工程、及びt厚の銅合金の板材をt厚(但し、t>t)の銅合金の板材に加工する第3の冷間圧延工程を実施することができる。ここで、冷間圧延工程は、t厚の銅合金の板材をt厚の銅合金の板材(但し、nは正の整数であり、t>t)まで薄くするまで、m回の冷間圧延工程(但し、mは2以上の整数)を繰り返すことができる。
複数の冷間圧延パスは、少なくとも初回の冷間圧延パスにおける板材の減面率が、初回の冷間圧延パスを除く他の冷間圧延パスにおける板材の減面率のいずれよりも大きくなるように実施される。すなわち、初回の冷間圧延パスにおける板材の減面率が最大となる。例えば、複数の冷間圧延パスは、一の冷間圧延パスにおける板材の減面率が、一の冷間圧延パスの次に続く他の冷間圧延パスにおける板材の減面率以上となるようにそれぞれ実施される。また、冷間圧延を板材に施す回数(すなわち、冷間圧延パスの回数)は、冷間圧延を施す前の板材の厚さtから、所定の厚さtx+1(但し、xは0以上の整数)になるまで少なくとも2回以上繰り返す。換言すれば、冷間圧延パスの回数の増加に伴って板材の減面率が徐々に小さくなるか、あるいは、少なくとも一つ前の冷間圧延パスにおける板材の減面率より次の冷間圧延パスにおける板材の減面率が大きくならないように、複数回の冷間圧延パスにおける冷間圧延がそれぞれ実施される。
次に、冷間圧延工程を経た銅合金の板材に、溶体化処理を施す(溶体化処理工程:S40)。続いて、溶体化処理を施した銅合金の板材に、冷間圧延加工を施す(仕上げ冷間圧延工程:S50)。更に、仕上げ冷間圧延工程を経た銅合金の板材に、時効処理を施す(時効処理工程:S60)。以上の工程を経ることにより、本実施の形態に係るCu−Ni−Si系銅合金材が得られる。
図1Bは、本発明の実施の形態の変形例に係る銅合金材の製造工程の流れの一例を示す。
実施の形態の変形例に係る銅合金材の製造工程は、溶体化処理工程後の工程が異なる点を除き、同一の工程を備える。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
実施の形態の変形例に係る銅合金材の製造工程においては、溶体化処理工程(S40)の後、まず、溶体化処理を施した板材に時効処理を施す(時効処理工程:S55)。次に、溶体化処理・時効処理を施した板材に、冷間圧延を施す(仕上げ冷間圧延工程:S65)。これにより、本実施の形態と同様に、Cu−Ni−Si系銅合金材が得られる。
(変形例)
本実施の形態では、Cu−Ni−Si系銅合金材(コルソン系銅合金材とも言う)について説明したが、圧延面に平行な複数の結晶面の逆極点図形における回折強度が上述した関係を満たすように制御されている限り、合金材はCu−Ni−Si系銅合金材に限られない。例えば、りん青銅、黄銅、ベリリウム銅、及びその他の合金を用いることができる。また、結晶回折測定にはX線を用いることもできる。
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る銅合金材は、圧延面が圧延面に平行な複数の結晶面を有しており、複数の結晶面は、{011}面と、{1nn}面(但し、nは1以上の整数)と、{11m}面(但し、mは1以上の整数)と、{023}面、{012}面、及び{135}面からなる群から選択される少なくとも1つの結晶面とを含み、更に、圧延面は、圧延面を基準とした圧延面の結晶回折測定により得られる逆極点図形において、複数の結晶面の回折強度が、{011}面>{155}面>{133}面、かつ、{011}面>{023}面>{012}面、かつ、{011}面>{135}面>{112}面という関係を満たすので、強度、耐力、導電性に優れると共に、曲げ加工性に優れた銅合金材を提供できる。したがって、本実施の形態に係る銅合金材は、例えば、小型の電気・電子装置に用いられる端子、コネクタ用途に安価に提供することができる。
また、本発明の実施の形態に係る銅合金材は、高い強度、高い耐力を有すると共に、曲げ加工性に優れているので、電気・電子装置に用いられる端子、コネクタの小型化に容易に対応することができ、電気・電子装置の設計の自由度を大幅に拡げることができる。
更に、圧延面が圧延面に平行な複数の結晶面を有しており、複数の結晶面は、{011}面と、{1nn}面(但し、nは1以上の整数)と、{11m}面(但し、mは1以上の整数)と、{023}面、{012}面、及び{135}面からなる群から選択される少なくとも1つの結晶面とを含み、圧延面に平行な結晶面の逆極点図形において、複数の結晶面の回折強度が、{011}面>{155}面>{133}面、かつ、{011}面>{023}面>{012}面、かつ、{011}面>{135}面>{112}面という関係を満たす限り、合金組成によらずに高い強度、高い耐力を有すると共に、曲げ加工性に優れた合金材を提供することができる。
以下、本発明の実施例に係る銅合金材及び比較例に係る銅合金材について説明する。
実施例及び比較例に係る銅合金材の製造方法は略同一である。すなわち、まず、母材としての無酸素銅と、製造すべき銅合金材に含まれる合金元素とを準備した。準備した合金元素の量は、製造すべき銅合金材に含まれる各合金元素の組成に応じた量である。表1に、実施例1〜8、及び比較例1〜8のそれぞれに係る銅合金材の組成を示す。
次に、表1に示した銅合金材の組成になるように、無酸素銅と合金元素とを高周波溶解炉で融解して、厚さ20mm、幅50mm、長さ250mmのインゴットを鋳造した(鋳造工程)。次に、インゴットを850℃に加熱して熱間圧延加工することにより厚さ8mmの板材を製造した(熱間圧延工程)。続いて、厚さ8mmの板材を厚さ0.25mmの板材になるまで冷間圧延した(冷間圧延工程)。冷間圧延工程の後、冷間圧延した板材を750℃〜850℃の温度で1分間保持した後、水中に投入して約300℃/分の速度で室温(約20℃)まで冷却した(溶体化処理工程)。更に、冷却した板材を厚さ0.2mmまで冷間圧延した(仕上げ冷間圧延工程)。そして、仕上げ冷間圧延工程を経た板材に、450℃で4時間保持した(時効処理工程)。
ここで、実施例と比較例との相違は、厚さ8mmから厚さ0.25mmまで板材を冷間圧延する冷間圧延工程における条件である。すなわち、実施例及び比較例において、冷間圧延工程は複数の冷間圧延加工工程を有すると共に、各冷間圧延加工工程は複数の冷間圧延パスを含む。そして、実施例と比較例とは、冷間圧延パスにおける条件が相違する。具体的には、冷間圧延パスにおける減面率が相違する。
具体的に、実施例では、冷間圧延工程の条件は、板材の厚さ8mmから厚さ2.5mmまで冷間圧延する第1の冷間圧延加工工程における冷間圧延パスあたりの減面率を15%以上25%以下の範囲内に規定すると共に、一の冷間圧延パスの減面率より一の冷間圧延パスの次の冷間圧延パスが大きくならないように制御した。また、板材の厚さ2.5mmから厚さ1.0mmまで冷間圧延する第2の冷間圧延加工工程における冷間圧延パスあたりの減面率を10%以上20%以下の範囲内に規定すると共に、一の冷間圧延パスの減面率より一の冷間圧延パスの次の冷間圧延パスが大きくならないように制御した。更に、板材の厚さ1.0mmから厚さ0.25mmまで冷間圧延する第3の冷間圧延加工工程における冷間圧延パスあたりの減面率を10%以上25%以下の範囲内に規定すると共に、一の冷間圧延パスの減面率より一の冷間圧延パスの次の冷間圧延パスが大きくならないように制御した。
また、溶体化処理工程後の仕上げ冷間圧延工程においては、板材の厚さ0.25mmから厚さ0.2mmまでの冷間圧延を2回の冷間圧延パスにより実施した。そして、1回目の冷間圧延パスの減面率より2回目の冷間圧延パスの減面率が大きくならないように制御すると共に、総減面率を20%にした。
一方、比較例に係る銅合金材の製造方法においては、冷間圧延工程の複数の冷間圧延パスそれぞれの減面率について特に制御せず、ある冷間圧延パスの減面率が実施例に係る減面率の規定範囲を超える場合、又は、一つ前の冷間圧延パスの減面率より次の冷間圧延パスの減面率が大きくなる冷間圧延パスが含まれる。表2には、実施例及び比較例に係る冷間圧延工程の加工条件を示す。
表2においては、第1の冷間圧延加工工程、第2の冷間圧延加工工程、第3の冷間圧延加工工程の順に冷間圧延加工工程を実施したことを示す。また、各冷間圧延加工工程において複数の冷間圧延パスは、第1冷間圧延パス、第2冷間圧延パス、第n冷間圧延パス(但し、nは1以上の整数)の順に冷間圧延を実施したことを示す。実施例に係る銅合金材の製造方法と比較例に係る銅合金材の製造方法とでは、以上のように冷間圧延工程の加工条件が異なるが、その他は同一とした。
(実施例及び比較例に係る銅合金材の圧延面の測定結果)
図2A〜Dはそれぞれ、実施例1〜4に係る銅合金材の逆極点図形を示し、図3A〜Dはそれぞれ、比較例1〜4に係る銅合金材の逆極点図形を示す。
具体的に、上述した工程を経て製造した銅合金材について、EBSD法によって圧延面を測定した。その測定結果、すなわち、圧延面に平行な結晶面の回折強度分布(逆極点図形)を図2A〜Dに示す。図2A〜Dはそれぞれ、実施例1〜実施例4それぞれに係る銅合金材の逆極点図形である。また、図3A〜Dはそれぞれ、比較例1〜比較例4それぞれに係る銅合金材の逆極点図形である。
図中の回折強度分布は、色が濃い部分ほど回折強度が大きいことを示す。なお、図2A及び図3Aには、各結晶面の位置を回折強度分布中に示した。そして、図2A〜Dを参照すると、実施例1〜実施例4に係る銅合金材はいずれも下記条件を満たしていることが示された。
すなわち、実施例1〜4に係る銅合金材はいずれも、{011}面と、{1nn}面(但し、nは1以上の整数)を少なくとも一つ以上と、{11m}面(但し、mは1以上の整数)を少なくとも一つ以上と、{023}面、{012}面、及び{135}面からなる群から選択される少なくとも1つの結晶面とを必ず含み、複数の結晶面の逆極点図形における回折強度が、{011}面>{155}面>{133}面、かつ、{011}面>{023}面>{012}面、かつ、{011}面>{135}面>{112}面の関係を満たしていた。
一方、比較例1〜4に係る銅合金材はいずれも、実施例1〜4が満たしていた条件、すなわち、圧延面に含まれる結晶面、及び各結晶面の回折強度の関係を満たしていなかった。
また、実施例5〜8に係る銅合金材はいずれも、実施例1〜4と同様に{011}面と、{1nn}面(但し、nは1以上の整数)を少なくとも一つ以上と、{11m}面(但し、mは1以上の整数)を少なくとも一つ以上と、{023}面、{012}面、及び{135}面からなる群から選択される少なくとも1つの結晶面とを必ず含み、複数の結晶面の逆極点図形における回折強度が、{011}面>{155}面>{133}面、かつ、{011}面>{023}面>{012}面、かつ、{011}面>{135}面>{112}面の関係を満たしていた。しかしながら、比較例5〜8に係る銅合金材は、実施例が満たしていた圧延面に含まれる結晶面、及び各結晶面の回折強度の関係を満たしていなかった。
なお、実施例5〜8、及び比較例5〜8の逆極点図形はそれぞれ、実施例1〜4、及び比較例1〜4それぞれと略同様であったので省略する。また、実施例1〜8、及び比較例1〜8それぞれに係る銅合金材について、X線回折測定を実施したところ、圧延面に平行な結晶面の逆極点図形は、EBSD法による結果と略同様であったので、X線回折測定による逆極点図形についても省略する。なお、圧延面に平行に存在する結晶面には、消滅則により直接測定できない結晶面が存在する。したがって、直接測定できない結晶面について間接的に測定するために、直接測定できる他の結晶面について測定試料を傾けて測定した。
実施例1〜8、及び比較例1〜8の結果から、銅合金材の組成が互いに異なる場合であっても、冷間圧延工程の複数の冷間圧延パスにおいて、一の冷間圧延パスの減面率より一の冷間圧延パスの次の冷間圧延パスが大きくならないように制御することにより、銅合金材の圧延面に平行に形成される複数の結晶面の種類、及び複数の結晶面それぞれの回折強度を制御することができることが示された。
(実施例及び比較例に係る銅合金材の特性評価)
実施例及び比較例に係る銅合金材それぞれについて、引張り強さ、0.2%耐力、及び曲げ加工性を評価した。引張り強さ及び0.2%耐力は、JIS Z2241に準拠した引張り試験を実施して測定した。曲げ加工性試験は、銅合金材から採取した試験片を用い、試験片の圧延方向と平行な方向を曲げ軸にしてJIS H3110、H3130、及び日本伸銅協会技術標準JCBA T307に準拠して実施した。曲げ加工性試験の試験条件は、試験片の厚さtを0.2mmにすると共に、曲げ半径をR=0.1mmにした場合(R/t=0.5)と、曲げ半径をR=0.2mmにした場合(R/t=1)との双方を実施した。表3に、実施例及び比較例に係る銅合金材それぞれについて、引張り強さ、0.2%耐力、及び曲げ加工性の評価結果を示す。なお、表3において、曲げ加工性の評価は、割れが大きい場合「××」と、割れが小さい場合「×」と、割れが微小の場合「△」と、割れがない場合「○」とした。
表3を参照すると、実施例1〜8に係る銅合金材は、高強度、高耐力、及び曲げ加工性のすべてにおいて優れていることが示された。
なお、実施例1〜8に係る銅合金材において、冷間圧延工程に含まれる複数の冷間圧延パスの条件を、一の冷間圧延パスの減面率より一の冷間圧延パスの次の冷間圧延パスが大きくならないように制御することにより、高強度、高耐力、及び曲げ加工性のすべてにおいて優れている銅合金材が得られるメカニズムとしては、以下のメカニズムが考えられる。
すなわち、銅及び銅合金は圧延加工によって、その結晶面は{011}面へ回転する傾向がある。したがって、複数の冷間圧延パスにおいて、一の冷間圧延パスの減面率より一の冷間圧延パスに続く次の冷間圧延パスの減面率が大きくならないように制御することで、冷間圧延パスあたりの冷間圧延において過剰に加工することなく冷間圧延加工ができると考えられる。一方、一の冷間圧延パスの減面率より一の冷間圧延パスに続く次の冷間圧延パスの減面率が大きくなる制御をすると、冷間圧延パスあたりの冷間圧延の加工度が高すぎる場合がある。この場合、ある冷間圧延パスから当該冷間圧延パスに続く次の冷間圧延パスにおいて{011}面へ回転していた結晶が、高すぎる加工度に起因して別の結晶面へ回転してしまう場合がある。
以上より、実施例1〜8のように、複数の冷間圧延パスにおいて、一の冷間圧延パスの減面率より一の冷間圧延パスに続く次の冷間圧延パスの減面率が大きくならないように制御することで高強度、高耐力、及び曲げ加工性のすべてにおいて優れている銅合金材が得られると考えられた。
図4Aの(a)は、実施例1に係る銅合金材の逆極点図形を示し、図4Aの(b)は、実施例1に係る銅合金材に曲げ加工を施した後の逆極点図形を示す。また、図4Bの(a)は、比較例1に係る銅合金材の逆極点図形を示し、図4Bの(b)は比較例1に係る銅合金材に曲げ加工を施した後の逆極点図形を示す。
まず、図4Aの(a)及び(b)を参照する。実施例1に係る銅合金材においては、逆極点図形で回折強度が強い部分、具体的には、図4A(a)の{101}面付近の領域は、曲げ加工を施しても、図4A(b)に示すように回折強度が強いままであった。これは、実施例1に係る銅合金材においては、曲げ加工を施しても銅合金材を構成する結晶に回転が実質的に生じなかったことを示す。更に、図4A(a)を参照すると、{113}面、{112}面付近において回折が測定されていたが、図4A(b)では回折が測定されなかった。これは、曲げ加工による塑性変形によって歪が多く蓄積したことにより回折測定ができなくなったためである(すなわち、歪が多く蓄積した部分については、EBSD測定で回折パターンが得られ難くなる)。また、本発明者は、{113}面、{112}面付近の結晶面は、曲げ加工後にしわのような外観になることを観察している(すなわち、表面が割れるのではなく、曲げ方向に対して垂直方向にしわが寄ったような外観になることを観察している)。
一方、図4B(a)及び(b)を参照すると、比較例1に係る銅合金材においては、逆極点図形で回折強度が強い部分、具体的には、図4B(a)の{101}面と{001}面との間の領域は、曲げ加工を施すと、図4B(b)に示すように{011}面の方向へ回転することが示された。更に、図4B(a)を参照すると、{113}面、{112}面付近において回折が測定されていたが、図4B(b)においては回折強度が弱まった。これは、実施例1と同様に、回折強度の弱い部分の各結晶面では、歪が多く蓄積しているためである(すなわち、表面の外観も実施例1と同様にしわ状になっていることを本発明者は観察している)。なお、実施例2〜8、及び比較例2〜8においても同様の傾向が観察された。
以上より、実施例1〜8においては、曲げ加工前の逆極点図形において強い回折強度を示す結晶面は曲げ加工を施しても実質的に回転しないと共に、弱い回折強度を示す結晶面は曲げ加工を施すことによりしわが発生することが、実施例1〜8に係る銅合金材において高強度、高耐力、及び曲げ加工性のすべてにおいて優れている特性が得られる原因の1つと考えられた。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。

Claims (5)

  1. 2.0重量%以上3.5重量%以下のNiと、0.35重量%以上0.85重量%以下のSiとを含み、残部がCu及び不可避的不純物から形成される銅合金材であり、
    圧延面を備え、
    前記圧延面は、前記圧延面に平行な複数の結晶面を有し、
    前記複数の結晶面は、{011}面と、{1nn}面(但し、nは1以上の整数)と、
    {11m}面(但し、mは1以上の整数)と、{023}面、{012}面、及び{135}面からなる群から選択される少なくとも1つの結晶面とを含み、
    前記圧延面は、前記圧延面を基準とした前記圧延面の結晶回折測定により得られる逆極点図形において、前記複数の結晶面の前記逆極点図形における回折強度が、
    {011}面>{155}面>{133}面
    かつ
    {011}面>{023}面>{012}面
    かつ
    {011}面>{135}面>{112}面
    の関係を満たす銅合金材。
  2. 合計3.0重量%以下のZn、Sn、及びPからなる群から選択される少なくとも1つの元素と、2.0重量%以上3.5重量%以下のNiと、0.35重量%以上0.85重量%以下のSiとを含み、残部がCu及び不可避的不純物から形成される銅合金材であり、
    圧延面を備え、
    前記圧延面は、前記圧延面に平行な複数の結晶面を有し、
    前記複数の結晶面は、{011}面と、{1nn}面(但し、nは1以上の整数)と、
    {11m}面(但し、mは1以上の整数)と、{023}面、{012}面、及び{135}面からなる群から選択される少なくとも1つの結晶面とを含み、
    前記圧延面は、前記圧延面を基準とした前記圧延面の結晶回折測定により得られる逆極点図形において、前記複数の結晶面の前記逆極点図形における回折強度が、
    {011}面>{155}面>{133}面
    かつ
    {011}面>{023}面>{012}面
    かつ
    {011}面>{135}面>{112}面
    の関係を満たす銅合金材。
  3. 請求項1または2に記載の銅合金材の製造方法であって、
    銅合金から成るインゴットを熱間圧延加工して前記銅合金の板材を製造する熱間圧延工程と、
    前記板材を冷間圧延する冷間圧延工程と、
    前記冷間圧延工程を経た前記板材に溶体化処理を施す溶体化処理工程と、
    前記溶体化処理工程を経た前記板材を冷間圧延する仕上げ冷間圧延工程と
    を備え、
    前記冷間圧延工程は、複数回の冷間圧延パスを有し、前記複数回の冷間圧延パスのうち、初回の冷間圧延パスにおける前記板材の減面率が他の冷間圧延パスにおける前記板材の減面率のいずれよりも大きい銅合金材の製造方法。
  4. 前記仕上げ冷間圧延工程を経た前記板材に時効処理を施す時効処理工程を更に備える請求項に記載の銅合金材の製造方法。
  5. 前記溶体化処理工程を経た前記板材に時効処理を施す時効処理工程を更に備える請求項に記載の銅合金材の製造方法。
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