JP2022526438A - (s)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-メチル-1h-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1、2,4]トリアジン-4-イル)ピペラジニル)-ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミンの結晶形態及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
化合物(I)TIFF2022526438000078.tif5855その薬学的に許容される塩及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態が開示されている。それらを含む医薬組成物、それを使用して腫瘍原性KIT及びPDGFRA変化に関連する障害及び状態を治療する方法、並びに化合物(I)及びその結晶形態を作製するための方法も開示される。
Description
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年3月16日に出願された米国仮出願第62/990,269号、2019年5月7日に出願された米国仮出願第62/844,575号、及び2019年4月12日に出願された米国仮出願第62/833,527号の優先権を主張する。前述の出願のそれぞれの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2020年3月16日に出願された米国仮出願第62/990,269号、2019年5月7日に出願された米国仮出願第62/844,575号、及び2019年4月12日に出願された米国仮出願第62/833,527号の優先権を主張する。前述の出願のそれぞれの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に開示されるのは、(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ピペラジン-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン(化合物(I))、その薬学的に許容される塩、及びそれを含む前述の組成物のいずれかの溶媒和物の結晶形態、それを使用する方法、並びにその結晶形態を含む化合物(I)を製造するためのプロセスである。化合物(I)の結晶形態は、エクソン17変異体及び/又はPDGFRαエクソン18変異体タンパク質を含む、KITの選択的阻害剤であり得る。
酵素KIT(CD117とも呼ばれる)は、様々な種類の細胞で発現する受容体型チロシンキナーゼである。KIT受容体タンパク質は、構造的に関連するタンパク質PDGFRα(血小板由来増殖因子受容体A)、PDGFRβ、FLT3(FMS様チロシンキナーゼ3)、及びCSF1R(コロニー刺激因子1受容体)も含むクラスIII受容体チロシンキナーゼ(RTK)ファミリに属している。KIT分子には、長い細胞外ドメイン、膜貫通セグメント、及び細胞内部分が含まれる。KITのリガンドは幹細胞因子(SCF)である。通常、幹細胞因子(SCF)は、二量体化、自己リン酸化、及び下流のシグナル伝達の開始を誘導することにより、KITに結合して活性化させる。ただし、いくつかの腫瘍タイプでは、KITの体細胞活性化変異がリガンド非依存性の構成的活性を促進する。
KIT変異は一般に、膜近傍ドメイン(エクソン11)をコードするDNAで発生する。KIT変異は、また、エクソン7、8、9、13、14、17、及び18において、低い頻度で起こる。変異により、KITはSCFによる活性化とは無関係に機能し、細胞分裂率が高くなり、ゲノムが不安定になる可能性がある。変異体KITは、いくつかの障害及び状態、例えば、肥満細胞症、消化管間質腫瘍(GIST)、急性骨髄性白血病(AML)、黒色腫、及び精上皮腫の病因に関与している。
構造的に関連する血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)は、血小板由来増殖因子(PDGF)ファミリのメンバに対する細胞表面チロシンキナーゼ受容体である。PDGFサブユニット-α及び-βは、細胞増殖、細胞分化、細胞成長、及び細胞発達を調節する。PDGFサブユニット-α及び-βの変化(例えば、変異)は、一部の癌を含む多くの疾患に関連している。例えば、エクソン18PDGFRα D842V変異は、GISTの別個のサブセット、通常は胃から発見されている。D842V変異は、チロシンキナーゼ阻害剤耐性にも関連している。更に、PDGFRα D842I及びPDGFRα D842Y等の他のエクソン18変異は、PDGFRαのリガンド非依存性の構成的活性化に関連している。GISTでは、PDGFRαシグナル伝達のリガンド非依存性構成的活性化を付与する機能変異(例えば、PDGFRα D842I、D842V、及びD842Y等)が疾患のドライバーとして同定されている。
化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物は、KIT及び/又はPDGFRαを阻害し得、肥満細胞症等の肥満細胞障害、並びに腫瘍原性KIT及びPDGFRαの変化に関連する障害及び状態の治療において有用であり得る。化合物(I)は、国際公開第2015/057873号の実施例7に開示されており、以下の構造を有する。
化合物(I)を製造するための国際公開第2015/057873号に記載されている手順は、最終工程でエナンチオマーを分離するために、キラル超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)を使用する。一般に、クロマトグラフィによる分離は、大規模な製造プロセスには望ましくない。また、微量の不純物が国際公開第2015/057873号に記載された手順で得られた化合物(I)の1H NMRで観察された。
化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物等の結晶形態の生物活性化合物の結晶形態は、結晶形態が医薬品開発に望ましいか又は必要とさえされ得る製薬業界において興味深い。結晶形態は、同じ組成の物質が異なる格子配列で結晶化する場合に発生し、各結晶形態に固有の異なる熱力学的特性及び安定性が生じる。それぞれの固有の結晶形態は「多形」として知られている。結晶形態はまた、同じ化合物の異なる溶媒和物(例えば、水和物)を含み得る。所与の物質の多形は同じ化学組成を有するが、それらは、溶解性、解離、真の密度、分離、融点、結晶習慣又は形状、圧縮挙動、粒子サイズ、流動特性、及び/又は固体状謡安定性等の少なくとも1つの物理的、化学的、及び/又は薬学的特性に関して互いに異なる可能性がある。
生物活性化合物の固体形態は、しばしば、その調製の容易さ、単離の容易さ、吸湿性、安定性、溶解性、貯蔵安定性、製剤の容易さ、胃腸液への溶解速度、及びin vivoバイオアベイラビリティを決定する。例えば、大規模な製造中に不安定な結晶形態が使用される場合、結晶形態が製造及び/又は保管中に変化し、品質管理の問題及び配合の不規則性が生じる可能性がある。不安定な結晶形態は、人間が使用する医薬品の開発に影響を与える可能性がある。したがって、その物理的又は化学的安定性を改善する生物活性化合物の固体状態へのいかなる変化も、同じ化合物のより安定性のより低い形態に対して著しく有利であり得る。
更に、治療用組成物において医薬品有効成分(API)として使用される結晶形態は、実質的に純粋であることが重要である。具体的には、実質的に純粋な結晶形態は、特定の結晶形態の調製及び/又は単離及び/又は精製から生じる、反応不純物、出発物質、試薬、副産物、不要な溶媒及び/又は他の処理不純物を含まない。
特定の化合物、塩、又は化合物の水和物が結晶形態を形成するかどうか、いくつの異なる結晶形態が存在するか、そのような結晶形態が医薬組成物における商業的使用に適しているかどうか、又はどの結晶形態(複数可)が望ましい特性を示すかについては依然として予想できていない。異なる結晶形態は異なる特性を有する可能性があるため、大規模な製造プロセスを含む、実質的に純粋な結晶形態、すなわち形態の混合物ではないものを生成するための再現可能なプロセスは、医薬品で使用することを目的とする生物活性化合物にとって望ましい。
したがって、肥満細胞症を含む、変異体/腫瘍原性KIT及びPDGFRAに関連する肥満細胞障害、並びに変異体/腫瘍原性KIT及びPDGFRAの変化に関連する障害及び状態を治療するのに有用な新規な結晶形態、例えば、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物が必要とされている。
本明細書に開示されるのは、化合物(I)の新規な結晶形態、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物、それを含む組成物、並びにそれを使用及び製造する方法である。重要なことに、医薬用途の化合物(I)の結晶形態は、実質的に不純物を含まない。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される新規な結晶形態は、大規模な製造、製剤、及び/又は貯蔵に有用な特性を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される新規な結晶形態は、1つの結晶形態からなる。結晶形態は実質的に純粋である。化合物(I)を作製する新規の方法も本明細書に開示される。
本開示のいくつかの実施形態は、薬学的に許容される賦形剤、並びに化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結晶形態は、化合物(I)の結晶形態Aである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結晶形態は、化合物(I)の結晶形態Bである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結晶形態は、化合物(I)の結晶形態Cである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結晶形態は、化合物(I)の結晶形態Oである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結晶形態は、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結晶形態は、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結晶形態は、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hである。
本開示のいくつかの実施形態は、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態の治療有効量を投与することによって、KIT又はPDGFRα阻害剤を必要とする患者を治療する方法に関する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結晶形態は、化合物(I)の結晶形態Aである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結晶形態は、化合物(I)の結晶形態Bである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結晶形態は、化合物(I)の結晶形態Cである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結晶形態は、化合物(I)の結晶形態Oである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結晶形態は、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結晶形態は、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結晶形態は、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hである。
いくつかの実施形態では、KIT又はPDGFRα阻害剤を必要とする患者は、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRAの変化に関連する障害又は状態に罹患している。いくつかの実施形態では、KIT又はPDGFRα阻害剤を必要とする患者は、PDGFRAエクソン18陽性の切除不能又は転移性GISTに罹患している。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRA変化は、PDGFRAのエクソン18における遺伝子変異である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、PDGFRAタンパク質におけるD842V変異である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、PDGFRAタンパク質におけるD842I変異である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、PDGFRAタンパク質におけるD842Y変異である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、PDGFRαのエクソン18における非D842変化である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、PDGFRAタンパク質におけるインデルである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、PDGFRAタンパク質におけるD842-H845である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、PDGFRAタンパク質におけるDI842-843Vである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRA変化は、KITのエクソン17における遺伝子変異である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、KITタンパク質におけるd557-558である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、KITタンパク質におけるV560Gである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、KITタンパク質におけるV560G/D816Vである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、KITタンパク質におけるV560G/N822Kである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、KITタンパク質におけるD816変異である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、KITタンパク質におけるD816V変異である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、KITタンパク質におけるD816Eである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、KITタンパク質におけるD816Fである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、KITタンパク質におけるD816Hである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、KITタンパク質におけるD816Iである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、KITタンパク質におけるD816Yである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、KITタンパク質におけるD820Eである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、KITタンパク質におけるD820Yである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRα変化は、KITタンパク質におけるY823Dである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRA変化に関連する障害又は状態は、消化管間質腫瘍(GIST)である。いくつかの実施形態では、患者はイマチニブによる治療に抵抗性である。いくつかの実施形態では、患者は、少なくとも3つの治療の経験がある。いくつかの実施形態では、患者は、イマチニブ、スニチニブ、及び/又はレゴラフェニブによる治療に抵抗性である。いくつかの実施形態では、患者は切除不能なGISTを有する。いくつかの実施形態では、患者は転移性GISTを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRA変化に関連する障害又は状態は、急性骨髄性白血病である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの変異体/腫瘍原性KIT及び/又はPDGFRA変化に関連する障害又は状態は、肥満細胞症である。いくつかの実施形態では、肥満細胞症は、皮膚肥満細胞症(CM)及び全身性肥満細胞症(SM)から選択される。いくつかの実施形態では、全身性肥満細胞症は、無痛性全身性肥満細胞症(ISM)、くすぶり型全身性肥満細胞症(SSM)、及び進行した全身性肥満細胞症(AdvSM)から選択される。AdvSMには、侵襲性全身性肥満細胞症(ASM)、造血系非肥満細胞系統疾患を伴うSM(SM-AHNMD)、及び肥満細胞白血病(MCL)が含まれる。いくつかの実施形態では、全身性肥満細胞症は、無痛性全身性肥満細胞症(ISM)である。いくつかの実施形態では、全身性肥満細胞症は、進行した全身性肥満細胞症(AdvSM)である。いくつかの実施形態では、全身性肥満細胞症は、くすぶり型全身性肥満細胞症(SSM)である。いくつかの実施形態では、全身性肥満細胞症は、侵襲性全身性肥満細胞症(ASM)である。いくつかの実施形態では、全身性肥満細胞症は、造血系非肥満細胞系統疾患を伴うSM(SM-AHNMD)である。いくつかの実施形態では、全身性肥満細胞症は、肥満細胞白血病(MCL)である。
本明細書に開示されるのは、患者における無痛性全身性肥満細胞症(ISM)及びくすぶり型全身性肥満細胞症(SSM)を化合物(I)によって治療するための改善された方法である。いくつかの実施形態では、本開示は、ISM及びSSMの治療のための化合物(I)投薬レジメンを提供する。より具体的には、本開示は、無痛性全身性肥満細胞症-症状評価フォーム(ISM-ASF)によって評価されるように、最小平均総症状スコア(TSS)に基づいて中等症から重症の症状を有すると特定された患者において、化合物(I)を1日1回、10~100mgの用量で投与することによって、ISM及びSSMを治療する方法を提供する。
ISM及びSSMの承認された治療法はない。症状は、抗ヒスタミン薬等の症状指向の治療法で管理される。したがって、ISM及びSSMの安全で有効な治療法が必要である。更に、ISM及びSSM患者はAdvSM患者よりも疾病負荷が低く、長期間治療を続けることが予想されるため、有効であれば低用量であることが必要である。
PDGFRA D842V変異を含むPDGFRAエクソン18変異を有する切除不能又は転移性GISTの成人の治療のための化合物(I)(AYVAKIT(商標)又はアバプリチニブ)のFDA承認用量は、300mg経口QDである。第二相臨床試験は現在、進行した全身性肥満細胞症(AdvSM)の患者を対象に、200~300mgの経口QDの用量の化合物(I)の有効性及び安全性を評価している。本明細書で提供される実施例に示される最新の臨床試験によれば、ISM又はSSMの患者に1日1回25mg投与される化合物(I)は、肥満細胞負荷の低減、疾患の症状の改善、及び生活の質の改善を含む、その臨床プロファイルの3つの側面全てにわたって改善を示すことが現在わかっている。具体的には、1日1回投与された25mgの化合物(I)は、16週間において総ドメインスコアのISM-SAF TSS及び各症状における統計的に有意な減少を有する。驚くべきことに、25mgの用量は、50mg及び100mgのより高い用量と同様の平均改善をTSSにもたらし、忍容性がより良好であった。例えば、50mgQD用量及び100mgQD用量と同様に、25mgQD用量は血中KIT D816V対立遺伝子画分の有意な減少を示す。更に、患者に1日1回投与される25mgの化合物(I)は、ISMの患者において好ましい安全性プロファイルを有する。例えば、患者の95%は臨床試験を継続しており、有害反応(AE)による中止はない。25mgの1日1回のコホートにおけるグレード3以上のAEは発生しなかった。患者は、16週目にMC-QoL全体スコア及び全てのドメインスコアで測定されるように、生活の質(QoL)が改善されている。
化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態を調製する方法も本明細書に開示される。本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つの結晶形態が、化合物(I)の結晶形態Aである、当該方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つの結晶形態が、化合物(I)の結晶形態Bである、当該方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つの結晶形態が、化合物(I)の結晶形態Cである、当該方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つの結晶形態が、化合物(I)の結晶形態Oである、当該方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つの結晶形態が、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tである、当該方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つの結晶形態が、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trである、当該方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つの結晶形態が、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hである、当該方法に関する。
化合物(I)は、KIT D816V及びその他のKITエクソン17変異を選択的に標的とするために開発された。いくつかの実施形態では、化合物(I)はアモルファスである。いくつかの実施形態では、化合物(I)は結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物(I)は、結晶形態の混合物である。化合物(I)は、PDGFRA D842V変異を含むPDGFRAエクソン18変異を有する切除不能又は転移性消化管間質腫瘍(GIST)の成人の治療のために、1日1回(QD)400mgでFDAによって承認されている。化合物(I)は、KIT D816Vに対するin vitroにおける強力かつ選択的な活性、in vivoにおけるチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)耐性肥満細胞腫モデルにおける強力な増殖阻害、及び毒物学及び安全性薬理学試験における活性用量での忍容性も実証した。AdvSM(Explorer/NCT02561988)の患者における化合物(I)の進行中の第1相試験では、安全性及び予備的有効性を評価している。推奨される第二相用量(RP2D)は1日1回300mgと特定され、試験の拡大コホートは、より多くの患者コホートにおけるこの用量の有効性及び安全性を更に評価し、並びにAdvSM患者の症状改善に対する化合物(I)の影響を評価するために開発されたAdvSM症状評価フォーム(AdvSM-SAF)実証した。300mgQDで治療された患者の新たな安全性及び有効性のデータに基づいて、200mgQDで治療された患者の追加コホートが加えられた。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、本開示の化合物の非毒性の塩形態を指す。本開示の化合物(I)の薬学的に許容される塩は、適切な無機及び有機の酸及び塩基に由来するものを含む。薬学的に許容される塩は当技術分野でよく知られている。適切な薬学的に許容される塩は、例えば、Berge,S.M.,et al.J.Pharma.Sci.66:1-19(1977)に開示されているものである。 当該記事に開示されている薬学的に許容される塩の非限定的な例には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、臭化物、エデト酸カルシウム塩、カムシレート、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストール酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオネート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、粘液、ナプシレート、硝酸塩、パモエート(エンボネート)、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、亜酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオシレート、トリエチオダイド、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン、プロカイン、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、及び亜鉛が含まれる。
適切な酸に由来する薬学的に許容される塩の非限定的な例には、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、又は過塩素酸等の無機酸で形成される塩、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸又はマロン酸等の有機酸で形成される塩、及びイオン交換等の当技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成される塩が含まれる。薬学的に許容される塩の追加の非限定的な例には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトネート、グリセロ酸塩、グルコン酸塩、ヘミサルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウレート、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバレート、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸、及び吉草酸塩が含まれる。適切な塩基に由来する薬学的に許容される塩の非限定的な例には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、及びN+(C1-4アルキル)4塩が含まれる。本開示はまた、本明細書に開示される化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化を想定している。アルカリ及びアルカリ土類金属塩の非限定的な例には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムが含まれる。薬学的に許容される塩の更なる非限定的な例には、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩及びアリールスルホン酸塩等の対イオンを使用して形成されるアンモニウム、第四級アンモニウム、及びアミンカチオンが含まれる。薬学的に許容される塩の他の非限定的な例には、ベシル酸塩及びグルコサミン塩が含まれる。
本明細書で使用される場合、「周囲条件」という用語は、室温、戸外条件、及び制御されていない湿度条件を意味する。本明細書で使用される場合、「室温」又は「周囲温度」という用語は、15℃~30℃の範囲の温度を意味する。
本明細書で使用される場合、「多形」、「結晶形態(crystal form、crystalline form)」、「固体形態」、及び「形態」という用語は、互換的に、結晶格子内に特定の分子充填配列を有する固体を指す。結晶形態は、例えば、粉末X線回折(XRPD)、単結晶X線回折、示差走査熱量測定(DSC)、動的水蒸気収着(DVS)、及び/又は熱重量分析(TGA)を含む少なくとも1つの特性評価技術によって、互いに同定及び区別され得る。したがって、本明細書で使用される場合、用語「化合物(I)の結晶形態[X]」、「化合物(I)の[薬学的に許容される]塩の結晶形態[Y]、及び「化合物(I)[溶媒和物]の結晶形態[Z]」は、例えば、粉末X線回折(XRPD)、単結晶X線回折、示差走査熱量測定(DSC)、動的水蒸気収着(DVS)、及び/又は熱重量分析(TGA)を含む少なくとも1つの特性評価技術によって、互いに同定及び区別され得る、固有の結晶形態を指す。いくつかの実施形態では、新規の結晶形態は、少なくとも1つの指定された2シータ値(゜2θ)で少なくとも1つのシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
本明細書で使用される場合、「溶媒和物」という用語は、化学量論的又は非化学量論的量で、分子、原子、及び/又はイオンの結晶形態が、結晶格子構造に組み込まれた溶媒(複数可)の少なくとも1つの分子を更に含むことを指す。溶媒和物中の溶媒分子は、規則的な配置及び/又は無秩序な配置で存在し得る。例えば、非化学量論的な量の溶媒分子を含む溶媒和物は、溶媒和物からの溶媒の部分的な喪失から生じる可能性がある。あるいは、溶媒和物は、複数の分子を含む二量体又はオリゴマーとして生じ得る。溶媒が水である場合、溶媒和物は本明細書では「水和物」と呼ばれる。
本明細書で使用される場合、「XRPD」という用語は、粉末X線回折の分析的特性決定方法を指す。XRPDパターンは、回折計を使用して、透過又は反射ジオメトリの周囲条件で記録され得る。
本明細書で使用される場合、「粉末X線回折図」、「粉末X線回折パターン」、及び「XRPDパターン」という用語は、シグナル位置(横座標)対シグナル強度(縦座標)をプロットする実験的に得られたパターンを指す。アモルファス材料の場合、粉末X線回折図には少なくとも1つの幅広いシグナルが含まれ得る。結晶性材料の場合、粉末X線回折図には少なくとも1つのシグナルが含まれ得、各シグナルは度2θ(゜2θ)で測定された角度値によって特定され、粉末X線回折図の横座標に描かれ、「・・・度2シータにシグナル」、「・・・の[1つの]2シータ値にシグナル」、及び/又は「・・・から選択された少なくとも・・・の度2シータ値にシグナル」として表される。
本明細書で使用される「度2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図」という用語は、粉末X線回折実験(度2θ)で測定及び観察されたX線反射位置を含むXRPDパターンを指す。
本明細書で使用される場合、「シグナル」という用語は、カウントで測定される強度が極大値にあるXRPDパターン内の点を指す。当業者は、XRPDパターンの少なくとも1つのシグナルが重複する可能性があり、例えば、肉眼では明らかでない可能性があることを認識するであろう。当業者は、一部の当技術分野で認識されている方法が、例えばリートベルト精密化等のパターンでシグナルが存在するかどうかを決定することができ、それに適していることを認識するであろう。
本明細書で使用される場合、用語「・・・度2シータにシグナル」、「・・・の[1つの]2シータ値にシグナル」、及び「・・・から選択された少なくとも・・・の度2シータ値にシグナル」は、粉末X線回折実験(度2θ)で測定及び観察されたX線反射位置を指す。いくつかの実施形態では、角度値の再現性は、±0.2度2θの範囲にあり、すなわち、角度値は、記載された角度値+0.2度2シータ、角度値-0.2度2シータ、又はこれらの2つの端点の間の任意の値(角度値+0.2度2シータ及び角度値-0.2度2シータ)とすることができる。粉末X線回折シグナル値の測定に変動性があり得ることは当業者によく知られている。したがって、当業者は、異なるサンプルにおいて同じシグナルに対するシグナル値で、最大±0.2°2θの変動性があり得ることを理解するであろう。本明細書で使用される場合、「シグナル強度」という用語は、所与の粉末X線回折図内の相対的なシグナル強度を指す。相対的なシグナル強度に影響を与える可能性のある要因には、例えば、サンプルの厚さ及び選択配向(例えば、結晶粒子はランダムに分布していない)が含まれる。
本明細書で使用される場合、「アモルファス」という用語は、その分子の位置に長距離秩序を持たない固体材料を指す。例えば、アモルファス材料は、そのパワーX線回折図に鋭いシグナル(複数可)を有しない(すなわち、XRPDによって決定されるような結晶性ではない)固体材料である。アモルファスは、結晶性ではない固体を指す。代わりに、少なくとも1つのブロードなシグナル(例えば、少なくとも1つのハロー)がその回折図に表示される場合がある。ブロードなシグナルはアモルファス固体の特徴である。
本明細書で使用される場合、粉末X線回折図は、2つの粉末回析図のシグナルの少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%が同じ±0.2°2θである場合、「[特定の]図のものと実質的に類似している。」「実質的な類似性」を決定する際に、当業者は、同じ結晶形態であっても、XRPD回折図の強度及び/又はシグナル位置に変動がある可能性があることを理解するであろう。したがって、当業者は、XRPD回折図におけるシグナルの最大値(度2シータ(゜2θ))は、一般に、値は、上記の当技術分野で認識されている変動である、報告された値±0.2度2θを意味することを理解するであろう。
本明細書で使用される場合、定量的XRPD等の当技術分野に基づく方法によって決定されるように、サンプル中の全ての固体形態(複数可)の合計の90%以上の重量を占める場合、結晶形態は、「実質的に純粋」である。いくつかの実施形態では、固体形態は、それがサンプル中の全ての固体形態(複数可)の合計の95%以上の重量を占める場合、「実質的に純粋」である。いくつかの実施形態では、固体形態は、それがサンプル中の全ての固体形態(複数可)の合計の98%以上の重量を占める場合、「実質的に純粋」である。いくつかの実施形態では、固体形態は、それがサンプル中の全ての固体形態(複数可)の合計の99%以上の重量を占める場合、「実質的に純粋」である。
いくつかの実施形態では、固体形態は、それがサンプル中の全ての固体有機形態(複数可)の合計の98.0%以上の重量を占める場合、「実質的に純粋」である。本明細書で使用される場合、「固体有機形態(複数可)」は、水、元素、溶媒、及び化合物(I)のエナンチオマーを除外する。本明細書で使用される場合、化合物(I)の「エナンチオマー」は、以下の化学構造を有する化合物(E)である。
いくつかの実施形態では、固体形態は、それが≦0.8%w/w、≦0.7%w/w、≦0.6%w/w、≦0.55%w/wのその望ましくないエナンチオマー(化合物(E))を有する場合、「実質的に純粋」である。
いくつかの実施形態では、固体形態は、それが2.0%w/w以下の総不純物を有する場合、「実質的に純粋」である。いくつかの実施形態では、固体形態は、それが0.15%w/w以下の各既知の不特定の不純物を有する場合、「実質的に純粋」である。既知の不特定の不純物には、例えば、不純物(I-A)、
及び不純物(I-B)
が含まれる。
いくつかの実施形態では、固体形態は、それが0.55の面積/面積以下の化合物(E)を有する場合、「実質的に純粋」である。いくつかの実施形態では、固体形態は、それが0.15%w/w以下の各既知の不特定の不純物及び0.10%w/w以下の他の個々の不純物を有する場合、「実質的に純粋」である。いくつかの実施形態では、固体形態は、それが0.15%w/w以下の各既知の不特定の不純物及び0.10%w/w以下の他の個々の不純物、及び0.55の面積/面積以下の化合物(E)を有する場合、「実質的に純粋」である。
いくつかの実施形態では、固体形態は、それが主として溶媒を含まない場合、例えば個体形態が、3000ppm以下のメタノール、5000ppm以下の2-プロパノール、600ppm以下のジクロロメタン、720ppm以下のテトラヒドロフラン、620ppm以下の2-メチルテトラヒドロフラン、5000ppm以下のアセトン、5000ppm以下のヘプタン、5000ppm以下のメチルtert-ブチルエーテル、890ppm以下のトルエン、又は380ppm以下の1,4-ジオキサンを主として含まない場合、「実質的に純粋」である。
いくつかの実施形態では、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)は、化合物(I)の処理工程の最後の工程で使用され得る第三級アミンである。いくつかの実施形態では、固体形態は、それが本質的にDIPEAを含まない場合、「実質的に純粋」である。いくつかの実施形態では、固体形態が1000ppm以下のDIPEAを有する場合、固体形態は「実質的に純粋」である。
いくつかの実施形態では、固体形態がHPLCによる97.0%~103.0%w/wの無溶媒、無水ベース(計算は、水、残留溶媒及びDIPEA含有量の補正を含む)である場合、「実質的に純粋」である。HPLC保持時間は標準の±2%でなければならない。HPLC分析は、例えば、以下に記載されるように実施され得る。
本明細書で使用される場合、「選択的KIT阻害剤」又は「選択的PDGFRα阻害剤」は、KITプロテインキナーゼ又はPDGFRαプロテインキナーゼを、別のプロテインキナーゼよりも選択的に阻害し、KITプロテインキナーゼ又はPDGFRαプロテインキナーゼに対して、別のキナーゼよりも少なくとも2倍の選択性を示す化合物又はその薬学的に許容される塩又は前述のいずれかの溶媒和物を指す。例えば、選択的KIT阻害剤又は選択的PDGFRA阻害剤は、別のキナーゼよりもKITプロテインキナーゼ又はPDGFRαキナーゼに対して、少なくとも10倍の選択性、少なくとも15倍の選択性、少なくとも20倍の選択性、少なくとも30倍の選択性、少なくとも40倍の選択性、少なくとも50倍の選択性、少なくとも60倍の選択性、少なくとも70倍の選択性、少なくとも80倍の選択性、少なくとも90倍の選択性、少なくとも100倍、少なくとも125倍、少なくとも150倍、少なくとも175倍、又は少なくとも200倍の選択性を示す。いくつかの実施形態では、選択的KIT阻害剤又は選択的PDGFRα阻害剤は、別のキナーゼ、例えば、VEGFR2(血管内皮増殖因子受容体2)、SRC(非受容体タンパク質チロシンキナーゼ)、及びFLT3(Fms様チロシンキナーゼ3)よりも少なくとも150倍の選択性を示す。いくつかの実施形態では、別のキナーゼよりもKITプロテインキナーゼ又はPDGFRαプロテインキナーゼに対する選択性は、細胞アッセイ(例えば、細胞アッセイ)において測定される。いくつかの実施形態では、別のキナーゼよりもKITプロテインキナーゼ又はPDGFRαプロテインキナーゼに対する選択性は、生化学的アッセイ(例えば、生化学的アッセイ)において測定される。
本明細書で使用される場合、本明細書で開示される化合物の「治療有効量」は、対象において生物学的又は医学的応答を誘発する、例えば、酵素又はタンパク質活性の低下又は阻害、あるいは症状を改善、状態を和らげる、あるいは疾患の進行を遅滞又は遅延させる化合物の量を指す。いくつかの実施形態では、「治療有効量」は、対象に投与された場合に、(1)(i)KIT及び/又はPDGRFAによる、又は(ii)KIT及び/又はPDGFRA活性に関連する、あるいは(iii)KIT及び/又はPDGFRAの活性(正常又は異常)を特徴とする、障害又は状態を少なくとも部分的に軽減、阻害、及び/又は改善するのに有効であるか、あるいは(2)KIT及び/又はPDGFRαプロテインキナーゼの活性を低下又は阻害するのに有効である化合物の量を指す。いくつかの実施形態では、「治療有効量」は、細胞、又は組織、又は非細胞生物学的材料、又は培地に投与された場合に、KIT及び/又はPDGFRαプロテインキナーゼの活性を少なくとも部分的に低下又は阻害する化合物の量を指す。治療有効量は、治療の目的に依存し、当業者によって確認可能である(例えば、Lloyd(1999)The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compoundingを参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「阻害する(inhibit)」、「阻害(inhibition)」、又は「阻害すること(inhibiting)」という用語は、所与の状態、症状、又は障害、又は疾患の減少又は抑制、あるいは生物活性又はプロセスのベースライン活性の有意な減少を指す。
本明細書で使用される場合、「患者」又は「対象」という用語は、本開示の方法によって治療される生物を指す。非限定的な例示的な生物には、哺乳動物、例えば、ネズミ、サル、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ等が含まれる。いくつかの実施形態では、生物はヒトである。いくつかの実施形態では、治療される患者は、承認された症状指向療法では適切に制御することができない中等症から重症の症状を伴うISM又はSSMを有する。
本明細書で使用される場合、「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」、又は「治療(treatment)」という用語は、障害又は状態に関連して使用される場合、例えば、軽減、低減、調節、改善、及び/又は排除を含む、障害又は状態の改善において結果として生じる任意の効果を含む。障害又は状態の症状の改善又は重症度の軽減は、当技術分野で知られている標準的な方法及び技術に従って容易に評価され得る。
いくつかの実施形態では、治療は、肥満細胞負荷の低減を含む。いくつかの実施形態では、肥満細胞負荷の客観的測定は、血清トリプターゼ、骨髄肥満細胞数、皮膚肥満細胞浸潤、及び血液中のKIT D816V変異対立遺伝子負荷を含む。いくつかの実施形態では、肥満細胞負荷の客観的測定は、血清トリプターゼ、骨髄肥満細胞数、及び血液中のKIT D816V変異対立遺伝子負荷を含む。
いくつかの実施形態では、治療は、全身性肥満細胞症の症状の軽減を含む。全身性肥満細胞症の症状には、そう痒症、潮紅、消化管痙攣、下痢、アナフィラキシー(特に蜂毒)、骨痛、骨粗鬆症、及び色素性蕁麻疹が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書で定義されるISM-SAF患者報告アウトカム(PRO)手段を使用して、症状の改善を評価する。いくつかの実施形態では、患者は、治療を受ける前に1日1回ISM-SAFを完了し、患者はまた、治療中に1日1回ISM-SAFを完了する。例えば、患者は、インフォームドコンセントの時点で開始して、例えば4週間の期間、ISM-SAFを完了し、その間にベストサポーティブケア(best-supportive care:BSC)仲介が最適化され安定化される。一定の期間のデータ、例えば、4週間が収集されると、ISM-SAFは、例えば2週間(14日間)、追加の期間として1日1回完了し、患者の適格性はISM-SAF症状のしきい値に基づいて決定される。適格性のISM-SAFしきい値を満たしている患者は、次いで試験の適格性を評価するためのスクリーニング手順が完了する間、1日1回ISM-SAFを完了する。
全てのスクリーニング手順が完了すると、ベースライン症状が一定期間、例えば、試験開始直前の14日間収集される。これらのデータは、ベースラインの総症状スコア(TSS)として使用される。ISM-SAFは、患者が1日1回、試験の完了を通して、例えばパート1及びパート2、並びにパート3の第52週まで完了される。いくつかの実施形態では、試験のパート2の主要評価項目は、ベースラインから12週までのISM-SAF TSSの平均変化である。いくつかの実施形態では、治療は、アナフィラキシーのエピソードの数を改善する。いくつかの実施形態では、「アナフィラキシーのエピソード」は、エピネフリンで治療されたアナフィラキシーのエピソードである。
いくつかの実施形態では、治療は、1つ又は複数の質問票によって測定されるように、生活の質(QoL)を改善する。QoL質問票の非限定的な例には、MC-QoL、PGIS、SF-12、PGIC、及びEQ-5D-ELが含まれる。MC-QoLは、ISM及びCMの患者向けに特別に開発された疾患固有のQoLツールである((Siebenhaar,F.et al.,Allergy 71(6):869-77(2016))。MC-QoLには、症状、感情、社会生活/機能、及び皮膚の4つのドメインを評価する27の項目が含まれる。項目は、2週間の想起期間で5段階で評価される。PGISは、ある時点における患者の疾患の症状の認識を評価する単一項目の尺度である。PGISは、治療が有益であったかどうかの患者の全体的な感覚を評価するために広く使用されてきた。SF-12は、慢性疾患の患者を対象とした複数年にわたる試験であるMedical Outcomes Studyのために開発された。この手段は、回答者の負担を軽減すると同時に、複数の健康次元を含むグループ比較の目的で最低限の精度基準を達成するように設計されている。質問票は、患者の視点から8つの健康ドメインを使用して健康及び幸福を測定する。想起期間は4週間である。PGICは、ある時点における疾患症状の変化に対する患者の認識を評価する単一項目の尺度である。EQ-5D-5Lは、一般的な健康状態を測定するための標準化された手段である。これは、健康状態の説明及び評価の2つの構成要素で構成されている。健康状態は、5つの要素(5D)、可動性、セルフケア、通常の活動、痛み/不快感、不安/うつの用語によって測定される。回答者は、5段階の尺度を使用して、各要素の重症のレベルを自己評価する。想起期間は「即日」である((Whynes,D.K.,Health Qual Life Outcomes 6:94(2008))。
いくつかの実施形態では、治療は骨密度を改善する。骨密度は、腰椎及び股関節の両方を評価する二重エネルギーx線吸収測定スキャンによって測定される。いくつかの実施形態では、治療は骨密度に影響を及ぼさない。
本明細書で使用される場合、「SD」は、不変を意味する。
本明細書で使用される場合、「CR」は完全奏効を意味する。
本明細書で使用される場合、「PFS」は無増悪生存期間を意味する。
「全身性肥満細胞症」又は「SM」という用語は、皮膚、骨髄(BM)、脾臓、肝臓、胃腸(GI)管、及び他の臓器の腫瘍性MCの限局性及び/又はびまん性浸潤を伴う、MC負荷の増加、並びにMCメディエータの放出の増加を特徴とする肥満細胞(MC)のクローン性障害を指す。全ての患者がBMに関与している。世界保健機関(WHO)は、SMの診断及び分類の基準を確立している。最近提案されたWHOアップデート((Valent,P.et al,Blood 129(11):1420-27(2017))では、SMは、無痛性SM(ISM)、くすぶり型SM(SSM)、非MC系統の血液腫瘍を伴うSM(SM-AHN)、侵襲性SM(ASM)、及びMC白血病(MCL)に細分類される。後者の3つの下位分類は、全生存期間の短縮に関連しており、進行したSM(AdvSM)としてグループ化されている。進行したSMは予後不良と関連しており、全生存期間の中央値はASMで3.5年、SM-AHNで2年、MCLで6か月未満である。ISMは正常又はほぼ正常な平均余命に関連しており、SSMの予後は中程度である((Lim,K.H.et al.,Blood 113(23):5727-36(2009))。SMの主な基準は、BM又は他の皮膚外臓器におけるMCの多病巣性蓄積及びクラスター化である。マイナーな基準は、疾患のクローン性を確認し、異常なMC形態(紡錘)、MCにおけるCD2及び/又はCD25の発現、V-kit Hardy-Zuckerman4ネコ肉腫ウイルス腫瘍遺伝子ホモログ(KIT)エクソン17(通常はD816V)のコドン816における変異の活性化の発現、及び血清トリプターゼレベル>20ng/mLを含む。進行したSMは、MC浸潤(C所見)による臓器損傷の存在を特徴とするが、ISM及びSSMは臓器機能障害とは関連していない。
ISMは、WHO基準ごとに2つ未満のB所見が存在し、C所見が存在しないことによって定義され、SSMは、2つ以上のB所見が存在し、C所見が存在しないことによって定義される((Valent,P.et al,Blood 129(11):1420-27(2017))。B初見は次のとおりである。1.トリプターゼ>200ng/ml及び骨髄浸潤>30%、2.脾機能亢進症又は肝機能障害を伴わない肝腫大又は脾腫の存在、3.骨髄異形成症候群(MDS)又は骨髄増殖性腫瘍(MPN)等の別の血液疾患のWHO分類に適合しない軽度の異形成変化又は過細胞性骨髄の存在。ISMはSMの最も一般的な分類である。ISMの患者は、骨髄に異常な肥満細胞の集合を有するが、別の造血系疾患又は組織機能障害の兆候はない。吸引塗抹標本の肥満細胞は通常5%未満である。ISMの患者の平均寿命は一般集団と同等であるが、様々な肥満細胞メディエータ放出症状を伴うことがある。進行した変異体への進行のリスクは5%未満である。SSMは、肥満細胞の負荷が高いことを特徴とするが、明白な血液疾患又は組織機能障害の兆候はない。SSMの患者は、より進行した分類に進行するリスクが高いと考えられている。ISM及びSSMはどちらも、非進行SMと呼ばれる。
SMの全てのサブタイプ、及びこの疾患のほとんどの患者において、腫瘍性MCはKITのエクソン17のD816位置に変異を示し、その結果、KITキナーゼ活性リガンド非依存的活性化が生じる。野生型MCは、その分化及び生存のためにKIT活性を必要とするため、したがってD816V変異によるKITの構成的活性化は、SMの病原性ドライバーであると考えられている。((Chabot,B.et al.,Nature 335(6185):88-9(1988))。具体的には、KIT D816V変異は、SM患者の90%~98%に見られ、稀なKIT D816Y、D816F、及びD816H変異体が同定されている。((Garcia-Montero,A.C.,et al.,Blood 108(7):2366-72(2006);Valent,P., Am J Cancer Res.3(2):159-72(2013);Verstovsek,S.,Eur J Haematol.90(2):89-98(2013))。これらの発見に基づいて、KIT D816VはSMの主要な治療標的と見なされ((Valent et al,2017)、この変異を標的とするいくつかの薬剤が研究されてきた。
ISM及びSSMは、そう痒、潮紅、消化管痙攣、下痢、アナフィラキシー(特にハチ毒)、骨痛、及び骨粗鬆症を含む、MCメディエータの放出に関連する重度の症状を特徴とする(Gulen,T.et al.,J Intern Med.279(3):211-28(2016)。これらの症状はひどく衰弱させ、生活の質に悪影響を与える可能性がある(Hermine,O.et al,Masitinib for treatment of severely symptomatic indolent systemic mastocytosis: Additional efficacy analyses from the randomized,placebo-controlled,phase 3 study,EHA Abstract 709(2017);Jennings、S.、et al、J Allergy Clin Immunol.2(1):70-76(2014);Siebenhaar、F.et al、Allergy 71(6):869-77(2016);Van Anrooij、B.et al,Midostaurin(PKC412)in Indolent Systemic Mastocytosis:A Phase 2 Trial.2016;Pp.Poster Presentation Abstract: P303: European Hematology Association(EHA))。
患者はまた、美容的に衰弱させる皮膚肥満細胞症(CM)、ほとんどの場合、生活の質に影響を与える色素性蕁麻疹の影響を受けることが多い。異常なMCは皮膚及びBM生検で見られるが、MCの負荷は低く、これらの浸潤による重大な血球減少症又は他の臓器機能障害の兆候はない。非特異的治療は、MCメディエータ関連の症状を様々な程度の有効性で制御するために採用されてきたが、組織のMC負荷に影響を与えるものはない。これらの治療には、H1及びH2遮断薬、プロトンポンプ阻害薬、破骨細胞阻害薬、ロイコトリエン阻害薬、コルチコステロイド、クロモグリク酸ナトリウム、及び抗IgE抗体オマリズマブが含まれる。最近、いくつかのKIT-標的チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)がISM及びSSMの患者において研究されている。いくつかのTKI療法は、症状の改善、場合によってはMC負荷の測定値の減少が、ISM及びSSMの患者で達成できることを示しているが、利用可能な薬剤はいずれも、この疾患のKIT D816Vドライバー変異を特異的に標的とはしておらず、現在までに、TKI薬剤、又は他の薬剤は、ISM及びSSMを治療するために承認されていない。したがって、既存の対症療法に適切に反応しない中等症から重症の症状を有する患者には、依然として医療的必要性が存在している。
本明細書で使用されるように、「無痛性全身性肥満細胞症-症状評価フォーム」又は「ISM-SAF」(ISPOR Europe 2019,Copenhagen Denmark,2-6 Nov 2019)は、毎日の患者報告アウトカム(PRO)評価、例えば、eDiaryで使用される。ISM-SAFは、ISM及びSSMの患者の症状を評価するために特別に開発された12項目のPROである。ISM-SAFは、主に治療効果の仮説を評価するために開発されたが、兆候及び症状の重症度の最小レベルに基づいて、参加者を臨床研究に(又は臨床研究外に)スクリーニングするためにも使用できる。下の表に示されている11項目は、11段階で評価され(0~10、無し~最大の重症度)、また1項目(下痢)は頻度を評価する。
ISM-SAFは、皮膚/皮膚症状スコア(SSS)、GI/胃腸症状スコア(GSS)、及び非特異的症状、及び総症状スコア(TSS)のドメインについて、各項目のスコアを生成する。TSSは、全ての症状を足し合わせたものである。一態様では、TSSは項目1~10及び12である。一態様では、GSSは項目2~3及び12である。一態様では、SSSは項目4~6である。一態様では、患者は、インフォームドコンセントの時点から始まる4週間、毎日ISM-SAFを完了し、その間、BSC仲介が最適化され、安定化される。4週間のデータが収集されると、ISM-SAFは更に2週間(14日間)毎日完了されて、ISM-SAF症状のしきい値に基づいて患者の適格性を判断する。適格性のISM-SAFしきい値を満たしている患者は、毎日ISM-SAFを完了し、その間、試験の適格性を評価するためのスクリーニング手順が完了される。全てのスクリーニング手順が完了すると、ベースライン症状が試験開始直前の14日間収集される。これらのデータはベースラインTSSとして使用される。
一態様では、ISM又はSSMを有する患者は、最小のTTSを特徴とする中等症から重症の症状を有する。一態様では、ISM又はSSMの患者は、ISM-SAFを使用して評価した場合、最小TTSが28以上であることを特徴とする中等症から重症の症状を示す。一態様では、最小TTSは、≧27、≧26、≧25、≧24、≧23、≧22、≧21、≧20である。一態様では、中等症から重症の症状を伴うISM又はSSMの患者は、ベースラインにおけるISM-SAFの28を超える最小TSS及び皮膚又はGIドメインに1以上の症状を示す。一態様では、ベースラインは、サイクル1の1日目(C1D1)の前の14日の期間である。一態様では、患者は、典型的なベースライン症状を超える症状の急性フレアを経験していない。一態様では、患者は、研究者によって決定されたように、最適な(承認された)用量で投与された症状療法(H1遮断薬、H2遮断薬、プロトンポンプ阻害薬、ロイコトリエン阻害薬、クロモグリク酸ナトリウム、コルチコステロイド、又はオマリズマブ)のうちの少なくとも2つで、適格性を判断するためのISM-SAFを開始する前の最低4週間(28日)前、1つ又は複数のベースライン症状に対する症状制御を達成することに失敗した。一態様では、患者は、20ng/mL未満のベースライン血清トリプターゼを有する。一態様では、患者は、20ng/mL以上のベースライン血清トリプターゼを有する。一態様では、患者は皮膚肥満細胞症(CM)を有する。一態様では、患者はCMを有していない。CMの診断には、骨髄又は他の真皮外器官のいずれにも全身性肥満細胞浸潤の兆候がない、真皮の異常な肥満細胞浸潤の臨床的及び組織病理学的所見の存在が必要である。CMは更に3つの異なる亜変異体、色素性蕁麻疹/斑点状丘疹状皮膚肥満細胞症(MPCM)、びまん性CM、及び皮膚の肥満細胞腫に細分される。
一態様では、ISM又はSSMを有する患者は、KIT D816V変異を有する。KIT D816V変異は、0.022%の変異対立遺伝子頻度(MAF)の検出限界(LOD)を備えた液滴デジタルポリメラーゼ連鎖反応(ddPCR)アッセイ等の高感度アッセイによって検出され得る。
本明細書で使用される場合、「有害事象」又は「AE」は、薬物関連と見なされるかどうかに関わらず、ヒトにおける薬物の使用に関連するいずれかの有害な医学的事象である。AE(有害事象とも呼ばれる)は、因果関係についての判断なしに、薬物の使用に一時的に関連する不利で意図しない兆候(例えば、異常な検査所見)、症状、又は疾患であり得る。AEは、薬物の任意の使用(例えば、適応外使用、別の薬物との組合わせでの使用)、及び過剰摂取を含む任意の投与経路、製剤、又は用量から生じる可能性がある。
本明細書で使用される場合、「約」及び「おおよそ」という用語は、組成物又は剤形の成分の用量、量、又は重量パーセントに関連して使用される場合、指定された用量、量、又は重量パーセントから得られるものと同等の薬理学的効果を提供するために、当技術分野の通常の技術者の1人によって認識される用量、量、又は重量パーセントの特定の用量、量、又は重量パーセント又は用量の範囲の値を含む。
上記のように、本明細書に記載されているのは、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の新規な結晶形態である。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態は、実質的に純粋である。これらは、KIT及び/又はPDGFRαプロテインキナーゼの阻害剤であり得、いくつかの実施形態では、KIT及び/又はPDGFRαプロテインキナーゼの選択的阻害剤である。KIT及び/又はPDGFRα阻害剤は、腫瘍原性KIT及びPDGFRAの変化に関連する障害及び状態、例えば、肥満細胞症、消化管間質腫瘍(GIST)、急性骨髄性白血病(AML)、黒色腫、精上皮腫、頭蓋内胚細胞腫瘍、及び縦隔B細胞リンパ腫の治療に有用である。
同定された化合物(I)の異なる結晶形態の中で、結晶形態Aは、本明細書に開示される他の結晶形態よりも周囲温度でより安定である。更に、結晶形態Aは、本明細書で同定された他の結晶形態と比較して、配合するためのより良好な物理的及び化学的安定性特性を有することが示されている。結晶形態Aは、分離が容易であるという利点も提供する。結晶形態Aは、DSCで示されているように、優れた熱力学的安定性を備えている。
図2は、周囲条件における化合物(I)の結晶形態Aの粉末X線回折図を示す。
図3は、化合物(I)の結晶形態AのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、194℃~195℃の範囲の温度におけるシグナルを伴う吸熱事象を有するDSCサーモグラムによって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、193℃の開始温度を伴う吸熱事象を有するDSCサーモグラムによって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、190℃、191℃、又は192℃の開始温度を伴う吸熱事象を有するDSCサーモグラムによって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、図3のものと実質的に同様のDSCサーモグラムによって特性決定される。
図3はまた、アセトン及び水の混合物から再結晶化された化合物(I)の結晶形態AのTGA熱曲線を示す。化合物(I)の結晶形態Aの場合、TGAによる実証された質量損失は再結晶条件によって異なる。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、自由流動性の結晶性の白色、オフホワイト、黄色の固体である。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、無水多形である。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aの含水量は、1.0%未満の水である。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aの含水量は、0.04%以下である。いくつかの実施形態では、含水量レベルは、<0.01%~0.07%である。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、針状及び/又はシート状又はプレート状の固体であるように見える。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、25℃で相対湿度を2~95%RHに変化しながら、動的水蒸気収着(DVS)実験において0.42%の重量変化を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、40℃で相対湿度を2~95%RHに変化しながら、動的水蒸気収着(DVS)実験において0.29%の重量変化を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、40℃で相対湿度を70~95%RHに変化しながら、動的水蒸気収着(DVS)実験において0.20%の重量変化を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、動的水蒸気収着(DVS)分析によって決定されるように、非吸湿性である。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、40℃及び最大95%の相対湿度に曝された場合、最大0.44重量%の水分を取り込む。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、空腹時人工腸液(FaSSIF)における0.03mg/mLの溶解度を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、空腹時人工胃液における2.11mg/mLの溶解度を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、37℃で空腹時人工腸液(FaSSIF)における0.03mg/mLの溶解度を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、37℃で空腹時人工胃液における2.11mg/mLの溶解度を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、D10が1μm以上(NLT)であり、D50が5~105μmであり、例えば、いくつかの実施形態では、D50が8~80μmであり、D90が500μm以下(NMT)であり、例えば、いくつかの実施形態では、D90がNMT300μmである、粒度分布(PSD)を有する。本明細書で使用される場合、D10は、サンプルの質量の10%が1μm以上である直径である。本明細書で使用される場合、D50は、質量中央径(MMD)である。本明細書で使用される場合、MMDは、質量による平均粒子直径である。いくつかの実施形態では、質量による平均粒子直径(すなわち、D50又はMMD)は、5~105μmである。本明細書で使用される場合、D90は、サンプルの質量の90%が500μm以下である直径である。いくつかの実施形態では、PSDは、NLT1μm(D10)及びNMT500μm(D90)である。粒度分布(PSD)は、レーザー回折システム、例えば、湿式分散ユニットを備えたMalvern Mastersizer3000を使用して分析することができる。分散剤は、ヘキサン中の0.5%スパン85であり、サンプルは、ヘキサン中の50mLの0.5%スパン85中の化合物(I)の125mgの結晶形態Aである。
いくつかの実施形態では、粒度及び/又は粒度分布は、錠剤の溶解に影響を与える。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、実質的に純粋な形態である。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、Cu Kα線の入射ビームを用いた粉末X線回折分析によって生成された粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、表1に記載されたものと実質的に同様のシグナルを有するCu Kα線の入射ビームを用いた粉末X線回折分析によって生成された粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、11.5±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、15.4±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、16.7±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、18.1±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、20.0±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、21.6±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、23.1±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、23.9±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、25.9±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、30.7±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、18.1±0.2、20.0±0.2、21.6±0.2、23.1±0.2、23.9±0.2、25.9±0.2、及び30.7±0.2の2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、18.1±0.2、20.0±0.2、21.6±0.2、23.1±0.2、23.9±0.2、25.9±0.2、及び30.7±0.2から選択された少なくとも8つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、18.1±0.2、20.0±0.2、21.6±0.2、23.1±0.2、23.9±0.2、25.9±0.2、及び30.7±0.2から選択された少なくとも7つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、18.1±0.2、20.0±0.2、21.6±0.2、23.1±0.2、23.9±0.2、25.9±0.2、及び30.7±0.2から選択された少なくとも6つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、18.1±0.2、20.0±0.2、21.6±0.2、23.1±0.2、23.9±0.2、25.9±0.2、及び30.7±0.2から選択された少なくとも5つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、18.1±0.2、20.0±0.2、21.6±0.2、23.1±0.2、23.9±0.2、25.9±0.2、及び30.7±0.2から選択された少なくとも4つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、18.1±0.2、20.0±0.2、21.6±0.2、23.1±0.2、23.9±0.2、25.9±0.2、及び30.7±0.2から選択された少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、18.1±0.2、20.0±0.2、21.6±0.2、23.1±0.2、23.9±0.2、25.9±0.2、及び30.7±0.2から選択された少なくとも2つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、18.1±0.2、20.0±0.2、21.6±0.2、23.1±0.2、23.9±0.2、25.9±0.2、及び30.7±0.2から選択された少なくとも1つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、20.0±0.2、及び21.6±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、20.0±0.2、及び21.6±0.2から選択される少なくとも2つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、20.0±0.2、及び21.6±0.2から選択される少なくとも1つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、20.0±0.2、及び21.6±0.2の2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、図2のものと実質的に同様の粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aは、以下のδ(ppmとして表される)、32.1、39.2、43.5、45.5、55.6、101.3、115.2、115.5、116.0、116.5、117.9、127.0、127.7、131.1、137.1、144.4、146.7、154.6、156.3、160.4、及び161.7にシグナルを有する13C NMR(CDCl3、100MHz)パターンによって特性決定される。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)の結晶形態Aを調製するためのプロセスを提供する。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aを調製するためのプロセスは、再結晶化プロセスである。いくつかの実施形態では、再結晶プロセスは不純物を除去する。いくつかの実施形態では、再結晶化プロセスは、残留N,N-ジイソプロピルエチルアミンを除去する。いくつかの実施形態では、再結晶プロセスは、アセトン及び水を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)をアセトン及び水に溶解して懸濁液を得ることと、懸濁液を加熱して溶液を得ることと、温度を下げる等によって溶液を冷却することと、を含むプロセスによって調製された化合物(I)の結晶形態Aを提供する。
いくつかの実施形態では、アセトンと水との比は85:15である。
いくつかの実施形態では、懸濁液は、40℃~50℃の範囲の温度に加熱される。
いくつかの実施形態では、プロセスは、加熱された懸濁液を撹拌することを更に含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、加熱された懸濁液を40℃~50℃の範囲の温度で撹拌することを更に含む。いくつかの実施形態では、加熱された懸濁液は撹拌される。いくつかの実施形態では、加熱された懸濁液は、15分間撹拌される。いくつかの実施形態では、加熱された懸濁液は、40℃~50℃の範囲の温度で撹拌される。いくつかの実施形態では、加熱された懸濁液は、40℃~50℃の範囲の温度で15分間撹拌される。
いくつかの実施形態では、プロセスは、撹拌された懸濁液を研磨濾過することを更に含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、撹拌懸濁液を40℃~50℃の範囲の温度で研磨濾過することを更に含む。
いくつかの実施形態では、プロセスは、研磨濾過された懸濁液を大気蒸留することを更に含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、55℃~65℃の範囲の温度で、研磨濾過された懸濁液を大気蒸留することを更に含む。
いくつかの実施形態では、溶液を冷却することは、温度を下げることを含む。いくつかの実施形態では、溶液を冷却することは、温度を45℃~55℃の範囲の温度に下げることを含む。いくつかの実施形態では、溶液を冷却することは、15分にわたって温度を下げることを含む。いくつかの実施形態では、溶液を冷却することは、15分間にわたって温度を45℃~55℃の範囲の温度に下げることを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)の結晶形態Aを調製するためのプロセスを提供し、また、化合物(I)の結晶形態Cをアセトン中で高温においてスラリー化することを含むプロセスによって調製される化合物(I)の結晶形態Aを提供する。いくつかの実施形態では、高温は少なくとも30℃である。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物の結晶形態Aを調製するためのプロセスを提供し、また、化合物(I)の結晶形態Oを高温に加熱することと、少なくとも1つの溶媒をスラリー化することと、を含むプロセスによって調製された化合物(I)の結晶形態Aを提供する。いくつかの実施形態では、高温は186℃である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶媒はアセトンである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶媒は、アセトン及び水を含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)の結晶形態Aを調製するためのプロセスを提供し、また、高温で少なくとも1つの溶媒内で、化合物(I)の結晶形態Bをスラリー化することを含むプロセスによって調製された化合物(I)の結晶形態Aを提供する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶媒はアセトンである。いくつかの実施形態では、高温は25℃~50℃の範囲である。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Aを調製するための上記のプロセスのいずれも、結晶形態Aをアセトン及び水の混合物に溶解することによって、及び/又はイソプロパノール中でスラリー化することによって結晶形態Aを精製することを更に含み得る。いくつかの実施形態では、イソプロパノールスラリーは、結晶性固体をイソプロパノールに溶解し、加熱し、次いで得られた混合物を冷却することによって得られる。いくつかの実施形態では、結晶性固体は、濾過によって単離され、イソプロパノールで洗浄され、乾燥される。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)の実質的に純粋な結晶形態Aを調製するためのプロセスを提供する。
図4は、周囲条件における化合物(I)の結晶形態Bの粉末X線回折図を示す。
図5は、化合物(I)の結晶形態BのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、210℃~211℃の範囲の温度におけるシグナルを伴う吸熱事象を有するDSCサーモグラムによって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、207℃の開始温度を伴う吸熱事象を有するDSCサーモグラムによって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、図5のものと実質的に同様のDSCサーモグラムによって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、実質的に純粋な形態である。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、Cu Kα線の入射ビームを用いた粉末X線回折分析によって生成された粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、表2に記載されたものと実質的に同様のシグナルを有するCu Kα線の入射ビームを用いた粉末X線回折分析によって生成された粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、4.1±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、9.7±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、11.2±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、13.8±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、16.4±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、17.0±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、19.6±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、20.6±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、21.0±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、22.4±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、23.1±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、23.8±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、29.0±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、4.1±0.2、9.7±0.2、11.2±0.2、13.8±0.2、16.4±0.2、17.0±0.2、19.6±0.2、20.6±0.2、21.0±0.2、22.4±0.2、23.1±0.2、23.8±0.2、及び29.0±0.2の2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、4.1±0.2、9.7±0.2、11.2±0.2、13.8±0.2、16.4±0.2、17.0±0.2、19.6±0.2、20.6±0.2、21.0±0.2、22.4±0.2、23.1±0.2、23.8±0.2、及び29.0±0.2から選択された少なくとも8つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、4.1±0.2、9.7±0.2、11.2±0.2、13.8±0.2、16.4±0.2、17.0±0.2、19.6±0.2、20.6±0.2、21.0±0.2、22.4±0.2、23.1±0.2、23.8±0.2、及び29.0±0.2から選択された少なくとも7つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、4.1±0.2、9.7±0.2、11.2±0.2、13.8±0.2、16.4±0.2、17.0±0.2、19.6±0.2、20.6±0.2、21.0±0.2、22.4±0.2、23.1±0.2、23.8±0.2、及び29.0±0.2から選択された少なくとも6つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、4.1±0.2、9.7±0.2、11.2±0.2、13.8±0.2、16.4±0.2、17.0±0.2、19.6±0.2、20.6±0.2、21.0±0.2、22.4±0.2、23.1±0.2、23.8±0.2、及び29.0±0.2から選択された少なくとも5つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、4.1±0.2、9.7±0.2、11.2±0.2、13.8±0.2、16.4±0.2、17.0±0.2、19.6±0.2、20.6±0.2、21.0±0.2、22.4±0.2、23.1±0.2、23.8±0.2、及び29.0±0.2から選択された少なくとも4つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、4.1±0.2、9.7±0.2、11.2±0.2、13.8±0.2、16.4±0.2、17.0±0.2、19.6±0.2、20.6±0.2、21.0±0.2、22.4±0.2、23.1±0.2、23.8±0.2、及び29.0±0.2から選択された少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、4.1±0.2、9.7±0.2、11.2±0.2、13.8±0.2、16.4±0.2、17.0±0.2、19.6±0.2、20.6±0.2、21.0±0.2、22.4±0.2、23.1±0.2、23.8±0.2、及び29.0±0.2から選択された少なくとも2つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、4.1±0.2、9.7±0.2、11.2±0.2、13.8±0.2、16.4±0.2、17.0±0.2、19.6±0.2、20.6±0.2、21.0±0.2、22.4±0.2、23.1±0.2、23.8±0.2、及び29.0±0.2から選択された少なくとも1つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、4.1±0.2、16.4±0.2、17.0±0.2、19.6±0.2、及び20.6±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、4.1±0.2、16.4±0.2、17.0±0.2、19.6±0.2、及び20.6±0.2から選択される少なくとも2つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、4.1±0.2、16.4±0.2、17.0±0.2、19.6±0.2、及び20.6±0.2から選択される少なくとも1つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、4.1±0.2、16.4±0.2、17.0±0.2、19.6±0.2、及び20.6±0.2の2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、図4のものと実質的に同様の粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Bは、32.1、39.2、43.5、45.5、55.6、101.3、115.2、115.5、116.0、116.5、117.9、127.0、127.7、131.1、137.1、144.4、146.7、154.6、156.3、160.4、及び161.7から選択される、少なくとも1つのδ値(ppmとして表される)にシグナルを有する13C NMR(CDCl3、100MHz)パターンによって特性決定される。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)の結晶形態Bを調製するためのプロセスを提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、高温でしばらく化合物(I)を加熱することと、室温まで冷却することと、を含むプロセスによって調製された化合物(I)の結晶形態Bを提供する。いくつかの実施形態では、時間は10分である。いくつかの実施形態では、高温は195℃である。
いくつかの実施形態では、プロセスは、濾過によって化合物(I)の結晶形態Bを単離することを更に含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)の結晶形態Bを調製するためのプロセスを提供し、また、高温でしばらく化合物(I)の結晶形態Aを加熱することと、室温まで冷却することと、を含むプロセスによって調製された化合物(I)の結晶形態Bを提供する。いくつかの実施形態では、時間は30分である。いくつかの実施形態では、高温は195℃である。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)の結晶形態Bを調製するためのプロセスを提供し、また、195℃で化合物(I)の結晶形態Aを長時間加熱することを含むプロセスによって調製された、化合物(I)の結晶形態Bを提供する。
いくつかの実施形態では、プロセスは、濾過によって化合物(I)の結晶形態Bを単離することを更に含む。
結晶形態Cは化合物(I)の水和物である。
図6は、周囲条件における化合物(I)の結晶形態Cの粉末X線回折図を示す。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、棒状結晶である。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、不規則な形態を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、25℃で相対湿度を2~95%RHから変化させながら、動的水蒸気収着実験において2.90%の重量変化を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、25℃で相対湿度を2~10%RHから変化させながら、動的水蒸気収着実験において1.76%の重量変化を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、40℃で相対湿度を2~95%RHから変化させながら、動的水蒸気収着実験において2.99%の重量変化を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、40℃で相対湿度を2~10%RHから変化させながら、動的水蒸気収着実験において1.93%の重量変化を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、空腹時人工腸液における0.03mg/mLの溶解度を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、空腹時人工胃液における2.72mg/mLの溶解度を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、37℃で空腹時人工腸液における0.03mg/mLの溶解度を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、37℃で空腹時人工胃液における2.72mg/mLの溶解度を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、実質的に純粋な形態である。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、Cu Kα線の入射ビームを用いた粉末X線回折分析によって生成された粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、表3に記載されたものと実質的に同様のシグナルを有するCu Kα線の入射ビームを用いた粉末X線回折分析によって生成された粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、5.3±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、9.4±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、10.4±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、12.0±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、13.9±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、16.1±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、17.4±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、22.8±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、24.0±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、24.8±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、25.8±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、13.9±0.2、16.1±0.2、17.4±0.2、22.8±0.2、24.0±0.2、24.8±0.2、及び25.8±0.2の2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、13.9±0.2、16.1±0.2、17.4±0.2、22.8±0.2、24.0±0.2、24.8±0.2、及び25.8±0.2から選択される少なくとも8つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、13.9±0.2、16.1±0.2、17.4±0.2、22.8±0.2、24.0±0.2、24.8±0.2、及び25.8±0.2から選択される少なくとも7つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、13.9±0.2、16.1±0.2、17.4±0.2、22.8±0.2、24.0±0.2、24.8±0.2、及び25.8±0.2から選択される少なくとも6つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、13.9±0.2、16.1±0.2、17.4±0.2、22.8±0.2、24.0±0.2、24.8±0.2、及び25.8±0.2から選択される少なくとも5つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、13.9±0.2、16.1±0.2、17.4±0.2、22.8±0.2、24.0±0.2、24.8±0.2、及び25.8±0.2から選択される少なくとも4つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、13.9±0.2、16.1±0.2、17.4±0.2、22.8±0.2、24.0±0.2、24.8±0.2、及び25.8±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、13.9±0.2、16.1±0.2、17.4±0.2、22.8±0.2、24.0±0.2、24.8±0.2、及び25.8±0.2から選択される少なくとも2つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、13.9±0.2、16.1±0.2、17.4±0.2、22.8±0.2、24.0±0.2、24.8±0.2、及び25.8±0.2から選択される少なくとも1つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、及び16.1±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、及び16.1±0.2から選択される少なくとも2つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、及び16.1±0.2から選択される少なくとも1つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、及び16.1±0.2の2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、図6のものと実質的に同様の粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Cは、32.1、39.2、43.5、45.5、55.6、101.3、115.2、115.5、116.0、116.5、117.9、127.0、127.7、131.1、137.1、144.4、146.7、154.6、156.3、160.4、及び161.7から選択される、少なくとも1つのδ値(ppmとして表される)にシグナルを有する13C NMR(CDCl3、100MHz)パターンによって特性決定される。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)の結晶形態Cを調製するためのプロセスを提供し、また、化合物(I)を、メタノール又はテトラヒドロフラン:水が1:1の混合物内でスラリー化することを含むプロセスによって調製される化合物(I)の結晶形態Cを提供する。いくつかの方法において、プロセスは、濾過によって化合物(I)の結晶形態Cを単離することを更に含む。
図7は、周囲条件における化合物(I)の結晶形態Oの粉末X線回折図を示す。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、182℃の開始温度を伴う吸熱事象を有するDSCサーモグラムによって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、実質的に純粋な形態である。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、Cu Kα線の入射ビームを用いた粉末X線回折分析によって生成された粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、表4に記載されたものと実質的に同様のシグナルを有するCu Kα線の入射ビームを用いた粉末X線回折分析によって生成された粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、7.2±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、10.8±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、12.3±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、14.5±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、14.7±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、16.1±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、19.0±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、20.4±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、23.7±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、7.2±0.2、10.8±0.2、12.3±0.2、14.5±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、19.0±0.2、20.4±0.2、及び23.7±0.2の2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、7.2±0.2、10.8±0.2、12.3±0.2、14.5±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、19.0±0.2、20.4±0.2、及び23.7±0.2から選択された少なくとも8つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、7.2±0.2、10.8±0.2、12.3±0.2、14.5±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、19.0±0.2、20.4±0.2、及び23.7±0.2から選択された少なくとも7つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、7.2±0.2、10.8±0.2、12.3±0.2、14.5±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、19.0±0.2、20.4±0.2、及び23.7±0.2から選択された少なくとも6つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、7.2±0.2、10.8±0.2、12.3±0.2、14.5±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、19.0±0.2、20.4±0.2、及び23.7±0.2から選択された少なくとも5つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、7.2±0.2、10.8±0.2、12.3±0.2、14.5±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、19.0±0.2、20.4±0.2、及び23.7±0.2から選択された少なくとも4つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、7.2±0.2、10.8±0.2、12.3±0.2、14.5±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、19.0±0.2、20.4±0.2、及び23.7±0.2から選択された少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、7.2±0.2、10.8±0.2、12.3±0.2、14.5±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、19.0±0.2、20.4±0.2、及び23.7±0.2から選択された少なくとも2つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、7.2±0.2、10.8±0.2、12.3±0.2、14.5±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、19.0±0.2、20.4±0.2、及び23.7±0.2から選択された少なくとも1つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、7.2±0.2、12.3±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、及び23.7±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、7.2±0.2、12.3±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、及び23.7±0.2から選択される少なくとも2つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、7.2±0.2、12.3±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、及び23.7±0.2から選択される少なくとも1つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、7.2±0.2、12.3±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、及び23.7±0.2の2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の結晶形態Oは、32.1、39.2、43.5、45.5、55.6、101.3、115.2、115.5、116.0、116.5、117.9、127.0、127.7、131.1、137.1、144.4、146.7、154.6、156.3、160.4、及び161.7から選択される、少なくとも1つのδ値(ppmとして表される)にシグナルを有する13C NMR(CDCl3、100MHz)パターンによって特性決定される。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)の結晶形態Oを調製するためのプロセスを提供し、また、テトラヒドロフラン内で化合物(I)の不活発な冷却を含むプロセスによって調製される化合物(I)の結晶形態Oを提供する。いくつかの実施形態では、プロセスは、テトラヒドロフラン中の化合物(I)の室温から-20℃への停滞冷却を含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、濾過によって化合物(I)の結晶形態Oを回収することを更に含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)の結晶形態Oを調製するためのプロセスを提供し、また、テトラヒドロフラン内で化合物(I)結晶形態Aの停滞冷却を含むプロセスによって調製される化合物(I)の結晶形態Oを提供する。いくつかの実施形態では、プロセスは、テトラヒドロフラン中の化合物(I)の結晶形態Aの室温から-20℃への停滞冷却を含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、濾過によって化合物(I)の結晶形態Oを回収することを更に含む。
図8は、周囲条件における化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tの粉末X線回折図を示す。
いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、化合物(I)のモノ-トシル酸塩であり、すなわち、形態Tは、化合物(I)及びシトレートを1:1の比で含む。
いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、175℃の開始温度における吸熱事象、189℃の開始温度における吸熱事象及び/又は207℃の開始温度における吸熱事象を有するDSCサーモグラムによって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、183℃でシグナルを伴う吸熱事象、193℃でシグナルを伴う吸熱事象、及び/又は213℃でシグナルを伴う吸熱事象を有するDSCサーモグラムによって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、175℃の開始温度及び183℃でシグナルを伴う吸熱事象、189℃の開始温度及び193℃でシグナルを伴う吸熱事象並びに/あるいは207℃の開始温度及び213℃でシグナルを伴う吸熱事象を有するDSCサーモグラムによって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、空腹時人工腸液における0.08mg/mLの溶解度を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、空腹時人工胃液における1.88mg/mLの溶解度を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、37℃で空腹時人工腸液における0.08mg/mLの溶解度を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、37℃で空腹時人工胃液における1.88mg/mLの溶解度を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、水への0.34mg/mLの溶解度を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、実質的に純粋な形態である。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、Cu Kα線の入射ビームを用いた粉末X線回折分析によって生成された粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、表5に記載されたものと実質的に同様のシグナルを有するCu Kα線の入射ビームを用いた粉末X線回折分析によって生成された粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、5.9±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、6.1±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、9.6±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、11.7±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、16.0±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、19.2±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、20.8±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、21.2±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、22.0±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、24.1±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、24.5±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、5.9±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、19.2±0.2、20.8±0.2、21.2±0.2、22.0±0.2、24.1±0.2、及び24.5±0.2の2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、5.9±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、19.2±0.2、20.8±0.2、21.2±0.2、22.0±0.2、24.1±0.2、及び24.5±0.2から選択される少なくとも8つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、5.9±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、19.2±0.2、20.8±0.2、21.2±0.2、22.0±0.2、24.1±0.2、及び24.5±0.2から選択される少なくとも7つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、5.9±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、19.2±0.2、20.8±0.2、21.2±0.2、22.0±0.2、24.1±0.2、及び24.5±0.2から選択される少なくとも6つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、5.9±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、19.2±0.2、20.8±0.2、21.2±0.2、22.0±0.2、24.1±0.2、及び24.5±0.2から選択される少なくとも5つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、5.9±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、19.2±0.2、20.8±0.2、21.2±0.2、22.0±0.2、24.1±0.2、及び24.5±0.2から選択される少なくとも4つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、5.9±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、19.2±0.2、20.8±0.2、21.2±0.2、22.0±0.2、24.1±0.2、及び24.5±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、5.9±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、19.2±0.2、20.8±0.2、21.2±0.2、22.0±0.2、24.1±0.2、及び24.5±0.2から選択される少なくとも2つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、5.9±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、19.2±0.2、20.8±0.2、21.2±0.2、22.0±0.2、24.1±0.2、及び24.5±0.2から選択される少なくとも1つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、5.9±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、22.0±0.2、及び24.5±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、5.9±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、22.0±0.2、及び24.5±0.2から選択される少なくとも2つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、5.9±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、22.0±0.2、及び24.5±0.2から選択される少なくとも1つの2シータ値でシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、5.9±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、22.0±0.2、及び24.5±0.2の2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、図8のものと実質的に同様の粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、20.7、26.7、38.5、39.0、40.0、42.8、44.9、58.0、102.2、114.3、115.5、115.6、115.8、118.0、123.6、125.4、127.6、128.3、128.4、136.3、137.7、137.8、145.2、145.8、153.2、156.5、160.1、160.7、及び162.6から選択される少なくとも1つのδ値(ppmとして表される)にシグナルを有する13C NMR(DMSO-d6、500MHz)パターンによって特性決定される。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tを調製するためのプロセスを提供し、また、化合物(I)及びトルエンスルホン酸を2-プロパノール(IPA)及び水の混合物に添加することと、高温で撹拌することと、温度を低下させることと、を含むプロセスによって調製された化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tを提供する。
いくつかの実施形態では、1.1当量のトルエンスルホン酸が添加される。いくつかの実施形態では、混合物中のIPAと水との体積比は95:5である。いくつかの実施形態では、撹拌は600rpmで行われる。いくつかの実施形態では、高温は、48℃~50℃の範囲の温度である。いくつかの実施形態では、温度を下げることは、35℃~40℃の範囲の温度で溶液をホットプレートに移すことを含む。
図9は、周囲条件における化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trの粉末X線回折図を示す。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、モノ-酒石酸塩であり、例えば、形態Trは、化合物(I)及びトシレートを1:1の比で含む。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、144.5℃におけるDSC開始と、それに続く158.8℃における発熱事象(再結晶)と、とによって特性決定される。いくつかの実施形態では、吸熱は、TGAによる4.5重量%の質量損失と一致する。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、145℃の開始温度を伴う吸熱事象、159℃の開始温度を伴う発熱事象、205℃の開始温度を伴う吸熱事象、237℃の開始温度を伴う吸熱事象及び/又は254℃の開始温度を伴う発熱事象を有するDSCサーモグラムによって更に特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、156℃のシグナルを伴う吸熱事象、163℃のシグナルを伴う発熱事象、213℃のシグナルを伴う吸熱事象、243℃のシグナルを伴う吸熱事象、及び/又は257℃のシグナルを伴う発熱事象を有するDSCサーモグラムによって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、145℃の開始温度及び156℃の温度のシグナルを伴う吸熱事象、159℃の開始温度及び163℃の温度のシグナルを伴う発熱事象、205℃の開始温度及び213℃の温度のシグナルを伴う吸熱事象、237℃の開始温度及び243℃の温度のシグナルを伴う吸熱事象、並びに/あるいは254℃の開始温度及び257℃の温度のシグナルを伴う発熱事象を有するDSCサーモグラムによって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、空腹時人工腸液における0.27mg/mLの溶解度を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、空腹時人工胃液における4.79mg/mLの溶解度を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、37℃で空腹時人工腸液における0.27mg/mLの溶解度を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、37℃で空腹時人工胃液における4.79mg/mLの溶解度を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tは、水への0.84mg/mLの溶解度を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸結晶形態Trは、室温で相対湿度を2~95%RHから変化させながら、動的水蒸気収着実験において4.4%の重量変化を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸結晶形態Trは、室温で相対湿度を2~30%RHから変化させながら、動的水蒸気収着実験において2.95%~3%の重量変化を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、実質的に純粋な形態である。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、Cu Kα線の入射ビームを用いた粉末X線回折分析によって生成された粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、表6に記載されたものと実質的に同様のシグナルを有するCu Kα線の入射ビームを用いた粉末X線回折分析によって生成された粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、6.3±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、10.6±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、11.1±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、12.5±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、13.3±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、13.7±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、14.2±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、14.9±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、16.2±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、19.0±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、22.5±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、24.1±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、27.9±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、6.3±0.2、10.6±0.2、11.1±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、14.9±0.2、16.2±0.2、19.0±0.2、22.5±0.2、24.1±0.2、及び27.9±0.2の2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、6.3±0.2、10.6±0.2、11.1±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、14.9±0.2、16.2±0.2、19.0±0.2、22.5±0.2、24.1±0.2、及び27.9±0.2から選択された少なくとも8つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、6.3±0.2、10.6±0.2、11.1±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、14.9±0.2、16.2±0.2、19.0±0.2、22.5±0.2、24.1±0.2、及び27.9±0.2から選択された少なくとも7つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、6.3±0.2、10.6±0.2、11.1±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、14.9±0.2、16.2±0.2、19.0±0.2、22.5±0.2、24.1±0.2、及び27.9±0.2から選択された少なくとも6つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、6.3±0.2、10.6±0.2、11.1±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、14.9±0.2、16.2±0.2、19.0±0.2、22.5±0.2、24.1±0.2、及び27.9±0.2から選択された少なくとも5つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、6.3±0.2、10.6±0.2、11.1±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、14.9±0.2、16.2±0.2、19.0±0.2、22.5±0.2、24.1±0.2、及び27.9±0.2から選択された少なくとも4つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、6.3±0.2、10.6±0.2、11.1±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、14.9±0.2、16.2±0.2、19.0±0.2、22.5±0.2、24.1±0.2、及び27.9±0.2から選択された少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、6.3±0.2、10.6±0.2、11.1±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、14.9±0.2、16.2±0.2、19.0±0.2、22.5±0.2、24.1±0.2、及び27.9±0.2から選択された少なくとも2つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、6.3±0.2、10.6±0.2、11.1±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、14.9±0.2、16.2±0.2、19.0±0.2、22.5±0.2、24.1±0.2、及び27.9±0.2から選択された少なくとも1つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、6.3±0.2、10.6±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、22.5±0.2、及び27.9±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、6.3±0.2、10.6±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、22.5±0.2、及び27.9±0.2から選択される少なくとも2つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、6.3±0.2、10.6±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、22.5±0.2、及び27.9±0.2から選択される少なくとも1つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、6.3±0.2、10.6±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、22.5±0.2、及び27.9±0.2の2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、図9のものと実質的に同様の粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trは、28.5、38.2、42.9、43.0、44.7、44.8、44.9、56.7、71.8、101.6、114.3、115.3、115.5、115.6、115.8、118.0、127.5、128.2、128.3、136.4、141.2、146.5、153.7、156.3、160.0、 160.2、162.1、及び173.9から選択される少なくとも1つの
δ値(ppmとして表される)にシグナルを有する13C NMR(DMSO-d6、500MHz)パターンによって特性決定される。
δ値(ppmとして表される)にシグナルを有する13C NMR(DMSO-d6、500MHz)パターンによって特性決定される。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)及び酒石酸をテトラフルオロエチレン、エタノール、及び水の混合物に添加することと、撹拌することと、穏やかに撹拌しながら蒸発させることと、アセトンを添加し、高温に加熱することと、温度を下げることと、を含むプロセスによって調製された化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trを提供する。
図10は、周囲条件における化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hの粉末X線回折図を示す。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、モノ-塩酸塩であり、例えば、形態Hは、化合物(I)及び塩酸を1:1の比で含む。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、156℃において吸熱を有するTGA熱曲線と、それに続く3.3~3.9重量%の質量損失に関連する再結晶事象によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、156℃の開始温度を伴う吸熱事象、173℃の開始温度を伴う発熱事象、及び/又は210℃の開始温度を伴う吸熱事象を有するDSCサーモグラムによって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、165℃のシグナルを伴う吸熱事象、176℃のシグナルを伴う発熱事象、及び/又は215℃のシグナルを伴う吸熱事象を有するDSCサーモグラムによって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、156℃の開始温度及び165℃のピーク温度を伴う吸熱事象、173℃の開始温度及び176℃ピーク温度を伴う発熱事象、並びに/あるいは210℃の開始温度及び215℃のピーク温度を伴う吸熱事象を有するDSCサーモグラムによって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、空腹時人工腸液における0.10mg/mLの溶解度を特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、空腹時人工胃液における4.18mg/mLの溶解度を特徴とする。いくつかの実施形態では、37℃で化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、空腹時人工腸液における0.10mg/mLの溶解度を特徴とする。いくつかの実施形態では、37℃で化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、空腹時人工胃液における4.18mg/mLの溶解度を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、水への2.86mg/mLの溶解度を特徴とする。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、動的水蒸気収着実験で15%の重量変化があり、室温で相対湿度(RH)が2~95%RHで変化することを特徴としている。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、動的水蒸気収着実験で10.8%の重量変化があり、室温で相対湿度が80~95%RHで変化することを特徴としている。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、実質的に純粋な形態である。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、Cu Kα線の入射ビームを用いた粉末X線回折分析によって生成された粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、表7に記載されたものと実質的に同様のシグナルを有するCu Kα線の入射ビームを用いた粉末X線回折分析によって生成された粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、4.8±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、8.1±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、8.5±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、9.6±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、11.1±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、20.7±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、21.5±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、23.3±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、23.7±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、24.1±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、27.6±0.2度2シータにシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、4.8±0.2、8.1±0.2、8.5±0.2、9.6±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、21.5±0.2、23.3±0.2、23.7±0.2、24.1±0.2、及び27.6±0.2の2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、4.8±0.2、8.1±0.2、8.5±0.2、9.6±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、21.5±0.2、23.3±0.2、23.7±0.2、24.1±0.2、及び27.6±0.2から選択される少なくとも8つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、4.8±0.2、8.1±0.2、8.5±0.2、9.6±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、21.5±0.2、23.3±0.2、23.7±0.2、24.1±0.2、及び27.6±0.2から選択される少なくとも7つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、4.8±0.2、8.1±0.2、8.5±0.2、9.6±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、21.5±0.2、23.3±0.2、23.7±0.2、24.1±0.2、及び27.6±0.2から選択される少なくとも6つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、4.8±0.2、8.1±0.2、8.5±0.2、9.6±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、21.5±0.2、23.3±0.2、23.7±0.2、24.1±0.2、及び27.6±0.2から選択される少なくとも5つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、4.8±0.2、8.1±0.2、8.5±0.2、9.6±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、21.5±0.2、23.3±0.2、23.7±0.2、24.1±0.2、及び27.6±0.2から選択される少なくとも4つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、4.8±0.2、8.1±0.2、8.5±0.2、9.6±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、21.5±0.2、23.3±0.2、23.7±0.2、24.1±0.2、及び27.6±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、4.8±0.2、8.1±0.2、8.5±0.2、9.6±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、21.5±0.2、23.3±0.2、23.7±0.2、24.1±0.2、及び27.6±0.2から選択される少なくとも2つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、4.8±0.2、8.1±0.2、8.5±0.2、9.6±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、21.5±0.2、23.3±0.2、23.7±0.2、24.1±0.2、及び27.6±0.2から選択される少なくとも1つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、4.8±0.2、8.1±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、及び23.7±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、4.8±0.2、8.1±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、及び23.7±0.2から選択される少なくとも2つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、4.8±0.2、8.1±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、及び23.7±0.2から選択される少なくとも1つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、4.8±0.2、8.1±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、及び23.7±0.2の2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、図10のものと実質的に同様の粉末X線回折図によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、26.7、42.8、44.9、58.0、102.2、114.3、115.3、115.5、115.6、115.8、118.0、123.9、127.6、128.5、136.4、138.1、138.2、145.7、153.2、156.6、160.0、160.6、及び162.5から選択される少なくとも1つのδ値(ppmとして表される)にシグナルを有する13C NMR(DMSO-d6、500MHz)パターンによって特性決定される。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hを調製するためのプロセスを提供し、また、化合物(I)をエタノール中の濃縮塩酸溶液に添加することと、テトラフルオロエチレン(TFE)を添加することと、高温で添加することと、を含むプロセスによって調製された化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hを提供する。いくつかの実施形態では、エタノール中の1.1当量の濃HCl溶液が使用される。いくつかの実施形態では、高温は35℃~40℃の範囲である。いくつかの実施形態では、高温での撹拌は、340rpmで30分間起こる。いくつかの実施形態では、スパチュラを使用して、340rpmで15分間撹拌した後、ガムを分解する。いくつかの実施形態では、高温で撹拌した後、追加のTFEが添加される。いくつかの実施形態では、追加のTFEを添加した後、室温でより多くの撹拌が起こる。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hを調製するためのプロセスを提供し、また、37℃で空腹時人工胃液内で化合物(I)をスラリー化することを含むプロセスによって調製された化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hを提供する。
化合物(I)の調製方法
いくつかの実施形態では、本開示は、(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン(化合物(I))
、又はその薬学的に許容される塩を調製する方法を提供する。
スキーム1
いくつかの実施形態では、本開示は、(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン(化合物(I))
スキーム1
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物は、ジアステレオマー的に純粋である。所望のジアステレオマーは、炭素中心にS配置を有する。
いくつかの実施形態では、(C)及び(D)の量は、0.4%w/w(HPLCによって測定される)以下である。いくつかの実施形態では、ジアステレオマー純度は、>97%de(ジアステレオマー過剰率)である。いくつかの実施形態では、ジアステレオミック純度は>98%deである。いくつかの実施形態では、ジアステレオマー純度は>98.5%deである。いくつかの実施形態では、ジアステレオマー純度は>99%deである。いくつかの実施形態では、ジアステレオマー純度は>99.5%deである。いくつかの実施形態では、ジアステレオマー純度は>99.6%deである。いくつかの実施形態では、ジアステレオマー純度は>99.7%deである。いくつかの実施形態では、ジアステレオマー純度は>99.8%である。
いくつかの実施形態では、X2は、カルバメート保護基、ベンジル、テトラヒドロピラニル、アセトアミド、トリフルオロアセトアミド、トリフェニルメチルアミン、ベンジリデンアミン、及びp-トルエンスルホンアミドから選択される。いくつかの実施形態では、X2はベンジルである。いくつかの実施形態では、X2はテトラヒドロピラニルである。いくつかの実施形態では、X2はアセトアミドである。いくつかの実施形態では、X2はトリフルオロアセトアミドである。いくつかの実施形態では、X2はトリフェニルメチルアミンである。いくつかの実施形態では、X2はベンジリデンアミンである。いくつかの実施形態では、X2は、p-トルエンスルホンアミドである。いくつかの実施形態では、X2は、カルバメート保護基である。いくつかの実施形態では、カルバメート保護基は、tert-ブチルカルバメート、9-フルオレニルメチルカルバメート、及びベンジルカルバメートである。いくつかの実施形態では、X2は、tert-ブチルカルバメートである。いくつかの実施形態では、X2は、9-フルオレニルメチルカルバメートである。いくつかの実施形態では、X2は、ベンジルカルバメートである。
本開示は、例えば、化合物7等のジアステレオマー的に純粋な形態の式(III)の化合物を調製するプロセスを提供する。式(III)の化合物のジアステレオマー純度は、最終化合物(I)の純度を確保するために重要であることが発見された。いくつかの実施形態では、ジアステレオマー的に純粋な形態で式(III)の化合物を調製するプロセスは、粉砕を伴う。いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物を粉砕する工程における粉砕溶媒は、n-ヘプタン及びメタノールを含む。いくつかの実施形態では、ジアステレオマー的に純粋な形態で式IIIの化合物を調製するプロセスは、再結晶化を伴う。いくつかの実施形態では、再結晶溶媒はイソプロパノールである。いくつかの実施形態では、再結晶溶媒は、酢酸エチル及びヘプタンの混合物である。
いくつかの実施形態では、本開示は、(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン(化合物(I))
、又はその薬学的に許容される塩を調製するプロセスを提供し、
(a)(S)-1-(2-(4λ2-ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミン(2)又はその塩
及び式(I)の化合物
を反応させることを含む。
(a)(S)-1-(2-(4λ2-ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミン(2)又はその塩
いくつかの実施形態では、X1は、ハロゲン又は活性化フェノールである。いくつかの実施形態では、X1はハロゲンである。いくつかの実施形態では、X1は、F、Cl、Br、又はIである。いくつかの実施形態では、X1はFである。いくつかの実施形態では、X1は、Clである。いくつかの実施形態では、X1はBrである。いくつかの実施形態では、X1はIである。いくつかの実施形態では、X1は活性化フェノールである。いくつかの実施形態では、X1は、トシレート又はメシレートである。
いくつかの実施形態では、(S)-1-(2-(4λ2-ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミン(2)は遊離塩基である。いくつかの実施形態では、(S)-1-(2-(4λ2-ピペラジン-1-イル)-ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミン(2)は、塩酸塩又はトリフルオロ酢酸塩である。いくつかの実施形態では、(S)-1-(2-(4λ2-ピペラジン-1-イル)-ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミン(2)の塩は、塩酸塩である。いくつかの実施形態では、(S)-1-(2-(4λ2-ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミン(II)の塩酸塩は、(S)-1-(2-(4λ2-ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミン・3.5HCl(2A)である。いくつかの実施形態では、(S)-1-(2-(4λ2-ピペラジン-1-イル)-ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミン(2)は、トリフルオロ酢酸塩である。
いくつかの実施形態では、4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン(3)
は、
(b)6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オール(4)
及び式(II)の化合物
を反応させて、
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オール(6)を形成することと、
(c)6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オール(6)を、
4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン(3)に変換することと、とによって調製される。
(b)6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オール(4)
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オール(6)を形成することと、
いくつかの実施形態では、B(OR)2は、カテコールボランである。いくつかの実施形態では、B(OR)2は、ピナコルボランである。いくつかの実施形態では、B(OR)2は、ボロン酸から選択される。いくつかの実施形態では、ボロン酸は、例えば、イソプロピルボロン酸、メチルボロン酸、又はBF3ボロン酸である。いくつかの実施形態では、B(OR)2は、B(OH)2である。
いくつかの実施形態では、工程(b)は、パラジウム触媒の存在下で実施される。いくつかの実施形態では、パラジウム触媒は、Pd(0)又はPd(II)触媒である。いくつかの実施形態では、パラジウム触媒は、Pd(0)触媒である。いくつかの実施形態では、パラジウム触媒は、Pd(II)触媒である。いくつかの実施形態では、パラジウム触媒は、PdCl2(dtbpf)、PdCl2(dppf)、又はPd(OAc2)である。いくつかの実施形態では、パラジウム触媒は、PdCl2(dtbpf)である。いくつかの実施形態では、パラジウム触媒は、PdCl2(dppf)である。いくつかの実施形態では、パラジウム触媒はPd(OAc2)である。
いくつかの実施形態では、工程(c)は、塩基の存在下で実施される。いくつかの実施形態では、塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンである。いくつかの実施形態では、塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。いくつかの実施形態では、塩基はトリエチルアミンである。いくつかの実施形態では、塩基は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンである。
いくつかの実施形態では、工程(c)は、塩素化硫黄及びリン試薬の存在下で実施される。いくつかの実施形態では、塩素化硫黄及びリン試薬は、オキシ塩化リン、五塩化リン、塩化スルフリル、及びトリクロロメタンスルホニルクロリドから選択される。いくつかの実施形態では、塩素化硫黄及びリン試薬は、オキシ塩化リンである。いくつかの実施形態では、塩素化硫黄及びリン試薬は五塩化リンである。いくつかの実施形態では、塩素化硫黄及びリン試薬は、塩化スルフリルから選択される。いくつかの実施形態では、塩素化硫黄及びリン試薬は、トリクロロメタンスルホニルクロリドである。
いくつかの実施形態では、(S)-1-(2-(4λ2-ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミン(2)又はその薬学的に許容される塩、
又はその薬学的に許容される塩は、
(d)式(III)
の化合物を
(S)-1-(2-(4λ2-ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミン(2)に変換することによって調製される。
(d)式(III)
(S)-1-(2-(4λ2-ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミン(2)に変換することによって調製される。
いくつかの実施形態では、X2は、カルバメート保護基、ベンジル、テトラヒドロピラニル、アセトアミド、トリフルオロアセトアミド、トリフェニルメチルアミン、ベンジリデンアミン、及びp-トルエンスルホンアミドから選択される。いくつかの実施形態では、X2はベンジルである。いくつかの実施形態では、X2はテトラヒドロピラニルである。いくつかの実施形態では、X2はアセトアミドである。いくつかの実施形態では、X2はトリフルオロアセトアミドである。いくつかの実施形態では、X2はトリフェニルメチルアミンである。いくつかの実施形態では、X2はベンジリデンアミンである。いくつかの実施形態では、X2は、p-トルエンスルホンアミドである。いくつかの実施形態では、X2は、カルバメート保護基である。いくつかの実施形態では、カルバメート保護基は、tert-ブチルカルバメート、9-フルオレニルメチルカルバメート、及びベンジルカルバメートである。いくつかの実施形態では、X2は、tert-ブチルカルバメートである。いくつかの実施形態では、X2は、9-フルオレニルメチルカルバメートである。いくつかの実施形態では、X2は、ベンジルカルバメートである。
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、(S)1-(2-(4λ2-ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミン(2)の塩酸塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、(S)-1-(2-(4λ2-ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミン・3.5HCl(2A)である。
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩(S)-1-(2-(4λ2-ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミン・3.5HCl(2A)は単離されていない。
いくつかの実施形態では、工程(d)は、第1の酸の存在下で実施される。いくつかの実施形態では、第1の酸は強酸である。いくつかの実施形態では、第1の酸は、HCl、TFA、又はH2SO4である。いくつかの実施形態では、第1の酸はHClである。いくつかの実施形態では、第1の酸はTFAである。いくつかの実施形態では、第1の酸はH2SO4である。いくつかの実施形態では、第1の酸はルイス酸である。いくつかの実施形態では、工程(d)は、ヨウ素の存在下で実施される。いくつかの実施形態では、工程(d)は、熱分解条件下で実行される。
いくつかの実施形態では、工程(e)は、触媒の存在下で実施される。いくつかの実施形態では、触媒は、チタンイソプロポキシド、チタンエトキシド、チタンブトキシド、又はチタン四塩化物である。いくつかの実施形態では、触媒はチタンイソプロポキシドである。いくつかの実施形態では、触媒はチタンエトキシドである。いくつかの実施形態では、触媒はチタンブトキシドである。いくつかの実施形態では、触媒は四塩化チタンである。いくつかの実施形態では、触媒はルイス酸である。いくつかの実施形態では、工程(e)は、(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド又は(S)-p-トルエンスルフィンアミドの存在下で実施される。いくつかの実施形態では、工程(e)は、(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドの存在下で実施される。いくつかの実施形態では、工程(e)は、(S)-p-トルエンスルフィンアミドの存在下で実施される。
いくつかの実施形態では、工程(f)は、グリニャール試薬、ハロゲン化アルキル、又はアルキル金属の存在下で実施される。いくつかの実施形態では、工程(f)は、グリニャール試薬の存在下で実施される。いくつかの実施形態では、グリニャール試薬は、臭化メチルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム、又はヨウ化メチルマグネシウムである。いくつかの実施形態では、グリニャール試薬は、臭化メチルマグネシウムである。いくつかの実施形態では、グリニャール試薬は塩化、メチルマグネシウムである。いくつかの実施形態では、グリニャール試薬は、ヨウ化メチルマグネシウムである。いくつかの実施形態では、工程(f)は、ハロゲン化アルキルの存在下で実施される。いくつかの実施形態では、工程(f)は、アルキル金属の存在下で実施される。いくつかの実施形態では、工程(f)は、2-メチルテトラヒドロフランの存在下で実施される。
いくつかの実施形態では、工程(g)の粉砕溶媒は、n-ヘプタン及びメタノールを含む。
いくつかの実施形態では、工程(g)の再結晶溶媒はイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、工程(g)の再結晶溶媒は、ヘプタン及び酢酸エチルを含む。
いくつかの実施形態では、工程(h)は、有機リチウム試薬又はマグネシウム粉末の存在下で実施される。いくつかの実施形態では、工程(h)は、有機リチウム試薬の存在下で実施される。いくつかの実施形態では、有機リチウム試薬は、n-ブチルリチウム、n-ヘキシルリチウム、又はシクロヘキシルリチウムである。いくつかの実施形態では、有機リチウム試薬は、n-ブチルリチウムである。いくつかの実施形態では、有機リチウム試薬は、n-ヘキシルリチウムである。いくつかの実施形態では、有機リチウム試薬は、シクロヘキシルリチウムである。いくつかの実施形態では、工程(h)は、マグネシウム粉末の存在下で実施される。
いくつかの実施形態では、X2は、カルバメート保護基、ベンジル、テトラヒドロピラニル、アセトアミド、トリフルオロアセトアミド、トリフェニルメチルアミン、ベンジリデンアミン、及びp-トルエンスルホンアミドから選択される。いくつかの実施形態では、X2はベンジルである。いくつかの実施形態では、X2はテトラヒドロピラニルである。いくつかの実施形態では、X2はアセトアミドである。いくつかの実施形態では、X2はトリフルオロアセトアミドである。いくつかの実施形態では、X2はトリフェニルメチルアミンである。いくつかの実施形態では、X2はベンジリデンアミンである。いくつかの実施形態では、X2は、p-トルエンスルホンアミドである。いくつかの実施形態では、X2は、カルバメート保護基である。いくつかの実施形態では、カルバメート保護基は、tert-ブチルカルバメート、9-フルオレニルメチルカルバメート、及びベンジルカルバメートである。いくつかの実施形態では、X2は、tert-ブチルカルバメートである。いくつかの実施形態では、X2は、9-フルオレニルメチルカルバメートである。いくつかの実施形態では、X2は、ベンジルカルバメートである。
いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物を粉砕する工程における粉砕溶媒は、n-ヘプタン及びメタノールを含むか、又は式(VI)の化合物を再結晶化する工程における再結晶溶媒は、イソプロパノール又はヘプタン/酢酸エチルである。
本開示は、化合物(I)を精製してその望ましくないエナンチオマー(化合物(E))を除去するためのプロセスを提供する。化合物(I)は、結晶性、結晶形態の混合物、又は非結晶性、例えば、アモルファス固体であり得る。具体的には、本開示は、有機溶媒中でD-キナ酸と化合物(I)の塩を形成し、溶媒混合物から塩を結晶化することを含む、化合物(I)の調製のためのプロセスを提供する。いくつかの実施形態では、有機溶媒はTHFである。いくつかの実施形態では、溶媒混合物は、THF及び水である。いくつかの実施形態では、溶媒混合物の比は、水に対する20容量のTHFである。いくつかの実施形態では、プロセスは、本明細書に記載されるように、アセトン及び水中で化合物(I)を再結晶化することを更に含む。
適応症
化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態は、ヒト又は非ヒトにおける異常なKIT活性に関連する状態を治療するために有用であり得る。KITの活性化変異は、全身性肥満細胞症、消化管間質腫瘍(GIST)、急性骨髄性白血病(AML)、黒色腫、精上皮腫、頭蓋間胚細胞腫瘍、及び縦隔B細胞リンパ腫等の複数の適応症に見られる。
化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態は、ヒト又は非ヒトにおける異常なKIT活性に関連する状態を治療するために有用であり得る。KITの活性化変異は、全身性肥満細胞症、消化管間質腫瘍(GIST)、急性骨髄性白血病(AML)、黒色腫、精上皮腫、頭蓋間胚細胞腫瘍、及び縦隔B細胞リンパ腫等の複数の適応症に見られる。
肥満細胞症は、1つの組織又は複数の組織における過剰な肥満細胞の蓄積を特徴とする一群の障害を指す。肥満細胞症は、2つのグループの障害、(1)皮膚に限定された形態を表す皮膚肥満細胞症(CM)(2)皮膚の関与の有無に関わらず、肥満細胞が皮膚外臓器に浸潤する形態を表す全身性肥満細胞症(SM)に細分される。全身性肥満細胞症は稀な疾患である。デンマークで実施されたコホート研究では、SM(全身性の関与が記録されていない皮膚肥満細胞症(CM)の患者を含む全てのサブタイプ)の発生率を年間100,000人当たり0.89人と推定した。SM患者の主要な紹介地域であるオランダのフローニンゲン地域におけるISMの有病率は13/100,000と推定されている。KIT D816の変異は、SM患者の90%~95%で示されている。
SMは5つの形態、無痛性(ISM)、くすぶり型(SSM)、侵襲性(ASM)、血液学的非肥満細胞系列疾患を伴うSM(SM-AHNMD)、及び肥満細胞白血病(MCL)に更に分類される。「進行した全身性肥満細胞症」(Adv-SM)という用語は、ASM、SM-AHNMD、及びMCLを指す。「非進行した全身性肥満細胞症」(非Adv SM)という用語は、ISM及びSSMを指す。
全身性肥満細胞症の診断は、非肥満細胞マーカー(CD25及び/又はCD2)を頻繁に異常に発現する、しばしば非定型の形態の肥満細胞による浸潤を示す骨髄の組織学的及び細胞学的研究に部分的に基づいている。SMの診断は、骨髄肥満細胞の浸潤が、以下のうち1つの状況、(1)異常な肥満細胞の形態(紡錘形の細胞)、(2)20ng/mLを超える血清トリプターゼレベルの上昇、又は(3)活性化KIT D816V変異の存在が発生した場合に確認される。
D816位置での活性化変異は、ほとんどの肥満細胞症の症例(90%~98%)に見られ、最も一般的な変異はD816V、D816H、及びD816Yである。D816V変異は、キナーゼドメインの活性化ループに見出され、KITキナーゼの構成的活性化を導く。
ISM及びSSMの承認された治療法はなく、症状は、抗ヒスタミン薬等の症状指向の治療法で管理される。したがって、ISM及びSSMの安全で有効な治療法が必要である。更に、ISM及びSSM患者はAdvSM患者よりも疾病負荷が低く、長期間治療を続けることが予想されるため、有効であれば低用量であることが必要である。
化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態もまた、先行の治療に関わらず、GIST、例えば、PDGFRα-エクソン18変異体ドライブGIST、PDGFRα-エクソン18 D842ドライブGIST(例、PDGFRα-D842IドライブGIST、PDGFRα-D842VドライブGIST、又はPDGFRα-D842YドライブGIST)、PDGFRa-エクソン18変異体非D842ドライブGIST(例、PDGFRα-D842-H845ドライブGIST、PDGFRα-DI842-843VドライブGIST)の治療に有用である。GIST患者の約90%は、V-kit Hardy-Zuckerman4ネコ肉腫ウイルス腫瘍遺伝子ホモログ(KIT)(75%~80%)又は関連性の高いタンパク質血小板由来増殖因子受容体アルファ(PDGFRα)(10%~15%)のいずれかの変異に依存する腫瘍を有する。分子レベルでは、診断時の腫瘍原性変異の最も一般的な部位は、KIT及び最も一般的な活性化ループ変異がD842VであるPDGFRαの活性化ループ(エクソン18)に対する膜近傍ドメイン(エクソン11[60%~70%])及び細胞外ドメイン(エクソン9[5%~15%])である。
完全な外科的切除は、原発性GISTの患者にとって依然として主要な治療法である。GISTは、全身の細胞毒性化学療法又は放射線療法のいずれにも感受性があるとは見なされていない。手術はGIST患者の約50%に効果的である。残りの患者では、腫瘍の再発が頻繁に見られる。イマチニブ等のKIT阻害剤による一次治療も、GISTの初期治療に十分であることが示されている。ただし、イマチニブに対する耐性は、イマチニブの結合親和性を著しく低下させるKITの体細胞変異により、GIST患者で数か月以内に発生する。これらの耐性変異は、キナーゼのATP結合ポケット(エクソン13及び14)又は活性化ループ(エクソン17及び18)内で常に発生する。GISTを治療するために現在承認されている治療法はどれも選択的標的薬剤ではない。むしろ、イマチニブ後のGISTの治療のために現在承認されている薬剤は、マルチキナーゼ阻害剤、例えば、スニチニブ、レゴラフェニブ、及びミドスタウリンである。多くの場合、これらのマルチキナーゼ阻害剤はイマチニブ耐性変異を弱くしか阻害しない。更に、マルチキナーゼ阻害剤は、より複雑な安全性プロファイル及び小さな治療ウィンドウのために、治療的価値が限られている可能性がある。したがって、イマチニブに耐性のあるGIST患者を治療するための治療薬が必要である。
少なくとも3つの治療法で治療された経験がある切除不能又は転移性GISTを有する患者のサブセットが存在する。本明細書に記載の化合物は、これらの患者の治療に有用である可能性がある。
難治性GIST設定における薬剤としての化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態の使用に加えて、イマチニブ、スニチニブ、及び/又はレゴラフェニブの組合わせを、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び本明細書に開示される前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態と共に使用することにより、エクソン17変異に対する耐性の出現の防止が可能になり得る。
PDGFRαの活性化ループに変化があるGIST患者のサブセットが存在する。PDGFRαの活性化ループに点変異を伴うGIST患者のサブセットが存在する。PDGFRαにD842V変異を有するGIST患者のサブセットが存在し、GIST患者のこのサブグループは、この変異を特定することで層別化できる。この患者のサブセットは、現在利用可能な全てのチロシンキナーゼ阻害剤に対して不応性である。本明細書に記載の化合物は、PDGFRα D842Vに対するそれらの選択的活性のために、これらの患者の治療に有用である可能性がある。
PDGFRαのエクソン18の842位のアスパラギン酸(D)残基をイソロイシン(I)又はチロシン(Y)に変異させると、PDGFRαチロシンキナーゼ活性がリガンド非依存的に構成的に活性化される。PDGFRαにD842I変異を有するGIST患者のサブセットも存在し、GIST患者のこのサブグループは、この変異を特定することで層別化できる。本明細書に記載の化合物は、PDGFRα D842Iに対するそれらの選択的活性のために、これらの患者の治療に有用である可能性がある。更に、PDGFRαにD842Y変異を有するGIST患者のサブセットが存在し、GIST患者のこのサブグループは、この変異を特定することで層別化できる。本明細書に記載の化合物は、PDGFRα D842Yに対するそれらの選択的活性のために、これらの患者の治療に有用である可能性がある。
PDGFRαの活性化ループにインデルがあるGIST患者のサブセットが存在する。PDGFRαにD842-H845変化を有するGIST患者のサブセットが存在し、GIST患者のこのサブグループは、この変化を特定することで層別化できる。本明細書に記載の化合物は、PDGFRαのPDGFRα D842-H845に対するそれらの選択的活性のために、これらの患者の治療に有用である可能性がある。
PDGFRαにDI842-843V変化を有するGIST患者のサブセットが存在し、GIST患者のこのサブグループは、この変化を特定することで層別化できる。本明細書に記載の化合物は、PDGFRαのPDGFRα DI842-843Vに対するそれらの選択的活性のために、これらの患者の治療に有用である可能性がある。
化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態もまた、AMLの治療に有用であり得る。AML患者もKIT変異を抱えており、KIT変異の大部分はD816の位置で発生している。
更に、KITの変異は、ユーイング肉腫、DLBCL(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、胚芽細胞腫、MDS(骨髄異形成症候群)、NKTCL(鼻NK/T細胞リンパ腫)、CMML(慢性骨髄単球性白血病)、及び脳癌に関連している。
化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び本明細書に開示される前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態を使用して、エクソン9、エクソン11、エクソン13、エクソン14、エクソン17及び/又はエクソン18におけるKIT遺伝子変異に関連する状態を治療することができる。結晶形態はまた、野生型KITに関連する状態を治療するために使用され得る。化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び本明細書の前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態は、本明細書に記載の状態を治療するための薬剤として使用することができ、又はこれらは、限定されないが、イマチニブ、スニチニブ、及びレゴラフェニブを含む他の治療薬と組み合わせて使用することができる。他の薬剤には、国際公開第2014/039714号及び国際公開第2014/100620号に記載されている化合物が含まれる。
化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態は、エクソン11、11/17及びエクソン17(例えば、d557-558、V560G、V560G/D816V、V560G/N822K、D816E、D816F、D816H、D816I、D816V、D816Y、D816K、D816H、D816A、D816G、D820A、D820E、D802Y、D820G、N822K、N822H、Y823D、及び/又はA829P)における少なくとも1つのKIT変異に対して活性があり、等野生型KITに対してはあまり活性がない。いくつかの実施形態では、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態は、少なくとも1つのKIT変異体エクソン11、11/17及び17変異体(d557-558、V560G、V560G/D816V、V560G/N822K、D816E、D816F、D816H、D816I、D816V、D816Y、D820E、D820Y及びY823D)に対して活性であり得る。
結晶形態は、(a)エクソン9及び11変異等、KITの他の活性化変異に対して活性であるが、(b)エクソン17変異に対しては活性ではない薬剤と組み合わせて投与することができる。このような薬剤には、イマチニブ、スニチニブ、及びレゴラフェニブが含まれる。化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態、並びに薬剤の組合わせは、したがって、エクソン17変異体KITを阻害し、またエクソン9/11変異体KITを阻害する。少なくとも1つの結晶形態及び薬剤は、同時投与又は交互のレジメンで投与することができる。すなわち、エクソン17変異体KIT阻害剤は、一定期間単独で投与することができ、その後、エクソン9/11変異体KIT阻害剤は、その後一定期間単独で投与することができる。次いで、このサイクルを繰り返すことができる。そのようなレジメンは、エクソン17変異体KIT阻害剤及び/又はエクソン9/11変異体KIT阻害剤に対する耐性の発達を遅らせることができると考えられている。
更に、エクソン17KIT変異体に対して選択的であり得る、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態を、双方向コンボで見逃された変異をカバーする第3の薬剤と組み合わせて、エクソン9/11変異に対して有効である少なくとも1つの薬剤と共に投与することができる。3つの薬剤の組合わせにより、様々なKIT変異、及び場合によっては野生型KITが阻害される可能性がある。薬剤は、同時に又は交互のレジメンで投与することができる。それらは一度に1つずつ投与することも、2つの薬剤を一定期間一緒に投与することもでき、3番目の薬剤を次の期間単独で投与することができる。そのようなレジメンは、変異体KIT阻害剤に対する耐性の発達を遅らせることができると考えられている。
いくつかの実施形態では、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態は、単独で、又はイマチニブ、スニチニブ、及び/又はレゴラフェニブと組み合わせて使用され得る。
いくつかの実施形態では、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態は、例えば、外科手術又は放射線療法等の他の治療法と組み合わせて使用され得る。
用量
特定の患者又は対象の有効用量は、治療中の障害及び障害の重症度、使用される特定の医薬組成物、患者又は対象の年齢、体重、一般的な健康状態、性別及び食事、投与時間、投与経路、治療期間、及び医療分野でよく知られている同様の要因を含む様々な要因に依存し得る。
特定の患者又は対象の有効用量は、治療中の障害及び障害の重症度、使用される特定の医薬組成物、患者又は対象の年齢、体重、一般的な健康状態、性別及び食事、投与時間、投与経路、治療期間、及び医療分野でよく知られている同様の要因を含む様々な要因に依存し得る。
いくつかの実施形態では、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態(例えば、化合物(I)の結晶形態A)の治療有効量が、それを必要とする患者に投与される。いくつかの実施形態では、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態(例えば、化合物(I)の結晶形態A)の治療有効量が、それを必要とする患者に1日1回投与される。
いくつかの実施形態では、1日1回患者に投与される少なくとも1つの結晶形態の治療有効量は、25mg~400mgの範囲(例えば、25mg、30mg、40、mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、280mg、290mg、300mg、310mg、320mg、330mg、340mg、350mg、360mg、370mg、380mg、390mg、又は400mg)の量の化合物(I)の結晶形態(例えば、化合物(I)の結晶形態A、化合物(I)の結晶形態B、又は化合物(I)の結晶形態O)又は重量当量のその薬学的に許容される塩の結晶形態(例えば、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態T、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Tr、又は化合物(I)の塩酸塩の結晶形態H)又は重量当量の化合物(I)又はその薬学的に許容される塩の溶媒和物の結晶形態(例えば、化合物(I)の結晶形態)である。
本開示は、化合物(I)及び/又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を投与することにより、それを必要とする患者においてAdv SMを治療するための改善された方法を提供する。いくつかの実施形態では、1日1回患者に投与される少なくとも1つの結晶形態の治療有効量は、200mg~300mgの範囲(例えば、200mg、225mg、250mg、300mg)の量の化合物(I)の結晶形態(例えば、化合物(I)の結晶形態A、化合物(I)の結晶形態B、又は化合物(I)の結晶形態O)又は重量当量のその薬学的に許容される塩の結晶形態(例えば、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態T、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Tr、又は化合物(I)の塩酸塩の結晶形態H)又は重量当量の化合物(I)又はその薬学的に許容される塩の溶媒和物の結晶形態(例えば、化合物(I)の結晶形態C)である。いくつかの実施形態では、患者は、進行した全身性肥満細胞症(例えば、ASM、SM-AHN、又はMCL)に罹患しており、化合物(I)の結晶形態Aの治療有効量は、1日1回投与される200mg~300mgである。いくつかの実施形態では、患者は、進行した全身性肥満細胞症(例えば、ASM、SM-AHN、又はMCL)に罹患しており、化合物(I)の結晶形態Aの治療有効量は、1日1回投与される200mgである。いくつかの実施形態では、患者は、進行した全身性肥満細胞症(例えば、ASM、SM-AHN、又はMCL)に罹患しており、化合物(I)の結晶形態Aの治療有効量は、1日1回投与される300mgである。
本開示は、化合物(I)及び/又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を投与することにより、それを必要とする患者においてGISTを治療するための改善された方法を提供する。いくつかの実施形態では、1日1回患者に投与される少なくとも1つの結晶形態の治療有効量は、300mg~400mgの範囲(例えば、325mg、350mg、375mg、400mg)の量の化合物(I)の結晶形態(例えば、化合物(I)の結晶形態A、化合物(I)の結晶形態B、又は化合物(I)の結晶形態O)又は重量当量の結晶形態のその薬学的に許容される塩(例えば、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態T、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Tr、又は化合物(I)の塩酸塩の結晶形態H)又は重量当量の化合物(I)又はその薬学的に許容される塩の溶媒和物の結晶形態(例えば、化合物(I)の結晶形態C)である。いくつかの実施形態では、患者は、消化管間質腫瘍に罹患しており、化合物(I)の結晶形態Aの治療有効量は、1日1回投与される300mg~400mgである。いくつかの実施形態では、患者は、GISTに罹患しており、化合物(I)の結晶形態Aの治療有効量は、1日1回投与される300mgである。いくつかの実施形態では、患者は、GISTに罹患しており、化合物(I)の結晶形態Aの治療有効量は、1日1回投与される400mgである。化合物(I)の結晶形態Aの300mgの1日1回を患者が十分に許容できる場合、用量を1日1回400mgに増やすことができる。化合物(I)の結晶形態Aの300mgの1日1回が、少なくとも2回の連続治療サイクル(各28日)、少なくとも3回の連続治療サイクル(各28日)、又は少なくとも4回の連続治療サイクル(各28日)で十分に許容できる場合、用量は1日1回400mgに増やすことができる。
本開示は、化合物(I)及び/又はその薬学的に許容される塩を投与することにより、それを必要とする患者における無痛性全身性肥満細胞症(ISM)及びくすぶり型全身性肥満細胞症(SSM)を治療するための改善された方法を提供する。具体的には、本開示は、長期治療に使用することができる化合物(I)の安全かつ有効な投薬レジメンを提供する。一態様では、それを必要とするISM又はSSM患者は、中等症から重症の症状を有する。
実施例12に示されるような最新の臨床研究によれば、ISM又はSSMの患者に1日1回25mg投与される化合物(I)は、肥満細胞負荷の低減、疾患の症状の改善、及び生活の質の改善を含む、その臨床プロファイルの3つの側面全てにわたって改善を示すことがわかった。具体的には、1日1回投与された25mgの化合物(I)は、16週間においてISM-SAF TSS及び総ドメインスコアの各症状の統計的に有意な減少を有する。驚くべきことに、25mgの用量は、50mg及び100mgのより高い投与量と同様の平均改善をTSSにもたらし、忍容性が向上した。例えば、50mgQD用量及び100mgQD用量と同様に、25mgQD用量は血中KIT D816V対立遺伝子画分の有意な減少を示す。更に、患者に1日1回投与される25mgの化合物(I)は、ISMの患者において好ましい安全性プロファイルを有する。例えば、患者の95%は臨床試験を継続しており、有害反応(AE)による中止はない。25mgの1日1回のコホートにおけるグレード3以上のAEは発生しなかった。患者は、16週目にMC-QoL全体スコア及び全てのドメインスコアで測定されるように、生活の質(QoL)が改善されている。
本開示は、化合物(I)及び/又はその薬学的に許容される塩の結晶形態を投与することにより、それを必要とする患者においてISM及びSSMを治療するための改善された方法を提供する。いくつかの実施形態では、1日1回患者に投与される少なくとも1つの結晶形態の治療有効量は、25mg~100mgの範囲(例えば、25、50、又は100mg)の量の
化合物(I)の結晶形態(例えば、化合物(I)の結晶形態A、化合物(I)の結晶形態B、又は化合物(I)の結晶形態O)又は重量当量の結晶形態のその薬学的に許容される塩(例えば、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態T、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Tr、又は化合物(I)の塩酸塩の結晶形態H)又は重量当量の化合物(I)又はその薬学的に許容される塩の溶媒和物の結晶形態(例えば、化合物(I)の結晶形態)である。いくつかの実施形態では、患者は、無痛性又はくすぶり型全身性肥満細胞症に罹患しており、化合物(I)の結晶形態Aの治療有効量は、1日1回投与される25mg~100mgである。いくつかの実施形態では、患者は、無痛性又はくすぶり型全身性肥満細胞症に罹患しており、化合物(I)の結晶形態Aの治療有効量は、1日1回投与される25mgである。いくつかの実施形態では、患者は、無痛性又はくすぶり型全身性肥満細胞症に罹患しており、化合物(I)の結晶形態Aの治療有効量は、1日1回投与される50mgである。いくつかの実施形態では、患者は、無痛性又はくすぶり型全身性肥満細胞症に罹患しており、化合物(I)の結晶形態Aの治療有効量は、1日1回投与される100mgである。
化合物(I)の結晶形態(例えば、化合物(I)の結晶形態A、化合物(I)の結晶形態B、又は化合物(I)の結晶形態O)又は重量当量の結晶形態のその薬学的に許容される塩(例えば、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態T、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Tr、又は化合物(I)の塩酸塩の結晶形態H)又は重量当量の化合物(I)又はその薬学的に許容される塩の溶媒和物の結晶形態(例えば、化合物(I)の結晶形態)である。いくつかの実施形態では、患者は、無痛性又はくすぶり型全身性肥満細胞症に罹患しており、化合物(I)の結晶形態Aの治療有効量は、1日1回投与される25mg~100mgである。いくつかの実施形態では、患者は、無痛性又はくすぶり型全身性肥満細胞症に罹患しており、化合物(I)の結晶形態Aの治療有効量は、1日1回投与される25mgである。いくつかの実施形態では、患者は、無痛性又はくすぶり型全身性肥満細胞症に罹患しており、化合物(I)の結晶形態Aの治療有効量は、1日1回投与される50mgである。いくつかの実施形態では、患者は、無痛性又はくすぶり型全身性肥満細胞症に罹患しており、化合物(I)の結晶形態Aの治療有効量は、1日1回投与される100mgである。
本開示は、無痛性全身性肥満細胞症(ISM)又はくすぶり型全身性肥満細胞症(SSM)を治療する方法を提供し、10mg~100mgの量の化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を化合物(I)の10mg~100mgの当量で、それを必要とする患者に1日1回投与することを含む。いくつかの実施形態では、それを必要とする患者は、1日1回、10mg~100mgの量の化合物(I)を投与される。いくつかの実施形態では、それを必要とする患者は、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、又は100mgの化合物(I)(又は10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、又は100mgの化合物(I)に当量のその薬学的に許容される塩)を1日1回投与される。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、10mg~25mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、10mg~50mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、10mg~75mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、10mg~100mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、25mg~50mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、25mg~100mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、50mg~100mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、75mg~100mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、10mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、15mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、20mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、25mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、30mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、35mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、35mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、40mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、45mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、50mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、55mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、60mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、65mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、70mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、75mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、80mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、85mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、90mgである。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、95mg。いくつかの実施形態では、量は、1日1回、100mgである。
いくつかの実施形態では、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び本明細書に開示される前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態は、経口投与される。いくつかの実施形態では、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び本明細書に開示される前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態は、疾患の進行、許容できない毒性、又は個々の選択まで投与される。
化合物(I)の結晶形態Aを使用する臨床試験では、有害反応は重症度によってグレード1~5に分類された。報告されたほとんどの有害事象はグレード1又は2であり、化合物(I)の結晶形態Aが十分に許容されることを示している。化合物(I)の結晶形態Aを投与された患者は、皮膚、肝臓、及び心臓血管毒性等の他のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)で観察された重症の用量制限毒性を示さなかった。他のTKIに対する重症の用量制限毒性は、広範囲のキナーゼを阻害した結果である可能性がある。
医薬組成物
本明細書に記載の結晶形態は、活性医薬成分(API)、及び1つ又は複数の医薬的に許容される賦形剤を組み込み、ヒト対象への投与に適した医薬組成物を調製するための材料として有用である。いくつかの実施形態では、これらの医薬組成物は、例えば、錠剤及び/又はカプセル等の固体経口剤形等の医薬製品であろう。これらの医薬組成物の調製において、(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ピペラジン-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミンの結晶形態は任意の十分な量で検出されない可能性がある。例えば、APIの溶解を促進して、例えば結晶化特性が失われ、したがって最終薬剤に存在させなくするのに十分な量で、例えば、水等の溶媒の存在下で結晶性APIを1つ又は複数の薬学的に許容される賦形剤と接触させる場合、結晶形態は検出可能でない可能性がある。
本明細書に記載の結晶形態は、活性医薬成分(API)、及び1つ又は複数の医薬的に許容される賦形剤を組み込み、ヒト対象への投与に適した医薬組成物を調製するための材料として有用である。いくつかの実施形態では、これらの医薬組成物は、例えば、錠剤及び/又はカプセル等の固体経口剤形等の医薬製品であろう。これらの医薬組成物の調製において、(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ピペラジン-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミンの結晶形態は任意の十分な量で検出されない可能性がある。例えば、APIの溶解を促進して、例えば結晶化特性が失われ、したがって最終薬剤に存在させなくするのに十分な量で、例えば、水等の溶媒の存在下で結晶性APIを1つ又は複数の薬学的に許容される賦形剤と接触させる場合、結晶形態は検出可能でない可能性がある。
いくつかの実施形態では、結晶性(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ピペラジン-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミンは、例えば、噴霧乾燥又は湿式造粒を含む医薬組成物を調製するためのプロセスで使用され得る。プロセスが噴霧乾燥又は湿式造粒を伴う場合、得られる医薬組成物中に結晶形態がほとんど又はまったく検出されない可能性が高い。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態からなる医薬組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態を含む医薬組成物を提供する。例えば、化合物(I)の結晶形態A、化合物(I)の結晶形態B、化合物(I)の結晶形態C、化合物(I)の結晶形態O、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態T、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Tr、及び/又は化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hは、ヒト又は獣医学で使用するための任意の便利な方法で投与するための医薬組成物に配合することができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態、並びに少なくとも1つの追加の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。本明細書で使用される「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、液体又は固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、又はカプセル化材料等の薬学的に許容される材料、組成物、及び/又はビヒクルを指す。各賦形剤は、対象の組成物及びその成分と適合性があり、患者に有害ではないという意味で「薬学的に許容可能」でなければならない。例えば、任意の望ましくない生物学的効果を生じるか、そうでなければ薬学的に許容される組成物の他の成分(複数可)と悪影響を及ぼすような方式で相互作用することによる等の、任意の従来の薬学的に許容される賦形剤が、化合物(I)並びに/あるいは化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述の溶媒和物の結晶形態と不適合である場合を除いて、賦形剤の使用は本開示の範囲内であることが意図される。
薬学的に許容される賦形剤として役立つ可能性のある材料のいくつかの非限定的な例には、(1)ラクトース、グルコース、及びスクロース等の糖、(2)コーンスターチ及び馬鈴薯澱粉等のデンプン、(3)セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロース、(4)粉末トラガカント、(5)モルト、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)カカオバター及び坐剤ワックス等の賦形剤、(9)ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、大豆油等の油、(10)プロピレングリコール等のグリコール、(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール等のポリオール、(12)オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル等のエステル、(13)寒天、(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム等の緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)パイロジェンフリーの水、(17)等張食塩水、(18)リンゲル液、(19)エチルアルコール、(20)リン酸緩衝液、及び(21)製剤に使用される他の非毒性適合物質が挙げられる。
Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,2005,ed.D.B.Troy,Lippincott Williams & Wilkins,Philadelphia,and Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,eds.J.Swarbrick and J.C.Boylan,1988-1999,Marcel Dekker,New York,、これらのそれぞれの内容は、参照により本明細書に組み込まれ、薬学的に許容される賦形剤の追加の非限定的な例、並びそれらを調製及び使用するための既知の技術も開示する。
本明細書に開示される医薬組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、局所的に、直腸的に、経鼻的に、口腔的に、経膣的に、又はインプラントリザーバを介して投与することができる。本明細書で使用される「非経口」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、肝内、病巣内、及び頭蓋内注射又は注入技術を含む。いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、経口、腹腔内、又は静脈内に投与される。本開示の医薬組成物の無菌注射形態は、水性又は油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、好適な分散剤又は湿潤剤、及び懸濁剤を使用して、当技術分野で既知の技術に従って配合され得る。無菌の注射可能な調製物はまた、例えば、1,3-ブタンジオールの溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌の注射可能な溶液又は懸濁液であり得る。使用できる許容可能なビヒクル及び溶媒としては、水、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。更に、無菌の固定油は、従来、溶媒又は懸濁媒体として使用されている。
この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む任意の刺激の少ない固定油が使用され得る。オレイン酸及びそのグリセリド誘導体等の脂肪酸は、オリーブ油又はヒマシ油等の天然の薬学的に許容される油、特にそれらのポリオキシエチル化バージョンと同様に、注射剤の調製に有用である。これらの油溶液又は懸濁液はまた、エマルジョン及び懸濁液を含む薬学的に許容される剤形の配合に一般的に使用されるカルボキシメチルセルロース又は同様の分散剤等の長鎖アルコール希釈剤又は分散剤を含み得る。薬学的に許容される固体、液体、又は他の剤形の製造に一般的に使用される、トゥイーン、スパン、及び他の乳化剤又はバイオアベイラビリティ増強剤等の他の一般的に使用される界面活性剤もまた、配合の目的で使用され得る。
本明細書に開示される医薬組成物はまた、カプセル、錠剤、水性懸濁液、又は溶液を含むがこれらに限定されない、任意の経口的に許容される剤形で経口投与され得る。経口使用に水性懸濁液が必要な場合、有効成分は通常、乳化剤及び懸濁剤と組み合わされる。必要に応じて、特定の甘味料、香料、又は着色剤が添加され得る。
あるいは、本明細書に開示される医薬組成物は、直腸投与用の坐剤の形態で投与され得る。室温では固体であるが直腸温度では液体であるため、直腸内で溶融して薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤と薬剤を混合することによって、これらを調製することができる。そのような材料には、カカオバター、蜜蝋、及びポリエチレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。
本開示の医薬組成物はまた、特に治療の標的が、眼、皮膚、又は下部腸管の疾患を含む、局所適用によって容易にアクセス可能な領域又は器官を含む場合、局所的に投与され得る。これらの領域又は器官のそれぞれについて、適切な局所製剤が容易に調製される。下部腸管への局所塗布は、直腸坐剤製剤(上記を参照)又は適切な浣腸製剤で行うことができる。局所経皮パッチも使用できる。
局所適用の場合、医薬組成物は、少なくとも1つの賦形剤に懸濁又は溶解された活性成分を含む適切な軟膏に配合され得る。本開示の化合物の局所投与のための賦形剤には、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス、及び水が含まれるが、これらに限定されない。あるいは、本明細書に開示される医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤に懸濁又は溶解された活性成分を含む適切なローション又はクリームに配合され得る。適切な賦形剤には、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水が含まれるが、これらに限定されない。
本開示の医薬組成物はまた、鼻エアロゾル又は吸入によって投与され得る。このような組成物は、製剤の分野で周知の技術に従って調製され、ベンジルアルコール又は他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、フルオロカーボン、及び/又は他の従来の可溶化剤又は分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製され得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、医薬組成物を提供し、少なくとも1つの賦形剤、並びに化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、顆粒内部分及び顆粒外部分を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、少なくとも1つの充填剤、少なくとも1つの崩壊剤、及び少なくとも1つの潤滑剤を含む。本明細書で使用される場合、「顆粒外充填剤」、「顆粒外崩壊剤」、又は「顆粒外潤滑剤」は、それぞれ、医薬組成物の顆粒外部分を含む充填剤、崩壊剤、又は潤滑剤を指す。
本明細書に開示される医薬組成物に適した充填剤は、医薬組成物の他の成分と適合性であり、すなわち、それらは、医薬組成物の溶解性、硬度、化学的安定性、物理的安定性、又は生物学的活性を実質的に低下させない。適切な充填剤の非限定的な例には、セルロース、修飾セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、酢酸セルロース、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン)、糖(例えば、マンニトール、ラクトース、スクロース等)、又はそれらの任意の組合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、充填剤は微結晶性セルロースである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の15重量%~20重量%の量(例えば、15重量%、15.5重量%、16重量%、16.5重量%、17%、17.5重量%、18重量%、18.5重量%、19重量%、19.5重量%、又は20重量%)の少なくとも1つの顆粒外充填剤を含む。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の15重量%~20重量%(例えば、15重量%、15.5重量%、16重量%、16.5重量%、17%、17.5重量%、18重量%、18.5重量%、19重量%、19.5重量%、又は20重量%)の顆粒外微結晶性セルロース、例えば、MCC Avicel PH-200を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の17重量%の顆粒外微結晶性セルロース、例えば、MCC Avicel PH-200を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の17重量%の顆粒外Avicel PH-200を含む。
本明細書に開示される医薬組成物に適した崩壊剤は、医薬組成物の分散を増強することができ、医薬組成物の他の成分と適合性であり、すなわち、それらは、医薬組成物の化学的安定性、物理的安定性、硬度、又は生物学的活性を実質的に低下させない。適切な崩壊剤の非限定的な例には、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、又はそれらの任意の組合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。いくつかの実施形態では、崩壊剤はAc-Di-Solである。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、医薬組成物の2重量%~3重量%(例えば、2重量%、2.1重量%、2.2重量%、2.3重量%、2.4重量%、2.5重量%、2.6重量%、2.7重量%、2.8重量%、2.9重量%、3重量%)の顆粒外崩壊剤を含む。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の2重量%~3重量%(例えば、2重量%、2.1重量%、2.2重量%、
2.3重量%、2.4重量%、2.5重量%、2.6重量%、2.7重量%、2.8重量%、2.9重量%、3重量%)の顆粒外クロスカルメロースナトリウム、例えば、Ac-Di-Solを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の2.5重量%の顆粒外クロスカルメロースナトリウム、例えば、Ac-Di-Solを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の2.5重量%の顆粒外Ac-Di-Solを含む。
2.3重量%、2.4重量%、2.5重量%、2.6重量%、2.7重量%、2.8重量%、2.9重量%、3重量%)の顆粒外クロスカルメロースナトリウム、例えば、Ac-Di-Solを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の2.5重量%の顆粒外クロスカルメロースナトリウム、例えば、Ac-Di-Solを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の2.5重量%の顆粒外Ac-Di-Solを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、潤滑剤を含む。潤滑剤は、混合物成分の表面(例えば、混合ボウルの表面、造粒ロール、圧縮ダイ、及び/又はパンチ)への付着を防ぐことができる。潤滑剤はまた、顆粒内の粒子間摩擦を低減し、造粒機及び/又はダイプレスからの圧縮された医薬組成物の圧縮及び排出を改善することができる。本明細書に開示される医薬組成物に適した潤滑剤は、医薬組成物の他の成分と適合性であり、すなわち、それらは、医薬組成物の溶解性、硬度、又は生物学的活性を実質的に低下させない。適切な潤滑剤の非限定的な例には、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ロイシン、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、又はそれらの任意の組合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の0.25重量%~1重量%(例えば、0.25重量%、0.3重量%、
0.35重量%、0.4重量%、0.45重量%、0.5重量%、0.55重量%、0.6重量%、0.65重量%、0.7重量%、0.75重量%、0.8重量%、0.85重量%、0.9重量%、0.95重量%、1重量%)の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の0.25重量%~1重量%(例えば、0.25重量%、0.3重量%、0.35重量%、0.4重量%、0.45重量%、0.5重量%、0.55重量%、0.6重量%、0.65重量%、0.7重量%、0.75重量%、0.8重量%、0.85重量%、0.9重量%、0.95重量%、1重量%)の顆粒外ステアリン酸マグネシウムを含む。
0.35重量%、0.4重量%、0.45重量%、0.5重量%、0.55重量%、0.6重量%、0.65重量%、0.7重量%、0.75重量%、0.8重量%、0.85重量%、0.9重量%、0.95重量%、1重量%)の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の0.25重量%~1重量%(例えば、0.25重量%、0.3重量%、0.35重量%、0.4重量%、0.45重量%、0.5重量%、0.55重量%、0.6重量%、0.65重量%、0.7重量%、0.75重量%、0.8重量%、0.85重量%、0.9重量%、0.95重量%、1重量%)の顆粒外ステアリン酸マグネシウムを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、錠剤の形態である。本明細書に開示される錠剤は、混合物又は組成物、例えば、粉末又は顆粒を圧力下で圧縮又は加圧して、安定した三次元形状を形成することによって製造され得る。本明細書で使用される場合、「錠剤」は、コーティングされているかどうかに関わらず、任意の形状又はサイズを形成する圧縮された医薬剤形単位を指す。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される錠剤は、顆粒内部分及び顆粒外部分を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される錠剤を調製する方法は、(a)化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態、少なくとも1つの第1の充填剤、少なくとも1つの結合剤、少なくとも1つの第1の崩壊剤、及び少なくとも1つの第1の潤滑剤を混合することと(顆粒混合物)、(b)顆粒内混合物(造粒混合物)を造粒することと、(c)少なくとも1つの第2の充填剤、少なくとも1つの第2の崩壊剤、及び少なくとも1つの第2の潤滑剤を混合することと(顆粒外混合物)、(d)粒状混合物及び顆粒外混合物を混合して錠剤混合物を形成することと、(e)造粒混合物及び顆粒外混合物を含む錠剤混合物を錠剤に圧縮することと、を含む。工程(a)、(b)、及び(c)は任意の順序で実行できる。医薬組成物の造粒及び圧縮のための当技術分野で知られている任意の適切な方法を使用することができる。
本明細書に開示される医薬組成物に適した結合剤、例えば錠剤は、医薬組成物、例えば錠剤の粘着性及び/又は引張強度を増強することができ、医薬組成物の他の成分と適合性であり、すなわち、それらは、医薬組成物の化学的安定性、物理的安定性、硬度、又は生物学的活性を実質的に低下させない。適切な結合剤の非限定的な例には、コポビドン、二塩基性リン酸カルシウム、スクロース、トウモロコシ(トウモロコシ)デンプン、微結晶性セルロース、及び修飾セルロース(例えば、ヒドロキシメチルセルロース)が含まれる。いくつかの実施形態では、結合剤はコポビドンである。いくつかの実施形態では、結合剤は、Kollidon VA 64 Fineである。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、錠剤をコーティングすることを更に含む。本明細書に開示される錠剤は、フィルムコーティングでコーティングされ、ワックスをかけられ、任意選択で、適切なインクを使用してロゴ、他の画像及び/又はテキストでラベル付けされ得る。適切なフィルムコーティング及びインクは、錠剤の他の成分と適合性があり、例えば、それらは、錠剤の溶解性、化学的安定性、物理的安定性、硬度、又は生物学的活性を実質的に低下させない。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される錠剤は、フィルムでコーティングされている。いくつかの実施形態では、フィルムは、少なくとも1つの着色剤及び/又は顔料を含む。いくつかの実施形態では、フィルムはOpadryIIである。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される錠剤は、フィルムコーティング、例えば、OpadryIIでコーティングされ得、そして任意選択で、適切なインクを使用してロゴ、他の画像及び/又はテキストでラベルされ得る。
いくつかの実施形態では、化合物(I)、その薬学的に許容される塩、及び前述のいずれかの溶媒和物の結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態は、粒子の形態である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の錠剤は、化合物(I)の少なくとも1つの結晶形態の30~50重量%の粒子、又はその薬学的に許容される塩又は前述のいずれかの溶媒和物の等量の粒子、30~35重量%の少なくとも1つの第1の充填剤、2.5~7.5重量%の少なくとも1つの結合剤、2~3重量%の少なくとも1つの第1の崩壊剤、及び0.25~1重量%の少なくとも1つの第1の潤滑剤を含む顆粒を含む。いくつかの実施形態では、顆粒は、本明細書に開示される錠剤の顆粒内部分を含む。
いくつかの実施形態では、錠剤は、10~150μmの平均直径を有する化合物(I)の少なくとも1つの結晶形態の粒子を含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、15、56、108、又は147μmの平均直径を有する化合物(I)の少なくとも1つの結晶形態の粒子を含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、化合物(I)の結晶形態A、化合物(I)の結晶形態B、及び/又は化合物(I)の結晶形態Oあるいは重量当量の少なくとも1つの結晶形態のその薬学的に許容される塩(例えば、化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態T、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Tr、及び/又は化合物(I)の塩酸塩の結晶形態H)あるいは重量当量の化合物(I)又は薬学的に許容される塩の溶媒和物の少なくとも1つの結晶形態(例えば、化合物(I)の結晶形態C)を含む。
本明細書で言及される全ての刊行物及び特許は、あたかも個々の刊行物又は特許が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
請求項において、「a」、「an」、及び「the」等の冠詞は、反対に示されない限り、又は文脈から明らかでない限り、少なくとも1つを意味し得る。グループの少なくとも1つのメンバ間に「又は」を含むクレーム又は説明は、グループメンバの1つ、複数、又は全てが、反対に指定されていない限り、又は文脈から明らかでない限り、特定の製品又はプロセスに存在する、採用されている、又は関連している場合に満たされていると見なされる。本開示は、グループの正確に1つのメンバが、所与の製品又はプロセスに存在する、使用される、又はそうでなければ関連する実施形態を含む。本開示は、複数の、又は全てのグループメンバが、所与の製品又はプロセスに存在する、使用される、又は他の方法で関連する実施形態を含む。
更に、本開示は、列挙されたクレームの少なくとも1つからの少なくとも1つの制限、要素、節、及び説明用語が別のクレームに導入される全ての変形、組合わせ、及び順列を包含する。例えば、別のクレームに依存するクレームは、同じ基本クレームに依存する他のクレームに見られる少なくとも1つの制限を含むように変更できる。要素がリストとして表示される場合、例えばMarkushグループ形式では、要素の各サブグループも開示され、任意の要素(複数可)をグループから削除できる。一般に、本開示又は本開示の態様が特定の要素及び/又は特徴を含むと言及される場合、本開示の実施形態又は本開示の態様は、そのような要素及び/又は特徴からなるか、又は本質的にそれからなることを理解されたい。簡潔にするために、これらの実施形態は、本明細書にこれらの言葉で具体的に記載されていない。範囲が指定されている場合、エンドポイントが含まれる。更に、別段の指示がない限り、又は当業者の文脈及び理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、本開示の異なる実施形態において、記載された範囲内の任意の特定の値又はサブ範囲、文脈で明確に指示されていない限り、範囲の下限の単位の10分の1までとることができる。
当業者は、通常の実験のみを使用するか本明細書に記載の本発明の特定の実施形態と同等のものを多く認識するか、又は確認することができるであろう。そのような同等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。
実施例
以下の実施例は、例示を意図したものであり、本開示の範囲を制限することを決して意味するものではない。
以下の実施例は、例示を意図したものであり、本開示の範囲を制限することを決して意味するものではない。
以下に列挙される合成スキームは、本開示の化合物の調製に関連する一般的なガイダンスを提供することを意図している。当業者は、示された調製物が、有機化学の一般的な知識を使用して修正及び/又は最適化され得ることを理解するであろう。
一般的な方法
光学顕微鏡:光学顕微鏡は、2.5X、10X、及び40Xの対物レンズ及び偏光子を備えたZeiss AxioScopeA1を使用して実行した。画像は、内蔵のAxiocam 105デジタルカメラでキャプチャし、Zeissが提供するZEN2(ブルーエディション)ソフトウェアを使用して処理した。
光学顕微鏡:光学顕微鏡は、2.5X、10X、及び40Xの対物レンズ及び偏光子を備えたZeiss AxioScopeA1を使用して実行した。画像は、内蔵のAxiocam 105デジタルカメラでキャプチャし、Zeissが提供するZEN2(ブルーエディション)ソフトウェアを使用して処理した。
DVS:動的水蒸気収着(DVS)は、DVS Intrinsic1を使用して実行した。サンプルをサンプルパンにロードし、微量天秤から吊り下げた。DVS測定の典型的なサンプル質量は25mgであった。蒸留水を介してバブリングされた窒素ガスは、所望の相対湿度を提供した。一般的な測定は、次の手順で構成した。
1. 50%RHで平衡化
2. 50%~2%。(50%、40%、30%、20%、10%、及び2%)
a. 各湿度で最小5分、最大60分保持する。合格基準は0.002%未満の変化であった。
3. 2%~95%(2%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%)
a. 各湿度で最小5分、最大60分保持する。合格基準は0.002%未満の変化であった。
4. 95%~2%(95%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、2%)
a. 各湿度で最小5分、最大60分保持する。合格基準は0.002%未満の変化であった。
5. 2%~50%(2%、10%、20%、30%、40%、50%)
a. 各湿度で最小5分、最大60分保持する。合格基準は0.002%未満の変化であった。
1. 50%RHで平衡化
2. 50%~2%。(50%、40%、30%、20%、10%、及び2%)
a. 各湿度で最小5分、最大60分保持する。合格基準は0.002%未満の変化であった。
3. 2%~95%(2%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%)
a. 各湿度で最小5分、最大60分保持する。合格基準は0.002%未満の変化であった。
4. 95%~2%(95%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、2%)
a. 各湿度で最小5分、最大60分保持する。合格基準は0.002%未満の変化であった。
5. 2%~50%(2%、10%、20%、30%、40%、50%)
a. 各湿度で最小5分、最大60分保持する。合格基準は0.002%未満の変化であった。
熱分析:熱重量分析(TGA)及び示差走査熱量測定(DSC)は、Mettler Toledo TGA/DSC3+を使用して実施した。サンプルは、ピンホールのあるアルミニウム製の密閉パンで秤量した。使用されるパラメータを以下に示す。
カールフィッシャー滴定:水分測定のためのカールフィッシャー滴定は、6.0338.100の二重白金線電極を備えた785DMP Titrino及び703Ti Standを使用して行った。サンプルをHPLCグレード又は無水メタノールに溶解し、Hydranal-Composite5で滴定した。測定の典型的なサンプル質量は0.03g~0.10gであった。較正には、Hydranal1重量%水標準を使用した。
イオン選択性電極(ISE)による塩化物含有量:サンプルの塩化物含有量は、イオン選択性電極を使用した滴定法によって決定した。滴定は、Accumet AB250pH/ISEベンチトップメータ(Fisher Scientific)とAccumetコンビネーション塩化物電極とを組み合わせて使用して行った。Microsoft Excelソフトウェアを使用して、滴定曲線の変曲点を決定した。
NMR:プロトン及び炭素NMR分析は、Bruker Avance500MHz分光計で実行した。あるいは、プロトンNMRをBruker Avance 300MHz分光計で実行した。固体を4mLバイアル内の0.75mL重水素化溶媒に溶解し、NMRチューブ(Wilmad 5mm薄壁8インチ200MHz、506-PP-8)に移した。Bruker Avance300MHz又は500MHz分光計に対するNMRの一般的なパラメータを以下に示す。
XRPD:粉末X線回折はRigaku MiniFlex600を使用して行った。サンプルは、Siゼロリターンウェーハ上で準備した。典型的なスキャンは、4~30度の2θから、40kV及び15mAで5分間にわたって0.05度の工程サイズで取得した。高解像度スキャンは、4~40度の2θから、40kV及び15mAで30分間にわたって0.05度の工程サイズで取得した。XRPDの一般的なパラメータを以下に示す。
実施例1:化合物(I)の結晶形態Aの調製
化合物(I)(10.0g)をアセトン(17.4体積)及び脱イオン水(3.2容量、最終比:アセトン/水85/15)に溶解して懸濁液を得た。懸濁液を40℃~50℃の範囲の温度に加熱し、40℃~50℃で15分間撹拌した。透明な黄色の溶液を得た。続いて、40℃~50℃で研磨濾過を行った。フィルタをアセトン/水85/15(1vol)で洗浄した。次に、溶液を55℃~65℃で約146mLの体積に達するまで大気圧蒸留した(14.6vol、約74mLの留出物)。溶液を15分かけて45℃~55℃に冷却した。次に、脱イオン水(10.5vol)を45℃~55℃の溶液に30分かけて添加し、淡黄色の懸濁液を得た。懸濁液を2.5時間かけて20℃~25℃に冷却し、次に20℃~25℃で3時間撹拌した。生成物を濾過により回収し、フィルタケーキをアセトン/水1/1(各2vol)で2回置換洗浄した。湿った生成物を真空下で68℃~72℃で乾燥させて、化合物(I)の結晶形態Aを淡黄色の固体として得た(92%の単離収率)。
化合物(I)の結晶形態Aを、光学顕微鏡、XRPD、13C NMR、DVS、DSC、及びTGAによって分析した。化合物(I)の結晶形態AのXRPDデータを表1に示す。化合物(I)の結晶形態Aの粉末X線回折図を図2に示す。化合物(I)の結晶形態AのDSCサーモグラム及びTGA熱曲線を図3に示す。
実施例2:化合物(I)の結晶形態Bの調製
化合物(I)を加熱し、195℃で10分間保持し、次に室温に冷却した。得られた固体を濾過により単離した。
化合物(I)の結晶形態Bを、光学顕微鏡、XRPD、13C NMR、DSC、及びTGAによって分析した。化合物(I)の結晶形態BのXRPDデータを表2に示す。化合物(I)の結晶形態Bの粉末X線回折図を図4に示す。化合物(I)の結晶形態BのDSCサーモグラムを図5に示す。
実施例3:化合物(I)の結晶形態Cの調製
結晶形態Cを、化合物(I)をメタノール又は1:1のTHF:水でスラリー化することによって調製した。得られた固体を濾過により単離した。
化合物(I)の結晶形態Cを、光学顕微鏡、XRPD、13C NMR、DVS、DSC、及びTGAによって分析した。化合物(I)の結晶形態CのXRPDデータを表3に示す。化合物(I)の結晶形態Cの粉末X線回折図を図6に示す。
実施例4:化合物(I)の結晶形態Oの調製
結晶形態Oを、THFで化合物(I)を室温から-20℃に停滞冷却することによって調製した。得られた固体を濾過により単離した。
化合物(I)の結晶形態Oを、光学顕微鏡、XRPD、13C NMR、DSC、及びTGAによって分析した。化合物(I)の結晶形態OのXRPDデータを表4に示す。化合物(I)の結晶形態Oの粉末X線回折図を図7に示す。
実施例5:化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tの調製
化合物(I)(169.7mg)を、10mmの撹拌棒を備えた4mLのバイアルに秤り入れた。トルエンスルホン酸(75.8mg、1.1当量)を同じバイアルに秤り入れた。20vol(3.39mL)IPA:H2O(95:5vol)をバイアルに添加した。サンプルを凍結し、ボルテックスした後、室温で5分間撹拌した。バイアルを48℃~50℃のホットプレートに移し、600rpmで撹拌させた。サンプルは溶液となり、すぐに濃厚なスラリーとして沈殿した。バイアルを10分後に35℃~40℃のホットプレートに移し、1時間撹拌(340rpm)した後、室温(340rpm)で1時間撹拌した。サンプルを濾過し、2volで2回洗浄した。(2x339μL)IPA:H2O(95:5vol)、50℃のアクティブ真空下に配置して乾燥させた。170.6mgの塩を回収した。
化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tを、光学顕微鏡、XRPD、13C NMR、DSC、TGA、及びカールフィッシャー(KF)滴定によって水分含有量について分析した。化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tの水含有量は1.7重量%であった。化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態TのXRPDデータを表5に示す。化合物(I)の結晶形態Tの粉末X線回折図を図8に示す。
実施例6:化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trの調製
化合物(I)(145.2mg)を、10mmの撹拌棒を備えた4mLのバイアルに秤り入れた。酒石酸(50.3mg、1.1当量)を同じバイアルに秤り入れた。TFE(450μL)を添加した。固体が溶解しなかったため、EtOH(250μL)も添加した。室温で撹拌すると、スラリーはわずかに薄くなった。水(200μL)を添加して、固体を完全に溶解し、バイアルを室温で一晩撹拌(350rpm)させた。
翌日、溶液は依然として透明であった。キャップを外し、バイアルを35℃~40℃のホットプレートに置き、穏やかに撹拌(300rpm)しながらゆっくりと蒸発させた。3時間後、全ての固体が溶液から沈殿し、バイアルを50℃のアクティブ真空下に2時間配置した。15vol(2.18mL)アセトンをバイアルに添加し、サンプルを45℃に加熱し、1時間撹拌した(400rpm)。温度を毎時5度下げ、室温で一晩撹拌した。サンプルを濾過し、2vol(2x290μL)アセトンで2回洗浄し、50℃のアクティブ真空下に配置して乾燥させた。 152.1mgの塩を回収した。
化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trを、光学顕微鏡、XRPD、13C NMR、DVS、DSC、TGA、及びカールフィッシャー(KF)滴定によって水分含有量について分析した。化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trの含水量は6.4重量%であった。化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態TrのXRPDデータを表6に示す。化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trの粉末X線回折図を図9に示す。
実施例7:化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hの調製
化合物(I)(154.0mg)を、10mmの撹拌棒を備えた4mLのバイアルに秤り入れた。エタノール(5:95vol)中濃HCl溶液564μL(1.1当量)を添加した。サンプルはすぐにガム状になり、固体はわずかに黄色がかっていた。TFE(450μL)を添加し、バイアルを35℃~40℃のホットプレートに置き、30分撹拌(340rpm)した。15分でヘラによってガムを崩壊させた。サンプルは30分後も依然としてガム状であったため、TFE(100μL)を添加し、サンプルをボルテックスして流動性のある白いスラリーを生成した。バイアルを室温で撹拌プレートに移し、サンプルを更に45分間撹拌した。キャップをバイアルから取り外し、溶液を一晩ゆっくりと蒸発させた。
翌朝、溶液を残し、バイアルを35℃~40℃のホットプレートに2時間戻した後、50℃のオーブンで2時間アクティブ真空下に配置した。一旦取り出されると、バイアル内のガム状の固形物は、スパチュラで破壊され、15vol(2.31mL)アセトンを加えた。 バイアルを48℃のホットプレート上に置き、1時間撹拌(450rpm)した後、更に2時間、室温のホットプレート(340rpm)に移した。サンプルを濾過し、2vol(2x308μL)アセトンで2回洗浄し、50℃のアクティブ真空下に配置して乾燥させた。 138.4mgの塩を回収した。
化合物(I)の塩酸塩の結晶形態Hを、光学顕微鏡、XRPD、13C NMR、DVS、DSC、TGA、及びカールフィッシャー(KF)滴定によって水分含有量について分析した。化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trの含水量は3.9重量%であった。化合物(I)の塩酸塩の結晶形態HのXRPDデータを表7に示す。化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Trの粉末X線回折図を図10に示す。
実施例8:水及びシミュレートされた流体への溶解度
絶食した模擬腸液(FaSSIF)(pH=6.57)を、NaOHペレット(0.105g)、NaH2PO4H2O(0.9875g)、及びNaCl(1.5475g)を蒸留水(225mL)に溶解し、1NのNaOH溶液及び1NのHClを加えてpHを6.57に調整することによって調製した。次に、水を250mLの体積まで添加して、リン酸緩衝液を生成した。生体関連粉末(0.56g)をリン酸緩衝液(125mL)に溶解し、リン酸緩衝液を使用して250mLにした。調製した溶液を2時間放置した後、溶解度測定に使用した。
空腹時模擬胃液(FaSSGF)(pH=1.67)は、NaCl(0.5g)を蒸留水(225mL)に溶解して調製した。1NのHClを使用してpHを1.67に調整し、次に蒸留水を使用して溶液を250mLにして、NaCl/HCl溶液を生成した。生体関連粉末(0.015g)をNaCl/HCl溶液(125mL)に溶解し、次いでNaCl/HCl溶液を使用して250mLにした。調製した溶液はすぐに使用できた。
化合物(I)の結晶形態A及びC
結晶形態A及び結晶形態Aと結晶形態Cとの混合物の溶解度を、空腹時模擬腸液(FaSSIF)、空腹時模擬胃液(FaSSGF)、及び37℃の水で測定した。薄いスラリーを一晩撹拌し、次に上澄みをHPLC分析のために回収した。結晶形態A及び結晶形態Aと結晶形態Cとの混合物に対するFaSSIFへの溶解度は0.03mg/mLであった。溶解度は、結晶形態A及び結晶形態Aと結晶形態Cとの混合物のFaSSGFで、それぞれ2.11mg/mL及び2.72mg/mLで高かった。約pH7の水への溶解度は、結晶形態A及び結晶形態Aと結晶形態Cとの混合物の両方で検出限界(BDL)を下回った。溶解度データを以下の表8に要約する。
化合物(I)の塩の結晶形態
化合物(I)の塩酸塩の結晶形態H、化合物(I)の酒石酸塩の結晶形態Tr、及び化合物(I)のトシル酸塩の結晶形態Tの溶解度は、空腹時人工腸液(FaSSIF)、空腹時人工胃液(FaSSGF)、及び37℃の水で測定した。約1.5mLの溶液を37℃で撹拌した。次に、薄いスラリーが形成されるまで塩を徐々に加え、続いて一晩撹拌した。固形物を沈降させ、上澄みのpHを測定した。上清を回収してHPLCに注入し、固形物をXRPD用に回収した。
溶解度は、遊離塩基を使用して作成された較正曲線からの補間に基づいて決定した。線形フィットは、0.999のR2を得た。
結晶形態H及び結晶形態Trの溶解度は、遊離塩基と比較して、FaSSIF及び水の両方で高かった。FaSSGFへの溶解度もより高かったが、サンプルを更に希釈する必要があった。FaSSIFにおいて、結晶形態Trの溶解度は結晶形態Hよりも大きかった(0.27対0.10mg/mL)。FaSSIFで結晶形態Trガム状にした。
XRPDによる分析のためにスラリーから固形物を回収した。結晶形態Hは、全ての溶液でスラリー化しても安定であった。結晶形態Trは、水中でスラリー化しても安定であった。結晶形態Trは、FaSSGFでのスラリー化により結晶形態Hに変換された。溶解度データを以下の表8に要約する。
実施例9:化合物(I)の調製1
工程e:tert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの調製
工程e:tert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの調製
tert-ブチル4-(5-(4-フルオロベンゾイル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(4.0g、1eq)、(S)-(-)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(1.88g、1.5eq)、Ti(OiPr)4(4.6mL、1.5eq)、LiOH(0.06g、0.25eq)、及び2-MeTHF(32.0mL、8vol)を混合し、55℃に加熱した。反応を3.5時間保持し、次に23℃に冷却した。ブライン溶液(8.0mL、2vol)を添加した。混合物を2~3時間撹拌し、セライトを通して濾過して清澄化した。追加のブライン洗浄液(8.0mL、2vol)を添加し、相を分離させた。有機相を真空で蒸留し、2-MeTHF(40mL、10vol)で3回追跡した。次に、2-MeTHF(16mL、4vol)を添加し、ヘプタン(48mL、12vol)を添加しながら、混合物を22℃で撹拌した。1時間後、混合物を濾過して固体生成物を単離し、これを真空下で16時間乾燥させた(75%の収率のtert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート)。
工程f:tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの調製
2-MeTHF(32mL、8vol)をtert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(4.0g固体、1eq)を添加した。混合物を-7℃に冷却し、MeMgCl(5.45mL、2.0eq)を添加した。混合物を-7℃で2時間撹拌した。メタノール(4.0mL、1vol)を0℃以下で添加した。温度を0~5℃に上げた。NH4Cl溶液(24mL、6vol)を添加し、二相混合物を20℃で撹拌した。有機相を水層から分離し、次に水(12mL、2vol)で洗浄した。次いでMeOH(140mL)を加え、2-MeTHF(250mL)を加えながら混合物を真空蒸留した。減圧蒸留及び2-MeTHF追跡を3回続け、tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの10.5%w/w溶液38.0gで終了した。混合物を52℃に加熱し、ヘプタン(46mL、11.5vol)を添加し、続いてシード(4mg、0.1%w/w)を添加した。52℃で152分間撹拌した後、混合物をゆっくりと22℃に冷却した。固形物を濾過し、ヘプタン(2x8mL)で洗浄し、次に真空下で16時間乾燥させた。粗固体(tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート)(97.8~99.8%de)は、直下のプロトコルに従って精製した。
2-MeTHF(32mL、8vol)をtert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(4.0g固体、1eq)を添加した。混合物を-7℃に冷却し、MeMgCl(5.45mL、2.0eq)を添加した。混合物を-7℃で2時間撹拌した。メタノール(4.0mL、1vol)を0℃以下で添加した。温度を0~5℃に上げた。NH4Cl溶液(24mL、6vol)を添加し、二相混合物を20℃で撹拌した。有機相を水層から分離し、次に水(12mL、2vol)で洗浄した。次いでMeOH(140mL)を加え、2-MeTHF(250mL)を加えながら混合物を真空蒸留した。減圧蒸留及び2-MeTHF追跡を3回続け、tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの10.5%w/w溶液38.0gで終了した。混合物を52℃に加熱し、ヘプタン(46mL、11.5vol)を添加し、続いてシード(4mg、0.1%w/w)を添加した。52℃で152分間撹拌した後、混合物をゆっくりと22℃に冷却した。固形物を濾過し、ヘプタン(2x8mL)で洗浄し、次に真空下で16時間乾燥させた。粗固体(tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート)(97.8~99.8%de)は、直下のプロトコルに従って精製した。
工程g:tert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)-エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの調製
粗製tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)-エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(4.0g)をヘプタン(78mL、19.5vol)及びMeOH(2.0mL、0.5vol)に懸濁し、次いで57℃に加熱する。2時間後、混合物を22℃に冷却し、1時間撹拌した。ヘプタン洗浄液(2x2vol)による濾過を行い、材料を真空中で一晩乾燥させた(収率35%のtert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)-エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート、2つの工程にわたる、>99.8%de)。
粗製tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)-エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(4.0g)をヘプタン(78mL、19.5vol)及びMeOH(2.0mL、0.5vol)に懸濁し、次いで57℃に加熱する。2時間後、混合物を22℃に冷却し、1時間撹拌した。ヘプタン洗浄液(2x2vol)による濾過を行い、材料を真空中で一晩乾燥させた(収率35%のtert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)-エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート、2つの工程にわたる、>99.8%de)。
工程b:6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オールの調製
6-ブロモピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン(2.50g、1eq)の溶液にNMP(15mL、6vol)で、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(6.08g、2.5eq)を添加した。TBAB(0.15g、4mol%)、Pd(OAc)2(0.026g、1mol%)及びDTBPF(0.055g、1mol%)を添加した。混合物を脱気した後、K3PO4(23.7g、6.0eq)水(7.5mL、3vol)に入れた。最後に、反応混合物を100℃に12時間加熱した。反応混合物を20℃に冷却し、水(25mL、10vol)を添加し、混合物を20℃で20分間撹拌した。フィルタを水(2.5mL、1vol)で洗浄しながら濾過することにより混合物を清澄化した。濾液を57℃に加熱し、6MのHCl(12.5mL、5vol)を添加した。得られたスラリーを3.5時間かけて3℃に冷却し、この温度で2時間撹拌した。生成物を濾過により単離し、固体を水(2x5mL)で洗浄し、続いて1:1のTHF及びIPA(2x5mL)混合物で洗浄した。固体を乾燥させて、6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オールの収率80%を得た。
6-ブロモピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン(2.50g、1eq)の溶液にNMP(15mL、6vol)で、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(6.08g、2.5eq)を添加した。TBAB(0.15g、4mol%)、Pd(OAc)2(0.026g、1mol%)及びDTBPF(0.055g、1mol%)を添加した。混合物を脱気した後、K3PO4(23.7g、6.0eq)水(7.5mL、3vol)に入れた。最後に、反応混合物を100℃に12時間加熱した。反応混合物を20℃に冷却し、水(25mL、10vol)を添加し、混合物を20℃で20分間撹拌した。フィルタを水(2.5mL、1vol)で洗浄しながら濾過することにより混合物を清澄化した。濾液を57℃に加熱し、6MのHCl(12.5mL、5vol)を添加した。得られたスラリーを3.5時間かけて3℃に冷却し、この温度で2時間撹拌した。生成物を濾過により単離し、固体を水(2x5mL)で洗浄し、続いて1:1のTHF及びIPA(2x5mL)混合物で洗浄した。固体を乾燥させて、6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オールの収率80%を得た。
工程c:4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジンの調製
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オール(4.0g、1eq)をトルエン(40mL、10vol)にDIPEA(3.9mL、1.2eq)と懸濁した。混合物を75℃に加熱し、POCl3(3.8mL、2.2eq)を添加した。反応物を更に105℃に16時間加熱した。反応が完了した後、反応物を22℃に冷却し、K2HPO4(32.5g、10eq)水(25.9mL、6.5vol)に添加した。固体を濾過し、水(1vol)及びトルエン(1vol)で洗浄した。濾過した固体を22℃のDCM(28mL、7vol)で再スラリー化した。生成物溶液を活性炭(5%)と混合した。木炭濾過後、溶液を2.4volに濃縮した。ヘプタン(7容量)を加え、混合物を2.4体積に濃縮した。更にヘプタンを添加し、混合物を7体積に濃縮し、0~5℃で一晩撹拌した。濾過とそれに続くヘプタン洗浄により、固体が得られた(78%の収率の4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン)。
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オール(4.0g、1eq)をトルエン(40mL、10vol)にDIPEA(3.9mL、1.2eq)と懸濁した。混合物を75℃に加熱し、POCl3(3.8mL、2.2eq)を添加した。反応物を更に105℃に16時間加熱した。反応が完了した後、反応物を22℃に冷却し、K2HPO4(32.5g、10eq)水(25.9mL、6.5vol)に添加した。固体を濾過し、水(1vol)及びトルエン(1vol)で洗浄した。濾過した固体を22℃のDCM(28mL、7vol)で再スラリー化した。生成物溶液を活性炭(5%)と混合した。木炭濾過後、溶液を2.4volに濃縮した。ヘプタン(7容量)を加え、混合物を2.4体積に濃縮した。更にヘプタンを添加し、混合物を7体積に濃縮し、0~5℃で一晩撹拌した。濾過とそれに続くヘプタン洗浄により、固体が得られた(78%の収率の4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン)。
工程d:(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩の調製
tert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)-エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(4.0g、1eq)をメタノール(25.2mL、7.5vol)及びジオキサン中の4MのHCl(10.0mL、6.0eq)と混合した。反応混合物を
40℃に1時間加熱した。反応が完了した後、混合物を22℃に冷却し、MTBE(34mL、10vol)を30分かけて装入した。混合物を濾過し、MTBE(3x10mL、3x3vol)で洗浄し、真空下で15時間乾燥させた((S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩の97.0%の収率)。
tert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)-エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(4.0g、1eq)をメタノール(25.2mL、7.5vol)及びジオキサン中の4MのHCl(10.0mL、6.0eq)と混合した。反応混合物を
40℃に1時間加熱した。反応が完了した後、混合物を22℃に冷却し、MTBE(34mL、10vol)を30分かけて装入した。混合物を濾過し、MTBE(3x10mL、3x3vol)で洗浄し、真空下で15時間乾燥させた((S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩の97.0%の収率)。
工程a:(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン(化合物(I))の調製
4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン(3.87kg、0.95eq)をDCM(138.1kg、20.0vol)に溶解し、続いて(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩(7.4kg、1.0eq)及びDIPEA(10.0kg、4.5eq)を添加した。反応物を12時間、還流温度で加熱した。反応変換に達した後、混合物をブライン(2x13%NaCl、2x10vol)で洗浄した。3.7体積まで大気圧で濃縮した後、IPA(61.3kg)を添加し、更に真空下で14.5容量まで濃縮した。混合物を25℃未満で撹拌し、次にIPA(20.4kg)を再び加えた。更に14.5容量まで真空蒸留した後、別のIPA(20.4kg)を添加した。得られた混合物を2~8℃に冷却し、1時間撹拌した。固形生成物を濾過により単離し、IPA(2x12.2kg)で洗浄した。
4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン(3.87kg、0.95eq)をDCM(138.1kg、20.0vol)に溶解し、続いて(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩(7.4kg、1.0eq)及びDIPEA(10.0kg、4.5eq)を添加した。反応物を12時間、還流温度で加熱した。反応変換に達した後、混合物をブライン(2x13%NaCl、2x10vol)で洗浄した。3.7体積まで大気圧で濃縮した後、IPA(61.3kg)を添加し、更に真空下で14.5容量まで濃縮した。混合物を25℃未満で撹拌し、次にIPA(20.4kg)を再び加えた。更に14.5容量まで真空蒸留した後、別のIPA(20.4kg)を添加した。得られた混合物を2~8℃に冷却し、1時間撹拌した。固形生成物を濾過により単離し、IPA(2x12.2kg)で洗浄した。
粗固体をアセトン(10.8vol)及び水(1.9vol)の混合物に50℃で溶解した。追加の水(8.5vol)を30分かけて添加し、得られた懸濁液を1時間かけて20℃に冷却し、その温度で2.5時間撹拌した。得られた固体を濾過により単離し、水/アセトン混合物(1:1、2x2vol)で洗浄した。固体を乾燥させて、固体の化合物(I)を得た(化合物(I)77%の収率)。
実施例10:化合物(I)の調製2
工程e:tert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの調製
工程e:tert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの調製
tert-ブチル4-(5-(4-フルオロベンゾイル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(20.0g、1.0eq)、(S)-(-)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(9.43g、1.5eq)、及びLiOH(0.64g、0.5eq)をトルエン(160mL)と共に反応容器に添加した。この混合物に、チタン(IV)イソプロポキシド(18.42g、1.25eq)を加え、反応物を50~60℃で1時間撹拌した。次に、反応物を蒸留して、40~60℃で追加のトルエン(80mL)を装入しながら80mLを除去した。反応混合物を20~30℃に冷却し、次にクエン酸一ナトリウム溶液(80mL、pH3~4の30%w/wクエン酸)に加えた。混合物を45~55℃で1.5時間撹拌し、次に相を分離した。有機相を重炭酸カリウム(40mL、25%-w/w水溶液)で洗浄し、有機相を蒸留して40mLを除去した。生成物溶液をテトラヒドロフラン(30mL)で希釈した後、次の工程で直接溶液(約15%w/wのtert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート)として使用した。
工程f:tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの単離による調製
メチルマグネシウムクロリド(27.8g、THF中22%-w/w、2.0eq)を、トルエン/THF中tert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート反応溶液(120gは20gの投入物質に対応)に10℃で2~3時間添加した。反応混合物を1.5時間撹拌して反応完了に到達させた。反応混合物を、メタノール(40mL)、続いて水(10mL)の添加によりクエンチした。混合物を蒸留して100~110mLの留出物を除去し、次に塩化アンモニウム(80mL、水中20%w/w)で洗浄した。有機相を水(80mL)で洗浄し、トルエン(60mL)で希釈し、蒸留して60-80mLの留出物を除去した。tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート、50~60℃に、n-ヘプタン(80mL)を装入し、42℃に冷却し、その時点でシードを添加した(25~50mg)。溶液を30分間保持した後、次いで0~10℃に30分間冷却した。固形物を濾過により単離し、n-ヘプタン及びトルエン混合物(1:1、30mL)、続いてn-ヘプタン(30mL)で洗浄した。生成物を乾燥させて、9g(40~45%)の粗tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(96.4~97.2%de)を得た。
メチルマグネシウムクロリド(27.8g、THF中22%-w/w、2.0eq)を、トルエン/THF中tert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート反応溶液(120gは20gの投入物質に対応)に10℃で2~3時間添加した。反応混合物を1.5時間撹拌して反応完了に到達させた。反応混合物を、メタノール(40mL)、続いて水(10mL)の添加によりクエンチした。混合物を蒸留して100~110mLの留出物を除去し、次に塩化アンモニウム(80mL、水中20%w/w)で洗浄した。有機相を水(80mL)で洗浄し、トルエン(60mL)で希釈し、蒸留して60-80mLの留出物を除去した。tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート、50~60℃に、n-ヘプタン(80mL)を装入し、42℃に冷却し、その時点でシードを添加した(25~50mg)。溶液を30分間保持した後、次いで0~10℃に30分間冷却した。固形物を濾過により単離し、n-ヘプタン及びトルエン混合物(1:1、30mL)、続いてn-ヘプタン(30mL)で洗浄した。生成物を乾燥させて、9g(40~45%)の粗tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(96.4~97.2%de)を得た。
tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの再結晶
tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(10.0g)をイソプロパノール(100mL)に溶解し、40~60℃に加熱した後、イソプロパノール(20mL)で洗浄/すすぎながら清澄濾過を通過させた。得られた溶液を40~60℃で真空蒸留して60~70mLの留出物を除去した。混合物を50~60℃で水(45mL)で希釈し、次に40℃に冷却し、その時点で25~50mgを播種した。混合物を更に20~25℃に冷却し、水(20mL)を添加した。固形物を濾過により単離し、イソプロプロパノール/水混合物(1:1、20mL)で洗浄し、次にイソプロパノール/水(1:2、30mL)でスラリー洗浄した。乾燥により、8.5g(85%)のtert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(>99.8%de)の生成物を得た。
tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(10.0g)をイソプロパノール(100mL)に溶解し、40~60℃に加熱した後、イソプロパノール(20mL)で洗浄/すすぎながら清澄濾過を通過させた。得られた溶液を40~60℃で真空蒸留して60~70mLの留出物を除去した。混合物を50~60℃で水(45mL)で希釈し、次に40℃に冷却し、その時点で25~50mgを播種した。混合物を更に20~25℃に冷却し、水(20mL)を添加した。固形物を濾過により単離し、イソプロプロパノール/水混合物(1:1、20mL)で洗浄し、次にイソプロパノール/水(1:2、30mL)でスラリー洗浄した。乾燥により、8.5g(85%)のtert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(>99.8%de)の生成物を得た。
工程b:6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オールの調製
6-ブロモピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン(10.0g)を反応容器に装入し、続いてN-メチル-2-ピロリドン(40mL)を装入した。この混合物に、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(24.4g、2.5eq)、パラジウム(II)アセテート(0.22g)、及び1,1´-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン(0.44g)を添加した。混合物を15分間撹拌した。リン酸カリウム(66mLの水中59.66g)を加え、反応混合物を115℃に2時間加熱した。反応混合物を80℃に冷却し、N-アセチル-L-システイン(1.5g)及び水(100mL)中Na2EDTA・2H2O(1.5g)をナトリウムの混合物に添加した。得られた混合物を45℃で1.5時間撹拌し、次に20℃に冷却した。有機層を清澄化し、水(100mL)で希釈した。塩酸(10%-w/w)を加えてpH9.5に調整した。次に、有機溶液を75℃に加熱し、塩酸(10%-w/w)で更にpH6.9に調整した。混合物を20℃に冷却し、1時間保持した。生成物を濾過により回収し、水/イソプロパノール(20mL、8:1v/v)で2回洗浄して、8.2gの乾燥生成物6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2、1-f][1,2,4]トリアジン-4-オールを得た。
6-ブロモピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン(10.0g)を反応容器に装入し、続いてN-メチル-2-ピロリドン(40mL)を装入した。この混合物に、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(24.4g、2.5eq)、パラジウム(II)アセテート(0.22g)、及び1,1´-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン(0.44g)を添加した。混合物を15分間撹拌した。リン酸カリウム(66mLの水中59.66g)を加え、反応混合物を115℃に2時間加熱した。反応混合物を80℃に冷却し、N-アセチル-L-システイン(1.5g)及び水(100mL)中Na2EDTA・2H2O(1.5g)をナトリウムの混合物に添加した。得られた混合物を45℃で1.5時間撹拌し、次に20℃に冷却した。有機層を清澄化し、水(100mL)で希釈した。塩酸(10%-w/w)を加えてpH9.5に調整した。次に、有機溶液を75℃に加熱し、塩酸(10%-w/w)で更にpH6.9に調整した。混合物を20℃に冷却し、1時間保持した。生成物を濾過により回収し、水/イソプロパノール(20mL、8:1v/v)で2回洗浄して、8.2gの乾燥生成物6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2、1-f][1,2,4]トリアジン-4-オールを得た。
工程c:4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジンの調製
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オール(15g)、DIPEA(10.36g、1.15eq)、トルエン(90mL)、及び塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(3.97g、0.25eq)を混合した。POCl3(21.37g、2.0eq)を30分かけて添加した。次に、混合物を100℃に加熱した。混合物を80~90℃に冷却し、その後脱イオン水50mLのK2HPO4(2.4g、0.20eq)及びTHF(50mL)の混合物に25分かけてクエンチした。40~60℃でのクエンチ中、KOH(~62g、50%水性、~8eq)の添加によりpHをpH7~pH9に保持した。次に、得られた溶液を50~60℃に加熱し、撹拌を30分間続けた後、相を分離した。有機相を45mLの脱イオン水で50℃で2回洗浄した。相分離後、有機相を60℃で4体積に真空蒸留した。生成物は黄色の固体として沈殿した。ヘプタン(150mL)を添加し、生成物を濾過し、次いでヘプタン(50mL)で洗浄した。減圧乾燥後、生成物4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン(12.7g)を黄色い粉末として得た。
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オール(15g)、DIPEA(10.36g、1.15eq)、トルエン(90mL)、及び塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(3.97g、0.25eq)を混合した。POCl3(21.37g、2.0eq)を30分かけて添加した。次に、混合物を100℃に加熱した。混合物を80~90℃に冷却し、その後脱イオン水50mLのK2HPO4(2.4g、0.20eq)及びTHF(50mL)の混合物に25分かけてクエンチした。40~60℃でのクエンチ中、KOH(~62g、50%水性、~8eq)の添加によりpHをpH7~pH9に保持した。次に、得られた溶液を50~60℃に加熱し、撹拌を30分間続けた後、相を分離した。有機相を45mLの脱イオン水で50℃で2回洗浄した。相分離後、有機相を60℃で4体積に真空蒸留した。生成物は黄色の固体として沈殿した。ヘプタン(150mL)を添加し、生成物を濾過し、次いでヘプタン(50mL)で洗浄した。減圧乾燥後、生成物4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン(12.7g)を黄色い粉末として得た。
工程a:(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン(化合物(I))の調製
tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(7)(9.0g)を、塩酸(33%、8.14g、4.1eq)を含むアセトニトリル(40mL)中で45~55℃に1時間加熱して、tert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)-エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(2)を得た。
tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(7)(9.0g)を、塩酸(33%、8.14g、4.1eq)を含むアセトニトリル(40mL)中で45~55℃に1時間加熱して、tert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)-エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(2)を得た。
混合物を20~35℃に冷却し、次にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(13.9g、6.0eq)及び4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン(4.0g、0.95eq)を添加し、続いてメチルtert-ブチルエーテル(20mL)を45~55℃で添加した。反応混合物を50~65℃で30分間撹拌した。水(95mL)を55~65℃及びIPC(pH7.3~7.7)で1時間かけてゆっくりと添加した(必要に応じてDIPEA又はHClで調整)。反応混合物を1時間かけて20~30℃に冷却し、温度で1時間保持した。生成物を濾過して洗浄し(15mLのACN置換後、20mLのACNスラリー)、6.7gの粗製(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ)[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン(化合物(I))を得た。
(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン(化合物(I))(10.0g)をアセトン(17.4vol)及び脱イオン水(3.2vol、最終比:アセトン/水85/15)に溶解した。懸濁液を43~48℃に加熱し、この温度で15分間撹拌した。透明な黄色の溶液を得た。続いて、研磨濾過を43~48℃で実施し、フィルタをアセトン/水85/15(1容量)で洗浄した。次に、黄色の溶液を、約146mLの容量に達するまで57~62℃で大気圧蒸留した(14.6容量、約74mLの留出物、最終比:アセトン/水76/24)。溶液を15分かけて48~53℃に冷却した。その後、脱イオン水(10.5vol)を48~53℃で30分かけて添加した(最終比:アセトン/水44/56)。淡黄色の懸濁液を2.5時間かけて20~25℃に冷却し、20~25℃で3時間撹拌した。生成物を濾過により回収し、フィルタケーキをアセトン/水1/1(各2vol)で2回置換洗浄した。湿った生成物を67~72℃及び35ミリバールで乾燥させた。化合物(I)は、結晶形態Aとして淡黄色の固体(理論上92%)として単離した。
実施例11:化合物(I)の調製3
工程e:tert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの調製
工程e:tert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの調製
tert-ブチル4-(5-(4-フルオロベンゾイル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(500g、1eq)、(S)-(-)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(1.5eq)、Ti(OiPr)4(2.0eq)、LiOH(0.5eq)、及びトルエン(4L、8vol)を混合し、部分真空下で60℃に加熱してIPAを除去した。反応を5時間保持し、次に5~10℃に冷却した。クエン酸塩溶液(30%、4vol)を添加した。40℃でデカンテーションした後、トルエン抽出(1vol)を行った。合わせた有機相をNaHCO3水溶液で洗浄した。tert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの溶液を次の工程で直接使用した。
工程f:tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの調製
トルエン中のtert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(固体50g、1当量)反応溶液にTHF(4.2vol)を添加した。-15℃~-10℃で、MeMgCl(THF中22.5%、1.5eq)を添加した。混合物を-10℃から~-15℃で1時間撹拌した。追加のMeMgCl(THF中22.5%、0.5eq)を添加し、混合物を-10℃~-15℃で5時間撹拌した。-10±5℃でメタノール(0.26vol)を添加した。温度を21℃に上昇させた。次にトルエン(4vol)を添加した。HClを1.2℃で添加し、得られた懸濁液を室温で一晩撹拌した。懸濁液を45℃に加熱して、二相性溶液を得た。有機相を水層から分離し、濃縮した。AcOEt(2vol)を添加し、溶液をシリカゲル(50g)のパッドの下で濾過した。シリカパッドを酢酸エチル(6x3.6vol)で溶出し、画分を混合し、1.65体積になるまで濃縮した。tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの懸濁液を加熱(69℃)して溶液を得た。ヘプタン(2.6vol)を添加し、沈殿物を30~40℃で30分間撹拌し、次に5℃に冷却した。黄色の沈殿物を濾過し、ヘプタン(2x1vol)で洗浄した。固体を真空下で乾燥させた(粗製tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの45.4%収率(94.4%de))。
トルエン中のtert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(固体50g、1当量)反応溶液にTHF(4.2vol)を添加した。-15℃~-10℃で、MeMgCl(THF中22.5%、1.5eq)を添加した。混合物を-10℃から~-15℃で1時間撹拌した。追加のMeMgCl(THF中22.5%、0.5eq)を添加し、混合物を-10℃~-15℃で5時間撹拌した。-10±5℃でメタノール(0.26vol)を添加した。温度を21℃に上昇させた。次にトルエン(4vol)を添加した。HClを1.2℃で添加し、得られた懸濁液を室温で一晩撹拌した。懸濁液を45℃に加熱して、二相性溶液を得た。有機相を水層から分離し、濃縮した。AcOEt(2vol)を添加し、溶液をシリカゲル(50g)のパッドの下で濾過した。シリカパッドを酢酸エチル(6x3.6vol)で溶出し、画分を混合し、1.65体積になるまで濃縮した。tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの懸濁液を加熱(69℃)して溶液を得た。ヘプタン(2.6vol)を添加し、沈殿物を30~40℃で30分間撹拌し、次に5℃に冷却した。黄色の沈殿物を濾過し、ヘプタン(2x1vol)で洗浄した。固体を真空下で乾燥させた(粗製tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの45.4%収率(94.4%de))。
tert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)-エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの再結晶
粗製tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートをAcOEt(0.6vol)に溶解した。これに、還流温度でヘプタン(0.3vol)を添加した。更にヘプタン(1.7vol)を32分かけて添加し、続いて20~25℃に一晩冷却した。ヘプタン洗浄液(2x0.5vol)による濾過を行い、材料を真空中で一晩乾燥させた(tert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)-エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート、100%deの88.2%の収率)。
粗製tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートをAcOEt(0.6vol)に溶解した。これに、還流温度でヘプタン(0.3vol)を添加した。更にヘプタン(1.7vol)を32分かけて添加し、続いて20~25℃に一晩冷却した。ヘプタン洗浄液(2x0.5vol)による濾過を行い、材料を真空中で一晩乾燥させた(tert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)-エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート、100%deの88.2%の収率)。
工程b:6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オールの調製
NMP(6vol)中の6-ブロモピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン(50g、1eq)の溶液に、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(2.5eq)を添加した。混合物を窒素で脱気し、次にTBAB(0.04eq)、Pd(OAc)2(0.01eq)、及びDPPF(0.01eq)を添加した。混合物を再び脱気した。水(3vol)を一度に加えた後、K3PO4(6当量)を部分的に添加した。最後に、反応混合物を再び脱気し、100±2℃に加熱した。反応が完了した後、10体積の水を添加し、懸濁液を50℃で1時間撹拌した。21℃で、HCl(6N)を添加すると、混合物のpHが6.51に調整された。-10℃に1時間冷却した後、フィルタケーキを3.6体積の水で洗浄して濾過した。固形物を5体積のIPAcで粉砕し、続いて濾過した。5体積のIPAcで更に粉砕した後、再度濾過した。5容量のIPAcで3回目の粉砕を行った後、濾過し、5体積の水で最後に粉砕した。固体生成物を5体積の水で洗浄し、50℃で真空乾燥した(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2、4]トリアジン-4-オールの70%収率)。
NMP(6vol)中の6-ブロモピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン(50g、1eq)の溶液に、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(2.5eq)を添加した。混合物を窒素で脱気し、次にTBAB(0.04eq)、Pd(OAc)2(0.01eq)、及びDPPF(0.01eq)を添加した。混合物を再び脱気した。水(3vol)を一度に加えた後、K3PO4(6当量)を部分的に添加した。最後に、反応混合物を再び脱気し、100±2℃に加熱した。反応が完了した後、10体積の水を添加し、懸濁液を50℃で1時間撹拌した。21℃で、HCl(6N)を添加すると、混合物のpHが6.51に調整された。-10℃に1時間冷却した後、フィルタケーキを3.6体積の水で洗浄して濾過した。固形物を5体積のIPAcで粉砕し、続いて濾過した。5体積のIPAcで更に粉砕した後、再度濾過した。5容量のIPAcで3回目の粉砕を行った後、濾過し、5体積の水で最後に粉砕した。固体生成物を5体積の水で洗浄し、50℃で真空乾燥した(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2、4]トリアジン-4-オールの70%収率)。
工程c:4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジンの調製
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オール(180g)をDIPEA(1.2eq)を用いてトルエン(9.3vol)に懸濁した。この混合物に、70~80℃で12分間にわたってPOCl3(2.0eq)を添加した。懸濁液を70~80℃に加熱した。反応が完了した後、反応物を、30℃未満の温度で、水(11vol)中のK2HPO4(13eq)の溶液に添加した。固体を濾過し、トルエン及び水で洗浄した。濾液をデカントし、水層をDCMで抽出した。濾過した固体をDCM(10vol)で再スラリー化した。有機層を活性炭(5%)と混合して撹拌した。木炭濾過後、溶液を2.4体積に濃縮した。ヘプタン(7vol)を添加し、混合物を2.4体積に濃縮した。追加のヘプタンを添加し、混合物を7体積に濃縮し、0~5℃で一晩撹拌した。濾過とそれに続くヘプタン洗浄により、粗固形物が得られた。水(7vol)中の湿った固体を3.5時間再スラリー化した後、濾過し、真空乾燥した(82.8%の4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン)。
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オール(180g)をDIPEA(1.2eq)を用いてトルエン(9.3vol)に懸濁した。この混合物に、70~80℃で12分間にわたってPOCl3(2.0eq)を添加した。懸濁液を70~80℃に加熱した。反応が完了した後、反応物を、30℃未満の温度で、水(11vol)中のK2HPO4(13eq)の溶液に添加した。固体を濾過し、トルエン及び水で洗浄した。濾液をデカントし、水層をDCMで抽出した。濾過した固体をDCM(10vol)で再スラリー化した。有機層を活性炭(5%)と混合して撹拌した。木炭濾過後、溶液を2.4体積に濃縮した。ヘプタン(7vol)を添加し、混合物を2.4体積に濃縮した。追加のヘプタンを添加し、混合物を7体積に濃縮し、0~5℃で一晩撹拌した。濾過とそれに続くヘプタン洗浄により、粗固形物が得られた。水(7vol)中の湿った固体を3.5時間再スラリー化した後、濾過し、真空乾燥した(82.8%の4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン)。
(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩の調製
tert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)-エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(50g、1eq)をエタノール(7.5vol)及び濃塩酸(11.2M、5.6eq)と混合した。反応物を還流温度に加熱した。反応が完了した後、混合物を大気圧下で5体積に濃縮した。エタノールを加えて濃縮を続け、水分含有量が3%以下になるまで5体積を維持した。最後に2体積で濃縮を停止し、続いて30分かけて0~5℃に冷却した。濾過後、真空下で乾燥させて、固体生成物((S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩の収率92.0%)を得た。
tert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)-エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(50g、1eq)をエタノール(7.5vol)及び濃塩酸(11.2M、5.6eq)と混合した。反応物を還流温度に加熱した。反応が完了した後、混合物を大気圧下で5体積に濃縮した。エタノールを加えて濃縮を続け、水分含有量が3%以下になるまで5体積を維持した。最後に2体積で濃縮を停止し、続いて30分かけて0~5℃に冷却した。濾過後、真空下で乾燥させて、固体生成物((S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩の収率92.0%)を得た。
工程a:(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン(化合物(I))の調製
4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン(5.0g、1eq)をDCM(17.6vol)に溶解し、続いて(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩(1.05eq)及びブタン-2,3-ジオール(5重量%)を添加した。DIPEA(4.5eq)を、30℃以下の温度で5分間かけて添加した。反応物を還流温度で5.5時間加熱した。反応転化に達した後、混合物をブライン(2x8.9volの2×22%NaCl)で洗浄し、有機相を木炭(10%CPW)で2時間処理した。3.7体積まで大気圧で濃縮した後、IPA(26.8vol)を添加した。18.3体積まで大気圧で更に濃縮した後、20~25℃に冷却した。混合物を20~25℃で1.5時間撹拌し、次に濾過し、IPA(1.8vol)で洗浄した。湿った固体を、還流温度でアセトン(23.2vol)及び水(4.1vol)の混合物に溶解した。追加の水(21.4vol)を45~55℃で添加し、得られた懸濁液を15~25℃に一晩冷却した。0~5℃に1時間冷却した後、濾過し、水(2x3.6vol)及びアセトン(3.6vol)で洗浄して、化合物(I)を79.5%の収率で得た。
4-クロロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン(5.0g、1eq)をDCM(17.6vol)に溶解し、続いて(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩(1.05eq)及びブタン-2,3-ジオール(5重量%)を添加した。DIPEA(4.5eq)を、30℃以下の温度で5分間かけて添加した。反応物を還流温度で5.5時間加熱した。反応転化に達した後、混合物をブライン(2x8.9volの2×22%NaCl)で洗浄し、有機相を木炭(10%CPW)で2時間処理した。3.7体積まで大気圧で濃縮した後、IPA(26.8vol)を添加した。18.3体積まで大気圧で更に濃縮した後、20~25℃に冷却した。混合物を20~25℃で1.5時間撹拌し、次に濾過し、IPA(1.8vol)で洗浄した。湿った固体を、還流温度でアセトン(23.2vol)及び水(4.1vol)の混合物に溶解した。追加の水(21.4vol)を45~55℃で添加し、得られた懸濁液を15~25℃に一晩冷却した。0~5℃に1時間冷却した後、濾過し、水(2x3.6vol)及びアセトン(3.6vol)で洗浄して、化合物(I)を79.5%の収率で得た。
実施例12:進行したGISTにおける化合物(I)のフェーズ1用量漸増及び拡大研究
患者:フェーズ1の用量漸増及び拡大試験の適格基準には、書面によるインフォームドコンセントの提出、18歳以上、Eastern Cooperative Oncology Groupのパフォーマンスステータス2以下、及び適切な末端期間機能が含まれた。試験の用量漸増部分は、難治性固形腫瘍又は切除不能なGISTの患者に開かれていたが、GIST患者のみが登録された。固形腫瘍バージョン1.1(mRECIST1.1)の修正された反応評価基準ごとに1つ又は複数の測定可能な標的病変を有する切除不能なGISTの患者は、3つのコホート、先行する治療に関わらずPDGFRA D842V変異型GISTを有する患者、イマチニブ及び1つ又は複数の他のキナーゼ阻害剤の後に進行した患者、及びイマチニブのみを投与された患者が、用量拡大の対象となった。
患者:フェーズ1の用量漸増及び拡大試験の適格基準には、書面によるインフォームドコンセントの提出、18歳以上、Eastern Cooperative Oncology Groupのパフォーマンスステータス2以下、及び適切な末端期間機能が含まれた。試験の用量漸増部分は、難治性固形腫瘍又は切除不能なGISTの患者に開かれていたが、GIST患者のみが登録された。固形腫瘍バージョン1.1(mRECIST1.1)の修正された反応評価基準ごとに1つ又は複数の測定可能な標的病変を有する切除不能なGISTの患者は、3つのコホート、先行する治療に関わらずPDGFRA D842V変異型GISTを有する患者、イマチニブ及び1つ又は複数の他のキナーゼ阻害剤の後に進行した患者、及びイマチニブのみを投与された患者が、用量拡大の対象となった。
研究設計:フェーズ1の非盲検用量漸増/拡大試験の主要評価項目は、1日1回経口投与された化合物(I)の安全性及び忍容性、並びに各拡大コホートの全奏効率(ORR)であった。パート1は、3+3用量漸増設計に従い、30mgから開始し、最大耐量(MTD)又はMTDを下回る推奨されるフェーズ2用量(RP2D)が決定されるまで継続した。患者内の用量漸増が許可され、以前に許容できると決定された用量レベルまで追加の増加が許可された。パート1MTDは、パート2拡大を開始するために使用した。化合物(I)による治療は、毒性、不順守、同意の撤回、医師の決定、進行性疾患、死亡、又は研究の終了によって排除されるまで続けられた。
安全性及び奏効の評価:有害事象は、治験薬投与の開始から化合物(I)の最終投与後30日までの各訪問で評価され、National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events (NCI CTCAE) version4.03に従ってグレード付けされた。全ての患者は、スクリーニング時にコンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴画像法(MRI)による奏効評価のために腫瘍画像診断を受け、サイクル13を含む2サイクルごとに、その後進行又は中止まで3か月ごとに行った。標的病変及び非標的病変は、独立した盲検中央X線検査(BioTelemetry,Inc.,Rockville,MD,USA)によって、GISTのmRECIST1.1に従って特定及び評価した。
薬物動態:パート1では、投与前、及びサイクル4の複数の時点で連続血液サンプルを採取した。パラメータは、標準的なノンコンパートメント法を使用して、血漿中濃度-時間データから計算した。
統計的方法:6名の患者で1サイクル1以下の用量制限毒性を伴う最高用量レベルとして定義されるMTDは、サイクル1を完了し、処方された用量の少なくとも75%を投与されたか、又は用量制限毒性(DLT)(用量決定集団)を受けた全てのパート1の患者から決定された。有効集団には、パート1又はパート2に登録された、化合物(I)を少なくとも1回投与された、PDGFRα D842V変異型GISTを有する患者が含まれ、これらの患者は中央放射線学による1つ又は複数の標的病変並びに少なくとも1つのベースライン後の疾患評価を受けた。部分的又は完全な奏効の主要エンドポイントについて、31名の患者のサンプルのサイズにより、90%のパワーで、客観的奏効率≧35%の対立仮説に対する、全奏効率≦10%の帰無仮説を試験することを可能にし、両側第一種過誤は0.05であると仮定する。カプランマイヤー法を使用して、95%信頼区間の中央値を含む奏効期間、PFS、及びOSを推定した。3か月、6か月、及び12か月での奏効期間、PFS、及びOS率の推定も計算した。
結果:PDGFRA変異型(D842V、n=20、N659K、n=1;D842-H845、n=1、DI842-843V、n=1)又はKIT変異型GIST(n=23)の46名の患者が、2015年10月~2017年1月の間にパート1に登録し、データカットオフは2018年11月16日であった。初期の有効性の観察に基づいて、エンリッチメント登録はPDGFRA D842変異型GISTの患者に限定した。PDGFRA D842V変異型GISTを有する追加の36名の患者がパート2に登録され、有効性集団(PDGFRA D842V-変異型GIST)に合計56名の患者、安全性集団に82名の患者が生じた。D842V変異型GIST集団では、年齢の中央値は64歳、41%が男性、69%が白人であった。多くが転移性疾患(96.4%)であり、少なくとも1つの標的病変が5センチメートル(58.6%)以上であり、1つ以上のキナーゼ阻害剤による治療経験がある。安全性及びD842V集団のベースライン特性は、変異状態及び以前のキナーゼ阻害剤の中央値(2対1)を除いて、一般的に類似していた。KIT変異型GIST患者の有効性の結果は別途報告される。
安全性プロファイル:パート1に登録された患者(n=46)は、1日1回30~600mgの化合物(I)を投与された。1日当たり30~400mgの用量では、サイクル1の用量制限毒性は観察されなかった。2名の患者が600mgでサイクル1の用量制限毒性を経験した(患者1:グレード2の高血圧、ざ瘡様皮膚炎、及び記憶障害。患者2:グレード2の高ビリルビン血症)。両方の患者は一時的な投与中断があり、400mgで投与を再開した。400mgの化合物(I)を最大耐量と見なし、パート2の開始用量として選択した。その後、パート2の開始用量は、グレード3の認知AEの発生率がより低く、化合物(I)への曝露が予測される治療レベルを達成した場合の腫瘍奏効の頻度が類似していることを示すデータに基づいて300mgに減量された。したがって、300mgの化合物(I)を推奨されるフェーズ2用量と見なし、残りの研究の開始用量として選択した。
多くの治療関連の有害事象はグレード1又は2であった。300mgの用量で、最も一般的なグレード1/2の事象は、悪心(69%)、下痢(41%)、食欲不振(38%)、及び倦怠感(38%)であり、主にグレード1(19、23%)であり、2名の患者(2%)のみで治療の中止となった。頭蓋内出血は2名の患者で発生した。両方の事象はグレード3であり、致命的ではなく改善されたが、400mgの用量では、最も一般的な事象は悪心(71%)、嘔吐(47%)、倦怠感(47%)、及び眼窩周囲浮腫(47%)であった。グレード3/4の事象は、用量に関係なく、47名(57%)の患者で発生し、最も一般的なのは貧血(30%)であった。特に興味深い有害事象には、認知への影響及び頭蓋内出血が含まれていた。認知への影響は33名(40%)の患者で発生し、記憶障害(n=25、30%)、認知障害(8、10%)、錯乱状態(7、9%)、脳症(2、2%)が含まれていた。認知は、治療中止後に有効又は解決された。
合計69名(84%)の患者が、少なくとも1回の減量又は治療の中断を必要としたが、300mgで開始した84名の患者の1日の用量強度の中央値は267mgと依然として高かった。
登録された82名の患者のうち、44人(54%)が治療を中止した。治療中止の最も一般的な理由は、疾患の進行(59%)及び有害事象(34%)であり、そのうち12%が化合物(I)に関連していると考えられた。治療に関連した死亡はなかった。PDGFRA D842V集団のうち、19/56(34%)が治療を中止した。治療中止の最も一般的な理由は、疾患の進行(21%)及び有害事象(63%)であり、そのうち14%が化合物(I)に関連していると考えられた。データカットオフの時点で、全患者の46%及びPDGFRA D842V集団の66%が治療を続けている。
有効性:全ての用量レベルで、PDGFRA D842V変異型GISTの奏効評価可能な患者が56名であった。中央放射線mRECIST1.1評価ごとに確認された奏効は、患者の88%(95%CI:75.9.94.8)(完全奏効:5/56[8.9%]、部分奏効:44/56[78.6%]、及び不変7/56(12.5%)(図11、表9)で見られた。 治療開始から少なくとも16週間続くCR/PR又は不変が確認された患者の割合として定義されるクリニカルベネフィット率(CBR)は95%であった。推奨される300mgの用量で治療を開始した患者(n=28)では、全奏効率は93%(95%CI:76.5、99.1)とより高かった。奏効期間の中央値を達成せず、12か月の奏効期間は70%であった。PFSの中央値を達成せず、3か月、6か月、及び12か月の無増悪生存率は、それぞれ100%、94%、及び90%であった。OSは6か月、12か月、24か月でそれぞれ100%、91%、81%と推定され、追跡期間中央値は15.9か月であった(95%CI:54、87%)。
パート1では、他のPDGFRA変異を持つ3名の患者が登録された。1名はエクソン14 N659K変異を有し、2名は他のエクソン18活性化ループ変異(D842-H845、n=1、DI 842-843V、n=1)を有していた。活性化ループ変異を有する両方の患者が奏効であったが、N659K変異を有する患者は進行した。
実施例13:化合物(I)のISM及びSSM研究
これは、化合物(I)+ベストサポーティブケア(BSC)の有効性及び安全性を、BSCによって症状が適切に制御されていないISM及びSSMの患者におけるプラセボ+BSCと比較する、フェーズ2、ランダム化二重盲検プラセボ対照試験である。試験は3つのパートで実施される。パート1では、最適用量の化合物(I)(推奨されるフェーズ2用量(RP2D))がISM患者で特定された。パート2では、ISM及びSSMの患者は、パート1+BSCで特定された化合物(I)のRP2D、又は一致するプラセボ+BSCにランダムに割り当てられる。パート3では、試験のパート1又はパート2で治療を完了した患者が長期延長に参加し、RP2D +BSCで化合物(I)を投与される。
これは、化合物(I)+ベストサポーティブケア(BSC)の有効性及び安全性を、BSCによって症状が適切に制御されていないISM及びSSMの患者におけるプラセボ+BSCと比較する、フェーズ2、ランダム化二重盲検プラセボ対照試験である。試験は3つのパートで実施される。パート1では、最適用量の化合物(I)(推奨されるフェーズ2用量(RP2D))がISM患者で特定された。パート2では、ISM及びSSMの患者は、パート1+BSCで特定された化合物(I)のRP2D、又は一致するプラセボ+BSCにランダムに割り当てられる。パート3では、試験のパート1又はパート2で治療を完了した患者が長期延長に参加し、RP2D +BSCで化合物(I)を投与される。
パート1では、インフォームドコンセントが得られた直後に、SM症状の管理が最適化され、必要に応じて4週間にわたってBSC投薬用量及びSM症状管理のスケジュールが安定された。インフォームドコンセントが得られてから5日以内に、ISM-SAF(ISM症状評価フォーム)のデータ収集が開始される。エピネフリンで治療されたアナフィラキシーエピソードの数、及び適応症のために受け取った全ての併用薬は、インフォームドコンセントの時点から収集された。
BSCが最適化され(日-98及び日-71の間)、用量が14日間以上安定したら、ISM-SAFデータを更に14日間収集して、症状の重症度に基づいて、すなわち中等症から重症の症状有するISM及びSSM患者を同定するために、適格性を決定した。症状の重症度のしきい値を満たしていない患者は、スクリーニング脱落と見なされ、試験への参加の資格がなかった。中等症から重症の症状があり、症状の重症度のしきい値を満たしている患者は、以下のように、骨髄(BM)生検(過去24週間以内に得られたアーカイブサンプル又は新しいサンプル)及び病変及び非病変皮膚の皮膚生検(皮膚肥満細胞症(CM)の患者)を行って、SM診断の確認及びマスト細胞(MC)を定量化し、CM(斑点状丘疹)の患者は皮膚写真が撮影された。追加の手順は、脳の磁気共鳴画像法/コンピュータ断層撮影スキャン、骨密度測定、血清トリプターゼ、KIT D816変異試験、定期的な臨床検査、ECG及び身体検査を含む。全ての手順は、ベースラインISM-SAF症状の最後の14日間の収集が開始される前の6週間以内に完了する。
スクリーニング手順が完了すると、患者はベースラインスコアを確立するために更に2週間(14日間)ISM-SAFデータを収集し、その後、全ての適格性要件を満たす患者がランダムに治療に割り当てられ、投与が開始された。
パート1
試験のパート1では、約40名の患者が化合物(I)の3つの用量のうちの1つ又はプラセボにランダムに割り当てられた。パート1の各用量レベルのコホート及びプラセボ群は、10名の患者で構成された。化合物(I)の3つの用量レベル、25mg、50mg、及び100mgが並行して試験された。患者、研究スタッフ、及びスポンサーは、治療の割り当てを知らされていなかった。
試験のパート1では、約40名の患者が化合物(I)の3つの用量のうちの1つ又はプラセボにランダムに割り当てられた。パート1の各用量レベルのコホート及びプラセボ群は、10名の患者で構成された。化合物(I)の3つの用量レベル、25mg、50mg、及び100mgが並行して試験された。患者、研究スタッフ、及びスポンサーは、治療の割り当てを知らされていなかった。
化合物(I)は、28日連続のサイクルで1日1回経口投与された。患者は、最初の4週間は毎週、その後は4週間ごとに(RP2Dが決定されるまで)、安全性、検査室でのモニタリング、及び生活の質(QoL)の評価について評価された。集中的な薬物動態(PK)サンプリングは、全ての患者で実行された。ISM-SAFは1日1回完了された。12週間の治療が完了した後、MCの定量化のためにBM及び皮膚の生検が繰り返され、ベースラインCMの患者の皮膚写真を撮影した。
RP2Dは、各用量レベルにおける有効性、安全性、及びPKに基づいて決定された。有効性の主な評価は、ISM-SAFを使用した症状の改善であった。RP2Dを選択するための主要な基準は、ベースラインと比較して(1日目に対する14日目)、12週目にISM-SAFを使用して評価した場合の、総症状スコア(TSS)の最大の減少をもたらす化合物(I)の用量であった。有効性の他の尺度(例えば、血清トリプターゼの変化)も考慮される。12週目の評価が完了すると、RP2Dが決定されるまで、患者は割り当てられた治療及び用量を継続する。RP2Dが決定された時に、試験のパート3にロールオーバーし、化合物(I)のRP2Dを受ける。
化合物(I)又はプラセボの各用量レベルについて、TSSの平均変化は、治療意図(Intent to Treat:ITT)集団におけるTSSの変化の算術平均として計算された。各患者のベースラインTSSは、C1D-1に対するC1D-14からのTSSの14日間の平均として定義される。各患者のサイクル4の1日目のTSSは、C3D15からC3D28までのTSSの14日間の平均として定義される。各患者について、TSSの変化は次のように計算された。(C4D1 TSS-ベースラインTSS)。患者がC1D-14とC1D-1との間に7日を超えてTSSをしそこなった場合、ベースラインTSSは患者において不明であると見なされた。患者がC3D15~C3D28に7日を超えてTSSをしそこなった場合、C4D1 TSSはその患者において不明であると見なされた。
パート2
上記のパート1のスクリーニング手順は、パート2に使用される。試験のパート2では、約72名の患者が登録されている。患者は、RP2D+BSCで化合物(I)又は対応するプラセボ+BSCで受けるようにランダムに割り当てられる。パート2でプラセボに割り当てられた患者は、パート3にロールオーバーすると、化合物(I)を受ける。患者、研究スタッフ、及びスポンサーは、治療の割り当てを知らされていない。
上記のパート1のスクリーニング手順は、パート2に使用される。試験のパート2では、約72名の患者が登録されている。患者は、RP2D+BSCで化合物(I)又は対応するプラセボ+BSCで受けるようにランダムに割り当てられる。パート2でプラセボに割り当てられた患者は、パート3にロールオーバーすると、化合物(I)を受ける。患者、研究スタッフ、及びスポンサーは、治療の割り当てを知らされていない。
化合物(I)及びプラセボの投与は、28日連続のサイクルで1日1回経口投与される。化合物(I)は、25mgで1日1回経口投与される。患者は、最初の4週間は毎週、その後は安全性、検査室モニタリング、及びQoL評価のために12週目まで4週間ごとに評価される。スパースPKサンプリングは、全ての患者で実行される。ISM-SAFは1日1回完了する。12週間7日間を通しての12週間の治療及びISM-SAFの完了後、Central Pathology LaboratoryによるMC定量化のためにBM及び皮膚の生検が繰り返され、ベースラインCMの患者の皮膚写真が撮影される。12週目の評価が全て完了すると、患者はパート3の長期延長にロールオーバーされる。全ての患者がパート3にロールオーバーした後、ベースラインから12週目までのISM-SAF TSSの平均変化の主要エンドポイント及びその他の有効性エンドポイントが分析される。
パート2の主要な有効性エンドポイントは、ベースラインからサイクル4の1日目(C4D1)までのISM-SAF TSSの平均変化である。TSSの平均変化の分析は、主に治療意図集団を使用し、感度分析としてプロトコルごとの集団で実行される。TSSの平均変化は、各治療群のTSSの変化の算術平均として計算される。2サンプルのt-検定を使用して、化合物(I)とプラセボとを比較する。
パート3
パート1を完了した患者は、試験のパート3にロールオーバーし、全ての患者が25mgQDで化合物(I)+BSCによる治療を受ける。同様に、パート2の第12週の試験評価を全て完了した患者は、試験のパート3にロールオーバーされ、25mgQDで化合物(I)+BSCによる治療を受ける。全ての患者は、毎週4週間、次に4週間ごとに5か月間、その後3か月ごとに、サイクル1の1日目(C1D1)から合計2年間試験のための来院を有する。2年後も依然として試験中の患者は、パート1及びパート2を含め、合計5年間の試験期間、6か月(24週間)ごとに来院する。ISM-SAFは1日1回完了し、QoL評価は52週まで実行される。パート1又はパート2のベースラインで斑点状丘疹状CM(皮膚肥満細胞症)を発症した患者では、パート3のベースライン(パート1又はパート2の過去4週間以内に取得されなかった場合)及び第12、24、36、及び52週で皮膚写真が撮影される。任意のBM及び皮膚生検は、52週目にCentral Pathology Laboratoryによる肥満細胞(MC)の定量化のために繰り返される。パート1及びパート2のBM及び皮膚の生検の12週目の研究評価は、パート3のベースライン評価として役立つ可能性がある。パート1及びパート2の最終の試験来院で実施された評価は、過去4週間以内に取得された場合、パート3のベースライン評価として役立つ場合がある。パート3のベースラインで必要であり、パート1又はパート2においてパート3の1日目から4週間以内に実行されなかった手順は、パート3の1日目に実行される。化合物(I)を継続しないことを選択した患者は、試験治療の最後の投与から14日後に治療終了の来院をすることになる。患者は、許容できない毒性、死亡、又は患者の離脱まで、最大5年間、化合物(I)を継続することができる。
パート1を完了した患者は、試験のパート3にロールオーバーし、全ての患者が25mgQDで化合物(I)+BSCによる治療を受ける。同様に、パート2の第12週の試験評価を全て完了した患者は、試験のパート3にロールオーバーされ、25mgQDで化合物(I)+BSCによる治療を受ける。全ての患者は、毎週4週間、次に4週間ごとに5か月間、その後3か月ごとに、サイクル1の1日目(C1D1)から合計2年間試験のための来院を有する。2年後も依然として試験中の患者は、パート1及びパート2を含め、合計5年間の試験期間、6か月(24週間)ごとに来院する。ISM-SAFは1日1回完了し、QoL評価は52週まで実行される。パート1又はパート2のベースラインで斑点状丘疹状CM(皮膚肥満細胞症)を発症した患者では、パート3のベースライン(パート1又はパート2の過去4週間以内に取得されなかった場合)及び第12、24、36、及び52週で皮膚写真が撮影される。任意のBM及び皮膚生検は、52週目にCentral Pathology Laboratoryによる肥満細胞(MC)の定量化のために繰り返される。パート1及びパート2のBM及び皮膚の生検の12週目の研究評価は、パート3のベースライン評価として役立つ可能性がある。パート1及びパート2の最終の試験来院で実施された評価は、過去4週間以内に取得された場合、パート3のベースライン評価として役立つ場合がある。パート3のベースラインで必要であり、パート1又はパート2においてパート3の1日目から4週間以内に実行されなかった手順は、パート3の1日目に実行される。化合物(I)を継続しないことを選択した患者は、試験治療の最後の投与から14日後に治療終了の来院をすることになる。患者は、許容できない毒性、死亡、又は患者の離脱まで、最大5年間、化合物(I)を継続することができる。
パート1では、患者は12週間治療を受け、その後、割り当てられた治療を継続し、25mgQDのRP2Dが決定されるまで投与された。パート2では、患者は最大12週間の治療を受ける。パート3では、患者はパート1及びパート2を含む最大で5年間治療を受ける。
パート1では、患者の参加の最小期間は約26週間であった。パート2では、患者の参加の最小期間は約26週間である。パート3では、患者の参加の最小期間は約8週間である。
パート1では、予想される登録期間は約6か月であり、試験の本パートの予想される期間は約15か月であった。パート2では、予想される登録期間は約9か月であり、試験の本パートの予想される期間は約18か月である。パート3の予想期間は約5年(パート1及びパート2を含む)である。
パート1の結果
無痛性全身性肥満細胞症(SM)の患者における化合物(I)のフェーズ2PIONEER試験の結果は、評価された全ての症状にわたる有意な利益を含む、プラセボに対する有意な臨床的改善を示している。PIONEER試験のパート1では、化合物(I)の25mgを1日1回(QD)で治療した患者は、ベースラインから16週間までの臨床アウトカムの改善を示し、無痛性SM症状評価フォーム(ISM-SAF)及び経時的に深まる活性よって測定される総症状スコア(TSS)に平均31%の低下を示した。更に、25mgQDで治療された患者は、肥満細胞負荷の客観的測定値の大幅な減少及び患者から報告された生活の質の改善を示した。化合物(I)は、ISMの慢性投与をサポートする好ましい安全性プロファイルを示し、25mgQD用量コホートで報告された全ての有害事象(AE)はグレード1又は2であった。パート1の完全なデータに基づいて、25mgQDが推奨パート2用量(RP2D)として選択されている。
無痛性全身性肥満細胞症(SM)の患者における化合物(I)のフェーズ2PIONEER試験の結果は、評価された全ての症状にわたる有意な利益を含む、プラセボに対する有意な臨床的改善を示している。PIONEER試験のパート1では、化合物(I)の25mgを1日1回(QD)で治療した患者は、ベースラインから16週間までの臨床アウトカムの改善を示し、無痛性SM症状評価フォーム(ISM-SAF)及び経時的に深まる活性よって測定される総症状スコア(TSS)に平均31%の低下を示した。更に、25mgQDで治療された患者は、肥満細胞負荷の客観的測定値の大幅な減少及び患者から報告された生活の質の改善を示した。化合物(I)は、ISMの慢性投与をサポートする好ましい安全性プロファイルを示し、25mgQD用量コホートで報告された全ての有害事象(AE)はグレード1又は2であった。パート1の完全なデータに基づいて、25mgQDが推奨パート2用量(RP2D)として選択されている。
PIONEER試験のパート1は、化合物(I)の3つの用量(25mg、50mg、及び100mgQD)をプラセボに対して評価することによってRP2Dを決定するように設計された。主要な適格基準には、骨髄生検の結果(WHO基準による)の中央病理学レビュー及びベストサポーティブケア投薬にもかかわらず、中等症から重症の症状の負荷によって確認されたISMの成人が含まれる。全体として、39名の患者が4つの同時コホートにわたってパート1に登録され、それぞれが化合物(I)用量コホートの10名の患者及びプラセボコホートの9名の患者で構成された。
患者から報告された結果データは、登録をサポートするための臨床的利益の尺度として、疾患の専門家、患者、及び規制当局からのインプットを基に設計されたISM-SAFを使用して収集された。ISM-SAFは、皮膚ドメイン(斑点、そう痒、潮紅)及び胃腸ドメイン(腹痛、下痢、悪心)の症状、並びにISM患者に影響を与えるその他の主要な症状(ブラインフォグ、頭痛、めまい、骨痛、及び倦怠感)を評価する。全ての結果は、2019年12月27日のデータカットオフ日現在のものである。
パート1の完全なデータは、25mgQDにおける化合物(I)の強力な臨床活性及び忍容性の高い安全性プロファイルを示している。これらの結果に基づいて、ISMの慢性治療を更に評価するための最適な用量として25mgQDが選択された。
ベースラインの患者の特徴
患者はベースラインで高い症状負荷を示し、平均ISM-SAF TSSは53であった。8名の患者(21%)の平均ECOGパフォーマンスステータスは2であった。これは、作業活動を実行できないことを反映している。患者は、ベースラインで4の中央値(範囲:2~9)のベストサポーティブケアの投薬を受けた。血清トリプターゼの中央値は1リットル当たり45μgであった(正常値の上限は1リットル当たり11.4μgである)。末梢血の高感度ポリメラーゼ連鎖反応アッセイにより、37名の患者(95%)でKIT D816V変異が検出された。
臨床活動データ
化合物(I)は、肥満細胞負荷、患者から報告された症状、及び生活の質の全ての測定において、臨床的に意味のある利点を示した。疾患の複数の測定値にわたって示された結果の一貫性は、ISMにおける化合物(I)の幅広い可能性を裏付けている。
化合物(I)の25mgQD用量コホートの患者は、血清トリプターゼ、骨髄肥満細胞、及びKIT D816V対立遺伝子負荷の評価に基づいて、肥満細胞負荷の大幅な低下を示した。図12~13を参照されたい。
化合物(I)は、ISM-SAF TSS、並びに胃腸ドメイン、皮膚ドメイン、及び試験された個々の症状において臨床的に意味のある減少を示した。改善は16週間にわたって継続的に深まり、追加の患者フォローアップにより更に減少する可能性がある。化合物(I)の25mgQD用量コホートの患者は、16週間で50mgQD用量コホート及び100mgQD用量コホートと同様の平均症状負荷の低下を示した。図14A~14Cを参照されたい。データカットオフ日の時点で、37名の患者(95%)が研究を続けており、フォローアップの中央値は18週間(範囲:1~36週間)である。
16週間で、患者はISM-SAF TSSが統計的に有意に減少し(p=0.001)、プラセボコホートの約3%と比較して、全ての化合物(I)用量コホートで平均約30%の改善が見られた(p=0.001)。
肥満細胞障害に対して一般的に使用される患者報告の結果ツールである肥満細胞症の生活の質(MC-QoL)質問票からのデータは、化合物(I)を投与された患者の生活の質の改善を示し、ISM-SAFで観察された臨床的利点を実証する。16週目に、化合物(I)の25mgQDコホートの7名の患者及びプラセボコホートの6名の患者が、MC-QoL質問票に回答した。25mgQD用量コホートの患者は、MC-QoLスコアの合計が平均34%減少し、評価された4つのドメイン全て(症状、社会生活機能、感情、皮膚)で改善が見られた。プラセボコホートでは、ベースラインから7%の増加が観察された。
安全性データ
以下の表に示すように、化合物(I)は、ISMにおける慢性投与を支援する好ましい安全性プロファイルを示した。25mgQD用量コホートにおいて化合物(I)で治療された患者は、重篤なAE、グレード3以上のAE、又は用量変更がなかった。プラセボコホートでは、2名の患者(22%)に少なくとも1つのグレード3AEがあり、2名の患者(22%)にAEによる用量変更があった。化合物(I)の全ての用量は忍容性が高く、データカットオフ日の時点でAEのために治療を中止した患者はいなかった。
実施例14:化合物(I)を精製するためのプロセス
化合物(I)及びその望ましくないエナンチオマー(化合物(E))の精製は困難である。例えば、化合物(I)のアセトン及び水中での再結晶は、化合物(E)を除去しない。望ましくないエナンチオマーを除去するプロセスを見つけるために、いくつかの酸の調査が必要であった。表10に要約されている研究は、それぞれ500mgスケールで実施され、D-キナ酸が化合物(I)を精製するための最良の酸であると決定された。
具体的には、テトラヒドロフラン(375mL)中の化合物(I)(25.0g、1当量)及び5%の化合物(E)の懸濁液に対してD-キナ酸(1.5当量)を加えた。懸濁液を1時間還流し、水を加え(5.5当量)、15~25℃に冷却した。固体を濾過により単離し、固体をテトラヒドロフラン(2×50mL)で洗浄した。必要に応じて、THF及び水の再結晶を繰り返して鏡像体過剰率を改善することができる。
単離した固体化合物(I)のキナ酸塩をジクロロメタン(250mL)に懸濁し、水(125mL)及びNaOH(6.0当量)を添加した。有機層を分離し、水(2x150mL)で洗浄した。蒸留では、アセトンを使用して、化合物(I)の5mL/gの目標容量でジクロロメタン最終生成物を置き換えた。粗製化合物(I)を、望ましくないエナンチオマーを含まない濾過により単離し、実施例9(工程a)に記載されるように、アセトン及び水を使用して再結晶化した。化合物(I)は、検出可能なキナ酸が存在せず、0.55%w/wのエナンチオマー(化合物(E))以下で、約65%の収率で単離された。
Claims (46)
- 11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、18.1±0.2、20.0±0.2、21.6±0.2、23.1±0.2、23.9±0.2、25.9±0.2、及び30.7±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項1に記載の結晶形態A。
- 11.5±0.2
15.4±0.2、16.7±0.2、20.0±0.2、及び21.6±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項1に記載の結晶形態A。 - 11.5±0.2、15.4±0.2、16.7±0.2、18.1±0.2、20.0±0.2、21.6±0.2、23.1±0.2、23.9±0.2、25.9±0.2、及び30.7±0.2から選択される少なくとも6つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項1に記載の結晶形態A。
- 5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、13.9±0.2、16.1±0.2、17.4±0.2、22.8±0.2、24.0±0.2、24.8±0.2、及び25.8±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項7に記載の結晶形態C。
- 5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、及び16.1±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項7に記載の結晶形態C。
- 5.3±0.2、9.4±0.2、10.4±0.2、12.0±0.2、13.9±0.2、16.1±0.2、17.4±0.2、22.8±0.2、24.0±0.2、24.8±0.2、及び25.8±0.2から選択される少なくとも6つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項7に記載の結晶形態C。
- 7.2±0.2、10.8±0.2、12.3±0.2、14.5±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、19.0±0.2、20.4±0.2、及び23.7±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項11に記載の結晶形態O。
- 7.2±0.2、12.3±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、及び23.7±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項11に記載の結晶形態O。
- 7.2±0.2、10.8±0.2、12.3±0.2、14.5±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、19.0±0.2、20.4±0.2、及び23.7±0.2から選択される少なくとも6つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項11に記載の結晶形態O。
- 5.9±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、19.2±0.2、20.8±0.2、21.2±0.2、22.0±0.2、24.1±0.2、及び24.5±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項15に記載の結晶形態T。
- 5.9±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、22.0±0.2、及び24.5±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項15に記載の結晶形態T。
- 5.9±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、11.7±0.2、16.0±0.2、19.2±0.2、20.8±0.2、21.2±0.2、22.0±0.2、24.1±0.2、及び24.5±0.2から選択される少なくとも6つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項15に記載の結晶形態T。
- 6.3±0.2、10.6±0.2、11.1±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、14.9±0.2、16.2±0.2、19.0±0.2、22.5±0.2、24.1±0.2、及び27.9±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項19に記載の結晶形態Tr。
- 6.3±0.2、10.6±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、22.5±0.2、及び27.9±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項19に記載の結晶形態Tr。
- 6.3±0.2、10.6±0.2、11.1±0.2、12.5±0.2、13.3±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、14.9±0.2、16.2±0.2、19.0±0.2、22.5±0.2、24.1±0.2、及び27.9±0.2から選択される少なくとも6つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項19に記載の結晶形態Tr。
- 4.8±0.2、8.1±0.2、8.5±0.2、9.6±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、21.5±0.2、23.3±0.2、23.7±0.2、24.1±0.2、及び27.6±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項23に記載の結晶形態H。
- 4.8±0.2、8.1±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、及び23.7±0.2から選択される少なくとも3つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項23に記載の結晶形態H。
- 4.8±0.2、8.1±0.2、8.5±0.2、9.6±0.2、11.1±0.2、20.7±0.2、21.5±0.2、23.3±0.2、23.7±0.2、24.1±0.2、及び27.6±0.2から選択される少なくとも6つの2シータ値にシグナルを有する粉末X線回折図によって特性決定される、請求項23に記載の結晶形態H。
- 少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、
請求項1~4又は7~26のいずれかの結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態と、を含む医薬組成物。 - 肥満細胞症を治療する方法であって、それを必要とする患者に、請求項1~4又は7~26のいずれかの結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態あるいは請求項27に記載の医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、肥満細胞症を治療する方法。
- 前記肥満細胞症が皮膚肥満細胞症(CM)及び全身性肥満細胞症(SM)から選択される、請求項28に記載の方法。
- 前記全身性肥満細胞症が、無痛性全身性肥満細胞症(ISM)、くすぶり型全身性肥満細胞症(SSM)、及び進行した全身性肥満細胞症(AdvSM)から選択される、請求項29に記載の方法。
- 全身性肥満細胞症が、進行した全身性肥満細胞症(AdvSM)である、請求項30に記載の方法。
- 前記治療有効量が、1日1回投与される、200mg~300mgの化合物(I)の結晶形態Aである、請求項31に記載の方法。
- 前記全身性肥満細胞症が無痛性全身性肥満細胞症(ISM)又はくすぶり型全身性肥満細胞症(SSM)である、請求項30に記載の方法。
- 前記治療有効量が、1日1回投与される、10mg~25mgの化合物(I)の結晶形態Aである、請求項33に記載の方法。
- 消化管間質腫瘍を治療する方法であって、それを必要とする患者に、請求項1~4又は7~26のいずれかの結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態あるいは請求項27に記載の医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、消化管間質腫瘍を治療する方法。
- 前記消化管間質腫瘍が、PDGFRαにおけるエクソン18変異によって特性決定される、請求項35に記載の方法。
- 前記治療有効量が、1日1回投与される、化合物(I)の結晶形態Aの300mg~400mgの化合物(I)の結晶形態Aである、請求項35又は36に記載の方法。
- 急性骨髄性白血病を治療する方法であって、それを必要とする患者に、請求項1~4又は7~26のいずれかの結晶形態から選択される少なくとも1つの結晶形態あるいは請求項27に記載の医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、急性骨髄性白血病を治療する方法。
- 前記治療有効量が10mg~25mgである、請求項39に記載の方法。
- 前記患者が中等症から重症の症状を有する、請求項38又は39に記載の方法。
- 前記有機溶媒がTHFである、請求項42に記載のプロセス。
- 前記溶媒混合物がTHF及び水である、請求項42又は43に記載のプロセス。
- 前記溶媒混合物の比が、水に対して20体積のTHFである、請求項44に記載のプロセス。
- アセトン及び水で化合物(I)を再結晶化することを更に含む、請求項42~45のいずれか一項に記載のプロセス。
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