JP2022523348A - エンクロージャー部材の周辺構造部 - Google Patents

Abstract

第１の表面層と、第１の面及びその反対側の第２の面を有する発泡層と、第２の表面層とを有する平面積層物を備える建築構造体のエンクロージャー部材。第１の表面層は発泡層の第１の面に固着され、第２の表面層は発泡層の反対側の第２の面に固着される。エンクロージャーの縁部には、特定の実施形態によれば、シール機能、縁部補強機能、及び別のエンクロージャーとの枢動可能接合機能のうちの１つ以上を果たすことができる周辺構造部が設けられる。【選択図】図１６

Description

［関連出願の相互参照］
本願は、２０１９年２月１４日に出願された米国仮特許出願第６２／８０５，７１０号及び２０２０年１月１４日に出願された米国仮特許出願第６２／９６０，９９１号の利益を主張する。

本発明は、住居、及び居住用の占有、商業用の占有及び／又は材料保管のための他の建築物といった構造体と、このような構造体の部材とに関する。

住宅群の分野において、家を建築するための伝統的な技法は、「現場組み立て式（スティックビルト：stick-built）」建設と呼ばれ、これは、建築者が、木製ボード、合板パネル、及び鋼ラリーカラム（steel Lally column）等の原材料を大部分使用して、意図したロケーションに住宅を建設するものである。材料は、地面の事前に準備された部分、例えば、現場打ちコンクリートスラブ、又は現場打ちコンクリート若しくはシンダーブロック基礎にわたって一つ一つ組み立てられる。

住居及び商業空間等を創造するために使用される従来の建設技法から離れようとする試みが数多く行われてきた。現場組み立て式建設に対する代替案のうちの１つは、ごく一般的にモジュール式ハウジングと呼ばれる。構造体が現場で建築される現場組み立て式建設とは異なり、モジュール式住宅は工場内で建設され、その後、多くの場合にトラクタートレーラーを用いて現場へ出荷される。モジュール式ハウジングの欠点は、見込み購買者が構造体レイアウトを相対的に限られた程度までしかカスタマイズすることができないことである。すなわち、ある特定の機能部、例えばクローゼットを追加すること又は部屋から取り去ることができる一方で、住宅の全体形状及びレイアウトを顧客の好みに合わせて変更又は適合することができない。

加えて、モジュール式ハウジングは、道路輸送に関して通常許容される法定制限のサイズを超えることが多い。例えば、米国では、道路輸送に関する最大許容寸法は、一般的に、幅１０２インチ（２５９．１ｃｍ）、高さ１３．５フィート（４．１１ｍ）及び長さ６５フィート～７５フィート（１９．８１ｍ～２２．８６ｍ）である。したがって、多くの場合、モジュール式住宅を工場から現場に輸送するには特大積込許可証（oversize load permits）が必要となり、これにより、輸送に着手することができる時間及び利用することができるルートに対して制限が課される場合がある。特大道路規制は、伴走車及びトレーラー車の使用も要求する場合がある。これらの要件及び制限の全てにより、モジュール式ハウジングのコストが必然的に増加する。

住居及び商業空間の建設における大幅な進歩が、特許文献１、特許文献２及び特許文献３に記載されている。１つの形態において、これらの特許文献は、ともに折り畳まれてコンパクトな出荷モジュールになり、その後、意図したロケーションに輸送され、開展されて構造体がもたらされる壁部材、床部材及び天井部材を工場内で製造することに関し、ここで、部材の折り畳み及び開展は、ヒンジの使用によって容易にすることができる。

米国特許第８，４７４，１９４号 米国特許第８，７３３，０２９号 米国特許出願公開第２０１９／０１００９０８号

本発明は、配送後に適所に残すことができ、それにより現場での組み立てコストを削減するヒンジ式構造部を備える、エンクロージャー部材の周辺構造部に関する。加えて、本明細書に記載するヒンジ式及び他のエンクロージャー部材の周辺構造部は、耐荷重性構造部材として機能することができ、これらが固定されるエンクロージャー部材の耐候性にも寄与することができる。本発明は、工場から建設現場へ容易に出荷するためにコンパクトにパッケージ化することができるとともに、工場レベルの公差及び再現性を伴って現場レベルの迅速な展開を可能にするように互いに接合されるエンクロージャー部材及びエンクロージャー部材部分の提供を容易にする。

１つの形態において、本発明は、建築構造体の補強エンクロージャー部材に関し、この補強エンクロージャー部材は、第１の表面層と、第１の面及びその反対側の第２の面を有する発泡層と、第２の表面層とを有する概ね直線の縁部を有する平面積層物であって、第１の表面層は発泡層の第１の面に固着され、第２の表面層は発泡層の反対側の第２の面に固着される、平面積層物と、補強エンドキャップであって、第１の接合部において細長いウェブ表面に接合された第１の細長いフランジ表面、及び第２の接合部において細長いウェブ表面に接合された第２の細長いフランジ表面であって、第１の細長いフランジ表面及び第２の細長いフランジ表面は、所定距離で離隔され、ウェブ表面、第１の細長いフランジ表面及び第２の細長いフランジ表面は、概ねＣ字チャネル形状を形成する、第１の細長いフランジ表面及び第２の細長いフランジ表面を備える、補強エンドキャップとを備える。第１の細長いフランジ表面及び第２の細長いフランジ表面のそれぞれに接合された細長い空洞壁が設けられ、この細長い空洞壁は、細長いウェブ表面から離隔されるとともに、細長いウェブ表面に対して概ね平行であり、第１の細長いフランジ表面及び第２の細長いフランジ表面を離隔する距離で広がり、補強チャネルを画定し、補強チャネル内には充填補強材が設けられる。補強エンドキャップは、平面積層物の概ね直線の縁部に固定され、第１の細長いフランジ表面及び第２の細長いフランジ表面を離隔する距離は、間に発泡層の少なくとも概ね直線の縁部を受けるように適合される。

別の形態において、本発明は、建築構造体の折り畳み可能エンクロージャー部材に関し、この折り畳み可能エンクロージャー部材は、第１の概ね直線の縁部を有する第１の平面積層物及び第２の概ね直線の縁部を有する第２の平面積層物であって、各平面積層物は、第１の表面層と、第１の面及びその反対側の第２の面を有する発泡層と、第２の表面層とを有し、第１の表面層は発泡層の第１の面に固着され、第２の表面層は発泡層の反対側の第２の面に固着される、第１の平面積層物及び第２の平面積層物を備える。折り畳み可能エンクロージャー部材は、第１の細長い縁部領域及び第２の細長い縁部領域を有する第１の細長いウェブ表面を含む第１の周辺セクションと、第３の細長い縁部領域及び第４の細長い縁部領域を含む第２の周辺セクションとを更に備える。第１の周辺セクションは、第１の平面積層物の概ね直線の縁部に固定され、第２の周辺セクションは、第２の平面積層物の概ね直線の縁部に固定される。第１の周辺セクションは、第１の細長い縁部領域の近位に第１の一連のヒンジナックルと、第２の細長い縁部領域の近位に第２の一連のヒンジナックルとを有し、第２の周辺セクションは、第３の細長い縁部の近位に第３の一連のヒンジナックルと、第４の細長い縁部領域の近位に第４の一連のヒンジナックルとを有する。第１の一連のヒンジナックルは、第３の一連のヒンジナックルと噛み合い、第１のロッドが、噛み合った第１の一連のヒンジナックル及び第３の一連のヒンジナックルにおいて収納され、噛み合った第１の一連のヒンジナックル及び第３の一連のヒンジナックルを接合して、第１の周辺セクションと第２の周辺セクションとの間に枢動可能な接合部を形成し、枢動可能な接合部は、第１の細長いウェブ表面が第２の細長いウェブ表面に対してある角度で方向付けられる折り畳み位置から、第１の細長いウェブ表面が第２の細長いウェブ表面と同一平面上で接触する開展位置へと枢動することができる。第２の一連のヒンジナックルは、枢動可能な接合部が開展位置にあるとき、第４の一連のヒンジナックルと噛み合うように適合される。これらの折り畳み可能エンクロージャー部材は、第２のロッドも備え、第２の一連のヒンジナックル及び第４の一連のヒンジナックルは、噛み合ったとき、第２のロッドを収納し、第１の周辺セクションと第２の周辺セクションとの間に剛性構造部を形成するように適合され、剛性構造部は、第１の周辺セクション及び第２の周辺セクションを含む。

本発明のこれらの形態及び他の形態は、本明細書に添付の図面、並びに以下に記述される好ましい実施形態及び特許請求の範囲の記載において説明される。

本発明に従って準備された完成した構造体の斜視図である。 本発明に従って準備された完成した構造体の斜視図である。 本発明に従って準備された完成した構造体の概略上面図である。 本発明に従って準備された完成した構造体の概略上面図である。 図１Ａに示す完成した構造体が形成される元の出荷モジュールの端面図である。 図１Ｂに示す完成した構造体が形成される元の出荷モジュールの端面図である。 本発明のエンクロージャー部材において使用される積層多層構造の１つの実施形態の分解断面図である。 本発明のエンクロージャー部材において使用される積層多層構造の１つの実施形態の分解断面図である。 本発明のエンクロージャー部材において使用される積層多層構造の１つの実施形態の分解断面図である。 本発明のエンクロージャー部材において使用される積層多層構造の１つの実施形態の分解断面図である。 本発明に係る壁部材の切り欠き斜視内観図である。 本発明に係る壁部材の切り欠き斜視外観図である。 本発明に係る第１のタイプの構造体の天井部材、壁部材及び床部材の形態をより詳細に示す、本発明に係る完成した構造体の部分切り欠き斜視図である。 本発明に係る第１のタイプの構造体の天井部材、壁部材及び床部材の形態をより詳細に示す、本発明に係る完成した構造体の部分切り欠き斜視図である。 本発明に係る第２のタイプの構造体の天井部材、壁部材及び床部材の形態をより詳細に示す、本発明に係る完成した構造体の部分切り欠き図である。 本発明に係る第２のタイプの構造体の天井部材、壁部材及び床部材の形態をより詳細に示す、本発明に係る完成した構造体の部分切り欠き図である。 本発明に係る２つの床部分を接合するヒンジ構造部の一実施形態の概略側面図である。 本発明に係る２つの屋根部分を接合するヒンジ構造部の一実施形態の概略側面図である。 本発明に係る独立エンドキャップの側面図である。 本発明に係る補強エンドキャップの側面図である。 本発明に係る当接エンドキャップの側面図である。 本発明に係る第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部の側面図である。 本発明に係る第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部の側面図である。 本発明に係る第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部の側面図である。 本発明に係る第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部の周辺セクションの斜視図である。 本発明に係る第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部の斜視図である。 本発明に係る第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部の斜視図である。 本発明に係る第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部の側面図である。 本発明に係る第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部の側面図である。 本発明に係る第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部の側面図である。 本発明に係る第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部の側面図である。 本発明に係る第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部の斜視図である。 本発明に係る第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部の斜視図である。 本発明に係るさねはぎヒンジ式構造部の側面図である。 本発明のエンクロージャー部材の周辺構造部の適切なロケーションを示す、本発明に係る完成した構造体の分解斜視図である。 締結具を受けるための構造層における開口部を示す、本発明に従って準備されたエンクロージャー部材及びその当接エンドキャップの斜視図である。

図１Ａは、本明細書に開示される本発明に係る第１のタイプの完成した構造体１５０（本明細書においてタイプ１構造体１５１と呼ばれることもある）を示し、図１Ｂは、本明細書に開示される本発明に係る第２のタイプの完成した構造体１５０（本明細書においてタイプ２構造体１５２と呼ばれることもある）を示している。タイプ１構造体１５１はタイプ２構造体１５２よりも小さいが、本明細書に記載の本発明は、タイプ１構造体１５１、タイプ２構造体１５２、及び異なる寸法の他の構造体の製造及び展開にも等しく適用可能である。したがって、本明細書において「構造体１５０」を参照する場合、タイプ１構造体１５１及びタイプ２構造体１５２を区別なく包括的に表すものと理解するべきである。同様に、本開示において異なる実施形態間で同じ参照符号で識別される構成要素を参照する場合、そのような構成要素がそのような異なる実施形態間で同じであることを示す。

図１Ａ及び図１Ｂに示す構造体１５０は、３つのタイプの概ね平面及び長方形のエンクロージャー部材１５５から作製された長方形形状を有し、３つのタイプのエンクロージャー部材１５５は、壁部材２００、床部材３００、及び天井部材４００からなる。構造体１５０は、１つの床部材３００、１つの天井部材４００及び４つの壁部材２００を有する。図１Ａ及び図１Ｂに示すように、完成した構造体１５０の周辺は、第１の長手方向縁部１０６、第１の横方向縁部１０８、第２の長手方向縁部１１６、及び第２の横方向縁部１１０によって画定される。

エンクロージャー部材１５５（壁部材２００、床部材３００及び天井部材４００）は、本明細書に記載するように製造及び寸法決定することができ、図３Ａ及び図３Ｂに端部を前にして示すように、出荷モジュール１００を形成するようにともに位置決めすることができ、図３Ａは、タイプ１構造体１５１の出荷モジュール１００を示し、図３Ｂは、タイプ２構造体１５２の出荷モジュール１００を示す。エンクロージャー部材１５５は、出荷モジュール１００が米国連邦高速道路寸法制限に収まるように寸法決定される。結果として、出荷モジュール１００は、アクセスを制限される高速道路を通ってより容易に輸送することができ、適切なトレーラー機器を用いて、特大積込許可証を必要とせず輸送することができる。したがって、完成した構造体１５０の基礎部材は、本明細書に記載するように、工場内で製造し、出荷モジュール１００を形成するようにともに位置決めすることができ、モジュール１００は、この構造体のための所望の敷地に輸送することができ、ここで、モジュール１００は、容易に組み立て及びカスタマイズすることができる。

エンクロージャー部材の積層設計
積層多層設計は、本発明のエンクロージャー部材１５５を製造するために使用することができる。図４Ａ～図４Ｄは、例示的なエンクロージャー部材１５５の当該多層設計の４つの実施形態を分解断面図で示している。

第１実施形態及び第２実施形態
内部被覆層（２８２）
図４Ａ及び図４Ｂにそれぞれ示す積層多層設計の第１実施形態及び第２実施形態において、構造体１５０の内部に向かって向くエンクロージャー部材１５５の表面には、必要に応じて、内部被覆層２８２が設けられる。内部被覆層２８２は、乾式壁（例えばＳｈｅｅｔｒｏｃｋ（商標）の商標名で市場に売られている）の外面として使用される重量と同等の重量の、比較的厚い紙から製造されることが好ましい。内部被覆層２８２は、連続ロール紙（ペーパーロールは、必要に応じて、エンクロージャー部材１５５の幅に近似した幅を有する）から巻き出され、エンクロージャー部材１５５の継ぎ目のない内部仕上げがもたらされることが好ましい。

第１の構造層（２１０）
第１の構造層２１０が、図４Ａに示す第１実施形態及び図４Ｂに示す第２実施形態において設けられる。使用する場合、内部被覆層２８２は、適切な接着剤、好ましくはポリウレタンベースの建設接着剤を用いてこの第１の構造層２１０に接着される。図示する実施形態における第１の構造層２１０は、酸化マグネシウム（ＭｇＯ）等の比較的高強度の無機組成を原則的に含む、複数の長方形の構造建築パネル２１１を含む。適切な構造建築パネル２１１は、幅およそ４フィート（１．２２ｍ）×長さおよそ８フィート（２．４４ｍ）のＭｇＯボードとすることができる。図４Ａの多層設計の第１実施形態の特定の実施形態において、酸化マグネシウムボードを使用するそれらの構造建築パネル２１１の厚さは、およそ０．５インチ（１．２７ｃｍ）とすることができ、代替案として、およそ０．２５インチ（０．６４ｃｍ）の厚さを採用することができる。

第１の構造層２１０を形成するためには、意図したエンクロージャー部材１５５の全面積を概ね覆うように、複数の概ね長方形の構造建築パネル２１１が互いに隣接して配置される。例えば、図５Ａに示す壁部材２００ａについて、構造建築パネル２１１は、壁部材２００ａの全面積を概ね覆うように、チェッカーボード関係において互いに水平及び垂直に隣接して配置される。別の例示的な配置としては、壁部材２００の全面積を概ね覆うように、十分な長さの複数の構造建築パネル２１１を横並びに垂直に位置決めすることができる。

それぞれ図４Ａ及び図４Ｂに示す第１実施形態及び第２実施形態における第１の構造層２１０は、適宜水平及び／又は垂直の双方に配置される、例えば酸化マグネシウムボードから作製される複数の結合ストリップ２１２を更に備える。特に、結合ストリップ２１２は、隣接するパネル２１１間の直線状の接合部にわたって位置決めされ、その後、例えば適切な接着剤、好ましくはポリウレタンベースの建設接着剤を使用して、それらの接合部の境界を画すそれらのパネルの領域に固着され、隣接する建築パネル２１１間に重ね継手が形成され、これにより、第１の構造層２１０のパネル２１１がともに接着され、単一ユニットが形成される。酸化マグネシウムボードの結合ストリップ２１２は、例えば幅およそ６インチ（１５．２ｃｍ）及び厚さ０．２５インチ（０．６３５ｃｍ）又は０．５インチ（１．２７ｃｍ）とすることができる。

第１の強化層（２１３－１）
それぞれ図４Ａ及び図４Ｂに示す第１実施形態及び第２実施形態に示すように、次に、ガラス繊維織物等の繊維織物から作製される第１の強化層２１３－１が設けられる。図４Ａに示す第１実施形態では、第１の強化層２１３－１は、連続マットロール（マットロールは、必要に応じて、エンクロージャー部材１５５の幅に近似した幅を有する）から巻き出され、継ぎ目のない内部層がもたらされることが好ましい。図４Ｂに示す第２実施形態では、第１の強化層２１３－１は、結合ストリップ２１２間に位置決めされる、図４Ｂに示すセグメント２１３－１ａ及び２３１－１ｂによって例示されるように、複数の別個の繊維層セグメントを含む。

発泡パネル（２１４）
再度図４Ａ及び図４Ｂを参照すると、次に、第１実施形態及び第２実施形態において、集合的に第１の面及びその反対側の第２の面を形成する、複数の概ね平面の長方形発泡パネル２１４が設けられる。発泡パネル２１４は、例えば、発泡ポリスチレン（ＥＰＳ）又はポリウレタンフォームから作製される。複数のこれらの発泡パネル２１４は、意図したエンクロージャー部材１５５の全面積を概ね覆うように、互いに隣接して配置される。例えば、図５Ｂに示す壁部材２００ａについて、発泡パネル２１４は、壁部材２００ａの全面積を概ね覆うように、チェッカーボード関係において互いに水平及び垂直に隣接して配置される。別の例示的な配置としては、壁部材２００の全面積を概ね覆うように、十分な長さの複数の発泡パネル２１４を横並びに垂直に位置決めすることができる。

隣接する発泡パネル２１４間の継ぎ目は、エンクロージャー部材１５５の厚さを横切る方向に対して、第１の構造層２１０の構造建築パネル２１１間の継ぎ目と重ならないか（オーバーレイしない）又は一致しないことが好ましい。むしろ、隣接する発泡パネル２１４間の継ぎ目は、第１の構造層２１０の隣接する構造建築パネル２１１間の継ぎ目から所定距離でオフセットされることが好ましい。例えば、横並びに垂直に位置決めされた発泡パネル２１４及び横並びに垂直に位置決めされた構造建築パネル２１１について、隣接する発泡パネル間の継ぎ目は、構造建築パネル２１１の中央線（中央の分界線）において、又は、設計、製造及び他の検討事項が許す限りの構造建築パネル２１１の中央線付近に位置決めすることができる。これに対応して、チェッカーボード関係において配置された発泡パネル２１４及びチェッカーボード関係において配置された構造建築パネル２１１について、４つの発泡パネル２１４が交わる各角部は、構造建築パネル２１１の中心において、又は、設計、製造及び他の検討事項が許す限りの構造建築パネル２１１の中心付近に位置決めすることができる。

第１の強化層２１３－１は、第１の構造層２１０と発泡パネル２１４の第１の面との双方の間に挟まれ、適切な接着剤、好ましくはポリウレタンベースの建設接着剤を使用して、この双方に固着されることが好ましい。第１の強化層２１３－１の繊維織物が比較的粗い織り目を有する場合、層２１０、２１３－１及び２１４をともに接着して、接着された積層構造物にするために必要となるのは、製造中の１回の接着剤塗布のみである。隣接する発泡パネル２１４は、必要に応じて、当接するパネル間に適切な接着剤、好ましくはポリウレタンベースの建設接着剤を塗布して互いに固着することができる。

第２の強化層（２１３－２）
図４Ａに示す積層多層設計の第１実施形態においては、繊維織物の強化層である第１の強化層２１３－１が、発泡パネル２１４の１つの面にのみ存在する。図４Ｂに示す積層多層設計の第２実施形態においては、ガラス繊維織物等の繊維織物から作製される第２の強化層２１３－２が、発泡パネル２１４の反対側の第２の面に存在する。第２の強化層２１３－２は、図４Ａに示す第１の強化層２１３－１のように連続的なものとすることもでき、又は、更に後述するように、結合ストリップ２１７間に位置決めされる、図４Ｂに示すセグメント２１３－２ａ及び２３１－２ｂによって例示されるように、複数の別個の繊維層セグメントを含むこともできる。

第２の構造層（２１５）
図４Ａに示す積層多層設計の第１実施形態では、第２の構造層２１５が設けられ、第２の構造層２１５は、発泡パネル２１４の反対側の第２の面（第１の構造層２１０から見て遠位にある面）上に位置決めされる。図４Ｂに示す積層多層設計の第２実施形態でも、同様に第２の構造層２１５が設けられるが、この第２実施形態では、第２の強化層２１３－２は、発泡パネル２１４の反対側の第２の面と第２の構造層２１５との間に挟まれる。第２の構造層２１５は、酸化マグネシウム等の比較的高強度の無機組成をそれぞれ原則的に含む、複数の長方形の構造建築パネル２１６を含む。適切な建築パネル２１６は、幅およそ４フィート（１．２２ｍ）×長さおよそ８フィート（２．４４ｍ）の酸化マグネシウムボードとすることができる。第２の構造層２１５の例示的な実施形態において、酸化マグネシウムボードを使用するそれらの構造建築パネル２１６の厚さは、およそ０．５インチ（１．２７ｃｍ）とすることができ、他の形態では、およそ０．２５インチ（０．６４ｃｍ）の厚さを採用することができる。

第２の構造層２１５を形成するためには、意図したエンクロージャー部材１５５の全面積を概ね覆うように、複数の長方形の構造建築パネル２１６が互いに隣接して配置される。例えば、図５Ｂに示す壁部材２００ａについて、構造建築パネル２１６は、壁部材２００ａの全面積を概ね覆うように、チェッカーボード関係において互いに水平及び垂直に隣接して配置される。別の例示的な配置として、壁部材２００の全面積を概ね覆うように、十分な長さの複数の構造建築パネル２１６を横並びに垂直に位置決めすることもできる。

第１の構造層２１０の場合と同様に、隣接する発泡パネル２１４間の継ぎ目は、エンクロージャー部材１５５の厚さを横切る方向において、第２の構造層２１５の構造建築パネル２１６間の継ぎ目と重ならないか又は一致しないことが好ましい。むしろ、隣接する発泡パネル２１４間の継ぎ目は、第２の構造層２１５の隣接する構造建築パネル２１６間の継ぎ目から所定距離でオフセットされることが好ましい。例えば、横並びに垂直に位置決めされた発泡パネル２１４及び横並びに垂直に位置決めされた構造建築パネル２１６について、隣接する発泡パネル２１４間の継ぎ目は、構造建築パネル２１６の中央線において、又は、設計、製造及び他の検討事項が許す限りの構造建築パネル２１６の中央線付近に位置決めすることができる。これに対応して、チェッカーボード関係において配置された発泡パネル２１４及びチェッカーボード関係において配置された構造建築パネル２１６について、４つの発泡パネル２１４が交わる各角部は、構造建築パネル２１６の中心において、又は、設計、製造及び他の検討事項が許す限りの構造建築パネル２１６の中心付近に位置決めすることができる。他方では、第１の構造層２１０の構造建築パネル２１１間の継ぎ目は、エンクロージャー部材１５５の厚さを横切る方向において、第２の構造層２１５の構造建築パネル２１６の継ぎ目と一致してもよく、どちらでも構わない。

それぞれ図４Ａ及び図４Ｂに示す第１実施形態及び第２実施形態における第２の構造層２１５は、建築パネル２１６と発泡パネル２１４との間に位置決めされる、例えば酸化マグネシウムボードから作製される複数の結合ストリップ２１７を更に備える。結合ストリップ２１７は、隣接するパネル２１６間の直線状の接合部にわたって位置決めされ、その後、例えば適切な接着剤、好ましくはポリウレタンベースの建設接着剤を使用して、それらの接合部の境界を画すそれらのパネルの領域に固着され、隣接する建築パネル２１６間に重ね継手が形成され、これにより、第１の構造層２１０のパネル２１１がともに接着され、単一ユニットが形成される。酸化マグネシウムボードの結合ストリップ２１７は、例えば幅およそ６インチ（１５．２ｃｍ）及び厚さ０．２５インチ（０．６３５ｃｍ）又は０．５インチ（１．２７ｃｍ）とすることができる。

第１の強化層２１３－１及び／又は第２の強化層２１３－２が連続ロールから形成される場合、発泡パネル２１４には、結合ストリップの近位の領域内に生じ得るような、層２１３－１／結合ストリップ２１２及び／又は層２１３－２／結合ストリップ２１７の組み合わせの局所的な厚さ変動に対応するために適切な凹部（図示せず）を設けることができる。第１の強化層２１３－１及び／又は第２の強化層２１３－２が別個のセグメントから形成される場合、発泡パネル２１４には、結合ストリップ２１２及び／又は２１７を受けるために適切な凹部（図示せず）を設けることができる。

図４Ａに示す第１実施形態では、第２の構造層２１５は、例えば適切な接着剤、好ましくはポリウレタンベースの建設接着剤を使用して、発泡パネル２１４に固着される。図４Ｂに示す第２実施形態では、第２の強化層２１３－２は、例えば適切な接着剤、好ましくはポリウレタンベースの建設接着剤を使用して、第２の構造層２１５と発泡パネル２１４との双方に固着されることが好ましい。第２の強化層２１３－２の繊維織物が比較的粗い織り目を有する場合、層２１４、２１３－２及び２１５をともに接着して、接着された積層構造物にするために、製造中に１つの接着剤塗布のみが必要とされる。

図５Ｂに示す壁部材２００の実施形態において、第２の構造層２１５の構造建築パネル２１６の外面には、美観上の理由から、特に、隣接するパネル２１６間の継ぎ目の存在をより良好に隠すために、溝２１８が設けられる。なお、パネル２１６の外面は、連続ロールから巻き出された追加の保護材料によって覆ってもよい。

強化層２１３－１及び／又は強化層２１３－２は、該当する領域における引張荷重がない場合は省略することができる。さらに、内部被覆層２８２が第１の構造層２１０に接着された状態で図示されているが、内部被覆層２８２は、第２の構造層２１５に等しく容易に接着することができ、ここで、当該構造層は、構造体の居住部分である内部を向く。内部被覆層２８２も、望ましくない場合は省略することができる。

第３実施形態及び第４実施形態
図４Ｃには、積層多層設計の第３実施形態が示されている。図４Ｂに示す第２実施形態と比較して、図４Ｃの第３実施形態は、第２の構造層２１５の代わりに板金層２０５を有するが、その他の点では図４Ｂに示す第２実施形態と同一の設計である。例えば鋼又はアルミニウムとすることができる板金層２０５は、意図したエンクロージャー部材１５５の全面積を概ね覆うように互いに隣接して位置決めされるとともに、リベット留め又は溶接等によって互いに接合された、複数の概ね平面の長方形金属シート２０６から作製される。接合の後、板金層２０５の接合された金属シート２０６は、適切な接着剤塗布によって、発泡パネル２１４の反対側の第２の面（構造層２１０から見て遠位にある発泡パネル２１４の面）に固着される。

隣接する発泡パネル２１４間の継ぎ目は、エンクロージャー部材１５５の厚さを横切る方向において、板金層２０５の接合された金属シート２０６における継ぎ目と重ならないか又は一致しないことが好ましい。むしろ、隣接する発泡パネル２１４間の継ぎ目は、板金層２０５の接合された金属シート２０６における継ぎ目から所定距離でオフセットされることが好ましい。例えば、横並びに垂直に位置決めされた発泡パネル２１４及び横並びに垂直に位置決めされた接合された金属シート２０６について、隣接する発泡パネル間の継ぎ目は、接合された金属シート２０６の中央線（中央の分界線）に位置決めされるか、又は、接合された金属シート２０６の中央線に対して、設計、製造及び他の検討事項が許す限り近い位置に位置決めすることができる。

この第３実施形態において、板金層２０５の金属シート２０６は、必要に応じて保護及び／又は装飾表面処理を施して、鋼から作製することができ、それぞれ、例えばおよそ２６ゲージ～２０ゲージの範囲の厚さ（０．０１７９インチ（０．４５４ｍｍ）～０．０４７８インチ（１．２１４ｍｍ））を有する。板金層２０５の使用により、例えば、構造建築パネル２１６、特に酸化マグネシウムボードを含む第２の構造層２１５と比較して引張強度が高まる。それと同時に、図４Ｃに示す積層多層設計は、構造建築パネル２１１、特に酸化マグネシウムボードを含む第１の構造層２１０の領域において相当な圧縮強度を発揮する。

図４Ｄには、積層多層設計の第４実施形態が示されている。図４Ｃに示す第３実施形態と比較して、図４Ｄの第４実施形態は、発泡パネル２１４と板金層２０５との間に介在する保護層２９３を有するが、その他の点では図４Ｃに示す第３実施形態と同一の設計である。保護層２９３は、意図したエンクロージャー部材１５５の全面積を概ね覆うように互いに隣接して配置された複数の概ね長方形の保護パネル２９４を含む。保護層２９３の保護パネル２９４は、原則的に、酸化マグネシウム（ＭｇＯ）又は硫酸カルシウム二水和物（乾式壁としても既知であり、例えばＳｈｅｅｔｒｏｃｋ（商標）の商標名で市場に売られている）等、耐火性の無機組成を含むことができる。保護層２９３のための適切な保護パネル２９４は、幅およそ４フィート（１．２２ｍ）×長さおよそ８フィート（２．４４ｍ）の酸化マグネシウムボードとすることができる。

保護層２９３の保護建築パネル２９４は、保護層２９３と発泡パネル２１４の反対側の第２の面との間、及び保護層２９３と板金層２０５との間に適切な接着剤塗布量が塗布された状態で、発泡パネル２１４及び板金層２０５の双方に接着される。酸化マグネシウムボードを使用する保護層２９３の保護建築パネル２９４の適切な厚さは、０．１２５インチ（３．１８ｍｍ）とすることができる。図４Ｄに示す積層多層構造の第４実施形態における保護層２９３の主な機能は、耐火性を付与することである。

エンクロージャー部材の外縁部補強材
各エンクロージャー部材（あるいはエンクロージャーコンポーネント）１５５の周辺を画定する外縁部には、所望に応じて、縁部補強材を設けることができる。外縁部補強材は、これなしではエンクロージャー部材１５５の外縁部において晒されることになる発泡パネル材料を保護することができる。外縁部補強材は、後述するような他の機能も果たすことができる。外縁部補強材は、積層ストランド材木ボード、木製ボード、Ｃ字チャネル押出アルミニウム又は鋼等のうちの１つ以上から製造することができ、一般的に、ねじ又は釘締結具等の締結具、及び／又は接着剤を用いてエンクロージャー部材１５５の外縁部に固定される。

エンクロージャー部材の区分化
ある特定の事例におけるエンクロージャー部材１５５は、コンパクトな出荷モジュール１００の形成を容易にするために、エンクロージャー部材部分に区分化あるいはパーティション化（partitioning）される。エンクロージャー部材１５５がエンクロージャー部材部分に区分化されるそれらの事例では、エンクロージャー部材の周辺を画定する外縁部における任意の外縁部補強材は、必要に応じて、それらの部分の二者間又はそれ以上の間に分割される。

エンクロージャー部材の内縁部補強材
エンクロージャー部材部分に区分化されたエンクロージャー部材１５５は、内縁部を有することになる。エンクロージャー部材部分の各隣接するペア（隣接する対）ごごとに、２つの隣接する内縁部が存在することになる。このような内縁部には、内縁部補強材を設けることができる。外縁部補強材と同様、そのような内縁部補強材は、これなしではエンクロージャー部材１５５の内縁部において晒されることになる発泡パネル材料を保護することができる。内縁部補強材は、後述するような他の機能も果たすことができる。内縁部補強材は、積層ストランド材木ボード、木製ボード、Ｃ字チャネル押出アルミニウム又は鋼等のうちの１つ以上から製造することができ、一般的に、ねじ又は釘締結具等の締結具、及び／又は接着剤を用いてエンクロージャー部材１５５の内縁部に固定される。

完成した構造体１５０、壁部材２００、床部材３００、及び天井部材４００の更なる設計詳細は、以下のセクションに記載する。

壁部材（２００）
通常、完成した構造体１５０は、４つの壁部材２００を利用し、各壁部材２００は、構造体１５０の壁全体に対応する。壁部材２００は、概ね長方形の周辺を有する。壁部材２００の高さ及び長さは、上述した輸送に該当する寸法制限を条件として、設計上の好みに従って変更することができる。本開示において、２つの対向する側面が他の２つの側面よりも長くして構造体１５０が作られる（タイプ１構造体１５１の場合と同様）場合、第１の長手方向縁部１０６及び第２の長手方向縁部１１６に沿って位置決めされた２つの壁部材２００は、長い壁部材と呼ばれることがあり、それぞれ２００ａと称され、第１の横方向縁部１０８及び第２の横方向縁部１１０に沿って位置決めされた２つの壁部材２００は、短い壁部材と呼ばれることがあり、それぞれ２００ｂと称される。全ての側面がほぼ等しい長さで構造体１５０が作られる（タイプ２構造体１５２の場合と同様）場合、４つの壁部材２００は、それぞれ２００ｓと称されることがある。壁部材２００の基本的な構造及び設計は、タイプ１構造体１５１及びタイプ２構造体１５２の双方について同じであり、構造体１５０全般に適用可能である。

図１Ａ及び図２Ａに示すタイプ１構造体１５１の特定の実施形態において、長い壁部材２００ａは、長さおよそ３９フィート（１１．８９ｍ）であり、短い壁部材２００ｂは、長さおよそ１９．５フィート（５．９４ｍ）である。したがって、第１の長手方向縁部１０６及び第２の長手方向縁部１１６に沿って位置決めされた長い壁部材２００ａは、第１の横方向縁部１０８及び第２の横方向縁部１１０に沿って位置決めされた短い壁部材２００ｂの長さのおよそ２倍である。長い壁部材２００ａ及び短い壁部材２００ｂは、高さおよそ９．５フィート（２．９ｍ）及び厚さおよそ６インチ（１５．２４ｃｍ）である。

上記に示したように、図１Ｂ及び図２Ｂに示すタイプ２構造体１５２は、長さの等しい（それぞれ２００ｓと称される）壁部材２００、２００ｓを有する。すなわち、タイプ２構造体１５２は、概略的には正方形形状を有する。したがって、タイプ２構造体１５２の場合、第１の長手方向縁部１０６及び第２の長手方向縁部１１６、並びに第１の横方向縁部１０８及び第２の横方向縁部１１０は、全て長さが等しい。図１Ｂ及び図２Ｂに示すタイプ２構造体１５２の特定の実施形態において、壁部材２００、２００ｓは、長さおよそ１９フィート（５．７９ｍ）、高さおよそ９．４５フィート（２．８８ｍ）及び厚さおよそ６インチ（１５．２４ｃｍ）とすることができる。

上記に示したように、本発明の壁部材２００は、図４Ａ～図４Ｄを参照して上述した積層多層設計のうちの１つを利用することが好ましい。例えば、図５Ａ及び図５Ｂに示す長い壁部材２００ａは、図４Ｂを参照して上述した積層多層設計の第２実施形態を利用することができる。上記で参照した図１Ｂ及び図２Ｂに示すタイプ２構造体１５２の壁部材２００ｓの特定の実施形態は、第２の多層設計（図４Ｂ）を利用することができ、ここで、第１の構造層２１０の構造建築パネル２１１について及び第２の構造層２１５の構造建築パネル２１６についても厚さ０．２５インチ（０．６３５ｃｍ）のＭｇＯボードであり、結合ストリップ２１２、２１７は厚さ０．２５インチ（０．６３５ｃｍ）のＭｇＯボードで幅６インチ（１５．２４ｃｍ）である。発泡パネル２１４は、厚さ５．５インチ（１３．９７ｃｍ）とすることができ、これにより、壁部材２００は厚さおよそ６インチ（１５．２４ｃｍ）になる。

各壁部材２００の周辺には、一般的に外縁部補強材が設けられる。図５Ａに示す長い壁部材２００ａによって例示されるように、壁部材２００の外縁部補強材は、水平底縁部に沿った床板２２０、水平上縁部に沿った天井板２４０、及びそれぞれ壁部材２００の各垂直縁部２７５において締結される２つの端部片２７０である。壁部材２００の場合、外縁部補強材は、発泡パネル材料の外縁部を保護することに加えて、当接する壁部材２００、天井部材４００及び床部材３００の同様の領域を締結するための領域を提供する。

床板２２０、天井板２４０、及び端部片２７０によって提供される壁部材２００の外縁部補強材は、積層ストランド材木ボード、木製ボード、Ｃ字チャネル押出アルミニウム又は鋼等のうちの１つ以上から製造することができる。他の形態では、後述するエンクロージャー部材の周辺構造部を、壁部材２００について上述したタイプの外縁部補強材に加えて又はこれの代わりに採用することができる。

壁の区分化
タイプ１構造体（１５１）の区分化された壁部分
図２Ａを参照すると、タイプ１構造体１５１の２つの短い壁部材２００ｂはそれぞれ、第１の壁部分２００ｂ－１及び第２の壁部分２００ｂ－２を含む。壁部分２００ｂ－１及び２００ｂ－２のそれぞれは、概ね長方形の平面構造である。壁部分２００ｂ－１のそれぞれの垂直内縁部１９１－１は、壁部分２００ｂ－２のそれぞれの垂直内縁部１９１－２の近位にある。内縁部補強材は、垂直縁部１９１－１及び１９１－２のうちの任意の１つ以上に設けることができ、これらの例としては、積層ストランド材木ボード、木製ボード、Ｃ字チャネル押出アルミニウム又は鋼が挙げられる。

再度図２Ａを参照すると、２つの第１の壁部分２００ｂ－１は、床部分３００ａ上で互いに反対に、完成した構造体１５０の第１の横方向縁部１０８及び第２の横方向縁部１１０の近位に固定位置に位置する。各第１の壁部分２００ｂ－１は、ヒンジ構造部を用いて第２の壁部分２００ｂ－２に接合される。これらのヒンジ構造部により、第２の壁部分２００ｂ－２は、折り畳み位置と開展位置との間の垂直軸１９１の周りに枢動することが可能になる。図２Ａは、開展位置にある第２の部分２００ｂ－２（２００ｂ－２ｕと称される）と、内向きに折り畳まれた位置にある第２の部分２００ｂ－２（２００ｂ－２ｆと称される）との双方を示している。第２の部分２００ｂ－２が折り畳み位置にあるとき、第２の部分２００ｂ－２は、コンパクトな出荷モジュールの形成を容易にする。第２の部分２００ｂ－２が開展位置にあるとき、第２の部分２００ｂ－２は、第１の部分２００ｂ－１とともに、図２Ａに示すタイプ１構造体１５１の短い壁部材２００ｂを形成する。

タイプ２構造体（１５２）の区分化された壁部分
図２Ｂを参照すると、タイプ２構造体１５２は２つの対向する壁部材２００ｓを有する。対向する壁部材２００ｓのうちの一方は、第１の壁部分２００ｓ－１、第２の壁部分２００ｓ－２及び第３の壁部分２００ｓ－３を含み、対向する壁部材２００ｓのうちの他方は、第４の壁部分２００ｓ－４及び第５の壁部分２００ｓ－５を含む。壁部分２００ｓ－１、２００ｓ－２、２００ｓ－３、２００ｓ－４及び２００ｓ－５のそれぞれは、概ね長方形の平面構造を有する。図２Ｂに示すように、壁部分２００ｓ－１の垂直内縁部１９２－１は、壁部分２００ｓ－２のそれぞれの垂直内縁部１９２－２の近位にあり、壁部分２００ｓ－２の垂直内縁部１９３－２は、壁部分２００ｓ－３のそれぞれの垂直壁内縁部１９３－３の近位にある。同様に図２Ｂに示すように、壁部分２００ｓ－４の垂直内縁部１９４－４は、壁部分２００ｓ－５のそれぞれの垂直内縁部１９４－５の近位にある。内縁部補強材は、垂直縁部１９２－１、１９２－２、１９３－３、１９４－４、及び１９４－５のうちの任意の１つ以上に設けることができ、これらの例としては、積層ストランド材木ボード、木製ボード、Ｃ字チャネル押出アルミニウム又は鋼が挙げられる。

再度図２Ｂを参照すると、第１の壁部分２００ｓ－１は、第１の横方向縁部１０８の近位に床部分３００ａ上の適所に固定され、第４の壁部分２００ｓ－４は、第１の壁部分２００ｓ－１の反対側かつ第２の横方向縁部１１０の近位に床部分３００ａ上の適所に固定される。第１の壁部分２００ｓ－１は、壁部分２００ｓ－２が折り畳み位置と開展位置との間の垂直軸１９２の周りに枢動することを可能にするヒンジ構造部を用いて第２の壁部分２００ｓ－２に接合される。さらに、第２の壁部分２００ｓ－２は、第３の壁部分２００ｓ－３が折り畳み位置と開展位置との間の垂直軸１９３の周りに枢動することを可能にするヒンジ構造部を用いて第３の壁部分２００ｓ－３に接合される。反対側の壁について、第４の壁部分２００ｓ－４は、第５の壁部分２００ｓ－５が折り畳み位置と開展位置との間の垂直軸１９４の周りに枢動することを可能にするヒンジ構造部を用いて第５の壁部分２００ｓ－５に接合される。特に、第５の壁部分２００ｓ－５は、第２の壁部分２００ｓ－２又は第３の壁部分２００ｓ－３よりも長い。

図２Ｂは、開展位置にある第２の壁部分２００ｓ－２（２００ｓ－２ｕと称される）及び第３の壁部分２００ｓ－３（２００ｓ－３ｕと称される）の双方を示し、開展位置にある第５の壁部分２００ｓ－５（２００ｓ－５ｕと称される）を示している。また、図２Ｂは、内向きに折り畳まれた位置にある第２の壁部分２００ｓ－２（２００ｓ－２ｆと称される）及び第３の壁部分２００ｓ－３（２００ｓ－３ｆと称される）の双方を示し、内向きに折り畳まれた位置にある第５の壁部分２００ｓ－５（２００ｓ－５ｆと称される）を示している。第２の部分２００ｓ－２、第３の壁部分２００ｓ－３及び第５の壁部分２００ｓ－５が内向きに折り畳まれた位置にあるとき、これらの部分は、コンパクトな出荷モジュールの形成を容易にする。第２の壁部分２００ｓ－２及び第３の壁部分２００ｓ－３が開展位置にあるとき、これらの部分は、第１の部分２００ｓ－１とともに、第１の横方向縁部１０８の近位の壁部材２００ｓを形成する。第５の壁部分２００ｓ－５が開展位置にあるとき、第５の壁部分２００ｓ－５は、第４の部分２００ｓ－４とともに、第２の横方向縁部１１０の近位の壁部材２００ｓを形成する。

上述したヒンジ構造部（各第１の壁部分２００ｂ－１をその第２の壁部分２００ｂ－２に固定し、第１の壁部分２００ｓ－１を第２の壁部分２００ｓ－２に固定し、第２の壁部分２００ｓ－２を第３の壁部分２００ｓ－３に固定し、及び、第４の壁部分２００ｓ－４を第５の壁部分２００ｓ－５に固定する）は、表面実装型又は嵌め込み型とすることができ、一時的又は永久的なものとすることができる。内縁部補強材を設けることにより、上述したように、ヒンジ構造部を固定するための領域を提供することができる。適切なヒンジ構造部は、例えば、金属、プラスチック、皮革、鉄系材料又は非鉄系材料から製造することができる。ヒンジ構造部、例えば図１５に示すさねはぎヒンジ式（実矧ぎ式：tongue-and-groove hinged）構造部２４２を備える後述するエンクロージャー部材の周辺構造部は、壁部分をともに固定することにも適している。このようなエンクロージャー部材の周辺構造部を、上述した内縁部補強材に加えて又はこれの代わりに採用することができる。

タイプ１構造体（１５１）の区分化されない壁部材
それぞれ２つの部分に区分化されるタイプ１構造体１５１の２つの短い壁部材２００ｂと比較して、図２Ａに示す２つの長い壁部材２００ａは、複数の壁部分を含まず、むしろ、それぞれが一体構造である。しかしながら、これらの長い壁部材２００ａのうちの一方は、第１の長手方向縁部１０６の近位の床部分３００ｂ上に位置して本開示において（長い）壁部材２００ａ－Ｐと称されることがあり、床部分３００ｂに枢動可能に固定され、壁部材２００ａ－Ｐが折り畳み位置から開展位置まで図３Ａに示す水平軸１０５の周りに枢動することが可能になる。長い壁部材２００ａ－Ｐを枢動可能に固定することにより、コンパクトな出荷モジュール１００の形成も容易になる。本開示において２００ａ－Ｒと称されることもある残りの長い壁部材２００ａは、図２Ａに示すように、第２の長手方向縁部１１６の近位にあるとともに、第２の長手方向縁部１１６の近位の２つの第１の壁部分２００ｂ－１の垂直縁部に当接する床部分３００ａ上に強固に固定される。

タイプ２構造体（１５２）の区分化されない壁部材
それぞれ２つの部分に区分化されるタイプ２構造体１５２の２つの壁部材２００ｓと比較して、図２Ｂに示す残りの２つの壁部材２００ｓは、複数の壁部分を含まず、むしろ、それぞれが一体構造である。しかしながら、本開示において２００ｓ－Ｐと称されることがあるとともに、第１の長手方向縁部１０６の近位の床部分３００ｂ上に位置する、これらの壁部材２００ｓのうちの一方は、床部分３００ｂに枢動可能に固定され、壁部材２００ｓ－Ｐが折り畳み位置から開展位置まで図３Ｂに示す水平軸１０５の周りに枢動することが可能になる。壁部材２００ｓ－Ｐを枢動可能に固定することにより、コンパクトな出荷モジュール１００の形成も容易になる。本開示において２００ｓ－Ｒと称されることもある残りの壁部材２００ｓは、図２Ｂに示すように、第２の長手方向縁部１１６の近位にあるとともに、第２の長手方向縁部１１６の近位の第１の壁部分２００ｓ－１及び第４の壁部分２００ｓ－４の垂直縁部に当接する床部分３００上に強固に固定される。

壁部分２００ａ－Ｐを床部分３００ｂに固定し、壁部分２００ｓ－Ｐを床部分３００ｂに固定する上述したヒンジ構造部は、表面実装型又は嵌め込み型とすることができ、一時的又は永久的なものとすることができる。外縁部補強材を設けることにより、上述したように、ヒンジ構造部を固定するための領域を提供することができる。適切なヒンジ構造部は、例えば、金属、プラスチック、皮革、鉄系材料又は非鉄系材料から製造することができる。他の形態では、ヒンジ構造部を備える後述するエンクロージャー部材の周辺構造部は、前述の壁部材をそれらのそれぞれの床部分３００ｂに固定する（壁部材２００ａ－Ｐ／２００ｓ－Ｐのいずれかが開展位置にある場合に、床部材３００ｂと壁部材２００ａ－Ｐ／２００ｓ－Ｐとの間が９０度の接合であるとして、適宜変更される）ことにも適している。このようなエンクロージャー部材の周辺構造部を、上述した外縁部補強材に加えて又はこれの代わりに採用することができる。

壁チェイス
壁部材２００が図４Ａ～図４Ｃに関して説明した多積層設計のうちの１つを利用する場合、発泡パネル２１４には、端部片２７０間の距離全体にわたる一定間隔において離隔した、一連の細長い、略平行でほぼ垂直に方向付けられる円筒形通路を設けることができ、それぞれ、床板２２０と天井板２４０との間の距離に広がる。これらの垂直通路は、壁チェイス２１９と称され、図６Ａにおいてはタイプ１構造体１５１の壁部材２００ａ、２００ｂに見ることができ、図７Ａにおいてはタイプ２構造体１５２の壁部材２００ｓに見ることができる。壁チェイス２１９は、ユーティリティ配管（例えば、電力、照明制御、加熱、換気、及び空調（ＨＶＡＣ）、ＨＶＡＣ制御、セキュリティシステム等のためのものであり、これには、煙センサー又は熱センサーに通電しこれらと通信することが含まれる）を壁部材２００内に設置することを容易にする。これらの壁チェイスに関する更なる詳細は、本願と同じ発明者で同日に出願された「Foldable Building Structures with Utility Channels and Laminate Enclosures」という発明の名称の米国非仮特許出願第１６／７８６，１３０号に記載されている。本願と同じ発明者で同日に出願日された「Foldable Building Structures with Utility Channels and Laminate Enclosures」という発明の名称の米国非仮特許出願第１６／７８６，１３０号の内容、具体的には、壁チェイスに関する詳細、特に段落００７７～段落００８１並びに図５Ａ～図５Ｃ、図６Ａ及び図７Ａに示される詳細は、引用することにより完全に記載されているものとして本明細書の一部をなす。壁チェイス２１９と天井板２４０及び／又は床板２２０上方の領域との間の連通が望ましく、かつ、後述するように、壁部材２００に、エンクロージャー部材の周辺構造部が、床板２２０及び天井板２４０のうちのいずれか又は双方に接着されるか又はこれらの代わりに設けられる場合、それらのエンクロージャー部材の周辺構造部には、壁チェイス２１９への連通を可能にするために適切なロケーションに適切な開口部を設けることができる。

壁カスタマイズのオプション
図１Ａ及び図２Ａは、複数の開口部、特に、ドアフレーム及びドアアセンブリを収納するドア開口部２０２と、窓フレーム及び窓アセンブリを収納する窓開口部２０４とを有する壁部材２００を示している。壁部材２００の多積層構造は、ドア、窓等のタイプ、サイズ及びロケーションに関する高度なカスタマイズに適しており、一方、開口部２０２、２０４の数は、設計上の好みに従って変更することができる。壁部材２００のカスタマイズに関する更なる詳細は、本願と同じ発明者で同日に出願された「Foldable Building Structures with Utility Channels and Laminate Enclosures」という発明の名称の米国非仮特許出願第１６／７８６，１３０号に記載されている。本願と同じ発明者で同日に出願された「Foldable Building Structures with Utility Channels and Laminate Enclosures」という発明の名称の米国非仮特許出願第１６／７８６，１３０号の内容、具体的には、壁カスタマイズに関する詳細、例えば段落００８２～段落００８４並びに図１Ａ及び図２Ａに示される詳細は、引用することにより完全に記載されているものとして本明細書の一部をなす。

天井部材（４００）
通常、完成した構造体１５０は、１つの天井部材４００を利用する。したがって、天井部材４００は、一般的に、完成した構造体１５０の天井全体である。天井部材４００は、概ね長方形の周辺を有する。他の図面の中でも、図６Ａ～図７Ｂが、本発明に係る天井部材４００を示している。天井部材４００の周辺は、第１の長手方向天井縁部４０６、第１の横方向天井縁部４０８、第２の長手方向天井縁部４１６、及び第２の横方向天井縁部４１０によって画定される。特に、天井部材４００の（ａ）第１の長手方向天井縁部４０６、（ｂ）第１の横方向天井縁部４０８、（ｃ）第２の長手方向天井縁部４１６、及び（ｄ）第２の横方向天井縁部４１０は、一般的に、完成した構造体１５０の（ｗ）第１の長手方向縁部１０６、（ｘ）第１の横方向縁部１０８、（ｙ）第２の長手方向縁部１１６、及び（ｚ）第２の横方向縁部１１０にそれぞれ一致する（すなわち上に重なる）。図６Ａ及び図６Ｂは、タイプ１構造体１５１の天井部材４００を示し、図７Ａ及び図７Ｂは、タイプ２構造体１５２の天井部材４００を示している。天井部材４００の基本的な構造及び設計は、タイプ１構造体１５１及びタイプ２構造体１５２の双方について同じであり、構造体１５０全般に適用可能であり、本開示に従って製造された構造体１５０の天井部材４００に一般的に適用可能である。

天井部材４００の長さ及び幅は、設計上の好みに従って変更することができる。図１Ａ及び図２Ａに示すタイプ１構造体１５１の特定の実施形態において、天井部材４００（第１の長手方向縁部１０６及び第２の長手方向縁部１１６に沿った寸法）は、長さ（第１の長手方向天井縁部４０６及び第２の長手方向天井縁部４１６に沿った寸法）およそ３９フィート（１１．８９ｍ）、幅（第１の横方向天井縁部４０８及び第２の横方向天井縁部４１０に沿った寸法）およそ１９．５フィート（５．９４ｍ）である。図１Ｂ及び図２Ｂに示すタイプ２構造体１５２の特定の実施形態において、天井部材４００は、およそ１９平方フィート（５．７９ｍ）である。

後述するように、天井部材４００は、図４Ａ～図４Ｄに関して上述した多積層設計のうちの１つを利用することが好ましい。

天井部材４００の周辺には、一般的に、外縁部補強材が設けられる。図６Ｂにおけるタイプ１構造体１５１について示す天井部材４００の実施形態及び図７Ａにおけるタイプ２構造体１５２について示す天井部材４００の実施形態のための外縁部補強材として、第１の肩ビーム４３５が、天井部材４００の第１の長手方向天井縁部４０６に位置決めされ、第２の肩ビーム４３５（図７Ｂにおいて縁部が前に見える）が、天井部材４００の第２の横方向天井縁部４０８に位置決めされ、第３の肩ビーム４３５（図７Ｂにおいて縁部が前に見える）が、天井部材４００の第１の横方向天井外縁部４１０に位置決めされ、第４の肩ビーム４３５が、天井部材４００の第２の長手方向天井縁部４１６に位置決めされる（図６Ｂ参照）。天井部材４００の場合、発泡パネル材料の外縁部を保護することに加えて、肩ビーム４３５によって提供される外縁部補強材は、垂直荷重に抵抗し、このような荷重を、天井部材４００を支持する下に重なる壁部材２００を通して下部の床に伝達し、その後、完成した構造体１５０の基礎に伝達することを支援する。そのような外縁部補強材は、当接するエンクロージャー部材１５５（下に重なる部材、及び上に重なる任意の部材）の同様の領域を締結するための領域を提供することもできる。

天井部材４００の肩ビーム４３５によって提供される外縁部補強材は、積層ストランド材木ボード、木製ボード、Ｃ字チャネル押出アルミニウム又は鋼等のうちの１つ以上から製造することができる。他の形態では、後述するエンクロージャー部材の周辺構造部を、天井部材４００について上述したような外縁部補強材に加えて又はこれの代わりに採用することができる。

天井の区分化
タイプ１構造体１５１及びタイプ２構造体１５２はそれぞれ、天井部分４００ａ、４００ｂ及び４００ｃを含む。天井部分４００ａ、４００ｂ及び４００ｃのそれぞれは、略長方形の平面構造であり、図６Ａ及び図６Ｂによって例示されるように、天井部分４００ａは天井部分４００ｂに隣接し、天井部分４００ｂは天井部分４００ｃに隣接する。

天井部分４００ｃ
天井部分４００ｃは、概略的に、全ての天井部分４００ａ、４００ｂ及び４００ｃの構造を例示している。図６Ｃに示す天井部分４００ｃのセグメントを参照すると、天井部分４００ｃは、積層多層設計の第１実施形態（図４Ａに示す）又は第２実施形態（図４Ｂに示す）に係る積層多層設計を利用する。これに関して、天井部分４００ｃは、天井底面４０４と称される構造建築パネル２１１の第１の構造層２１０と、天井上面４０２と称される構造建築パネル２１６の第２の構造層２１５とを含む。天井面４０２と４０４との間には、天井発泡パネル４１４と称される発泡パネル２１４が存在する。天井部分４００ｃの内縁部４１２ｃは、図６Ｂ及び図７Ａに示すように、天井部分４００ｂの第１の内縁部４１２ｂに当接する。内縁部補強材については、補強ボード４３７が内縁部４１２ｃに隣接して位置決めされる。

天井部分４００ａ
天井部分４００ａは、例えば図６Ｂ及び図７Ａに示されている。天井部分４００ａは、天井部分４００ｃの設計及び構造の鏡像である。天井部分４００ａの内縁部４１２ａは、図６Ｂ及び図７Ａに示すように、天井部分４００ｂの第２の内縁部４１２ｂに当接する。内縁部補強材については、補強ボード４３７が内縁部４１２ａに隣接して位置決めされる。

天井部分４００ｂ
図６Ｂ及び図７Ａに示す天井部分４００ｂは、天井部分４００ａ及び４００ｃと設計及び構造が全般的に同じである。天井部分４００ｂの第１の内縁部４１２ｂは、天井部分４００ｃの内縁部４１２ｃに当接し、天井部分４００ｂの第２の内縁部４１２ｂは、天井部分４００ａの内縁部４１２ａに当接する。内縁部補強材については、補強ボード４３７が天井部分４００ｂの第１の内縁部４１２ｂに隣接して位置決めされ、補強ボード４３７が天井部分４００ｂの第２の内縁部４１２ｂに隣接して位置決めされる。

天井部材４００及びその構成要素は、概して、天井部材４００が受け得る特定の荷重に対応するように厚さ及びその他の点に関して寸法決定される。例えば図７Ａ及び図７Ｂに示すタイプ２構造体１５２の天井部材４００の特定の実施形態は、第２の多層設計実施形態（図４Ｂ参照）を利用することができ、ここで、第１の構造層２１０／天井底面４０４の構造建築パネル２１１について及び第２の構造層２１５／天井上面４０２の構造建築パネル２１６についても厚さ０．２５インチ（０．６３５ｃｍ）のＭｇＯボードであり、結合ストリップは厚さ０．２５インチ（０．６３５ｃｍ）のＭｇＯボードで幅６インチ（１５．２４ｃｍ）である。発泡パネル２１４／天井発泡パネル４１４は、厚さ７．９インチ（２０．０７ｃｍ）とすることができ、これにより、屋根部材４００が厚さおよそ８．４インチ（２１．３４ｃｍ）になる。１つ以上の肩ビーム４３５に対する垂直荷重の伝達を支援するための構造体１５０の特定の設計に適切なように、ジョイスト等の追加の構造部材を利用することができる。

図６Ｂに示すタイプ１構造体１５１を参照すると、天井部分４００ａは、短い壁部材２００ｂの第１の部分２００ｂ－１及び長い壁部材２００ａ－Ｒに対して適所に固定され、ヒンジ構造部を用いて長手方向内縁部４１２ａに沿って天井部分４００ｂの当接する長手方向内縁部４１２ｂに接合される。そのようなヒンジ構造部は、天井部分４００ｂが天井部分４００ａに対して平坦に置かれる折り畳み位置と、図６Ｂに示す完全に開展した位置との間に、天井部材４００の上部の近位に位置する、水平軸４０５ａの周りに弧の１８０度まで天井部分４００ｂが枢動することを可能にするように適合される。

さらに、天井部分４００ｂは、ヒンジ構造部を用いて、天井部分４００ｃの長手方向内縁部４１２ｃに当接する天井部分４００ｂの長手方向内縁部４１２ｂにおいて天井部分４００ｃに接合される。そのようなヒンジ構造部は、天井部分４００ｃが天井部分４００ｂに対して平坦に置かれる折り畳み位置（天井部分４００ｂが天井部分４００ａに対して平坦に置かれるとき）と、図６Ｂに示す完全に開展した位置との間に、天井部材４００の底部の近位に位置する、水平軸の周りに弧の１８０度まで天井部分４００ｃが枢動することを可能にするように適合される。

同様に、図７Ａに示すタイプ２構造体１５２を参照すると、天井部分４００ａは、第１の壁部分２００ｓ－１、第４の壁部分２００ｓ－４及び壁部材２００ｓ－Ｒに対して適所に固定される。タイプ２構造体１５２の天井部分４００ａ、４００ｂ及び４００ｃは、タイプ１構造体１５１に関連して上述したものと同じように、ヒンジ構造部を用いて接合される。

天井部分４００ａ、４００ｂ及び４００ｃを接合するヒンジ構造部は、表面実装型又は嵌め込み型とすることができ、一時的又は永久的なものとすることができる。適切なヒンジ構造部は、例えば、金属、プラスチック、皮革、鉄系材料又は非鉄系材料から製造することができる。天井部分４００ａ、４００ｂ及び４００ｃの補強ボード４３７によって提供される内縁部補強材は、発泡パネル材料の縁部を保護することに加えて、ヒンジ構造部を実装するための構造を提供することができる。補強ボード４３７は、積層ストランド材木ボード、木製ボード、Ｃ字チャネル押出アルミニウム又は鋼等のうちの１つ以上から製造することができる。

適切なヒンジ構造部及びその関連する部材は図９に示されており、図９は、天井部分４００ｂ及び４００ｃを接合する例示的なヒンジ構造部を示している。特に、複数のダブルヒンジ４１３が、水平軸４０５ｂに沿って並んで配置される。ダブルヒンジは、隣接する天井部分間の介在物のクリンプ（interference crimping）を引き起こすことなく、弧の１８０度まで枢動する能力を保持しながら、ヒンジが表面の下に嵌め込まれるようにすることが好ましい。これらのダブルヒンジは、２つの単一のヒンジを、そのそれぞれのリーフのうちの１つにそれぞれ沿って、当接関係においてともに位置決めし、両ヒンジを溶接して１つのダブルヒンジ４１３を作ることによって製造することができる。

図９に示すように、ダブルヒンジ４１３のフリーリーフのそれぞれは、それぞれ補強ボード４３７に固定される。各補強ボード４３７は、図９に示すように、Ｃ字チャネルトラック３０８（冷間成形鋼から製造される）のウェブの外部に接して位置決めされ、Ｃ字チャネルトラック３０８のそれぞれは、屋根部分４００ｂ及び４００ｃのそれぞれの当接する縁部に固定される。同じヒンジ構造部は、天井部分４００ａ及び４００ｂをともに固定するために利用することができるが、天井部分４００ｂ及４００ｃが図３Ａ及び図３Ｂに示すような蛇腹パターンに折り畳まれることを可能にするために、１８０度回転して水平軸４０５ａに沿って並んで配置されるように変位することができる。

ヒンジ構造部を備える後述するエンクロージャー部材の周辺構造部は、図７Ｂに示すヒンジ構造部に対する更なる他の形態、具体的には、図１４Ａ～図１４Ｆに示す第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８を提供する。このようなエンクロージャー部材の周辺構造部を、天井部分４００ａ、４００ｂ及び４００ｃの補強ボード４３７によって提供される内縁部補強材に加えて又はこれの代わりに採用することができる。

ユーティリティサービスシステム及び天井チェイス
天井部材４００には、ユーティリティ配管（例えば、電力、照明制御、ＨＶＡＣ、ＨＶＡＣ制御、セキュリティシステム等のためのものであり、これには、煙センサー又は熱センサーに通電しこれらと通信することが含まれる）の配線を容易にするために、ユーティリティサービスシステム４６０を設けることができ、ユーティリティサービスシステム４６０は、閉ループ形態の１つ以上の嵌め込まれた通路であり、天井部分４００ａ、４００ｂ及び４００ｃに含まれる肩ビーム４３５の近位にある天井部材４００の周辺全体の周りに位置する。図６Ａ及び図６Ｂは、ユーティリティサービスシステム４６０の１つの実施形態（これらの図では４６１と称される）を示し、図７Ａ及び図７Ｂは、ユーティリティサービスシステム４６０の別の実施形態（これらの図では４６２と称される）を示している。同じ目的で、天井部材４００には、天井チェイス４４０も設けることができ、天井チェイス４４０は、天井部分４００ａ、４００ｂ及び４００ｃにおける複数の細長い離隔した円筒形通路である。ユーティリティサービスシステム４６０は、天井チェイス４４０及び壁チェイス２１９の双方と連通するように適合される。天井部材４００のユーティリティサービスシステム４６０及び天井チェイス４４０に関する更なる詳細は、本願と同じ発明者で同日出願された「Foldable Building Structures with Utility Channels and Laminate Enclosures」という発明の名称の米国非仮特許出願第１６／７８６，１３０号に記載されている。本願と同じ発明者で同日出願された「Foldable Building Structures with Utility Channels and Laminate Enclosures」という発明の名称の米国非仮特許出願第１６／７８６，１３０号の内容、具体的には、ユーティリティサービスシステム４６０及び天井チェイス４４０に関する詳細、例えば段落０１０２～段落０１２０及び図６Ａ～図７Ｅに見受けられる詳細は、引用することにより完全に記載されているものとして本明細書の一部をなす。

床部材（３００）
通常、完成した構造体１５０は、１つの床部材３００を利用する。したがって、床部材３００は、一般的に、完成した構造体１５０の床全体である。床部材３００は、概ね長方形の周辺を有する。図６Ａ及び図６Ｂ並びに図７Ａ及び図７Ｂが、本発明に係る床部材３００を示している。床部材３００の周辺は、第１の長手方向床縁部１１７、第１の横方向床縁部１２０、第２の長手方向床縁部１１９、及び第２の横方向床縁部１１８によって画定される。特に、（ａ）第１の長手方向床縁部１１７、（ｂ）第１の横方向床縁部１２０、（ｃ）第２の長手方向床縁部１１９、及び（ｄ）第２の横方向床縁部１１８は、一般的に、完成した構造体１５０の（ｗ）第１の長手方向縁部１０６、（ｘ）第１の横方向縁部１０８、（ｙ）第２の長手方向縁部１１６、及び（ｚ）第２の横方向縁部１１０にそれぞれ一致する（すなわち下に重なる）。図６Ａ及び図６Ｂは、タイプ１構造体１５１の床部材３００を示し、図７Ａ及び図７Ｂは、タイプ２構造体１５２の床部材３００を示している。床部材３００の基本的な構造は、タイプ１構造体１５１及びタイプ２構造体１５２の双方について同じであり、本開示に従って製造された構造体１５０の床部材３００に一般的に適用可能である。

床部材３００の長さ及び幅は、設計上の好みに従って変更することができる。壁部材２００ａ、２００ｂが垂直に方向付けられた図１Ａ及び図２Ａに示すタイプ１構造体１５１の特定の実施形態において、天井部材３００の長さ及び幅は、当該タイプ１構造体１５１の天井部材４００の長さ及び幅と同程度である。同様に、壁部材２００ｓが垂直に方向付けられた図１Ｂ及び図２Ｂに示すタイプ２構造体１５２の特定の実施形態において、天井部材３００の長さ及び幅は、当該タイプ２構造体１５２の天井部材４００の長さ及び幅と同程度である。

後述するように、床部材３００は、図４Ａ～図４Ｄに関して上述した多積層設計のうちの１つを利用することが好ましい。

各床部材３００の周辺には、一般的に、外縁部補強材が設けられる。図７Ａ及び図７Ｂに示す床部材３００の実施形態のための外縁部補強材として、第１の基礎ビーム３２０（図７Ａにおいて縁部が前に見える）が、床部材３００の第１の長手方向床縁部１１７に位置決めされ、第２の基礎ビーム３２０（図７Ｂにおいて縁部が前に見える）が、床部材３００の第２の横方向床縁部１１８に位置決めされ、第３の基礎ビーム３２０（図７Ｂにおいて縁部が前に見える）が、床部材３００の第１の横方向床縁部１２０に位置決めされ、第４の基礎ビーム３２０が、床部材３００の第２の長手方向床縁部１１９に位置決めされる（図７Ａにおいて縁部が前に見える）。床部材３００の場合、基礎ビーム３２０によって提供される縁部補強材は、発泡パネル材料の縁部を保護することに加えて、垂直荷重に抵抗し、このような荷重を、その下の任意の天井部材４００に伝達し、その後、下に重なる壁部材２００に及び／又は完成した構造体１５０の基礎に伝達することを支援する。

床部材３００の基礎ビーム４２０によって提供される外縁部補強材は、積層ストランド材木ボード、木製ボード、Ｃ字チャネル押出アルミニウム又は鋼等のうちの１つ以上から製造することができる。他の形態では、後述するエンクロージャー部材の周辺構造部を、床部材３００について上述したタイプの外縁部補強材に加えて又はこれの代わりに採用することができる。

床の区分化
タイプ１構造体１５１及びタイプ２構造体１５２における床部材３００は、床部分３００ａ及び床部分３００ｂを含む。床部分３００ａ及び３００ｂのそれぞれは、概ね長方形の平面構造であり、図６Ａ、図６Ｂ及び図７Ａによって例示されるように、床部分３００ａは床部分３００ｂに隣接する。

床部分３００ａ。図６Ａ、図６Ｂ及び図７Ａに示す床部分３００ａは、床部分３００ａ及び３００ｂの構造を全般的に例示しており、図示のように、一般的に、積層多層設計の第１実施形態（図４Ａに示す）又は第２実施形態（図４Ｂに示す）に係る積層多層設計を利用する。これに関して、床部分３００ａは、床底面３０４と称される構造建築パネル２１１の第１の構造層２１０と、床上面３０２と称される構造建築パネル２１６の第２の構造層２１５とを含む。床面３０２と３０４との間には、床発泡パネル３１４と称される発泡パネル２１４が存在する。床部分３００ａの内縁部３０１ａは、図７Ａに示すように、床部分３００ｂの内縁部３０１ｂに当接する。内縁部補強材としては、補強ボード３０７が内縁部３０１ａに隣接して位置決めされる。

床部分３００ｂ
床部分３００ｂは図６Ａ、図６Ｂ及び図７Ａに示されている。床部分３００ｂは、床部分３００ａと設計及び構造が全般的に同じである。床部分３００ｂの内縁部３０１ｂは、図７Ａに示すように、床部分３００ａの内縁部３０１ａに当接する。内縁部補強材としては、補強ボード３０７が内縁部３０１ｂに隣接して位置決めされる。

床部材３００及びその構成要素は、一般的に、床部材３００が受け得る特定の荷重に対応するように厚さ及びその他の点に関して寸法決定される。例えば図７Ａ及び図７Ｂに示すタイプ２構造体１５２の床部材３００の特定の実施形態は、第２の多層設計実施形態（図４Ｂ参照）を利用することができ、ここで、第１の構造層２１０／床底面３０４の構造建築パネル２１１について厚さ０．２５インチ（０．６３５ｃｍ）のＭｇＯボードであり、第２の構造層２１５／床上面３０２の構造建築パネル２１６について厚さ０．５インチ（１．２７ｃｍ）のＭｇＯボードである。これに対応して、この特定の実施形態において、厚さ０．２５インチ（０．６３５ｃｍ）のＭｇＯボードで幅６インチ（１５．２４ｃｍ）の結合ストリップは、第１の構造層２１０／床底面３０４の構造建築パネル２１１をともに接合するために使用され、厚さ０．５インチ（１．２７ｃｍ）のＭｇＯボードで幅６インチ（１５．２４ｃｍ）の結合ストリップは、第２の構造層２１５／床上面３０２の構造建築パネル２１６をともに接合するために使用される。発泡パネル２１４／床発泡パネル３１４は、厚さ１１．２５インチ（２８．５７５ｃｍ）とすることができ、これにより、床部材３００が厚さおよそ１２インチ（３０．４８ｃｍ）になる。

床部材３００を含む床部分３００ｂは、折り畳むことでコンパクトな出荷モジュールの形成を容易にすることができる。タイプ１構造体１５１及びタイプ２構造体１５２はそれぞれ、そのような床部分を備える。

図６Ｂに示すタイプ１構造体１５１を参照すると、床部分３００ａは、短い壁部材２００ｂの第１の壁部分２００ｂ－１及び長い壁部材２００ａ－Ｒに対して適所に固定され、床部分３００ｂが図３Ａに示すようにほぼ垂直に方向付けられる折り畳み位置と、図６Ａ及び図６Ｂに示す完全に開展した位置との間に、床上面３０２の近位に位置する、水平軸３０５の周りに弧のおよそ９０度まで床部分３００ｂが枢動することを可能にするために、ヒンジ構造部を用いて床部分３００ｂに接合される。

同様に、図７Ａに示すタイプ２構造体１５２を参照すると、床部分３００ａは、第１の壁部分２００ｓ－１、第４の壁部分２００ｓ－４及び壁部材２００ｓ－Ｒに対して適所に固定される。床部分３００ａは、タイプ１構造体１５１に関連して上述したものと同じように、ヒンジ構造部を用いて床部分３００ｂに接合される。

床部分３００ａ及び３００ｂを接合するヒンジ構造部は、表面実装型又は嵌め込み型とすることができ、一時的又は永久的なものとすることができる。適切なヒンジ構造部は、例えば、金属、プラスチック、皮革、鉄系材料又は非鉄系材料から製造することができる。適切なヒンジ構造部及びその関連する部材の一例が図８に示されている。特に、図８において縁部が前に示されているように、例えば、幅およそ３インチ（７．６２ｃｍ）×長さおよそ６インチ（１５．２４ｃｍ）の複数の鋼ヒンジ３０６が、水平軸３０５に沿って並んで配置される。このようなヒンジは、米国ジョージア州ダグラスビル所在のMcMaster-Carrから市販されている。床部分３００ａ及び３００ｂを接合するヒンジ構造部はダブルヒンジである必要はない。なぜなら、このヒンジ構造部は、弧のおよそ９０度しか枢動する必要がなく、したがって、介在物のクリンプの可能性が、天井部材４００の天井部分に関するものよりも少ないからである。

図８に示すように、ヒンジ３０６の対向するリーフはそれぞれ、内縁部３０１ａ及び３０１ｂのそれぞれに設けられる、内縁部補強材である補強ボード３０７に固定される。図８における補強ボード３０７は、積層ストランド材木から作製される。各補強ボード３０７は、Ｃ字チャネルトラック３０８（冷間成形鋼から製造される）のウェブの外部に接して位置決めされ、Ｃ字チャネルトラック３０８のそれぞれは、図８に示すように、床部分３００ａ及び３００ｂのそれぞれの当接する縁部に固定される。

ヒンジ構造部を備える後述するエンクロージャー部材の周辺構造部は、床部分３００ａ及び３００ｂを接合する図８に示すヒンジ構造部に対する更なる代替案、具体的には、図１３Ａ～図１３Ｆに示す第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８を提供する。このようなエンクロージャー部材の周辺構造部を、上述したように、内縁部補強材に加えて又はこれの代わりに利用することができる。

ベースボード及び周辺ボード
床部材３００又はその部分の外縁部、例えば、完成した構造体１５０の第１の長手方向縁部１０６に沿って位置する床部分３００ｂの外縁部には、ベースボード３１０を設けることができる。例えば図３Ａに示すタイプ１構造体１５１において、ベースボード３１０は、床部分３００ｂの外縁部に固定された状態で、縁部が前に示されている。ベースボード３１０が床部材３００の周辺の周りに延在する箇所を周辺ボード３１２と呼ぶ。例えば図１Ｂ及び図３Ｂに示すタイプ２構造体１５２は、周辺ボード３１２を利用する。ベースボード３１０（周辺ボード３１２を含む）の垂直寸法（高さ）は、床部材３００の厚さよりも大きいことが好ましい。

床チェイス
必要に応じて、床部材３００における床発泡パネル３１４には、ユーティリティ配管（例えば、電力、照明制御、ＨＶＡＣ、ＨＶＡＣ制御、セキュリティシステム等のためのものであり、これには、煙センサー又は熱センサーに通電しこれらと通信することが含まれる）の配線を容易にするために、床チェイス３１９を設けることができ、床チェイス３１９は、床部分３００ａ及び３００ｂにおける複数の細長い離隔した円筒形通路である。このような床チェイス３１９は、壁チェイス２１９（図７Ａ及び図７Ｂ参照）と連通するように適合される。床部材３００の床チェイス３１９に関する更なる詳細は、本願と同じ発明者で同日に出願された「Foldable Building Structures with Utility Channels and Laminate Enclosures」という発明の名称の米国非仮特許出願第１６／７８６，１３０号に記載されている。本願と同じ発明者で同日に出願された「Foldable Building Structures with Utility Channels and Laminate Enclosures」という発明の名称の米国非仮特許出願第１６／７８６，１３０号の内容、具体的には、床チェイス３１９に関する詳細、例えば段落０１３７～段落０１４１及び図７Ｆに示される詳細は、引用することにより完全に記載されているものとして本明細書の一部をなす。

エンクロージャー部材の周辺構造部
各エンクロージャー部材１５５（壁部材２００、床部材３００、天井部材４００）の周辺（外縁部）、及び区分化されたエンクロージャー部材１５５の任意の内縁部は、エンクロージャー部材の周辺構造部によって接着されることが好ましい。利用されるエンクロージャー部材の周辺構造部は、より詳細に後述するように、特定の状況及び好みに応じて変更することができる。

シール層
例えば押出ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）から作製されるシールガスケットストリップ又は層を、必要に応じて、エンクロージャー部材１５５の選択された縁部、例えば、壁部材２００から床板２２０、端部片２７０及び天井板２４０までの周辺の周りに望む通りに接着することができる。ガスケットストリップ又は層は、ストリップ又は層の中央の近位に位置するとともにストリップ又は層の長さに沿って方向付けられ、かつストリップ又は層材料よりも低いデュロメーター硬度を有する１つ又は複数のシールビード又は隆起部とともに共押出することができる。このようなシールストリップ又は層は、これが固定されるエンクロージャー部材１５５の縁部への水の浸入及びその縁部の環境曝露に対するシール機能を果たす。

自立エンドキャップ（２２１）
図１０において縁部を前にして輪郭が示される自立エンドキャップ２２１は、概略的に長さ「Ｌ」のＣ字チャネル形状を有し、Ｌはほぼ、自立エンドキャップ２２１が固定される平面エンクロージャー部材１５５の縁部の長さである。自立エンドキャップ２２１は、Ｃ字チャネルを画定するために、細長いウェブ表面２２３によって接合された２つの離隔した細長いフランジ表面２２２を有する。自立エンドキャップ２２１のＣ字チャネルの特定の輪郭は、意図した用途に対して適切なように厚さ変動、隆起部及び／又は溝を有するように望む通りに変更することができる。

発泡パネル等の充填材料によって分離される２つの構造層を備える平面エンクロージャー部材１５５に自立エンドキャップ２２１を固定する場合、フランジ表面２２２は、自立エンドキャップ２２１が位置決め及び固定される平面エンクロージャー部材１５５の発泡パネルの厚さにほぼ等しい距離で離隔される。自立エンドキャップ２２１は、耐衝撃材料、例えば、押出成形され、その後、自立エンドキャップ２２１を形成するように長さＬのセクションに切り分けられた高いデュロメーター硬度を有するポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）から作製されることが好ましい。

自立エンドキャップ２２１は、建築現場への出荷前に工場又は作業場においてエンクロージャー部材１５５を製造する最中に、１つ以上のエンクロージャー部材１５５の所望の縁部ロケーションに固定されることが好ましい。例えば、発泡パネルによって分離される２つの構造層を平面エンクロージャー部材１５５が備える場合、エンクロージャー部材１５５の該当する縁部の長さにほぼ等しい長さＬを有する自立エンドキャップ２２１は、ウェブ表面２２３が発泡パネルの縁部に当接するか又はこれのすぐ近位になるように、発泡パネルの縁部にわたって位置決めされる。その後、２つの構造層は、フランジ表面２２２の大部分に重なるように発泡パネルにわたって位置決めされ、ここで、各フランジ表面２２２の外面上に位置決めされた位置決め隆起部２２９は、構造層の適切なオーバーラップ及び位置合わせを支援する。自立エンドキャップ２２１は、例えば、自立エンドキャップ２２１とエンクロージャー部材１５５とのオーバーラップ領域間に接着剤を塗布することによって適所に固定することもでき、ねじ若しくは釘締結具等の締結具を、フランジ表面２２２のうちの１つ以上及びウェブ表面２２３の長さに沿って離隔し、エンクロージャー部材１５５内に打ち込むことによって適所に固定することもでき、上述した任意の方法で接着剤及び締結具の組み合わせを利用することによって適所に固定することもでき、又はそれ以外の方法で適所に固定することもできる。自立エンドキャップ２２１は、これが固定されるエンクロージャー部材１５５の縁部への水の浸入及びその縁部の環境曝露に対するシール機能を果たす。

補強エンドキャップ（２２４）
自立エンドキャップ２２１が固定される平面エンクロージャー部材１５５の縁部には、前述したように、積層ストランド材木ボード、木材、Ｃ字チャネル押出アルミニウム又は鋼等のうちの１つ以上から製造されるとともに、エンクロージャー部材１５５の外縁部に固定される外縁部補強材を設けることができる。他の形態では、自立エンドキャップ２２１が固定される平面エンクロージャー部材１５５の縁部は、適切な状況では、そのような外縁部補強材を設けなくとも、発泡パネル２１４で終端することができる。

更に他の形態として、外縁部補強材をエンドキャップに統合することで、シール機能と縁部補強機能とを併合することが可能である。図１１を参照すると、自立エンドキャップ２２１の代わりに使用される補強エンドキャップ２２４の輪郭が、縁部を前にして示されている。補強エンドキャップ２２４は、概略的に長さ「Ｌ」のＣ字チャネル形状を有し、Ｌはほぼ、自立エンドキャップ２２１が固定される平面エンクロージャー部材１５５の縁部の長さである。補強エンドキャップ２２４は、Ｃ字チャネルを画定するために、細長いウェブ表面２２６によって接合された２つの離隔した細長いフランジ表面２２５を有する。発泡パネル等の充填材料によって分離される２つの構造層を備える平面エンクロージャー部材１５５に補強エンドキャップ２２４を固定する場合、フランジ表面２２５は、補強エンドキャップ２２４が位置決め及び固定される平面エンクロージャー部材１５５の発泡パネルの厚さにほぼ等しい距離で離隔される。自立エンドキャップ２２１のときと同様、補強エンドキャップ２２４のＣ字チャネルの特定の輪郭は、意図した用途に対して適切なように厚さ変動、隆起部及び／又は溝を有するように望む通りに変更することができる。

補強エンドキャップ２２４は、更なる構造的な剛性を付与するために、図１１において縁部を前にして輪郭が示されている補強チャネル２２８を備える。特に、補強チャネル２２８は、概ね長方形の断面構成を有する、四辺の密閉空間であり、ウェブ表面２２６から離隔される空洞壁２２７によって画定され、空洞壁２２７は、ウェブ表面２２６に対して概ね平行に方向付けられ、フランジ表面２２５間の距離に広がる。

より更なる構造補強材が望ましい場合、充填補強材を補強チャネル２２８内に挿入するか又は補強チャネル２２８において形成することができる。充填補強材としては、長方形若しくは他の適切な形状の積層ストランド材木ボード、木材、アルミニウム若しくは鋼インサート若しくはスリーブ、又は発泡フォーム、コンクリート若しくは更には鉄筋コンクリート又は他の材料を挙げることができる。充填補強材の更なる例として、エンクロージャー部材１５５の製造の副製品であり得るスクラップフォーム及び／又はスクラップＭｇＯボードを、インサート又はスリーブとして機能するように適切なサイズに更に切断することもでき、又は、寸断してエポキシ接着剤とともに混合し、スラリーを形成することもでき、スラリーは、その後、補強チャネル２２８内に注入される。この材料を乾燥させると、互いに対して適所にエンクロージャー部材を固定するために使用される締結具を保持するための適切な媒体が提供される。

概して、補強チャネル２２８の使用により、上述した更なる充填補強材の有無を問わず、外縁部補強材を位置決めし、補強エンドキャップ２２４が固定される平面エンクロージャー部材１５５の縁部に固定する必要性を低減又は抹消することができる。

補強エンドキャップ２２４は、耐衝撃材料、例えば、押出成形され、その後、補強エンドキャップ２２４を形成するように長さＬのセクションに切り分けられた高いデュロメーター硬度を有するポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）から作製されることが好ましい。

補強エンドキャップ２２４は、建築現場への出荷前に工場又は作業場においてエンクロージャー部材１５５を製造する最中に、１つ以上のエンクロージャー部材１５５の所望の縁部ロケーションに固定されることが好ましい。例えば、発泡パネルによって分離される２つの構造層を平面エンクロージャー部材１５５が備える場合、エンクロージャー部材１５５の該当する縁部の長さにほぼ等しい長さＬを有する補強エンドキャップ２２４は、空洞壁２２７が発泡パネルの縁部に当接するか又はこれのすぐ近位になるように、発泡パネルの縁部にわたって位置決めされる。その後、２つの構造層は、フランジ表面２２５の大部分に重なるように発泡パネルにわたって位置決めされ、ここで、各フランジ表面２２５の外面上に位置決めされた位置決め隆起部２２９は、構造層の適切なオーバーラップ及び位置合わせを支援する。補強エンドキャップ２２４は、例えば、補強エンドキャップ２２４とエンクロージャー部材１５５とのオーバーラップ領域間に接着剤を塗布することによって適所に固定することもでき、ねじ若しくは釘締結具等の締結具を、フランジ表面２２５のうちの１つ以上の長さに沿って離隔し、エンクロージャー部材１５５内に打ち込むことによって適所に固定することもでき、上述した任意の方法で接着剤及び締結具の組み合わせを利用することによって適所に固定することもでき、又はそれ以外の方法で適所に固定することもできる。上記に示したように、補強エンドキャップ２２４は、縁部補強機能と、補強エンドキャップ２２４が固定されるエンクロージャー部材１５５の縁部への水の浸入及びその縁部の環境曝露に対するシール機能との双方を果たす。

補強エンドキャップ２２４に関連して詳細に説明したが、後述する他のエンクロージャー部材の周辺構造部（当接エンドキャップ２３５、第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８、第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８、さねはぎヒンジ式構造部２４２）も、同様の補強構造部（充填補強材の有無を問わず）、すなわち、細長いウェブから離隔される空洞壁を利用することができ、空洞壁は、ウェブに対して概ね平行に方向付けられ、関連する細長いフランジ間の距離に広がり、概ね閉じた長方形の断面構成を有する補強チャネルを画定する。

当接エンドキャップ（２３５）
図１２において縁部を前にして輪郭が示される当接エンドキャップ２３５は、概略的に、長さ「Ｌ」のＣ字チャネル形状を有し、Ｌは、エンドキャップ２３５が固定されるエンクロージャー部材１５５の縁部の長さである。当接エンドキャップ２３５は、２つの離隔した細長いフランジ表面２３６及び細長いウェブ表面２３７を有し、これらの表面が、概略的にＣ字チャネルを画定する。当接エンドキャップ２３５のＣ字チャネルの特定の輪郭は、意図した用途に対して適切なように厚さ変動、隆起部及び／又は溝を有するように望む通りに変更することができる。発泡パネルによって分離される２つの構造層を備える平面エンクロージャー部材１５５に当接エンドキャップ２３５を固定する場合、フランジ表面２３６は、当接エンドキャップ２３５が位置決め及び固定される平面エンクロージャー部材１５５の発泡パネルの厚さにほぼ等しい距離で離隔される。当接エンドキャップ２３５は、耐衝撃材料、例えば、押出成形され、その後、当接エンドキャップ２３５を形成するように長さＬのセクションに切り分けられた高いデュロメーター硬度を有するポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）から作製されることが好ましい。

当接エンドキャップ２３５のウェブ表面２３７は、フランジ表面２３６のそれぞれに直接接合されない。むしろ、図１２に示す傾斜した締結棚２３９が、各フランジ表面２３６とウェブ表面２３７との間に介在する。締結棚２３９により、釘又はねじ締結具等の複数の離隔された締結具は、当接エンドキャップ２３５を通して、ウェブ表面２３７に当接し得る平面エンクロージャー部材１５５内へと下に打ち込まれ、これにより、当接エンドキャップ２３５を平面エンクロージャー部材１５５に締結することが可能になる。締結棚２３９の近位にある各フランジ表面２３６の領域は、締結棚２３９へのアクセスを提供すると同時に、完全に平面のフランジ表面２３６から外向きに締結棚２３９を位置決めする状況と比較して、ウェブ表面２３７にわたる幅を短くし、これにより当接エンドキャップ２３５の設置面積を縮小するために、図１２に示すような選択された角度で互いに向かって内向きに傾けられる。締結棚２３９の近位にある各フランジ表面２３６の領域は、締結棚２３９が近位にあるフランジ表面２３６の平面からおよそ３０度互いに向かって内向きに傾けられること、及び、各締結棚２３９は、締結棚２３９が近位にあるフランジ表面の平面からおよそ６０度傾けられることが好ましい。

当接エンドキャップ２３５は、これが固定されるエンクロージャー部材１５５の縁部への水の浸入及びその縁部の環境曝露に対するシール機能を果たす。加えて、当接エンドキャップ２３５は、当接するエンクロージャー部材１５５との境界にわたる水の浸入に対するシール機能も提供することができる。したがって、図１２に示すように、ウェブ表面２３７の外面には、ウェブ当接エンドキャップ２３５と当接する平面エンクロージャー部材との間に耐水シールを形成するために、シールビード２３４を収納する複数の収納スロット２４１を設けることができる。他の実施形態において、シールビードは、収納スロット２４１のロケーションに近似するロケーションにおいて当接エンドキャップ２３５とともに共押出される。

当接エンドキャップ２３５は、建築現場への出荷前に工場又は作業場においてエンクロージャー部材（複数の場合もある）１５５を製造する最中に、１つ以上のエンクロージャー部材１５５の所望の縁部ロケーションに固定されることが好ましい。例えば、発泡パネルによって分離される２つの構造層を平面エンクロージャー部材１５５が備える場合、エンクロージャー部材１５５の該当する縁部の長さにほぼ等しい長さ「Ｌ」を有する当接エンドキャップ２３５は、ウェブ表面２３７が発泡パネルの縁部に当接するか又はこれのすぐ近位になるように、発泡パネルの縁部にわたって位置決めされる。その後、２つの構造層は、フランジ表面２３６の大部分に重なるように発泡パネルにわたって位置決めされる。図１２に示すように、位置決め隆起部２２９は、各フランジ表面２３６の外面上に位置決めされ、構造層の適切なオーバーラップ及び位置合わせを支援する。当接エンドキャップ２３５は、エンクロージャー部材１５５に、例えば、当接エンドキャップ２３５とエンクロージャー部材１５５とのオーバーラップ領域間に接着剤を塗布することによって固定することもでき、ねじ若しくは釘締結具等の締結具を、フランジ表面２３６のうちの１つ以上及びウェブ表面２３７の長さに沿って離隔し、エンクロージャー部材１５５内に打ち込むことによって固定することもでき、上述した任意の方法で接着剤及び締結具の組み合わせを利用することによって固定することもでき、又はそれ以外の方法で固定することもできる。

第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８
第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８が、図１３Ａ～図１３Ｆに示されている。第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８は、２つの隣接するエンクロージャー部材１５５、又はエンクロージャー部材１５５の２つの隣接する部分を、一方が他方に対して弧の少なくとも９０度まで枢動することができるように、枢動可能に取り付ける手段を提供する。第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８は、これが固定される２つの隣接するエンクロージャー部材１５５、又はエンクロージャー部材１５５の２つの隣接する部分の縁部への水の浸入及びその縁部の環境曝露に対するシール機能も提供することができ、それらの２つの縁部間の境界にわたる水の浸入を防止するシール機能を提供することができる。

第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８は、長さ「Ｌ」の第１の細長い周辺セクション２５９と、同様に長さ「Ｌ」の第２の細長い周辺セクション２６３とを有する。ここで、Ｌは、第１の周辺セクション２５９及び第２の周辺セクション２６３が、これらのセクションをともに枢動可能に接合するためにそれぞれ固定されるエンクロージャー部材１５５の縁部のそれぞれの長さである。

特に、図１３Ａは、第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８の第１の周辺セクション２５９の輪郭を、縁部を前にして示している。第１の周辺セクション２５９は、２つの離隔した細長いフランジ表面２６０及び細長いウェブ表面２６１によって画定される。フランジ表面２６０のうちの一方であるフランジ表面２６０ａは、第１の接合部においてウェブ表面２６１に接合され、フランジ表面２６０のうちの他方であるフランジ表面２６０ｂは、第２の接合部においてウェブ表面２６１に接合される。発泡パネルによって分離される２つの構造層を備える平面エンクロージャー部材１５５に第１の周辺セクション２５９が固定される場合、ウェブ表面２６１の幅（フランジ表面２６０ａと２６０ｂとを分離する距離）は、以下に更に詳述するように、第１の周辺セクション２５９が固定されるエンクロージャー部材１５５の発泡パネルの厚さよりも幾分大きい。第１の周辺セクション２５９は、断面がほぼＣ字のチャネルを形成する。

第１の周辺セクション２５９と同様に、第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８の第２の周辺セクション２６３（図１３Ａにおいて縁部を前にして輪郭が示されている）は、２つの離隔した細長いフランジ表面２６４及び細長いウェブ表面２６５によって画定される。フランジ表面２６４のうちの一方であるフランジ表面２６４ａは、第３の接合部においてウェブ表面２６５に接合され、フランジ表面２６４のうちの他方であるフランジ表面２６４ｂは、第４の接合部においてウェブ表面２６５に接合される。発泡パネルによって分離される２つの構造層を備える平面エンクロージャー部材１５５に第２の周辺セクション２６３が固定される場合、ウェブ表面２６５の幅（フランジ表面２６４ａと２６４ｂとを分離する距離）は、以下に更に詳述するように、第２の周辺セクション２６３が固定されるエンクロージャー部材１５５の発泡パネルの厚さよりも幾分大きい。第２の周辺セクション２６３は、断面がほぼＣ字のチャネルを形成する。第１の周辺セクション２５９及び第２の周辺セクション２６３はそれぞれ、ほぼ同じ形状及び寸法を有することが好ましい。

図１３Ａ～図１３Ｆに示すように、第１の周辺セクション２５９は、フランジ表面２６０ａとウェブ表面２６１との第１の接合部の近位に、長さＬの第１の一連のヒンジナックル２６７ａと、フランジ表面２６０ｂとウェブ表面２６１との第２の接合部の近位に、長さＬの第２の一連のヒンジナックル２６７ｂとを有する。ヒンジナックル２６７ａ及び２６７ｂの幾何学形状は互いに同じであることが好ましい。同様に、第２の周辺セクション２６３は、フランジ表面２６４ａとウェブ表面２６５との第３の接合部の近位に、第１の一連のヒンジナックル２６６ａと、フランジ表面２６４ｂとウェブ表面２６５との第４の接合部の近位に、第２の一連のヒンジナックル２６６ｂとを有する。ヒンジナックル２６６ａ及び２６６ｂの幾何学形状は互いに同じであり、ヒンジナックル２６７ａ及び２６７ｂとも同じであることが好ましい。第１の周辺セクション２５９のヒンジナックル２６７ａ及び２６７ｂがそれぞれ長さＤであり、同じ距離Ｄで離隔されることが特に好ましく、第２の周辺セクション２６３のヒンジナックル２６６ａ及び２６６ｂも同様にそれぞれ長さＤであり、同じ距離Ｄで離隔されることが特に好ましい。図１３Ｄは、長さＬを有する第２の周辺セクション２６３のヒンジナックル配置を示している。この図に示すように、ヒンジナックル２６７ａのそれぞれは、それぞれのヒンジナックル２６７ｂの上にある関係にあり（垂直に位置合わせされている）、ヒンジナックル２６７ａの隣接するペア（隣接する対）の間の間隔のそれぞれは、ヒンジナックル２６７ｂの隣接するペアの間のそれぞれの間隔の上にあるという関係にある（垂直に位置合わせされている）。

図１３Ｂ及び図１３Ｅに示すように、ヒンジナックル２６７ａ及び２６６ａは、第１の周辺セクション２５９と第２の周辺セクション２６３との間に枢動可能な接合部を形成するために、噛み合い、合計長さＬの第１の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３によって接合される。この枢動可能な接合部により、第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８は、図１３Ｃ及び図１３Ｆに示すように、完全に開いた（開展）位置まで、弧の少なくとも９０度回転することが可能になる。ヒンジナックル２６６ｂ及び２６７ｂは、第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８が完全に開いたときにヒンジナックル２６６ｂ及び２６７ｂが噛み合うように位置決めされる。そのように噛み合うと、合計長さＬの第２の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３は、図１３Ｅ及び図１３Ｆに示すように、第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８を完全に開いた位置において係止するように、ヒンジナックル２６７ｂ及び２６６ｂに通すことができる。

第１の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３は、鋼ロッド２３３が、より良好に引張荷重に抵抗する単一の連続したロッドとして機能するように、端部同士をねじ接続によって接合されることが好ましい。同様に、第２の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３が同様の方法で接合されることが好ましい。第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８の１つの実施形態において、第１の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３及び第２の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３は、およそ０．６２５インチ（１．５８７５ｃｍ）の直径を有する。

第１の周辺セクション２５９及び第２の周辺セクション２６３の設計は、図１３Ｃ及び図１３Ｆに示すように、第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８が完全に開いたときに、ウェブ表面２６１及び２６５が接触するようになっている。この接触関係は、構造体のウェザーシールを支援する。この目的を推進するために、例えば図１３Ａに示すように、ウェブ表面２６１及び２６５のそれぞれの外面には、ウェブ表面間に耐水シールを形成するために、シールビード（図示せず）を収納する複数の収納スロット２４１を設けることができる。他の実施形態において、シールビードは、収納スロット２４１のロケーションに近似するロケーションにおいて周辺セクション自体とともに同時に共押出することができる。一般的に、第１の周辺セクション２５９及び第２の周辺セクション２６３のＣ字チャネルの特定の輪郭は、意図した用途に対して適切なように厚さ変動、隆起部及び／又は溝を有するように望む通りに変更することができる。

第１の折り畳みＩ字ビーム構造部２５８の第１の周辺セクション２５９及び第２の周辺セクション２６３は、引抜成形等の押出成形プロセスによって製造することができ、このプロセスでは、適切な材料（引抜成形の場合、ガラス繊維強化ポリマープラスチック）が、適切な形状のダイから引き抜かれ、周辺セクションのウェブ／フランジ構造を概ね有するワークが形成される。引抜加工の一部として、ワーク内の第１／第３の接合部及び第２／第４の接合部のための意図したロケーションの近位に円筒形の導管を形成することができ、その後、長さＤのセクションが、長さＤの離隔した間隔において導管内に機械加工されることで、一連のヒンジナックルを形成することができる。他の形態では、そのような円筒形の導管なしでワークを引き抜くことができ、その後、長さＤの管セクションが長さＤの離隔した間隔において固定されることで、一連のヒンジナックルが形成される。引き抜いた後、第１の折り畳みＩ字ビーム構造部２５８の所望の周辺セクションをもたらすために、ワークは分割され、長さＬの分割されたワークになる。第１の周辺セクション２５９及び第２の周辺セクション２６３が同じ幾何学形状を有する場合（これは好ましい）、分割されたワークは互換性があり、第１の周辺セクション２５９及び第２の周辺セクション２６３のうちの一方又は他方として機能することができる。しかしながら、任意の２つのワークをペアにして第１の折り畳みＩ字ビーム構造部２５８を形成する際、それらの交錯関係を考慮する必要がある。したがって、例えば、２つのワークを、長さＤの間隔において離隔した長さＤのヒンジナックルを有する長さＬの周辺セクションへと分割する場合、２つのワークのうちの第１のワークは、ヒンジナックルが始まる点において分割することができ、これに従って、２つのワークのうちの第２のワークは、長さＤの離隔した間隔が始まる点において分割されるべきである。

第１の折り畳みＩ字ビーム構造部２５８は、出荷モジュール１００において折り畳み関係を有するように意図される２つの隣接するエンクロージャー部材１５５、又はエンクロージャー部材１５５の２つの隣接する部分に固定することができる。図１３Ｃにおいて、２つの隣接するエンクロージャー部材１５５は、１５５ａ及び１５５ｂと称され、図示のように、各エンクロージャー部材１５５ａ、１５５ｂは、それぞれ第１の構造層２１０ａ、２１０ｂ、それぞれ発泡パネル２１４ａ、２１４ｂ、及びそれぞれ第２の構造層２１５ａ、２１５ｂを有する。第１の折り畳みＩ字ビーム構造部２５８は、長さ「Ｌ」（Ｌは、２つの隣接するエンクロージャー部材１５５ａ及び１５５ｂの該当する縁部の長さにほぼ等しい）を有する。図１３Ｃに見られるように、第１の周辺セクション２５９及び第２の周辺セクション２６３は、ウェブ表面２６１及び２６５が、発泡パネル２１４ａ、２１４ｂの縁部にそれぞれ当接するか又はこれのすぐ近位になるように、それらのそれぞれのフランジ表面２６０、２６４の間で、それぞれのエンクロージャー部材１５５ａ、１５５ｂの発泡パネル２１４ａ、２１４ｂを捕捉するように寸法決定される。その後、隣接する第１の構造層２１０ａ及び２１０ｂはそれぞれ、上側フランジ表面２６０、２６４の大部分に重なるように位置決めされ、ここで、図１３Ｃに示すようにそれらのフランジ表面上に位置決めされた位置決め隆起部２２９は、第１の構造層２１０ａ、２１０ｂの適切な位置合わせ及びオーバーラップを支援する。また、下側フランジ表面２６０及び２６４が、図１３Ｃに示すように、エンクロージャー１５５ａ、１５５ｂの隣接する第２の構造層２１５ａ、２１５ｂを捕捉するように意図される場合、下側フランジ表面２６０、２６４上に位置決め隆起部２２９を設ける必要はない。

第１の周辺セクション２５９及び第２の周辺セクション２６３はそれぞれ、それぞれのエンクロージャー部材１５５に、例えば、第１の周辺セクション２５９及び第２の周辺セクション２６３とそれぞれのエンクロージャー部材１５５とのオーバーラップ領域間に接着剤を塗布することによって固定することもでき、ねじ若しくは釘締結具等の締結具を、フランジ表面２６０、２６４のうちの１つ以上並びにウェブ表面２６１及び２６５の長さに沿って離隔し、それぞれのエンクロージャー部材１５５内に打ち込むことによって固定することもでき、上述した任意の方法で接着剤及び締結具の組み合わせを利用することによって固定することもでき、又はそれ以外の方法で固定することもできる。それらのそれぞれのエンクロージャー部材１５５に固定されると、関連する部材は、完全に折り畳まれた状態まで回転させ、出荷モジュール１００を形成することができ、また、構造体１５０をその意図したロケーションにおいて完成させる際、完全に開展された状態まで回転させることができる。

第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部（２６８）
第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８が、図１４Ａ～図１４Ｆに示されている。第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８は、２つの隣接するエンクロージャー部材１５５、又はエンクロージャー部材１５５の２つの隣接する部分を、隣接する部材又は部分間に介在物のクリンプを引き起こすことなく、一方が他方に対して弧の１８０度まで枢動することができるように、枢動可能に取り付ける手段を提供する。第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８は、これが固定される２つの隣接するエンクロージャー部材１５５、又はエンクロージャー部材１５５の２つの隣接する部分の縁部への水の浸入及びその縁部の環境曝露に対するシール機能も提供することができ、それらの２つの縁部間の境界にわたる水の浸入を防止するシール機能を提供することができる。

第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８は、長さ「Ｌ」の第１の細長い周辺セクション２６９（図１４Ａにおいて縁部を前にして輪郭が示されている）と、同様に長さ「Ｌ」の第２の細長い周辺セクション２７４とを有する。ここで、Ｌは、第１の周辺セクション２６９及び第２の周辺セクション２７４が、これらのセクションをともに枢動可能に接合するためにそれぞれ位置決めされるエンクロージャー部材１５５の縁部のそれぞれの長さである。

特に、図１４Ａを参照すると、第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８の第１の周辺セクション２６９は、２つの離隔した細長いフランジ表面２７１及び細長いウェブ表面２７２によって画定される。フランジ表面２７１のうちの一方であるフランジ表面２７１ａは、第１の接合部においてウェブ表面２７２に接合され、フランジ表面２７１のうちの他方であるフランジ表面２７１ｂは、第２の接合部においてウェブ表面２７２に接合される。発泡パネルによって分離される２つの構造層を備える平面エンクロージャー部材１５５に第１の周辺セクション２６９を固定する場合、フランジ表面２７１ａ、２７２ｂは、第１の周辺セクション２６９が位置決め及び固定される平面エンクロージャー部材１５５の発泡パネルの厚さにほぼ等しい距離で離隔され、これにより、第１の周辺セクション２６９は、断面がＣ字のチャネルを形成する。

第１の周辺セクション２６９と同様に、第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８の第２の周辺セクション２７４（図１４Ａにおいて縁部を前にして輪郭が示されている）は、２つの離隔した細長いフランジ表面２７７及び細長いウェブ表面２７８によって画定される。フランジ表面２７７のうちの一方であるフランジ表面２７７ａは、第３の接合部においてウェブ表面２７８に接合され、フランジ表面２７７のうちの他方であるフランジ表面２７７ｂは、第４の接合部においてウェブ表面２７８に接合される。発泡パネルによって分離される２つの構造層を同様に備える平面エンクロージャー部材１５５に第２の周辺セクション２７４を固定する場合、フランジ表面２７７ａ、２７７ｂは、第２の周辺セクション２７４が位置決め及び固定される平面エンクロージャー部材１５５の発泡パネルの厚さにほぼ等しい距離で離隔され、これにより、第２の周辺セクション２７４は、断面がＣ字のチャネルを形成する。第１の周辺セクション２６９及び第２の周辺セクション２７４はそれぞれ、ほぼ同じ形状及び寸法を有することが好ましい。

図１４Ｅ及び図１４Ｆに示すように、第１の周辺セクション２６９は、フランジ表面２７１のうちの１つとウェブ表面２７２との第１の接合部の近位に、長さＬの第１の一連のヒンジナックル２７３ａと、フランジ表面２７１のうちの１つとウェブ表面２７２との第２の接合部の近位に形成される、長さＬの第２の一連のヒンジナックル２７３ｂとを有する。ヒンジナックル２７３ａ及び２７３ｂの幾何学形状は互いに同じであることが好ましい。同様に、第２の周辺セクション２７４は、フランジ表面２７７とウェブ表面２７８との第３の接合部の近位に、第１の一連のヒンジナックル２７９ａと、フランジ表面２７７とウェブ表面２７８との第４の接合部の近位に、第２の一連のヒンジナックル２７９ｂとを有する。ヒンジナックル２７９ａ及び２７９ｂの幾何学形状は互いに同じであり、ヒンジナックル２７３ａ及び２７３ｂとも同じであることが好ましい。図１４Ｆに示すように、第１の周辺セクション２６９のヒンジナックル２７３ａ及び２７３ｂがそれぞれ長さＤであり、同じ距離Ｄで離隔されることが特に好ましく、第２の周辺セクション２７４のヒンジナックル２７９ａ及び２７９ｂも同様にそれぞれ長さＤであり、同じ距離Ｄで離隔されることが特に好ましい。

図１４Ｅ及び図１４Ｆに示すように、一連のヒンジナックル２７３ａ及び２７９ａは噛み合わず、むしろ、当接関係においてペアにされる。距離Ｄ未満又はこれにほぼ等しい長さを有するスペーサーリンク２８０が設けられ、ヒンジナックル２７３ａ及び２７９ａの各当接するヒンジナックルのペアの間に位置決めされる。スペーサーリンク２８０は、図１４Ａに示すように、ヒンジナックル２７３ａ及び２７９ａとほぼ同じ直径の２つの離隔したボア２８１を有する。合計長さＬの第１の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３が、ヒンジナックル２７３ａと、これらのヒンジナックルの間に位置決めされたスペーサーリンク２８０のそれぞれにおけるボア２８１のうちの１つとに通され、合計長さＬの第２の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３が、ヒンジナックル２７９ａと、これらのヒンジナックルの間に位置決めされたスペーサーリンク２８０のそれぞれにおけるボア２８１のうちの他方とに通される。第１の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッドは、鋼ロッド２３３が、より良好に引張荷重に抵抗する単一の連続したロッドとして機能するように、端部同士をねじ接続によって接合されることが好ましい。同様に、第２の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３が同様の方法で接合されることが好ましい。第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８の１つの実施形態において、第１の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３及び第２の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３は、およそ０．６２５インチ（１．５８７５ｃｍ）の直径を有する。

前述のナックル及びスペーサーリンクの配置により、第１の周辺セクション２６９と第２の周辺セクション２７４との間に連結された枢動可能な接合部が形成され、この枢動可能な接合部は、図１４Ｄに示すような（ウェブ表面２７２及び２７８の外面が同一平面（あるいはフラッシュ表面：flush face）を形成する状態）完全に折り畳まれた位置から、図１４Ｃに示すような完全に開いた（開展）位置まで１８０度回転することができる。ヒンジナックル２７３ｂ及び２７９ｂの位置は、図１４Ｃ及び図１４Ｅに示すように、第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８が完全に開いたときにヒンジナックル２７３ｂがヒンジナックル２７９ｂと噛み合うようになっている。そのように噛み合うと、合計長さＬの第３の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３（図１４Ｆ参照）を、第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８を完全に開いた位置において係止するように、ヒンジナックル２７３ａ及び２７９ａに通すことができる。第１の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３及び第２の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３と同様、第３の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３が、より良好に引張荷重に抵抗する単一の連続したロッドとして機能するように、端部同士をねじ接続によって接合されることが好ましい。第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８の１つの実施形態において、第３の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３は、およそ０．６２５インチ（１．５８７５ｃｍ）の直径を有する。

第１の周辺セクション２６９及び第２の周辺セクション２７４の設計は、図１４Ｃ及び図１４Ｅに示すように、第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８が完全に開いたときに、ウェブ表面２７２及び２７８が接触するようになっている。この接触関係は、構造体のウェザーシールを支援する。この目的を推進するために、例えば図１４Ａに示すように、ウェブ表面２７２及び２７８のそれぞれの外面には、ウェブ表面間に耐水シールを形成するために、シールビード（図示せず）をそれぞれ収納する複数の収納スロット２４１を設けることができる。他の実施形態において、シールビードは、収納スロット２４１のロケーションに近似するロケーションにおいて周辺セクション自体とともに同時に共押出することができる。一般的に、第１の周辺セクション２６９及び第２の周辺セクション２７４のＣ字チャネルの特定の輪郭は、意図した用途に対して適切なように厚さ変動、隆起部及び／又は溝を有するように望む通りに変更することができる。

第２の折り畳みＩ字ビーム構造部２６８の第１の周辺セクション２６９及び第２の周辺セクション２７４は、引抜成形等の押出成形プロセスによって製造することができ、このプロセスでは、適切な材料（引抜成形の場合、ガラス繊維強化ポリマープラスチック）が、適切な形状のダイから引き抜かれ、周辺セクションのウェブ／フランジ構造を概ね有するワークが形成される。引抜加工の一部として、ワーク内の第１／第３の接合部及び第２／第４の接合部の近位に円筒形の導管を形成することができ、その後、長さＤのセクションが、長さＤの離隔した間隔において導管内に機械加工されることで、一連のヒンジナックルを形成することができる。他の形態では、そのような円筒形の導管なしでワークを引き抜くことができ、その後、長さＤの管セクションが長さＤの離隔した間隔において、例えば接着剤を用いて固定されることで、一連のヒンジナックルが形成される。引き抜いた後、第２の折り畳みＩ字ビーム構造部２６８の所望の周辺セクションを形成するために、ワークは分割され、長さＬの分割されたワークになる。第１の周辺セクション２６９及び第２の周辺セクション２７４が同じ幾何学形状を有する場合（これは好ましい）、分割されたワークは互換性があり、第１の周辺セクション２６９及び第２の周辺セクション２７４のうちの一方又は他方として機能することができる。しかしながら、各事例において、例示目的で図１４Ｆにおける第１の周辺セクション２６９を参照すると、（長さＤの）ヒンジナックル２７３ｂは、（長さＤの）ヒンジナックル２７３ａと垂直に位置合わせされず、むしろ、図１４Ｆに示すように、ヒンジナックル２７３ａに対して、Ｄ／２のオフセット距離φで長手方向に変位される。同様に、（長さＤの）ヒンジナックル２７９ｂは、（長さＤの）ヒンジナックル２７９ａと垂直に位置合わせされず、むしろ、ヒンジナックル２７９ａに対して、Ｄ／２の同じオフセット距離φで長手方向に変位される。

第２の折り畳みＩ字ビーム構造部２６８は、出荷モジュール１００において折り畳み関係を有するように意図される２つの隣接するエンクロージャー部材１５５、又はエンクロージャー部材１５５の２つの隣接する部分に固定することができる。図１４Ｃにおいて、２つの隣接するエンクロージャー部材１５５は、１５５ａ及び１５５ｂと称され、図示のように、各エンクロージャー部材１５５ａ、１５５ｂは、それぞれ第１の構造層２１０ａ、２１０ｂ、それぞれ発泡パネル２１４ａ、２１４ｂ、及びそれぞれ第２の構造層２１５ａ、２１５ｂを有する。第２の折り畳みＩ字ビーム構造部２６８は、長さ「Ｌ」（Ｌは、２つの隣接するエンクロージャー部材１５５ａ及び１５５ｂの該当する縁部の長さにほぼ等しい）を有する。図１４Ｃに見られるように、第１の周辺セクション２６９及び第２の周辺セクション２７４は、ウェブ表面２７２及び２７８が、発泡パネル２１４ａ、２１４ｂの縁部にそれぞれ当接するか又はこれのすぐ近位になるように、それらのそれぞれのフランジ表面２７１、２７７の間で、それぞれのエンクロージャー部材１５５ａ、１５５ｂの発泡パネル２１４ａ、２１４ｂを捕捉するように寸法決定される。その後、隣接する第１の構造層２１０ａ及び２１０ｂはそれぞれ、上側フランジ表面２７１、２７７の大部分に重なるように位置決めされ、ここで、図１４Ｃに示すようにそれらの上側フランジ表面上に位置決めされた位置決めデテント２８１は、第１の構造層２１０ａ、２１０ｂの適切な位置合わせ及びオーバーラップを支援する。同様に、隣接する第２の構造層２１５ａ及び２１５ｂはそれぞれ、下側フランジ表面２７１、２７７の大部分に重なるように位置決めされ、ここで、図１４Ｃに示すようにそれらの下側フランジ表面上に位置決めされた位置決めデテント２８１は、第２の構造層２１５ａ、２１５ｂの適切な位置合わせ及びオーバーラップを支援する。

第１の周辺セクション２６９及び第２の周辺セクション２７４はそれぞれ、それぞれのエンクロージャー部材１５５に、例えば、第１の周辺セクション２６９及び第２の周辺セクション２７４とそれぞれのエンクロージャー部材１５５とのオーバーラップ領域間に接着剤を塗布することによって固定することもでき、ねじ若しくは釘締結具等の締結具を、フランジ表面２７１、２７７のうちの１つ以上並びにウェブ表面２７２及び２７８の長さに沿って離隔し、それぞれのエンクロージャー部材１５５内に打ち込むことによって固定することもでき、上述した任意の方法で接着剤及び締結具の組み合わせを利用することによって固定することもでき、又はそれ以外の方法で固定することもできる。それらのそれぞれのエンクロージャー部材１５５に固定されると、関連する部材は、完全に折り畳まれた状態まで回転させ、出荷モジュール１００を形成することができ、また、構造体１５０をその意図したロケーションにおいて完成させる際、完全に開展された状態まで回転させることができる。

さねはぎヒンジ式構造部（２４２）
さねはぎヒンジ式構造部２４２の輪郭が、図１５において縁部を前にして示されている。さねはぎヒンジ式構造部２４２は、２つの隣接するエンクロージャー部材１５５、又はエンクロージャー部材１５５の２つの隣接する部分を、一方が他方に対して弧の少なくとも９０度まで枢動することができるように、枢動可能に取り付ける手段を提供する。さねはぎヒンジ式構造部２４２は、これが固定される２つの隣接するエンクロージャー部材１５５、又はエンクロージャー部材１５５の２つの隣接する部分の縁部への水の浸入及びその縁部の環境曝露に対するシール機能も提供することができ、それらの２つの縁部間の境界にわたる水の浸入を防止するシール機能を提供することができる。

さねはぎヒンジ式構造部２４２は、長さ「Ｌ」の第１の細長い周辺セクション２４３と、長さ「Ｌ」の第２の細長い周辺セクション２４９とを有する。ここで、Ｌは、第１の周辺セクション２４３及び第２の周辺セクション２４９が、これらのセクションをともに枢動可能に接合するためにそれぞれ位置決めされる２つの隣接するエンクロージャー部材１５５の縁部のそれぞれの長さである。

特に、図１５を参照すると、さねはぎヒンジ式構造部２４２の第１の周辺セクション２４３（図１５において縁部を前にして輪郭が示されている）は、２つの離隔した細長いフランジ表面２４４及び細長いウェブ表面２４５によって画定される。フランジ表面２４４のうちの一方であるフランジ表面２４４ａは、第１の接合部２４６においてウェブ表面２４５に接合され、フランジ表面２４４のうちの他方であるフランジ表面２４４ｂは、第２の接合部２４７においてウェブ表面２４５に接合される。発泡パネルによって分離される２つの構造層を備える平面エンクロージャー部材１５５に第１の周辺セクション２４３を固定する場合、フランジ表面２４４ａ、２４４ｂは、第１の周辺セクション２４３が位置決め及び固定される平面エンクロージャー部材１５５の発泡パネルの厚さにほぼ等しい距離で離隔され、これにより、第１の周辺セクション２４３は、断面がＣ字のチャネルを形成する。

第１の周辺セクション２４３と同様に、さねはぎヒンジ式構造部２４２の第２の周辺セクション２４９（図１５において縁部を前にして輪郭が示されている）は、２つの離隔した細長いフランジ表面２５０及び細長いウェブ表面２５１によって画定される。フランジ表面２５０のうちの一方であるフランジ表面２５０ａは、第３の接合部２５２においてウェブ表面２５１に接合され、フランジ表面２５０のうちの他方であるフランジ表面２５０ｂは、第４の接合部２５３においてウェブ表面２５１に接合される。発泡パネルによって分離される２つの構造層を同様に備える平面エンクロージャー部材１５５に第２の周辺セクション２４９を固定する場合、フランジ表面２５０ａ、２５０ｂは、第２の周辺セクション２４９が位置決め及び固定される平面エンクロージャー部材１５５の発泡パネルの厚さにほぼ等しい距離で離隔され、これにより、第２の周辺セクション２４９は、断面がＣ字のチャネルを形成する。

図１５を参照すると、第１の周辺セクション２４３は、第１の接合部２４６に沿って形成される第１の一連のヒンジナックルを有し、第２の周辺セクション２４９は、第３の接合部２５２に沿って形成される第２の一連のヒンジナックルを有する。２つの一連のヒンジナックルは、第１の周辺セクション２４３と第２の周辺セクション２４９との間に枢動可能な接合部を形成するために、噛み合い、合計長さＬの一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３によって接合される。この枢動可能な接合部は、弧の少なくとも９０度回転することができる。一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３は、鋼ロッド２３３が、より良好に引張荷重に抵抗する単一の連続したロッドとして機能するように、端部同士をねじ接続によって接合されることが好ましい。さねはぎヒンジ式構造部２４２の１つの実施形態において、一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３は、およそ０．６２５インチ（１．５８７５ｃｍ）の直径を有する。

再度図１５を参照すると、第１の周辺セクション２４３の第２の接合部２４７の近位には、細長いさねはぎシール部分２５４（図１５において縁部を前にして輪郭が示されている）が設けられ、第２の周辺セクション２４９の第４の接合部２５３の近位には、細長いさねはぎシール部分２５５（図１５において縁部を前にして輪郭が示されている）が設けられる。さねはぎシール部分２５４及び２５５はそれぞれ、第１の接合部２４６に中心合わせされた半径にほぼ接するように位置合わせされ、これにより、第１の周辺セクション２４３及び第２の周辺セクション２４９が、互いに対して回転することで、第２の接合部２４７及び第４の接合部２５３が近位になるとき、さねはぎシール部分２５４及び２５５は、嵌合関係において係合するようになる。

さねはぎヒンジ式構造部２４２の第１の周辺セクション２４３及び第２の周辺セクション２４９のＣ字チャネルの特定の輪郭は、意図した用途に対して適切なように厚さ変動、隆起部及び／又は溝を有するように望む通りに変更することができる。したがって、図１５において、ウェブ表面２４５の外面（第１の周辺セクション２４３が固定されるエンクロージャー部材１５５の縁部から見て外側の面）には、耐水シールを形成するために、１つ以上のシールビード２３４を収納する複数の収納スロット２４８が設けられ、ここで、第１の周辺セクション２４３及び第２の周辺セクション２４９が互いに対して回転することで、細長いさねはぎシール部分２５４及び２５５が嵌合関係になるとき、シールビード２３４はウェブ表面２５１に押し付けられる。他の実施形態において、シールビードは、収納スロット２４８のロケーションに近似するロケーションにおいて第１の周辺セクション２４３とともに同時に共押出される。更に別の実施形態において、１つ以上のシールビードは、第１の周辺セクション２４３及び第２の周辺セクション２４９が互いに対して回転することで、細長いさねはぎシール部分２５４及び２５５が嵌合関係になるときに耐水シールを形成するように、細長いさねはぎシール部分２５４及び細長いさねはぎシール部分２５５のうちの１つ以上の近位に設けることができる。

さねはぎヒンジ式構造部２４２の第１の周辺セクション２４３及び第２の周辺セクション２４９は、引抜成形等の押出成形プロセスによって製造することができ、このプロセスでは、適切な材料（引抜成形の場合、ガラス繊維強化ポリマープラスチック）が、適切な形状のダイ（複数の場合もある）から引き抜かれ、周辺セクションのウェブ／フランジ構造を概ね有するワークが形成される。引抜加工は、上述したように、ヒンジナックルになる円筒形の導管を形成することを含むことができ、又は、好みに従って引抜加工の後に円筒形の導管を追加することができる。同様に、細長いさねはぎシール部分２５４及び２５５を、好みに従った特定のシール設計及びその他の点を条件として、同様に製造することができる。

さねはぎヒンジ式構造部２４２は、出荷モジュール１００において折り畳み関係を有するように意図される２つの隣接するエンクロージャー部材１５５、又はエンクロージャー部材１５５の２つの隣接する部分に固定することができる。例えば、発泡パネルによって分離される２つの構造層を備える平面エンクロージャー部材１５５に第１の周辺セクション２４３が固定される場合、エンクロージャー部材１５５の該当する縁部の長さにほぼ等しい長さＬを有する第１の周辺セクション２４３は、ウェブ表面２４５が発泡パネルの縁部に当接するか又はこれのすぐ近位になるように、発泡パネルの縁部にわたって位置決めされる。その後、２つの構造層は、フランジ表面２４４の大部分に重なるように発泡パネルにわたって位置決めされ、ここで、第１の接合部２４６の近位のフランジ表面２４４の外面上に位置決めされた位置決め隆起部２２９、及びさねはぎ機構２５４の近位に位置決めされた位置決め隆起部２２９は、構造層の適切なオーバーラップ及び位置合わせを支援する。

同様に、発泡パネルによって分離される２つの構造層を備える平面エンクロージャー部材１５５に関連する第２の周辺セクション２４９が固定される場合、エンクロージャー部材１５５の該当する縁部の長さにほぼ等しい長さＬを有する第２の周辺セクション２４９は、ウェブ表面２５１が発泡パネルの縁部に当接するか又はこれのすぐ近位になるように、発泡パネルの縁部にわたって位置決めされる。その後、２つの構造層は、フランジ表面２５０の大部分に重なるように発泡パネルにわたって位置決めされ、ここで、第３の接合部２５２の近位のフランジ表面２５０の外面上に位置決めされた位置決め隆起部２２９、及びさねはぎ機構２５５の近位に位置決めされた位置決め隆起部２２９は、構造層の適切なオーバーラップ及び位置合わせを支援する。

第１の周辺セクション２４３及び第２の周辺セクション２４９はそれぞれ、それぞれのエンクロージャー部材１５５に、例えば、第１の周辺セクション２４３及び第２の周辺セクション２４９とそれぞれのエンクロージャー部材１５５とのオーバーラップ領域間に接着剤を塗布することによって固定することもでき、ねじ若しくは釘締結具等の締結具を、フランジ表面２４４、２５０のうちの１つ以上及びウェブ表面２４５及び２５１の長さに沿って離隔し、それぞれのエンクロージャー部材１５５内に打ち込むことによって固定することもでき、上述した任意の方法で接着剤及び締結具の組み合わせを利用することによって固定することもでき、又はそれ以外の方法で固定することもできる。それらのそれぞれのエンクロージャー部材１５５に固定されると、これらの部材は、完全に折り畳まれた状態まで回転させ、出荷モジュール１００を形成することができ、また、構造体１５０をその意図したロケーションにおいて完成させる際、完全に開展された状態まで回転させることができる。

エンクロージャー部材の周辺構造部の例示的な配置
図１Ｂに示すタイプ２構造体１５２の図１６における分解図は、本明細書に記載のエンクロージャー部材の周辺構造部の例示的な配置を提示している。特に、さねはぎ構造体２４２を利用することで、壁部分２００ｓ－１を壁部分２００ｓ－２に枢動可能に接合することができ、壁部分２００ｓ－２を壁部分２００ｓ－３に枢動可能に接合することができ、壁部分２００ｓ－４を壁部分２００ｓ－５に枢動可能に接合することができる。また、図１６に示すように、第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８を利用することで、床部分３００ａを床部分３００ｂに枢動可能に接合することができ、第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８を利用することで、天井部分４００ａを天井部分４００ｂに枢動可能に接合することができるとともに、天井部分４００ｂを天井部分４００ｃに枢動可能に接合することができる。

図１６に更に示すように、また、当接エンドキャップ２３５を利用することで、壁部材２００ｓ－Ｒの水平上縁部及び水平底縁部、壁部分２００ｓ－１～２００ｓ－５の水平上縁部及び水平底縁部、壁部材２００ｓ－Ｐの上縁部、壁部材２００ｓ－Ｒに当接する壁部分２００ｓ－１及び２００ｓ－４の垂直縁部、並びに壁部材２００ｓ－Ｐに当接する壁部分２００ｓ－３及び２００ｓ－５の２つの垂直縁部を閉鎖することができる。さらにまた、図１６に示すように、自立エンドキャップ２２１（又は補強エンドキャップ２２４）を利用することで、天井部材４００の第１の長手方向縁部４０６、第１の横方向縁部４０８、及び第２の横方向縁部４１０に概ね一致する天井部分４００ａ、４００ｂ及び４００ｃの、エンドキャップなしでは曝露する水平外縁部と、壁部材２００ｓ－Ｐのエンドキャップなしでは曝露する２つの垂直縁部とを閉鎖することができる。

エンクロージャー部材の関係及び輸送のための組み立て
輸送を容易にし、設計の柔軟性を最大限にするため、エンクロージャー部材１５５間に特定の寸法関係が存在することが好ましい。

図２Ａは、図１Ａに示すタイプ１構造体１５１の概略上面図を示しており、エンクロージャー部材１５５間の好ましい寸法関係の説明を明確にするため、幾何学的な直交格子を有する。寸法決定に使用される基本的な長さは、図２Ａにおいて「Ｅ」として示されており、図２Ａにおいて重ねられた直交格子は、長さ２４Ｅ及び幅１２Ｅであり、部材の相対的な寸法を示している。

より具体的には、図２Ａにおいて、２つの長い壁部材２００ａは、長さおよそ２４Ｅであり、２つの短い壁部材２００ｂは、長さおよそ１２Ｅである。天井部分４００ａ、４００ｂ及び４００ｃのそれぞれは、長さ２４Ｅ及び幅４Ｅである。タイプ１構造体１５１の２つの床部分３００ａ及び３００ｂは、図２Ａ及び図３Ａに示されている。床部材３００ａ及び３００ｂのそれぞれは、長さ２４Ｅであり、一方、床部材３００ａは幅およそ４Ｅであり、床部材３００ｂは幅およそ８Ｅである。

図３Ａにおいて縁部を前にして示されているタイプ１構造体１５１の出荷モジュール１００は、一般的に、天井部材４００ａ、床部材３００ａ、長い壁部材２００ａ－Ｒ、及び短い壁部材２００ｂの２つの第１の壁部分２００ｂ－１によって画定される固定空間部分１０２を有する。図２Ａに示すように、短い壁部材２００ｂの残りの２つの部分である第２の壁部分２００ｂ－２は、内向きに折り畳まれ、固定空間部分１０２に接して位置決めされる（そのように折り畳まれ、位置決めされるとき、図２Ａにおいて壁部分２００ｂ－２ｆとして識別される）。タイプ１構造体１５１の３つの天井部分４００ａ、４００ｂ及び４００ｃは、図１Ａにおいて展開された状態で示されている。タイプ１構造体１５１の出荷モジュール１００を示す図３Ａは、部分的に固定空間部分１０２を画定する天井部材４００ａの上に積み重ねられた天井部材４００ｂ及び４００ｃを示している。図２Ａ及び図３Ａに示す長い壁部材２００ａ－Ｐは、水平軸１０５のロケーションにおいて床部分３００ｂに枢動可能に固定され、第２の壁部分２００ｂ－２の外側に接して垂直に位置決めされる。また、床部分３００ｂは、固定空間部分１０２の近位に垂直に位置決めされ、ここで、長い壁部材２００ａ－Ｐは、床部分３００ｂと第２の壁部分２００ｂ－２との間で床部分３００ｂから宙吊りになっている（すなわち、吊るされている）。

上記に開示した寸法関係に従ってタイプ１構造体１５１のエンクロージャー部材１５５をサイズ決定することにより、図面から分かるように、コンパクトな出荷モジュール１００がもたらされる。したがって、出荷モジュール１００は、およそ１９．５インチ（４９．５ｃｍ）の「Ｅ」寸法（図２Ａ参照）を使用して本明細書において開示した関係に従って寸法決定されるとともに、その部材が図３Ａに示すように積み重ね及び位置決めされる場合、およそ３９フィート（１１．８９メートル）の全長、およそ８．５フィート（２．５９メートル）の全幅、及びおよそ１２．７フィート（３．８７メートル）の全高を有する。これらの全体的な寸法は、典型的な出荷コンテナとほぼ同じであるか又はそれよりも小さい。

同様に、図２Ｂは、図１Ｂに示すタイプ２の完成した構造体１５２の概略上面図を示しており、エンクロージャー部材１５５間の好ましい寸法関係の説明を明確にするため、幾何学的な直交格子を有する。寸法決定に使用される基本的な長さは、図２Ｂにおいて「Ｅ」として示されており、図２Ｂにおいて重ねられた直交格子は、長さおよそ８Ｅ及び幅８Ｅである。

より具体的には、図２Ｂにおいて、４つの壁部材２００ｓは、長さおよそ８Ｅであり、天井部分４００ａ、４００ｂ及び４００ｃのそれぞれは、長さおよそ８Ｅ及び幅２．６７Ｅである。完成した構造体１５２の２つの床部分３００ａ及び３００ｂは、図２Ｂ及び図３Ｂに示されている。床部分３００ａ及び３００ｂのそれぞれは、長さ８Ｅであり、一方、床部分３００ａは幅およそ３Ｅであり、床部分３００ｂは幅およそ５Ｅである。

図３Ｂにおいて縁部を前にして示されているタイプ２構造体１５２の出荷モジュール１００も、一般的に、天井部材４００ａ、床部材３００ａ、壁部材２００ｓ－Ｒ、壁部分２００ｓ－１及び壁部分２００ｓ－４によって画定される固定空間部分１０２を有する。図２Ｂに示すように、第２の壁部材２００ｓ－２は、内向きに折り畳まれ、固定空間部分１０２に概ね接して位置決めされるのに対し、第３の壁部分２００ｓ－３は、外向きに折り畳まれ、第２の壁部分２００ｓ－２に概ね接して位置決めされる（壁部分２００ｓ－２及び２００ｓ－３は、そのように折り畳まれ、位置決めされるとき、図２Ｂにおいて壁部分２００ｓ－２ｆ及び２００ｓ－３ｆとしてそれぞれ識別される）。これにより、その要素として、固定空間部分１０２、第２の壁部分２００ｓ－２及び第３の壁部分２００ｓ－３を有する蛇腹の折り目が形成される。第５の壁部分２００ｓ－５は、内向きに折り畳まれ、固定空間部分１０２に概ね接して位置決めされる（そのように折り畳まれ、位置決めされるとき、図２Ｂにおいて壁部分２００ｓ－５ｆとして識別される）。３つの天井部分４００ａ、４００ｂ及び４００ｃは、図１Ｂにおいて展開された状態で示されている。タイプ２構造体１５２の出荷モジュール１００を示す図３Ｂは、部分的に固定空間部分１０２を画定する天井部材４００ａの上に積み重ねられた天井部材４００ｂ及び４００ｃを示している。図２Ｂ及び図３Ｂに示す壁部材２００ｓ－Ｐは、軸１０５のロケーションにおいて床部分３００ｂに枢動可能に固定され、壁部分２００ｓ－３及び２００ｓ－５の外側に接して垂直に位置決めされる。また、床部分３００ｂは、固定空間部分１０２の近位に垂直に位置決めされ、ここで、壁部材２００ｓ－Ｐは、床部分３００ｂと壁部分２００ｓ－３及び２００ｓ－５との間で床部分３００ｂから宙吊りになっている。

上記に開示した寸法関係に従ってタイプ２構造体１５２のエンクロージャー部材１５５をサイズ決定することにより、図面から分かるように、コンパクトな出荷モジュール１００がもたらされる。したがって、図３Ｂに示す出荷モジュール１００は、およそ２９インチ（７３．７ｃｍ）の「Ｅ」寸法（図２Ｂ参照）を使用して本明細書において開示した関係に従って寸法決定されるとともに、その部材が図３Ｂに示すように積み重ね及び位置決めされる場合、およそ１９フィート（５．７９ｍ）の全長、およそ８．５フィート（２．５９メートル）の全幅、及びおよそ１２．７フィート（３．８７メートル）の全高を有する。これらの全体的な寸法は、典型的な出荷コンテナよりも小さい。

参照される幾何学的な直交格子は、床チェイス３１９、壁チェイス２１９及び天井チェイス４４０を配置するための有益な基準点も提供する。そのようなチェイスが、例えば、使用される格子間隔と一致する特定の「Ｅ」間隔において配置される場合、チェイスは、構造体完成中に容易に配置される。

固定空間部分１０２は、上述したような壁部分、天井部分及び床部分のうちの他全てをともに位置決めする（折り畳む）前に比較的完成した状態であることが好ましい。すなわち、固定空間部分１０２は、構造体１５０が必要とする全ての機械的機能及び他の機能、例えば、キッチン、浴室、洗濯室、ＨＶＡＣクローゼット、暖炉、衣装クローゼット、保管エリア、廊下等と製造中に適合されることが好ましい。（図３Ａに示す）仮設部材１０３は、タイプ１構造体１５１の出荷中の支持をもたらし、配送後は除去される（タイプ２構造体１５２の出荷には同等の仮設部材が利用されない）。好ましくは固定空間部分１０２が所望の状態まで完成した後、上述したように、残りの部材が折り畳まれ、固定空間部分１０２に接して位置決めされる。そのように折り畳まれ、位置決めされた部材により、建築者は、事実上、出荷モジュール１００の位置決めされた部材を単に「開展」（展開）するだけで完成した構造体１５０を建設することが可能になる。

図５Ａの長い壁部材２００ａによって例示されるように、壁部材２００、床部材３００及び天井部材４００のそれぞれ、及び／又はそれらの部分は、製造中及び出荷モジュール１００の形成前に、保護フィルム１７７で外装することができる。これに代えて、あるいは、これに加えて、出荷モジュール１００全体を保護フィルムで外装することができる。したがって、これらの保護フィルムは、出荷中の出荷モジュール１００並びに部材２００、３００及び４００を保護するための手段を構成する。このような保護フィルムは、モジュール及びその部材に保護を与えることに加えて、部材の輸送中に生じ得る曲げ応力及びねじり応力に対する部材の抵抗を増加させるという追加の利益を有する。これらの保護フィルムは、壁部材２００に剛性を与えて、輸送中のそのロバスト性及び建設現場における構造体の建造を改善するための更なる手段を構成する。このような保護フィルムは、出荷モジュール１００が建設現場に着いた後まで適所を維持し、その後、エンクロージャー部材の展開及び完成を容易にするために必要に応じて除去されることが好ましい。

出荷モジュールの輸送
出荷モジュールは、適切な輸送手段によって建築現場に出荷される。１つのそのような輸送手段は、２０１８年９月２７日に出願された米国特許出願公開第２０１９／０１００１２７号、及び国際公開第２０１９／０７０４８５号において開示されており、これらの内容、具体的には段落００２０～段落００３５及び図１Ａ～図２Ｄに示される内容は、引用することにより完全に記載されているものとして本明細書の一部をなす。他の輸送手段として、出荷モジュール１００は、従来のトラックトレーラー又はローベッドトレーラー（ローボーイトレーラーとも呼ばれる）を用いて建築現場に出荷することができる。

構造体の展開及び完成
建築現場において、出荷モジュール１００は、その所望のロケーション、例えば、準備された基礎、例えば、現場打ちコンクリートスラブ、現場打ちコンクリート又はシンダーブロック基礎、床板受け梁又はコンクリート柱若しくはカラムにわたって位置決めされる。これは、クレーンを使用して、出荷モジュール１００をその輸送手段から持ち上げ所望のロケーションに移動させることによって、又は、輸送手段を所望のロケーションにわたって位置決めし、出荷モジュール１００を持ち上げ、その後、輸送手段を所望のロケーションから移動させ、その後、出荷モジュール１００を所望のロケーションにおいて静置状態まで下げることによって達成することができる。所望のロケーションへの出荷モジュール１００の位置決めを容易にするための特に適切な機器及び技法は、本願と発明者及び出願日が同じである「Equipment and Methods for Erecting a Transportable Foldable Building Structure」という発明の名称の米国非仮特許出願第１６／７８６，３１５号において開示されている。本願と発明者及び出願日が同じである「Equipment and Methods for Erecting a Transportable Foldable Building Structure」という発明の名称の当該米国非仮特許出願第１６／７８６，３１５号の内容は、具体的には、例えば段落１２６～段落１２８に記載の及び図１１Ａ及び図１１Ｂに関連する記載の機器及び技法を含め、引用することにより完全に記載されているかのように本明細書の一部をなす。

出荷モジュール１００を建築現場において位置決めした後、壁部分２００、床部分３００及び天井部分４００の適切な部分が、上述した順序に従って「開展」（すなわち、展開）され、完成した構造体１５０がもたらされる。

タイプ１構造体１５１の場合、開展（エンクロージャー部材及び部材部分の展開）は以下の順序で行われる。（１）床部分３００ｂが、開展位置まで図３Ａに示す水平軸３０５の周りに枢動可能に回転され、（２）壁部材２００ａ－Ｐが、開展位置まで図３Ａに示す水平軸３０５の周りに枢動可能に回転され、（３）短い壁部材２００ｂの壁部分２００ｂ－２が、開展位置まで図２Ａに示す垂直軸１９１の周りに枢動可能に回転され、（４）天井部分４００ｂ及び４００ｃが、それらの開展位置までそれぞれ水平軸４０５ａ及び４０５ｂの周りに枢動可能に回転される。

タイプ２構造体１５２の場合、開展は以下の順序で行われる。（１）床部分３００ｂが、開展位置まで図３Ｂに示す水平軸３０５の周りに枢動可能に回転され、（２）壁部材２００ｓ－Ｐが、開展位置まで図３Ｂに示す（周辺ボード３１２の背後）水平軸１０５の周りに枢動可能に回転され、（３）壁部分２００ｓ－２、２００ｓ－３及び２００ｓ－５が、開展位置までそれぞれ垂直軸１９２、１９３及び１９４の周りに枢動可能に回転され、（４）天井部分４００ｂ及び４００ｃが、開展位置までそれぞれ水平軸４０５ａ及び４０５ｂの周りに枢動可能に回転される。移動式クレーンを使用することで、ある特定のエンクロージャー部材１５５、具体的には天井部分４００ｂ及び４００ｃ、床部分３００ｂ、並びに床部分３００ｂに枢動可能に固定された壁部材２００（タイプ１構造体１５１の場合は２００ａ－Ｐ、タイプ２構造体１５２の場合は２００ｓ－Ｐ）の開展を支援することができる。他の形態では、エンクロージャー部材１５５の開展を容易にするための特に適切な機器及び技法は、本願と発明者及び出願日が同じである「Equipment and Methods for Erecting a Transportable Foldable Building Structure」という発明の名称の米国非仮特許出願第１６／７８６，３１５号において開示されている。本願と発明者及び出願日が同じである「Equipment and Methods for Erecting a Transportable Foldable Building Structure」という発明の名称の当該米国非仮特許出願第１６／７８６，３１５号の内容は、具体的には、例えば段落１３２～段落１４５に記載の及び図１２Ａ～図１４Ｂに記載の機器及び技法を含め、引用することにより完全に記載されているかのように本明細書の一部をなす。

特に、適切なロケーションにあるベースボード３１０は、壁部材又は壁部分の、その意図した展開位置における開展を阻む「阻止部」として機能する。したがって、例えば、タイプ１構造体１５１を示す図３Ａにおけるベースボード３１０は、長い壁２００ａ－Ｐがその所望の垂直位置において完全に展開されるとき、この図に示す長い壁２００ａ－Ｐの開展を阻む。同様に、タイプ２構造体１５２を示す図３Ｂにおける周辺ボード３１２は、壁２００ｓ－Ｐに対して、並びに壁部分２００ｓ－２、２００ｓ－３及び２００ｓ－５に対しても同様の機能を果たす。さらに、ベースボード３１０は、開展された壁部材をその開展位置において固定するための構造を提供する。したがって、例えば、ベースボード３１０には、図６Ａにおいて、長い壁２００ａを適所に固定するために締結具を挿入することができる複数の離隔した開口部３１１が設けられる。

展開後、エンクロージャー部材１５５は、ともに固定され、図１Ａ及び図１Ｂに示すように、完成した構造体１５０が形成される。任意の仮設ヒンジ機構が利用されている場合、これらの仮設ヒンジ機構は、所望の場合に除去することができ、エンクロージャー部材１５５をともに固定することができる。選択されるエンクロージャー部材の周辺構造部、すなわち当接エンドキャップ２３５、第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８、第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８、及びさねはぎヒンジ式構造部２４２のうちのいずれかが利用されている場合、以下の完成作業が行われることが好ましい。

当接エンドキャップ２３５
図１７を参照すると、開口部２７５が、製造中若しくは出荷モジュール１００の出荷前、又は配送及び展開後に、各利用される当接エンドキャップ２３５の締結棚２３９の近位にある任意の構造層における離隔したロケーションにおいて切り取られる。展開後、ねじ又は釘締結具等の締結具が、図１７に示すように、開口部２７５及び当接エンドキャップ２３５の締結棚２３９を通って下に重なるエンクロージャー部材１５５へと打ち込まれ、これにより、当接エンドキャップ２３５を利用するエンクロージャー部材１５５は、下に重なるエンクロージャー部材１５５に固定される。開口部はその後塞がれる。

第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８
開展後、ヒンジナックル２６６ｂ及び２６７ｂは、図１３Ｃ及び図１３Ｆに示すように、交錯関係にある。したがって、第２の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３をともにねじ接続し（threaded）、図１３Ｆに示すように、第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８のヒンジナックル２６６ｂ及び２６７ｂに挿入し、第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８を完全に開いた（開展）位置において係止することができる。このような係止構造において、鋼ロッドは、（幾分か鉄筋の要領で）引張部材として機能するものと考えられ、第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８は、その長さに沿った曲げに実質的に抵抗する。そのように係止されると、第１のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２５８は、完成した構造体１５０が複数のコンクリート柱又はカラムの基礎上に配置されたときに完成した構造体１５０を支持するための特定の有用性を有する。

第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８。開展後、ヒンジナックル２７３ｂ及び２７９ｂは、図１４Ｃ及び図１４Ｅに示すように、交錯関係にある。したがって、第３の一連の直線状に配置された円筒形の鋼ロッド２３３をともにねじ接続し、第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８のヒンジナックル２７３ｂ及び２７９ｂに挿入し、Ｉ字ビーム構造部２６８を係止することができる。このような係止構造において、鋼ロッドは、（幾分か鉄筋の要領で）引張部材として機能するものと考えられ、第２のヒンジ式Ｉ字ビーム構造部２６８は、その長さに沿った曲げに実質的に抵抗する。

さねはぎヒンジ式構造部２４２
開展後、全ての利用されるさねはぎ構造体２４２のさねはぎ機構２５４及び２５５は、嵌合関係において係合される。したがって、ねじ又は釘締結具等の締結具を、例えばさねはぎ機構２５４及び２５５に打ち込み、さねはぎ構造体２４２が締結されるエンクロージャー部材１５５を開展された向きにおいてともに係止することができる。

エンクロージャー部材１５５の展開及び固定後、壁部材２００、床部材３００及び天井部材４００に位置する１つ以上の予め選択されたチェイスを配線及び接続することができる。エンクロージャー部材１５５の展開及び固定前、その最中又はその後、所望に応じて、１つ以上のドア及び窓のための開口部２０２、２０４が、壁部材２００における所望のロケーションにおいて切り抜かれ、適切なドア及び窓アセンブリが開口部２０２、２０４において位置決め及び締結される。これに関連して、構造体１５０を完成させるために、送水管及び下水道に対して自治体により管理される連結部（municipal hook-ups）が追加される。

上述の詳細な説明は、例示のみを目的としており、本発明を限定するものとみなされるべきではない。本発明は、添付の特許請求の範囲において規定されるものである。

Claims (21)

1. 建築構造体の補強エンクロージャー部材であって、
   （ａ）第１の表面層と、第１の面及びその反対側の第２の面を有する発泡層と、第２の表面層とを有する概ね直線の縁部を有する平面積層物を有し、前記第１の表面層は前記発泡層の前記第１の面に固着され、前記第２の表面層は前記発泡層の前記反対側の第２の面に固着されるものであり、
   （ｂ）補強エンドキャップを有し、前記補強エンドキャップは、
   （１）第１の接合部において細長いウェブ表面に接合された第１の細長いフランジ表面、及び第２の接合部において前記細長いウェブ表面に接合された第２の細長いフランジ表面を有し、該第１の細長いフランジ表面及び該第２の細長いフランジ表面は、所定距離で離隔され、前記ウェブ表面、該第１の細長いフランジ表面及び該第２の細長いフランジ表面は、概ねＣ字チャネル形状を形成し、
   （２）前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面のそれぞれに接合された細長い空洞壁を有し、該細長い空洞壁は、前記細長いウェブ表面から離隔されるとともに、該細長いウェブ表面に対して概ね平行であり、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面を離隔する距離で広がって補強チャネルを画定し、かつ、
   （３）前記補強チャネル内の充填補強材を備えるものであり、
   （ｃ）前記補強エンドキャップは、前記平面積層物の前記概ね直線の縁部に固定され、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面を離隔する前記距離は、その間に前記発泡層の少なくとも前記概ね直線の縁部を受けるように適合される、補強エンクロージャー部材。
2. 前記第１の表面層及び前記第２の表面層はそれぞれ、（ａ）無機酸化物の複数の構造パネルを含む構造層と、（ｂ）金属シートの層と、（ｃ）無機酸化物の複数の構造パネル及び金属シートの層を含む保護層の組み合わせとからなる群から選択される、請求項１に記載の補強エンクロージャー部材。
3. 前記充填補強材は、酸化マグネシウム板片の乾燥スラリー及びエポキシ接着剤を含む、請求項１に記載の補強エンクロージャー部材。
4. 建築構造体のエンクロージャー部材であって、
   第１の表面層と、第１の面及びその反対側の第２の面を有する発泡層と、第２の表面層とを有する概ね直線の縁部を有する平面積層物を有し、前記第１の表面層は前記発泡層の前記第１の面に固着され、前記第２の表面層は前記発泡層の前記反対側の第２の面に固着されるものであり
   当接エンドキャップを有し、前記当接エンドキャップは、
   第１の細長いフランジ表面、細長いウェブ表面及び第２の細長いフランジ表面を有し、前記第１の細長いフランジ表面及び該第２の細長いフランジ表面は、所定距離で離隔され、前記ウェブ表面、該第１の細長いフランジ表面及び該第２の細長いフランジ表面は、概ねＣ字チャネル形状を形成し、
   第１の点において前記第１の細長いフランジ表面及び前記細長いウェブ表面の第１の縁部に接合された第１の傾斜した締結棚と、第２の点において前記第２の細長いフランジ表面及び前記細長いウェブ表面の第２の縁部に接合された第２の傾斜した締結棚と、を備えるものであり、
   前記当接エンドキャップは、前記平面積層物の前記概ね直線の縁部に固定され、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面を離隔する前記距離は、その間に前記発泡層の少なくとも前記概ね直線の縁部を受けるように適合される、エンクロージャー部材。
5. 前記第１の細長いフランジ表面は、前記第１の点の近位で内向きに傾斜し、前記第２の細長いフランジ表面は、前記第２の点の近位で内向きに傾斜する、請求項４に記載のエンクロージャー部材。
6. 前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面のそれぞれに接合された細長い空洞壁を更に備え、該細長い空洞壁は、前記細長いウェブ表面から離隔されるとともに、該細長いウェブ表面に対して概ね平行であり、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面を離隔する距離で広がり、補強チャネルを画定する、請求項４に記載のエンクロージャー部材。
7. 前記第１の表面層及び前記第２の表面層はそれぞれ、（ａ）無機酸化物の複数の構造パネルを含む構造層と、（ｂ）金属シートの層と、（ｃ）無機酸化物の複数の構造パネル及び金属シートの層を含む保護層の組み合わせとからなる群から選択される、請求項４に記載のエンクロージャー部材。
8. 建築構造体の折り畳み可能エンクロージャー部材であって、
   （ａ）第１の概ね直線の縁部を有する第１の平面積層物を有し、
   （ｂ）第２の概ね直線の縁部を有する第２の平面積層物を有し、
   前記第１の平面積層物及び前記第２の平面積層物は、それぞれ、第１の表面層と、第１の面及びその反対側の第２の面を有する発泡層と、第２の表面層とを有し、前記第１の表面層は前記発泡層の前記第１の面に固着され、前記第２の表面層は前記発泡層の前記反対側の第２の面に固着される、第１の平面積層物及び第２の平面積層物と、
   （ｃ）周辺構造部を有し、前記周辺構造部は、
   （１）第１の接合部において第１の細長いウェブ表面に接合された第１の細長いフランジ表面と、第２の接合部において前記第１の細長いウェブ表面に接合された第２の細長いフランジ表面と、を含む第１の周辺セクションを有し、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面は、第１の距離で離隔され、前記第１の細長いウェブ表面、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面は、概ねＣ字チャネル形状を形成し、
   （２）第３の接合部において第２の細長いウェブ表面に接合された第３の細長いフランジ表面と、第４の接合部において前記第２の細長いウェブ表面に接合された第４の細長いフランジ表面と、を含む第２の周辺セクションを有し、前記第３の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面は、第２の距離で離隔され、前記第２の細長いウェブ表面、前記第３の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面は、概ねＣ字チャネル形状を形成するものであり、
   （３）前記第１の周辺セクションは、前記第１の平面積層物の前記第１の概ね直線の縁部に固定され、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面を離隔する前記第１の距離は、その間に少なくとも前記第１の平面積層物の前記発泡層の前記概ね直線の縁部を受けるように適合され、
   （４）前記第２の周辺セクションは、前記第２の平面積層物の前記第２の概ね直線の縁部に固定され、前記第３の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面を離隔する前記第２の距離は、その間に少なくとも前記第２の平面積層物の前記発泡層の前記概ね直線の縁部を受けるように適合されたものであり、
   （ｄ）前記第１の周辺セクションは、前記第１の接合部の近位に第１の一連のヒンジナックルと、前記第２の接合部の近位に第２の一連のヒンジナックルとを有し、
   （ｅ）前記第２の周辺セクションは、前記第３の接合部の近位に第３の一連のヒンジナックルと、前記第４の接合部の近位に第４の一連のヒンジナックルとを有し、
   （ｆ）前記第１の一連のヒンジナックルは、前記第３の一連のヒンジナックルと噛み合い、
   （ｇ）前記噛み合った第１の一連のヒンジナックル及び前記第３の一連のヒンジナックルにおいて収納され、該噛み合った第１の一連のヒンジナックル及び該第３の一連のヒンジナックルを接合して、前記第１の周辺セクションと前記第２の周辺セクションとの間に枢動可能な接合部を形成する第１の円筒形ロッドを有し、前記枢動可能な接合部は、前記第１の細長いウェブ表面が前記第２の細長いウェブ表面に対して或る角度で方向付けられる折り畳み位置から、前記第１の細長いウェブ表面が前記第２の細長いウェブ表面と同一平面上で接触する開展位置へと枢動可能なものであり、
   （ｈ）前記第２の一連のヒンジナックルは、前記枢動可能な接合部が前記開展位置にあるとき、前記第４の一連のヒンジナックルと噛み合うように適合され、
   （ｉ）第２の円筒形ロッドを備え、
   （ｊ）前記第２の一連のヒンジナックル及び前記第４の一連のヒンジナックルは、噛み合ったとき、前記第２の円筒形ロッドを収納し、前記第１の周辺セクションと前記第２の周辺セクションとの間に剛性Ｉ字ビーム構造部を形成するように適合され、前記剛性Ｉ字ビーム構造部は、前記第１の周辺セクション及び前記第２の周辺セクションを含むものである、
   折り畳み可能エンクロージャー部材。
9. 前記第１の周辺セクションは、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面のそれぞれに接合された第１の細長い空洞壁を更に備え、該第１の細長い空洞壁は、前記第１の細長いウェブ表面から離隔されるとともに、該第１の細長いウェブ表面に対して概ね平行であり、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面を離隔する第１の距離で広がり、第１の補強チャネルを画定する、請求項８に記載の折り畳み可能エンクロージャー部材。
10. 前記第２の周辺セクションは、前記第２の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面のそれぞれに接合された第２の細長い空洞壁を更に備え、該第２の細長い空洞壁は、前記第２の細長いウェブ表面から離隔されるとともに、該第２の細長いウェブ表面に対して概ね平行であり、前記第２の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面を離隔する第２の距離で広がり、第２の補強チャネルを画定する、請求項９に記載の折り畳み可能エンクロージャー部材。
11. 前記第１の平面積層物及び前記第２の平面積層物はそれぞれ、（ａ）無機酸化物の複数の構造パネルを含む構造層と、（ｂ）金属シートの層と、（ｃ）無機酸化物の複数の構造パネル及び金属シートの層を含む保護層の組み合わせとからなる群からそれぞれ選択される第１の表面層及び第２の表面層を有する、請求項８に記載の折り畳み可能エンクロージャー部材。
12. 建築構造体の折り畳み可能エンクロージャー部材であって、
    （ａ）第１の概ね直線の縁部を有する第１の平面積層物を有し、
    （ｂ）第２の概ね直線の縁部を有する第２の平面積層物を有し、
    前記第１の平面堆積物と前記第２の堆積物は、それぞれ、第１の表面層と、第１の面及びその反対側の第２の面を有する発泡層と、第２の表面層と、を有し、前記第１の表面層は前記発泡層の前記第１の面に固着され、前記第２の表面層は前記発泡層の前記反対側の第２の面に固着され、
    （ｃ）周辺構造部を有し、前記周辺構造部は、
    （１）第１の細長い縁部領域及び第２の細長い縁部領域を有する第１の細長いウェブ表面を含む第１の周辺セクションを有し、前記第１の周辺セクションは、前記第１の平面積層物の前記第１の概ね直線の縁部に固定されるとともに、前記第１の細長い縁部領域の近位に第１の一連のヒンジナックル及び前記第２の細長い縁部領域の近位に第２の一連のヒンジナックルを有し、
    （２）第３の細長い縁部領域及び第４の細長い縁部領域を有する第２の細長いウェブ表面を含む第２の周辺セクションを有し、前記第２の周辺セクションは、前記第２の平面積層物の前記第２の概ね直線の縁部に固定されるとともに、前記第３の細長い縁部領域の近位に第３の一連のヒンジナックル及び前記第４の細長い縁部領域の近位に第４の一連のヒンジナックルを有するものであり、
    （ｄ）前記第１の一連のヒンジナックルは、前記第３の一連のヒンジナックルと噛み合い、
    （ｅ）前記噛み合った第１の一連のヒンジナックル及び前記第３の一連のヒンジナックルにおいて収納され、該噛み合った第１の一連のヒンジナックル及び該第３の一連のヒンジナックルを接合して、前記第１の周辺セクションと前記第２の周辺セクションとの間に枢動可能な接合部を形成する第１のロッドを有し、前記枢動可能な接合部は、前記第１の細長いウェブ表面が前記第２の細長いウェブ表面に対して或る角度で方向付けられる折り畳み位置から、前記第１の細長いウェブ表面が前記第２の細長いウェブ表面と同一平面上で接触する開展位置へと枢動可能なものであり、
    （ｆ）前記第２の一連のヒンジナックルは、前記枢動可能な接合部が前記開展位置にあるとき、前記第４の一連のヒンジナックルと噛み合うように適合され、
    （ｇ）第２のロッドを備え、かつ、
    （ｈ）前記第２の一連のヒンジナックル及び前記第４の一連のヒンジナックルは、噛み合ったとき、前記第２のロッドを収納し、前記第１の周辺セクションと前記第２の周辺セクションとの間に剛性構造部を形成するように適合され、前記剛性構造部は、前記第１の周辺セクション及び前記第２の周辺セクションを含むものである、
    折り畳み可能エンクロージャー部材。
13. 前記第１の平面積層物及び前記第２の平面積層物はそれぞれ、（ａ）無機酸化物の複数の構造パネルを含む構造層と、（ｂ）金属シートの層と、（ｃ）無機酸化物の複数の構造パネル及び金属シートの層を含む保護層の組み合わせとからなる群からそれぞれ選択される第１の表面層及び第２の表面層を有する、請求項１２に記載の折り畳み可能エンクロージャー部材。
14. 建築構造体の折り畳み可能エンクロージャー部材であって、
    （ａ）第１の概ね直線の縁部を有する第１の平面積層物を有し、
    （ｂ）第２の概ね直線の縁部を有する第２の平面積層物を有し、
    前記第１の平面堆積物と前記第２の堆積物は、それぞれ、第１の表面層と、第１の面及びその反対側の第２の面を有する発泡層と、第２の表面層と、を有し、前記第１の表面層は前記発泡層の前記第１の面に固着され、前記第２の表面層は前記発泡層の前記反対側の第２の面に固着され、
    （ｃ）周辺構造部を有し、前記周辺構造部は、
    （１）第１の接合部において第１の細長いウェブ表面に接合された第１の細長いフランジ表面と、第２の接合部において前記第１の細長いウェブ表面に接合された第２の細長いフランジ表面と、を含む第１の周辺セクションを有し、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面は、第１の距離で離隔され、前記第１の細長いウェブ表面、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面は、概ねＣ字チャネル形状を形成し、
    （２）第３の接合部において第２の細長いウェブ表面に接合された第３の細長いフランジ表面と、第４の接合部において前記第２の細長いウェブ表面に接合された第４の細長いフランジ表面と、を含む第２の周辺セクションを有し、前記第３の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面は、第２の距離で離隔され、前記第２の細長いウェブ表面、前記第３の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面は、概ねＣ字チャネル形状を形成するものであり、
    （３）前記第１の周辺セクションは、前記第１の平面積層物の前記第１の概ね直線の縁部に固定され、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面を離隔する前記第１の距離は、その間に少なくとも前記第１の平面積層物の前記発泡層の前記概ね直線の縁部を受けるように適合され、
    （４）前記第２の周辺セクションは、前記第２の平面積層物の前記第２の概ね直線の縁部に固定され、前記第３の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面を離隔する前記第２の距離は、その間に少なくとも前記第２の平面積層物の前記発泡層の前記概ね直線の縁部を受けるように適合されたものであり、
    （ｄ）前記第１の周辺セクションは、前記第１の接合部の近位に第１の一連のヒンジナックルと、前記第２の接合部の近位に第２の一連のヒンジナックルとを有し、
    （ｅ）前記第２の周辺セクションは、前記第３の接合部の近位に第３の一連のヒンジナックルと、前記第４の接合部の近位に第４の一連のヒンジナックルとを有し、
    （ｆ）前記第１の一連のヒンジナックルは、前記第３の一連のヒンジナックルと当接関係でペアになって複数のギャップを画定し、各ギャップは、前記第１の一連のヒンジナックルと前記第３の一連のヒンジナックルとの各隣接する当接するペアの間の空間によって画定され、
    （ｇ）複数のスペーサーリンクを有し、各スペーサーリンクは、２つの離隔したボアを有し、該複数のスペーサーリンクのそれぞれは、前記複数のギャップのうちのそれぞれのギャップ内に位置決めされ、
    （ｈ）前記第１の一連のヒンジナックル及び前記複数のスペーサーリンクのそれぞれの前記２つの離隔したボアのうちの第１のボアに収納されて、前記第１の一連のヒンジナックル及び前記複数のスペーサーリンクを接合する第１の円筒形ロッドを有し、
    （ｉ）前記第３の一連のヒンジナックル及び前記複数のスペーサーリンクのそれぞれの前記２つの離隔したボアのうちの第２のボアに収納されて、前記第３の一連のヒンジナックル及び前記複数のスペーサーを接合し、
    それにより、前記第１の周辺セクションと前記第２の周辺セクションとの間に枢動可能な接合部を形成する第２の円筒形ロッドを有し、前記枢動可能な接合部は、前記第１の細長いウェブ表面が前記第２の細長いウェブ表面と同一平面にある折り畳み位置から、前記第１の細長いウェブ表面が前記第２の細長いウェブ表面と同一平面上で接触する開展位置へと枢動可能なものであり、
    （ｊ）前記第２の一連のヒンジナックルは、前記枢動可能な接合部が前記開展位置にあるとき、前記第４の一連のヒンジナックルと噛み合うように構成され、
    （ｋ）第３の円筒形ロッドを備え、かつ、
    （ｌ）前記第２の一連のヒンジナックル及び前記第４の一連のヒンジナックルは、噛み合ったとき、前記第３の円筒形ロッドを収納し、前記第１の周辺セクションと前記第２の周辺セクションとの間に剛性Ｉ字ビーム構造部を形成するように適合され、前記剛性Ｉ字ビーム構造部は、前記第１の周辺セクション及び前記第２の周辺セクションを含むものである、折り畳み可能エンクロージャー部材。
15. 前記第１の周辺セクションは、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面のそれぞれに接合された第１の細長い空洞壁を更に備え、該第１の細長い空洞壁は、前記第１の細長いウェブ表面から離隔されるとともに、該第１の細長いウェブ表面に対して概ね平行であり、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面を離隔する第１の距離で広がり、第１の補強チャネルを画定する、請求項１４に記載の折り畳み可能エンクロージャー部材。
16. 前記第２の周辺セクションは、前記第２の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面のそれぞれに接合された第２の細長い空洞壁を更に備え、該第２の細長い空洞壁は、前記第２の細長いウェブ表面から離隔されるとともに、該第２の細長いウェブ表面に対して概ね平行であり、前記第２の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面を離隔する第２の距離で広がり、第２の補強チャネルを画定する、請求項１５に記載の折り畳み可能エンクロージャー部材。
17. 前記第１の平面積層物及び前記第２の平面積層物はそれぞれ、（ａ）無機酸化物の複数の構造パネルを含む構造層と、（ｂ）金属シートの層と、（ｃ）無機酸化物の複数の構造パネル及び金属シートの層を含む保護層の組み合わせとからなる群からそれぞれ選択される第１の表面層及び第２の表面層を有する、請求項１４に記載の折り畳み可能エンクロージャー部材。
18. 建築構造体の折り畳み可能エンクロージャー部材であって、
    （ａ）第１の概ね直線の縁部を有する第１の平面積層物を有し、
    （ｂ）第２の概ね直線の縁部を有する第２の平面積層物を有し、
    前記第１の平面堆積物と前記第２の堆積物は、それぞれ、第１の表面層と、第１の面及びその反対側の第２の面を有する発泡層と、第２の表面層と、を有し、前記第１の表面層は前記発泡層の前記第１の面に固着され、前記第２の表面層は前記発泡層の前記反対側の第２の面に固着され、
    （ｃ）周辺構造部を有し、前記周辺構造部は、
    （１）第１の接合部において第１の細長いウェブ表面に接合された第１の細長いフランジ表面と、第２の接合部において前記第１の細長いウェブ表面に接合された第２の細長いフランジ表面と、を含む第１の周辺セクションを有し、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面は、第１の距離で離隔され、前記第１の細長いウェブ表面、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面は、概ねＣ字チャネル形状を形成し、
    （２）第３の接合部において第２の細長いウェブ表面に接合された第３の細長いフランジ表面と、第４の接合部において前記第２の細長いウェブ表面に接合された第４の細長いフランジ表面と、を含む第２の周辺セクションを有し、前記第３の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面は、第２の距離で離隔され、前記第２の細長いウェブ表面、前記第３の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面は、概ねＣ字チャネル形状を形成するものであり、
    （３）前記第１の周辺セクションは、前記第１の平面積層物の前記第１の概ね直線の縁部に固定され、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面を離隔する前記第１の距離は、その間に少なくとも前記第１の平面積層物の前記発泡層の前記概ね直線の縁部を受けるように適合され、
    （４）前記第２の周辺セクションは、前記第２の平面積層物の前記第２の概ね直線の縁部に固定され、前記第３の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面を離隔する前記第２の距離は、その間に少なくとも前記第２の平面積層物の前記発泡層の前記概ね直線の縁部を受けるように適合されたものであり、
    （ｄ）前記第１の周辺セクションは、前記第１の接合部の近位に第１の一連のヒンジナックルと、前記第２の接合部の近位に第１の細長いさねはぎシールとを有し、
    （ｅ）前記第２の周辺セクションは、前記第３の接合部の近位に第３の一連のヒンジナックルと、前記第４の接合部の近位に第２の細長いさねはぎシールとを有し、
    （ｆ）前記第１の一連のヒンジナックルは、前記第３の一連のヒンジナックルと噛み合い、
    （ｇ）前記噛み合った第１の一連のヒンジナックル及び前記第３の一連のヒンジナックルにおいて収納され、該噛み合った第１の一連のヒンジナックル及び該第３の一連のヒンジナックルを接合して、前記第１の周辺セクションと前記第２の周辺セクションとの間に枢動可能な接合部を形成する第１の円筒形ロッドを有し、
    前記枢動可能な接合部は、前記第１の細長いウェブ表面が前記第２の細長いウェブ表面に対して或る角度で方向付けられる折り畳み位置から、前記第１の細長いウェブ表面が前記第２の細長いウェブ表面と同一平面上で接触する開展位置へと枢動可能なものであり、かつ、
    （ｈ）前記第１の細長いさねはぎシール部分は、前記枢動可能な接合部が前記開展位置にあるとき、前記第２の細長いさねはぎシール部分に噛み合うように構成される、折り畳み可能エンクロージャー部材。
19. 前記第１の周辺セクションは、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面のそれぞれに接合された第１の細長い空洞壁を更に備え、該第１の細長い空洞壁は、前記第１の細長いウェブ表面から離隔されるとともに、該第１の細長いウェブ表面に対して概ね平行であり、前記第１の細長いフランジ表面及び前記第２の細長いフランジ表面を離隔する第１の距離で広がり、第１の補強チャネルを画定する、請求項１８に記載の折り畳み可能エンクロージャー部材。
20. 前記第２の周辺セクションは、前記第２の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面のそれぞれに接合された第２の細長い空洞壁を更に備え、該第２の細長い空洞壁は、前記第２の細長いウェブ表面から離隔されるとともに、該第２の細長いウェブ表面に対して概ね平行であり、前記第２の細長いフランジ表面及び前記第４の細長いフランジ表面を離隔する第２の距離で広がり、第２の補強チャネルを画定する、請求項１９に記載の折り畳み可能エンクロージャー部材。
21. 前記第１の平面積層物及び前記第２の平面積層物はそれぞれ、（ａ）無機酸化物の複数の構造パネルを含む構造層と、（ｂ）金属シートの層と、（ｃ）無機酸化物の複数の構造パネル及び金属シートの層を含む保護層の組み合わせとからなる群からそれぞれ選択される第１の表面層及び第２の表面層を有する、請求項１８に記載の折り畳み可能エンクロージャー部材。

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