JP2022510753A - 低アルコールビール - Google Patents

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Abstract

本発明は、エタノール含有量が0~1.0体積%のビールを調製する方法であって、制限発酵ビールを含む、エタノール含有量が0~20体積%の媒体を用意することと、前記媒体を蒸留ステップに供し、それによって、前記媒体における2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、trans-2-ノネナール、ベンズアルデヒドおよびフルフラールからなる群から選択される1種または複数のアルデヒドの量を低減し、それによって、エタノールが存在する場合その含有量も0~1.0体積%の範囲の含有量に低減することとを含む方法を開示する。【選択図】なし

Description

本発明は、改善されたフレーバーを有するゼロまたは低アルコールビールの生成に関する。さらに詳細には、本発明は、いわゆる「麦汁」フレーバーノートが低減された非アルコール性発酵ビールを生成するプロセスを提供する。本発明はまた、ビールをより飲用に適したものにする、望ましくない麦汁フレーバーノートが低減された独自の好ましいフレーバープロファイルを有する非アルコール性発酵ビールにも関する。
ビールは、世界中で最も人気のあるアルコール飲料の1つである。ビールは、糖をエタノール(「アルコール」)に変換する酵母を使用して、穀類に由来する糖含有水性マトリックスの発酵によって調製される。ビールの生成プロセスは一般的に知られており、当業者は、共通一般知識および本明細書に開示されている情報に基づいてビールを得ることができる。
ビールは、通常は大麦などの穀物から作製されるが、小麦またはモロコシを含め、これらに限定されない他の穀物の種類も使用することができる。ビールは、通常は次の基本的ステップ、すなわち、穀類と水の混合物をマッシングして、マッシュを生成するステップ、麦汁および使用済み穀類中のマッシュを分離するステップ、麦汁を煮沸して、煮沸した麦汁を生成するステップ、煮沸した麦汁を生酵母(サッカロマイセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)またはサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)など)で発酵させて、発酵した麦汁を生成するステップ、発酵した麦汁を1つまたは複数の別のプロセスステップ(例えば、成熟および濾過)にかけて、ビールを生成するステップ、およびビールを密封容器、例えば瓶、缶または樽にパッケージングするステップを含むプロセスによって生成される。
大麦モルトビールを生成する例示的なプロセスにおいて、大麦を製麦する。それは、大麦を発芽させ、続いて乾燥(「焙燥」)して、モルトを生成することを意味する。このプロセスは、味および色化合物の形成、ならびに別のフレーバー発生およびデンプン分解にとって重要である酵素の形成にとって重要である。続いて、モルトを製粉し、水に懸濁する(「マッシング」)。マッシュを加熱して、デンプン分解を促進する。続いて、濾過により、麦汁が得られ、発酵性糖のほぼ清澄な水性溶液であり、様々なフレーバーおよびアロマならびに他の多くの化合物も含有する。麦汁中に、望ましい味およびアロマ化合物と望ましくない味およびアロマ化合物が両方存在する。過度な「麦汁」フレーバーは、過剰なアルデヒドの存在に由来するものであるが、一般に望ましくないとみなされる。
麦汁を煮沸して、滅菌し、タンパク質を沈殿させ、濃縮する。場合によって、ホップを添加し、苦味およびフレーバーを加える。この混合物を、沈殿物の除去後に発酵に供する。発酵によって、エタノールおよび二酸化炭素中で発酵性糖の変換が起こり、また様々な新規フレーバー化合物の形成も起こり、それらのフレーバー化合物のうちには、エステルがある。同時に、ビールの発酵により、アルデヒドの量が低減し、それにより、得られたビールの過剰な麦汁フレーバーを防止する。外観および味を最適化するために、発酵後にビールを濾過および/または貯蔵することができる。
ビールのアルコール含有量に関連した健康についての懸念および交通安全に対する認識の深まりは、アルコール含有量が低いまたはさらにはゼロのビールに対する関心を急上昇させた。現時点では、アルコール含有量が低いまたはゼロのビールの調製には、レギュラー(アルコール含有)ビールの脱アルコール、および順応発酵によってアルコール形成を制限するプロセスであるビールの調製(「制限アルコール発酵」)の、主に2つの技法がある。
ビールの脱アルコールは、通常の醸造ビールに対して行われ、エタノールを除去するが他のフレーバー成分をできる限り除去しないように設計されている。脱アルコールは、例えばレギュラービールの精留、逆浸透または透析によって行うことができる(一般方法については、Mangindaanら、Trends in Food Science and Technology 71 (2018), 36-45;またはBranyikら、J. Food Eng. 108 (2012), 493-506を参照のこと)。しかし、ビールの脱アルコール時におけるフレーバーの喪失を防止することは困難である。その結果、脱アルコールビールの欠点は単調なフレーバーであるが、これはフレーバー(味およびにおい)化合物の添加により是正して許容できるビールを得ることができる。しかし、フレーバーは、多くの種類の化合物が一緒にフレーバーを付与する役割を果たしているために複雑であるので、脱アルコール、続いてフレーバー付与を行ったビールは、一般的に味がレギュラービールの味より好ましくないと考えられる。
低またはゼロアルコールビールは、制限アルコール発酵により調製することもできる(以上に引用したBranyikらを参照のこと)。制限アルコール発酵は、エタノール形成がほとんどまたは全くない(または少なくとも、完全発酵プロセスによって、正味のアルコール形成がほとんどまたは全く行われない)条件下で、麦汁を発酵させるプロセスである。
重要な1つのプロセスは、低温接触発酵である。麦汁を低温で発酵させると、酵母によって、たとえ、エステルごとの量が通例の発酵から得られる量と異なることがあるにしても、エステルなどいくつかのフレーバー成分は産生されるが、アルコールはわずかに産生されるだけである。低温では、麦汁フレーバーの原因となるアルデヒドレベルを低減する酵母の可能性が低下する。その結果、低温接触プロセス(または別の制限発酵プロセス)を使用して生成される低またはゼロアルコールビールは、アルデヒド量が比較的高いという欠点を有し、麦汁フレーバーが低またはゼロアルコールビールに付与される。さらに、そのようなビールは、一般に残存する発酵性糖の存在のために比較的に甘い。異なる種類の制限発酵ビールのうち、低温接触発酵ビールは、特に高量のアルデヒドを含有することが知られている。
一般に、ビールのフレーバーは、とりわけ様々な糖の量および種類、エステルなどの様々なフレーバー化合物の量および種類、様々な麦汁(アルデヒド)フレーバーの量および種類、ならびにアルコールの量の間で微妙なバランスの結果である。アルコールの存在により、抑制される味の属性もあれば、増強される味の属性もある。例えば、アルコールの存在により、麦汁の味が抑制される。したがって、非アルコールビールにフレーバーを担うすべての化合物を同一の量で導入するだけで、レギュラー(アルコール含有)ビールの味を模倣することはできない(以上に引用したBranyikらを参照のこと)。しかし、例えばUS2012/0207909に記載されているように、アルデヒドの低い基準レベルはビールの味に寄与する。さらに、とりわけ有機酸塩および小ペプチドやアミノ酸などのアミノ化合物の量および種類は、最終ビールの味に影響を及ぼす。
既存の低またはゼロアルコールビールは、一般に飲用としての適性の欠如という難点がある。大半の人は、わずかグラス1または2杯を飲用した後に味で飽和状態になり、これは、通常のアルコール含有ビールの飲用と対照をなす。味による飽和状態は、一般に、低アルコール含有量と相まってアルデヒドレベルが高いために過度に強烈な麦汁フレーバーによって引き起こされる強すぎるフレーバー、および/または高すぎる甘味によって引き起こされる。さらに、既存の低またはゼロアルコールビールは、バランスがとれていないことが多い。本発明は、これらの欠点を克服する方法を提供する。
本発明は、エタノール含有量が0~1.0体積%のビールを調製する方法であって、制限発酵ビールを含む、エタノール含有量が0~20体積%の媒体を用意することと、前記媒体を蒸留ステップに供し、それによって、2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒド(「メチオナール」)、フェニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、trans-2-ノネナール、ベンズアルデヒドおよびフルフラールからなる群から選択される1種または複数のアルデヒドの量を低減し、それによって、エタノールが存在する場合その含有量も0~1.0体積%の範囲の含有量に低減することとを含む、方法を開示する。
本発明は、制限発酵により得られたビールを含む媒体からアルデヒドが蒸留により低減されるプロセスを開示する。これは、アルデヒドが除去され、それによって、好ましい低アルデヒド量、および好ましいアルデヒドと糖の比になるという利点を有する。好ましい実施形態において、制限発酵ビールの蒸留は、アルコール(エタノール)の存在下で行われ、さらにより好ましいアルデヒドと糖の比、および改善されたフレーバープロファイルを付与する。蒸留がレギュラービールおよび制限発酵ビールの混合物で行われる場合、既存の市販の低またはゼロアルコールビールより飲用に適した改善されたフレーバープロファイルをもつゼロまたは低アルコールビールを得るように、すべてのフレーバー化合物間のバランスを最適化することができる。本方法により、いわゆる「麦汁」オフフレーバー(off-flavors)を引き起こすアルデヒドを除去し、同時にエタノール含有量を下げて、ゼロまたは低アルコールビールを得ることが可能になる。さらに、当該方法は、ゼロまたは低アルコールビールの甘い味の低減、それによって強すぎるフレーバーの低減または除去を可能にする。これにより、ビールがより飲用に適したものとなる。
本発明はさらに、エタノール含有量が0~1.0体積%であり、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、およびマルトトリオースの合計と定義される全糖含有量が少なくとも0.2g/100mlであり、2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒド、およびフェニルアセトアルデヒドの合計と定義されるストレッカーアルデヒドの合計含有量が、50μg/l未満であり、かつ/または、18μg/l未満、好ましくは10μg/l未満、より好ましくは2~10μg/lの2-メチルプロパナール、3.8μg/l未満、好ましくは0.2~2.5μg/lの2-メチルブタナール、14μg/l未満、好ましくは1~10μg/lの3-メチルブタナール、10μg/l未満、好ましくは2~8μg/lの3-メチルチオプロピオンアルデヒド、20μg/l未満、好ましくは1~8μg/lのフェニルアセトアルデヒドを有し、2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒドおよびフェニルアセトアルデヒドの全重量のマルトースに対する重量比が、15μg/マルトース1g未満である、ビールを開示する。
本明細書に定義するビールは、既存のNAビールより、フレーバーが強すぎず、甘い味が低減され、麦汁フレーバーが低下し、したがって飲用に適していることが見出された。
本発明は、エタノール含有量が0~1.0体積%のビールを調製する方法であって、
・制限発酵ビールを含む、エタノール含有量が0~20体積%の媒体を用意することと、
・前記媒体を蒸留ステップに供し、それによって、エタノールが存在する場合その含有量を低減し、それによって、2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、trans-2-ノネナール、ベンズアルデヒドおよびフルフラールからなる群から選択される1種または複数のアルデヒドの量も低減することと
を含む、方法を開示する。
本文脈において、ビールは、広義の意味で理解されるものとし、すなわち、ビールは、いかなる種類のビールも指してよく、エール、ポーター、シュタウト、ラガーおよびボックビールが挙げられるが、これらに限定されない。ビールは、好ましくはモルトベースのビールであり、すなわち、(とりわけ)モルトから調製された麦汁の発酵により調製されるビールである。好ましくは、ビールはラガービールであり、下面発酵酵母を使用して7~15℃で発酵させ、その後低温で貯蔵による熟成を行うことによって得られるビールである。ラガービールとしては、例えばピルスナーが挙げられる。最も好ましくは、本明細書に記載されるビールはピルスナーである。ピルスナーは、ペールラガービールである。本発明の目的は、レギュラービールの味および飲用としての適性を有するNAビールを提供することである。
本文において、「ゼロまたは低アルコールビール」は、エタノール含有量が1.0体積%(「ABV」)以下、好ましくは0.5体積%以下、より好ましくは0.2体積%以下であるビールである。そのようなビールは、NAビールと呼ばれる。したがって、NAビールは、エタノール含有量が好ましくは0~0.5体積%などの0~1.0体積%であるビールである。
本文脈において、「アルデヒド」または「全アルデヒド」は、アルデヒドの2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、trans-2-ノネナール、ベンズアルデヒドおよびフルフラールを指す。アルデヒドのうちには、「ストレッカーアルデヒド」があり、アルデヒドの2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒド、およびフェニルアセトアルデヒドである。
本発明は、アルデヒドの量を低減する、制限発酵ビールを含む媒体の蒸留方法であって、それらのアルデヒドのうちには、ストレッカーアルデヒドがある、方法を開示する。
制限発酵ビールは、麦汁の制限エタノール発酵によって得られた発酵ビールと定義される。麦汁の制限エタノール発酵は、著しい正味のエタノール形成をもたらさない発酵である。すなわち、本明細書に定義する制限発酵によって、エタノールが1体積%以下、好ましくは0.5体積%以下になる。したがって、制限発酵ビールは、エタノール含有量が1.0体積%以下、好ましくは0.5体積%以下である。当業者は、著しい正味のエタノール形成をもたらさない様々な制限発酵技法を認識している。例としては、下記を特徴とする麦汁の制限エタノール発酵である。
・7℃未満、好ましくは-1~4℃、例えば-0.5~2.5℃の温度で、好ましくは8~72時間、より好ましくは12~48時間(「低温接触発酵ビール」)、および/または
・短い(例えば、2時間未満)発酵時間であり、その発酵は、-0.5~1℃への急速冷却など温度不活性化、場合によってその後引き続いて殺菌によって急速に止まる(「停止発酵ビール」)こと、および/または
・例えば麦汁において発酵性糖1グラム当たりエタノール0.2g未満、好ましくは発酵性糖1グラム当たりエタノール0.1g未満を産生する酵母株など、適用された発酵条件下で比較的低量のエタノールを産生する酵母株による発酵。好適な株(例えば、クラブトリー陰性株)が、当技術分野において知られており、変動する発酵条件下で産生されるエタノールの量が、ルーチンの実験により決定することができる(「酵母制限ビール」)。および/または
・第1のエタノール産生酵母株を使用し、サッカロマイセス・ルキシー(Saccharomyces rouxii)などエタノールを消費する第2の酵母株が、第1の酵母株によって産生されるエタノールの実質的にすべてを消費するのに十分な量で存在する下での発酵、および/または
・その発酵完了後に最大1.0体積%のアルコールを産生するような発酵性糖の含有量を有する麦汁。この場合、麦汁は、一般に発酵性糖の含有量が17.5g/l未満、好ましくは12g/l未満、より好ましくは8g/l未満である(「糖不足麦汁ビール」)。
制限発酵ビールは、麦汁の制限エタノール発酵により得られるビールである。制限発酵は、発酵から得られた産物のエタノール含有量が1.0体積%以下、好ましくは0.5体積%以下であるプロセスである。そのようなビールは、例えばBranyikら、J. Food Eng. 108 (2012), 493-506などに記載される一般に知られている方法により得ることができる。通常、制限発酵ビール中のストレッカーアルデヒドの全量は少なくとも60μg/lであり、全アルデヒド量は少なくとも600μg/lである。
制限発酵ビールを、1.0体積%以下、好ましくは0.5体積%以下の前記エタノール含有量を達成する脱アルコールステップには供していない。当業者は、発酵ビールの脱アルコールに適した様々な技法を知っており、これらの技法はいずれも、1.0体積%以下、好ましくは0.5体積%以下の前記エタノール含有量を達成するために適用されていない。本文脈において、制限発酵ビールを脱アルコールステップに場合によって供し、発酵から得られるエタノール含有量を1.0体積%以下、好ましくは0.5体積%以下からより低いエタノール含有量に低減することができる。しかし、好ましくは本明細書に定義される制限発酵ビールは脱アルコールステップに全く供されていない。
ビールの脱アルコールに使用される脱アルコールステップは、当技術分野においてよく知られており、例えばエタノールを発酵ビールから除去する精留ステップ、逆浸透ステップ、透析ステップまたは凍結濃縮ステップを指すことができる。そのような技法は、例えば以上に引用したMangindaanらの文献に記載されている。
制限発酵ビールは、好ましくは糖不足麦汁ビール、酵母制限ビール、停止発酵ビール、または低温接触発酵ビールである。一実施形態において、制限発酵ビールは、糖不足麦汁ビールである。別の実施形態において、制限発酵ビールは、酵母制限ビールである。さらに別の実施形態において、制限発酵ビールは、停止発酵ビールである。さらに別の実施形態において、制限発酵ビールは、低温接触発酵ビールである。好ましい実施形態において、制限発酵ビールは、低温接触発酵ビールである。
低温接触発酵は、当技術分野においてよく知られており、当業者は、当技術分野において知られているまたは本明細書に開示されているいかなる手段によっても低温接触発酵ビールを得ることができる。低温接触発酵ビールを得るための例示的な方法は、例えば以上に引用したBranyikらの文献に記載されている。あるいは、低温接触発酵ビールを商品として得ることができる。
制限発酵ビールを含む媒体の蒸留によって、2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒドおよびフェニルアセトアルデヒドからなる群から選択される1種または複数のアルデヒドが(媒体から)除去される。これらのアルデヒドは、「ストレッカーアルデヒド」と総称される。蒸留によって、2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、trans-2-ノネナール、ベンズアルデヒドおよびフルフラールからなる群から選択される1種または複数のアルデヒドの除去も行われる。これらのアルデヒドは、「全アルデヒド」と総称される。
蒸留は公知のプロセスであり、当業者は、共通一般知識および本明細書に開示されている情報に基づいて蒸留に適した条件を決定することができる。好ましい実施形態において、蒸留は、10~100℃、より好ましくは20~65℃、より好ましくは30~50℃、さらにより好ましくは40~46℃の温度で行われる。蒸留はさらに好ましくは、0.01~500mbar、好ましくは1~200mbar、より好ましくは50~150mbar、さらにより好ましくは80~110mbarの圧力などの減圧で行われる。
好ましくは、蒸留は、記載の温度および圧力における真空蒸留である。本発明による真空蒸留プロセスは、下記のステップのうちの1つまたは複数を含むことができる。
・媒体を、例えば熱交換器で予熱するステップ、
・媒体を、例えば真空脱気装置で場合によって脱気するステップ、
・アルデヒドおよびエタノールが存在する場合、アルデヒドおよびエタノールから、媒体を1つまたは複数の真空カラム、例えば充填床カラムで分離するステップ、
・得られたゼロまたは低アルコールビールを冷却し、場合によって炭酸化するステップ。
当業者は、蒸留を行うのに適した機器を選択することができる。蒸留は、例えば市販の精留カラムで行うことができる。当業者は、「Chemical Engineering Design」、R. K. Sinnott (6巻、第4版、2005)などに記載されている共通一般知識に基づいて好適な構成を選択することができる。
当業者が理解するように、蒸留を所望のエタノール含有量が得られるように適合させることができる。好ましい実施形態において、蒸留後に得られるビールのエタノール含有量は、1体積%以下、好ましくは0.5体積%以下、さらにより好ましくは0.2体積%以下、さらにより好ましくは0.1体積%以下である。1体積%以下のエタノールを有するビールを、ゼロもしくは低アルコールビールまたはNAビールと呼ぶこともできる。
蒸留される媒体は、制限発酵ビールを含む媒体である。一実施形態において、媒体は制限発酵ビールのみを含み、その実施形態において、本発明は、制限発酵ビールの蒸留方法であって、アルデヒド(およびエタノール、エタノールが存在する場合)を制限発酵ビールから除去する、方法を開示する。制限発酵ビールの好ましい種類は以上に定義している。
別の実施形態において、蒸留される媒体は、制限発酵ビールおよび追加量のエタノールを含む媒体である。この実施形態において、媒体は、好ましくは制限発酵ビールを含み、全エタノール含有量が1~15体積%、好ましくは2~10体積%、より好ましくは2.5~7.5体積%である。この実施形態において、媒体は、エタノールが制限発酵ビールに添加されるステップにより得られる。この実施形態において、蒸留ステップはさらに、エタノールを媒体から除去する。
エタノールを純粋な(例えば95%より高い、好ましくは98%より高いなど)エタノールとして、または少なくとも2体積%、好ましくは少なくとも4体積%のエタノールを含む水性媒体などの、エタノールを含む水性媒体として、制限発酵ビールと組み合わせることができる。非常に好ましい実施形態において、水性媒体は、2~15体積%のエタノール、好ましくは4~10体積%のエタノールを含む。
この実施形態の追加の利点は、アルコールの存在下におけるアルデヒド除去が効率的でなくなることである。これが好ましいのは、例えばUS2012/0207909に記載されているように、アルデヒドのある基準レベルが豊かなビールの味を付与するのに好ましいからである。前記基準レベルのアルデヒドを好適なフレーバー化合物と組み合わせると、甘味が低く、かつ麦汁フレーバーが低い、適切にバランスがとれたビールが得られる。本明細書で定義する低またはゼロアルコールビールにおいて、ストレッカーアルデヒドが少なくとも10μg/lの量で存在し、全アルデヒドが好ましくは少なくとも25μg/lの量で存在する場合好ましいことが見出された。以上に開示したアルコールの存在下で蒸留ステップを行うことによって、アルデヒドと糖の比を最適化することができ、それによって改善されたフレーバーのゼロまたは低アルコールビールが得られる。
非常に好ましい実施形態において、エタノールを含む水性媒体は、レギュラービールである。この実施形態において、媒体は、制限発酵ビールおよびレギュラービールの混合物を含む。好ましくは、媒体は、制限発酵ビールおよびレギュラービールの混合物である。
この文脈では、「レギュラービール」は、1体積%より高いエタノールを生じる発酵プロセスを使用して得られる通常の醸造ビールである。したがって、本明細書に定義されるレギュラービールは、エタノール含有量が1体積%より高く、好ましくは15体積%未満である。レギュラービールのエタノール含有量は、好ましくは2~15体積%、より好ましくは2.5~12体積%、より好ましくは3.5~9体積%である。レギュラービールは、好ましくは上記のラガービールであり、最も好ましくはピルスナーである。当業者は、レギュラービール、そのうちレギュラーラガービールおよびピルスナーを例えばThe Brewers Handbook (第2版) of Ted Goldammer(2008、Apex publishers社)に記載されている方法または本明細書に開示されている方法によって得ることができる。あるいは、レギュラービールは、商品として得ることができる。レギュラービールは、一般に全量で50μg/l以下のストレッカーアルデヒド、および全量で400μg/l以下のアルデヒドを含む。
媒体がレギュラービールおよび制限発酵ビールを含む実施形態は、別の利点をもたらすので非常に好ましい。
第1に、制限発酵ビールおよびレギュラービールの混合物を作製することは、制限発酵ビールの希釈を意味する。これにより、蒸留により媒体から除去されるアルデヒド量は、アルデヒドが制限発酵ビール中に、レギュラービール中より高量で存在するので、希釈により低減される。これにより、処理時間およびエネルギーが低減される。しかし、希釈ステップだけでは、アルデヒドを必要量に低減せず、したがって十分なアルデヒド除去を行うのに蒸留ステップがやはり必要とされる。
第2に、レギュラービールは制限発酵ビールより高量の、エステルなどのフレーバー化合物を含む。制限発酵ビールとレギュラービールを混合することによって、媒体中のフレーバー化合物の量および種類が増加され、蒸留後の最終ビール中のフレーバーの量および種類が増加される。
特に、本発明による方法において使用される好ましいレギュラービールは、麦汁(アルデヒド)の味をマスキングし、爽快なフレーバーを付与し、ビールをより飲用に適したものにするのに重要な2-メチルペンタン酸エチルを含む(同日に出願の「Low alcohol beer with reduced wort flavor」という名称の同時係属出願(PCT/NL2018/050587)を参照のこと)。
また、レギュラービールは、遊離アミノ窒素(free amino nitrogen)を含み、そのうちには、アミノ酸があり、これも、最終ビールの味に寄与する。制限発酵ビールとレギュラービールを混合することによって、媒体はとりわけ遊離アミノ窒素で強化される。したがって、蒸留から得られるビールは、好ましくは20~250mg/l、より好ましくは50~200mg/l、より好ましくは75~150mg/lの遊離アミノ窒素(FAN)を含む。
さらに、レギュラービールは、最終ビールの一部分となる2-メチルペンタン酸エチルを含む。したがって、最終ビールは通常、爽快なフレーバーを付与しアルデヒドの味をマスキングする際に特に効果的であるとわかっている2-メチルペンタン酸エチルを少なくとも0.001μg/l含む。好ましくは、2-メチルペンタン酸エチル量は、0.001~1000μg/lの範囲である。
第3に、レギュラービールは泡沫に対する負の因子(foam negative factors)を含む。重要な泡沫への負の因子はAcHFAである。泡沫に対する負の因子としてのAcHFAの影響は、同一出願の「foam stability」という名称の同時係属出願(PCT/NL2018/050588)に記載されている。
AcHFA(「アセチル化ヒドロキシ脂肪酸」)は、カルボン酸基およびC11~C21直鎖状アルキル基を含むC12~C22脂肪酸であり、前記アルキル基は、部分不飽和であってもよく、かつ少なくとも1つのヒドロキシ基および少なくとも1つのアセテート基で置換されている。アセテート基(HCCO-)は、(当技術分野においてよく見られるように)-OAcと略される。
AcHFAは、構造1と定義することができ、
Figure 2022510753000001

式中、n=4~9の整数であり、
Figure 2022510753000002

それぞれで、A、B、Cおよび/またはDはそれぞれ同じでも異なってもよく、
a)
Figure 2022510753000003

は単結合であり、その場合、
AおよびBの一方はH、OHまたはOAcであり、AおよびBの他方はHであり、
CおよびDの一方はH、OHまたはOAcであり、CおよびDの他方はHであるか、あるいは
b)
Figure 2022510753000004

は二重結合であり、その場合、
AおよびBの一方はHであり、AおよびBの他方は存在せず(これは、AおよびBの他方は存在しないものであることを意味する)、CおよびDの一方はHであり、CおよびDの他方は存在せず(これは、AおよびBの他方は存在しないものであることを意味する)、
ただし、構造1において、すべてのA、B、C、Dのうちの少なくとも1つはOHであり、すべてのA、B、C、Dのうちの少なくとも1つはOAcであることを条件とする。
一般に知られているように、二重結合は、シスまたはトランス立体配置をとることができるが、立体配置はシスであることが好ましい。さらに、有機酸によく見られるように、酸基は、中性の形態(-COHとして表される)をとることができるが、イオンの形態(-CO )、または塩の形態((-COM、ここで、Mは、いずれかの金属イオン、好ましくは例えばNa、K、Ca、Mg、Fe、Cu、ZnまたはMnのイオンなどビールにおいて有効な金属イオンであってもよく、Mが1価(NaまたはK)である場合x=1であり、より高次の原子価イオンの場合xは1、2または3であってもよい)もとることができる。OHまたはOAcを有する炭素原子は独立して、RまたはS立体配置を有することができるが、好ましくは、OHおよびOAc基を有する隣接する炭素原子は、両方ともR立体配置を有し、または両方ともS立体配置を有する(RRおよびSS)。あるいは、OHおよびOAc基を有する隣接する炭素原子の一方の炭素原子は、S立体配置を有し、隣接する2個の炭素原子の他方の炭素は、R立体配置を有する(RSまたはSR)。
好ましくは、AcHFAは、場合によって複数のヒドロキシおよび/またはアセテート基のうち、隣接する炭素原子上に位置する1つのヒドロキシ基および1つのアセテート基を含む。さらに好ましくは、AcHFAは、C16~C20脂肪酸(構造1中、n=6~8)、最も好ましくはC18脂肪酸(構造1中、n=7)である。AcHFAが1または2つの二重結合、好ましくは1つの二重結合を含む場合、非常に好ましい。二重結合は、好ましくはカルボン酸基から(通常通りに)数えて6番目、9番目、12番目または15番目の炭素原子上に位置する。最も好ましくは、二重結合は、9番目の炭素原子上に位置する。
非常に好ましい実施形態において、AcHFAは、構造2によって表され、
Figure 2022510753000005

式中、
n=1、2、または3、好ましくは2または3、最も好ましくは3であり、
m=1または2、好ましくは2であり、
AおよびBの一方はOHであり、AおよびBの他方はOAcである。
構造2についても、二重結合は、シスまたはトランス立体配置(炭素-炭素二重結合から伸びる炭素-炭素単結合の向きはいかなる方向であってもよいことを示すライン形式
Figure 2022510753000006

によって示される)をとることができるが、立体配置はシスであることが好ましい。構造2中の酸基は、示すように中性の形態をとることができるが、以上に定義したようにイオンの形態または塩の形態もとることができる。
非常に好ましい実施形態において、AcHFAは、構造3によって表され、
Figure 2022510753000007

式中、AおよびBの一方はOHであり、AおよびBの他方はOAcである。これらの実施形態において、AcHFAは、(シスまたはトランス;RR、SS、RSまたはSR)12-アセトキシ-13-ヒドロキシオクタデカ-9-エン酸(3a)、または(シスまたはトランス;RR、SS、RSまたはSR)13-アセトキシ-12-ヒドロキシオクタデカ-9-エン酸(3b)である。
Figure 2022510753000008
制限発酵ビールとレギュラービールを混合することによって、レギュラービール中のAcHFAの量が希釈により低減される。したがって、本方法で得られるビール中の泡沫に対する負の因子の量を許容される低レベルに維持することができる。これは、起泡、特に泡沫安定性にプラスの効果を及ぼす。さらに、以上に引用した同時係属出願に記載されているように、ゼオライト、疎水性吸着剤、または親水性吸着剤への吸着などによりAcHFAの量を低減することができる。これによって、2mg/l未満、好ましくは1.5mg/l未満、好ましくは1.0mg/l未満、より好ましくは0.5mg/l未満、さらにより好ましくは0.25mg/l未満のAcHFAを有するビールが得られる。より低量のAcHFAを有するビールは、改善された泡沫安定性を有する。
本方法が制限発酵ビールおよびレギュラービールの混合物を含む媒体で行われるとき、媒体は、好ましくは制限発酵ビールおよびレギュラービール(のみ)の混合物である。制限発酵ビールとレギュラービールの体積比は、好ましくは1:99~99:1、好ましくは5:95~50:50である。この比の混合物の蒸留により、本明細書に記載されるように様々なフレーバー化合物、麦汁フレーバー、糖および泡沫因子の存在が最適化されることが見出された。
上記の方法により、改善された味を有する低またはゼロアルコールビールが得られる。得られたビールは、エタノール含有量が0~1.0体積%である。本方法により得られるビールのエタノール含有量は、0.5体積%未満、好ましくは0.2体積%未満、より好ましくは0.1体積%未満とすることができる。
好ましい実施形態において、得られたビール中の2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒド、およびフェニルアセトアルデヒド(「ストレッカーアルデヒド」)の合計は、50μg/l未満である。2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、trans-2-ノネナール、ベンズアルデヒドおよびフルフラール(「全アルデヒド」)の合計は、好ましくは80μg/l未満である。
非常に好ましい実施形態において、得られたビールは、
・18μg/l未満、好ましくは10μg/l未満、より好ましくは2~10μg/lの量の2-メチルプロパナール、および/または
・3.8μg/l未満、好ましくは0.2~2.5μg/lの量の2-メチルブタナール、および/または
・14μg/l未満、好ましくは1~10μg/lの量の3-メチルブタナール、および/または
・10μg/l未満、好ましくは2~8μg/lの量の3-メチルチオプロピオンアルデヒド、および/または
・20μg/l未満、好ましくは1~8μg/lの量のフェニルアセトアルデヒド
を含む。
好ましい実施形態において、すべてのストレッカーアルデヒドは、これらの好ましい量で存在する。
グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、およびマルトトリオースの合計と定義される得られたNAビールの全糖含有量は、好ましくは少なくとも0.2g/100mlである。全糖含有量が、多くとも3g/100ml、好ましくは多くとも2g/100mlなど比較的低い場合好ましい。好ましい実施形態において、全糖含有量は、0.5~2.0g/100ml、好ましくは1.2~2.0g/100mlである。
得られたビールは、好ましくは少なくとも0.2g/100mlのマルトトリオースを含む。ビールは、さらに好ましくは少なくとも0.05g/100mlのグルコースおよび/または少なくとも0.05g/100mlのフルクトースを含む。得られたビールの全糖含有量が、50~100重量%、好ましくは50~80重量%、より好ましくは50~65重量%のマルトースを含む場合さらに好ましい。最終ビールのマルトース含有量は、好ましくは少なくとも0.5g/100mlである。
本開示の方法によって、最適化されたアルデヒドと糖の比を有する低またはゼロアルコールビールが得られる。好ましくは、ストレッカーアルデヒドのマルトースに対する全重量は、15μg/マルトース1g未満であり、マルトースに対する全アルデヒド重量は、90μg/マルトース1g未満、好ましくは50μg/マルトース1g未満である。マルトースに対するストレッカーアルデヒドの全重量の好ましい下限は、0.01μg/マルトース1g、好ましくは0.1μg/マルトース1gである。全アルデヒドのマルトースに対する好ましい下限は、0.1μg/マルトース1g、好ましくは0.5μg/マルトース1gである。特に、
・2-メチルプロパナールのマルトースに対する重量は、0.1~11、好ましくは0.2~5、より好ましくは0.25~2μg/マルトース1gである、かつ/または
・2-メチルブタナールのマルトースに対する重量は、0.05~6、好ましくは0.1~2.5、より好ましくは0.1~0.5μg/マルトース1gである、かつ/または
・3-メチルブタナールのマルトースに対する重量は、0.05~25、好ましくは0.1~16、より好ましくは0.12~2μg/マルトース1gである、かつ/または
・3-メチルチオプロピオンアルデヒドのマルトースに対する重量は、0.1~5、好ましくは0.2~4、より好ましくは0.25~0.8μg/マルトース1gである、かつ/または
・フェニルアセトアルデヒドのマルトースに対する重量は、0.1~10、好ましくは0.2~5、より好ましくは0.45~2.8μg/マルトース1gである。
非常に好ましい実施形態において、2-メチルプロパナールのマルトースに対する重量は、0.1~11、好ましくは0.2~5、より好ましくは0.3~2μg/マルトース1gである。
非常に好ましい別の実施形態において、2-メチルブタナールのマルトースに対する重量は、0.05~6、好ましくは0.1~2.5、より好ましくは0.1~0.5μg/マルトース1gである。
非常に好ましい別の実施形態において、3-メチルブタナールのマルトースに対する重量は、0.05~25、好ましくは0.1~16、より好ましくは0.12~2μg/マルトース1gである。
非常に好ましい別の実施形態において、3-メチルチオプロピオンアルデヒドのマルトースに対する重量は、0.1~5、好ましくは0.2~4、より好ましくは0.25~0.8μg/マルトース1gである。
非常に好ましい別の実施形態において、フェニルアセトアルデヒドのマルトースに対する重量は、0.1~10、好ましくは0.2~5、より好ましくは0.45~2.8μg/マルトース1gである。
蒸留により得られたビールは、好ましくは2-メチルペンタン酸エチルを少なくとも0.001μg/l、好ましくは0.001~1000μg/lの量などで含み、これによって、得られたビールは、最終ビールに付与する2-メチルペンタン酸エチルの麦汁の味をマスキングする効果、および爽快なフレーバーのために他のゼロまたはノーアルコールビールに比べて改善された味を有することが確実になる。NAビール中のEMP量は、少なくとも0.001μg/l、好ましくは少なくとも0.004μg/l、より好ましくは少なくとも0.01μg/l、さらにより好ましくは少なくとも0.1μg/lである。EMPの好ましい量としては、0.1~1000μg/l、好ましくは1~800μg/l、より好ましくは10~500μg/lが挙げられる。好ましい実施形態において、EMPの量は50~600μg/lである。
蒸留により得られたビールは、好ましくは1~20μg/l、好ましくは1.5~5μg/lの、味を付与するのに重要なプロパン酸エチルを含む。本方法の利点は、蒸留時にエステルの2-メチルペンタン酸エチルおよびプロパン酸エチルが少なくとも一部分ビール中に残存していることである。
さらに好ましくは、蒸留により得られたビールは、0.05~30mg/l、好ましくは0.1~15mg/l、より好ましくは0.1~1mg/lの酢酸エチルを含む。これは、味を付与する上でも重要である。
さらに好ましくは、蒸留により得られたビールは、酢酸イソアミルを0.05~7.5mg/l、好ましくは0.08~4.5mg/lの量で含む。酢酸イソアミルは、ビールフレーバーに寄与する重要なものである。
本方法で得られる好ましいビールは、20~250mg/l、好ましくは50~200mg/l、より好ましくは75~150mg/lの遊離アミノ窒素(FAN)をさらに含む。本明細書で用いられる遊離アミノ窒素は、NOPA法により決定される、遊離アミノ化合物の全量を指す。この方法によって、遊離アミノ酸、小ペプチドおよびアンモニアなどの第一級アミノ化合物の定量が行われる。記載されたFAN量は、最終ビールの味および色の重要な側面である。
本方法で得られる好ましいビールは、5mg/l未満、好ましくは3mg/l未満のアセトアルデヒドをさらに含む。これは、得られたビールのフレーバープロファイルにとって重要である。
任意の実施形態において、当技術分野において公知のように、ビールをフレーバリング剤でさらにフレーバー付与することができる。フレーバリング剤の好適な成分は、例えば様々なエステル、酸および高級アルコールとすることができる。
本ビールの利点としては、味が強すぎないという点で、味の強度の低減、特に甘味の低減および麦汁フレーバーの低減が挙げられる。本ビールの甘味は低いが、アルデヒドレベルはこの甘さの低下に比較しても好ましい。これにより、より低い甘味および味の強度では、ビールは麦汁感が認められず、消費者は、わずか数杯のビールを飲用した後に味で飽和状態にならないという結果が生じる。さらに、ビールは、一般に濃厚感が少なく、より爽快であるとみなされる。したがって、本発明のビールは、既存のゼロアルコールまたは低アルコールビールより飲用に適している。
明確にし、簡潔に説明するために、特徴が、同じまたは別個の実施形態の一部として本明細書に記載されているが、しかし、本発明の範囲は、記載されている特徴のすべてまたは一部の組合せを有する実施形態を含むことができると認識されている。
次に、本発明を以下に示す非限定的な実施例によってさらに説明する。
方法
オンファイバー誘導体化固相ミクロ抽出およびガスクロマトグラフィー-質量分析を使用したビール中のアルデヒドの決定
試料調製
CO雰囲気下で、30.0gのビール試料を40mlのバイアルに秤量した。50μlの気密注射器を用いて、30μlの内部標準溶液を各試料に添加した。次に、やはりCO雰囲気下で、10mlのヘッドスペースバイアル2本に4.0gの試料を充填した。こうして、ビール試料を2回繰り返して分析した。
誘導体化手順
約200mg/lの脱イオン水中O-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンジル)-ヒドロキシルアミン(PFBHA)保存液を調製した。20mlの標準透明ガラスクリンプキャップ付きヘッドスペースバイアルに14gのPFBHA溶液を充填した。次に、SPMEファイバー(Supelco社)を、30℃で誘導体化バイアルのヘッドスペースに10分間入れて、SPMEファイバーのPDMS/DVB相に誘導体化試剤を充満させた。次いで、PFBHAを充満させたSPMEファイバーをビール試料のヘッドスペースに入れ(10mlのバイアル中4.0g、CO雰囲気下で充填)、目的のアルデヒドのPFBHA-誘導体を得た。抽出条件は30℃で30分を選択した。
GC条件
この方法には、スプリット/スプリットレス注入口を装備したAgilent 7890Aガスクロマトグラフを使用した。30m×0.25mm×0.25μmのVF17MSカラム(Agilent社)を用いて、PFBHA/アルデヒド化合物の最適な分離を達成した。共溶離する化合物もあるが、これらの場合、MSの選択性によって、クロマトグラフ分離の必要を回避することができた。いくつかのアルデヒドは共溶離する可能性があるが、質量分析計は、各化合物について選択イオンを標的とする。
1ml/分のヘリウムをキャリヤーガスとして使用する。スプリット比5を使用して、ピーク幅および感度を最適化する。オーブンは、50℃(2分間)、10℃/分で230℃に昇温、次に30℃/分で290℃に昇温(2分間保持)としてプログラムを組んだ。
MS条件
負化学イオン化(NCI)のために、Agilent 5975C MSDを設置した。
この方法で標的とされるすべてのアルデヒドについて、適したイオンフラグメントを選択した。たいていの場合、最も大量に存在するフラグメントよりも化合物特異的フラグメントを選択した。これによって、目的の標的化合物が選択的に決定される。たいていの場合、分子イオンMwからm/z 20(H-Fの消失)を引いたものが最も適している。
大部分のPFBHA-アルデヒド化合物は2本のピーク(syn-およびanti-)からなるので、ピーク面積を合計する。Heinekenビールへの標準添加に基づいて適切な較正曲線を準備することによって、すべてのアルデヒド化合物の定量が可能であった。
スターバー抽出およびガスクロマトグラフィー-質量分析を使用する、ビール中のエステル化合物の決定
分析物の濃度範囲が広いために、試料を、高濃度化合物を決定するためのGC-MS法および低濃度化合物を決定するためのGC-MS法の、異なるGC-MS法で2回分析しなければならない。2つの方法の違いは、質量選択検出器の操作モードである。当技術分野において知られているように、抽出物の注入量を検出器の操作モードに適合させる。高濃度方法を使用して酢酸イソアミルを決定し、低濃度方法を使用して酢酸エチルを決定した。
試料調製
30.0gのビール試料を40mlのバイアルに秤量することを2回繰り返した。50μlの気密注射器を用いて、30μlの内部標準溶液を各試料に添加した。次に、異物が混じっていない予め状態調節したツイスターを各試料に添加した。60ポジションのスタープレートを使用して、試料を抽出した。抽出時間は1時間である。光誘導化合物の形成を防止するために、試料を覆う。
計器条件
Agilent 7890BガスクロマトグラフをAgilent 5977A MSDに接続した。試料導入は、TDU-2熱的脱離ユニットおよびCIS-4制御温度注入口(両方ともGerstel社製)と組み合わせたGerstel MPS2-XTロボットによって行われる。主キャピラリーカラムは、50m×0.25mm×0.25μmのDB-5MS UIであった。1.5ml/分のヘリウムをキャリヤーガスに使用した。ツイスターの熱的脱離は、溶媒ベントモードで行い、-20℃で溶離液をテナックス充填ライナー上に捕捉した。加熱ステップ時に、インジェクタを、高濃度方法ではスプリット比100:1に、低濃度方法ではスプリット比6:1に切り換えた。オーブンは、40℃(2分間)、10℃/分で280℃に昇温(1分間保持)としてプログラムを組んだ。MSDを、高濃度方法において走査モード(33~300m/z)のために設定し、低濃度方法にはシングルイオンモードで設定した。
較正曲線(好適なマトリックスビール(例えば、Heinekenビール)への標準添加)を用意することによって、すべての化合物の定量が可能になった。較正はすべて、アルコール含有飲料と0.0%アルコール含有飲料で行う。
麦汁、ビール、シードル中の糖含有量の決定
糖含有量を超高性能液体クロマトグラフィー(UPLC)で測定した。UPLCを、好適には65℃の温度で実施することができる。溶離液の好適な選択は、アセトニトリル/水の例えば体積比75/25の混合物である。使用した検出器は、典型的には屈折率(RI)検出器である。試料の糖含有量は、試料のUPLC曲線を既知の糖濃度の標準試料の較正曲線と比較することによって決定した。
UPLC用の試料を以下の通り調製した。ビールまたは麦汁の試料を、アセトニトリル/水の混合物(50/50-等体積部)の添加により5倍に希釈した。COが存在する場合、希釈より前に(例えば、試料を振盪または撹拌することによって)除去した。希釈した後、試料を濾過して、清澄な溶液を得た。上述の溶離液を使用して、濾過した試料を65℃でUPLCに注入した。
遊離アミノ窒素(FAN)の決定
遊離アミノ窒素(アミノ酸、小ペプチドおよびアンモニアなど)の量を、O-フタルジアルデヒドアッセイによる窒素(NOPA)法に従って測定した。測光分析計(例えば、Gallery(商標) Plus Photometric Analyzer)を使用して、NOPA法を実施した。NOPA法に従って、試験試料をオルト-フタルジアルデヒド(OPA)およびN-アセチルシステイン(NAC)による処理にかける。この処理によって、イソインドールの形成下で試験試料中に存在する第一級アミノ基の誘導体化が行われる。イソインドールの含有量は、続いて測光分析計を使用して340nmの波長で決定される。次いで、遊離アミノ窒素(mg FAN/lで表す)をイソインドール含有量の測定値に基づいて算出することができる。必要なら、ビールまたは麦汁試料を、分析前にまず遠心にかけて、試料を清澄化し、かつ/または(例えば、試料を撹拌または振盪することによる)CO除去ステップにかける。
ビール中のエタノールの決定
測光分析計(例えば、Gallery(商標) Plus Photometric Analyzer)を使用して、エタノール含有量を測定した。試験試料を酵素法にかけ、試料中に存在するエタノールを、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)でアセトアルデヒドに変換する。アセトアルデヒド含有量は、続いて測光分析計を使用して340nmの波長で決定される。エタノール含有量は、アセトアルデヒド含有量に基づいて算出することができる。必要なら、ビールまたは麦汁試料を、分析前にまず遠心にかけて、試料を清澄化し、かつ/または(例えば、撹拌または振盪による)CO除去ステップにかける。
制限発酵ビールを含む様々な媒体の蒸留
一般に知られている方法によって、低温接触発酵ビールおよびレギュラーラガービールを得た。レギュラービールは、商品として得ることができるラガービールであった。当技術分野において知られているように、麦汁を比較例として得た。
ビールを4hl/時の速度で処理できる連続真空蒸留構成を用意した。この構成は、予熱器、脱気システム、凝縮器を含む真空蒸留カラム2本、エバポレータ、および平板熱交換器付きの冷却システムを備えた。また、この構成は炭酸化システムも備えた。絶対圧力90mbarを実現するように設置し、真空蒸留カラムにおいて43℃の温度を実現した。
制限発酵ビールとして低温接触発酵ビールを含む媒体を蒸留に供した。蒸留した媒体は、麦汁(比較)、低温接触発酵ビール(CC)、ならびに低温接触発酵ビールおよびレギュラービール(LB)の様々な体積比の混合物であった。様々なアルデヒド、エステルおよび糖の量を、蒸留の前後に決定した。結果を表1に示す。
結果から、アルデヒドの量は蒸留により低減することが示される。CC、50/50のLB/CC、80/20のLB/CCおよび90/10のLB/CCの蒸留によって、それぞれストレッカーアルデヒドが蒸留前の量の20、40、67および76%に低減する。同じ例は、それぞれ全アルデヒドが蒸留前の量の7、11、19および22%に低減することを示している。結果から、蒸留により、制限発酵ビールを含む媒体からアルデヒドを効果的に除去することができること、この除去は、若干効率的ではないが、エタノールを含む混合物において機能することが明らかである。アルデヒドの閾値量が低いことは、ビールの味を付与するのに重要であるので、若干の効率低下は有益である。結果から、レギュラービールおよび制限発酵ビールの混合物で蒸留を行うことは、例えば別の状況では達成不可能なFANレベルを達成するために、または、2-メチルペンタン酸エチルおよびプロパン酸エチル等が含まれる天然発酵源由来のエステルを含めるために好ましいことがさらに示される。
Figure 2022510753000009

Figure 2022510753000010
得られたビールと市販のゼロまたは低アルコールビールの種類との比較
本方法を使用して得られたビールを、17名の訓練済みパネリストからなる味パネルにより、既存のゼロアルコールビールと比較した。ビールを、甘味、麦汁フレーバーおよび全フレーバー強度、ならびに他のフレーバーノートを含めて、特異的なフレーバー属性について評価した。各属性について、認知された強度をラインスケールで示した。パネリストは全員、すべてのビールをすべての属性について評価し、その結果を平均した。結果を表2に示す。
本方法で得られるビールは、市販のゼロまたは低アルコールビールより、麦汁の味が低く、甘い味が低く、味の強度が低く、その結果フレーバーが強すぎない。したがって、ほんの数杯のビールの範囲内で、消費者が味で飽和状態になる可能性は低下する。さらに、ビールは、一般に濃厚感が少なく、より爽快であるとみなされる。このような理由で、本ビールは、既存の市販のゼロまたは低アルコールビールより飲用に適したものとみなされる。
Figure 2022510753000011

Claims (17)

  1. エタノール含有量が0~1.0体積%のビールを調製する方法であって、
    ・制限発酵ビールを含む、エタノール含有量が0~20体積%の媒体を用意することと、
    ・前記媒体を蒸留ステップに供し、それによって、前記媒体における2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、trans-2-ノネナール、ベンズアルデヒドおよびフルフラールからなる群から選択される1種または複数のアルデヒドの量を低減し、それによって、エタノールが存在する場合その含有量も0~1.0体積%の範囲の含有量に低減することと
    を含む、方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記蒸留が、10~100℃、好ましくは20~65℃、より好ましくは30~50℃、さらにより好ましくは40~46℃の温度で行われる、方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、
    前記蒸留が、0.01~500mbar、好ましくは1~200mbar、より好ましくは50~150mbar、さらにより好ましくは80~110mbarの圧力で行われる、方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法において、
    前記媒体が、制限発酵ビールおよび1~15体積%のエタノール、好ましくは2.5~10体積%のエタノールを含む、方法。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法において、
    ・2-メチルプロパナールの量が、18μg/l未満、好ましくは10μg/l未満、より好ましくは2~10μg/lに低減される、かつ/または
    ・2-メチルブタナールの量が、3.8μg/l未満、好ましくは0.2~2.5μg/lに低減される、かつ/または
    ・3-メチルブタナールの量が、14μg/l未満、好ましくは1~10μg/lに低減される、かつ/または
    ・3-メチルチオプロピオンアルデヒドの量が、10μg/l未満、好ましくは2~8μg/lに低減される、かつ/または
    ・フェニルアセトアルデヒドの量が、20μg/l未満、好ましくは1~8μg/lに低減される、方法。
  6. 請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法において、
    2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒドおよびフェニルアセトアルデヒドの合計が、50μg/l未満に低減される、方法。
  7. 請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法において、
    2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、trans-2-ノネナール、ベンズアルデヒドおよびフルフラールの合計が、80μg/l未満に低減される、方法。
  8. 請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法において、
    前記媒体が、制限発酵ビールおよびレギュラービール、好ましくはラガービール、最も好ましくはピルスナーを含む、方法。
  9. 請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法において、
    前記制限発酵ビールおよび前記レギュラービールが、1:99~99:1、好ましくは5:95~50:50の体積比で存在する、方法。
  10. 請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法において、
    前記制限発酵ビールが、
    ・7℃未満、好ましくは-1~4℃、例えば-0.5~2.5℃の温度で、好ましくは8~72時間、より好ましくは12~48時間(「低温接触発酵ビール」)、および/または
    ・短い(例えば、2時間未満)発酵時間であり、その発酵は、-0.5~1℃への急速冷却など温度不活性化、場合によってその後引き続いて殺菌によって急速に止まること(「停止発酵ビール」)、および/または
    ・例えば麦汁において発酵性糖1グラム当たりエタノール0.2g未満、好ましくは発酵性糖1グラム当たりエタノール0.1g未満を産生する酵母株など、適用された発酵条件下で比較的低量のエタノールを産生する酵母株による発酵。好適な株(例えば、クラブトリー陰性株)が、当技術分野において知られており、変動する発酵条件下で産生されるエタノールの量が、ルーチンの実験により決定することができること(「酵母制限ビール」)、および/または
    ・第1のエタノール産生酵母株を使用し、サッカロマイセス・ルキシーなどエタノールを消費する第2の酵母株が、第1の酵母株によって産生されるエタノールの実質的にすべてを消費するのに十分な量で存在する下での発酵、および/または
    ・発酵性糖の含有量がその発酵完了後に最大1.0体積%のアルコールを産生するような麦汁。この場合、前記麦汁は、一般に発酵性糖の含有量が17.5g/l未満、好ましくは12g/l未満、より好ましくは8g/l未満であること(「糖不足麦汁ビール」)
    を特徴とする麦汁の発酵など、エタノール含有量1.0体積%未満をもたらす麦汁の制限エタノール発酵により得られた発酵ビールである、方法。
  11. エタノール含有量が0~1.0体積%のビールであって、
    a)グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、およびマルトトリオースの合計と定義される全糖含有量が少なくとも0.2g/100mlであり、
    b)2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒド、およびフェニルアセトアルデヒドの合計と定義されるストレッカーアルデヒドの合計が、50μg/l未満である、
    かつ/または
    a)18μg/l未満、好ましくは10μg/l未満、より好ましくは2~10μg/lの2-メチルプロパナール、
    b)3.8μg/l未満、好ましくは0.2~2.5μg/lの2-メチルブタナール、
    c)14μg/l未満、好ましくは1~10μg/lの3-メチルブタナール、
    d)10μg/l未満、好ましくは2~8μg/lの3-メチルチオプロピオンアルデヒド、
    e)20μg/l未満、好ましくは1~8μg/lのフェニルアセトアルデヒド
    を有し、2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒドおよびフェニルアセトアルデヒドの全重量のマルトースに対する重量比が、15μg/マルトース1g未満である、ビール。
  12. 請求項11に記載のビールにおいて、
    2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、3-メチルチオプロピオンアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、trans-2-ノネナール、ベンズアルデヒドおよびフルフラールの合計と定義されるアルデヒドの合計が、80μg/l未満である、ビール。
  13. 請求項11または12に記載のビールにおいて、
    糖含有量が、50~100重量%のマルトースを含む、ビール。
  14. 請求項11から13までのいずれか一項に記載のビールにおいて、
    2mg/l未満の量のAcHFAをさらに含み、AcHFAが、カルボン酸基およびC11~C21直鎖状アルキル基を含むC12~C22脂肪酸であり、前記アルキル基が、部分不飽和であってもよく、かつ少なくとも1つのヒドロキシ基および少なくとも1つのアセテート基で置換されている、ビール。
  15. 請求項11から14までのいずれか一項に記載のビールにおいて、
    少なくとも0.001μg/lの2-メチルペンタン酸エチルをさらに含む、ビール。
  16. 請求項11から15までのいずれか一項に記載のビールにおいて、
    20~250mg/l、好ましくは50~200mg/l、より好ましくは75~150mg/lの遊離アミノ窒素(FAN)をさらに含む、ビール。
  17. 請求項11から16までのいずれか一項に記載のビールにおいて、
    5mg/l未満、好ましくは3mg/l未満のアセトアルデヒドをさらに含む、ビール。
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