JP2020127374A - ビール様発泡性飲料及びその製造方法 - Google Patents

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啓介 岡田
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Abstract

【課題】ホップ由来の青臭さを低減した上で、穀物香とフローラル香とのバランスに優れたビール様発泡性飲料及びその製造方法を提供すること。【解決手段】ビール様発泡性飲料の製造方法は、穀物由来成分を含有する原料液を煮沸する工程と、リナロール/β−シトロネロール(質量比)が1.0以上、かつ、ミルセン/β−シトロネロール(質量比)が1.0以下になるように、前記原料液の組成を調整する工程とを備える。【選択図】なし

Description

ビール様発泡性飲料及びその製造方法に関する。
ビールや発泡酒等のビール様発泡性飲料が知られている。例えば、ビールの代表的な製造方法は以下の通りである。まず、麦芽等より麦汁を調製する。次いで、麦汁を煮沸する。麦汁の煮沸後、麦汁を冷却する。冷却後、麦汁に酵母を加え、発酵・熟成させる。これにより、ビールが得られる。
多くの場合、ビール様発泡性飲料には、苦味や香りを付すために、ホップが使用される。所望の香りを付すために、ホップの添加タイミングや添加方法等が検討される場合がある。
例えば、特許文献1(国際公開WO2016/080282号)には、原料液汁を煮沸することと、煮沸された液汁を冷却することと、ホップと水系溶媒との混合物であるホップ懸濁液を煮沸し、蒸気をホップ蒸散成分として回収することと、冷却前の液汁に、煮沸されたホップ懸濁液を添加することと、煮沸工程以降の液汁に、回収したホップ蒸散成分を添加することと、を備えることを特徴とする、ビールテイスト飲料の製造方法が開示されている。
また、特許文献2(特開2018−183124号公報)には、ホップに由来する香気成分のうち、ゲラニオールとβ−シトロネロールの濃度比を特定の範囲内に調整することによって、ビール様発泡性飲料のキレを改善できる点が開示されている。
国際公開WO2016/080282号 特開2018−183124号公報
本発明者は、麦芽などの穀物原料に由来する穀物香と、ホップ由来のフローラルな香気とのバランスを良好にするため、ホップ由来の香気を強めることを検討している。ホップ由来の香気成分を強めるために、煮沸工程の後半以降にアロマホップを添加することが考えられる。ホップ由来の香気成分は、煮沸によって蒸散する。煮沸工程の後半以降にアロマホップを添加すると、煮沸によるホップ由来の香気成分の蒸散が抑制され、アロマホップ由来のフローラルな香気を強めることができる。
しかしながら、単に煮沸工程の後半以降にホップを添加した場合には、ホップ由来の青臭さも強調されてしまう。そのため、ホップ由来の青臭さを抑制した上で、穀物香とホップ由来のフローラルな香気とのバランスを良好にすることは難しかった。
そこで、本発明の課題は、ホップ由来の青臭さを低減した上で、穀物香とフローラル香とのバランスに優れたビール様発泡性飲料及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の事項を含んでいる。
[1]穀物由来成分を含有する原料液を煮沸する工程と、リナロール/β−シトロネロール(質量比)が1.0以上、かつ、ミルセン/β−シトロネロール(質量比)が1.0以下になるように、前記原料液の組成を調整する工程とを備える、ビール様発泡性飲料の製造方法。
[2]更に、前記原料液の煮沸中に、前記原料液にホップを添加する工程を含む、[1]に記載の製造方法。[3]前記煮沸する工程は、前記ホップの添加後、40分以上前記原料液を煮沸する工程を含む、[2]に記載の製造方法。
[4]前記ホップを添加する工程は、前記原料液の煮沸開始から煮沸開始後20分以内に前記ホップを添加する工程を含む、[2]又は[3]に記載の製造方法。
[5]前記原料液の組成を調整する工程は、リナロール/β−シトロネロール(質量比)が1.0〜2.4になるように、リナロール又はβ−シトロネロールを含む添加剤を添加する工程を含む、[1]乃至[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記煮沸する工程の後に、前記原料液を冷却する工程を更に含み、前記添加剤を添加する工程は、前記煮沸する工程の終了後から前記原料液を冷却する工程の開始まで間に、前記添加剤を添加する工程を含む、[5]に記載の製造方法。
[7]前記原料液を発酵させる工程を更に含む、[1]乃至[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]前記原料液の組成を調整する工程は、前記β−シトロネロールの濃度が0.5〜50ppbとなるように、前記組成を調整する工程を含む、[1]乃至[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]リナロール/β−シトロネロール(質量比)が1.0以上であり、ミルセン/β−シトロネロール(質量比)が1.0以下である、ビール様発泡性飲料。
本発明によれば、ホップ由来の青臭さを低減した上で、穀物香とフローラル香とのバランスに優れたビール様発泡性飲料及びその製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、ビール様発泡性飲料に関する。
1:ビール様発泡性飲料
本発明において、「ビール様発泡性飲料」とは、ビールと同等の又はそれと似た風味・味覚及びテクスチャーを有し、高い止渇感・ドリンカビリティーを有する発泡性飲料を意味する。ビール様発泡性飲料は、アルコール飲料であってもよく、ノンアルコール飲料であってもよい。また、ビール様発泡性飲料は、麦芽を原料とする飲料であってもよく、麦芽を原料としない飲料であってもよい。ビール様発泡性飲料は、発酵飲料であってもよく、非発酵飲料であってもよい。
ビール様発泡性飲料としては、具体的には、ビール、麦芽を原料とする発泡酒、麦芽を使用しない発泡性アルコール飲料、ローアルコール発泡性飲料及びノンアルコールビール等が挙げられる。その他、麦芽を原料とし、発酵工程を経て製造された飲料を、アルコール含有蒸留液と混和して得られたリキュール類であってもよい。アルコール含有蒸留液とは、蒸留操作により得られたアルコールを含有する溶液であり、例えば、原料用アルコールであってもよく、スピリッツ、ウィスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、テキーラ、ジン及び焼酎等の蒸留酒等を用いることができる。
好ましくは、ビール様発泡性飲料は、発酵麦芽飲料である。発酵麦芽飲料は、原料として麦芽を含むものであればよい。また、発酵麦芽飲料の原料には、麦芽に加えて、麦芽以外の植物原料が含まれていてもよい。麦芽以外の植物原料としては、例えば、麦芽以外の麦類;米、トウモロコシ、大豆等の豆類;イモ類;ショ糖等の糖類などが挙げられる。
より好ましくは、ビール様発泡性飲料は、25質量%以上の麦芽使用比率(水を除く原料に占める麦芽の割合)を有する。麦芽使用比率は、更に好ましくは、40質量%以上である。また、麦芽使用比率は、好ましくは90%以下、さらに好ましくは67%以下である。
本実施態様に係るビール様発泡性飲料においては、リナロール/β−シトロネロール(質量比)が1.0以上であり、ミルセン/β−シトロネロール(質量比)が1.0以下である。
ミルセンは、ホップ由来の青臭さに関与する精油成分である。一方、リナロール及びβ―シトロネロールは、ホップの良好な香気に関与する成分である。リナロール/β−シトロネロール(質量比)が1.0以上であり、ミルセン/β−シトロネロール(質量比)が1.0以下であることによって、ホップ由来のオフフレーバー(青臭さ)が少なく、フローラルな香りと穀物香とのバランスが良い飲料を得ることができる。
リナロール/β−シトロネロール(質量比)は、1.0以上であればよいが、好ましくは1.0〜2.4である。
β−シトロネロールの含有量は、例えば、0.5〜50ppb、好ましくは1.0〜40ppb、より好ましくは1.5〜30ppbである。
リナロールの含有量は、例えば、3〜150ppb、好ましくは5〜100ppbである
ミルセンの含有量は、例えば、10ppb以下、好ましくは5ppb以下、より好ましくは1〜4ppbである。
また、ビール様発泡性飲料には、好ましくは、ゲラニオールが0.5〜20ppb、より好ましくは1〜10ppbの量で含まれている。
上記の香気成分(リナロール、β-シトロネロール、ミルセン、ゲラニオール)は、ホップに含まれる成分であるが、実際にホップ由来のものであってもよいし、ホップ以外の材料に由来するものであってもよい。
ビール様発泡性飲料にはホップが含まれていても含まれていなくてもよいが、好ましくはホップが含まれている。ホップとしては、特に限定されるものでは無いが、ビターホップが含まれていることが好ましい。ビターホップとしては、例えば、α酸含有量が10%以上のものを使用することができる。ビターホップとしては、例えば、信州早生種、ナゲット種、ヘラクレス種、トマホーク種、ゼウス種、コロンブス種、アポロ種(商標)、ブラボー種(商標)、ブリュワーズゴールド種、マグナム種、タウルス種、フェニックス種、サミット種(商標)、パイオニア種、が挙げられ、好ましくは、ヘラクレス種が挙げられる。
ビール様発泡性飲料は、10〜45B.U.、好ましくは15〜30B.U.の苦味価を有していることが好ましい。「苦味価」とは、イソフムロンを主成分とするホップ由来物質群により与えられる苦味の指標である。苦味価は、例えばEBC法(ビール酒造組合:「ビール分析法」8.15、1990年)により測定することができる。
既述の通り、ビール様発泡性飲料は、アルコール飲料であってもノンアルコール飲料であってもよいが、好ましくはアルコール飲料である。アルコール飲料のアルコール度数は、例えば1〜10容量%、好ましくは2〜8容量%、より好ましくは3〜7容量%である。
2:ビール様発泡性飲料の製造方法
続いて、本実施形態に係るビール様発泡性飲料の製造方法について、一例をあげて説明する。
まず、穀物由来成分を含有する原料液を調製する。
例えば、麦芽を原料として使用する場合、主原料である麦芽の粉砕物と、必要に応じて副原料である米やコーンスターチ等のデンプン質とを用意し、これらに温水を加えて混合・加温する。これにより、主に麦芽の酵素を利用して、デンプン質を糖化させる。得られた糖化液を濾過し、原料液を得る。あるいは、麦芽粉砕物の懸濁液を糖化させ、穀皮を分離した後、ショ糖等の副原料を加えることにより、原料液を調製してもよい。
一方、麦芽以外の原料を使用する場合、例えば、炭素源を含有する液糖、及び麦芽以外の窒素源含有材料(例えば、大豆、エンドウ豆及びトウモロコシ等のタンパク質原料の分解物)等を温水と共に混合し、液糖溶液を原料液として調製する。
次いで、原料液を煮沸する。煮沸時間(原料液が沸騰している時間)は、例えば、60〜150分、より好ましくは70〜120分である。
この際、好ましくは、煮沸開始後20分以内に、ホップを原料液に添加する。
また、好ましくは、ホップ添加後の煮沸時間を40分以上、より好ましくは70分以上にする。あるいは、煮沸開始から20分経過以降、ホップを添加しない。
上述のようなタイミングでホップを添加することにより、ホップ由来のα酸を十分にイソ化させることができ、所望の苦味を付与することができる。また、ホップ由来オフフレーバー(ミルセンなど)を十分に蒸散させ、低減させることができる。
煮沸後、煮沸によって生じたたんぱく質等の沈殿物を除去する。例えば、煮沸後、原料液をワールプールと呼ばれる固液分離槽に移送し、沈殿物を固液分離する。ワールプールにおいては、例えば50〜100℃程度で、固液分離が行われる。
沈殿物の除去後、原料液を発酵に適切な温度にまで、熱交換機(プレートクーラー)等を用いて、冷却する。次いで、冷却した原料液に酵母を接種して、発酵を行う。冷却した発酵原料液は、そのまま発酵工程に供してもよく、所望のエキス濃度に調整した後に発酵工程に供してもよい。発酵に用いる酵母は特に限定されるものではなく、通常、酒類の製造に用いられる酵母の中から適宜選択して用いることができる。上面発酵酵母であってもよく、下面発酵酵母であってもよいが、大型醸造設備への適用が容易であることから、下面発酵酵母であることが好ましい。
さらに、得られた発酵液を、貯酒タンク中で熟成させ、0℃程度の低温条件下で貯蔵し安定化させる。その後、熟成後の発酵液を濾過し、酵母及び当該温度域で不溶なタンパク質等を除去する。これにより、目的のビール様発泡性飲料を得ることができる。
尚、発酵及び熟成工程を省略し、煮沸後の溶液に炭酸ガスを添加することにより、非発酵のビール様発泡性飲料を得ることもできる。
ここで、上述した本実施形態に係るビール様発泡性飲料の製造方法は、リナロール/β−シトロネロール(質量比)が1.0以上となり、かつ、ミルセン/β−シトロネロール(質量比)が1.0以下、好ましくは1.0〜2.4になるように、原料液の組成を調整する工程を含んでいる。
原料液の組成は、例えば、リナロール又はβ−シトロネロールを含む添加剤を添加することにより、調整することができる。
リナロール又はβ−シトロネロールを含む添加剤としては、合成により得られたものであってもよく、天然物から抽出され精製されたものであってもよい。
リナロール又はβ−シトロネロールを含む添加剤の添加タイミングは、原料液の煮沸終了後から、原料液の冷却を開始する工程の間であることが好ましい。原料液の煮沸終了後に添加すれば、リナロールやβ−シトロネロールが蒸散することが防止され、所望するリナロール/β−シトロネロール(質量比)及びミルセン/β−シトロネロール(質量比)が得られやすくなる。原料液を冷却する工程の前に添加物を添加することにより、添加物を殺菌することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るビール様発泡性飲料によれば、リナロール/β−シトロネロール(質量比)が1.0以上であり、ミルセン/β−シトロネロール(質量比)が1.0以下であるため、ホップ由来の青臭さを持ち込むことなく、ホップ由来のフローラルな香気を付与することができ、穀物香とフローラル香の良好なバランスを得ることができる。
(実施例)
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定して解釈されるべきものでは無い。
[香気成分濃度の測定]
以下の実施例及び比較例において、リナロール、β−シトロネロール、ミルセン及びゲラニオールの濃度については、以下の手法により測定した。
攪拌枝吸着抽出法(SBSE法:Stir Bar Sorptive Extraction)を用いて、各ホップ香気成分の濃度を測定した。詳細には、最終製品であるビール様発泡性発酵飲料に、内部標準としてβダマスコンを0.1ppbになるように添加した。試料を5倍希釈し、希釈サンプル20mlを30ml容バイアルに採取した。47μlのPDMS(ポリジメチルシロキサン)でコーティングした攪拌枝(長さ=20mm;Twister(商品名);Gerstel社製,Germany)をバイアルに入れ、蓋を締め、40℃で2時間攪拌し、攪拌枝にホップ香気成分を吸着させた。攪拌枝をバイアルから取り出し、水滴を完全に除去後、加熱脱着ユニット(Thermal desorption unit(TDU);Gerstel社製)とプログラマブル温度−蒸発インレット(Programmable temperature−vaporization inlet;CIS4;Gerstel社製)を装備したGC−MSに挿入した。
GC−MS条件は、以下の通りである。
ガスクロマトグラフ:アジレント・テクノロジー社製6890
検出器:MSD5973N四重極マススペクトル(Agilent Technologies社製)
カラム:DB−WAX capillary column(長さ:60m、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm、Agilent Technologies社製)
注入口:250℃ パルス化スプリットレスインジェクションモード(pulsed splitless injection mode)
注入量:1μL
キャリアガス:ヘリウム(1ml/min).
カラム温度設定:40℃(5分保持)−(3℃/min)−240℃(20分)
質量−電荷比(mass−to−charge ratio):30〜350(m/z),
イオン化条件:70eV、シングルイオン−モニタリングモード(single ion−monitoring(SIM) mode)
定量:それぞれの香気成分のピークエリア面積と内部標準品のピークエリア面積との比較によって行った。
[官能検査]
よく訓練されたパネリスト9名により、(1)フローラル香気と穀物香のバランス、及び、(2)青臭さ、の2点について、それぞれ下記の基準にて評価した。
(1)フローラル香気と穀物香のバランス
4:フローラル香と穀物香のバランスが大変良い
3:フローラル香と穀物香のバランスが良い
2:フローラル香と穀物香のバランスがやや悪い
1:フローラル香または穀物香が目立つ(バランス悪い)
(2)青臭さ
4:青臭い
3:やや青臭い
2:青臭さがわずかに感じられる
1:青臭さをほぼ感じない
[比較例1]香りづけにアロマホップを煮沸後に添加した例
淡色麦芽18kgを粗粉砕し、原料湯160Lに溶解した。得られた液を62℃で2時間糖化させた後、78℃で5分処理し、麦芽由来酵素を失活させた。その後、穀皮を分離し、原料液として麦汁を得た。得られた麦汁に、グラニュー糖(三井製糖製)20kg及び原料水を投入し、固形分が12%となるように濃度を調整した。
次いで、麦汁を煮沸した。また、煮沸開始と同時に、ヘラクレス種ホップペレット40gを添加した。更に、麦汁煮沸終了後に、カスケード種ホップペレット76gを添加した。煮沸時間は、90分とした。煮沸後、160Lの麦汁を回収し、約6度に冷却した。更に、酵母約18×10^6 cells/mlを添加して、7日間発酵させた。更に、熟成、冷却、及び濾過を行い、比較例1に係るビール様発泡性飲料を得た。最終製品の苦味価は、20BUであった。また、最終製品のアルコール度数は、6容量%であった。
[実施例1〜4、比較例2〜3]
淡色麦芽18kgを粗粉砕し、原料湯160Lに溶解した。得られた液を、62℃で2時間糖化させた後、78℃で5分処理し、麦芽由来酵素を失活させた。その後、穀皮を分離し、原料液として麦汁を得た。得られた麦汁に、グラニュー糖(三井製糖製)20kg及び原料水を投入し、固形分が12%となるように濃度を調整した。
次いで、麦汁を煮沸した。また、麦汁煮沸開始と同時に、ヘラクレス種ホップペレット60gを添加した。煮沸時間は、90分とした。煮沸後、160Lの麦汁を回収し、約6度に冷却した。更に、酵母約18×10^6 cells/mlを添加して、7日間発酵させた。更に、熟成、冷却、及び濾過し、ビール様発泡性飲料をベース発泡酒として作成した。ベース発泡酒の苦味価は、20BUであった。
得られたベース発泡酒を6分割し、リナロール、β−シトロネロール、及びミルセンをそれぞれ異なる量で添加し、リナロール、β−シトロネロール、及びミルセンの濃度のみが異なる実施例1〜3及び比較例2,3に係る飲料を得た。
ベース発泡酒、実施例1〜4及び比較例1〜3のそれぞれについて、リナロール、ゲラニオール、β−シトロネロール及びミルセンの含有量を測定した。結果を表1に示す。また、各飲料について、官能評価を実施した。結果を表2に示す。
表1及び表2に示されるように、実施例1乃至4に係る飲料におけるリナロール/β−シトロネロール(質量比)は、1.0〜2.4であり、ミルセン/β−シトロネロール(質量比)は1.0以下であった。これら飲料は、フローラル香と穀物香のバランスのよさが3.0以上であり、良好なバランスを有していた。また、青臭さについても、2.0以下であり、青臭さが十分に抑制されていた。
これに対して、比較例1〜3に係る飲料においては、リナロール/β−シトロネロール(質量比)が1.0〜2.4の範囲を外れるか、又は、ミルセン/β−シトロネロール(質量比)が1.0を超えていた。そして、これら飲料は、実施例1乃至4に比べて、フローラル香と穀物香のバランスに劣り、青臭さも強かった。
Figure 2020127374

Figure 2020127374

Claims (9)

  1. 穀物由来成分を含有する原料液を煮沸する工程と、
    リナロール/β−シトロネロール(質量比)が1.0以上、かつ、ミルセン/β−シトロネロール(質量比)が1.0以下になるように、前記原料液の組成を調整する工程と、
    を備える、
    ビール様発泡性飲料の製造方法。
  2. 更に、前記原料液の煮沸中に、前記原料液にホップを添加する工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記煮沸する工程は、前記ホップの添加後、40分以上前記原料液を煮沸する工程を含む、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記ホップを添加する工程は、前記原料液の煮沸開始から煮沸開始後20分以内に前記ホップを添加する工程を含む、請求項2又は3に記載の製造方法。
  5. 前記原料液の組成を調整する工程は、リナロール/β−シトロネロール(質量比)が1.0〜2.4になるように、リナロール又はβ−シトロネロールを含む添加剤を添加する工程を含む、請求項乃至4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記煮沸する工程の後に、前記原料液を冷却する工程を更に含み、
    前記添加剤を添加する工程は、前記煮沸する工程の終了後から前記原料液を冷却する工程の開始まで間に、前記添加剤を添加する工程を含む、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記原料液を発酵させる工程を更に含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記原料液の組成を調整する工程は、前記β−シトロネロールの濃度が0.5〜50ppbとなるように、前記組成を調整する工程を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の製造方法。
  9. リナロール/β−シトロネロール(質量比)が1.0以上であり、
    ミルセン/β−シトロネロール(質量比)が1.0以下である、
    ビール様発泡性飲料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JOURNAL OF THE AMERICAN SOCIETY OF BREWING CHEMISTS, vol. 72(1), JPN6022048178, 2014, pages 22 - 29, ISSN: 0005041620 *

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