JP2022187506A - 隙間閉塞具 - Google Patents

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Abstract

【課題】直径が異なる複数種類の配管に適用可能であると共に、配管と床版との隙間に充填させて固化させたモルタル面を略平坦とすることが可能であり、モルタルの充填状態が目視で確認しやすいと共に、保管・管理しやすい、平板体をなす隙間閉塞具を提供する。【解決手段】床版を貫通する配管と床版との隙間を塞ぐ流動性モルタルを担持する隙間閉塞具1を、可撓性を有する樹脂層からなる形状維持層10と、接着層20とからなる平板体とさせた。平板体に、平板体を配管に装着させる孔31と、孔と同心円をなすように均等に配された複数の円弧状長孔40とを備えさせ、平板体を面方向に窄めて略平坦な状態で床版に貼着されるようにし、帯状部42の内側縁34を配管の外周に密着させモルタルの漏れをなくし、ひとつの隙間閉塞具であっても、直径が異なる複数の種類の配管に適用可能とさせた。装着領域に、径方向に伸びる筋状の分断手段(切れ目)60を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、直径が異なる複数種類の配管に適用可能であると共に、配管と床版との隙間に充填させて固化させたモルタル面を略平坦とすることが可能であり、モルタルの充填状態が目視で確認しやすいと共に、保管・管理しやすい、平板体をなす隙間閉塞具に関する。
詳細には、平板体の中央に円断面形状の孔を有し、配管に孔の内側縁を接しさせるように、平面を維持したままで平板体を窄めることができ、モルタルの固化後に平板体を剥離しても粘着剤が残りにくい再剥離型の接着層を有している床孔埋め用粘着シートに関する。
給水管、排水管、冷暖房用の熱媒体供給管、電力供給管などの配管は、建築物の床版を貫通して、建築物の躯体工事の段階で形成された配管貫通用の孔の中に挿通され、建築物の上下の階に連設されている。孔は、施工誤差があっても挿通できるように、配管外径よりも大径とされるため、孔と配管との間には隙間があいている。
下の階の火災が上の階に影響しないように、床版の孔と配管との隙間には、モルタルが充填されている。従来は、配管を囲む半円形状をなす孔があけられた一対の合板が、配管の左右からあてがわれ、隙間の底面を塞いでモルタルが充填されていた。しかし、合板の側縁と配管とを完全に密着させることは困難であるため、合板と配管が密着していない所からモルタルが漏れて、下の階を汚損させやすかった。
品質が高い建築物とするために、モルタルが密実に充填されていることを目視で確認できることが求められている。また、床版の下面が仕上げ面とされることもあり、外観上の目的で、配管の周囲の隙間に充填されたモルタルの底面が平坦であることが求められる。モルタルが密実に充填されていない場合、又はモルタル面からバリ等の突起が出ている場合には、床版の下面が平坦となるように出っ張ったモルタルが補修されている。
特許文献1には、壁・床等の建築物の区画を貫通する配管の周囲の隙間から漏出する騒音を遮断させることを課題とした技術が開示されている。騒音を遮断させる遮音シートは、平板体とされ、一方の面が接着面とされ、配管の断面形状と略相似な形状とされている。
遮音シートは、配管を貫通させる孔の周囲が複数の放射状部に区画され、配管を貫通させるように放射状部を折り曲げてから、折り曲げた放射状部の先方を配管に接着させて、又は、更に配管に接着させた先方部の周囲に帯体が巻かれて、配管の周囲の隙間が塞がれるとされている。しかし、この技術を床版に適用して、管と周囲の床版との隙間を塞ぐ流動性モルタルを担持する隙間閉塞部材とさせると、配管の周囲に詰められたモルタルの形状がすり鉢状に突出された形状となり、床版の下面が平坦にならないという課題があった。
特許文献2には、異なる太さの配管径であっても、足場の上で配管周囲の開口閉塞作業を、安全かつ容易にすることができる開口閉塞部材を提供することを課題とした技術が開示されている。特許文献2に記載の技術は、平板体とされた開口閉塞部材を二分割し、孔の周りに接する放射状部とされた夫々の配管対応部を、配管径に適合させるように折り曲げておき、夫々を水平方向に移動し重ね代の部分を重ねて固定させている。
この技術によれば、構造が簡単で、容易かつ確実に床版と配管との隙間の閉塞施工ができるとされている。しかしこの技術によっても、配管の直径に適応させるように、放射状に配設されたミシン目切込部で平板体を切断して、配管対応部を配管の外径に適合させて折り曲げることが必要であった。
二つ割りにした開口部閉塞部材を水平に移動させて重ねるとしても、ミシン目で切断して折り曲げて、配管の外径に適合した配管対応部とさせるために、手間がかかるという課題があった。そうしないと、配管の周囲に詰められたモルタルの形状がすり鉢状に突出された形状になりやすく、又は切り込み過ぎたミシン目切込部の隙間からモルタルペーストが漏れ出やすく、床版の下面にバリ状突起を発生させやすいという課題があった。
特許文献3には、配管、ダクト等と外壁、構造合板、床等との隙間部を遮蔽させることを課題とした技術が開示されている。特許文献3に記載の技術は、筒部と、筒部の下縁に連設されたスカート部とを備えた気密部材において、筒部およびスカート部を切断する1本のスリットが形成されているとともに、スカート部に寸法調整用のヒダ状突起が設けられた気密部材とされている。
配管、ダクト等に筒部内面を固着させ、外壁、構造合板、床等にスカート部下面を固着させることにより隙間が塞がれている。配管、ダクト等の外径と筒部の内径との差が大きい場合には、配管、ダクト等に筒部内面を貼り合わせ、外壁、構造合板、床等にスカート部下面を貼り合わせるとともに、筒部、スカート部の余った部分は重ね合わせて貼り合わせることで、気密性が損なわれないとされている。しかし、特許文献3に記載の気密部材は、平坦なスカート部に筒部が立設された形状とされ嵩張るため、多数を重ねて保管・管理することが容易でないという課題があった。
特開2004-84461号公報 特開平9-280426号公報 特開2003-294173号公報
本発明が解決しようとする課題は、直径が異なる複数種類の配管に適用可能であると共に、充填させるモルタルの漏出が無く、固化させたモルタル面を略平坦とさせ、モルタルの充填状態が目視で確認しやすく、保管・管理しやすい、平板体をなす隙間閉塞具を提供することである。
本発明の第1の発明は、床版に貫通された円断面形状の配管と、その周囲の床版との隙間を塞ぐ流動性モルタルを担持する隙間閉塞具であって、形状維持層と接着層とからなる平板体とされ、前記形状維持層が、可撓性を有すると共に所定の厚さを有する樹脂層からなり、前記平板体が、円断面形状の孔と複数の円弧状長孔とを有し、前記孔が、前記配管の外径以上の径とされ、その外縁から外方に前記配管の装着領域を有し、複数の前記円弧状長孔が、前記装着領域を除く領域に、前記孔と同心円をなすように均等に備えられ、前記孔と前記円弧状長孔との間が所定幅の帯状部とされ、前記平板体が、前記装着領域の位置を通して前記配管に装着され、面方向に窄められて前記帯状部の内側縁が前記配管の外周に密着され、前記床版に前記接着層により接着され、前記床版に沿って平坦とされた状態で流動性モルタルを担持させることを特徴としている。
平板体をなす形状維持層は、可撓性を有すると共に所定の厚さの樹脂層とされ、面方向に窄められても一部が浮き上がりにくく、配管と床版との間にモルタルを流入させても、平板体の内方が垂れ下がりにくく、略平坦な状態が維持される。孔の外径は、平板体を面方向に窄めた状態で、平板体の孔の内側縁が配管の外周に密着されるように配管の外径以上であればよい。円弧状長孔が、孔の周りに均等に配置されているため、孔と円弧状長孔との間の帯状部の幅は均一とされ、略均等に窄まるため平板体の孔の内側縁を配管の外周に密着させやすい。円弧状長孔の数と長さは限定されず、平板体をゆるやかに窄めやすい長さと数とされればよい。
配管の装着領域とは、配管を隙間閉塞具に抱持させるように挿し入れる領域をいい、孔の外縁から平板体の端部まで円弧長孔により分割されていないため、装着領域において、孔から平板体の外縁まで径方向に、筋状に平板体を切断して配管を挿し込む切れ目を入れても、切れ目の位置で帯状部又はその外部が分離しない。帯状部を窄めて、配管の周囲に密着させた状態で、切れ目の位置で帯状部とその外部とが一体とされているため、床版への帯状部の接着力を、帯状部と断続的に繋がった帯状部の外部の部分の接着力が補助し、強い接着力の接着剤を使わなくても、帯状部の一部が浮き上がった状態とならない。
帯状部の幅は、内縁部が配管に密着され、外方部が床版に接着される幅を有していればよく、配管とその周囲の床版との隙間の幅より広ければよく、限定されない。帯状部にその外部の平板体が断続的につながっているため、床版と帯状部とが接着される幅が小さくても、モルタル充填の際に床版から剥がれにくい。第1の発明によれば、隙間閉塞具が平板体とされているため、保管・管理しやすく、配管と床版との隙間に充填させて固化させたモルタル面が略平坦となるという従来にない有利な効果を奏する。
本発明の第2の発明は、第1の発明の隙間閉塞具において、前記装着領域に、径方向に伸びる筋状の分断手段が備えられ、前記分断手段が、前記孔から前記平板体の外縁に至り、前記筋状の分断手段の位置を通して、前記孔に前記配管を差し入れることを特徴としている。
分断手段は、分断位置を表示した表示線としてもよく、ミシン目と称され、切り離しやすいように短い間隔で不連続に設けた切込部としてもよく、予め切断しておいてもよい。切込部とする場合は、接着層の方から形状維持層の中間部まで切込みをいれると好適である。設定された配管径用の孔が形成されている場合には、予め分断手段の位置で切断しておくと好適である。第2の発明によれば、装着領域の位置において、分断手段の位置を通して、安全かつ容易に配管に隙間閉塞具を装着させることができる。
本発明の第3の発明は、第2の発明の隙間閉塞具において、前記平板体が、前記分断手段に沿って、径方向に伸びる筋状の適合化手段を備え、前記適合化手段の位置と前記分断手段の位置の間の平板体を切除させ、前記配管の外周の長さと前記適合化手段の内縁の長さとを適合させ、前記平板体が面方向に窄められた状態で、前記平板体が重ならないように前記床版に平坦に接着されることを特徴としている。
適合化手段は、切断位置を表示した表示線としてもよく、ミシン目と称され、切り離しやすいように短い間隔で不連続に設けた切込部としてもよい。切込部とする場合は、接着層の方から形状維持層の中間部まで切込みをいれると好適である。分断手段と適合化手段との間の平板体が切除され、孔の内側縁の長さが縮小され、設定されている配管よりも小径の配管にも対応できる。
例えば、外径が約21cmの配管に適合させる平板体を外径が約19cmの配管に適合させるためには、前記二つの配管の外周の差である約6cmを、分断手段と適合化手段との間の離間距離として平板体を放射状に切除させ、孔の内側縁の長さを縮小させればよい。
第3の発明によれば、設定されている配管よりも小径の配管の外周の長さに適合させやすく、平板体が重ならないように、平板体の縁部を突き合せることができる。これにより、配管と床版との隙間に充填させて固化させたモルタル面に、バリ状突起や段差を発生させないという従来にない有利な効果を奏する。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明の隙間閉塞具において、前記平板体が、前記孔と同心円をなすと共に周方向に伸びる孔径適合手段を備え、前記配管の外径に応じて、前記孔径適合手段の位置で前記平板体を切除させ、前記配管よりも太い配管の外周の長さに前記孔径適合手段の位置の内縁の長さを適合させ、前記配管に前記平板体が装着されることを特徴としている。
第4の発明では、周方向に伸びる孔径適合手段が備えられている。孔径適合手段が複数設けられてもよい。孔径適合手段は、孔の直径を拡大させるために切除させる位置を表示した表示線としてもよく、切り離しやすいように短い間隔で不連続に設けた切断部としてもよい。孔径適合手段に沿って切断して、孔を拡大させることにより、拡大させる前の孔の径と配管の径の差が大きい場合でも、隙間閉塞具を床版から浮き上がらないように、平坦に接着させることができる。これにより拡大させる前の孔よりも大径の複数の種類の配管に適用でき、汎用性が高い隙間閉塞具とすることができるという効果を奏する。
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明の隙間閉塞具において、前記平板体が、前記装着領域を除く領域に、前記孔と同心円をなすように、前記円弧状長孔の外方に複数の第2円弧状長孔を備え、隣り合う円弧状長孔の端縁の間が、第2円弧状長孔の周方向中央部に位置し、前記円弧状長孔と第2円弧状長孔との間が、所定幅の帯状の第2帯状部とされていることを特徴としている。
円弧状長孔の外方に第2円弧状長孔が設けられ、円弧状長孔の端縁の間が、第2円弧状長孔の周方向中央部に位置している。帯状部を窄めた際に、隣り合う円弧状長孔と円弧状長孔の端縁の間の外方が僅かに張り出した状態となる。この僅かに張り出した外方が第2円弧状長孔の中央部に位置している。これにより、平板体が大きくても、平板体の一部だけが浮き上がるように歪みにくく、平板体全体をゆるやかに窄めやすく、平板体の天面全体を床版から剥がれないように接着させることができる。
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明の隙間閉塞具において、前記帯状部の幅が、50mm以上100mm以下とされていることを特徴としている。帯状部の幅が、50mm以上とされているため、配管と床版との間の隙間を塞いで床版に接着させることができる。また100mm以下とされているため、平板体を浮き上がらせないように、床版に接着させることができる。
本発明の第7の発明は、第1から第6の発明の隙間閉塞具において、前記形状維持層が、厚さ3mm以上10mm以下の発泡樹脂からなっていることを特徴としている。発泡樹脂とは、柔軟で耐久性に優れた発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタンが好適であるが限定されない。第7の発明によれば、平板体を配管との密着性がよく隙間があかないように面方向に窄め、略平坦な形状を維持させることができ、モルタル充填時に漏れを発生させない。
本発明の第8の発明は、第1から第7の発明の隙間閉塞具において、前記接着層の接着強度が、90度剥離試験において、5.5N/25mm以上とされ、前記接着層と前記形状維持層との接着力が前記接着層と前記床版との接着力よりも大きいことを特徴としている。90度剥離試験とは、「日本産業規格K 6854-1 接着剤-はく離接着強さ試験方法-第1部:90度はく離」に規定される試験方法である。接着層の接着強度が5.5N/25mm以上とされることにより、モルタル充填時に隙間閉塞具が剥がれにくく、モルタル固化後に剥がしやすく、剥がした後に粘着剤の残余面積が5%とされやすく好適である。接着剤の残余面積が小さいため、固化したモルタルの状態が目視により確認しやすい。
・第1の発明によれば、隙間閉塞具が平板体とされているため、保管・管理しやすく、配管と床版との隙間に充填させて固化させたモルタル面が略平坦となるという従来にない有利な効果を奏する。
・第2の発明によれば、装着領域の位置において、分断手段の位置を通して、安全かつ容易に配管に隙間閉塞具を装着させることができる。
・第3の発明によれば、配管と床版との隙間に充填させて固化させたモルタル面に、バリ状突起や段差を発生させないという従来にない有利な効果を奏する。
・第4の発明によれば、拡大させる前の孔よりも大径の複数の種類の配管に適用でき、汎用性が高い隙間閉塞具とすることができるという効果を奏する。
・第5の発明によれば、平板体が大きくても、平板体の一部だけが浮き上がるように歪みにくく、平板体全体をゆるやかに窄めやすく、平板体の天面全体を床版から剥がれないように接着させることができる。
・第6の発明によれば、配管と床版との間の隙間を塞いで床版に接着させることができ、且つ、平板体を浮き上がらせないように、配管と床版との間の隙間を塞いで床版に接着させることができる。
・第7の発明によれば、平板体を配管との密着性がよく隙間があかないように面方向に窄め、略平坦な形状を維持させることができ、モルタル充填時に漏れを発生させない。
・第8の発明によれば、モルタル充填時に隙間閉塞具が剥がれにくく、モルタル固化後に剥がしやすく、剥がした後に粘着剤の残余面積が5%とされやすく好適である。接着剤の残余面積が小さいため、固化したモルタルの状態が目視により確認しやすい。
隙間閉塞具の説明図(実施例1)。 隙間閉塞具を見上げた状態の説明図(実施例1)。 隙間閉塞具の施工例の説明図(実施例1)。 隙間閉塞具の他の形態の説明図(実施例2)。
床版を貫通する配管と床版との隙間を塞ぐ流動性モルタルを担持する隙間閉塞具を、可撓性を有する樹脂層からなる形状維持層と、接着層とからなる平板体とさせた。前記平板体に、平板体を配管に装着させる孔と、前記孔と同心円をなすように均等に配された複数の円弧状長孔とを備えさせた。配管に装着させた平板体を面方向に窄めて、孔と円弧状長孔との間の帯状部の内側縁を配管の外周に密着させることにより、ひとつの隙間閉塞具であっても、直径が異なる複数の種類の配管に適用可能とさせた。
実施例1においては、隙間閉塞具1を図1から図3を参照して説明する。図1は隙間閉塞具の説明図を示している。図1(A)図は、隙間閉塞具の接着層側から見た平面図を示し、図1(B)図は、図1(A)図のA-A位置における拡大断面図を示している。
図2は隙間閉塞具を床版に接着させる状態を、床版の下方から見上げた説明図を示している。図2(A)図と図2(B)図とは、平板体の一部を切除させてから平板体を面方向に窄めることにより、帯状部の内側縁を配管の外周に密着させる例を示している。図2(C)図は、平板体を面方向に窄め、平板体の一部を重ねることにより帯状部の内側縁を配管の外周に密着させる例を示している。図3は、隙間閉塞具を用いた施工例の説明図を示している。
隙間閉塞具1は、形状維持層10と接着層20とからなる平板体30とされる。平板体は、一辺が約300mmの正方形形状とされ、配管に装着される円断面形状の孔31と複数の円弧状長孔40,40,40とを有している。前記孔31の外側には、前記孔と同心円をなし、周方向に伸びる二列の孔径適合手段50,51が2列設けられている。平板体の中央部に備えられた円断面形状の孔31は、孔径が約120mmとされ、直径が114.3mm(4インチ)の規格の配管に適用されるように、120mmよりも僅かに大きな外径とされている。
平板体30は、孔31の外縁から外方に、配管の装着領域を有している。ここでは、平板体をなす一辺32と孔31との間の領域が装着領域33とされる。装着領域33には、径方向に延びる筋状の分断手段が備えられる。分断手段は、装着領域に放射状に形成された切れ目60とされ、予め孔31から平板体の外縁に至るまで筋状に設けられている。
隙間閉塞具1を配管100に装着させるときには、切れ目60の位置を通して、孔31に配管が差し入れられる(図2参照)。分断手段は、切れ目に限定されず、切断位置を表示させる表示線であってもよく、切り離しやすいように短い間隔で不連続に設けたミシン目としてもよい。ミシン目とさせる場合には、接着層の方から形状維持層の中間部まで切込みを入れておくとよい。
また装着領域33には、分断手段に沿って径方向に延びる筋状の適合化手段70が備えられている。適合化手段は、切り離しやすいように短い間隔で不連続に設けた複数のミシン目とさせている。ここではミシン目は、接着層20の方から形状維持層10の中間部まで切込むことにより形成されている(図1(B)図参照)。複数のミシン目は、孔の内側縁の長さを夫々約15mm縮小させる一対の第1ミシン目71,71と、夫々約30mm縮小させる一対の第2ミシン目72,72とさせている(図1(A)図参照)。なお、ミシン目の数はこれに限定されない。
切除させるミシン目を組み合わせることにより、孔の内側縁34の長さを約15mm刻みで、約60mm縮小させることができる。そのため、孔径よりも小さい外径の配管にも孔の内側縁34を密着させることができる。具体的には、直径が101.6mm(3インチ半)の規格の配管に適合させる場合には、孔31の直径を元の120mmから約20mm縮径させる、すなわち孔の内側縁34の長さを約60mm縮小させればよい。この場合には、切れ目60から一対の第2ミシン目72,72の位置までの平板体を切除させ(図1(A)図,図2(A)図参照)、平板体の縁部35,35が重ならないように、平板体30を面方向に窄めて前記縁部を突き合わせると、孔の内側縁34が配管100の外周に密着される(図2(B)図参照)。
なお、平板体30を面方向に窄めるときに、一方の縁部36を他方の縁部37に重ねて、配管100と孔の内側縁34とを密着させてもよい(図2(C)図参照)。この場合は、適合化手段70をなすミシン目の位置で平板体を切除させなくてもよい(図1(A)図参照)。いずれの場合も、平板体30を面方向に窄めて配管100の外周に密着させているため、配管100と孔の内側縁34との間から、充填させたモルタルが漏れ出ることもなく、モルタルの清掃作業を必要としない良好な仕上がりとなる。
平板体の装着領域を除く領域38には、前記孔31の同心円41(図1(A)図一点鎖線参照)をなすように3つの円弧状長孔40が均等に備えられている。この3つの円弧状長孔40と前記孔31との間が、所定幅の環状をなす帯状部42とされる。平板体の装着領域33に、分断手段をなす切れ目60を入れても、切れ目によって帯状部42と、帯状部の外部43とが分断されない。そのため、配管を前記孔31に装着させる際に、帯状部42と、帯状部の外部43の部分とがばらばらにならず、平板体30を配管に装着させやすい。
また、3つの円弧状長孔40,40,40に囲まれた帯状部42は均一な幅であるため、面外にゆるやかに凸に変形される。そのため、平板体30を面方向に窄めて接着させるときに、面外に浮き上がった帯状部42を床版に向けて押圧させれば、帯状部の外部43を床版に接着させてからでも、帯状部42の形を平坦に整えて平板体全体を床版に略平坦に接着させることができる。
3つの円弧状長孔40,40,40は、前記同心円の約60度の範囲に亘って形成されている。円弧状長孔40の幅は、約10mmとさせているが、形状維持層10(図1(B)図参照)の剛性、平板体30の大きさに応じて調整されればよく、これに限定されない。円弧状長孔の数は、3つに限定されず、配管を装着させる孔の両側に2つの円弧状長孔を備えさせてもよく、4つ以上であってもよい。
また帯状部42の内径側に設けられた2列の孔径適合手段50,51は、切り離しやすいように円弧状のミシン目とされている(図1(A)図参照)。帯状部42の幅は、2列の孔径適合手段50,51を備えさせることができると共に、配管が床版に設けられた孔の中央から偏った位置であっても、充填させるモルタルが漏れないように50mm以上100mm以下とさせるとよい。実施例1の隙間閉塞具1においては、帯状部42を約80mmの幅とさせた。
孔径適合手段50をなす内側の1列目の円弧状のミシン目は、孔径が約145mmとされ、直径が139.8mm(5インチ)の規格の配管よりも僅かに大きくさせている。孔径適合手段51をなす外側の2列目のミシン目は、孔径が約170mmとされ、直径が165.2mm(6インチ)の規格の配管よりも僅かに大きくさせている。これにより、一つの形態の隙間閉塞具1であっても、孔31を拡大させることにより、拡大させる前の孔よりも大径の複数の規格の配管に適用させることができる。
次に、平板体30をなす形状維持層10と接着層20の材質について、図1(B)図を参照して説明する。形状維持層10は、発泡樹脂11の一方の面に樹脂フィルム12が積層されて一体をなしている。発泡樹脂11の厚さは、3mm以上10mm以下であれば、平板体30を配管に密着させやすいと共に、流動性モルタルを担持させても発泡樹脂が下方に凸に変形されにくい耐久性となり、略平坦な形状を維持させることができるため好適である。
発泡樹脂11の材質は、前記の厚さの範囲とさせたときに、柔軟で床版と配管の外周とに馴染みやすく、流動性モルタルの重量によっては変形されにくい耐久性を有する発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタンが好適であるが、これに限定されない。隙間閉塞具1においては、発泡樹脂11を厚さ約5mmの発泡ポリウレタンとさせている。
樹脂フィルム12の材質は、例えば、ポリエステル製、ポリプロピレン製、ポリエチレンテレフタラート製の樹脂フィルムとすると好適であるがこれに限定されない。樹脂フィルム12の厚さは、約10μm以上40μm以下とさせると、発泡樹脂11との密着性がよく好適である。隙間閉塞具1においては、樹脂フィルム12を厚さ約12μmのポリエチレン製の樹脂フィルムとさせている。発泡樹脂11よりも千切れにくい樹脂フィルム12に、接着層20が積層されているため、平板体30を床版から剥がすときに、発泡樹脂11の一部が千切れて床版に貼り付いたまま残ることがなく、平板体全体を床版から円滑に剥離させやすい。なお、樹脂フィルム12を省略してもよいことは勿論のことである。
形状維持層10をなす発泡樹脂11と樹脂フィルム12の積層方法は限定されないが、例えば発泡樹脂11の一方の面をコロナ放電処理、加熱処理等により表面処理させ、樹脂フィルム層12をドライラミネート法により一体化させて積層させればよい。接着層20は、一方の面が樹脂フィルム層12に接着され、他方の面が床版に接着される接着面とされている(図1(B)図参照)。接着層20は、再剥離性を有する粘着剤とさせた。接着層20の表面には、剥離紙21が仮着されている。
前記粘着剤は、初期接着性(初期タックとも称されている。)が50KPa/cm以上とされている。そのため、担持させるモルタルの厚さが200mmであっても、床版から隙間閉塞具が剥がれにくい。初期接着性とは、粘着剤が被着体に接触したときの付着性の指標であり、初期接着性の値が大きいと粗面への接着に有利とされる。また、以下に示す90度剥離試験により、モルタル固化後には剥がしやすいと共に、粘着剤の残余面積が5%以下となりモルタル表面が侵されない接着強度を確認した。具体的には、粘着剤の接着強度が5.5N/25mm以上とされると、粘着剤の残余面積が5%未満となり好適である。粘着剤の接着強度が8.5N/25mm以上とされると、粘着剤の残余面積が無く、より好適である。
(90度剥離試験)
90度剥離試験は、「日本産業規格K 6854-1 接着剤-はく離接着強さ試験方法-第1部:90度はく離」の規定に準拠している。試験材料は、被着材を固化時間が60分の無収縮モルタルとした。被着材に接着させる試験片は、厚さが約25μmのポリエチレンテレフタラート製の樹脂フィルムの片面に粘着剤を塗布して試験片とした。試験片に塗布される粘着剤は、成分がアクリル酸アルキルエステル共重合体からなる溶剤系Aと、成分がアクリル酸エステル共重合体からなる溶剤系Bの2種類とした。養生温度条件は、通常の室内における低温として-5℃、高温として50℃の環境で試験した。90度剥離試験においては、粘着剤の成分、気温条件ごとに、試験片1から試験片3を用意し、剥離強度を測定させると共に、樹脂フィルムを剥離させたときに被着材に残った粘着剤の残余面積を測定させた。
試験手順は、容積が1リットルの筒状容器に、試験片が底面をなすように貼着させた。次に、無収縮モルタル1300gと水312gとを混錬し、筒状容器に流入させ、試験片にモルタルを担持させることにより、仮想的に床版に貼着された状態を再現させた。この状態で、-5℃の環境下又は50℃の環境下において、3日間にわたって固化養生させ、その後23℃の環境下に1日間存置させた。その後、室温が23℃の環境下において、試験片に25mm幅の切込を入れ、切込部分を粘着層に対して90度方向に300mm/分の試験速度で剥離させた。以下の表1に試験結果を示している。
[表1]
Figure 2022187506000002
この試験結果によれば、溶剤系Aが-5℃と50℃のいずれの気温環境においても、接着剤の残余面積が「無」であり、良好な結果が得られた。溶剤系Bについては、50℃においては粘着剤の残余面積が5%以上となり、良好な結果が得られなかった。この条件における平均接着強度は、4.2N/25mmであった。一方、溶剤系Bであっても、-5℃においては粘着剤の残余面積が5%未満となり、許容範囲内の結果が得られた。この条件における平均接着強度が、5.5N/25mmであったことから、モルタル表面が侵されない接着強度が、5.5N/25mm以上であることが裏付けられた。
次に、隙間閉塞具1による施工例を、図3を参照して説明する。図3(A)図は、下面が平坦なコンクリート床版に適用させる例を示し、図中左側に直径4インチの配管を示し、図中右側に直径6インチの配管を示している。また図3(A)図はコンクリート床版の断面図を示し、図3(B)図は図3(A)図に対応した平面図を示している。図3(C)図は、下面に凹凸のある鋼製デッキプレートに適用させる例を示し、デッキプレートを見上げた説明図を示している。
コンクリート床版200を貫通する配管100は、壁際に配設されることもあり、壁201と配管100までの離間距離(図3(A)図距離a参照)が、平板体30の孔31から平板体の外縁までの長さ(図3(B)図距離A参照)よりも短いこともある。この場合には、孔を挟んで装着領域と反対側にある領域39を切除して(図3(B)図破線参照)、予め平板体30の長さを短くして壁201と配管100との間の距離に適合させる。
この場合であっても、2つの円弧状長孔40,40が孔31を挟んで対称に配されているため、平板体30を面方向に窄めたときにも帯状部42をコンクリート床版に馴染ませやすい。そのため、接着層に貼着されている剥離紙を剥がして、帯状部の外部43をコンクリート床版200に接着させてから、帯状部42をコンクリート床版に押し付ければ、平板体30の全体を略平坦に接着させることができる。
隙間閉塞具1をコンクリート床版に接着させ、コンクリート床版200と、配管挿通孔202に挿通された配管100との隙間に充填させた流動性モルタル203を隙間閉塞具1に担持させる。モルタルが固化されたら、隙間閉塞具1をコンクリート床版200から剥離させて施工が完了される。
孔31よりも大径の配管101に適用させる場合(図3(A)図右側の配管参照)には、予め配管の規格に合わせて、孔径適合手段51(図3(B)図左側の隙間閉塞具1参照)をなす円弧状のミシン目の位置で平板体30を切除させ、拡張させた孔310とさせる(図3(B)図右側の隙間閉塞具1参照)。また、配管には部分的にテーパ状をなしている製品もあり、コンクリート床版200の下方に突き出された部分における配管101の外径(図3(A)図距離b参照)が、規格上の外径(同図距離B参照)と異なり、小さい場合がある。
この場合には、実際の配管101の外径bに合わせて、筋状の適合化手段70をなす第1ミシン目71、第2ミシン目72を切除させ、拡張させた孔310の内側縁311の長さを配管の外周に合わせて調整させる。平板体30を配管101に装着させてから、剥離紙を剥がして平板体を面方向に窄めて、平板体の切除させたミシン目の縁部35,35を突き合わせ、配管の外周と孔の内縁側とを密着させる(図2(B)図参照)。平板体を面方向に窄めて孔の径を調整させることができるため、部分的にテーパのある配管101であっても配管の外周と平板体の内側縁を密着させることができ、モルタルの漏れがない良好な仕上がりを得ることができる。
次に、床版210が鋼製のデッキプレート211と、その上に打設されたコンクリート212とからなる例を、図3(C)図を参照して説明する。デッキプレートとは、鉄骨造の建築物に使用される床用の鋼板であり、強度を保つために断面形状が角波形とされている。コンクリート212はデッキプレート211の天面側のみに打設されているため、床版210の下面はデッキプレートによる凹凸部213が露出されている。床版210を貫通する配管挿通孔214(図3(C)図一点鎖線参照)は、コンクリート212の打設後にデッキプレート211ごと穿孔される。
床版210に穿孔された配管挿通孔214の周縁部には、デッキプレートの凹凸部213があり、そのままでは隙間閉塞具1を床版に平坦に接着させることはできない。そこで、予め、デッキプレートの凹部215に出入り調整部材220を嵌着させてから穿孔させておき、デッキプレートの凸部216と出入りを揃えて平坦な接着面とさせている。この状態で、隙間閉塞具を接着させれば、凹凸部を有するデッキプレートにも本発明を適用させることができる。
配管100と配管挿通孔214との隙間に充填される流動性モルタルは、デッキプレートの凹部215と、デッキプレートの凸部216のいずれについても、隙間閉塞具1の天面まで充填され、配管100の周りには隙間なく流動性モルタルが充填される。
出入り調整部材220の形状はデッキプレートの凹部215と同形状とさせればよい。出入り調整部材220は、施工現場における加工が容易な発泡樹脂材が好適であるが限定されない。出入り調整部材は、施工現場においてデッキプレートの凹部に接する面に接着剤を塗布させて嵌着させればよいが、予め接着剤の層を備えさせておくと施工が容易となり好適である。
実施例2においては、円弧状長孔の外方に複数の第2円弧状長孔を備える隙間閉塞具2を、図4を参照して説明する。図4(A)図は隙間閉塞具2を接着層側から見た平面図を示している。図4(B)図は、筋状の適合化手段を切断させ、平板体を面方向に窄める前の状態の隙間閉塞具2の平面図を示している。図4(C)図は、平板体を面方向に窄めた後の状態の隙間閉塞具2の平面図を示している。
隙間閉塞具2は、実施例1よりも大径の配管102(図4(B)図参照)に適用させる例を示している。略正方形形状をなす平板体30の一辺を450mmとさせ、平板体を配管に装着させる孔31を、165.2mm(6インチ)の配管に合わせて、直径約170mmとさせている。孔径適合手段をなす円弧状のミシン目は、直径約190.7mm(7インチ)の配管よりも大きい直径195mmの円弧状のミシン目52と、直径216.3mm(8インチ)の配管よりも大きい直径220mmの円弧状のミシン目53としている。平板体30の材質、厚さについては実施例1と同様としている。
隙間閉塞具2は、孔31の外縁から平板体の一辺に至るまでの領域に分断手段をなす切れ目60を有する装着領域33を有している。装着領域を除く領域38に、4つの第1円弧状長孔80と、第1円弧状長孔の外方に配される3つの第2円弧状長孔90を備えている。第1円弧状長孔80は、孔31よりも径の大きい同心円81(図4(A)図一点鎖線参照)をなすように、前記同心円の360度の範囲に亘って、前記装着領域33を避けて90度の範囲ごとに均等に穿設されている。
第2円弧状長孔90は、前記同心円81よりも径の大きい大径同心円91(図4(A)図二点鎖線参照)をなすように、前記大径同心円91の270度の範囲に亘って、90度の範囲ごとに均等に穿設されている。第2円弧状長孔90は、隣り合う第1円弧状長孔80,80の端縁の間82のうち、装着領域を除く三か所が、3つの第2円弧状長孔90の周方向中央部に位置するように穿設されている。第1円弧状長孔80と第2円弧状長孔90との間が、所定幅の帯状の第2帯状部92とされる。
第2帯状部92の幅は、10mm以上50mm以下とさせれば、平板体30を浮き上がらせないように、床版に接着させやすく好適である。第2円弧状長孔90の幅は、第1円弧状長孔と同様に10mmとさせているがこれに限定されない。
平板体30を床版に接着させるときには、配管102の外径にあわせて予め筋状の適合化手段70をなす筋状のミシン目の位置と、孔径適合手段をなす円弧状のミシン目52,53の位置で平板体を切除させる(図4(B)図参照)。平板体30を面方向に窄める(図4(B)図矢印参照)と、隣り合う第1円弧状長孔の端縁の間82が、僅かに径方向外方に張り出した状態となる。この僅かに張り出した部分83が、第2円弧状長孔90の周方向中央部に位置されるため、前記張り出した部分83の変形が第2円弧状長孔90の中に納まっている(図4(C)図参照)。
これにより、配管の規格が大きく、平板体の面積を広くする必要がある場合であっても、平板体の一部だけを歪ませにくく、平板体全体をゆるやかに窄めやすい。平板体の天面全体を略平坦な状態とさせて床版に接着させることができ、流動性モルタルを担持させている隙間閉塞具2が床版から剥がれにくい。そのため、接着層を再剥離が容易な粘着剤とさせることができ、モルタルが固化されてから隙間閉塞具を床版から剥離させるときに、粘着剤が床版により残りにくい。
(その他)
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記した説明に限られず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2…隙間閉塞具、
10…形状維持層、20…接着層、30…平板体、40…円弧状長孔、
11…発泡樹脂、12…樹脂フィルム、21…剥離紙、
31…孔、32…一辺、33…装着領域、34…内側縁、35,36,37…縁部、
38…装着領域を除く領域、39…装着領域と反対側にある領域、
310…拡張させた孔、311…内側縁、
41…同心円、42…帯状部、43…帯状部の外部、
50,51…孔径適合手段、52,53…円弧状のミシン目、60…切れ目、
70…適合化手段、71…第1ミシン目、72…第2ミシン目、
80…第1円弧状長孔、81…同心円、82…端縁の間、83…張り出した部分、
90…第2円弧状長孔、91…大径同心円、92…第2帯状部、
100…配管、101,102…大径の配管、
200…コンクリート床版、201…壁、202…配管挿通孔、203…流動性モルタル、
210…床版、211…デッキプレート、212…コンクリート、213…凹凸部、
214…配管挿通孔、215…凹部、216…凸部、
220…出入り調整部材

Claims (8)

  1. 床版に貫通された円断面形状の配管と、その周囲の床版との隙間を塞ぐ流動性モルタルを担持する隙間閉塞具であって、
    形状維持層と接着層とからなる平板体とされ、
    前記形状維持層が、可撓性を有すると共に所定の厚さを有する樹脂層からなり、
    前記平板体が、円断面形状の孔と複数の円弧状長孔とを有し、
    前記孔が、前記配管の外径以上の径とされ、その外縁から外方に前記配管の装着領域を有し、
    複数の前記円弧状長孔が、前記装着領域を除く領域に、前記孔と同心円をなすように均等に備えられ、前記孔と前記円弧状長孔との間が所定幅の帯状部とされ、
    前記平板体が、前記装着領域の位置を通して前記配管に装着され、面方向に窄められて前記帯状部の内側縁が前記配管の外周に密着され、前記床版に前記接着層により接着され、前記床版に沿って平坦とされた状態で流動性モルタルを担持させる、
    ことを特徴とする隙間閉塞具。
  2. 前記装着領域に、径方向に伸びる筋状の分断手段が備えられ、
    前記分断手段が、前記孔から前記平板体の外縁に至り、
    前記筋状の分断手段の位置を通して、前記孔に前記配管を差し入れる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の隙間閉塞具。
  3. 前記平板体が、前記分断手段に沿って、径方向に伸びる筋状の適合化手段を備え、
    前記適合化手段の位置と前記分断手段の位置の間の平板体を切除させ、前記配管の外周の長さと前記適合化手段の内縁の長さとを適合させ、
    前記平板体が面方向に窄められた状態で、前記平板体が重ならないように前記床版に平坦に接着される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の隙間閉塞具。
  4. 前記平板体が、前記孔と同心円をなすと共に周方向に伸びる孔径適合手段を備え、
    前記配管の外径に応じて、前記孔径適合手段の位置で前記平板体を切除させ、前記配管よりも太い配管の外周の長さに前記孔径適合手段の位置の内縁の長さを適合させ、前記配管に前記平板体が装着される、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の隙間閉塞具。
  5. 前記平板体が、前記装着領域を除く領域に、前記孔と同心円をなすように、前記円弧状長孔の外方に複数の第2円弧状長孔を備え、
    隣り合う円弧状長孔の端縁の間が、第2円弧状長孔の周方向中央部に位置し、前記円弧状長孔と第2円弧状長孔との間が、所定幅の帯状の第2帯状部とされている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の隙間閉塞具。
  6. 前記帯状部の幅が、50mm以上100mm以下とされている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の隙間閉塞具。
  7. 前記形状維持層が、厚さ3mm以上10mm以下の発泡樹脂からなっている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の隙間閉塞具。
  8. 前記接着層の接着強度が、90度剥離試験において、5.5N/25mm以上とされ、
    前記接着層と前記形状維持層との接着力が前記接着層と前記床版との接着力よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の隙間閉塞具。
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